JPH05226634A - 集積型光検出器及びそれを備えたコヒーレント光通信システム - Google Patents

集積型光検出器及びそれを備えたコヒーレント光通信システム

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JPH05226634A
JPH05226634A JP4057524A JP5752492A JPH05226634A JP H05226634 A JPH05226634 A JP H05226634A JP 4057524 A JP4057524 A JP 4057524A JP 5752492 A JP5752492 A JP 5752492A JP H05226634 A JPH05226634 A JP H05226634A
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JP
Japan
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integrated
photodetector
communication system
fet structure
integrated photodetector
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JP4057524A
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English (en)
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Tamayo Hiroki
珠代 広木
Hideaki Nojiri
英章 野尻
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Canon Inc
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  • Junction Field-Effect Transistors (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】SN比が良好で高速応答可能な構成を持つ集積
型光検出器及びそれを用いたコヒーレント光通信システ
ムである。 【構成】集積型光検出器では、FET構造(MESFE
T構造、JFET構造など)光検出器がモノリシックに
集積されてバランス型受信器を構成している。更に、3
dBカプラ6をモノリシックに集積化することにより、
信号光と局発光が結合され、ここで等分配された後、リ
ッジ導波路5を経てほぼ等しい結合効率で2個の光検出
器に結合される。よって、雑音を抑制して、理想的なS
N比に近い値を得ることができる。これらの素子が同一
基板1上に集積化されているので、常に安定して同じ結
合を行なうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コヒーレント通信など
に用いるバランス型受信器を含む集積型光検出器及びそ
れを備えたコヒーレント光通信システムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図12に従来の集積型光検出器の構造を
示す。この構造では、GaAsの半絶縁性基板201上
に、ノンドープ(φ−)GaAsバッファ層202、ノ
ンドープのAlxGa1-xAs203を積層し、GaAs
60Å/AlyGa1-yAs30Åの超格子を0.9μm
程度或はφ−AlyGa1-yAs204を数μm積層し、
その上にクラッド層としてノンドープのAlxGa1-x
s205を0.3μm積層する。リッジ導波路を作成し
た後、n−GaAs活性層206を厚さ0.2μm、不
純物濃度1×1017cm-1で積層し、パターンニング
し、その上にソース電極211、ドレイン電極213お
よび、ゲート電極212を着ける。
【0003】しかし、こうした従来例には、光ヘテロダ
イン検波をする場合、次に説明するような欠点がある。
【0004】光ヘテロダイン検波の場合、信号光と局発
光の電界を Es=√Ps・exp〔j(ωst+φs)〕 ELO=√PLO・exp〔j(ωLOt+φLO)〕 Ps,PLO:信号光,局発光のパワー ωs,ωLO: 〃 の角周波数 φs,φLO: 〃 の位相 ε:合波器の信号光に対する結合効率 とすると、合波された後、フォトダイオードないし光検
