JPH05222650A - 織機のバックロール - Google Patents
織機のバックロールInfo
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- JPH05222650A JPH05222650A JP4022991A JP2299192A JPH05222650A JP H05222650 A JPH05222650 A JP H05222650A JP 4022991 A JP4022991 A JP 4022991A JP 2299192 A JP2299192 A JP 2299192A JP H05222650 A JPH05222650 A JP H05222650A
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- Japan
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- warp
- back roll
- loom
- groove
- roll
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 経糸送りだしに伴う経糸のローリング及びバ
ックロール上の経糸の片側寄りを解消し、経糸切れ、経
糸毛羽、経糸開口遅れなどに起因する織機停台回数を減
少させるとともに、織物品位を向上させることができる
織機のバックロールを提供する。 【構成】 溝が設けられた織機のバックロール。詳しく
は、バックロール表面上に同心円状の溝、長手方向の
溝、斜めの溝などの溝が、設けられていことを特徴とす
る織機のバックロール。
ックロール上の経糸の片側寄りを解消し、経糸切れ、経
糸毛羽、経糸開口遅れなどに起因する織機停台回数を減
少させるとともに、織物品位を向上させることができる
織機のバックロールを提供する。 【構成】 溝が設けられた織機のバックロール。詳しく
は、バックロール表面上に同心円状の溝、長手方向の
溝、斜めの溝などの溝が、設けられていことを特徴とす
る織機のバックロール。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、織機のバックロールに
関するものである。
関するものである。
【0002】
【従来の技術】織物は経糸と緯糸から組織されるが、経
糸は一本毎に綜絖に通され、2枚から14枚、あるいは
織物によっては30枚といった綜絖枠の中に納められて
いる。経糸は、これら綜絖枠の上下運動によって開口
し、その経糸の間を水や空気、あるいは機械的な道具に
よって緯糸が挿入され、そして経糸が閉じ、再び開口す
るといった一連の運動を繰り返すことによって、織物を
製造している。
糸は一本毎に綜絖に通され、2枚から14枚、あるいは
織物によっては30枚といった綜絖枠の中に納められて
いる。経糸は、これら綜絖枠の上下運動によって開口
し、その経糸の間を水や空気、あるいは機械的な道具に
よって緯糸が挿入され、そして経糸が閉じ、再び開口す
るといった一連の運動を繰り返すことによって、織物を
製造している。
【0003】この経糸が閉じる、開口するといった運動
の際、経糸を織り前方向へ導き、また経糸の張力をコン
トロールするために織機にはバックロールが付いてい
る。このバックロールは、経糸の開口に伴って前後運動
するものであり、また、機械に固定されたままのものも
ある。織物の製造時、経糸ビームから織り前側に送り出
される経糸は、はじめはきれいに整然と並んでいるが、
織物の製造が進むと共に隣接する経糸同士が複数本ねじ
れるローリング現象が生じてくる。
の際、経糸を織り前方向へ導き、また経糸の張力をコン
トロールするために織機にはバックロールが付いてい
る。このバックロールは、経糸の開口に伴って前後運動
するものであり、また、機械に固定されたままのものも
ある。織物の製造時、経糸ビームから織り前側に送り出
される経糸は、はじめはきれいに整然と並んでいるが、
織物の製造が進むと共に隣接する経糸同士が複数本ねじ
れるローリング現象が生じてくる。
【0004】そのために、経糸はさばきが悪くなり、経
糸開口不良、経糸毛羽、経糸切れといった問題や、織物
品位が低下するといった問題が発生する。ローリング現
象は、経糸が有撚糸の場合に生じ易く、高付加価値織物
の製造段階でのネックとなっている。従来、この問題を
解決するために、バックロールにおける経糸の経路を図
11に示すようにL字掛けから図12に示すようなS字
掛けへの変更、バックロール表面の粗度の変更、バック
