JPH05221858A - 肝炎治療薬 - Google Patents

肝炎治療薬

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JPH05221858A
JPH05221858A JP11963991A JP11963991A JPH05221858A JP H05221858 A JPH05221858 A JP H05221858A JP 11963991 A JP11963991 A JP 11963991A JP 11963991 A JP11963991 A JP 11963991A JP H05221858 A JPH05221858 A JP H05221858A
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克巳 前園
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弘光 荒井
Toshio Maki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウイルス性肝炎、薬剤性肝炎および劇症肝炎
等の肝炎治療薬を提供する。 【構成】 アラニン、グルタミン、オルニチンの少なく
とも1つを含有してなる肝炎治療薬である。アラニン、
グルタミン、オルニチンはウイルス性肝炎や劇症肝炎の
モデルとされるガラクトサミン肝障害ラットの肝障害の
改善に著明な効果があることが認められ、肝再生の指標
である肝オルチニンデカルボキシラーゼ(ODC)活性
を誘導する。現在、肝再生に有効である医薬品は開発さ
れておらず、これらのアミノ酸は副作用も少ないと考え
られるため、肝炎さらには肝硬変治療薬としては極めて
有用であると考えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、肝炎治療薬に関する。
【0002】
【従来の技術】肝炎はA,B,C型の肝炎ウイルスや薬
剤の大量もしくは長期にわたる摂取により惹起される。
その場合、肝ミトコンドリア機能の低下や肝細胞壊死に
より、肝機能が著しく低下することが知られている。特
に急性肝炎や劇症肝炎では広範な肝細胞壊死により血漿
トランスアミナーゼが著明に上昇する。これらの症状が
慢性化した場合には壊死巣が繊維化し、その後肝繊維症
や肝硬変にいたる場合も知られている。
【0003】このような肝障害の治療には、抗ウイルス
療法としてのインターフェロン療法が用いられている
が、インターフェロンにはミトコンドリア機能の改善や
肝再生に関し直接的な効果が認められておらず、また肝
炎に一般に用いられているグルタチオン、タチオン注射
用(山之内製薬社)や強力ネオミノファーゲンシー(ミ
ノファーゲン社)は血漿トランスアミナーゼ値の改善効
果はあるものの肝ミトコンドリア機能改善や肝再生効果
は乏しいとされている。また、これらの薬剤は注射剤で
あり、経口投与でも有効な薬剤の開発が期待されてい
る。
【0004】一方、ウイルス性肝炎や薬剤性肝炎等の急
性の肝障害やこれらが慢性化した疾患では、患者の病態
判定に血漿トランスアミナーゼ濃度がその指標として用
いられることが多い。したがってこれまでの肝炎治療剤
は、例えば、強力ネオミノファーゲンシー(ミノファー
ゲン社)は細胞膜の保護による血漿トランスアミナーゼ
上昇抑制を主たる効能としており、肝機能の改善や肝再
生に関しては明かな効果は得られていない。またインタ
ーフェロンはウイルス性肝炎の場合は原因となるウイル
ス除去、グルタチオンはフリーラディカル除去(グルタ
チオン)を効能として認められている。しかし、これら
の薬剤は肝障害の原因の除去にとどまっており、今後、
肝障害の治療には、肝再生の促進や肝繊維化抑制剤の開
発が期待される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、肝機能を改
善し、経口または経静脈投与が可能な肝炎治療薬を開発
することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ウイルス
性肝炎あるいは劇症肝炎モデルとして用いられるガラク
トサミン投与ラットの病態の改善に各種のアミノ酸を投
与したところ、アラニンとグルタミンおよびオルニチン
に最もすぐれた効果が得られた。すなわち、本発明は、
アラニン、グルタミンおよびオルニチンのうち、少なく
とも1つを含有してなる肝炎治療薬である。
【0007】肝不全時には肝ミトコンドリア機能が低下
するため、TCAサイクルあるいは脂肪のβ−酸化の抑
制に起因し、肝臓や末梢血の酸化還元電位が還元型へ移
行することが知られている。すなわち、末梢血の酸化還
元電位を反映するケトン体比(アセト酢酸/β−ヒドロ
キシ酪酸比)はミトコンドリアの機能低下時に著明に低
下することが知られているが、アラニンとグルタミンお
よびオルニチンは、ガラクトサミン投与後の末梢血ケト
ン体比の減少を抑制し、ミトコンドリアの機能を正常に
維持する効果が認められた。
【0008】また、ガラクトサミン投与による肝障害惹
起後、各種アミノ酸を投与したところ、アラニン、グル
タミン、オルニチンの各アミノ酸は、肝再生の指標であ
るODC活性を改善し、肝再生促進効果が認められ、血
漿トランスアミナーゼ値を著明に上昇抑制した。以上の
点からこれらのアミノ酸は、従来の肝炎治療薬には認め
られない治療効果を有することが明らかとなった。本発
明の肝炎治療薬は急性もしくは慢性の、ウイルス性また
は薬剤性肝炎、または劇症肝炎に効果があり、さらには
肝硬変治療薬としても有用である。
【0009】本発明の肝炎治療薬は、アラニン、グルタ
ミン、オルニチンの1種のアミノ酸を含有してなり、こ
れら3種のアミノ酸を任意に組み合わせて含有させるこ
とにより、さらなる効果を得ることができる。2種また
は3種のアミノ酸を含有させる場合、ジペプチド、トリ
ペプチドとして含有させてもよい。
【0010】本発明の医薬が提供される形態としては、
経口投与用には、例えば、散剤、顆粒、錠剤、糖衣錠、
カプセル、液剤等、非経口投与用には例えば、懸濁液、
洗剤、乳剤、アンプルを及び注射液等が挙げられ、ある
いはこれらを組み合わせた形態でも提供できる。注射剤
としてはアミノ酸輸液としての形態でもよく、アラニ
ン、グルタミン、オルニチンのうち少なくとも1つを含
有し、これらの合計量の全アミノ酸量に対する割合を1
2%以上、あるいはこれらのアミノ酸の1日投与量を1
0g以上とした製剤でも提供できる。
【0011】本発明の食品が提供される形態としては、
粉末、糖衣錠、カプセル、液剤等が挙げられる。
【0012】投与量は症状に応じて容易に決定しうる
が、成人1日あたりアラニンとグルタミンの合計量で1
g以上投与すればよい。アラニンおよびグルタミンは各
々食品として認められているものであって、毒性、特に
急性毒性を示す可能性はない。
【0013】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明する。
【0014】
【実施例1】SD系雄性ラット(体重180〜220
g)を5時間絶食し、30%ガラクトサミン塩酸塩(以
下Gal・Nと略す)生理食塩水溶液を腹腔内投与(6
00mg/kg体重)し、Gal・N投与1時間前およ
び25時間後にAla、Gln、Orn、アミノ酸混合
物(カゼイン組成ただしAla,Glnを除く)もしく
はグルコース水溶液を経口投与(2g/kgBW)し、
Gal・Nのみの投与を行った場合(1群)と比較し
た。Gal・N投与1時間前、投与後8、24、36、
48時間目に鎖骨下静脈より採血し、ケトン体比(血漿
アセト酢酸/β−ヒドロキシ酪酸比)を測定した。
【0015】下記表1には各実験群における投与処置、
表2にはガラクトサミン投与後のケトン体比を示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】表2に示すように、Gal・N投与後8時
