JP3333674B2 - プラント運転計画作成方法および装置 - Google Patents

プラント運転計画作成方法および装置

Info

Publication number
JP3333674B2
JP3333674B2 JP31412595A JP31412595A JP3333674B2 JP 3333674 B2 JP3333674 B2 JP 3333674B2 JP 31412595 A JP31412595 A JP 31412595A JP 31412595 A JP31412595 A JP 31412595A JP 3333674 B2 JP3333674 B2 JP 3333674B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plant
steam
schedule
thermal stress
turbine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP31412595A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09152903A (ja
Inventor
孝生 秋山
弘 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP31412595A priority Critical patent/JP3333674B2/ja
Publication of JPH09152903A publication Critical patent/JPH09152903A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3333674B2 publication Critical patent/JP3333674B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は火力発電所等の発電
プラントの起動、停止、負荷変更、事故時の運用制御シ
ステムに係り、蒸気発生源であるボイラ、蒸気タービ
ン、ガスタービンなどに発生する熱応力などの機器使用
制限値や、プラント排出NOxなどの環境規制値(以
下、これらを運転制限条件と称する)を全てクリアしな
がら最短時間でのプラント起動、停止、負荷変更、事故
処置等を可能とする最適運転スケジュールの自動作成を
可能とするプラント運転計画作成装置に関する。特に、
ガスタービンと排熱回収ボイラと蒸気タービンとを組み
合せた各種複合サイクル発電プラントに好適である。
【0002】
【従来の技術】火力発電プラントの起動の過程を取り上
げて、従来の方法を以下説明する。
【0003】従来は、起動前の停止時間や機器の温度状
態に応じて、ボイラへの初期投入燃料量、主蒸気の昇温
及び昇圧の時間関数、タービンの昇速及び負荷上昇の時
間関数を起動スケジュールとして決定し、この起動スケ
ジュールをプラントの各系統に設けられた機器単位ある
いは系統単位の制御システムで実行するという方法が採
られていた。
【0004】この最も代表的な方法は、Electrical Wor
ld, Vol.165, No.6 の論文 "Thermal Stress Influenc
e Starting, Loading of Boilers and Turbines"で述
べられている。この方法は、プラントの限られた部分の
初期状態によって一義的に起動スケジュールを決定する
方法である。即ち、ボイラ蒸気圧、ボイラ出口蒸気温
度、蒸気タービンケーシング温度の初期値に応じて、蒸
気タービンの昇速率、初期負荷、速度保持並びに負荷保
持による蒸気タービンの暖機時間及び負荷変化率を決定
する方法である。この方法によると、運転制限要因であ
る蒸気タービンの熱応力を管理する上で重要なボイラ発
生蒸気の昇温特性を起動前に予測できないため、その不
確定性を、起動スケジュールに余裕をもたせることによ
り吸収している。そのため、作成される起動スケジュー
ルは必要以上に長くなりがちであった。以上のことは、
ガスタービンと蒸気タービンを組み合せた複合サイクル
発電プラントにおいても同様である。この場合は、ボイ
ラへの投入燃料量の代わりにガスタービンへの投入燃料
量、即ち、ガスタービン昇速率及び負荷上昇率を決定す
ることにより、プラントへの入力エネルギーを規定して
いる。
【0005】また、別の従来方法としては、米国特許3,
446,224号及び米国特許4,228,359号に開示のものが知ら
れている。これらは、蒸気タービンに発生する熱応力を
オンラインリアルタイムで監視しながら蒸気タービンの
急速起動を図るものであるが、前記従来方法と同様にボ
イラの起動方法に関しては何ら言及していない。
【0006】ボイラの起動時間の短縮を目的とした従来
方法としては、特開昭59−157402号公報に記載
のものが知られている。この方法は、ボイラに発生する
熱応力をオンラインリアルタイムで監視しながらボイラ
発生蒸気の急速昇温を図るものである。しかし、この方
式は、蒸気タービンの起動に関しては何ら言及していな
いし、ボイラから放出されるNOXの管理あるいは制御
についても何ら言及していない
【0007】プラント全体の起動時間はボイラと蒸気タ
ービンの協調により短縮が可能なものであるが、以上述
べた従来の方法は、何れもボイラもしくは蒸気タービン
の片方のみに着目した急速起動方法であり、このような
個別の方法を組み合せたとしてもプラント全体の起動時
間が最短となる保証は何も無い。何故ならば、ボイラと
蒸気タービンは相互干渉が極めて強く、個々の最適化が
必ずしも全体の最適化にならないからである。ガスター
ビンと排熱回収ボイラ及び蒸気タービンからなる複合サ
イクル発電プラントにおいても同様であり、個々の運転
は機器の相互干渉により、NOx排出量、排熱回収ボイ
ラ及び蒸気タービンの出力と発生熱応力に影響する。
【0008】そこで、全体の系の基本的な特性を模擬し
た動特性シミュレータを用いて、事前に各種の起動など
の運転パターンを人間が調整しながら入力し、評価し
て、その後、実機に適用する方法が広く用いられてい
る。
【0009】さらに、運転スケジュールの調整を人間が
行うのではなく、動特性シミュレータの中で各種の運転
制限条件を考慮しつつ、目的評価関数(例えば、起動の
場合は、起動所要時間)を最小化する最適化技法によっ
て、運転計画を提示することも考えられる。
【0010】最適化技術としては、最大勾配法、ダイナ
ミックプログラミング法、ファジー制御法、ニューロ構
成法等々、数多くがあるが、個々の問題に適用させるた
めに各種の工夫を行っている。いずれの方法も、動特性
シミュレータを繰り返して使用することになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記い
ずれの方法においても、最適化技法の能力的限界、およ
び使用する計算機の速度に起因する現実的な限界のた
め、実際に最適解を得るには、問題を非常に単純化する
(たとえば操作する変数の数を少なくする)、あるいは
動特性シミュレータを簡略化して(複雑な現象を無視す
る、あるいは静特性で近似する)、短時間に答が得られ
るようにするか、あるいはこの双方を用いて対応してい
る。
【0012】このように、従来の方法では、対象をプラ
ントの部分に限定するにしろ全系を扱うにしろ、問題を
簡略化するか、使用するシミュレータや運転制限条件を
簡略化するため、現実のプラントに直結した結論や判断
が得られない面があった。
【0013】以上は、起動過程についての最適化の従来
例であったが、停止過程や負荷変化さらには異常や事故
時の処置過程についても、同様技術の適用が可能であ
【0014】本発明が解決しようとする課題は、火力発
電等の発電プラントの運転制御システムにおいてボイ
ラと蒸気タービンに発生する熱応力や排出NOXなどに
関する運転制限条件および環境規制値を満たしながら、
起動や停止などの所要時間を最短化する最適運転スケジ
ュールの自動作成を現実条件下に近い形で可能とするこ
とにある。
【0015】また、そのような最適運転スケジュールを
作成するための所要時間を、使用する計算機の能力の範
囲内でかつ現実的な労力の範囲内で、より短縮すること
も本発明が解決しようとする課題である。
【0016】更に、実プラントでの起動時に中央給電指
令所(地域全体の給電情況を監視する場所)から環境規
制値や起動完了時刻など運転条件の変更指令があった場
合の最適修正を可能にすること、および、起動試験の効
率化も本発明が解決しようとする課題である。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、大別して図1に示すように、次の
(A)から(D)の4種の手段を設けている。
【0018】(A)各種操作設定に対するプラント状態
の予測精度が、計算時間はかかるものの、極めて高い動
特性シミュレータと、実機の運転制限条件を詳しく反映
し、評価出来る機能とを備えた第1の予測手段。
【0019】(B)第1の予測手段に比べて、操作設定
に対するプラント状態の予測スピードが、精度は劣るも
のの、より速い動特性シミュレータと、運転制限条件を
より高速で簡略に、評価出来る機能とを備えた第2の予
測手段。
【0020】(C)第2の予測手段を用いて、起動時、
停止時、負荷変化時、事故時の少なくとも1つの事象に
ついて、プラントの運転の最適操作設定内容を自動的に
探索する最適化手段(最適探索手段)。
【0021】(D)前記の最適化手段により得られた最
適操作設定内容を、第1の予測手段に入力して得られた
結果と最適操作設定内容での第2の予測手段の結果との
差異を評価し、第2の予測手段に対して、運転制限条件
の修正や動特性シミュレータのモデルと入力定数の修
正、さらには操作設定内容の変更を指示する、そして再
度、前記の最適化手段に最適化を実施させるという一連
の手順を、第1の予測手段の結果が実機の運転制限条件
を満足し、実機に適用可能となるまで、繰り返す機能を
持つ最適運転適用調整手段。
【0022】これらの手段は計算機のソフトウエアの機
能として実現される。それに伴う、実機データの入力手
段、運転員等への表示手段、実機プラントの制御機器へ
の出力手段は、ハードウエアおよびソウトウエアとも
に、これらに付随するものである。
【0023】さらに(B)の第2の予測手段の中身は、
次の細目手段より構成されている。すなわち、運転スケ
ジュールを予め想定するための運転スケジュール仮定手
段と、この運転スケジュールに従ってプラントを運転し
たと仮定したきの運転特性を予測する、即ちボイラ及び
蒸気タービンに発生する熱応力とボイラからのNOx排
出量を定量的に算出するための高速予測手段と、この手
段より得られる熱応力特性及びNOx特性を運転制限条
件と比較させて評価するための運転特性評価手段と、運
転特性評価結果に基づいて、より良好な運転特性を得る
ために上記の仮定された運転スケジュールを修正するた
めの運転スケジュール修正手段と、上記の運転スケジュ
ール仮定、プラント動特性予測、運転特性評価、運転ス
ケジュール修正を繰り返す過程で運転スケジュールが最
適値に収束したか否かを判定するための最適性判定手段
と、得られた最適運転スケジュールを機器制御システム
に設定するための運転スケジュール設定手段と、運転ス
ケジュールを表示装置を介して運転員に提示するための
運転スケジュール表示手段を有する。
【0024】本発明において上記各手段は下記のように
作用する。なお、第1の予測手段と第2の予測手段のな
かに設置する動特性シミュレータは数十倍から数百倍あ
るいはそれ以上のスピードの差があると想定している。
【0025】まず、起動などの初期想定の運転スケジュ
ールを第2の予測手段に与える。この初期想定の運転ス
ケジュールは、起動前の停止時間および機器の温度状態
を初期条件として想定される運転スケジュールである。
機器の温度は自動的に収集されている。簡略化プラント
動特性モデルは、これに対して仮定された起動スケジュ
ールに従ってプラントを運転した場合の特性を物理モデ
ルに基づき定量的に予測することができる。なお、「初
期想定の運転スケジュール」とは、初期的に想定された
スケジュールであるのに対し、「仮定された起動スケジ
ュール」とは内側ループ内での毎回の繰り返し過程にお
ける前回に得られたスケジュールをいう。繰り返しの初
回には両者は同じになる。この定量的な予測により、プ
ラントの主要な温度、圧力、流量等の状態の応答を知る
ことはもちろん、特性評価手段によりプラント状態とし
てのボイラ及び蒸気タービンの熱応力やNOx排出量が
運転制限条件を満足するか否かをチェックすることがで
きる。満足しない場合に機能するスケジュール修正手段
は、運用者、設計者の思考方法と似た方法で運転スケジ
ュールを改善することが望ましい。このため、最適化手
段としては、たとえばファジィ推論を適用することと
し、上記で得られた運転特性を重み付き定性的評価結果
に変換し、運転スケジュールを修正する。このとき用い
るファジールールは、起動時の各運転特性とそれぞれの
運転に対応したスケジュール修正量との関係について、
運用者、設計者が知識としてもつ定性的因果関係情報に