出器で得られる光電流iは、 i=(2πeη/hω){εPs+(1−ε)PLO+ 2[ε(1−ε)PsLO1/2・ cos〔(ωLO−ωs)t+(φLO−φs)〕}+i
n(t)となり、雑音電流in(t)は、局発光に強度雑
音がなく、局発光電流が信号光よりも十分大きい場合に
は、 <i2 n>=2e2・2πη/hω・(1−ε)PLO となる。従って、信号対雑音比S/Nを、パルス幅あた
りのカウント数を用いて表すと、 (S/N)=[4ε(1−ε)NLOs]/[2(1−ε)NLO+2z] → 2Ns (ε→1,(1−ε)NLO≫z) となる。ここで、NLO,Nsはパルスあたりの信号光、
局発光のカウント数、zは熱雑音(抵抗雑音)を示す。
【0005】半導体レーザを用いたコヒーレント光通信
においては、局発光パワーが十分に大きくなく、熱雑音
を抑制するほどの局発利得が得られない(即ち、(1−
ε)NLO≫zとならない)。また、局発光にはショット
雑音(散弾雑音)より大きな雑音が表われる(振幅雑音
が大)。
【0006】図12に示す従来例などでは解消されない
これらの2つの問題を解決するために、光検出器2個を
用いて、バランス型受信器を構成してヘテロダイン検波
をすることが一般的になっている。
【0007】図9にバランス型受信器の構成を示す。ビ
ームスプリッタの透過率を50%とすると、2つのフォ
トダイオードには、夫々、同振幅逆位相の信号電流と、
同振幅同位相の局発光振幅ゆらぎによる雑音電流が流れ
る。これを差動回路で足し合せると信号電流は足し合わ
され、局発光振幅雑音は互いに打ち消しあい、ショット
雑音は足し合わされる。従って、理想的なSN比が実現
できる。この場合、バランス型光受信器を構成する2個
の光検出器の特性が均一であることが重要である。
【0008】こうした構成では、図12に示すFET単
体の組み合せに比べて、量子効率、静電容量のばらつき
は良い結果が得られている。また、2つの光検出器の相
対的位置関係も確定しているので、光ファイバの接続に
おいて、2本のファイバを一括接続し、光結合でのバラ
ンスを向上させることができる。
【0009】また、コヒーレント光通信に用いられるバ
ランス型受信器としては、pinフォトダイオード2個
を集積化したものが報告されている(O.WADA e
tal Electronics Letters V
ol.24,No.9,p.514(1988))。図
13にこの従来例を示す。
【0010】埋込みプレーナ化技術により、半絶縁性I
nP基板301上に2個の表面入射型pinフォトダイ
オードを集積化したものである。受光径20μmのフォ
トダイオードを500μmの間隔で配置したもので,素
子間分離のためにエッチングによって受光素子間に分離
溝302が形成されている。
【0011】図13に示した従来例でも、pinフォト
ダイオード単体の組み合せに比べて、量子効率、静電容
量のばらつきは良い結果が得られている。また、pin
フォトダイオードの相対的位置関係も確定しているの
で、光ファイバの接続において、2本のファイバを一括
接続し、光結合でのバランスを向上させることができ
る。
【0012】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、2
つのフォトダイオードからなるバランス型光受信器の構
成の前記従来例では、それぞれの光検出器とファイバー
とでカップリングを行なうため、2個の光検出器への結
合効率が異なってしまい、素子の特性が均一なものが作
製されても、結合部分でバランスが崩れてしまい、従っ
て雑音を十分に抑制することができないという問題点が
あった。
【0013】また、図13の前記従来例では、次のよう
な問題点がある。 (1)2つの光検出器の特性が均一にそろった素子を作
製するのが困難なため、雑音を十分抑制できない。 (2)ヘテロダイン検波では、信号光より周波数の高い
中間周波数成分の検出を行なうため、検出器は広帯域で
あることが必要なため、前記図13の従来例では、ピッ
トレートの高い通信に用いることができない。 (3)縦型(電界、電流の方向が膜厚方向に対して直
交)のデバイスであるため、プリアンプであるFETと
の集積化が困難である。 従って、本発明の目的は、以上の問題点を解決した集積
