JPH05221940A - サリチロイル−カルニチンおよびその製造方法 - Google Patents
サリチロイル−カルニチンおよびその製造方法Info
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- JPH05221940A JPH05221940A JP2409592A JP2409592A JPH05221940A JP H05221940 A JPH05221940 A JP H05221940A JP 2409592 A JP2409592 A JP 2409592A JP 2409592 A JP2409592 A JP 2409592A JP H05221940 A JPH05221940 A JP H05221940A
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- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
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Abstract
−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−4−(トリメチルア
ンモニオ)−酪酸ベタイン)を開示する。この化合物は
カルニチン塩酸塩および塩化o−メトキシベンゾイルか
ら3段階で製造できる。 【効果】 この化合物は鎮痛作用があり、アセチルサリ
チル酸と比較して、水溶性が高く、毒性が低く、胃に対
する適合性がよいのが特徴である。
Description
−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−4−(トリメチルア
ンモニオ)−酪酸ベタイン、その医薬品として使用でき
る塩、ならびにその製造方法に関する。 3−(2−ヒ
ドロキシベンゾイルオキシ)−4−(トリメチルアンモ
ニオ)−酪酸ベタインは、サリチル酸とカルニチンとの
エステル(サリチロイル−カルニチン)として、有望な
治療特性を備えたサリチル酸誘導体である。
で、鎮痛剤として大量に使用されている。 このアセチ
ル誘導体(とりわけアスピリンとして知られている)は
本来、すでに以前から知られていたサリチル酸の有害な
副作用を少なくするために開発されたものであるが、そ
れでもそのいくつかの特性のために応用可能性が制限さ
れている。 これらの不利な特性としては、とりわけ、
その水に対する溶解度が、とくに酸性環境において、た
とえば胃液中で低いことである。 溶解度が低いため
に、水溶液を経口投与した場合に有効成分が胃の中で沈
殿することがある。この作用は、胃粘膜が敏感な、また
はすでに損傷している人には重大な副作用が起きること
があるので好ましくないばかりか、ごく一般的に吸収が
遅くなるので、それによって鎮痛効果が現われるのが遅
くなる。 その上、アセチルサリチル酸は実用上、経口
投与のみで、腸管外、たとえば静脈内または腹腔内、あ
るいは局所投与できない。 しかし、効果の現われるの
が速いこと、および(または)胃腸管保護のために、腸
管外投与が望ましい場合が多い。
によく溶解し、容易に吸収され、毒性ができるだけ低
く、経腸でも腸管外または局所的にも投与することがで
き、すべての服用形態で鎮痛効果を迅速に発揮するサリ
チル酸誘導体を提供することである。
記載の3−(2−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−4−
(トリメチルアンモニオ)−酪酸ベタインにより達成さ
れる。この化合物は不整炭素原子を有し、したがって2
個の鏡像的光学活性形として、またラセミ混合物として
存在し得る。 その際、天然のL−カルニチンから派生
する、(R)−配置をとるエナンチオマーが好ましい。
うな有利な物理的−化学的特性は、たしかに(S)−エ
ナンチオマーおよびラセミ化合物でも達成される。 し
かし、L−カルニチンは脂肪物質交代におけるアシル基
輸送体として知られている。L−カルニチンは親和性の
高い輸送機構により体のほとんどの器官に活発に受け入
れられ、アンチポート輸送体により細胞状小器官(ミト
コンドリア、等)に受け入れられる。 サリチロイル−
L−カルニチンもまたこれらの輸送機構により細胞およ
び小器官に達し、それによって効果の発生がさらに加速
