JPH05222498A - 継手強度に優れたAl−Mg−Si系合金溶接品の製造方法 - Google Patents

継手強度に優れたAl−Mg−Si系合金溶接品の製造方法

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JPH05222498A
JPH05222498A JP2827992A JP2827992A JPH05222498A JP H05222498 A JPH05222498 A JP H05222498A JP 2827992 A JP2827992 A JP 2827992A JP 2827992 A JP2827992 A JP 2827992A JP H05222498 A JPH05222498 A JP H05222498A
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JP
Japan
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welding
heat
welded product
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strength
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Pending
Application number
JP2827992A
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English (en)
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Shigetoshi Naruse
茂利 成瀬
Masatoshi Enomoto
正敏 榎本
Eiji Sugio
栄治 杉尾
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Showa Aluminum Can Corp
Original Assignee
Showa Aluminum Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】溶接品全体の再溶体化処理等を行うことなく、
継手強度に優れたAl−Mg−Si系合金溶接品を提供
する。 【構成】溶接に先立ち、Al−Mg−Si系合金材をT
4 調質処理しておく。次に、このT4 材に対して熱影響
部の冷却速度が50℃/分以上となる条件で溶接を行
う。熱影響部は溶接時の高温と急冷により、再溶体化状
態となる。溶接後、溶接品を人工時効処理して母材強度
と共に継手強度を向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、Al−Mg−Si系
合金即ちJIS6000系Al合金溶接品の製造方法に
関し、特に継手強度に優れた溶接品の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術および課題】一般に、Al−Mg−Si系
合金は押出性、強度等に優れていることから、鉄道車
両、船舶、自動車用等の各種部材に広く使用されてい
る。
【0003】しかし、反面、溶接により熱影響部(HA
Z部)が焼なまし材相当の強度に低下して継手強度に劣
るものとなるため、溶接構造材としての適用には自ずと
限界があった。
【0004】このため、軟化した溶接継手部の強度を回
復させるべく、溶接後、溶接品全体を再溶体化処理した
のち、時効処理することも考えられたが、溶接品の形状
が複雑な場合には焼入れ時の歪が問題となるものであっ
た。しかも、再溶体化処理によりコストアップを招く問
題もあった。しかもまた、大型構造物の場合は焼入れ装
置や加熱炉が大型化し、実際上上記のような再溶体化処
理の実施は困難であった。
【0005】この発明は、かかる従来の問題点を解消す
るためになされたものであって、溶接品全体の再溶体化
処理を行わなくても、継手強度に優れた溶接品を得るこ
とのできるAl−Mg−Si系合金溶接品の製造方法を
提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、発明者は種々実験と研究を繰り返した結果、溶接時
の熱影響部の冷却速度を一定以上確保することで、熱影
響部を再溶体化処理相当の状態にでき、従ってその後に
人工時効処理を行えば溶接品全体の再溶体化処理等を要
することなく継手強度を増大し得る点に着目し、この発
明を完成し得たものである。
【0007】即ちこの発明は、Al−Mg−Si系合金
材をT4 調質処理する工程と、該T4 材を熱影響部の冷
却速度が50℃/分以上となる条件で溶接する工程と、
溶接後、溶接品を人工時効処理する工程とを含むことを
特徴とする、継手強度に優れたAl−Mg−Si系合金
溶接品の製造方法を要旨とするものである。
【0008】この発明の対象となるAl−Mg−Si系
合金材はJIS6000系に属するものであり、具体的
にはSi:0.2〜1.8wt%程度、Mg:0.35〜
1.5wt%程度を含有する合金材である。もとよりS
i、Mg以外の成分元素の添加を全く認めないものでは
なく、例えば強度の向上、結晶粒微細化等の目的でF
e:0.1〜1.7wt%、Cu:0.1〜1.1wt%、
Mn:0.05〜1.1wt%、Cr:0.03〜0.4
wt%、Ni:0.05〜0.20wt%、Ti:0.05
〜0.20wt%、B:0.01〜0.15wt%、Zr:
0.05〜0.15wt%程度の1種または2種以上を含
有していても良い。
【0009】溶接に先立って、Al−Mg−Si系合金
母材には常法に従う溶体化処理を施してT4 材としてお
く。これは、熱影響部以外の母材強度を確保するためで
ある。
【0010】ついで、上記母材に溶接を実施する。溶接
は熱影響部の冷却速度が50℃/分以上となる条件で行
わなければならない。このような冷却速度に設定するこ
とで、熱影響部が溶接時の高温加熱を受けた直後に急冷
されることになり、熱影響部に再溶体化処理を行って焼
きを入れたの同等の効果が得られるからである。逆にい
えば、熱影響部の冷却速度が50℃/分未満では十分な
焼きが入らず、再溶体化処理相当の効果を得ることがで
きず、ひいては継手強度に劣るものとなる。特に好まし
くは、熱影響部の冷却速度を120℃/分以上とするの
が良い。熱影響部の冷却速度を増大する方法としては、