型光検出器及びそれを用いたコヒーレント光通信システ
ムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の構成によ
れば、FET構造光検出器をモノリシックに集積したバ
ランス型受信器に、3dBカプラをモノリシックに集積
化することにより信号光と局発光が結合され、等分配さ
れた後、ほぼ等しい結合効率で2個の光検出器に結合さ
れるようになり、雑音を抑制して、理想的なSN比に近
い値を得ることができる。また、これらの素子が同一基
板上に集積化されているので、常に安定して同じ結合を
行なうことができる、他の光デバイス(例えば局発光
源)との集積化が容易になるなどの特徴がある。
【0015】本発明の第2の構成によれば、FET構造
(MESFET構造、JFET構造など)光検出器を用
い、モノリシックに集積されたバランス型受信器を作製
することにより、次のごとき特徴が得られる。 (1)容易に特性の均一な2つの光検出器が作製できる
ため、雑音を抑制することができ、理想的なSN比に近
い値を得ることができる。 (2)FET構造光検出器は高速応答可能なため、ビッ
トレートの高い通信に用いることができる。 (3)プリアンプであるFETと層構成を同じにできる
ので、プリアンプとの集積化が容易であり、余分な抵
抗、容量が発生せず、帯域を悪化させることがない。
【0016】また、本発明の第1の構成の光通信システ
ムによれば、送信端局と受信端局との間を光伝送路で接
続した片方向コヒーレント光通信システムにおいて、受
信端局に上記の構成の集積型光検出器を備えてヘテロダ
イン検波を行なうことを特徴とする。
【0017】また、本発明の第2の構成の光通信システ
ムによれば、送信端局と受信端局との間を光伝送路で接
続した双方向コヒーレント光通信システムにおいて、受
信端局に上記の構成の集積型光検出器を備えてヘテロダ
イン検波を行なうことを特徴とする。
【0018】
【実施例1】図1にFET構造光検出器を用いたバラン
ス型受信器と3dBカプラを集積化した構造の第1の実
施例を示す。
【0019】GaAsの半絶縁性基板1上に、バッファ
層としてφ−GaAs層2を0.5μm積層し、φ−A
lGaAs層3を1.5μm積層し、導波層としてφ−
AlGaAs(厚さ30Å)とφ−GaAs(厚さ60
Å)の多重量子井戸(MQW)4を0.39μm積層
し、第2クラッド層としてφ−AlGaAs層を0.3
μm積層する。
【0020】次に、リッジ導波路5および3dBカプラ
6を次のプロセスで作製する。 (1)フォトリソグラフィにより導波路および3dBカ
プラをパターニングする。 (2)第2クラッド層のφ−AlGaAsを0.28μ
mだけCl2ガスを用いた反応性イオンビームエッチン
グ(RIBE)によりエッチングし、導波路5と3dB
カプラ6を形成する。 (3)レジストマスクを剥離し、表面清浄を念入りに行
なう。
【0021】このようにして作製した3次元導波路上
に、能動層7として、Siを1.0×1017cm-3のn
−GaAs層を0.2μm再成長する。本構成のための
結晶成長方法としては、分子線エピタキシー法(MB
E)、有機金属CVD法(MO−CVD)等がある。
【0022】次に、受光部を作製する。受光器はFET
構成である為、吸収キャリアの検出の為のオーミック電
極としてソース電極11とドレイン電極13をAu−G
e/Ni/Auを用い、ゲート電極12としてAlを蒸
着する。素子サイズとしてはゲート長4μm、ゲート幅
100μm、ソース・ゲート間隔1μm、ゲート・ドレ
イン間隔4μmである。
【0023】次に、受光部のデバイスプロセスを示す。 (1)フォトリソグラフィにより能動層7のn−GaA
sを選択的にエッチングする。エッチング方法として、
ウエットエッチングの場合のエッチャントは過酸化水素
(200cc)とアンモニア水(1cc)を用いること
により、また、ドライエッチングの場合のガスとしては
CC122を用いた反応性イオンエッチング(RIE)
により、GaAsのみが選択的にエッチングされる。 (2)サンプルを加熱してスッパタ蒸着装置により酸化
シリコンを蒸着する。 (3)フォトリソグラフィにより能動層7以外の部分を
レジストで覆いバッファフッ酸(BHF)によりエッチ
ングする。 (4)能動層7の表面と導波路5以外の部分のφ−Al
GaAsの表面を保護するために窒化シリコンをCVD
