JPH05222338A - 被覆用組成物 - Google Patents

被覆用組成物

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JPH05222338A
JPH05222338A JP2882992A JP2882992A JPH05222338A JP H05222338 A JPH05222338 A JP H05222338A JP 2882992 A JP2882992 A JP 2882992A JP 2882992 A JP2882992 A JP 2882992A JP H05222338 A JPH05222338 A JP H05222338A
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彰一 野村
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、i) 式 R2 nSi(OR1 4-n (式中、R1 は水素又は低級アルキル基を示し、R2
低級アルキル基、ビニール基、フルオロプロピル基、γ
−グリシドキシプロピル基又はγ−(メタ)アクリロキ
シプロピル基を示し、nは0又は1である。)で表わさ
れるシラノール化合物及びその部分縮合物の少なくとも
一種 100重量部、及び ii) 微粒子状セリヤ 2〜3000重量部 を組成物中に5〜100重量%含有することを特徴とす
る被覆用組成物を提供する。 【効果】本発明の被覆用組成物によれば、優れた紫外線
遮断効果を有し、かつ耐摩耗性、耐汚染性等にも優れた
保護膜を形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被覆用組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術及びその課題】プラスチックス成形品は、
金属、ガラス等に比べて軽量であるために、近年自動
車、航空機、建築物等に多く使われるようになってき
た。しかしながら、プラスチックスは、紫外線に対して
弱く、劣化分解により表面劣化やクラックを生じるとい
う欠点がある。これを防止するためにプラスチックスに
紫外線吸収剤を混入させる方法があるが、紫外線吸収剤
の混入だけでは、時間とともに紫外線吸収効果が低下
し、最後にはプラスチックス基体がおかされるという問
題がある。
【0003】一方、紫外線吸収剤を配合した有機樹脂塗
料組成物をプラスチックス基材の表面に塗布することに
よって保護膜を形成し、該保護膜で紫外線を吸収して熱
エネルギーに変換させる方法があるが、この方法でも上
記と同様に時間とともに紫外線吸収効果が低減していく
という欠点があり、更に有機樹脂塗料による保護膜では
耐摩耗性などの性質は満足のいくものではない。
【0004】また、プラスチックス上に形成する無機コ
ーティング膜として、コロイドシリカとポリシロキサン
からなる耐摩耗性皮膜、コロイドチタニヤとポリシロキ
サンからなる紫外線吸収皮膜等が一般的によく知られて
いるが、前者は紫外線を遮断することができず、室外で
使用すると基材のプラスチックスが太陽の紫外線により
劣化するという欠点があり、後者は紫外線をある程度は
吸収するものの吸収波長に限度があり紫外線を遮断する
効果に於て満足のいくものではない。
【0005】
【課題を解決しようとする手段】本発明者は上記した如
き問題点に鑑みて、紫外線によるプラスチックス等の劣
化を防止することができ、かつ優れた耐摩耗性を付与し
得る保護膜を形成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結
果、特定のシラノール化合物を皮膜形成成分として用
い、これに微粒子状セリヤを配合した被覆用組成物によ
れば、優れた紫外線遮断効果を有し、かつ耐摩耗性、耐
汚染性等にも優れた保護膜を形成できることを見出し、
ここに本発明を完成するに至った。
【0006】即ち本発明は、 i) 式 R2 nSi(OR1 4-n (式中、R1 は水素又は低級アルキル基を示し、R2
低級アルキル基、ビニール基、フルオロプロピル基、γ
