JPH05222903A - 蒸気加減弁チェストウォーミング装置 - Google Patents

蒸気加減弁チェストウォーミング装置

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JPH05222903A
JPH05222903A JP5722892A JP5722892A JPH05222903A JP H05222903 A JPH05222903 A JP H05222903A JP 5722892 A JP5722892 A JP 5722892A JP 5722892 A JP5722892 A JP 5722892A JP H05222903 A JPH05222903 A JP H05222903A
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JP
Japan
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control valve
steam
valve chest
chest
steam control
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JP5722892A
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Inventor
Takeshi Furui
猛 古井
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、蒸気加減弁チェスト等に過度の熱
応力を与えることなく、ウォーミング時間も最短とする
ことができる蒸気加減弁チェストウォーミング装置を得
ることにある。 【構成】 本発明は、蒸気加減弁チェストメタル温度変
化率の計測値または蒸気加減弁チェスト内外面メタル温
度差変化率の計測値および蒸気加減弁チェスト内外面メ
タル温度差の計測値を予め定められたファジー変数に基
づいて第一の状態認識手段34および第二の状態認識手
段35でそのメンバーシップ関数値に変換し、ここで得
られたメンバーシップ関数値に基づいて蒸気加減弁チェ
ストメタルに加わる熱応力の予測値をファジー推論手段
36で求め、この熱応力の予測値が予め定めた設定値を
越えたとき蒸気止め弁を閉じ、蒸気加減弁チェストメタ
ル温度変化率の計測値または蒸気加減弁チェスト内外面
メタル温度差変化率の計測値が予め定めた設定値より小
さくなったとき主蒸気止め弁の弁座後ドレン弁を開くよ
うにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蒸気タービンプラント
の主タービンへの通気前における蒸気加減弁チェストの
ウォーミング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は一般的なタービンプラントの主要
部系統を示す図であり、ボイラ1で発生した蒸気は主蒸
気管2を通り、主蒸気止め弁3(MSV)を経由し主蒸
気リード管11を通って蒸気加減弁4(CV)を経てタ
ービン5に供給され、そのタービン5で仕事を行なった
蒸気は復水器6で復水される。
【0003】ところで、このようなタービンプラントの
起動時においては、タービンを冷機状態から起動し系統
に併入してから目標負荷に到達するまでの過程で、蒸気
加減弁チェスト、ケーシングをはじめとしてタービン各
部の温度は、例えば室温に近い温度から最終到達負荷時
にタービン内部を流れる蒸気温度に近い温度まで上昇変
化することになる。この温度変化は上流側程大きく、蒸
気加減弁チェストや高圧タービンケーシングの入口部は
定格主蒸気温度(通常、530℃または566℃)まで
上昇変化する。
【0004】特に、蒸気加減弁チェストが主タービンケ
ーシングと一体形となっている場合は、ケーシングを内
部圧力に対して厚肉構造とする必要があるので、ケーシ