間目まで群間に差異は認められなかったが、24時間目
で1群(+Gal・N)および5群(Gal・N+アミ
ノ酸混合物)、6群(Gal・N+グルコース)におい
てケトン体比の減少が認められた。36時間目でも1、
5、6群におけるケトン体比の減少は著明だったが、2
群(Gal・N+Ala)、3群(Gal・N+Gl
n)、4群(Gal・N+Orn)ではケトン体比の減
少は認められず、ほぼ正常値を維持した。
【0019】末梢血ケトン体比は肝の酸化還元電位を反
映する指標として知られているが、Gal・N投与後
1、5、6群で認められたケトン体比の減少が、2、
3、4群で認められなかったことから、Ala,Gln
あるいはOrnの投与によりミトコンドリアの機能が正
常に維持されたものと考えられる。
【0020】
【実施例2】SD系雄性ラット(体重180〜220
g)を5時間絶食し、30%ガラクトサミン塩酸塩(G
al・N)生理食塩水溶液を腹腔内投与(600mg/
kg体重)し、Gal・N投与1時間前にAla、Gl
n、Orn、アミノ酸混合物(カゼイン組成ただしAl
a,Glnを除く)もしくはグルコース水溶液を経口投
与(2g/kgBW)し、Gal・Nのみの投与を行っ
た場合(1群)と比較した。Gal・N投与24時間目
に各動物は採血屠殺し、肝臓を摘出後、肝ODC活性を
測定した。
【0021】下記表3には各実験群における投与処置、
図1に肝ODC活性を示す。
【0022】
【表3】
【0023】肝ODC活性は1群(対照群)と比較し、
2群(Ala)、3群(Gln)、4群(Orn)で誘
導されるが、5群(アミノ酸混合物)、6群(グルコー
ス)では対照と比較しむしろ抑制された。Ala,Gl
n,Ornを生体に投与し、肝ODC活性が誘導された
とする報告はこれまでに無く、これらのアミノ酸が肝再
生に有効であることが示された。
【0024】
【実施例3】SD系雄性ラット(体重280〜320
g)を5時間絶食し、30%ガラクトサミン塩酸塩(G
al・N)生理食塩水溶液を腹腔内投与(600mg/
kg体重)し、Gal・N投与1時間前および25時間
後に20%Ala,Gln(1:1混合物,2g/kg
BW、4群)もしくはグルコース水溶液を経口投与(2
g/kg体重、3群)し、Gal・Nのみの投与を行っ
た場合(2群)と比較した。また、対照として、Gal
・N無投与群(正常動物)も設けた。Gal・N投与4
8時間前、投与後12、24、36時間目に鎖骨下静脈
より採血し、血漿GOT,GPT濃度を測定した。Ga
l・N投与後44時間目より動物を絶食の後、48時間
目に動物を採血屠殺した。
【0025】下記表4に各実験群における投与処置、表
5に血液生化学的指標、表6にを示した。
【0026】血漿コレステロール、トリグリセリド、リ
ン脂質、総蛋白、アルブミン濃度は2群(Gal・Nの
み投与群)、3群(Gal・N,Glucose投与
群)で著明に低下し、これは肝障害に起因する低下と考
えられたが、4群(Gal・N,Ala+Gln投与
群)ではこのような低下は認められず、Gal・N無投
与群とほぼ同水準の血漿濃度が維持された。
【0027】肝臓の病理組織学的検査の結果では2、3
群でGal・Nの投与に起因する散在性壊死が認められ
たが、4群では散在性壊死の発生が抑制され、Gal・
Nを投与を行ったにもかかわらず、正常であった2例を
認めた。
【0028】図2,3に示すように、Ala,Glnの
投与を行なわなかった2,3群では、血漿GOT,GP
T濃度が著明に上昇したが、Ala,Glnの投与を行
った4群では血漿GOT,GPT濃度の上昇は抑制され
た。採血屠殺時の血漿ビリルビン濃度でも、2,3群は
Gal投与により著名に上昇したが、Ala,Glnの
投与を行った4群では血漿ビリルビン濃度の上昇は抑制
された。(図4)
【0029】
【実施例4】SD系雄性ラット(体重180〜220
g)を5時間絶食し、30%ガラクトサミン塩酸塩(G