法により蒸着する。 (5)ソース・ドレイン電極パターニングを行なう。 (6)CF4ガスを用いたRIEによりソース・ドレイ
ン電極の窒化シリコンをエッチングする。 (7)Au−Ge/Ni/Auを連続蒸着する。 (8)Azリムーバ(remover)を加熱しレジス
トを剥離する事で電極部以外のAu−Ge/Ni/Au
を除去する。 (9)能動層7と電極のオーミックコンタクトをとるた
めにアロイを行なう。 (10)ゲート電極パターニングを行なう。 (11)CF4ガスを用いたRIEによりゲート電極部
の窒化シリコンをエッチングする。 (12)ゲート材料としてAlを電子ビーム(EB)蒸
着する。 (13)Azリムーバを加熱しレジストを剥離する事で
ゲート電極部以外のAlを除去する。 (14)半絶縁性基板1をメカニカルにラッピングして
デバイス全体の厚みを100μmから150μmとす
る。 (15)Au−Ge/Ni/Auを連続蒸着する。 (16)基板1との密着性をよくするためにアロイを行
なう。 上記プロセスにより、バランス型受信器と3dBカプラ
6を集積化することができる。
【0024】次に本素子の動作を説明する。図2にバラ
ンス型受信器を用いたヘテロダイン検波の構成を示す。
3dBカプラ6の片側に信号光が、もう片側に局発光が
入射される。結合領域で信号光と局発光が結合され、2
本の導波路5にほぼ等分配される。等分配された光はそ
のまま導波路5を伝搬して2個の光検出器に到達し、検
出される。光検出用FETのドレイン電極13にソース
電極11に対して正の電界VDを印加し、ゲート電極1
2にソース電極11に対して負の電界VGを印加する。
ゲート電極12はショットキー電極であるから、空乏層
が活性層7内に伸びている。この空乏層幅はゲート電圧
Gにより変化し、それに従ってチャネル幅が変化す
る。この結果、ドレイン電極13とソース電極11間に
流れる電流IDが変化する。空乏層が活性層7下の層ま
で達するとチャネルは閉じられ電流IDは流れなくな
る。この状態で光が来ると、活性層7下の導波路5から
導波光は活性層7に吸収されながら導波し、そこでキャ
リアが発生する。発生したキャリアのうち、電子は電界
によりドレイン電極13に到達し、検出される。また、
正孔は空乏層に引き寄せられ、その結果、空乏層が収縮
する。
【0025】この様に、光を照射しない場合はチャネル
はピンチオフしているので電流は流れないが、光により
空乏層が収縮するため電流が流れる。照射光量に応じて
空乏層が変化し、ソース−ドレイン間に電流が流れ、光
量が検出される。
【0026】2個の光検出器からは、同振幅逆位相の信
号電流と同振幅同位相の局発振幅ゆらぎによる雑音電流
が流れる。差動回路でたし合わせることにより、局発振
幅雑音を除去し、理想的なSN比に近い値を実現するこ
とができる。
【0027】本実施例では、FET構造光検出器が3d
Bカプラ6とモノリシックに集積されているため、2つ
の光検出器に結合する光をほぼ等しくすることができ、
雑音が抑制され、理想的なSN比に近い値が得られる。
また、集積されることにより、安定した結合、分岐とな
っているため、安定した特性が得られる。また、FET
構造であるため、プリアンプとの集積化が容易であるた
め、より良いSN比を得ることができる。
【0028】本実施例における材料は、GaAs/Al
GaAsに限られるものではなく、他のIII−V族化
合物半導体を用いた場合や、基板にSi等のIV族半導
体を用いても同様な効果がある。
【0029】
【実施例2】図3にFET構造光検出器21を用いたバ
ランス型受信器と3dBカプラ22および局発光源23
を集積化した構造を示す。局発光源23は出力導波路付
きのレーザなら何でもよいが、ここでは例えば分布反射
型(DBR)構造のレーザを集積した場合について述べ
る。
【0030】図4に層構成を示す。局発光源23は、n
−GaAs基板25上に、n−Al0.3Ga0.7As26
を2μm、p−GaAs活性層27を0.2μm、p−
Al0.2Ga0.8Asを0.1μm、p−Al0.07Ga
0.93As29を0.1μm積層し、グレーティング30
を作製する。その後、レーザ以外の領域は、基板25ま
でエッチングをする。
【0031】次に、光検出器21を作製する為に、p−
Al0.3Ga0.7As31を2μm、φ−Al0.1Ga0.9
As32を2μm、φ−Al0.3Ga0.7As33を0.