ングと一体となる蒸気加減弁チェストの内・外面には温
度差が生じ易くなり、熱膨張を拘束し合うため、大きな
熱応力を発生し、さらに起動毎に発生するこの熱応力の
繰り返しによって、金属疲労が蓄積し、ついにはその寿
命を消費してクラックを発生させることがある。
【0005】したがって、タービンが長期間停止した後
の高温部金属温度が冷え切った状態から、熱い蒸気を入
れて起動することは、急激でかつ大きな温度変化をター
ビンに与えることになるので、金属寿命の消費の面から
は好ましくない。
【0006】そこで、起動中の温度変化幅を小さくする
ことを目的として、蒸気加減弁チェスト、特に主タービ
ンケーシングと一体形の蒸気加減弁チェストを起動前に
暖機するウォーミングが行なわれる。
【0007】図8において、主蒸気止め弁3の上流側に
は弁座前ドレン系統7およびそのドレン弁8が設けられ
ており、起動・停止過程において主蒸気管2および主蒸
気止め弁3で発生するドレンを排出するようにしてあ
る。また、主蒸気止め弁3の後流側には弁座後ドレン弁
系統9およびそのドレン弁10が設けられており、起動
・停止過程において主蒸気リード管11及び蒸気加減弁
4に発生するドレンの排出を行なうようにしてある。
【0008】しかして、蒸気加減弁チェストウォーミン
グは、ドレン弁8,10および蒸気加減弁4を閉状態と
し、主蒸気止め弁3本体またはそれに内蔵されている副
弁(以下、単に主蒸気止め弁3という)を一定時間(通
常2〜3分)開とすることにより、ウォーミング蒸気を
蒸気加減弁4チェスト内に導き、一定時間保持した後、
主蒸気止め弁3または上記副弁を閉じ、ウォーミング蒸
気を蒸気加減弁チェスト内に封じ込めて蒸気の熱を蒸気
加減弁チェストメタルに伝達させることにより行なう。
【0009】このようにして蒸気加減弁チェスト内で熱
交換したウォーミング蒸気は温度が下がり復水し、この
復水が或程度蒸気加減弁チェスト内に溜まるが、一定時
間後主蒸気止め弁弁座後ドレン弁10が開けられ主蒸気
リード管11および蒸気加減弁チェストで発生したドレ
ンが排出される。この動作を繰り返し、蒸気加減弁チェ
ストのメタル温度が或値に到達した時にウォーミング完
了とする。
【0010】図9は、主蒸気止め弁3および主蒸気止め
弁弁座後ドレン弁10の開閉タイミングを示す図であ
る。従来、主蒸気止め弁の開時間t1 、および主蒸気止
め弁全閉後弁座後ドレン弁10が開かれるまでのウォー
ミング蒸気の蒸気加減弁チェスト内への封じ込め時間t
2 は、予め決定された固有値で与えられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の如き
ウォーミングにおいては、ウォーミングを行なう際、蒸
気加減弁チェストメタル温度に関係なく主蒸気止め弁お
よび弁座後ドレン弁の開閉タイミングを一定にしている
ため、蒸気加減弁チェストウォーミングを開始した直
後、すなわち蒸気加減弁チェストメタル温度が低い状態
においては、ウォーミング蒸気供給時間が必要以上に長
くなる。したがって、図10に示すように蒸気加減弁チ
ェストメタル温度は急激な変化を示し、過大な熱応力が
発生するという問題がある。
【0012】逆に、蒸気加減弁チェストウォーミングを
或程度実施した段階、すなわち、蒸気加減弁チェストメ
タル温度が高い状態においては、ウォーミング蒸気供給
時間が必要時間に比べて短いため、蒸気加減弁チェスト
温度の変化量が小さくなり、ウォーミング効果が減少
し、その結果ウォーミング時間が必要以上に長くなる等
の問題がある。
【0013】このように従来のウォーミングは、蒸気加
減弁チェストウォーミング中に発生する急激な温度変化
とそれに伴う過大な熱応力を抑制させることができず、
また、逆に蒸気加減弁チェストの温度変化が緩慢な場合
に適正な温度変化に制御することが困難である。
【0014】また、ウォーミング蒸気の圧力・温度条件
が蒸気加減弁チェストウォーミング時毎に異なるタービ
ンプラントにおいては、例えばウォーミング蒸気の圧力