al・N)生理食塩水溶液を腹腔内投与(600mg/
kg体重)し、Gal・N投与1時間前にそれぞれGl
ucose,Ala,Ala+Gln,Gln(各2g
/kgBW)の20%水溶液、もしくはグルタチオン
(50mg/kg体重)水溶液を経口投与し、Gal・
Nのみの投与を行った場合(2群)と比較した。また、
対照として、Gal・N無投与群(正常動物)も設け
た。Gal・N投与48時間前、投与後12時間目に鎖
骨下静脈より採血し、血漿GOT,GPT濃度を測定し
た。Gal・N投与後20時間目より動物を絶食の後、
24時間目に動物を採血屠殺した。
【0030】下記表7に各群における投与処置、表8に
血液生化学的指標を示した。
【0031】
【表7】
【0032】
【表8】
【0033】図5,6に示すように、Gal・Nのみの
投与群(2群)、グルコース投与群(3群)およびグル
タチオン投与群(7群)では、血漿GOT,GPT濃度
が著明に上昇したが、Ala+Gln,Ala,Gln
の投与を行った群では血漿GOT,GPT濃度の上昇は
抑制され、Ala+Gln投与群が最も低い水準に抑え
られた。血漿ビリルビン濃度でも、2,3群はGal投
与により著明に上昇したが、Ala,Glnの投与を行
った4群では血漿ビリルビン濃度の上昇は抑制された。
(図7)
【0034】血漿トリグリセリド、リン脂質、総蛋白、
アルブミン濃度は2群Gal・Nのみの投与群と3群G
lucose投与群では肝障害に起因しその血漿濃度の
減少は著明だったが、5群Ala+Gln投与群の血漿
脂質・蛋白濃度の減少は最も軽度だった。以上の結果よ
り、Ala,Glnの投与による効果はそれぞれAla
やGln単独の投与時と比較しても優れた効果が得ら
れ、既存の薬剤であるグルタチオンと比較しても良好な
結果が得られた。
【0035】
【実施例5】SD系雄性ラット(体重180〜220
g)を5時間絶食し、30%ガラクトサミン塩酸塩(G
al・N)生理食塩水溶液を腹腔内投与(600mg/
kg体重)し、Gal・N投与1時間前にそれぞれAl
a+Gln,カゼイン組成アミノ酸混合物、分岐鎖アミ
ノ酸混合物(Val:Leu:Ile=1:2:1.
2)およびArg水溶液を経口投与(2g/kg体重)
し、Gal・Nのみの投与を行った場合(2群)と比較
した。また、対照として、Gal・N無投与群(正常動
物)も設けた。Gal・N投与48時間前、投与後12
時間目に鎖骨下静脈より採血し、血漿GOT,GPT濃
度を測定した。Gal・N投与後20時間目より動物を
絶食の後、24時間目に動物を採血屠殺した。
【0036】下記表9に各実験群における投与処置、表
10に血液生化学的指標を示した。
【0037】
【表9】
【0038】
【表10】
【0039】図8,9に示すように、Gal・Nのみの
投与群(2群)、アミノ酸混合物投与群(4群)、分岐
鎖アミノ酸混合物投与群(5群)およびArg投与群
(6群)では、血漿GOT,GPT濃度が著明に上昇し
たが、Ala+Gln投与群(3群)では血漿GOT,
GPT濃度の上昇は抑制された。血漿ビリルビン濃度で
も、Ala+Gln投与群が最も低い水準に抑えられ、
2、4、5、6群では著明に上昇した。(図10)
【0040】本実験ではGal肝障害の程度がこれまで
の実験と比較し比較的軽度であった。従って血漿コレス
テロール、リン脂質、総蛋白、アルブミン濃度において
群間に著明な差異は認められなかったが、血漿トリグリ
セリド濃度では、2、4、5、6群では血漿濃度の減少
が認められなかったが、3群では無投与群と同水準の値
を維持した。分岐鎖アミノ酸やArgはそれぞれ肝硬変
や肝不全時の治療に用いられているアミノ酸であるが、
劇症肝炎に類似した病変を生じるGal・N肝障害で
は、分岐鎖アミノ酸やArgの投与による効果は認めら
れなかった。また、アミノ酸混合物投与群でもAla,
Gln群と同様の効果は認められなかった。
【0041】
【実施例6】SD系雄性ラット(体重180〜220
g)を5時間絶食し、30%ガラクトサミン塩酸塩(G