ロールの回転をベルトで止める、あるいは経糸の張力を
高くすることなどが行なわれてきた。
糸開口不良、経糸毛羽、経糸切れといった問題や、織物
品位が低下するといった問題が発生する。ローリング現
象は、経糸が有撚糸の場合に生じ易く、高付加価値織物
の製造段階でのネックとなっている。従来、この問題を
解決するために、バックロールにおける経糸の経路を図
11に示すようにL字掛けから図12に示すようなS字
掛けへの変更、バックロール表面の粗度の変更、バック
ロールの回転をベルトで止める、あるいは経糸の張力を
高くすることなどが行なわれてきた。
【0005】また、バックロールの前後運動量の調節の
ために、イージングスプリングの強さを変更したり、さ
らに積極イージング機構では運動カムを変更することで
バックロール上での経糸のローリングを防止しようと様
々な方法が考えられてきた。しかし、いずれも若干の改
善は見られるが根本的な解決には至っておらず、織物の
製造と共に生じる経糸のローリング現象は解消されてい
ない。
ために、イージングスプリングの強さを変更したり、さ
らに積極イージング機構では運動カムを変更することで
バックロール上での経糸のローリングを防止しようと様
々な方法が考えられてきた。しかし、いずれも若干の改
善は見られるが根本的な解決には至っておらず、織物の
製造と共に生じる経糸のローリング現象は解消されてい
ない。
【0006】また、バックロールが経糸の送り出しと共
に回転することによって、有撚糸のねじれや経糸とバッ
クロールとの擦れによる経糸の毛羽立ちを防ぐ工夫もあ
るが(特公昭50−12502号公報、実開昭62−4
6683号公報)、経糸のローリングに対しての効果は
ほとんどない。従って、特に有撚糸を経糸として用いる
場合、織り始じめから終わりまで経糸がローリングを生
じることなく、織物を製造できる技術が望まれている。
に回転することによって、有撚糸のねじれや経糸とバッ
クロールとの擦れによる経糸の毛羽立ちを防ぐ工夫もあ
るが(特公昭50−12502号公報、実開昭62−4
6683号公報)、経糸のローリングに対しての効果は
ほとんどない。従って、特に有撚糸を経糸として用いる
場合、織り始じめから終わりまで経糸がローリングを生
じることなく、織物を製造できる技術が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の背景
に鑑み、経糸のローリングが生じないように、かつ安定
して経糸を織り前側に供給することができるバックロー
ルを提供することを目的としている。
に鑑み、経糸のローリングが生じないように、かつ安定
して経糸を織り前側に供給することができるバックロー
ルを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、経糸を織り前
側に導く織機のバックロールにおいて、上記バックロー
ルの表面に溝が設けられていることを特徴とする織機の
バックロール、である。本発明でいう織機とは、ウォー
タージェットルーム、エアージェットルーム、レピアル
ーム、プロジェクタイルルーム、及び普通織機などをい
う。
側に導く織機のバックロールにおいて、上記バックロー
ルの表面に溝が設けられていることを特徴とする織機の
バックロール、である。本発明でいう織機とは、ウォー
タージェットルーム、エアージェットルーム、レピアル
ーム、プロジェクタイルルーム、及び普通織機などをい
う。
【0009】本発明でいうバックロールとは、経糸の方
向を変えたり、あるいは経糸の張力を検出、コントロー
ルしたりする機能を有するものをいい、一般には織機の
後ろ側にあって、経糸ビームから引き出された経糸の方
向を変えるために取り付けられている。また、織機にお
けるバックロールの本数は1本の場合もあれば、2本、
さらには張力付与や経糸を安定して織り前側に導くため
の目的から3本以上の複数本を備えた織機もある。
向を変えたり、あるいは経糸の張力を検出、コントロー
ルしたりする機能を有するものをいい、一般には織機の
後ろ側にあって、経糸ビームから引き出された経糸の方
向を変えるために取り付けられている。また、織機にお
けるバックロールの本数は1本の場合もあれば、2本、
さらには張力付与や経糸を安定して織り前側に導くため
の目的から3本以上の複数本を備えた織機もある。
【0010】本発明のバックロールは、バックロールと
いう名称のものだけでなく、テンションロールやガイド
ロールなどという言い方もあり、複数本ある場合には区
別するために呼び名を変えていることもある。本発明の
バックロールは、織機に複数本ある場合にはそのうちの