−グリシドキシプロピル基又はγ−(メタ)アクリロキ
シプロピル基を示し、nは0又は1である。)で表わさ
れるシラノール化合物及びその部分縮合物の少なくとも
一種 100重量部、及び ii) 微粒子状セリヤ 2〜3000重量部 を組成物中に5〜100重量%含有することを特徴とす
る被覆用組成物を提供するものである。
【0007】本発明の被覆用組成物は、式 R2 nSi
(OR1 4-n(式中、R1 、R2 、及びnは上記に同
じ。)で表わされるシラノール化合物及びその部分縮合
物の少なくとも一種からなるセラミック皮膜形成物質を
皮膜形成成分として含有することが必要である。
【0008】上記一般式において、R1 又はR2 で表わ
される低級アルキル基としては、メチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピル等の炭素数1〜3個のアルキル
基を例示できる。また、フルオロプロピル基としては、
好ましくは3,3,3−トリフルオロプロピル基を例示
できる。
【0009】上記式 R2 nSi(OR1 4-nで表わさ
れるシラノール化合物の具体例としては、下記の化合物
を例示できる。
【0010】
【化1】
【0011】また、上記シラノール化合物の部分縮合物
は、特に限定的ではなく、上記一般式で表わされるシラ
ノール化合物のうちで同一又は異なった種類の化合物の
縮合物を用いることができ、シラノール化合物の組み合
わせ、比率等は自由に変えることができる。縮合度は特
に限定的ではないが、2〜10量体程度が好ましい。縮
合物の具体例としては、下記のものを挙げることができ
【0012】
【化2】
【0013】(R1 及びR2 は上記に同じ、nは1〜5
程度である。)本発明組成物に配合する微粒子状セリヤ
とは、粒径5〜150ミリミクロン程度の酸化セリウム
(SeO2 )であり、微粉末状又はコロイド溶液として
配合することができる。コロイド溶液としては、粒径5
〜150ミリミクロン程度の酸化セリウムを水又は有機
溶媒の単独もしくは混合溶媒に分散したものを用いるこ
とができ、固形分が1〜50重量%程度のものが好まし
い。コロイド溶液の有機溶媒としては、通常、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、イソブタノール等の低級アルコール類、エチ
レングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリ
コールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモ
ノアルキルエーテル、シプロピレングリコールモノアル
キルエーテル等のアルキル基としてメチル、エチル、プ
ロピル、ブチル等を有する炭化水素エーテルアルコール
類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテ
ート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセ
テート、ジプロピレングルコールモノアルキルエーテル
アセテート等の上記炭化水素エーテルアルコール類の酢
酸エステル類、エトキシエチルアセテート等のアルコー
ル類の酢酸エステル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
プロピル、酢酸ブチルの酢酸エステル類、アセトン、キ
シレン、ベンゼン、ノルマルヘキサン等が用いられる。
【0014】本発明の組成物は、上記したシラノール化
合物及びその部分縮合物の少なくとも一種からなるセラ
ミック皮膜形成物質と、微粒子状セリヤとを組み合わせ
て用いるものであり、シラノール化合物又はその部分縮
合物の重合、ゲル化によって形成される皮膜は、耐熱
性、耐摩耗性、耐水性、非汚染性等に優れたセラミック
皮膜となり、また、配合された微粒子状セリヤが190
〜380nm程度という幅広い範囲の紫外線を十分に吸
収することから、基材まで紫外線が到達せず、基材を劣
化させることがない。また、吸収された紫外線は熱変換