基づいて作成するものである。最適化手段は上記の運転
スケジュール仮定、プラント動特性予測、運転特性評
価、運転スケジュール修正を繰り返す過程(これを最適
値探索過程と呼ぶ)で運転スケジュールが最適値に収束
したか否かも判定する。収束結果として、第2の予測手
段に対し与えられた条件の下で、起動時間などの運転に
要する時間が短く、プラント運用上の安全性が高く、環
境に優しい最適運転スケジュールが得られる。
【0026】この得られた運転スケジュール結果を、さ
らに詳しいプラントの状態を評価できる第1の予測手段
のなかのシミュレータに入力して予測を行い、一層実機
に近い形で、熱応力や対環境適合性を含む運転制限条件
を第1の予測手段の結果により評価する。
【0027】一般に、シミュレータの精度の差、および
運転制限条件の評価精度の差に起因して、上記の第2の
予測手段で得られた最適運転スケジュールが第1の予測
手段で評価した場合には、必ずしも最適ではなく、運転
制限条件を超えていたり、あるいは運転の余裕を過大に
持ちすぎたり、さらには、簡略化した第2の予測手段の
なかのシミュレータでは評価していない状態量が制限を
超えていたりすることが発生しうる。
【0028】したがって、最適運転調整手段は、第1の
予測手段と第2の予測手段のそれぞれの条件と結果を比
較対比して、この両者の差異が小さくなるように、第2
の予測手段の中の運転制約条件の評価手段や判定基準
値、さらにはシミュレータの入力条件やモデルの入力値
などを、調整する。この調整も、繰り返し型の学習によ
って、行わせるのが効果的であり、手段としてファジィ
アルゴリズムやニューロアルゴリズム、最急勾配法など
が適用できる。
【0029】このように、本運転計画作成装置は第2の
予測手段と最適化手段を経由する内側の繰り返し収束ル
ープと、第1の予測手段と最適運転適用調整手段を経由
する外側の繰り返し収束ループと、の二重ループで構成
される。
【0030】また、最終的に提供された起動時の運転ス
ケジュールは、これを機器制御システムに設定すること
により、実際のプラントを運転するための制御を行うこ
とになる。起動スケジュールは上記の最適値探索過程と
その結果得られた最適起動スケジュールを運転員に提示
するためのCRT表示データを編集し、CRT表示装置
に転送する。
【0031】以上述べた本発明における各手段の作用に
より、プラントを構成する機器間での干渉の結果として
現れる熱応力やNOx排出量などの運転制限条件を満足
し、かつ起動や停止過程などの所要時間を最小にする運
転計画が示される。この構成により、実機に適用出来る
プラントの最適な運転スケジュールが、現実的な最適化
アルゴリズムの限界、および計算機によるシミュレーシ
ョン能力の限界を乗り越えて、提供できる。
【0032】また、中央給電指令所から指定される時刻
通りに起動や停止等を完了できる最適起動スケジュール
を発電所サイトにおいて随時作成することも可能とな
る。さらに、プラント運転中に運転制限値が変更される
場合も、以上述べた各手段は同様に作用し、変更後の新
たな運転制限値に適合する最適な運転スケジュールを自
動生成し、これを実行することが可能となる。
【0033】一方、起動試験において、予期した性能が
得られない場合は、感度解析のため、幾通りもの繰り返
し試験を行いながら、特性を調整する場合がある。この
ような 状況下においては、次の試験における運転スケ
ジュールを決めるために、丁度、外側ループの第1の動
特性シミュレータの代りに、実機プラントそのものを用
いた構成によって、試験毎に、一層精度よく運転方法を
事前に評価出来るようにすることも可能である。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態とし
て、ガスタービン、排熱回収ボイラ及び蒸気タービンか
ら成る複合サイクル発電プラントを対象とした運転制御
システムについて、特に起動過程の運転最適化を取り上
げて説明する。
【0035】図2は複合サイクル発電プラント300と
本発明を適用した運転制御システム1000の基本構成
を示すものである。
【0036】運転制御システム1000は、大きく分け
て最適運転スケジュール探索手段100、機器制御シス
テム200、最適運転適用調整手段400から成る。最
適運転スケジュール探索手段100は、更に起動スケジ
ュール仮定手段110、高速予測手段500、運転時特
性評価機能120、最適性評価機能140、起動スケジ
ュール修正手段150、ファジィルール160、起動ス
ケジュール設定手段170から構成されている。高速予
測手段500は、図2では図示の都合上、最適運転スケ
ジュール探索手段100の枠外に示してある。その他、
運転制御システム1000は、起動スケジュール表示手
段180及びCRT表示装置20も有する。
【0037】最適運転適用調整手段400は、高精度予
測手段410、実機適用判定部430および総合最適化
調整部420からなる。全系の機器を制御する機器制御
システム200は、ガスタービン制御システム210と
蒸気タービン制御システム220とHRSG制御システ
ム230から成る。また、複合サイクル発電プラント3
00は大きく分けてガスタービン設備320、排熱回収
ボイラ設備(HRSG:Heat Recovery Steam Generato
r)310、蒸気タービン設備330から成る。
【0038】この構成を図1に対応させると、高精度予
測手段410が第1の予測手段に対応し、高速予測手段
500と運転時特性評価機能120をあわせて第2の予
測手段に対応する。したがって、予測手段410は、熱
応力などの制限条件も全て評価する機能を備えた総称で
ある。また、内側最適調整部が140、150、160
に相当し、外側最適調整部が400、430、420に
相当する。したがって、内側ループは111、531、
121、151を経由するルートに該当し、外側ループ
は171より、410、430、420の機能ブロック
を経て、421にいたるルートに該当する。
【0039】ここで、本発明の運転制御システム100
0について説明する前に、複合サイクル発電プラント3
00の起動時を中心とした動作原理を説明する。
【0040】ガスタービン設備320では、燃料322
を燃焼器323に注入し、燃焼用空気324をコンプレ
ッサ329により圧入することにより、燃焼で発生する
エネルギ−はガスタービン326で機械エネルギーに変
換され、これにより、共通軸328に接続された発電機
335を駆動し電気エネルギーに変換するとともに一部
はコンプレッサ329の駆動力となる。起動時にはガス
タービン制御システム210からの燃料調節弁開度指令
211により燃料調節弁321を操作し燃料流量を調節
することで、ガスタービン設備320及び共通軸328
に接続された蒸気タービン設備330と発電機335が
昇速される。
【0041】また、ガスタービン326からの排ガス3
27は排熱回収ボイラ設備310に導かれ、排ガス32
7のもつ熱エネルギーが回収される。このとき、排ガス
327により排熱回収ボイラ設備310の煙洞314に
配置された各種熱交換器内の流体が熱を受け蒸発し、過
熱(super heated)される。本実施の形態の排熱回収ボイ
ラ設備310では3つの圧力レベルをもつ蒸気系統から
成り、それぞれから発生する蒸気が高圧蒸気241、中
圧蒸気242、低圧蒸気243である。これらの蒸気が
もつ熱エネルギーにより蒸気タービン設備330におい
て、それぞれ高圧タービン331、中圧タービン33
2、低圧タービン333が駆動され、共通軸328に接
続された発電機335による発電の一翼を担う。起動時
には、排熱回収ボイラ設備310から発生する上記の高
圧主蒸気241、中圧主蒸気242、低圧主蒸気243
をそれぞれ高圧バイパス弁234、中圧バイパス弁23
5、低圧バイパス弁236を介してバイパスさせること
により個々の圧力を所定値に制御するとともに、高圧加
減弁231、中圧加減弁232、低圧加減弁233を開
操作することにより高圧タービン331、中圧タービン
332、低圧タービン333の出力上昇がなされる。従
って、高圧バイパス蒸気244、中圧バイパス蒸気24
5、低圧バイパス蒸気246の流量は、それぞれバイパ
ス弁234、235、236の開度を大きくすれば増加
し、加減弁231、232、233の開度を大きくする
と蒸気タービンへの蒸気流入量が増加し、その分減少す
る。これらのバイパス弁への開度指令221、222、
223及び加減弁への開度指令224、225、226
はいずれも蒸気タービン制御システム220より出力さ
れる。また、プラントの起動中に中圧過熱蒸気301と
高圧タービン排気302の温度偏差が所定値内に入った
とき中圧止弁237を開操作する。このときの、操作信
号227も蒸気タービン制御システム220より指令さ
れる。一方、HRSG制御システム230は、蒸気ドラ
ム306,307,308の内部の水位を制御したり、
配管242,243の蒸気の温度が上がりすぎないよう
に、配管中に水をスプレイしたりする機能を備えている
(但し、図2には、信号および操作端は図示せず)。ま
た、復水器334からの復水337は、低圧給水ポンプ
316、中圧給水ポンプ317、高圧給水ポンプ318
により、それぞれ低圧ドラム306、中圧ドラム30
7、高圧ドラム308の水位を所定値内に保つように、
それぞれ低圧給水303、中圧給水304、高圧給水3
05として流量制御される。この制御は、前述のよう
に、水位設定点の調整とともにHRSG制御システム2
30が担当する。
【0042】ここで、起動のように比較的長時間にわた
ってゆっくりとプラント状態が変化するときの運転制限
要因となるのは、高圧タービン331と中圧タービン3
32のロータに発生する熱応力と、高圧過熱器311及
び中圧過熱器312の細管出口にある管寄せヘッダに発
生する熱応力と、排熱回収ボイラ設備310の煙洞出口
315から大気へのNOx排出量である。上記の各熱応
力は、ガスタービン排ガス327から熱交換器のメタル
への伝熱、メタルから内部流体への伝熱、内部流体から
着目部メタルへの伝熱という大きな時間遅れを伴う動的
過程の結果として現れる。また、ボイラからのNOx排
出量もガスタービン自体のNOx排出特性と煙洞中に設
置された脱硝装置313の温度特性に大きく依存する。
そのため、これらの運転制限要因を精度良く管理するに
は、上記各制御操作の協調性と整合性が必要となる。
【0043】以下に、引き続き図2を用いて、上記の複
合サイクル発電プラント300の運転制御システム10
00の動作原理を概説する。
【0044】中央給電指令所あるいは運用計画者10は
プラントに対する起動要求11として、目標起動完了時
間と目標負荷を運転制御システム1000に指令する。
最適運転スケジュール探索手段100の起動スケジュー
ル仮定手段110は、これを受けてプラントが停止時間
していた時間および機器温度に応じて、仮の起動スケジ
ュール111を作成し、これを高速予測手段500に送
る。高速予測手段500では、機器制御システムの動特
性モデル532によりこの仮の起動スケジュール111
に沿ってガスタービンモデル533、ボイラモデル53
4、蒸気タービンモデル535を起動制御する。このと
きの機器制御は成るべく実機における上記説明と同等な
方式でなされ、概略あたかもプラントが起動された如く
プラントの動特性531が得られ、次の運転時特性評価
機能120に送られる。なお、モデルの詳細に関して
は、T. Akiyamaらによる"Dynamic Simulation of an Ad
vanced Combined Cycle Plant with Three Pressure an
d Reheat Cycle", Proceedings of ICOPE'93 (JSME-ASM
E International Conference on Power Engineering- 9
3), pp.221-226に記載されている。運転時特性評価機能
120は、さらに、前記、高圧および中圧蒸気タービン
のロータに発生する熱応力を評価するためのタービン熱
応力特性評価機能122、前記ボイラの高圧及び中圧過
熱器出口部のヘッダに発生する熱応力を評価するための
ボイラ熱応力特性評価機能123、排熱回収ボイラ31
0からの排出されるNOxを評価するための排出NOx特
性評価機能124、起動所要時間評価機能125から成
る。運転時特性評価機能120は、これらの機能12
2、123、124から得られた値と、それぞれに対す
る運転制限条件とを比較し、それらに対する余裕値を評
価するものであり、起動所要時間評価機能125は、ガ
スタービン起動から目標負荷到達までに要する時間を算
出するためのものである。これらの評価が終ると、次の
最適性評価機能140に処理が移る。ここでは、前記仮
定された起動スケジュールの最適性を判定するためのも
ので、前記起動特性の各種評価結果が運転制限条件を満
足する中で起動時間が最短となる最適起動スケジュール
を識別する。従って、通常、初回目は最適起動スケジュ
ールは決らない。前記起動特性評価結果121に基づき
起動スケジュールの改善を図るために、起動特性評価結
果121とともに次の起動スケジュール修正手段150
に処理が渡される。起動スケジュール修正手段150で