2μm、n−GaAs34を0.2μm積層する。光検
出器21の部分の層構成は図4に示す様になっている。
【0032】次に本素子の動作を示す。図2には、バラ
ンス型受信器を用いたヘテロダイン検波の第2の実施例
の構成も示されている。3dBカプラ22の入口の片側
に信号光が、もう片側に同一基板25上にモノリシック
に集積化された局発光源23から局発光が伝搬する。局
発光源23がモノリシックに集積されているため、局発
光は、高効率に、しかも安定に得られる。結合領域で信
号光と局発光が結合され、2本の導波路にほぼ等分配さ
れる。等分配された光はそのまま導波路を伝搬して、2
個の光検出器21に到達し、検出される。光検出器21
の動作は、第1の実施例と同じである。
【0033】本実施例では、FET構造光検出器により
構成されたバランス型受信器が3dBカプラおよび局発
光源とモノリシックに集積化されているため、2つの光
検出器に結合する光をほぼ等しくすることができ、また
高効率で局発光が得られるため、雑音が抑制され、理想
的なSN比に近い値が得られる。また、集積されること
により、局発光源とカプラおよびカプラと光検出器の結
合、あるいは分岐が安定し、特性が安定する。また、F
ET構造であるので、プリアンプとの集積化が容易であ
るため、より良いSN比が得られる。
【0034】本実施例でも、材料はGaAs/AlGa
Asに限られるものではなく、他のIII−V族化合物
半導体を用いた場合や、基板にSi等のIV族半導体を
用いても同様な効果がある。
【0035】また、本実施例では局発光源23に波長チ
ューニング機能を持たせることにより、多波長の中から
所望の波長を選択し、検出することが可能である。
【0036】
【実施例3】図5に導波型FET構造光検出器を集積化
して作製したバランス型受信器の第3の実施例の構造を
示す。
【0037】GaAsの半絶縁性基板41上に、バッフ
ァ層としてφ−GaAs層42を0.5μm積層し、第
1クラッド層としてφ−AlGaAs層43を1.5μ
m積層し、導波路層44としてφ−AlGaAs30Å
とφ−GaAs60ÅのMQW層を0.39μm積層
し、第2クラッド層としてφ−AlGaAs層45を
0.3μm積層する。
【0038】リッジ導波路の作製プロセス及び受光部の
デバイスプロセスは第1の実施例と実質的に同じであ
る。図5において、46はn−GaAs活性層、47は
窒化シリコン膜、51はソース電極、52はゲート電
極、53はドレイン電極である。
【0039】上記プロセスにより容易に集積化されたバ
ランス型受信器を作製することができる。個々の素子の
動作も第1の実施例のものと同じである。既に触れた図
2に、バランス型受信器を用いたヘテロダイン検波の構
成を示す。カップラで信号光と局発光がミキシングされ
分岐されて、2つのFET構造光検出器に入射される
と、同振幅逆位相の信号電流と同振幅同位相の局発振幅
ゆらぎによる雑音電流が流れる。差動回路で足し合わせ
ることにより、局発光振幅雑音を除去し、理想的なSN
比に近い値を実現することができる。
【0040】本実施例では、FET構造光検出器が高速
応答可能なため、ビットレートの高い通信においても使
用可能である。また、作製が容易で均一性が良いためS
N比がより理想的なSN比に近い値となる。また、導波
型であるため他の光デバイス(光合分岐器、レーザな
ど)と集積が容易であり、より良いSN比を得ることが
できる。また、FET構造であるため、プリアンプとの
集積化が容易であり、より良いSN比を得ることができ
る。材料は、上記の実施例と同じことがいえる。
【0041】
【実施例4】図6に面入射型FET構造光検出器を集積
化して作製したバランス型受信器の第4の実施例の構造
を示す。
【0042】GaAsの半絶縁性基板61上に、バッフ
ァ層としてφ−GaAs層62を0.5μm積層し、φ
−AlGaAs層63を1.5μm積層し、能動層64
としてSiを1.0×1017cm-3のn−GaAs層を
0.2μm再成長する。本構成のための、結晶成長方法
としては分子線エピタキシー法(MBE)、有機金属C
VD法(MO−CVD)等がある。図6において、65
は窒化シリコン膜、71はソース電極、72はゲート電
極、73はドレイン電極である。
【0043】受光部の作製プロセスは第1の実施例と実
質的に同じである。このプロセスにより容易に集積化さ
れたバランス型受信器を作製することができる。個々の