されるが、皮膜が主として、シリカ及びセリヤからなる
セラミック皮膜であるために、熱による劣化をほとんど
受けることがない。
【0015】本発明の被覆用組成物は、上記したセラミ
ック皮膜形成物質と微粒子状セリヤを水、有機溶媒、又
はこれらの混合溶媒等に溶解又は分散させることによっ
て得ることができるが、セラミックス皮膜形成物質自体
で液状のものは溶媒を用いることなく、これに微粒子状
セリヤを溶解又は分散させてもよい。有機溶剤として
は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、ブタノール、イソブタノール等の低級アルコ
ール類、エチレングリコールモノアルキルエーテル、ジ
エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレン
グリコールモノアルキルエーテル、シプロピレングリコ
ールモノアルキルエーテル等のアルキル基としてメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル等を有する炭化水素エー
テルアルコール類、エチレングリコールモノアルキルエ
ーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキ
ルエーテルアセテート、ジプロピレングルコールモノア
ルキルエーテルアセテート等の上記炭化水素エーテルア
ルコール類の酢酸エステル類、エトキシエチルアセテー
ト等のアルコール類の酢酸エステル類、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルの酢酸エステル
類、アセトン、キシレン、ベンゼン、ノルマルヘキサン
等を用いることができる。
【0016】本発明の組成物では、セラミック皮膜形成
物質と微粒子状セリヤの配合割合は、セラミック皮膜形
成物質100重量部に対して、微粒子状セリヤを2〜3
000重量部程度、好ましくは20〜500重量部程度
とすればよい。
【0017】また、本発明組成物では、セラミック皮膜
形成物質と微粒子状セリヤの合計量は、組成物中5重量
%程度以上あることが好ましく、10〜50重量%程度
がより好ましい。
【0018】本発明では、必要に応じて、上記被覆用組
成物に顔料、充填剤、被覆補強剤、金属粉、コロイド状
物質等を配合することができる。
【0019】顔料又は充填剤としては無機系及び有機系
のものをいずれも用いることができ、例えば酸化マグネ
シウム、窒化硅素、窒化チタン、酸化ニッケル、石英、
シリカ、硅酸ジルコニウム、アルミナ、酸化チタン、チ
タンイエロー、炭酸マグネシウム、ドロマイト、炭化硅
素、炭化タングステン、酸化鉄(赤,黒)、バリウムイ
エロー、アンチモンイエロー、コバルトブルー、コバル
トバイオレット、コバルトグリーン、マンガンブラッ
ク、マンガンブルー、マンガンピンク、マンガンバイオ
レット、ストロンチュムクロメート、タルク、クロムオ
キサイドハイドレートグリーン、クロムオキサイドグリ
ーン、亜鉛グリーン、炭酸バリウム、チョーク、沈殿炭
酸カルシウム、アルミニウムハイドレート、酸化亜鉛、
ホタル石、モリブテン赤、モリブデンオレンジ、クロム
イエロー、鉛クロメート、ウルトラマリーン、朱、塩基
性炭酸鉛、アゾ系顔料等を用いることができる。顔料及
び/又は充填剤を配合することにより、皮膜厚を増大さ
せることが可能となり、また、顔料を添加することによ
って、美観を向上させることができる。顔料及び/又は
充填剤を配合した皮膜は、室外で使用しても20〜30
年間は変色せず、表面硬度が高く傷付き難く、また非汚
染性であるため汚れにくく、汚れてもすぐに元の状態に
もどすことができる。また、遠赤外線放射性能を有する
顔料を配合することによって、形成される皮膜に更に遠
赤外線放射性を付与できる。また、充填剤として、二硫
化モリブデン、カーボングラファイト、フッ素樹脂、ボ
ロンナイトライド等を配合することにより、潤滑性の皮
膜を形成でき、また、耐摩耗性セラミックスを用いるこ
とにより耐摩耗性皮膜を形成できる。上記顔料及び充填
剤は常法に基づき分散剤、増粘剤等とともに配合するこ