や温度が高い場合には蒸気加減弁チェストに対し常に過
度な温度変化をもたらし、時には材料を降伏せしめる程
の熱応力を発生させることがある。逆に、ウォーミング
蒸気の圧力や温度が低い場合には、蒸気加減弁チェスト
メタル温度が上がらず、十分なウォーミング効果が得ら
れない可能性がある等の問題がある。
【0015】加減弁チェストのウォーミングに際して
は、主蒸気止め弁を開けると、ウォーミング蒸気が加減
弁に流入し、加減弁チェストのウォーミングが行なわれ
る。これに伴い、加減弁の内外面に温度差が生じ、熱膨
張を拘束し合うため、熱応力が発生する。
【0016】この熱応力が過大になると、加減弁チェス
トに金属疲労が蓄積するため、熱応力を許容される範囲
内に抑制しつつ、かつ、できるだけ短時間にウォーミン
グを行なうことが要求される。これら2つの要求は互い
に相反するものであり、両方を満たすように制御するこ
とは、一般には難しいが、熟練したオペレータは加減弁
チェストの内外面メタル温度差、加減弁チェストメタル
温度の変化を監視しながら、加減弁チェストに加わる熱
応力を的確に予測し、過大な熱応力が加わることなく、
短時間にウォーミングを行なうことができる。
【0017】本発明は、熟練オペレータの運転ノウハウ
をファジー変数およびファジー推論を用いてモデル化
し、起動時のウォーミング蒸気条件や蒸気加減弁チェス
ト金属温度が異なる場合においても、蒸気加減弁チェス
ト等に過度の熱応力を与えることがなく、かつウォーミ
ング時間も最短とすることができるようにした蒸気加減
弁チェストウォーミング装置を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の蒸気加減弁チェ
ストウォーミング装置は、蒸気の供給および停止を行う
主蒸気止め弁と、蒸気加減弁チェスト内に発生するドレ
ンを排出するための主蒸気止め弁の弁座後ドレン弁を交
互に開閉させて蒸気加減弁チェストのウォーミングを行
う蒸気加減弁チェストウォーミング装置において、蒸気
加減弁チェストメタル温度変化率の計測値または蒸気加
減弁チェスト内外面メタル温度差変化率の計測値を予め
定められたファジー変数に基づいてそのメンバーシップ
関数値に変換する第一の状態認識手段と、蒸気加減弁チ
ェスト内外面メタル温度差の計測値を予め定められたフ
ァジー変数に基づいてそのメンバーシップ関数値に変換
する第二の状態認識手段と、第一の状態認識手段および
第二の状態認識手段で得られたメンバーシップ関数値に
基づいて蒸気加減弁チェストメタルに加わる熱応力の予
測値を求めるファジー推論手段と、ここで得られた蒸気
加減弁チェストメタルに加わる熱応力の予測値が予め定
めた設定値を越えたとき蒸気止め弁を閉じる指令を出力
する第一の比較手段と、蒸気加減弁チェストメタル温度
変化率の計測値または蒸気加減弁チェスト内外面メタル
温度差変化率の計測値が予め定めた設定値より小さくな
ったとき主蒸気止め弁の弁座後ドレン弁を開く指令を出
力する第二の比較手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】
【作用】本発明では、加減弁チェストメタル温度変化率
および加減弁チェスト内外面メタル温度差の計測値を各
々ファジー変数及びメンバーシップ関数の値(所属度)
に変換し、これらを用いて、推論規則に基く、ファジー
推論と言う数値演算により、加減弁チェストのメタルに
加わる熱応力の予測値を求め、こうして計算された熱応
力の予測値が、予め定めた設定値より大きくなったと
き、主蒸気止め弁を閉じてウォーミング蒸気を遮断し加
減弁チェストに封じ込める。そして、加減弁チェストメ
タル温度変化率がその設定値より小さくなった時点で、
主蒸気止め弁の弁座後ドレン弁を開けて、熱交換を終え
た蒸気とドレンを加減弁チェストから排出する。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例を説明する。図1は