素子の動作も、検出器上面から光を照射することを除い
て、第1の実施例と同じである。
【0044】ヘテロダイン検波の構成は、第3の実施例
と同じく図2に示されている。カップラで信号光と局発
光がミキシングされ分岐されて、2つのFET構造光検
出器に入射されると、同振幅逆位相の信号電流と同振幅
同位相の局発振幅ゆらぎによる雑音電流が流れる。差動
回路で足し合わせることにより、局発光振幅雑音を除去
し、理想的なSN比に近い値を実現することができる。
本実施例でも、FET構造光検出器が高速応答可能なた
め、ビットレートの高い通信においても使用可能であ
る。また、作製が容易で均一性が良いためSN比がより
理想的なSN比に近い値となる。また、2つの光検出器
が集積化されているため、ファイバなどとのカップリン
グθ効率がよくなる。また、FET構造であるので、プ
リアンプとの集積化が容易であるため、より良いSN比
を得ることができる。材料についても、上記の実施例と
同じことがいえる。
【0045】
【実施例5】図7に、FET構造導波型光検出器とその
プリアンプであるFETをモノリシックに集積化した構
造の第5の実施例を示す。
【0046】GaAsの半絶縁性基板81上に、バッフ
ァ層としてφ−GaAs層82を0.5μm積層し、第
1クラッド層としてφ−AlGaAs層83を1.5μ
m積層し、導波路層84としてφ−AlGaAs30Å
とφ−GaAs60ÅのMQW層を0.39μm積層
し、第2クラッド層としてφ−AlGaAs層85を
0.3μm積層する。
【0047】リッジ導波路の作製及び受光部のデバイス
プロセスは実質的に第1の実施例と同じである。このプ
ロセスで、光検出用のFETが作製できるが、同時にプ
リアンプ用のFETも活性層86下にリッジ導波路を設
けないことにより作製できる。本実施例は図9の光検出
器2個とプリアンプを集積化したものである。
【0048】光検出器の動作は上記実施例と同様であ
る。一方、2つの光検出器から得られた電流を増幅する
ため受信回路が必要となる。図8にFET光検出器を用
いたハイインピーダンス型の受信回路を示す。
【0049】図8において、94が光検出用の2つのF
ET、95,96,97が他のFET、98が抵抗であ
る。これらの素子を作製する場合、電極間を結ぶための
配線容量が問題になるが、本実施例の場合、光検出器と
電子素子とが全く同じ層構成であるため、余分な層を積
層する必要がなく、そのため、寄生容量を低下させるこ
とができる。また、素子間の段差は素子間分離の0.2
μm程度の高さの溝のみであるから、相互接続メタル幅
も2μm程度で良く、容量を低下させることができる。
従って、高速応答性、雑音特性が向上する。また、同じ
素子であるため、作製が容易である。従って、より良い
SN比を得ることができる。
【0050】この構成は、基板材料および各層の材料が
他のIII−V族半導体、II−VI族半導体、Si基
板上にこれらの材料を成長した場合についても有効であ
る。また、導波路の構造が、リッジ導波路のみでなく、
埋め込みの場合、また拡散イオン注入等による超格子の
無秩序化構造においても有効である。
【0051】また、この構成は、ハイインピーダンス受
信回路のみでなく、トランスインピーダンス型受信回路
等他の受信回路においても有効である。
【0052】
【実施例6】図10に、1対1のコヒーレント通信シス
テムに本発明の集積型光検出器を用いた実施例を示す。
本システムは、送信部101、伝送部102、受信部1
03より成る。
【0053】送信部101は、半導体レーザなどの光源
111と光変調回路112からなる。受信部103は偏
波制御回路131、光局発回路132、混合回路13
3、光検波回路134、復調・識別回路135からな
る。光検波回路134および混合回路133、またはこ
れらの回路133,134および光局発回路132に本
発明の第1または第2の実施例の集積型光検出器を用い
る。または、光検波回路134に本発明の第3、第4ま
たは第5の実施例の集積型光検出器を用いる。
【0054】送信部101から出た信号は伝送部102
を経て受信部103に入り、偏波面が制御される。ま
た、集積型光検出器中または光局発回路から局発光が発
振しているので、信号光と局発光が混合回路133でミ
キシングされ分岐されて、光検出回路134のバランス
型受信器で検出され、復調・識別回路135を経て出力
信号となる。
【0055】本発明の集積型光検出器を用いることによ