とができる。分散剤、増粘剤等としては公知のものを用
いればよい。
【0020】被覆補強剤は無機質で繊維状のものをい
い、この代表例として、チタン酸カリウム、炭化硅素、
石英、硅酸塩ガラス、アルミナ、ベリリア、炭化硼素な
どの繊維がある。被覆補強剤を添加することによって、
皮膜がより強靭になる。又金属粉としては銀、銅、白
金、バナジュウム、パラジウム、アルミニウム、ニッケ
ル、真鍮等を用いることができる。金属粉を配合するこ
とによって、皮膜に導電性を付与することができ、また
金属の種類によっては、消臭用等の触媒としての機能も
発揮することができる。金属粉は、セラミックス上に金
属を担持した金属担持セラミックス粉として用いてもよ
い。コロイド状物質としては、コロイド状シリカ、コロ
イド状アルミナ、コロイド状チタン、コロイド状硅酸ジ
ルコン、コロイド状酸化ジルコニウム、コロイド状水酸
化アルミニウム等を挙げることができ、コロイド状物質
を添加することによって、形成されるセラミック層が緻
密化される。
【0021】顔料及び/又は充填剤の配合量は、組成物
中に70重量%程度まで、好ましくは3〜40重量%程
度とすることができる。被覆補強剤の配合量は、組成物
中に70重量%程度まで、好ましくは1〜20重量%程
度とすることができる。金属粉及び/又は金属担持セラ
ミックス粉の配合量は、組成物中に金属粉として50重
量%程度まで、好ましくは3〜30重量%程度とするこ
とができる。コロイド状物質の配合量は、組成物中に7
0重量%程度まで、好ましくは3〜40重量%程度とす
ることができる。
【0022】また、本発明では、形成されるセラミック
ス皮膜に柔軟性を附与したい場合や厚塗りを可能にした
い場合等には、上記組成物中に、樹脂変性シリコーンレ
ジンを配合することが出来る。シリコーンレジンは、セ
ラミックス皮膜の柔軟性を向上させることができ、また
樹脂変性したものを用いることによって、プラスチック
ス素材との良好な密着性が保たれる。樹脂変性の種類と
しては例えば、エポキシ変性、ポリエステル変性、アル
キッド変性、フェノール変性、アクリル変性などが挙げ
られ、樹脂変性シリコーンレジンとしては、本発明の被
覆用組成物に可溶性のものであれば限定なく用いること
ができる。樹脂変性シリコーンレジンの配合量は該組成
物中に70重量%以下好ましくは5〜50重量%程度と
すればよい。
【0023】又本発明組成物にはフッ素樹脂、シリコー
ン樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、アクリル樹
脂、ポリエチレン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹
脂、ポリフェニルエーテル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ
イミド樹脂等の粉末状樹脂を添加できる。粉末状樹脂の
添加によって、柔軟性、衝撃吸収性等の性質を付与でき
る。粉末状樹脂は充填剤と同様に粉末状で混合できるも
のであればよく、粒径は0.1μm〜50μm程度が好
ましい。配合量は被覆用組成物中に50重量パーセント
以下、好ましくは5〜40重量パーセント程度にすれば
よい。
【0024】また、上記組成物には、更に室温では該組
成物をゲル化させることがなく、加熱によって解離し
て、該組成物の重合を加速することができる緩衝化潜触
媒として、カルボン酸金属塩、アミンカルボキシレー
ト、四級アンモニウムカルボキシレート、硝酸塩等を該
組成物中に1.5重量パーセント程度まで添加すること
ができる。このような緩衝化潜触媒としては、ジメチル
アミンアセテート、、エタノールアミンアセテート、ジ
メチルアニリンホルメート、酢酸ナトリウム、プロピオ
ン酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸ナトリウム、ベン
ジルトリメチルアンモニウムアセテート、硝酸ナトリウ
ム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等が例示され