本発明のウォーミング装置のブロック図である。加減弁
チェストの内面メタル温度及び外面メタル温度をそれぞ
れ温度検出器21,22で検出し、その差を減算器23
で計算し、加減弁チェスト内外面メタル温度差信号aを
算出する。一方、加減弁チェストメタル温度は温度検出
器24で検出し、変化率演算器25でその加減弁チェス
トメタル温度の変化率を計算し、メタル温度変化率信号
bを算出する。これら信号a及び信号bはファジー推論
器26に入力され、加減弁チェストに発生する熱応力の
予測値Cが算出される。この熱応力予測値Cは第一の比
較手段27にて設定値発生器28に予め設定された熱応
力設定値Aと比較される。一方、メタル温度変化率信号
bは第二の比較手段29に入力され、設定値発生器30
に予め設定された変化率設定値Bと比較される。AND
回路31,32、タイマー33は主蒸気止め弁およびそ
の弁座後ドレン弁を開閉するための論理回路である。こ
れにより、主蒸気止め弁及び主蒸気止め弁弁座後ドレン
弁を制御し、加減弁ウォーミングを行なう。
【0021】ファジー推論器26は、図2に示すように
加減弁チェスト内外面メタル温度差信号aに対するファ
ジー変数とそのメンバーシップ関数の値(所属度)を出
力する第一の状態認識手段34と、加減弁チェストメタ
ル温度変化率信号bに対するファジー変数とそのメンバ
ーシップ関数の値(所属度)を出力する第二の状態認識
手段35、及びこれら状態認識手段34,35から与え
られたファジー変数と対応するメンバーシップ関数値
(所属度)から、熱応力予測値Cを計算するファジー推
論手段36より成る。
【0022】いま、蒸気加減弁のウォーミング開始信号
が発せられると、主蒸気止め弁弁座後ドレン弁9が全閉
されると共に、主蒸気止め弁3が全開され、ウォーミン
グ蒸気の供給が行なわれる。そして、この主蒸気止め弁
3の全開信号は、AND回路31に入力される。一方、
蒸気加減弁チェスト内面メタル温度検出器21および外
面メタル温度検出器22からの各温度信号は減算器23
に入力され、ここで内外面メタル温度差が計算され、信
号aとして出力される。
【0023】また、蒸気加減弁チェストメタル温度検出
器24からの温度信号は変化率演算器25に入力され、
ここで、メタル温度変化率が計算され、信号bとして出
力される。信号a,bは共に、ファジー推論器26に入
力されると共に、信号bは、比較器29に入力される。
【0024】ファジー推論器26においては、図2に示
すように、信号aが第一の状態認識手段34へ、信号b
が第二の状態認識部35へ各々入力される。これら各々
の状態認識手段34,35においては、信号a,bか
ら、図3に示されるような演算を行ない、信号a,bの
値に対応したファジー変数と、そのメンバーシップ関数
値(所属度)を決定し、ファジー推論手段36へ入力す
る。
【0025】即ち、加減弁チェスト内外面メタル温度差
a及び加減弁チェストメタル温度変化率bの各々に対し
て、ここでは、簡単のため、仮に「大きい」,「中くら
い」,「小さい」の3つのファジー変数を定義した場合
について、各々のメンバーシップ関数を図3に示してい
る。
【0026】いま、仮に、加減弁チェスト内外面メタル
温度差の値が図3中のaO であったとすると、これはフ
ァジー変数「大きい」への所属度=aL 、ファジー変数
「中くらい」への所属度=aM 、ファジー変数「小さ
い」への所属度=0となる。また加減弁チェストメタル
温度変化率の値が図3中のbO であったとすると、ファ
ジー変数「大きい」への所属度=0、ファジー変数「中
くらい」への所属度=bM 、ファジー変数「小さい」へ
の所属度=bS となる。ファジー推論手段36では、上
記のように決定された各信号a,bのファジー変数及び
その所属度から、図4に示されるような、推論規則にし
たがって、図5に示されるような演算を行ない、熱応力
の予測値CO を求める。
【0027】図4は加減弁チェスト内外面メタル温度差