は、上記運転時特性評価機能120で得られる評価結果
に基づいてファジィ推論を適用して起動スケジュールを
修正する。ここで決定される起動スケジュール修正量1
51は前述の起動スケジュール仮定手段110に転送さ
れ、再度起動スケジュールが仮定される。
【0045】ここで用いるファジィルール160は、タ
ービン熱応力調整ルール162、ボイラ熱応力調整ルー
ル163、排出NOx調整ルール164から成り、起動
特性と起動スケジュール修正量との関係について専門家
が知識としてもつ定性的因果関係情報に基づいて作成す
るものである。
【0046】前記の最適性評価機能140は上記の起動
スケジュール仮定、プラント動特性予測、起動特性評
価、起動スケジュール修正を繰り返す過程(これを最適
値探索過程と呼ぶ)の中で、起動スケジュールが最適値
に収束したか否かを判定する。収束結果として、起動時
間が短く、運転制限条件を満たす最適起動スケジュール
が得られる。最適性評価機能140により最適起動スケ
ジュールが決定されると、この最適起動スケジュールを
規定するスケジュールパラメータ(すなわち内側ループ
の最適運転スケジュール)171が起動スケジュール設
定手段170を介して最適運転適用調整手段400に設
定される。
【0047】最適運転適用調整手段400では、内側ル
ープの最適運転スケジュール171を入力し、高精度シ
ミュレータの制御動作を決めるコントローラ部分412
およびGT、HRSG、ST等の本体部分の特性を模擬
した物理モデル411を用いて、より詳細な再現シミュ
レーションを行う。この結果は、実機適用判定部430
で実際の詳細な運転制限条件と比較され、171で指示
されたスケジュールを、そのまま実機に適用しても大丈
夫であるかどうかが判断される。すなわちプラントの状
態が許容値を超えなければ、そのまま実機に適用するた
めに、当該スケジュールを機器制御システム220へ渡
す。もし状態が許容値を越えるようであれば、総合最適
化調整部420はスケジュールパラメータ171を得た
ときの、高速予測手段500のシミュレータと高精度予
測手段410のシミュレータの結果の差異を認識かつ記
憶し、高速予測手段500のパラメータ設定値、運転時
特性評価機能120の設定制限値、最適性評価機能14
0の判定基準値、ファジィルール160の最適化ルール
を見直し、次回のシミュレーションにて、高精度予測手
段410の結果が制限値内に入る方向に、高速予測手段
500および最適運転スケジュール探索手段100のパ
ラメータを修正し、設定する。(この修正は、主とし
て、高速予測手段500の方が優先的になろう。) 最適起動スケジュールの探索過程は起動スケジュール表
示手段180を介してCRT表示装置20に表示され、
この段階での探索状況及び収束結果である最適起動スケ
ジュールを運転員に提示することができる。この場合の
表示内容は、仮定した起動スケジュール、高速予測手段
500および最適運転適用調整手段400の中のそれぞ
れの動特性予測結果及び運転制限値に対する余裕値、起
動所要時間、双方の差異などである。
【0048】以上、本発明によるプラント運転計画作成
装置を複合サイクル発電プラントに適用した実施の形態
の概要を示した。以下、本実施の形態を更に具体的に説
明する。
【0049】図3は、最適運転スケジュール探索手段1
00における起動スケジュール最適化の基本的考え方を
示すものである。高速予測手段500から得られるプラ
ント動特性予測値より、ボイラ及び蒸気タービンの熱応
力と排出NOxの特性に基づいてガスタービン起動計画
と蒸気タービン起動計画を実施する。このとき、ガスタ
ービン起動計画では、排出NOxを考慮したガスタービ
ン主計画(GTPS:Gass Turbine Primal Scheduling
の略)と熱応力を考慮したガスタービン広域調整(GT
GT:Gass Turbine Global Tuning)を行い、蒸気ター
ビン起動計画では、熱応力を考慮した蒸気タービン主計
画(STPS:Steam Turbine Primal Schedulingの
略)と排出NOxを考慮した蒸気タービン局部調整(S
TLT:Steam Turbine Local Tuning)を行う。ガスタ
ービンの起動方法は排出NOx特性に直接的に大きな影
響を与えるため、GTPSでは排出NOx特性の予測値
に応じてガスタービンの起動スケジュールを全体的にき
め細かく作成する働きを持たせる。また、蒸気タービン
の起動方法は熱応力特性に直接的に大きな影響を与える
ため、STPSでは熱応力特性の予測値に応じて蒸気タ
ービンの起動スケジュールを全体的にきめ細かく作成す
る働きを持たせる。一方、熱応力は排熱回収ボイラの伝
熱を介して間接的にガスタービンの起動方法の影響を受
けるため、GTGTでは熱応力特性の予測値に応じてガ
スタービンの起動スケジュールを広域的に微調整する働
きを持たせる。また、蒸気タービンの起動法により排熱
回収ボイラの熱吸収特性変化の結果として間接的により
脱硝装置の特性が変化するため、STLTでは排出NO
x特性の予測値に応じて蒸気タービンの起動スケジュー
ルを部分的に微調整する働きを持たせる。
【0050】次に、図4により、プラントの起動スケジ
ュールを規定するパラメータ(以下、スケジュールパラ
メータと呼ぶ)の一例をプラントの起動過程との関係に
おいて説明する。
【0051】図4に示すように、ガスタービン関係のス
ケジュールパラメータとしては、昇速率(DN)、定格速
度保持時間(DTNL)、初負荷(LI)、初負荷保持時間
(DTLI)、第1負荷上昇率(DL1)、負荷保持時間(DTH
L)、第2負荷上昇率(DL2)、第3負荷上昇率(DL3)
である。これらにより規定される起動スケジュールを制
御目標として、操作端である燃料調節弁321の開度を
調整することによりガスタービンが起動される。また、
蒸気タービン関係の操作端としては既に述べたように、
高圧バイパス弁(HPBV)、中圧バイパス弁(IPBV)、低
圧バイパス弁(LPBV)、高圧加減弁(HPCV)、中圧加減
弁(IPCV)、低圧加減弁(LPCV)、中圧止弁(ISHV)が
あり、次のスケジュールパラメータに従って制御する。
すなわち、スケジュールパラメータとしては、高圧バイ
パス弁操作速度(DAHBV)、中圧バイパス弁操作速度(D
AIBV)、低圧バイパス弁操作速度(DALBV)、低圧バイ
パス弁操作待期時間(DTLBV)、高圧加減弁第1操作速
度(DAHCV1)、高圧加減弁第2操作速度(DAHCV2)、低
圧加減弁操作速度(DALCV)である。これらのスケジュ
ールパラメータ以外の制御目標および操作タイミングは
図示の通りである。ここで、「蒸気条件」としてのTMS
は高圧主蒸気温度、PMSは高圧主蒸気圧力、PCRPは高圧
タービン排気圧力、PISは中圧主蒸気圧力、PLSは低圧主
蒸気圧力、ΔTは高圧過熱蒸気温度と高圧タービン排気
温度との偏差である。ataはkg/cm2を表わす。
また、図中、各弁の%表示は開度を示す。
【0052】次に、本最適化探索手段100で用いる、
蒸気タービン及びボイラの熱応力と排出NOxを予測す
るためのための高速予測手段500について説明する。
まず、蒸気タービンの熱応力は前記米国特許第4,22
8,359号に詳しく記載されている方法でモデル化し
た。即ち、蒸気タービンの入口蒸気条件と速度および負
荷から蒸気タービン内部の蒸気条件(温度、圧力)及び
ロータ表面の熱伝達率を推定し、ロータメタル内部の非
定常温度分布を求め、ロータの表面とボアの熱応力を算
出する方式である。これを、プラント起動時に制限条件
として管理すべき高圧タービン331と中圧タービン3
32の熱応力計算に適用した。ボイラの熱応力について
は、前記の特開昭59-157402号公報に詳しく記載されて
いるいる方法でモデル化した。即ち、制限条件として着
目すべき高圧過熱器出口ヘッダと中圧過熱器出口ヘッダ
の内部熱伝達率を蒸気条件(温度、圧力)と流量より推
定し、上記蒸気タービンの場合と同様にメタル内部の非
定常温度分布を求めて、ヘッダメタルの内面及び外面の
熱応力を算出する方法とした。
【0053】排出NOxについては、動特性モデルを用
いて予測する。本モデルは脱硝装置モデルと脱硝制御シ
ステムモデルで構成され、脱硝装置モデルは入口ガス温
度TG、ガス流量GG、入口ガスNOx濃度P1及び脱硝制御
システムモデルからのアンモニア注入量GNH3により大気
への排出NOx瞬時値PSを算出する。この値が、移動平
均手段により、例えば1時間当たりの移動平均値PAとし
て変換される。
【0054】次に、上記高速予測手段500から得られ
たタービン熱応力特性、ボイラ熱応力特性及び排出NO
x特性を評価するための運転時特性評価機能120(こ
の説明の場合は起動時の熱応力、NOx等の運転制限条
件との関わりを評価する)について説明する。
【0055】図5は、タービン熱応力特性評価機能12
2におけるタービン熱応力特性の評価方式を示すもの
で、まず、タービン起動開始から起動完了後の所定時間
経過するまでの時間帯(t1〜t6)を複数区間に分割(本例
では5分割の場合を示す)し、第i区間における最小熱
応力マージンm(i)を求める。ここで、熱応力マージンm
は、制限値をSL、動特性モデルによる計算値をS(kg/mm
2)とすると、次式で定義される。
【0056】
【数1】 m=SL−S ------------------------- (1) 既に述べたように、実際には熱応力着目箇所が高圧ター
ビンの表面とボア及び中圧タービンの表面とボアの4箇
所であるので、求めるべき最小熱応力マージンは区間毎
に4つあり、これらをそれぞれ下記とする。
【0057】mHS(i) :区間iにおける高圧ター
ビン表面最小熱応力マージン mHB(i) :区間iにおける高圧タービンボア最小熱応力
マージン mIS(i) :区間iにおける中圧タービン表面最小熱応力
マージン mIB(i) :区間iにおける中圧タービンボア最小熱応力
マージン ボイラ熱応力特性評価機能123における評価方式も、
基本的には上記タービン熱応力特性評価機能122の場
合と同様である。但し、着目すべき熱応力箇所は高圧過
熱器と中圧過熱器のヘッダ内面の2箇所である。これ
は、ヘッダの場合、外面に発生する熱応力が内面のそれ
と比較して小さいため、内面のみに着目すれば十分であ
るためである。従って、求めるべき最小熱応力マージン
は区間毎に2つあり、それぞれ下記のとおりとする。
【0058】mHHD(i) :区間iにおける高圧過熱器ヘッ
ダ内面最小熱応力マージン mIHD(i) :区間iにおける中圧過熱器ヘッダ内面最小熱
応力マージン 次に、排出NOx特性の評価方式について説明する。
【0059】図6は、排出NOx特性評価機能124に
おける排出NOx特性の評価方式を示すものである。本
方式もタービン熱応力特性評価機能122と同様に、ま
ず、ガスタービン起動開始からプラント起動完了後の所
定時間経過するまでの時間帯(t1〜t7)を複数区間に分割
(本例では6分割の場合を示す)し、第i区間における最
小排出NOx瞬時値マージンmPS(i)と最小排出NOx平均
値マージンmPA(i)を求める。ここで、排出NOx瞬時値
マージンmPS及び排出NOx平均値マージンmPAは、それ
ぞれの制限値をPSL、PAL、動特性モデルによる計算値を
PS、PAとすると、次式で定義する。
【0060】
【数2】 mPS=PSL−PS ---------------- (2)
【0061】
【数3】 mPA=PAL−PA ---------------- (3) 図7は、上記動特性の評価結果を用いて起動スケジュー
ルを修正するためのファジィルール160と修正用スケ
ジュールパラメータの関係を示すものである。本図に示
す実施の形態においては、修正用スケジュールパラメー
タとして、蒸気タービン関係では特に効果的と考えられ
る4つのパラメータ(DAHBV、DAIBV、DAHCV1、DAHCV2)を
対象とし、ガスタービン関係では8つのパラメータ(D
N、DTNL、LI、DTLI、DL1、DTHL、DL2、DL3)を対象とし
ている。タービン熱応力調整ルール162及びボイラ応
力調整ルール163は蒸気タービン主計画(STPS)と
ガスタービン広域調整(GTGT)の両者にて使用され、
排出NOx調整ルール164は蒸気タービン局部調整(S
TLT)とガスタービン主計画(GTPS)に使用され
る。また、STPS、GTGT、STLT、GTPSに
より修正の対象となるパラメータを図中○印で示した。
【0062】図8は、ファジィルール160で使用する
メンバーシップ関数を示す。この関数は、前記の運転時
特性評価機能120で得られたプラント動特性に基づき
定められる。図8(1)は、STPS用メンバーシップ関
数を示すもので、(a)はファジィルールの条件部で用い
る熱応力マージン評価用メンバーシップ関数であり4つ
関数(NS、ZO、PS、PB)より成り、(b)は結論部
で用いる蒸気タービン関係スケジュールパラメータ修正
用メンバーシップ関数であり、5つの関数(NB、N
S、ZO、PS、PB)より成る。ここで、各メンバー
シップ関数の意味付けは、NB:Negative Big、NS:
Negative Small、ZO:Zero、PS:Positive Small、