る。
【0025】本発明組成物は急速なゲル化を防止するた
めに、pH2.5〜6.0程度に調整することが好まし
い。pH調整には、例えば塩酸、酢酸、クロロ酢酸、ク
エン酸、マレイン酸、シュウ酸、トルエンスルホン酸、
グルタル酸、ジメチルマロン酸、安息香酸、過酸化水素
等の有機酸や無機酸を用いることができる。
【0026】本発明では、上記した被覆用組成物を基材
上にスプレー法、ロールコート法、ディップ法、カーテ
ンフロー法、印刷法等によって塗布し、重合ゲル化させ
ることによってセラミックス質の被覆層を形成すること
ができる。基材の種類としては、特に限定はなく、プラ
スチックス、有機塗膜、ガラス、紙、繊維、木材等の有
機質基材の他に、金属、セラミックス等も基材とするこ
とができる。
【0027】本発明組成物の重合ゲル化は常温でも進行
するが加熱することによってゲル化時間が短縮され、ま
た、重合密度が上がって、セラミックス皮膜がより緻密
化される。加熱温度を高温にすればするほどセラミック
ス層をより緻密化することが出来るが、通常、50℃〜
200℃程度で10〜30分間程度加熱することが適当
である。尚、セラミックス皮膜に於けるピンホールの発
生を完全に防止するために、本発明の被覆用組成物の塗
布乾燥後又は加熱硬化後に、更に、同一又は異なる種類
の被覆用組成物を一層又は二層以上重ね塗りし、硬化さ
せて二層以上のセラミックス皮膜を形成されることが好
ましい。
【0028】本発明の組成物により形成される皮膜の厚
さは、基材の種類、皮膜の用途等に応じて適宜変更すれ
ば良いが、通常、合計厚さで3〜150μm程度とすれ
ばよい。
【0029】
【発明の効果】本発明の被覆用組成物から形成される皮
膜は、基本的に透明なセラミックス皮膜であり、セリヤ
が190μm〜380μm程度の幅広い波長の紫外線を
吸収するために、基材面に紫外線が到着せず、基材の劣
化を防止できる。特にプラスチックス、有機塗料、紙、
木材、繊維等の有機質素材の表面に塗布することによ
り、有機質素材の紫外線による劣化を防止し、褐色防
止、クラック、剥離、白化等の発生を防ぐことができ
る。また、該皮膜は、耐熱性、耐水性、非汚染性にも優
れ、耐傷付性、耐摩耗性等を向上させることかできる。
プラスチックスに該皮膜を形成した場合には、表面硬
度、耐摩耗性等を向上させることができ、ガラスの代替
としての使用が可能となる。
【0030】本発明の組成物は、保存時に重合ゲル化が
進行しがたく、保存安定性が良好である。
【0031】また、該組成物から形成される皮膜は、非
汚染性を有しているために、有機塗膜やプラスチックス
上に形成することにより、室外で使用した際の汚れの付
着防止ができ、汚染防止コーティングとして有効とな
る。
【0032】また、金属の表面にコーティングすること
により、防食性、耐摩耗性、耐傷付性等を向上させるこ
とができる。ガラスにコーティングすることにより、紫
外線の透過を防止して、紫外線非透過性の窓ガラスとし
て使用できる。
【0033】更に、本発明の組成物に顔料、充填剤等の
各種の配合剤を添加することによって、配合剤の種類に
応じた性質、例えば、遠赤外線放射性、美感性、消臭
性、導電性、ガス分解性、抗菌性などを更に付与するこ
とができる。
【0034】上記したように本発明の被覆用組成物は、
防食性、耐熱性、耐候性、耐紫外線性、耐摩耗性、断熱
性、絶縁性、光学性、耐汚染性、耐傷付性、耐溶剤、耐
薬品性等の優れた性質を有するものであり、車両(自動
車、自転車、バイク、飛行機、列車)、船舶、電器、土
木建築、宇宙関連、ガス、石油、電力、ガラス、メガ
ネ、タンク、プラント関連、通信関連等各種の分野に使
用して、従来にない性能を有する新しい商品を提供でき
る。
【0035】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明する。
【0036】実施例1 粒径約20mμのセリヤを水に分散させたコロイドセリ
ヤ(濃度20重量%)35gに酢酸0.3gとイソプロ
ピルアルコール28gを添加し溶解させ、これにメチル
トリメトキシシラン12.5gを加え撹拌混合して、7