1本だけ使用してもよく、また複数本のうちの何本かに
使用してもよい。また、複数本ある場合には、それぞれ
のロールが異なった溝加工を施されたものを使用しても
よい。
いう名称のものだけでなく、テンションロールやガイド
ロールなどという言い方もあり、複数本ある場合には区
別するために呼び名を変えていることもある。本発明の
バックロールは、織機に複数本ある場合にはそのうちの
1本だけ使用してもよく、また複数本のうちの何本かに
使用してもよい。また、複数本ある場合には、それぞれ
のロールが異なった溝加工を施されたものを使用しても
よい。
【0011】本発明のバックロールの溝とは、以下の二
つのタイプのものをいう。本発明のバックロールの溝の
一つのタイプは、図1に示すように、バックロール表面
に同心円状の溝が付いているバックロールをいう。この
溝の断面は半円状を成している。経糸1本に対してひと
つの溝がバックロール表面上にある場合には、溝にある
経糸は常に同じ溝の周上を通過する。また、バックロー
ルが自然にあるいは強制的に回転する形式のものであっ
ても、経糸は同じ溝の周上を通過する。
つのタイプのものをいう。本発明のバックロールの溝の
一つのタイプは、図1に示すように、バックロール表面
に同心円状の溝が付いているバックロールをいう。この
溝の断面は半円状を成している。経糸1本に対してひと
つの溝がバックロール表面上にある場合には、溝にある
経糸は常に同じ溝の周上を通過する。また、バックロー
ルが自然にあるいは強制的に回転する形式のものであっ
ても、経糸は同じ溝の周上を通過する。
【0012】バックロール上の溝の深さは特に規制され
るものではないが、経糸の直径を目安としてその0.5
〜10倍、特に1倍〜3倍の深さが好ましい。さらに、
溝の形状は特に限定されるものではないが、糸を傷つけ
ないということから半円状、波型、などが適している。
また、バックロール表面上の同心円状の溝は、経糸が2
本、同じ溝に入るようなピッチ、すなわち経糸密度のピ
ッチの2倍のピッチで溝が付いているものでもよい。同
様に、経糸N本が同じ溝にはいるようなピッチ、すなわ
ち経糸密度のピッチのN倍のピッチで溝が付いているも
のでもよい。ただし、このN本は、1本から10本ぐら
いが限度であって、あまり多くなるとかえって経糸ロー
リングが発生することになる。
るものではないが、経糸の直径を目安としてその0.5
〜10倍、特に1倍〜3倍の深さが好ましい。さらに、
溝の形状は特に限定されるものではないが、糸を傷つけ
ないということから半円状、波型、などが適している。
また、バックロール表面上の同心円状の溝は、経糸が2
本、同じ溝に入るようなピッチ、すなわち経糸密度のピ
ッチの2倍のピッチで溝が付いているものでもよい。同
様に、経糸N本が同じ溝にはいるようなピッチ、すなわ
ち経糸密度のピッチのN倍のピッチで溝が付いているも
のでもよい。ただし、このN本は、1本から10本ぐら
いが限度であって、あまり多くなるとかえって経糸ロー
リングが発生することになる。
【0013】さらに、バックロール表面上の同円心状の
溝の数は経糸密度との関係から決める必要も特にない。
バックローラ上に適当に付けた溝に経糸が数本はいるよ
うなものであっても十分にその効果を発揮する。本発明
のバックロールの溝の二つ目のタイプの一つは図3に示
すように、バックロールの長手方向に付けられたものを
いう。この溝の本数は複数本であり、溝の深さは特に規
定されない。また、バックロールに溝を付けるかわり
に、板状あるいは線状のシールやテープのようなものを
バックロール上に取り付けることによっても、溝を付け
た場合と同様の効果が得られる。
溝の数は経糸密度との関係から決める必要も特にない。
バックローラ上に適当に付けた溝に経糸が数本はいるよ
うなものであっても十分にその効果を発揮する。本発明
のバックロールの溝の二つ目のタイプの一つは図3に示
すように、バックロールの長手方向に付けられたものを
いう。この溝の本数は複数本であり、溝の深さは特に規
定されない。また、バックロールに溝を付けるかわり
に、板状あるいは線状のシールやテープのようなものを
バックロール上に取り付けることによっても、溝を付け
た場合と同様の効果が得られる。
【0014】溝の形状は特に限定されるわけではない
が、加工のやり易さ、加工のコストを考えれば、バック
ロールの長手方向に長方形状の溝が適している。さら
に、このタイプの溝は、連続しておらず、粒状の凹部が
断続的に設けられた、エンボスロール状のものでもよ
く、また凹部の形状も円形、三角形、四角形、多角形な
ど特に限定されない。本発明のこのタイプのバックロー