PB:Positive Bigである。 図8(2)は、GTGT用
メンバーシップ関数を示すもので、(a)はファジィルー
ルの条件部で用いる熱応力マージン評価用メンバーシッ
プ関数であり4つ関数(NS、ZO、PS、PB)より成
り、(b)は結論部で用いるガスタービン関係スケジュー
ルパラメータ修正用メンバーシップ関数であり、3つの
関数(NS、ZO、PS)より成る。上記(1)(2)における
熱応力マージン評価用メンバーシップ関数は、タービン
熱応力とボイラ熱応力の両者に対して共通に適用され
る。図8(3)は、GTPS用メンバーシップ関数を示す
もので、(a)及び(b)は、それぞれファジィルールの条件
部で用いる排出NOx瞬時値マージン評価用メンバーシ
ップ関数及び排出NOx平均値マージン評価用メンバー
シップ関数であり、それぞれ4つ関数(NB、NS、Z
O、PS)及び(NS、ZO、PS、PB)より成り成
る。また、(c)は結論部で用いるガスタービン関係スケ
ジュールパラメータ修正用メンバーシップ関数であり、
5つの関数(NB、NS、ZO、PS、PB)より成る。
図8(4)は、STLT用メンバーシップ関数を示すもの
で、(a)及び(b)は、それぞれファジィルールの条件部で
用いる排出NOx瞬時値マージン評価用メンバーシップ
関数及び排出NOx平均値マージン評価用メンバーシッ
プ関数であり、それぞれ4つ関数(NB、NS、ZO、
PS)及び(NS、ZO、PS、PB)より成り成る。ま
た、(c)は結論部で用いる蒸気タービン関係スケジュー
ルパラメータ修正用メンバーシップ関数であり、5つの
関数(NB、NS、ZO、PS、PB)より成る。
【0063】次に、上記メンバーシップ関数を用いたフ
ァジィルールについて説明する。
【0064】図9は、ファジィルール160の全体構成
を示すもので、既に述べたように、大きく分けてタービ
ン熱応力調整用ルール162、ボイラ熱応力調整用ルー
ル163、排出NOx調整用ルール164から成る。
【0065】タービン熱応力調整用ルール162はST
PS用とGTGT用に分けられ、STPS用について
は、タービン熱応力の調整を目的として蒸気タービンの
起動スケジュールパラメータを修正するためのもので、
GTGT用については、タービン熱応力の調整を目的と
してガスタービンの起動スケジュールパラメータを修正
するためのものである。図9に示すように、両者は更に
4種のルールテーブル(HS、HB、IS、IB)で構
成されている。HSルールテーブルは高圧タービンロー
タ表面熱応力の調整を目的とするもので、具体的には、
それぞれ4つのルールテーブル(HS12、HS23、
HS34、HS45)から成る。HBルールテーブルは
高圧タービンロータボア熱応力の調整を目的とするも
の、ISルールテーブルは中圧タービンロータ表面熱応
力の調整を目的とするもの、IBルールテーブルは中圧
タービンロータボア熱応力の調整を目的とするもので、
それぞれ4種のルールテーブルから成る。
【0066】ボイラ熱応力調整用ルール163はSTP
S用とGTGT用に分けられ、STPS用は、ボイラ熱
応力の調整を目的として蒸気タービンの起動スケジュー
ルパラメータを修正するためのもの、GTGT用は、ボ
イラ熱応力の調整を目的としてガスタービンの起動スケ
ジュールパラメータを修正するためのものである。更に
2種のルールテーブル(HHD、IHD)で構成されて
いる。HHDルールテーブルは高圧ヘッダ熱応力の調整
を目的とし、IHDルールテーブルは中圧ヘッダ熱応力
の調整を目的とするもので、さらに4種のルールテーブ
ルから成る。
【0067】排出NOx調整用ルール164はGTPS
用とSTLT用に分けられ、GTPS用は、排出NOx
の調整を目的としてガスタービンの起動スケジュールパ
ラメータを修正するためのもので、STLT用は、排出
NOxの調整を目的として蒸気タービンの起動スケジュ
ールパラメータを修正するためのものである。両者は更
にルールテーブル、(PS、PA)で構成されている。
PSルールテーブルは排出NOx瞬時値の調整を目的と
し、PAルールテーブルは排出NOx平均値の調整を目
的とするもので、さらに5種のルールテーブルに分けら
れる。
【0068】次に、前記ルールテーブルの内容を代表例
で具体的に説明する。
【0069】図10は、STPS用、GTGT用、GT
PS用、STLT用のルールテーブルの具体例を示した
もので、前記図9のSTPS−HSルールテーブルを代
表例として示す。ここでは、蒸気タービン主計画(ST
PS)で用いるタービン熱応力調整ルールの一部分とし
て、高圧タービンロータ表面最小熱応力マージンを調整
するためのSTPS−HSルールテーブルを例示したも
のである。本テーブルで、HS23など、HSの後に続
く2数字は、影響を考える2種類の時間区間(この例で
は2番目と3番目)の番号を示す。ここでは、4つの修
正用スケジュールパラメータとしての高圧バイパス弁操
作速度(DAHBV)、中圧バイパス弁操作速度(DAIBV)、高圧
加減弁第1操作速度(DAHCV1)、高圧加減弁第2操作速度
(DAHCV2)を、図5で示した5つの着目区間における高圧
タービンロータ表面最小熱応力マージンとの関係におい
て修正するためのファジィルールを示す。即ち、STP
S−HS12ルールテーブルでは、第1区間及び第2区
間における高圧タービンロータ表面最小熱応力マージン
mHS(1)、mHS(2)の定性的関係の組み合せよりDAHBVとDAH
CV1の修正量を定義している。STPS−HS23ルー
ルテーブルでは、第2区間及び第3区間におけるマージ
ンmHS(2)、mHS(3)の定性的関係の組み合せより、同じく
DAHBVとDAHCV1の修正量を定義している。STPS−H
S34ルールテーブルでは、第3区間及び第4区間にお
けるマージンmHS(3)、mHS(4)の定性的関係の組み合せよ
り、DAHBV、DAHCV1、DAHCV2の修正量を定義している。
STPS−HS45ルールテーブルでは、第4区間及び
第5区間におけるマージンmHS(4)、mHS(5)の定性的関係
の組み合せより、DAHCV2の修正量を定義している。但
し、ルールテーブルの空白部は、上記各熱応力マージン
とスケジュールパラメータの因果関係が小さいか殆ど無
いことを意味する。
【0070】ガスタービン広域調整(GTGT)で用い
るタービン熱応力調整ルールの一部分として、図10と
全く同様の考え方に基づき、高圧タービンロータ表面最
小熱応力マージンを調整するためのHSルールテーブル
では、6つの修正用スケジュールパラメータとしての昇
速率(DN)、初負荷保持時間(DTLI)、第1負荷上昇率
(DL1)、負荷保持時間(DTHL)、第2負荷上昇率(DL
2)、第3負荷上昇率(DL3)を、図5で示した5つの着
目区間における高圧タービンロータ表面最小熱応力マー
ジンとの関係において修正するためのファジィルールを
規定する。即ち、HS12ルールテーブルでは、第1区
間及び第2区間における高圧タービンロータ表面最小熱
応力マージンmHS(1)、mHS(2)の定性的関係の組み合せよ
りDN、DTLI、DL1の修正量を定義している。HS23ル
ールテーブルでは、第2区間及び第3区間におけるマー
ジンmHS(2)、mHS(3)の定性的関係の組み合せより、DTL
I、DL1、DTHLの修正量を定義している。HS34ルール
テーブルでは、第3区間及び第4区間におけるマージン
mHS(3)、mHS(4)の定性的関係の組み合せより、DL1、DTH
L、DL2の修正量を定義している。HS45ルールテー
ブルでは、第4区間及び第5区間におけるマージンmHS
(4)、mHS(5)の定性的関係の組み合せより、DTHL、DL
2、DL3の修正量を定義している。この場合も、ルール
テーブルの空白部は、前と同様、因果関係が小さいか殆
ど無いことを意味する。
【0071】ガスタービン主計画(GTPS)で用いる
排出NOx調整ルールの一部分として、最小排出NOx瞬
時値マージンを調整するためのPSルールテーブルで
は、8つの修正用スケジュールパラメータとしての昇速
率(DN)、定格速度保持時間(DTNL)、初負荷(LI)、
初負荷保持時間(DTLI)、第1負荷上昇率(DL1)、負
荷保持時間(DTHL)、第2負荷上昇率(DL2)、第3負
荷上昇率(DL3)を、図6で示した6つの着目区間にお
ける最小排出NOx瞬時値マージンとの関係において修
正するためのファジィルールを示す。即ち、PS12ル
ールテーブルでは、第1区間及び第2区間における最小
排出NOx瞬時値マージンmPS(1)、mPS(2)の定性的関係
の組み合せよりDN、DTNL、LI、DTLI、DL1、DTHL、DL2、
DL3の修正量を定義している。PS23ルールテーブル
では、第2区間及び第3区間におけるマージンmPS(2)、
mPS(3)の定性的関係の組み合せより、DTNL、LI、DTLI、
DL1、DTHL、DL2、DL3の修正量を定義している。PS3
4ルールテーブルでは、第3区間及び第4区間における
マージンmPS(3)、mPS(4)の定性的関係の組み合せより、
LI、DTLI、DL1、DTHL、DL2、DL3の修正量を定義してい
る。PS45ルールテーブルでは、第4区間及び第5区
間におけるマージンmPS(4)、mPS(5)の定性的関係の組み
合せより、DTHL、DL2、DL3の修正量を定義している。P
S56ルールテーブルでは、第5区間及び第6区間にお
けるマージンmPS(5)、mPS(6)の定性的関係の組み合せよ
り、DTHL、DL2、DL3の修正量を定義している。この場合
も、ルールテーブルの空白部は、上記各排出NOxマー
ジンとスケジュールパラメータの因果関係が小さいか殆
ど無いことを意味する。
【0072】蒸気タービン局部調整(STLT)で用い
る排出NOx調整ルールの一部分として、最小排出NOx
瞬時値マージンを調整するためのPSルールテーブルと
最小排出NOx平均値マージンを調整するためのPAル
ールテーブルでは、3つの修正用スケジュールパラメー
タとしての高圧バイパス弁操作速度(DAHBV)、中圧バイ
パス弁操作速度(DAIBV)、高圧加減弁第1操作速度(DAHC
V1)を、図6で示した3つの着目区間における最小排出
NOx瞬時値マージン及び最小排出NOx平均値マージン
との関係において修正するためのファジィルールを示
す。即ち、PS12ルールテーブルでは、第1区間及び
第2区間における最小排出NOx瞬時値マージンmPS
(1)、mPS(2)の定性的関係の組み合せよりDAHBV、DAIB
V、DAHCV1の修正量を定義している。PS23ルールテ
ーブルでは、第2区間及び第3区間におけるマージンmP
S(2)、mPS(3)の定性的関係の組み合せより、DAHBV、DAI
BV、DAHCV1の修正量を定義している。PA12ルールテ
ーブルでは、第1区間及び第2区間における最小排出N
Ox平均値マージンmPA(1)、mPA(2)の定性的関係の組み
合せよりDAHBV、DAIBV、DAHCV1の修正量を定義してい
る。PA23ルールテーブルでは、第2区間及び第3区
間におけるマージンmPA(2)、mPA(3)の定性的関係の組み
合せより、DAHBV、DAIBV、DAHCV1の修正量を定義してい
る。
【0073】次に、起動スケジュール修正量決定手段1
50について説明する。本手段は、前記ファジィルール
160より得られたルール別結論161(該当するメン
バーシップ関数およびメンバーシップ値の全て)を修正
用スケジュールパラメータ毎に総合評価することによ
り、スケジュールパラメータの修正量151を決定す
る。
【0074】一例として、図11に蒸気タービン関係ス
ケジュールパラメータの修正量KSの総合評価方法を示
す。本図の例では、或スケジュールパラメータについ
て、4つのルールからの結論としてメンバーシップ関数
とメンバーシップ値がそれぞれ(NS、0.6)、(Z
O、0.8)、(PS、0.4)、(PB、0.2)が得られた
場合を示す。総合評価は、それぞれのメンバーシップ値
で定まる台形部の重さW(i)と位置KS(i)の重心位
置KSGで定義する。即ち、W(1)=0.126、W(2)=
0.096、W(3)=0.096、W(4)=0.09であり、KS(1)
=−0.15、KS(2)=0、KS(3)=0.15、KS(4)=
0.35であるから、KSGは次のように算出される。
【0075】
【数4】
【0076】従って、この起動ケジュールパラメータに
対する修正量KSGは0.0662 である。この値は次の起
動スケジュール仮定手段110に渡され、次式に従って
元のスケジュールパラメータを修正することにより新た
な起動スケジュールを作成する。
【0077】
【数5】 Xi+1 = Xi + KSG ・Xi --------------------- (5) ここで、スケジュールパラメータXi は前回値、Xi+1
は修正後の値であり、i=0は初期値を意味し、予め
定めた値を用いる。
【0078】上記方法で作成された新たな起動スケジュ
ール111は、再び高速予測手段500に設定される。
このような手順を繰り返す過程で、最適性評価機能14
0において起動スケジュールの最適性をその都度判定す
る。ここでは、次の判定条件を満足するものを最適探索