されると考えられる。
自の酵素により容易に分解されるので、サリチル酸エス
テル基が迅速に遊離することも考慮すべきである。
イル−L−カルニチンの急性毒性は著しく低いことがわ
かっている。 1000mg/Kg体重までの量を一挙
に経口投与することができ、治療に必要な量の静脈内お
よび腹腔内投与でも、有害な副作用は観察されていな
い。
チンの鎮痛効果を、ラットに対する腹腔内および静脈内
投与により、アスピリンと比較した。
チンはアセチルサリチル酸に対して1.5時間遅延する
効果を示し、腹腔内および静脈内投与では10〜15分
後にはすでに現われる、明らかな鎮痛効果を示してい
る。
に使用できる酸との塩を形成し、この化合物をこの形で
使用することも本発明の範囲内に入る。
り、カルニチン−ハロゲン化水素酸塩、好ましくは塩酸
塩を、まずハロゲン化2−メトキシベンゾイル(ハロゲ
ン化o−アニソイル)、好ましくは酸クロライドと、相
当する3−(2−メトキシベンゾイルオキシ)−4−
(トリメチルアンモニオ)酪酸ベタイン−ハロゲン化水
素酸塩(o−アニソイルカルニチン−ハロゲン化水素酸
塩)にエステル化することにより製造する。
活性な、極性のプロトン性溶剤を使用する。 これに
は、酢酸またはギ酸のような低級カルボン酸を使用する
のが有利であり、トリクロロ酢酸がとくに好ましい。
この溶剤中では、反応温度は50〜90℃、反応時間は
1〜4時間が好ましい。
理することにより、メトキシ基をヒドロキシ基に変換す
ることができる。 この臭化水素による変換は、20〜
80℃で行なうのが有利である。 その際、過剰量の臭
化水素を使用することにより、目的の化合物が臭化水素
酸塩の形で得られ、それを結晶の形で分離することがで
きる。
水素酸塩を塩基で遊離ベタインに変換するのが有利であ
る。 これは、溶解性の理由から、弱塩基性アニオン交
換樹脂で処理することにより行なうのが有利である。
原理的には同様に可能である溶解塩基を使用する場合
は、主としてベタインと類似の溶解性を示す塩が生じ、
したがって容易に分離できなくなるであろう。 官能基
として第一、第二または第三アミノ基を有する弱塩基性
アニオン交換樹脂には、生成物のエステル基を加水分解
することも、生成物を弱酸性のフェノール基を介して結
合することもない、という利点がある。
にラセミ体ならびに光学活性サリチロイル−カルニチン
の製造にも好適である。
できる酸を加えることにより、相当する塩に変換するこ
ともまた、本発明に従う方法の範囲内に入る。
法の実施を説明する。
ゾイルオキシ)−4−(トリメチルアンモニオ)−酪酸
ベタイン−塩酸塩(o−アニソイル−L−カルニチン−
塩酸塩) 152.0gのトリクロロ酢酸に、80℃
で、61.8gのL−カルニチン−塩酸塩を溶解した。
80℃で、30分間以内に80.0gの塩化2−メト
キシベンゾイルを滴下して加えた。 この反応混合物を
同じ温度でさらに90分間撹拌し、30℃に冷却し、撹
拌しながら500mlのジエチルエーテルおよび200
mlの酢酸エチルを加えた。 この混合物を30分間還
流加熱したが、その際、生成物が結晶化した。 この粗
製物を濾別し、乾燥し(粗製物の収量は112.6
g)、続いて200mlのイソプロパノール中に80℃
で分散させ、濾過し、濾過器上で各50mlのイソプロ
パノールで洗浄した。
晶 融点: 186〜190℃ 〔α〕D 20=−28.8゜(c=1、水)1 H−NMR(DMSO−d6,300MHz) δ 7.02〜7.75(m,4H) 5.67〜5.75(m,1H) 3.78〜4.02(m,2H) 3.84(s,3H) 3.22(s,9H) 2.80〜2.90(m,2H)
ンゾイルオキシ)−4−(トリメチルアンモニオ)−酪
酸ベタイン−臭化水素酸塩(サリチロイル−L−カルニ
チン臭化水素酸塩)200mlの30%臭化水素の氷酢
酸溶液に、24.0gのo−アニソイル−L−カルニチ
ン−塩酸塩(実施例1で調製)を溶解し、60℃で、6
時間撹拌した。 続いてこの反応混合物を真空中で蒸発
させ、残留物を200mlのジエチルエーテル中に分散
させ、濾過した。 結晶性の粗製物を各110mlの熱
イソプロパノールから2回再結晶させた。
晶 融点: 173〜175℃ 〔α〕D 20=−27.2゜(c=1、水)
ンゾイルオキシ)−4−(トリメチルアンモニオ)−酪
酸ベタイン(サリチロイル−L−カルニチン)130m