5.8gの透明の水系の液状組成物を得た。
【0037】上記組成物を下記表1に示す基材の表面に
塗布し、80℃〜200℃で5分〜20分間加熱して
0.5〜7μm厚のクリヤーな被膜を形成した。
【0038】
【表1】
【0039】得られた試料についての物性試験の結果を
下記表2に示す。
【0040】物性評価基準 (1) 耐候性:QUV試験3000時間 (2) 耐候性:サンシャインウエザノメーター300
0時間 (3) 耐塩水噴霧性:JIS−Z−2371塩水噴霧
試験3000時間 (4) 耐水性:25℃水道水浸漬240時間 (5) 耐ガソリン性:25℃ガソリン浸漬240時間 (6) 密着性:JIS−K−5400塗膜の密着性試
験 (7) 硬度:鉛筆硬度 (8) 耐汚染性:泥汚れに対する水洗除去試験 (9) 耐汚染性:マジックインキに対するシンナー洗
い除去試験 (10) 耐薬品性:5%H2 SO4 スポット滴下24
時間 (11) 耐薬品性:3%NaOH スポット滴下24時
間 (12) 耐熱性:基材が変化を起す温度測定。
【0041】(13) 耐傷付性:スチールウール(#0
000)にて荷重100g/cm2 で10回ラビング (14) 耐沸騰水性:沸騰水浸漬24時間 評価結果基準 (1) 基材及び塗膜に変化なし。 〇 (2) 基材変化なしで塗膜にわずか異常あり △ (3) 塗膜に変化なしで基材にわずか異常あり △ (4) 基材又は塗膜の異常大 × 評価結果
【0042】
【表2】
【0043】以上の結果から判るように、本発明の被覆
用組成物によって形成される透明皮膜は、優れた耐候
性、耐薬品性等を有し、また撥水性、耐摩耗性等に優
れ、金属の防錆、樹脂の耐水性向上、紙、木材、セメン
ト板、瓦、陶器等の撥水性向上等の効果を発揮できる。
【0044】上記した本発明の被覆用組成物を用いて、
自動車の上塗り塗膜上及び自動車窓ガラス(プラスチッ
クスとガラス)上に皮膜を形成して実車テストを行なっ
た。その結果、皮膜の変色、傷付き等がほとんどないた
めに、ワックス等は全く必要なく、また、汚れの付着は
少なく、水洗いだけで簡単に除去出来た。また、窓ガラ
スへのコーティングにより紫外線による内装品の変色が
防止でき、強い紫外線による目等への刺激が少なく長時
間の運転が楽であった。
【0045】実施例2 イソプロピルアルコール40g及びプロピレングリコー
ルモノエチルエーテル40gの混合溶媒に粒径20mμ
のセリヤ20gを分散させたコロイドセリヤに、テトラ
メトキシランの50%縮合物40gを混合し、水5g及
び酢酸0.5gを加えて、60℃で1時間加熱して、セ
リヤゾルと部分的に反応を進め、安定した一液の透明な
液状組成物(組成物A)を作った。
【0046】イソプロピルアルコール40g及びプロピ
レングリコールモノエチルエーテル40gの混合溶媒に
粒径20mμのセリヤ20gを分散させたコロイドセリ
ヤに、メチルトリメトキシシランの部分縮合物の20%
イソプロピルアルコール液を混合し、水5g及び酢酸
0.5gを加えて、60℃で1時間加熱して安定した一
液の透明な非水系液状組成物(組成物B)を作った。
【0047】イソプロピルアルコール40g及びプロピ
レングリコールモノエチルエーテル40gの混合溶媒に
粒径20mμのセリヤ20gを分散させたコロイドセリ
ヤに、メチルトリメトキシシランとテトラメトキシシラ
ンの部分縮合物の20%イソプロピルアルコール液を混
合し、水5g及び酢酸0.5g加えて、60℃で1時間
加熱して安定した一液の透明な非水系液状組成物(組成
物C)を作った。
【0048】以上の組成物A、B及びCのそれぞれを実
施例1に示した基材の表面に0.5〜7μm厚で塗布
し、80℃〜200℃で5〜20分間加熱して、透明な
被膜を形成した。基材として硬質塩化ビニル板、スチロ
ール板、アクリル板、紙又は木材を用いる場合には、低
温で加熱する必要があるため、組成物中に緩衝化潜触媒
としてエタノールアミンアセテート1gを添加した。得
られた各試料について、実施例1と同様にして、物性評
価試験を実施した。いずれも良好な結果であり、紫外線