及び加減弁チェストメタル温度変化率から、熱応力予測
値を推定するIF−THENルールの例を示したもので
あり、前件部、後件部共に、ファジー変数で表わされて
いる。
【0028】図5は、図3及び図4で示される場合につ
いてのファジー推論の演算内容を図式的に表現したもの
であり、より一般的には、ファジー推論の演算は、例え
ば以下のように説明される。即ち、N個の推論規則があ
って、その中のi番目を、 IF a=Ai b=Bi THEN c=Ci …(1) とする。Ai ,Bi ,Ci は各々あいまいな量を示すフ
ァジー変数。
【0029】ここで、a=aO ,b=bO であったとす
ると、条件a=Ai に対する適合度を、ファジー変数A
i のメンバーシップ関数の値(所属度)mAi(ao )と
する。同様に、条件b=Bi に対する適合度を、ファジ
ー変数Bi のメンバーシップ関数の値(所属度)mBi
(bO )とする。(1)式のように前件部が複数の命題
のAND条件で構成される場合、i番目の推論規則の前
件部への適合度Mi を次の(2)式によって計算する。
【0030】 Mi =mAi(aO )ΛmBi(bO ) …(2) ここで、Λは最小値をとる演算である。
【0031】i番目の推論規則の前件部への適合度Mi
が求まると、ファジー変数Ci に対するメンバーシップ
関数mCi(c)をMi 倍して、次の関数を求める。
【0032】
【数1】
【0033】同様の計算を、N個の推論規則全体につい
て行ない、次式により、熱応力の予測値に関するメンバ
ーシップ関数m(c)を求める。
【0034】
【数2】
【0035】熱応力の予測値CO はメンバーシップ関数
m(c)の代表点として次の重みつき平均で決定され
る。
【数3】
【0036】以上の演算内容と図3,図4の場合にあて
はめて考えると、a=aO ,b=bO の状態では、aに
ついて、ファジー変数「小さい」への所属度=0、bに
ついて、ファジー変数「大きい」への所属度=0である
ため、実質的には、図4の規則NO.1,3,4が結果
に影響を与えることとなる。
【0037】図5には、規則NO.1,3,4について
の上記(2),(3),(4),(5)式の計算内容が
示されている。つまり、規則NO.1への適合度は、a
のファジー変数「大きい」への所属度aL となり、その
結果、熱応力予測値Cについてのファジー変数「大き
い」のメンバーシップ関数をaL 倍する。
【0038】規則NO.3への適合度は、aのファジー
変数「中くらい」への所属度aM ,bのファジー変数
「中くらい」への所属度bM のうちの最小値であるaM
となり、その結果、熱応力予測値Cについてのファジー
変数「中くらい」のメンバーシップ関数をaM 倍する。
【0039】規則NO.4への適合度は、蒸気規則N
O.3と同様の演算によりbS となり、その結果、熱応
力予測値Cについてのファジー変数「中くらい」のメン
バーシップ関数をbS 倍する。
【0040】こうして演算された3つのメンバーシップ
関数の最大値をとった関数m(c)を求め、これから、
(5)式により、代表点CO を決定し、これがa=aO
,b=bO の場合の熱応力予測値である。
【0041】以上のようにして演算された熱応力予測値
Cは、第一の比較手段27に入力される。第一の比較手
段27には、設定器28からの熱応力設定値信号Aも入
力されており、ここで、熱応力予測値Cと比較され、熱
応力予測値Cが、その設定値信号Aよりも大きいと、即
ち、C>Aとなると、出力信号がON状態となり、これ
が、AND回路31に入力される。AND回路31に主
蒸気止め弁の全開信号および、第一の比較手段27から
の出力信号が入力されると、主蒸気止め弁に全閉指令信
号が出力され、主蒸気止め弁が全閉され、その全閉信号
が、AND回路32に入力される。
【0042】第二の比較手段29には、前記のように、
加減弁チェストメタル温度変化率信号b、及び設定器3
0からの変化率設定値信号Bも入力されており、ここ