lの水に、13.0gのサリチロイル−L−カルニチン
臭化水素酸塩(実施例2で調製)を溶解した。 この溶
液を、58gの弱塩基性アニオン交換樹脂(「アンバー
ライト」 IRA−93)を充填したカラムで濾過し、
真空中で濃縮した。 60mlのアセトンを加えて生成
物を沈殿させた。 結晶性生成物を濾別し、40℃で乾
燥させた。
−,Cl − 実測値 C 59.8,H 6.8,N 5.0,Br
<0.1,Cl<0.1ラットにおける胃に対する適合性(潰瘍インデックス) (R)−(−)−3−(2−ヒドロキシベンゾイルオキ
シ)−4−(トリメチルアンモニオ)−酪酸ベタイン・
HCl(サリチロイル−L−カルニチン・HCl=S
C)をアセチルサリチル酸(ASA)との比較で、雄の
ラットに対して、オカベら、Japan.J.Phar
macol.1974,24,363頁以降、の方法に
より、胃粘膜変化を誘発させて試験した。 供試物質は
1%カルボキシメチルセルロース分散液(1%CMC)
で試験ラットに経口投与した。 胃粘膜変化は、Cha
umontetら、Arzneimittelfors
chung(アルツナイミッテルフォーシュンク) 1
978,28,2047〜2178に記載されている潰
瘍インデックスにより測定した。 その結果を表1に示
す。
−,Cl − 実測値 C 59.8,H 6.8,N 5.0,Br
<0.1,Cl<0.1ラットにおける胃に対する適合性(潰瘍インデックス) (R)−(−)−3−(2−ヒドロキシベンゾイルオキ
シ)−4−(トリメチルアンモニオ)−酪酸ベタイン
(サリチロイル−L−カルニチン=SC)をアセチルサ
リチル酸(ASA)との比較で、雄のラットに対して、
オカベら、Japan.J.Pharmacol.19
74,24,363頁以降、の方法により、胃粘膜変化
を誘発させて試験した。 供試物質は1%カルボキシメ
チルセルロース分散液(1%CMC)で試験ラットに経
口投与した。 胃粘膜変化は、Chaumontet
ら、Arzneimittelforschung(ア
ルツナイミッテルフォーシュンク) 1978,28,
2047〜2178に記載されている潰瘍インデックス
により測定した。 その結果を表1に示す。
−,Cl − 実測値 C 59.8,H 6.8,N 5.0,Br
<0.1,Cl<0.1ラットにおける胃に対する適合性(潰瘍インデックス) (R)−(−)−3−(2−ヒドロキシベンゾイルオキ
シ)−4−(トリメチルアンモニオ)−酪酸ベタイン
(サリチロイル−L−カルニチン=SC)をアセチルサ
リチル酸(ASA)との比較で、雄のラットに対して、
オカベら、Japan.J.Pharmacol.19
74,24,363頁以降、の方法により、胃粘膜変化
を誘発させて試験した。 供試物質は1%カルボキシメ
チルセルロース分散液(1%CMC)で試験ラットに経
口投与した。 胃粘膜変化は、M.Chaumonte
tら、Arzneimittelforschung
(アルツナイミッテルフォーシュンク) 1978,2
8(II),11号,2119〜2121に記載されて
いる潰瘍インデックスにより測定した。 その結果を表
1に示す。
Claims (17)
- 【請求項1】 3−(2−ヒドロキシベンゾイルオキ
シ)−4−(トリメチルアンモニオ)−酪酸ベタイン 【化1】 およびその医薬品として使用できる塩。 - 【請求項2】 請求項1の化合物としての、(R)−
(−)−3−(2−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−4
−(トリメチルアンモニオ)−酪酸ベタイン 【化2】 およびその医薬品として使用できる塩。 - 【請求項3】 請求項1の化合物としての、(S)−
(+)−3−(2−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−4
−(トリメチルアンモニオ)−酪酸ベタイン 【化3】 およびその医薬品として使用できる塩。 - 【請求項4】 3−(2−ヒドロキシベンゾイルオキ
シ)−4−(トリメチルアンモニオ)−酪酸ベタインお
よびその塩の治療用有効成分としての使用。 - 【請求項5】 (R)−(−)−3−(2−ヒドロキシ
ベンゾイルオキシ)−4−(トリメチルアンモニオ)−
酪酸ベタインおよびその塩の治療用有効成分としての使
用。 - 【請求項6】 (S)−(+)−3−(2−ヒドロキシ