劣化防止、耐摩耗性向上、傷付防止、非汚染性、耐熱
性、耐溶剤性、耐薬品性等に優れていることが判った。
【0049】実施例3 粒径約20mμのセリヤを水に分散させたコロイドセリ
ヤ(濃度20重量%)35gに酢酸0.3gとイソプロ
ピルアルコール28gを添加して溶解し、これに充填剤
として珪酸ジルコン15g、顔料としてコバルトグリー
ン5g、被覆補強剤としてチタン酸カリウム3gを加え
て混合撹拌し、更にメチルトリメトキシシラン30gを
添加して、ライトグリーンの液状組成物(組成物D)を
調製した。
【0050】上記した水を分散媒とするコロイドセリヤ
35gに酢酸0.3gとイソプロピルアルコール28g
を添加して溶解し、これに酸化マンガン10g、酸化鉄
15g及びチタン酸カリウム3gを加えて混合撹拌し、
更にメチルトリメトキシシラン30gを添加して黒色の
液状組成物(組成物E)を調製した。
【0051】実施例2で得られた組成物A70gに酸化
チタン10g、チタンイエロー5g、シリカ10g及び
チタン酸カリウム3gを添加して十分に混合し、液状組
成物(組成物F)を調製した。
【0052】実施例2で得られた組成物B70gにボロ
ンナイトライト5g、シリカ10g、タルク10g、チ
タン酸カリウム3g及びトリエタノールアミンアセテー
ト1gを加えて十分に混合して液状組成物(組成物G)
を調製した。
【0053】実施例2で得られた組成物C70gにマン
ガンピンク10g、珪酸ジルコン10g及びシリカ5g
を添加して十分に撹拌混合し、液状組成物(組成物H)
を調製した。
【0054】以上の組成物D〜Hのそれぞれを実施例1
に示した基材の表面に0.5μm〜100μmの厚さと
なるように塗布し、80℃〜200℃で5〜20分間加
熱して、顔料、充填剤等を含有した不透明のセラミック
ス層を形成した。得られた皮膜は、美感性に優れ、また
有紫外線を吸収することから、有機顔料を配合した場合
であっても劣化されることが少なく、無機顔料を配合し
た場合と同様に長期間変色がなかった。また、顔料、充
填剤等を含有するので比較的厚膜コーティングが可能で
あった。耐熱性の高い基材(300℃〜1000℃)を
用いた場合には、高温での基材の酸化劣化の防止等の基
材の保護を行なうことができた。遠赤外線放射顔料を使
用すれば遠赤外線放射コーティングとして優れた遠赤外
線放射性を示すことができた。充填剤としてボロンナイ
トライトを配合した組成物Gから形成される皮膜は、低
温から高温まで非常にすぐれた耐摩耗性と潤滑性を有
し、摩擦係数は0.164であった。また、表面硬度は
エンピツ硬度で9Hであり、樹脂等に比較して非常に硬
く、更に該皮膜は汚れ難いことを特徴としており、水洗
等ですぐに元の状態に復元でき染み等が残らなかった。
【0055】実施例4 実施例3の塗膜に実施例2の塗膜を重ね塗りを行なっ
た。この皮膜は有色有光沢であり、皮膜性能は実施例2
と実施例3の両方の特長を兼ねそなえていた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】i) 式 R2 nSi(OR1 4-n (式中、R1 は水素又は低級アルキル基を示し、R2
    低級アルキル基、ビニール基、フルオロプロピル基、γ
    −グリシドキシプロピル基又はγ−(メタ)アクリロキ
    シプロピル基を示し、nは0又は1である。)で表わさ
    れるシラノール化合物及びその部分縮合物の少なくとも
    一種 100重量部、及び ii) 微粒子状セリヤ 2〜3000重量部 を組成物中に5〜100重量%含有することを特徴とす
    る被覆用組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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TWI640653B (zh) * 2018-01-18 2018-11-11 國立高雄大學 含奈米二氧化鈦顆粒螯合苯胺的金屬防腐蝕溶液及其製備方法

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