で、これらが比較され、b>Bとなると出力信号がON
状態となり、これがAND回路32に入力される。AN
D回路32に主蒸気止め弁の全閉信号及び第二の比較手
段29からの出力信号が入力されると、主蒸気止め弁弁
座後ドレン弁に全開指令信号が出力される。このように
して、上記ドレン弁が全開すると、タイマー33の設定
時間経過後、再び主蒸気止め弁弁座後ドレン弁が全閉さ
れる。
【0043】しかして、蒸気加減弁のウォーミングが開
始されると、主蒸気止め弁弁座後ドレン弁が全閉された
後、主蒸気止め弁が全開され、蒸気加減弁チェストにウ
ォーミング蒸気が導入される。この状態で、蒸気加減弁
チェストメタル温度は、ウォーミング蒸気の熱量によっ
て上昇し、これに伴い、加減弁の内外面に温度差が生じ
熱膨張を拘束し合うため熱応力が発生する。この熱応力
の予測値Cは、前述のように加減弁チェスト内外面メタ
ル温度差信号a、及び加減弁チェストメタル温度変化率
信号bから、ファジー推論によって演算されており、熱
応力予測値Cが熱応力設定信号Aに達して、C>Aとな
ると、第一の比較手段27の出力信号がONとなり、A
ND回路31の条件が成立して、次の段階に進行し、主
蒸気止め弁が全閉される。この状態では蒸気加減弁チェ
ストにウォーミング蒸気が閉じ込められ、ウォーミング
蒸気の持つ熱量がチェストメタルに伝達されるに伴い、
蒸気加減弁チェストメタル温度は上昇し、ウォーミング
蒸気の方は温度が下がり、次第に復水してドレン化す
る。この間、加減弁チェストには、新たな熱供給がない
ため、チェストメタルの熱伝達が徐々に少なくなり、蒸
気加減弁チェストメタル温度変化率は、主蒸気止め弁又
は、その副弁の全閉後から、減少しつづける。
【0044】このようにして温度変化率信号bが低下
し、変化率設定信号Bに達しb<Bとなると、比較器2
9の出力信号がONとなり、AND回路32の条件が成
立して、次の段階に進行し、主蒸気止め弁弁座後ドレン
弁が全開される。
【0045】したがって、蒸気加減弁チェスト内に閉じ
込められ、メタルとの熱交換を終えた低温の蒸気または
ドレンが、主蒸気止め弁弁座後ドレン弁を通って、加減
弁チェスト外に排出される。
【0046】そこで、主蒸気止め弁弁座後ドレン弁全開
後、タイマー33がカウントを始め、上記の低温の蒸気
又はドレンの排出に要する時間tが経過の後、再び、図
1のフローチャートの先頭に戻り、主蒸気止め弁弁座後
ドレン弁が全閉され、以下、上記と同様の制御が、ウォ
ーミング完了まで繰り返される。
【0047】以上に説明した主蒸気止め弁、主蒸気止め
弁弁座後ドレン弁、および蒸気加減弁チェストメタル温
度の動きを図6に示す。図6の中で、m1 は、主蒸気止
め弁を全開してウォーミング蒸気と加減弁チェストに導
入し始めた時点、m2 は熱応力予測値が熱応力設定値を
超えたため、主蒸気止め弁を全閉した時点、m3 は、加
減弁チェストメタル温度変化率が減少して、変化率設定
値より小さくなったため、主蒸気止め弁弁座後ドレン弁
を全開した時点を各々示している。
【0048】以上述べたように、この実施例によれば、
加減弁チェスト内外面メタル温度差及び加減弁チェスト
メタル温度変化率より、加減弁チェストに発生する熱応
力を予測し、この値により、主蒸気止め弁の全閉タイミ
ングを決定しているため、温度の熱応力の発生による寿
命消費を防止しつつ、最大限の速度でウォーミングを行
なうことができる。
【0049】また、主蒸気止め弁全閉後の主蒸気止め弁
弁座後ドレン弁の全開タイミングを加減弁チェストメタ
ル温度変化率の値により決定しているため、加減弁チェ
ストに閉じ込められた蒸気からメタルへの熱伝達が、ほ
ぼ完了した時点を正確にとらえて、次の工程に進むよう
制御される。このため、この点においてもウォーミング
時間の短縮効果がある。
【0050】以上のように、加減弁チェストに温度の熱
応力を発生させることなく、ウォーミング時間を短縮す
ることが可能となる。また、ウォーミング蒸気の圧力や