ベンゾイルオキシ)−4−(トリメチルアンモニオ)−
酪酸ベタインおよびその塩の治療用有効成分としての使
用。 - 【請求項7】 3−(2−ヒドロキシベンゾイルオキ
シ)−4−(トリメチルアンモニオ)−酪酸ベタインお
よびその塩の、胃粘膜を痛めない鎮痛剤としての使用。 - 【請求項8】 (R)−(−)−3−(2−ヒドロキシ
ベンゾイルオキシ)−4−(トリメチルアンモニオ)−
酪酸ベタインおよびその塩の、胃粘膜を痛めない鎮痛剤
としての使用。 - 【請求項9】 (S)−(+)−3−(2−ヒドロキシ
ベンゾイルオキシ)−4−(トリメチルアンモニオ)−
酪酸ベタインおよびその塩の、胃粘膜を痛めない鎮痛剤
としての使用。 - 【請求項10】 3−(2−メトキシベンゾイルオキ
シ)−4−(トリメチルアンモニオ)−酪酸ベタインお
よびその塩。 - 【請求項11】 (R)−(−)−3−(2−メトキシ
ベンゾイルオキシ)−4−(トリメチルアンモニオ)−
酪酸ベタインおよびその塩。 - 【請求項12】 (S)−(+)−3−(2−メトキシ
ベンゾイルオキシ)−4−(トリメチルアンモニオ)−
酪酸ベタインおよびその塩。 - 【請求項13】 3−(2−ヒドロキシベンゾイルオキ
シ)−4−(トリメチルアンモニオ)−酪酸ベタインの
製造方法において、3−ヒドロキシ−4−(トリメチル
アンモニオ)−酪酸ベタイン−ハロゲン化水素酸塩を、
第一工程でハロゲン化2−メトキシベンゾイルにより3
−(2−メトキシベンゾイルオキシ)−4−(トリメチ
ルアンモニオ)酪酸ベタイン−ハロゲン化水素酸塩にエ
ステル化し、これを氷酢酸中で臭化水素により3−(2
−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−4−(トリメチルア
ンモニオ)酪酸ベタイン−臭化水素酸塩に脱メチル化
し、塩基によりベタインに脱プロトン化することを特徴
とする方法。 - 【請求項14】 3−ヒドロキシ−4−(トリメチルア
ンモニオ)酪酸ベタイン−ハロゲン化水素酸塩として、
塩酸塩を使用することを特徴とする請求項13の方法。 - 【請求項15】 ハロゲン化2−メトキシベンゾイルと
して酸クロライドを使用することを特徴とする請求項1
3または14の方法。 - 【請求項16】 塩基として弱塩基性アニオン交換体を
使用することを特徴とする請求項13〜15のいずれか
の方法。 - 【請求項17】 原料として(R)−2−ヒドロキシ−
4−(トリメチルアンモニオ)−酪酸ベタイン−ハロゲ
ン化水素酸塩(L−カルニチン−ハロゲン化水素酸塩)
を使用することを特徴とする請求項13〜16のいずれ
かの方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02409592A JP3186166B2 (ja) | 1992-02-10 | 1992-02-10 | サリチロイル−カルニチンおよびその製造方法 |
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JP02409592A JP3186166B2 (ja) | 1992-02-10 | 1992-02-10 | サリチロイル−カルニチンおよびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH05221940A true JPH05221940A (ja) | 1993-08-31 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005529935A (ja) * | 2002-05-31 | 2005-10-06 | シグマ−タウ・インドゥストリエ・ファルマチェウチケ・リウニテ・ソシエタ・ペル・アチオニ | カンプトテシンの20位のエステル |
-
1992
- 1992-02-10 JP JP02409592A patent/JP3186166B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2005529935A (ja) * | 2002-05-31 | 2005-10-06 | シグマ−タウ・インドゥストリエ・ファルマチェウチケ・リウニテ・ソシエタ・ペル・アチオニ | カンプトテシンの20位のエステル |
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