過程で得られた最適起動スケジュールとして採用する。
【0079】
【数6】 (n > nS) .AND .(Min(tSCP(n)) ----------- (6) ここで、nは起動探索の回数であり、nSは起動過程で
全ての運転制限条件を満足すると予測された予め設定し
ておく所定回数(例えばnS=10)であり、tSCP
(n)は上記第n回目の起動ケースにおける起動所要時
間であり、その中から起動時間が最短となるものが最適
起動スケジュールとして最終的に採用される。
【0080】以上説明した内側最適化ループを動作させ
たときのプラント動特性の予測結果と本発明の効果を図
12に示す。本図では、起動スケジュールとして、最適
化前の2ケースと最適化後の1ケースを示す。尚、図中
の排出NOxは移動平均値を示し、熱応力は高圧タービ
ンのロータ表面応力を代表して示したが、その他の着目
応力も同様な傾向を示す。ケース1では、ガスタービン
の立ち上げが早過ぎたため、排出NOxが制限値を超過
し、一方、負荷上昇の後半が遅いため熱応力は制限値を
満足しているが蒸気タービン負荷の定格到達が遅れ、結
果的に起動時間が長くなっている。ケース2では、ケー
ス1と逆に、ガスタービンの立ち上げが遅いため、排出
NOxは制限値を満足しているが、一方、負荷上昇の後
半が急激なため熱応力が制限値を超過し、かつ、蒸気タ
ービン負荷の定格到達が遅れ、結果的に起動時間が長く
なっている。両ケースとも、排出NOxもしくは熱応力
が制限値を超過しているにもかかわらず、片方には大き
なマージンを残すというアンバランスで無駄のある起動
スケジュールとなっている。ケース3は、本発明を適用
して起動スケジュールの最適化を図った結果であり、排
出NOxと熱応力の両者とも制限値を満足し、かつケー
ス1、2よりも短時間で起動を完了できることを示して
いる。ただし、この結論は内側ループすなわち高速予測
手段500および最適運転スケジュール探索手段100
を用いて得られたものである。これは簡略化および高速
化したモデルと評価方法を用いているとはいえ、この段
階でも、従来よりも格段に、大局的に、かつ定量的に、
運転スケジュールを、状況の変化に即応する形で示唆す
ることが出来るものであり、これで充分な場合もある。
本発明は、得られる運転スケジュールの適用信頼性をさ
らに高め、かつ即応性を損なわない為にさらに工夫を行
ったものであり、現実に直面する計算機能力の限界から
来る種々の障害を乗り越えようとするものである。
【0081】その方策は、内側ループでの結論を即採用
するのではなく、さらに詳しいシミュレータで評価し、
さらに現実的な運転制限条件に照らして結論の妥当性を
確認し、不適合の場合には、再度条件を整え直して最適
化探索を行わせるようにしたものである。換言すれば、
内側のループで繰り返しの多い最適化探索を行わせ、外
側のループで現実を正確に反映した条件を設定して、最
終的な信頼性を高めかつ即応性も高める方式である。
【0082】以下具体的な外側ループの構成例を示す。
第n回の外側ループの繰り返し時点の運転スケジュール
171が提示されると、コントローラ部分412はこれ
を、可能な限り実機に近い制御アルゴリズムや設定内容
制御に置き換えて各種の弁等のアクチュエータモデルを
動かし、物理モデル411のGT、HRSG、ST等の
可能な限り詳しい物理モデルを駆動して、プラントの熱
水力挙動をシミュレートする。
【0083】この得られたm1箇の結果R1と、繰り返
しの最終段階で高速予測手段500で得られたm2箇の
結果R2は、入力が同じであるにも関わらず、一般には
一致しない(図13の(1)aと(2)の差異がこれに
相当する)。その原因は、モデルおよび制約条件の精粗
の差異に基づく。その差異の状況は実機適用判定部43
0(図2)で把握され、評価される。結果として、結果
R2は運転制限条件L2に入っていても、結果R1は大
きくオーバしている項目があるかも知れないし、逆に結
果R2は、ぎりぎりで、制限L2に入って入るが、結果
R1は制限L1に対して充分すぎるぐらいの余裕がある
項目がある場合もある(図13の(1)bに相当す
る)。内側ループの運転制限条件L2と外側ループの運
転制限条件L1に関しては、その評価項目の種類は、制
限L1の方が現実のものを全て反映しているため多い
(m1≧m2)。なお、ここでは、各予測手段の評価項
目と結果とは1対1に対応する場合を想定しているが、
対応しない場合も考えられる。
【0084】従って、実機適用判定部430で比較する
場合、結果R1とR2には、次の2種類の種別がある。
【0085】第一の種類は、制限L1とL2のなかで同
じ項目が評価されており、おたがいに直接比較できるも
ので、本例ではタービン熱応力とする(図13の場
合)。
【0086】第二の種類は、第1の予測手段すなわち高
精度シミュレータの中では評価しているが、第2の予測
手段すなわち高速シミュレータの中では、演算時間やモ
デルの複雑さのためモデルが省略されおり、結果R1が
制限L1のみで評価されている種のもので、本例では、
図2のドラム内の水位306、307、308がこれに
相当するとする。
【0087】従って、図2の総合最適化調整部420で
は、次回の内側ループの最適化に対する境界条件とし
て、次のケースに分けた指示を421として出力する機
能を持たせる。
【0088】ケース1Aは、k番目(k=1,m1)の
評価項目の結果R1(k)が上記の第1の種類であっ
て、L1(k)内に入っている(図13の曲線(1)b
に相当)。このとき、δL(k)[=L1(k)−R1
(k)]に対し、0<δL(k)<ε(k)が成立、す
なわち、あらかじめ定めた適切な余裕値ε(k)を持っ
て、実際の制限値L1内に在る場合は、結果R1(k)
の観点からは、なんら次回の内側最適化の境界条件を変
更する要求はしない。そして、全てのkについてケース
1Aとなったときが、実機適用可能な信頼性の高い解が
得られたことになる。しかし、δL(k)≧ε(k)≧
0のとき、すなわち、あまりに制限値に対して余裕が在
りすぎる場合は、この影響は、他の変数に影響を及ぼす
ので、次回の最適化に対し、大きな余裕が発生している
時間区間(i)およびそれ以前の区間に対して、結果R
2の制限L2をより緩やかな方向に変更するファジィル
ールを構成する。本例では、(1)式のタービン熱応力
制限値SLを、第1区間から第i区間まで重みをつけて
緩めることを指示する。
【0089】ケース1Bは、ケース1Aと同じ属性の結
果R1(k)であるが、制限条件L1(k)内に入って
いない場合である。このときは、さらに制限をオーバし
ている時間領域が、高速シミュレータの結果R2と同じ
時間区間であるか否かによって、内側ループへの指示の
やり方を変更する方式をファジイルールにいれることも
可能である。たとえば、図13の状況(a)では、曲線
(1)と曲線(2)が同じ領域でピークを持っているの
で、モデルの本質的な差異は少ないと見て、次回には第
(i)領域の制約条件だけをより厳しく設定する。状況
(b)では曲線(1)aの方が次の時間区間(i+1)
でピークを持っているので、モデルの誤差は比較的大き
いと見て、より感度の低い方向に、関連するゲインを設
定し、また制限条件も第(i+1)区間は緩やかに、第
(i)以前の区間は厳しくして、次回の結果R2のピー
クを区間(i+1)に追い込むようにする。また、繰り
返し回数(n−1、n−2、...)毎の変化も考慮に
入れながら、δL(k)[=L1(k)ーR1(k)]
の評価を基に、次回の内側の最適化の境界条件を変更す
ることも有効である。状況(c)では区間(i−1)に
曲線(1)aのピークがあるため、上記状況(b)と全
く逆の指示を発行するように構成する。
【0090】ケース1Bの例では、ケース1Aとは逆
に、式(1)のタービン熱応力制限値SLを、領域にま
たがって再設定し、第1の予測シミュレータの制限条件
が全て満足される方向に第2の予測手段のモデル及び制
限条件を変更する。ただし、第1の予測手段の制限条件
は不変である。
【0091】ケース2Aは、j番目の評価項目の結果R
1(j)が上記の第二の種類であって、L1(j)内に
納まっている。このとき、δL(j)[=L1(j)ー
R1(j)]に対し、0<δL(j)<ε(j)が成
立、すなわち、あらかじめ定めた適切な余裕値ε(j)
を持って実際の制限L1内に在る場合は、結果R1
(j)の観点からは、なんら次回の内側最適化の境界条
件を変更する要求はしない。しかし、δL(k)≧ε
(k)≧0、のとき、すなわち、あまりに制限値に対し
て余裕が在りすぎる場合は、次回の最適化に対しは、つ
ぎに述べるケース2Bの間接方法2Aを指示する。
【0092】ケース2Bは、ケース2Aと同じ属性の結
果R1(j)であるが、制限L1(j)内に納まってい
ない場合である。このときは、δL(j)[=L1
(j)ーR1(j)]の評価は出来るが、この結果を直
接内側のループに反映する評価量を持たない。換言すれ
ば、内側のループは、モデルおよび制約条件として、結
果R1、制限L1に対応した状態のR2、L2を持たな
い。
【0093】従って、次に述べる間接方法2Bによっ
て、内側ループの次回境界条件を与える。間接方法2B
としては、まずδ(j)の発生状況とその大きさを、時
間区間(i)毎に把握し、他の操作量との関わりの実体
を物理現象に関する知見から評価する。本例の具体例で
あるドラム水位で言えば、ドラム水位R1(j)が時間
区間(i)で急上昇し、安全上限値L1(j)を越える
状況が第n回の外側ループのシミュレーションで発生し
たとする。ただし、この場合は、プラントがトリップす
るシミュレーションを行うわけではない。このとき図1
4の物理現象に対する知見を活用して、この例では、時
間間隔(i)以前の、第2の予測手段のGTの出力変化
率上限値をより小さく、また、主蒸気配管流量を増大さ
せる弁操作の最大スピード(CV弁最大開速度)をより
小さく設定するなど、内側ループの運転制限条件を変更
する。図14の、因果関係のうちどの操作量に対する制
限値をどの程度変更するかは、ファジィ関係のマップと
ルールあるいはニューロを組み合わせた方式により、内
側ループでとった施策と同じ構成でも可能である。よ
り、簡単に "If....,then ..." というルールによる変
更でも良いし、より複雑にジェネリックアルゴリズムや
簡単な最適探索法など、参考文献、例えば、計測自動制
御学会編、「ニューロ・ファジー・AIハンドブック」
オーム社、平6−5、第2編および第2編に記載の各種
方法も適用可能である。この場合でも、時間区間にわた
る挙動を、取り込んだルールの方が効果的であろう。
【0094】ここで、間接方法2Aとしては、上記間接
方法2Bと同じ考え方に基づき、丁度逆の操作を、内側
ループに指示し、高速シミュレータに、より緩やかな運
転制限条件を与える。
【0095】この例で示したファジー理論の適用のため
の定式化では、シミュレータを繰り返して計算機上で走
らせる必要がある。得られた最適運転計画案を実際のプ
ラントに適用するには、結果の信頼度が重要なファクタ
ーである。信頼度の高い結果を得るためには、実際のプ
ラントに出来るだけ近い特性をもつ動特性シミュレータ
および運転制限の評価機能を用いることが望ましい。し
かしながら、プラント全体の動特性と運転制限条件を詳
しく扱うことの出来るシミュレータおよび評価機能を繰
り返して用いることになれば、現状の計算機でも最適解
を得るまでには多大な時間を要する。たとえば、起動時
間の短縮化を狙った運転スケジュールの最適化の問題で
は、プラントシミュレータは0%から最適運転スケジュ
ール探索手段100%出力までの強い非線形をもつ現象
を模擬し、評価項目も各部熱応力とプラントのNOxや
CO2等の排ガス特性など多岐にわたるため、場合によ
っては数十分から数時間を要する場合もある。最適解に
収束するまでの繰り返し必要回数は、最適化技法や定式
化および初期想定状態等によって大きく変化するが、一
般に十数回から数十回を要することを考慮すると、実際
に適用する場合の現実的な障害となる。本発明はこの障
害を乗り越えるための構成および手段を提供するもので
ある。
【0096】まず、第2の予測手段で用いる動特性シミ
ュレータの高速化を計るため次の方法を用いる。(1)
対象とするプラント事象に限定し特化させたモデルとす
ることでモデルの軽量化、すなわち全体の小型化を計
る、(2)評価する項目の特性に応じた簡略なモデルを
用いる。たとえば静特性で動特性を近似する等。(3)
起動/停止/負荷変化/事故時等の現象に応じて特定の
状態量の評価を省略する。
【0097】また、プラント熱応力や排ガス特性の運転
制限条件の評価も出来るだけ高速化を計るため、簡略な
ものとすることが望ましい。熱応力の計算は比較的時間
刻み幅が大きくとれるため、詳しいモデルでも第2の予
測手段で活用できる。排ガスの計算では制御動作の簡略
化等を導入する。
【0098】一方、第1の予測手段のなかで用いるシミ
ュレータおよび運転制限条件の評価機能は実機の特性と
運転条件に出来るかぎり近いものとして構成し、得られ
た状態量の評価が相当程度の信頼度をもって、実機に適
用可能であるレベルとする。
【0099】この結果、第1と第2の予測手段のスピー