ルでは、バックロールの円周上の溝部の占める割合が円
周の10%〜65%、さらに45%〜55%であること
が好ましい。
が、加工のやり易さ、加工のコストを考えれば、バック
ロールの長手方向に長方形状の溝が適している。さら
に、このタイプの溝は、連続しておらず、粒状の凹部が
断続的に設けられた、エンボスロール状のものでもよ
く、また凹部の形状も円形、三角形、四角形、多角形な
ど特に限定されない。本発明のこのタイプのバックロー
ルでは、バックロールの円周上の溝部の占める割合が円
周の10%〜65%、さらに45%〜55%であること
が好ましい。
【0015】本発明のバックロールの溝の二つ目のタイ
プのもう一つは図6に示すように、バックロールに対し
て斜めに溝が入ったバックロールをいう。この溝はバッ
クロールの長手方向に対して斜めに入っており、この斜
めの角度(図7)は長手方向に対して5度〜80度、さ
らに10度〜75度が好ましい。また、斜めの角度の方
向は右回り、左回りの何れであっても効果はほとんど差
がない。
プのもう一つは図6に示すように、バックロールに対し
て斜めに溝が入ったバックロールをいう。この溝はバッ
クロールの長手方向に対して斜めに入っており、この斜
めの角度(図7)は長手方向に対して5度〜80度、さ
らに10度〜75度が好ましい。また、斜めの角度の方
向は右回り、左回りの何れであっても効果はほとんど差
がない。
【0016】本発明のバックロールの溝は、経糸を傷つ
けないように図5に示すように溝の鋭角部を面とりする
ことが望ましい。本発明のバックロールの材質は、ステ
ンレス製、あるいはアルミ製、さらには鉄製、炭素繊維
強化材など特に限定されない。また、溝の表面仕上は鏡
面であっても梨地であってもよく、テフロン加工、その
他樹脂をコーティング加工したものなども含まれる。
けないように図5に示すように溝の鋭角部を面とりする
ことが望ましい。本発明のバックロールの材質は、ステ
ンレス製、あるいはアルミ製、さらには鉄製、炭素繊維
強化材など特に限定されない。また、溝の表面仕上は鏡
面であっても梨地であってもよく、テフロン加工、その
他樹脂をコーティング加工したものなども含まれる。
【0017】本発明のバックロールの長さは、織機の幅
にあったものを使用すればよく、溝の加工は、バックロ
ール全幅でもよく、経糸の接している部分だけでもよ
い。さらに、特に経糸のローリングの起こる場所だけ部
分的に溝の加工を付けてもよい。本発明のバックロール
の直径は、特に限定されない。いかなる直径のバックロ
ールに対しても効果を発揮する。
にあったものを使用すればよく、溝の加工は、バックロ
ール全幅でもよく、経糸の接している部分だけでもよ
い。さらに、特に経糸のローリングの起こる場所だけ部
分的に溝の加工を付けてもよい。本発明のバックロール
の直径は、特に限定されない。いかなる直径のバックロ
ールに対しても効果を発揮する。
【0018】本発明のバックロールの断面形状は、特に
限定されない。一般には、バックロールの断面は円形状
であるが、楕円形状のものや星型形状のものなどいずれ
のバックロールに対しても適用することができる。
限定されない。一般には、バックロールの断面は円形状
であるが、楕円形状のものや星型形状のものなどいずれ
のバックロールに対しても適用することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。尚、実施例及び比較例の評価は、経糸のローリング
状態、バックロール上の経糸の片側寄りの発生状態、織
機停台回数、織物品位の4項目について以下に示す方法
で評価した。 経糸のローリング バックロールと綜絖との間において、経糸がローリング
を起こして一つの束となっている数とその一つの束を構
成している経糸本数とについて調べた。また、織機稼働
中、織機の後ろ側に織り前方向に向かって立ち、経糸の
ローリング状態を下記判定基準に基づき目視判定で評価
した。
る。尚、実施例及び比較例の評価は、経糸のローリング
状態、バックロール上の経糸の片側寄りの発生状態、織
機停台回数、織物品位の4項目について以下に示す方法
で評価した。 経糸のローリング バックロールと綜絖との間において、経糸がローリング
を起こして一つの束となっている数とその一つの束を構
成している経糸本数とについて調べた。また、織機稼働
中、織機の後ろ側に織り前方向に向かって立ち、経糸の
ローリング状態を下記判定基準に基づき目視判定で評価
した。