り、雑音が抑えられ、良好なSN比が得られる。そのた
め、無中継で長距離の通信を行なうこともできる。ま
た、他のデバイス(プリアンプ、偏波制御素子など)を
集積化することにより、さらにその効果は大きくなる。
【0056】
【実施例7】図10に、N対Nの双方向コヒーレント通
信システムに本発明の集積型光検出器を用いた実施例を
示す。
【0057】送信部141,142からの信号は、合分
波器143または144、伝送路である光ファイバ14
5、合分波器144または143を経て受信部152,
151に到達する。送信器と受信器の組は、両端におい
て、夫々、N組設けられている。送信部141,142
の構成は実施例6と同じく、光源と光変調回路とからな
る。受信部151,152の構成も実施例6と同じく、
偏波面制御回路、光局発回路、混合回路、光検波回路、
復調・識別回路から成る。光検波回路および混合回路、
またはこれら2つの回路および光局発回路に本発明の第
1または第2の実施例の集積型光検出器を用いる。また
は、光検波回路に本発明の第3、第4または第5の実施
例の集積型光検出器を用いる。
【0058】送信部141,142から受信部151,
152に到達した信号光は第6の実施例と同様にして集
積型光検出器で検出される。
【0059】本発明の集積型光検出器を用いることによ
り雑音が抑えられ、良好なSN比が得られる。そのた
め、無中継で長距離の通信を行なうことができる。ま
た、波長多重方式の場合、局発光の波長により、チャネ
ルを選択することができ、多重度が大きくなる。また、
他のデバイス(偏波制御素子、プリアンプなど)を集積
化することにより、さらにその効果は大きくなる。ま
た、図7,8の様に他の光デバイス、電子デバイスと集
積化することにより、さらにその効果は大きくなる。
【0060】
【発明の効果】本発明の第1の構成(第1および第2の
実施例)は以上に説明したように構成されているので、
以下に記載するような効果を奏する。 1.2つのFET構造光検出器から構成されるバランス
型受信器と3dBカプラをモノリシックに集積化するこ
とにより、2つの光検出器と3dBカプラとの結合が均
一に安定に行なえることにより、SN比がより理想的な
SN比に近い値になる。 2.バランス型受信器、3dBカプラ、局発光源をモノ
リシックに集積化することにより(第2の実施例の場
合)、十分強度の大きい局発光が安定して得られ、SN
比がより理想的なSN比に近い値になる。 3.FET構造光検出器が高速応答可能なため、これに
より構成した集積型光検出器をビットレートの高い通信
に用いることができる効果がある。 4.プリアンプとの集積化が容易であるため、より良い
SN比が得られ、より高速に応答する効果がある。
【0061】また、本発明の第2の構成(第3,第4お
よび第5の実施例)は以上に説明したように構成されて
いるので、以下に記載するような効果を奏する。 1.2つのFET構造光検出器をモノリシックに集積化
してバランス型受信器を構成することにより、2つの光
検出器の均一性が向上し、SN比がより理想的なSN比
に近い値となる効果がある。 2.FET型光検出器が高速応答可能なため、これによ
り構成したバランス型受信器をビットレートの高い通信
に用いることができる効果がある。 3.プリアンプとの集積化が容易であるため、より良い
SN比が得られ、より高速に応答する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の集積型光検出器の斜視図。
【図2】バランス型受信器を用いたヘテロダイン検波の
構成を示す概略図。
【図3】第2の実施例の集積型光検出器の斜視図。
【図4】第2の実施例の集積型光検出器の層構成を示す
図。
【図5】導波型FET構造光検出器により構成した第3
の実施例のバランス型受信器の断面図。
【図6】面入射型FET構造光検出器により構成した第
4の実施例のバランス型受信器の断面図。
【図7】導波型FET構造光検出器とプリアンプを集積
化することにより構成した第5の実施例のバランス型受
信器の断面図。
【図8】バランス型受信器の受信回路(ハイインピーダ
ンス型)を示す図。
【図9】バランス型受信回路の構成図。
【図10】1対1の片方向光通信システムに本発明の集
積型光検出器を用いた第6の実施例を示す図。
【図11】N対N双方向光通信システムに本発明の集積
型光検出器を用いた第7の実施例を示す図。
【図12】従来例を示す図。