温度が起動時毎に異なるタービンプラントにおいても、
常に温度の熱応力を発生させることなく短時間でウォー
ミングを完了させることができる。
【0051】図7に、他の一実施例を示す。この実施例
では、図2に対して熱応力の予測値のファジー推論器2
6への入力として、加減弁チェストメタル温度変化率信
号bの代りに、加減弁チェスト内外面メタル温度差変化
率信号b′を用いたものである。即ち、減算器23にて
得られた加減弁チェスト内外面メタル温度差信号aを変
化率演算器37へ入力して信号b′を得、これをファジ
ー推論器26の第二の状態認識手段35に入力する。内
外面メタル温度差は熱応力に直接的に関係する量である
ため、内外面メタル温度差信号a及びその変化率信号
b′により、熱応力の予測値を的確に推定することがで
き、前述の実施例と同様の効果を得ることが可能であ
る。
【0052】また、前述の実施例において、加減弁チェ
ストメタル温度検出器24は、チェストのメタル温度も
最もよく代表する計測点に取り付けられることを考慮し
ているが、これは加減弁チェスト外面メタル温度検出器
22の信号によって代用することも可能である。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、加
減弁チェストに加わる熱応力を予測して、この値を指標
として一旦開けた主蒸気止め弁の全閉タイミングを決定
しているため、過度の熱応力の発生による寿命消費を防
止できる。
【0054】また、主蒸気止め弁全閉後の主蒸気止め弁
弁座後ドレン弁の全開タイミングを加減弁チェストメタ
ル温度変化率の値を指標として決定しているため、加減
弁チェストに閉じ込められたウォーミング蒸気からメタ
ルへの熱伝達がほぼ完了した時点を正確にとらえて次の
工程に進むことができる。
【0055】このようにして、主蒸気止め弁および、主
蒸気止め弁弁座後ドレン弁の開閉タイミングを適正化す
ることができ、過度の熱応力の発生を防止しつつ、最短
の時間で加減弁チェストウォーミングが可能である。
【0056】また、ウォーミング蒸気の圧力や温度が起
動時毎に異なるタービンプラントにおいても、常に、過
度の熱応力を発生させることなく短時間でウォーミング
を完了させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック構成図
【図2】本発明のファジー推論器の内部構成図
【図3】ファジー変数とメンバーシップ関数(所属度)
の説明図
【図4】熱応力予測値を求めるファジー推論の推論規則
の説明図
【図5】熱応力予測値を求めるファジー推論の演算内容
の説明図
【図6】本発明の動作特性を示す特性図
【図7】本発明の他の一実施例を示すブロック構成図
【図8】蒸気加減弁チェストのウォーミングの対象とな
るプラントの構成図
【図9】従来例における主蒸気止め弁とその弁座後ドレ
ン弁との開閉タイミングを示す特性図
【図10】従来例における蒸気加減弁チェストの温度変
化の特性図
【符号の説明】
1 ボイラ 2 主蒸気管 3 主蒸気止め弁 4 蒸気加減弁 5 蒸気タービン 6 復水器 7 MSV弁座前ドレン系統 8 MSV弁座前ドレン弁 9 MSV弁座後ドレン系統 10 MSV弁座後ドレン弁 11 主蒸気リード管 21 加減弁チェスト内面メタル温度検出器 22 加減弁チェスト外面メタル温度検出器 23 減算器 24 加減弁チェストメタル温度検出器 25 変化率演算器 26 ファジー推論器 27 第一の比較手段 28 熱応力設定器 29 第二の比較手段 30 変化率設定器 31,32 AND回路 33 タイマー 34 第一の状態認識手段 35 第二の状態認識手段 36 ファジー推論手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸気の供給および停止を行う主蒸気止め
    弁と、蒸気加減弁チェスト内に発生するドレンを排出す
    るための前記主蒸気止め弁の弁座後ドレン弁を交互に開