【0020】W1 経糸のローリング現象発生なし W2 軽微な経糸のローリング現象発生 W3 目だつ経糸のローリング現象発生 W4 著しい経糸のローリング現象発生 バックローラ上の経糸の片側寄りの発生 一本の経糸について、経糸ビームとバックロール間、バ
ックロールと綜絖間のそれぞれで発生している撚数で評
価した。すなわち、経糸に例えばもともと30箇/mの
Z方向の撚が入っており、製織している間に25箇/m
のZの方向の撚数になったとすれば、製織している間に
5箇/mのS方向の片側寄りの撚が入ったことになる。
また、製織している間に35箇/mのZ方向の撚になっ
たとすれば、5箇/mのZ方向の片側寄りの撚が入った
ことになる。このようにして、バックロール上の経糸の
片側寄りの発生状態について撚数で評価した。 織機停台回数 織機稼働期間中の織機停台回数を1台1日当りに換算し
て評価した。また停台原因の内容については、経糸切
れ、経糸毛羽、経糸開口遅れを各停台原因別につき1台
1日当りの織機停台回数で評価した。 織物品位 検反機上で織物を流して下記4段階の基準織物と比較し
て官能検査で評価した。
ックロールと綜絖間のそれぞれで発生している撚数で評
価した。すなわち、経糸に例えばもともと30箇/mの
Z方向の撚が入っており、製織している間に25箇/m
のZの方向の撚数になったとすれば、製織している間に
5箇/mのS方向の片側寄りの撚が入ったことになる。
また、製織している間に35箇/mのZ方向の撚になっ
たとすれば、5箇/mのZ方向の片側寄りの撚が入った
ことになる。このようにして、バックロール上の経糸の
片側寄りの発生状態について撚数で評価した。 織機停台回数 織機稼働期間中の織機停台回数を1台1日当りに換算し
て評価した。また停台原因の内容については、経糸切
れ、経糸毛羽、経糸開口遅れを各停台原因別につき1台
1日当りの織機停台回数で評価した。 織物品位 検反機上で織物を流して下記4段階の基準織物と比較し
て官能検査で評価した。
【0021】W1 良好 W2 やや不良 W3 不良 W4 著しく不良 経糸直径は、経糸の拡大写真(100倍)の糸幅を
測定して求めた。
測定して求めた。
【0022】
【実施例1〜実施例3、比較例1】実施例1〜3は、図
1に示す表面に同心円状での断面形状が半円形溝がバッ
クロール全幅に入っているアルミ製の120mmφ、重
量5.8kgのバックロールを使用した。比較例1は、
従来の溝なしバックロールを用いた。経糸はガラスフィ
ラメントECG68−1/0、緯糸はガラスフィラメン
トECG68−1/0を使用した。経糸密度は43本/
吋、緯糸密度は32本/吋、経糸本数は2224本で、
織物組織が平織のガラスクロスを、津田駒工業(株)製
エアージェットルーム商品名ZA103(150cm
幅)にて、バックロール上下2本に経糸をL字掛けに通
して織機回転数700rpmで各々50000mの織物
を製造した。
1に示す表面に同心円状での断面形状が半円形溝がバッ
クロール全幅に入っているアルミ製の120mmφ、重
量5.8kgのバックロールを使用した。比較例1は、
従来の溝なしバックロールを用いた。経糸はガラスフィ
ラメントECG68−1/0、緯糸はガラスフィラメン
トECG68−1/0を使用した。経糸密度は43本/
吋、緯糸密度は32本/吋、経糸本数は2224本で、
織物組織が平織のガラスクロスを、津田駒工業(株)製
エアージェットルーム商品名ZA103(150cm
幅)にて、バックロール上下2本に経糸をL字掛けに通
して織機回転数700rpmで各々50000mの織物
を製造した。
【0023】その際、表1に示すように、実施例1は経
糸密度のピッチと同一ピッチで断面形状が半円形状の溝
のバックロールが1本、実施例2は経糸密度のピッチと
同一ピッチで断面形状が半円形状の溝のバックロールが
2本、実施例3は経糸密度のピッチに対し1/2のピッ
チで断面形状が半円形状の溝があるバックロールを1本
を使用して、さらに溝の深さ、溝の巾を変更して検討し
た。
糸密度のピッチと同一ピッチで断面形状が半円形状の溝
のバックロールが1本、実施例2は経糸密度のピッチと
同一ピッチで断面形状が半円形状の溝のバックロールが
2本、実施例3は経糸密度のピッチに対し1/2のピッ
チで断面形状が半円形状の溝があるバックロールを1本
を使用して、さらに溝の深さ、溝の巾を変更して検討し
た。
【0024】経糸のローリング状態、バックロール上の
経糸の片側寄り状態、織機停台回数、織物品位などの得
られた結果を表2に示す。
経糸の片側寄り状態、織機停台回数、織物品位などの得
られた結果を表2に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【実施例4〜実施例8、比較例2】実施例4〜7は、図