【図13】他の従来例を示す図。
【符号の説明】
1,25,41,61,81
基板 2,42,62,63,82
バッファ層 3,5,26,31,33,43,45,83,85
クラッド層 4,32,44,84 導波
路層 6,22 3dBカプ
ラ 7,27,34,46,64,86
活性層 11,51,71,91 ソース電極 12,52,72,92 ゲート電極 13,53,73,93 ドレイン電極 21 光検出器 23 局発光源 47,65,87 窒化シリコン膜 94,95 光検出用FET 95,96,97 FET 101,141,142 送信部 102,145 伝送路 103,151,152 受信部 111 光源 112 光復調回路 131 偏波面制御回路 132 光局発回路 133 混合回路 134 光検波回路 135 復調・識別回路 143,144 合分波器
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // H01L 21/338 9171−4M H01L 29/80 R

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソース電極とドレイン電極との間を流れ
    る電流により入力光量を検出するFET構造光検出器を
    集積化することにより構成したバランス型受信器と3d
    Bカプラをモノリシックに集積化したことを特徴とする
    集積型光検出器。
  2. 【請求項2】 更に局発光源をモノリシックに集積化し
    たことを特徴とする請求項1記載の集積型光検出器。
  3. 【請求項3】 前記局発光源が波長チューニング機能を
    もつことを特徴とする請求項2記載の集積型光検出器。
  4. 【請求項4】 前記局発光源が出力導波路を有すること
    を特徴とする請求項2記載の集積型光検出器。
  5. 【請求項5】 ソース電極とドレイン電極との間を流れ
    る電流により入力光量を検出するFET構造光検出器を
    集積化することによりバランス型受信器を構成すること
    を特徴とする集積型光検出器。
  6. 【請求項6】 前記FET構造がMESFET構造であ
    ることを特徴とする請求項5の集積型光検出器。
  7. 【請求項7】 前記FET構造がJFET構造であるこ
    とを特徴とする請求項5の集積型光検出器。
  8. 【請求項8】 前記FET構造光検出器が導波型である
    ことを特徴とする請求項5の集積型光検出器。
  9. 【請求項9】 前記FET構造光検出器が面入射型であ
    ることを特徴とする請求項5の集積型光検出器。
  10. 【請求項10】2つの前記FET構造光検出器とプリア
    ンプがモノリシックに集積化されて構成されることを特
    徴とする請求項5記載の集積型光検出器。
  11. 【請求項11】送信端局と受信端局との間を光伝送路で
    接続した片方向コヒーレント光通信システムにおいて、
    受信端局に請求項1または5記載の集積型光検出器を備
    えてヘテロダイン検波を行なうことを特徴とするコヒー
    レント光通信システム。
  12. 【請求項12】送信端局と受信端局との間を光伝送路で
    接続した双方向コヒーレント光通信システムにおいて、
    受信端局に請求項1または5記載の集積型光検出器を備
    えてヘテロダイン検波を行なうことを特徴とするコヒー
    レント光通信システム。
JP4057524A 1992-02-10 1992-02-10 集積型光検出器及びそれを備えたコヒーレント光通信システム Pending JPH05226634A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012198292A (ja) * 2011-03-18 2012-10-18 Fujitsu Ltd 光ハイブリッド回路及び光受信機
JP2013254163A (ja) * 2012-06-08 2013-12-19 Sumitomo Electric Ind Ltd コヒーレントミキサ、コヒーレントミキサを作製する方法
JP2016042101A (ja) * 2015-12-03 2016-03-31 オリンパス株式会社 光検出装置、顕微鏡および内視鏡

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