ドは数十倍程度あるいはそれ以上の差を持つように構成
できることになる。
【0100】ここで、この最適化に要する計算機の所要
時間をみると、図1に示すように、中央操作室(その発
電所の運転を行う場所)からの司令を受けて、第2の予
測手段が動特性を初期時間t0から終了時間tfまで、
一度実行するのに要する演算時間をΔT2、次の最適探
索方向を決める所要時間をΔS2、収束するまでの回数
をN2とする。同様に、第1の予測手段がt0からtf
までのシミュレーションに要する時間をΔT1、最適運
転スケジュール調整に必要な時間ΔS1、収束するまで
の回数をN1とする。全体としての最適化に要する時間
は、次式となる。
【0101】Tnew=(N2(ΔT2+ΔS2)+
(ΔT1+ΔS1))N1 一方、本発明に依る階層構造をとらず、詳細な第1の予
測手段に対して、最適化を直接実施したとすると、その
所要時間は、次式となる。
【0102】 Told=N2a(ΔT1 + ΔS2a) ここで、ΔS2a:より多いパラメータについて探索す
る必要があるため、ΔS2よりも大きい(ΔS2a≧Δ
S2)。
【0103】N2a :より多いパラメータについて繰
り返す必要があるため、N2よりも大きい(N2a≧N
2)。
【0104】よって、本発明のメリットを享受できるの
は、Tnew<Toldの場合である。言い換えれば、
速度比(=ΔT1/ΔT2)が十分大きく、かつ外側ルー
プの最適化調整に要する所要回数N2が小さいほど、有
効である。
【0105】通常はΔT2は、使用するモデルの扱う機
器の範囲の拡大、対象とする事象の広範囲化、現象の複
雑さの増大等によって、大きくなりがちであるので、目
的や事象を限定し、小規模なものを多種準備して、これ
に応じて選択的に用いることが望ましい。一方、第1の
予測手段は、検証の役割を担うので、ある程度時間がか
かっても現実の状況を正確に表現したものがよく、その
正確な情報を、効率よく内側ループに伝えて、少ない最
適化回数で、全体を収束させることが肝要で、ここでも
ファジイ推論やニューロなどは有効な手法である。
【0106】以上の例は、最適化の手法として主として
ファジー理論を適用して実現した例であるが、他にもニ
ューロや最大傾斜法などに示される各種の技法が適用で
きるものであり、適用する最適化技法とそのための問題
の定式化によって、本発明の適用範囲が影響を受けるも
のではない。
【0107】以上述べた本発明の実施の形態では、複合
サイクル発電プラントを対象として具体的に説明し、蒸
気タービン及び排熱回収ボイラヘッダの熱応力と排出N
Oxを運転制限要因として扱ったが、適用プラントの特
質に応じて、他の要因、例えば、蒸気タービンのロータ
とケーシングの延び差、排熱回収ボイラのドラム等の他
の部位の熱応力、排出SOxやCO2などである。また、
熱応力を必ずしも予測しなくても、蒸気温度やメタル温
度の変化率や変化幅などを、間接的な制限値管理とする
ことも本発明の本質を変えることなく実施できることは
明らかである。
【0108】さらに、本発明の実施の形態では、最適化
の過程で修正対象とする起動スケジュールパラメータを
ガスタービン関係で8個、蒸気タービン関係で4個とし
たが、必ずしもこれらに限定する必要はなく、図4に示
した他のパラメータ、例えば、加減弁の開操作タイミン
グ条件や蒸気圧力制御用設定値など、プラントの起動パ
ターンを規定するパラメータであれば本発明は基本原理
を変えることなく実施できることは明らかである。
【0109】また、本発明の実施の形態では、起動スケ
ジュールの最適性を判断するに当たり、熱応力や排出N
Oxを制限条件とした起動所要時間のみで評価したが、
起動に伴うエネルギー損失や機器寿命消費量も起動所要
時間と共に加重評価する方式とし、季節や時間帯など電
力需要や環境条件からくる必要性に応じて加重値を変更
することにより、柔軟に起動スケジュールを作成するこ
とも本発明を適用すれば容易に実現できる。
【0110】また、本発明の実施の形態では、中央給電
指令所から指令される起動完了時刻を正確に守り、かつ
最短時間の起動スケジュールを作成できるが、中央給電
指令所から指令される起動完了時刻の代りに、ガスター
ビン点火時刻、負荷併入時刻、目標負荷到達時刻などで
あっても、基準時刻をシフトするのみで本発明の原理を
変えることなく実施できることは明らかである。さら
に、実際にプラントが起動開始後、中央給電指令所から
の指令により起動完了時刻が変更される場合や、起動中
のプラント異常によりガスタービンの速度保持や負荷保
持が発生し、その後、異常復旧して起動を続行する場合
の再スケジューリングによる最適化も本発明によると、
動特性モデルを用いて容易に実施することができる。
【0111】本発明の主要部をなす運転制御システム1
000は、本実施の形態で説明したように、実プラント
の運転制御システム用として利用するのみでなく、その
他、種々の活用が可能である。例えば、プラント基本運
用方式設計時のエンジニアリングツール、プラント設計
時の各種エンジニアリングツール、運転訓練用シミュレ
ータ、マイナ制御系設計及びチューニング用,或は起動
試験を支援する基本方式である。プラント基本運用方式
設計時のエンジニアリングツールとしては、プラントの
動特性を考慮した無理のない運転方法や長期にわたる運
用計画の策定などに利用できる。プラント設計時のエン
ジニアリングツールとしては、シミュレーションによ
り、機器の構造や強度、容量、材質などに関する極限設
計をコスト、安全性、環境適合性、制御性を勘案して実
施できる。また、運転訓練用として利用すると、起動ス
ケジュールとプラント動特性の関連性を理解しながら異
常時や緊急時における迅速かつ適切な操作方法について
シミュレータを用いて習得することができる。マイナ制
御系設計及びチューニング用として利用すると、最適運
転スケジュールを実行するときに、ドラムレベル制御系
や蒸気温度制御系などのマイナ制御系を適切に設計し、
それらの制御パラメータを事前にチューニングすること
が可能となる。
【0112】さらに、図2の第1の予測手段410の高
精度シミュレータそのものを実機プラント300で置き
換えたシステムに拡張する事により、現地での度重なる
起動試験を次々と学習する形で、最適化が行え、調整作
業工数を大幅に削減できる。
【0113】また、本発明の実施の形態では、火力発電
プラント運転制御システムを、主に、ボイラと蒸気ター
ビンから成る通常の火力発電プラントとガスタービンと
排熱回収ボイラと蒸気タービンから成る複合サイクル発
電プラントへの適用について説明したが、ガスタービン
用燃料を生成するための石炭ガス化炉を有するガス化複
合サイクル発電プラントや、通常のバーナの代りに流動
層の中で石炭を燃焼させるボイラを用いた常圧あるいは
加圧流動層ボイラ発電プラントにおいても、本発明の基
本原理を変えることなく容易に実施できる。
【0114】本発明はその他の発電プラント、例えば、
ボイラ、蒸気タービン、発電機から成る通常の発電プラ
ントや、石炭ガス化発電プラント、常圧あるいは加圧流
動層ボイラ発電プラントにも適用可能なことは勿論であ
る。また、使用燃料としても、石炭、石油、LNGなど
を限定しないことも明らかである。
【0115】さらには、火力発電にとどまらず、一層複
雑な原子力発電プラントに対しても、参考文献、例え
ば、秋山著「原子プラント工学」、コロナ社、昭54、
第3章に記載のような核的なモデルやそれに伴う制限条
件を適切に与えれば全く同様に本発明を適用できる。
【0116】たとえば沸騰水型原子力発電所は、原子炉
圧力容器及び格納容器、及び発生した蒸気を回転エネル
ギーに換える蒸気タービン、および蒸気を復水する復水
器、復水を原子炉に戻す給水系、発電機おゆび出力をコ
ントロールする再循環系などから構成されており、運転
制限条件として、すくなくとも、核反応ぺリオド、制御
棒の移動速度、核反応出力変化速度、全燃料棒の被覆管
の耐性限界値、炉水水素発生濃度、炉水酸素濃度、再循
環ポンプ流量変化速度、原子炉圧力と変化率、原子炉圧
力容器の温度変化率、浄化系の流量と温度、主塞止弁前
後差圧と温度差、蒸気タービンのロータ内外熱応力およ
び、および湿分分離器内水位変化幅、主蒸気配管熱応
力、原子炉水位変化幅、最大給水流量、主蒸気系制御弁
及び止め弁の開閉速度、主蒸気最大圧力値、給水加熱器
管内最大流速、復水器温排水温度変化幅、の全てあるい
は一部が、それぞれの規定範囲内に入るように起動時間
の短縮化や高経済運転法の達成などを目的にしたプラン
トの運転計画の作成に有用である。
【0117】また、加圧水型原子力発電所で言えば、原
子炉圧力容器及び格納容器、蒸気発生器、蒸気タービ
ン、復水器、復水を蒸気発生器に戻す給水系、および発
電機などから構成され、運転制限条件として、すくなく
とも、核反応ぺリオド、制御棒の移動速度、ほう酸水注
入出流量、核反応出力変化速度、全燃料棒の被覆管の耐
性限界値、炉水水素発生濃度、炉水酸素濃度、一次冷却
材ポンプ流量変化速度、原子炉及び蒸気発生器の圧力と
変化率、原子炉圧力容器の温度変化率、浄化系の流量と
温度、主塞止弁前後差圧と温度差、蒸気タービンのロー
タ内外熱応力、給水加熱器内水位変化幅、一次低温側お
よび高温側配管熱応力、主蒸気配管熱応力、蒸気発生器
内水位変化幅、最大給水流量、主蒸気系制御弁及び止め
弁の開閉速度、主蒸気最大圧力値、給水加熱器管内最大
流速、復水器温排水温度変化幅、の全てあるいは一部
が、それぞれの規定範囲内に入るようにしながら、起動
時間の短縮化、高経済運用を目的としたプラント運転計
画作成装置としても拡張可能である。
【0118】以上述べたように、本発明に依れば、発電
システムなど、正面から取り組むにはあまりに複雑で、
大規模なシステムの運用計画、制御方式策定、緊急対応
処置の最適化にさいして、高精度と高速型の二種類のシ
ミュレータを、それぞれ外側(上位)と内側(下位)に
配し、内側ループ最適化と外側ループ最適化を、適切な
最適化手法の選択と負荷の配分によって達成することが
できる。
【0119】
【発明の効果】本発明の第1の効果は、発電プラントの
運転制御システムにおいて機器寿命や排出NOXなど
運転制限条件や環境規制値を同時に満しながら起動時間
の最短化、停止時間の最短化、負荷変化の即応化、事故
時処置の安定化を図る最適運転スケジュールの自動作成
と実行を現実的な計算機の能力を限界を考慮しつつ、実
現できることにある。これにより、運用計画者や、運転
員の負担が大幅に軽減されると共に、軌道時間などの短
縮に伴うエネルギー損失も低減できるための発電プラン
トの運用コストを大幅に低減できる。
【0120】本発明の第2の効果は、発電プラントの起
動試験過程において、機器寿命や排出NOxなど運転制
限条件や環境規制値を同時に満しながら起動時間の最短
化、停止時間の最短化、負荷変化の即応化、事故時処置
の安定化を図る最適運転スケジュールの現地調整の迅速
化を可能にできることである。これにより、運転員や設
計者の負担が大幅に軽減されるとともに、起動試験時の
調整の短縮に伴うエネルギー損失も低減できる。
【0121】本発明の第3の効果は、発電プラントの運
転制御システムにおいて、機器寿命や排出NOxなど運
転制限条件や環境規制値を同時に満しながら、中央給電
指令所から指定される時刻通りに起動や停止を完了でき
ることにある。これにより、電力需要の変動に伴い発電
プラントの頻繁な起動停止が必要となる電力系統への安
定かつ正確な電力供給が可能となる。
【0122】本発明の第4の効果は、発電プラントの運
転制御システムにおいて、プラント起動中に運転制限値
が変更されたり、中央給電指令所より起動/停止の完了
指定時刻が変更されたり、異常復旧後や緊急時に再スケ
ジューリングが必要となる場合でも、最適な起動/停止
スケジュールを自動生成し、これを実行することが可能
なことである。これにより、柔軟かつ安全なプラント運
用及び電力系統の運用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本構成を説明した処理フロー図で
ある。
【図2】 本発明の実施の形態である複合サイクル発電
プラントの起動制御システムの基本構成と機器構成を示
すブロック図である。
【図3】 本発明の内側ループの起動スケジュール最適
化手段の基本的考え方を示す概念図である。
【図4】 プラント起動過程と起動スケジュールパラメ
ータの関係を示す(内側ループ)説明図である。
【図5】 タービン熱応力特性評価方式を示すグラフで
ある。
【図6】 排出NOx特性評価方式を示すグラフであ
る。
【図7】 起動スケジュール最適化のためのファジィル
ールと修正用スケジュールパラメータの関係を示す(内
側ループ)説明図である。
【図8】 ファジィルールで使用するメンバーシップ関
数を示す(内側ループ)説明図である。
【図9】 ファジィルールの全体構成を示す(内側ルー
プ)説明図である。
【図10】 蒸気タービン主計画(STPS)で用いる
タービン熱応力調整ルールの一部を示す(内側ループ)
説明図である。
【図11】 起動スケジュール修正量の決定方法を示す
説明図である。
【図12】 本発明を適用した複合サイクル発電プラン
ト起動制御システムの内側ループの動作結果とその効果
を示す説明図である。