3に示すバックロールの長手方向に溝が全幅に入ってい
る鉄製の86mmφ、重量10.6kgのバックロール
を使用し、比較例2は溝なしの同様のバックロールを使
用した。経糸は、ナイロン66の40d/34fにS撚
280T/Mを施した有撚糊付け糸、緯糸はナイロン6
6の40d/34fを使用した。経糸密度は154本/
吋、緯糸密度は115本/吋、経糸本数は10224本
のコンピューターリボン用のタフタ織物を、津田駒工業
(株)製エアージェットルーム商品名ZA205にて、
バックロール上下2本に経糸をS字掛けに通して織機回
転数800rpmで各53500mの織物を製造した。
3に示すバックロールの長手方向に溝が全幅に入ってい
る鉄製の86mmφ、重量10.6kgのバックロール
を使用し、比較例2は溝なしの同様のバックロールを使
用した。経糸は、ナイロン66の40d/34fにS撚
280T/Mを施した有撚糊付け糸、緯糸はナイロン6
6の40d/34fを使用した。経糸密度は154本/
吋、緯糸密度は115本/吋、経糸本数は10224本
のコンピューターリボン用のタフタ織物を、津田駒工業
(株)製エアージェットルーム商品名ZA205にて、
バックロール上下2本に経糸をS字掛けに通して織機回
転数800rpmで各53500mの織物を製造した。
【0028】その際、表3に示すように、加工した溝の
形状、バックロールの円周上の溝部の占める割合を変更
して検討した。実施例8は、鉄製の86mmφ、重量1
0.6kg、バックローラの表面に、溝の代りにふっ素
樹脂シリコンテープ(ニットー社製、厚さ0.18m
m、幅10mm)を長手方向に張ることによって、溝が
作られたバックロールを使用して、実施例4〜7と同一
織物品種のコンピューターリボン用のタフタ織物を同様
の条件で製造した。
形状、バックロールの円周上の溝部の占める割合を変更
して検討した。実施例8は、鉄製の86mmφ、重量1
0.6kg、バックローラの表面に、溝の代りにふっ素
樹脂シリコンテープ(ニットー社製、厚さ0.18m
m、幅10mm)を長手方向に張ることによって、溝が
作られたバックロールを使用して、実施例4〜7と同一
織物品種のコンピューターリボン用のタフタ織物を同様
の条件で製造した。
【0029】経糸のローリング状態、バックロール上の
経糸の片側寄り状態、織機停台回数、織物品位などの得
られた結果を表4に示す。
経糸の片側寄り状態、織機停台回数、織物品位などの得
られた結果を表4に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【実施例9〜実施例11、比較例2】実施例9〜10
は、図6に示すようにバックロール長手方向に対して織
機後ろ側からみて左上方向から右下方向に斜めに半円形
状の溝が、実施例11は、バックロール長手方向に対し
て織り前からみて左上方向から右下方向に螺旋状の溝
が、全幅に入っている鉄製の86mmφ、重量10.6
kgのバックロールを使用した。
は、図6に示すようにバックロール長手方向に対して織
機後ろ側からみて左上方向から右下方向に斜めに半円形
状の溝が、実施例11は、バックロール長手方向に対し
て織り前からみて左上方向から右下方向に螺旋状の溝
が、全幅に入っている鉄製の86mmφ、重量10.6
kgのバックロールを使用した。
【0033】経糸はナイロン66の40d/34fにS
撚280T/Mを施した有撚糊付け糸、緯糸はナイロン
66の40d/34fを使用した。経糸密度は154本
/吋、緯糸密度は115本/吋で、経糸本数が1022
4本のコンピューターリボン用のタフタ織物を、津田駒
工業(株)製エアージェットルーム商品名ZA205に
て、バックロール上下2本に経糸をS字掛けに通して織
機回転数800rpmで各53500mの織物を製造し
た。
撚280T/Mを施した有撚糊付け糸、緯糸はナイロン
66の40d/34fを使用した。経糸密度は154本
/吋、緯糸密度は115本/吋で、経糸本数が1022
4本のコンピューターリボン用のタフタ織物を、津田駒
工業(株)製エアージェットルーム商品名ZA205に
て、バックロール上下2本に経糸をS字掛けに通して織
機回転数800rpmで各53500mの織物を製造し
た。
【0034】その際、表5に示すように、溝の斜めの角
度、溝の加工形態を変更して検討した。得られた経糸の
ローリング状態、バックロール上の経糸の片側寄り状
態、織機停台回数、織物品位の結果を表6に示す。
度、溝の加工形態を変更して検討した。得られた経糸の
ローリング状態、バックロール上の経糸の片側寄り状