    閉させて前記蒸気加減弁チェストのウォーミングを行う
    蒸気加減弁チェストウォーミング装置において、蒸気加
    減弁チェストメタル温度変化率の計測値を予め定められ
    たファジー変数に基づいてそのメンバーシップ関数値に
    変換する第一の状態認識手段と、蒸気加減弁チェスト内
    外面メタル温度差の計測値を予め定められたファジー変
    数に基づいてそのメンバーシップ関数値に変換する第二
    の状態認識手段と、前記第一の状態認識手段および前記
    第二の状態認識手段で得られたメンバーシップ関数値に
    基づいて蒸気加減弁チェストメタルに加わる熱応力の予
    測値を求めるファジー推論手段と、ここで得られた前記
    蒸気加減弁チェストメタルに加わる熱応力の予測値が予
    め定めた設定値を越えたとき前記蒸気止め弁を閉じる指
    令を出力する第一の比較手段と、前記蒸気加減弁チェス
    トメタル温度変化率の計測値が予め定めた設定値より小
    さくなったとき前記主蒸気止め弁の弁座後ドレン弁を開
    く指令を出力する第二の比較手段とを備えたことを特徴
    とする蒸気加減弁チェストウォーミング装置。
  2. 【請求項2】 蒸気の供給および停止を行う主蒸気止め
    弁と、蒸気加減弁チェスト内に発生するドレンを排出す
    るための前記主蒸気止め弁の弁座後ドレン弁を交互に開
    閉させて前記蒸気加減弁チェストのウォーミングを行う
    蒸気加減弁チェストウォーミング装置において、蒸気加
    減弁チェスト内外面メタル温度差変化率の計測値を予め
    定められたファジー変数に基づいてそのメンバーシップ
    関数値に変換する第一の状態認識手段と、蒸気加減弁チ
    ェスト内外面メタル温度差の計測値を予め定められたフ
    ァジー変数に基づいてそのメンバーシップ関数値に変換
    する第二の状態認識手段と、前記第一の状態認識手段お
    よび前記第二の状態認識手段で得られたメンバーシップ
    関数値に基づいて蒸気加減弁チェストメタルに加わる熱
    応力の予測値を求めるファジー推論手段と、ここで得ら
    れた前記蒸気加減弁チェストメタルに加わる熱応力の予
    測値が予め定めた設定値を越えたとき前記蒸気止め弁を
    閉じる指令を出力する第一の比較手段と、前記蒸気加減
    弁チェスト内外面メタル温度差変化率の計測値が予め定
    めた設定値より小さくなったとき前記主蒸気止め弁の弁
    座後ドレン弁を開く指令を出力する第二の比較手段とを
    備えたことを特徴とする蒸気加減弁チェストウォーミン
    グ装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009156215A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Chugoku Electric Power Co Inc:The 塞止弁のウォーミング方法、塞止弁のウォーミングシステム
CN114115376A (zh) * 2021-11-22 2022-03-01 江苏科技大学 基于事件触发的神经网络预测串级温度控制系统及其方法

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009156215A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Chugoku Electric Power Co Inc:The 塞止弁のウォーミング方法、塞止弁のウォーミングシステム
CN114115376A (zh) * 2021-11-22 2022-03-01 江苏科技大学 基于事件触发的神经网络预测串级温度控制系统及其方法

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