【図13】 第1の予測手段(外側ループ)と第2の予
測手段(内側ループ)の結果と制限条件の比較のための
説明図である。
【図14】 第2の予測手段(内側ループ)に修正量を
指示するための物理現象に対する知見の一例を示す説明
図である。
【符号の説明】
10…運転計画者、100…最適運転スケジュール探索
手段、120…運転時特性評価機能、122…タービン
熱応力特性評価機能、123…ボイラ熱応力特性評価機
能、124…排出NOx特性評価機能、125…起動所
要時間評価機能、140…最適性評価機能、150…起
動スケジュール修正手段、160…ファジィルール、1
70…起動スケジュール設定手段、180…起動スケジ
ュール表示手段、200…機器制御システム、300…
複合サイクル発電プラント、310…排熱回収ボイラ設
備、320…ガスタービン設備、330…蒸気タービン
設備、400…最適運転適用調整手段、410…最適運
転適用調整手段、411…物理モデル、412…コント
ローラ部分、420…総合最適化調整部、430…実機
適用判定部、500…高速予測手段、532…動特性モ
デル、533…バスタービンモデル、534…ボイラモ
デル、535…蒸気タービンモデル、…1000…運転
制御システム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−302318(JP,A) 特開 昭63−200100(JP,A) 特開 昭63−94010(JP,A) 特開 平5−196793(JP,A) 特開 平5−120364(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 13/02 - 13/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラントの運転計画を立案し、提示する装
    置において、 操作設定に対するプラント状態の予測精度が高い動特性
    シミュレータと、実機の運転制限条件を詳しく評価する
    機能とを備えた第1の予測手段と、 操作設定に対するプラント状態の予測スピードがより速
    い動特性シミュレータと、運転制限条件をより高速で評
    価する機能とを備えた第2の予測手段と、 前記第2の予測手段を用いて、起動時、停止時、負荷変
    化時、事故時の少なくとも1つの事象に関し、プラント
    の運転の最適操作設定内容を自動的に探索する最適探索
    手段と、 前記最適探索手段により得られた最適操作設定内容を前
    記第1の予測手段に入力して得られた結果と前記最適操
    作設定内容での前記第2の予測手段の結果との差異を評
    価し、前記第2の予測手段に対して、運転制限条件の修
    正、および/または、動特性シミュレータのモデルと入
    力定数の修正、および/または、操作設定内容の変更を
    指示し、再度、前記最適探索手段に最適化を実施させる
    という一連の手順を、前記第1の予測手段の結果が実機
    の運転制限条件を満足するまで繰り返す機能を持つ最適
    運転適用調整手段と、 を備えることを特徴とするプラント運転計画作成装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の装置において、 前記第2の予測手段のなかで用いる動特性シミュレータ
    および運転制限条件の評価機能を、最適化を行う事象お
    よび最適化の目標に応じた種類だけ用意し、そのいずれ
    かを選択的に用いる、 ことを特徴とするプラント運転計画作成装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の装置において、 最適化を行う事象、および/または、最適化の目標に応
    じて、前記最適探索手段を複数用意し、そのいずれかを
    選択的に用いる、 ことを特徴とするプラント運転計画作成装置。
  4. 【請求項4】請求項1、2および3のうちのいずれか1
    項に記載の装置において、 最適化を行う事象、および/または、最適化の目標に応
    じて、前記最適運転適用調整手段を複数用意し、そのい
    ずれかを選択的に用いる、 ことを特徴とするプラント運転計画作成装置。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3および4のうちのいずれ
    か1項に記載の装置において、 前記プラントは、ガスタービン、ガスタービンの排気ガ
    ス熱により蒸気を発生するボイラ、発生した蒸気を回転
    エネルギーに換える蒸気タービン、蒸気を復水してボイ
    ラに戻す復水器、および発電機を備え、前記運転制限条
    件として、蒸気タービンの熱応力およびプラント排ガス
    成分およびボイラ配管熱応力およびガスタービンへの燃
    料供給量変化率、ガスタービン回転速度変化率、ガスタ
    ービンパージ運転時間、ガスタービン回転数保持レベル
    と保持時間、ガスタービン負荷変化率、蒸気ドラム内水
    位変動幅、最大給水流量、主蒸気系制御弁および止め弁
    の開閉速度、主蒸気最大圧力値、主蒸気温度変化幅、復
    水器温排水温度変化幅、の少なくとも一部がそれぞれの
    範囲に入るようにした、 ことを特徴とするプラント運転計画作成装置。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3および4のうちのいずれ
    か1項に記載の装置において、 前記プラントは、ガスタービン、石炭の燃焼にともなう
    生成ガスをガスタービンに燃料として供給する火炉、ガ
    スタービンの排気ガス熱により蒸気を発生するボイラ、
    発生した蒸気を回転エネルギーに換える蒸気タービン、
    蒸気を復水してボイラに戻す復水器、および発電機を備
    え、前記運転制限条件として、火炉生成ガスの体積流量
    および温度の変化幅と変化率、蒸気タービンのロータ内
    外熱応力およびプラント排ガス成分、ガスタービン回転
    速度変化率、ガスタービンパージ運転時間、ガスタービ
    ン回転数保持レベルと保持時間、ガスタービン負荷変化
    率、ボイラ配管熱応力蒸気ドラム内水位変動幅、最大給
    水流量、主蒸気系制御弁および止め弁の開閉速度、主蒸
    気最大圧力値、主蒸気温度変化幅、復水器温排水温度変
    化幅、の少なくとも一部がそれぞれの規定範囲に入るよ
    うにした、 ことを特徴とするプラント運転計画作成装置。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3および4のうちのいずれ
    か1項に記載の装置において、 前記プラントは、沸騰水型原子炉および格納容器、発生
    した蒸気を回転エネルギーに換える蒸気タービン、蒸気
    を復水する復水器、復水を原子炉に戻す給水系、および
    発電機を備え、前記運転制限条件として、核反応ぺリオ
    ド、制御棒の移動速度、核反応出力変化速度、全燃料棒
    の被覆菅の耐性限界値、炉水水素発生濃度、炉水酸素濃
    度、再循環ポンプ流量変化速度、原子炉圧力と変化率、
    原子炉圧力容器の温度変化率、浄化系の流量と温度、主
    塞止弁前後差圧と温度差、蒸気タービンのロータ内外熱
    応力、湿分分離器内水位変化幅、主蒸気配管熱応力、原
    子炉水位変化幅、最大給水流量、主蒸気系制御弁および
    止め弁の開閉速度、主蒸気最大圧力値、給水加熱器管内
    最大流速、復水器温排水温度変化幅、の少なくとも一部
    がそれぞれの規定範囲に入るようにした、 ことを特徴とするプラント運転計画作成装置。
  8. 【請求項8】請求項1、2、3および4のうちのいずれ
    か1項に記載の装置において、 前記プラントは、加圧水型原子炉圧力容器、格納容器、
    蒸気発生器、蒸気タービン、復水器、復水を蒸気発生器
    に戻す給水系、および発電機を備え、前記運転制限条件
    として、核反応ぺリオド、制御棒の移動速度、ほう素水
    注入出流量、核反応出力変化速度、全燃料棒の被覆菅の
    耐性限界値、炉水水素発生濃度、炉水酸素濃度、一次冷
    却材ポンプ流量変化速度、原子炉および蒸気発生器の圧
    力と変化率、原子炉圧力容器の温度変化率、浄化系の流
    量と温度、主塞止弁前後差圧と温度差、蒸気タービンの
    ロータ内外熱応力、給水加熱器内水位変化幅、一次低温
    側および高温側配管熱応力、主蒸気配管熱応力、蒸気発
    生器内水位変化幅、最大給水流量、主蒸気系制御弁およ
    び止め弁の開閉速度、主蒸気最大圧力値、給水加熱器管
    内最大流速、復水器温排水温度変化幅、の少なくとも一
    部がそれぞれの規定範囲に入るようにした、 ことを特徴とするプラント運転計画作成装置。
  9. 【請求項9】請求項1、2、3、4、5、6、7および
    8のうちのいずれか1項に記載の装置において、 前記第2の予測手段は、 プラントの運転スケジュールを予め想定するため運転ス
    ケジュール仮定手段と、 前記運転スケジュールにしたがってプラントを運転した
    と仮定したときの運転特性を予測する高速予測手段と、 前記高速予測手段により得られる運転特性を運転制限条
    件と比較して評価する運転特性評価手段と、 前記運転特性評価手段により得られる運転特性評価結果
    に基づいて、より良好な運転特性を得るために前記仮定
    された運転スケジュールを修正するための運転スケジュ
    ール修正手段と、 前記運転スケジュール仮定、プラント運転特性予測、運
    転特性評価、運転スケジュール修正を繰り返す過程で運
    転スケジュールが最適値に収束したか否かを判定するた
    めの最適性判定手段と、 得られた最適運転スケジュールを前記最適操作設定内容
    として機器制御システムに設定するための運転スケジュ
    ール設定手段と、 前記運転スケジュールを表示装置を介して運転員に提示
    するための運転スケジュール表示手段と、 を有することを特徴とするプラント運転計画作成装置。
  10. 【請求項10】操作設定に対するプラント状態の予測精
    度が高い動特性シミュレーションと、実機の運転制限条
    件を詳しく評価する機能とを備えた第1の予測手段と、 操作設定に対するプラント状態の予測スピードがより速
    い動特性シミュレータと、運転条件をより高速で評価す
    る機能とを備えた第2の予測手段と、 を用いて、プラントの運転計画を立案し、提示する方法
    であって、 (a1)起動時、停止時、負荷変化時、事故時の少なくと
    も1つの事象に関し、初期条件に応じた初期想定の運転
    スケジュールを前記第2の予測手段に入力して、プラン
    トの動特性を予測し、 (a2)前記予測されたプラントの動特性を運転制限条件
    に照らして評価し、 (a3)前記評価結果が運転制限条件を満足しない場合に
    は前記運転スケジュールを修正して、工程(a1)に戻
    り、 (a4)前記評価結果が運転制限条件を満足する場合に
    は、前記運転スケジュールをプラント運転の最適操作設
    定内容として、次の工程(b1)に進み、 (b1)前記最適操作設定内容を前記第1の予測手段に入
    力してプラントの動特性を予測し、 (b2)前記予測されたプラントの動特性を実機の運転条
    件に照らして評価し、 (b3)前記評価結果が運転制限条件を満足しないと判定
    されたとき、工程(b2)で得られた評価結果と、前記最
    適操作設定内容に対して工程(b2)で得られた評価結果
    との差異に基づき、該差異が小さくなる方向へ、前記第
    2の予測手段に関する運転制限条件の修正、および/ま
    たは、動特性シミュレータのモデルと入力定数の修正、
    および/または、操作設定内容の修正を行い、工程(a
    1)に戻り、 (b4)工程(b2)で評価結果が実機の運転制限条件を満
    足したと判定されたとき、当該最適操作設定内容を最終
    的な実機の操作設定内容とする、 ことを特徴とするプラント運転計画作成方法。
JP31412595A 1995-12-01 1995-12-01 プラント運転計画作成方法および装置 Expired - Lifetime JP3333674B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31412595A JP3333674B2 (ja) 1995-12-01 1995-12-01 プラント運転計画作成方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31412595A JP3333674B2 (ja) 1995-12-01 1995-12-01 プラント運転計画作成方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09152903A JPH09152903A (ja) 1997-06-10
JP3333674B2 true JP3333674B2 (ja) 2002-10-15