態、織機停台回数、織物品位の結果を表6に示す。
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】以上、表2、表4、表6に示した評価結果
から明らかなように、本発明の同心円状、長手方向のも
の、螺旋性、点状のエンボス模様のものなどの溝つきバ
ックロールを用いることによって織物製造時の経糸のロ
ーリングや経糸の片側寄りが解消されることにより経糸
切れ、経糸毛羽、経糸開口遅れによる織機停台回数が減
少し、得られた織物品位の向上を達成できることがわか
る。
から明らかなように、本発明の同心円状、長手方向のも
の、螺旋性、点状のエンボス模様のものなどの溝つきバ
ックロールを用いることによって織物製造時の経糸のロ
ーリングや経糸の片側寄りが解消されることにより経糸
切れ、経糸毛羽、経糸開口遅れによる織機停台回数が減
少し、得られた織物品位の向上を達成できることがわか
る。
【0038】
【本発明の効果】本発明のバックロールを使用すること
により、織物製造時の経糸のローリング及び経糸の片側
寄りを解消でき、経糸切れ、経糸毛羽、経糸開口遅れの
織機停台回数が減少し、品位の良好な織物を得ることが
できる。
により、織物製造時の経糸のローリング及び経糸の片側
寄りを解消でき、経糸切れ、経糸毛羽、経糸開口遅れの
織機停台回数が減少し、品位の良好な織物を得ることが
できる。
【図1】本発明の一例である実施例1でバックロールの
一部を模式的に拡大した正面図である。
一部を模式的に拡大した正面図である。
【図2】図1のロールの断面図。
【図3】本発明の一例である実施例4で長手方向に半円
形状の溝があるバックロールの一部を模式的に示した正
面図。
形状の溝があるバックロールの一部を模式的に示した正
面図。
【図4】図3のロールの断面図。
【図5】図3の溝の鋭角部の面取り面を示す拡大断面
図。
図。
【図6】本発明の一例である実施例9の長手方向に斜め
に半円形状の溝があるバックロールの一部を模式的に示
す正面図。
に半円形状の溝があるバックロールの一部を模式的に示
す正面図。
【図7】図6の斜めに加工された溝の角度を示す説明
図。
図。
【図8】従来のバックロールの正面図。
【図9】図8のロールの断面図。
【図10】バックロール上下2本使用の織機の概略図。
【図11】経糸をL字掛けした状態を示す概略の説明
図。
図。
【図12】経糸をS字掛けした状態を示す概略の説明
図。
図。
1 溝つきバックロール 2 溝部 3 溝鋭角部の面とり部 4 斜め溝の角度 5 従来のバックロール 6 経糸 7 経糸ビーム 8 綜絖 9 筬 10 織物 11 クロスビーム 12 経糸送りだし方向 13 織機の織り前側 14 織機の後ろ側
Claims (1)
- 【請求項1】 経糸を織り前側に導く織機のバックロー
ルにおいて、上記バックロールの表面に溝が設けられて
いることを特徴とする織機のバックロール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4022991A JPH05222650A (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | 織機のバックロール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4022991A JPH05222650A (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | 織機のバックロール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05222650A true JPH05222650A (ja) | 1993-08-31 |
Family
ID=12098009
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4022991A Pending JPH05222650A (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | 織機のバックロール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05222650A (ja) |
-
1992
- 1992-02-07 JP JP4022991A patent/JPH05222650A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020521 |