例えば溶接速度を速くする等の方法を挙げ得る。また、
溶接条件の設定のみで50℃/分以上の冷却速度が得ら
れない場合は、熱影響部を空冷、水冷等により強制冷却
しても良い。他の条件例えば溶加材などは従来から用い
られているものを用いれば良い。
【0011】次に、溶接工程を終えた溶接品に人工時効
処理を実施する。この人工時効処理は、熱影響部を含む
溶接品全体の組織を安定化して強度の向上を図るために
実施するものである。人工時効処理の条件は特に限定さ
れることはないが、十分な強度を得るために160〜2
00℃×5〜10時間が好ましい。
【0012】
【実施例】JIS6N01アルミニウム合金からなる長
さ500mm×幅180mm×厚さ3mmのT1 、T4
、T5 材をそれぞれ製作した。調質は常法に従い行っ
た。次に、各同種の母材どうし2枚を長手方向において
突合わせ、MIG全自動ロボットにより片面1パス裏波
溶接を行った。溶接条件は、 溶接電流:140A、アーク電圧20V、溶接速度:
30cm/分 溶接電流:160A、アーク電圧20V、溶接速度:
100cm/分 の2種類に設定した。ここに、溶接条件における熱影
響部の冷却速度は30℃/分であり、溶接条件におけ
る冷却速度は120℃/分であった。
【0013】上記突合わせ溶接後、溶接材に180℃×
7時間の人工時効処理を行った。
【0014】そして、人工時効処理を行った場合と行わ
なかった場合とで、継手部の引張強さを測定したとこ
ろ、表1に示すとおりであった。
【0015】
【表1】 上記表1の結果からわかるように、試料No1、2、
5、6、9、10の比較品は溶接入熱が過大で冷却速度
が遅いため、熱影響部に軟化域が生じ、引張強さに劣る
ものであった。また、試料No4、8、12の比較品の
熱影響部は再溶体化効果が得られるが、人工時効処理を
実施していないので強度向上が認められないものであっ
た。また、試料No11の比較品では、T5 材を用いた
他のものに較べ強度向上は認められるものの熱影響部に
過時効域ができ、強度が若干低下したものであった。ま
た、試料No3の比較品は他のT1 材のものに較べ強度
は向上しているものの、引張強さの絶対値が小さいもの
であった。これに対しNo7の本発明実施品では、熱影
響部は再溶体化状態、非熱影響部は溶体化状態を呈し、
人工時効処理によりT5 強度が得られたものであった。
【0016】
【作用】Al−Mg−Si系合金材をT4 処理したの
ち、熱影響部の冷却速度が50℃/分以上の条件で溶接
を行うから、熱影響部が高温加熱と急冷とを受け、再溶
体化処理を受けたのと同じ状態となる。その後、溶接品
を人工時効処理するから、非熱影響部と共に熱影響部が
硬化し強度が増大する。
【0017】
【発明の効果】この発明は上述の次第で、Al−Mg−
Si系合金材をT4 調質処理する工程と、該T4 材を熱
影響部の冷却速度が50℃/分以上となる条件で溶接す
る工程と、溶接後、溶接品を人工時効処理する工程とを
実施するものであるから、溶接により熱影響部を再溶体
化処理したのと同じ状態となしえ、その後の人工時効処
理により熱影響部の強度を向上することができる。もと
より、非熱影響部は溶接前のT4 処理と溶接後の人工時
効処理により高強度を維持したものとなる。
【0018】その結果、継手強度を向上するために従来
実施していた溶接品全体の再溶体化処理等を不要となし
え、溶接品の形状が複雑な場合であっても焼入れ時の歪
みを生じることなく、かつ焼入れのための大型装置を必
要とすることなく、継手強度に優れた溶接品を安価に提
供することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al−Mg−Si系合金材をT4 調質処
    理する工程と、 該T4 材を熱影響部の冷却速度が50℃/分以上となる
    条件で溶接する工程と、 溶接後、溶接品を人工時効処理する工程とを含むことを
    特徴とする、継手強度に優れたAl−Mg−Si系合金
    溶接品の製造方法。
JP2827992A 1992-02-14 1992-02-14 継手強度に優れたAl−Mg−Si系合金溶接品の製造方法 Pending JPH05222498A (ja)

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JPH05222498A true JPH05222498A (ja) 1993-08-31

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JP (1) JPH05222498A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002294381A (ja) * 2001-03-29 2002-10-09 Kobe Steel Ltd 成形用アルミニウム合金溶接継手
JP2007289984A (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 成形性に優れたアルミニウム合金接合材およびその製造方法
NO20171746A1 (en) * 2017-11-02 2019-05-03 Norsk Hydro As Method and apparatus for Post Weld Heat Treatment of aluminium alloy components, and a welded aluminium alloy component treated according to the method

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JP2007289984A (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 成形性に優れたアルミニウム合金接合材およびその製造方法
NO20171746A1 (en) * 2017-11-02 2019-05-03 Norsk Hydro As Method and apparatus for Post Weld Heat Treatment of aluminium alloy components, and a welded aluminium alloy component treated according to the method

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