Family

ID=18049551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31412595A Expired - Lifetime JP3333674B2 (ja) 1995-12-01 1995-12-01 プラント運転計画作成方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3333674B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19745682B4 (de) * 1997-10-16 2010-03-18 Robert Bosch Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Ermittlung von Kenngrößen
JP2001022437A (ja) * 1999-07-13 2001-01-26 Toshiba Corp プラント制御装置およびプラント制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP3984000B2 (ja) * 2000-05-31 2007-09-26 株式会社東芝 生産システム及び生産方法
KR100831108B1 (ko) * 2003-12-24 2008-05-20 신닛뽄세이테쯔 카부시키카이샤 생산·물류 스케줄 작성 장치 및 방법, 생산·물류 프로세스제어 장치 및 방법, 컴퓨터 프로그램, 및 컴퓨터 판독가능한 기록 매체
US8352148B2 (en) * 2008-05-21 2013-01-08 General Electric Company System for controlling input profiles of combined cycle power generation system
JP5566818B2 (ja) * 2010-09-10 2014-08-06 株式会社大川原製作所 乾燥設備の設計支援システム
JP5964029B2 (ja) * 2011-10-26 2016-08-03 三菱重工業株式会社 蒸気発生器の補助給水弁制御装置
US9458734B2 (en) * 2012-06-08 2016-10-04 General Electric Company Model and simulation based control of turbines
CN106997675A (zh) * 2016-01-26 2017-08-01 宿州学院 基于动态规划的目标车速预测方法
JP6650786B2 (ja) * 2016-03-03 2020-02-19 三菱日立パワーシステムズ株式会社 制御パラメータ自動調整装置、制御パラメータ自動調整方法、及び制御パラメータ自動調整装置ネットワーク
US10487750B2 (en) * 2017-02-27 2019-11-26 General Electric Company System and method for predicting and enhancing power plant startup time
CN113432643B (zh) * 2021-06-11 2023-06-30 中国煤炭科工集团太原研究院有限公司 隔爆型电气设备的内部环境状态监测方法及其装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09152903A (ja) 1997-06-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5301347B2 (ja) 複合サイクル発電システムの制御装置
JP3333674B2 (ja) プラント運転計画作成方法および装置
JP2907672B2 (ja) プロセスの適応制御方法およびプロセスの制御システム
Khan et al. A new methodology for risk-based availability analysis
Rossi et al. A methodology for energy savings verification in industry with application for a CHP (combined heat and power) plant
JPH08339204A (ja) 火力発電プラント自律適応最適化制御システム
Prasad et al. A novel performance monitoring strategy for economical thermal power plant operation
Zhang et al. Dynamic model for subcritical circulating fluidized bed boiler-turbine units operated in a wide-load range
JP3666036B2 (ja) 火力発電プラント起動制御システム及び起動制御方法
JPH08128304A (ja) 火力発電プラント自律適応制御システム
Lee et al. Modified predictive optimal control using neural network-based combined model for large-scale power plants
JP3965615B2 (ja) プロセス制御装置
Matsumoto et al. An operation support expert system based on on-line dynamics simulation and fuzzy reasoning for startup schedule optimization in fossil power plants
Matsumoto et al. An expert system for startup optimization of combined cycle power plants under NO/sub x/emission regulation and machine life management
Deng et al. Quantitative analysis of energy storage in different parts of combined heat and power plants
JP2004076658A (ja) コンバインドサイクル発電プラントの起動スケジュール策定方法および起動スケジュール策定装置
Alobaid et al. Dynamic process simulation of a 780 MW combined cycle power plant during shutdown procedure
JPH08303210A (ja) 火力発電プラントの自律適応最適化制御システム
Agbleze et al. Modeling and Control of Subcritical Coal-Fired Power Plant Components for Fault Detection
Xie et al. Deep Reinforcement Learning Based Load Control Strategy for Combined Heat and Power Units
JP2678216B2 (ja) 火力発電プラント起動時運転支援装置
JPH08303211A (ja) 火力発電プラント自律適応最適化制御システム
JP2002023806A (ja) プロセスの制御装置
Weng Robust wide-range control of electric power plants
JP2003269112A (ja) プラントの起動予測制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070726

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080726

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080726

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090726

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090726

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100726

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100726

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110726

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110726

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120726

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130726

Year of fee payment: 11

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term