al・N)生理食塩水溶液を腹腔内投与(600mg/
kg体重)し、Gal・N投与1時間前にそれぞれAl
a+Glnを、0.5,0.75,1,2,3g/kg
を経口投与し、Gal・Nのみの投与を行った場合(2
群)と比較した。また、対照として、Gal・N無投与
群(正常動物)も設けた。Gal・N投与48時間前、
投与後12時間目に鎖骨下静脈より採血し、血漿GO
T,GPT濃度を測定した。Gal・N投与後20時間
目より動物を絶食の後、24時間目に動物を採血屠殺し
た。
【0042】下記表11に各実験群における投与処理、
表12に血液生化学的指標を示した。
【0043】
【表11】
【0044】
【表12】
【0045】図11,12に示すように、Gal・N投
与24時間目の血漿トランスアミナーゼ濃度はAla,
Glnの用量に依存し、血漿濃度の上昇が抑制された。
特にAla,Glnの2、3g/kg投与群では著明な
血漿GOT,GPT濃度の上昇抑制効果が認められた。
血漿ビリルビン濃度もAla,Glnの用量に依存し、
血漿濃度の上昇が抑制された。(図13)
【0046】2群(Gal・N投与群)では1群のGa
l・N無投与群に比し、肝障害に起因すると考えられる
血漿コレステロール、トリグリセリド、リン脂質、総蛋
白濃度の減少が認められたが、Ala,Glnの用量に
応じ、その減少が改善される傾向が認められ、7群では
1群とほぼ同水準の値を示した。
【0047】
【実施例7】SD系雄性ラット(BW;170−180
g)に、約4時間絶食後、Ala,Ala+Gln,O
rn,Ala+Orn(各2g/kgBW)の0.3%
カルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液、対照と
しては等量のCMC水溶液のみを経口投与し、1時間後
にGal・N(600mg/kgBW)の生理食塩水溶
液を腹腔内投与した。投与後10時間目に採血し、血漿
中GOT,GPT活性を測定した。また、投与後24時
間目に採血屠殺して血液生化学的指標の測定及び肝臓の
病理組織学的検討を行なった。
【0048】下記表13に各実験群投与処置を示した。
【0049】
【表13】
【0050】Gal・N投与群に比べ、Gal・N非投
与群以外の4群とも血漿中トランスアミナーゼの濃度上
昇は、抑制される傾向を示した。この抑制効果は、Or
n投与群、Ala+Orn投与群、Ala+Gln投与
群、Ala投与群の順に顕著であった。この結果より、
OrnはAlaやGlnと比較し、同等以上の肝障害改
善効果を有することが認められた。
【0051】
【実施例8】SD系雄性ラット(BW;280−320
g)に、約5時間絶食後Gal・N(500mg/kg
BW)の生理食塩水溶液をあらかじめ装着した外頚静脈
カニューレより注入した。Gal投与12時間後より、
ペプチドAla・Gln生理食塩水溶液(6g/kgB
W)、対照には等液量の生理食塩水溶液のみを外頚静脈
カテーテルより注入した。Gal投与後12,24,3
4時間目に採血を行ない、血漿中GOT,GPT活性を
測定し、投与後48時間目に採血屠殺を行ない血液生化
学的指標の測定及び肝臓の病理組織学的検討を行なっ
た。(図16)
【0052】ペプチドとしてのAla・Glnを静脈内
投与した場合でも、経口投与によりAla,Glnの混
合物を投与した場合と同様、著明な血漿GOT濃度の上
昇抑制効果が認められた。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、肝機能を改善し優れた
肝炎治療効果を有する薬剤を提供することができ、医薬
産業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2における肝ODC活性を示した図であ
る。
【図2】実施例3における血漿GOT濃度を示した図で
ある。
【図3】実施例3における血漿GPT濃度を示した図で
ある。
【図4】実施例3における血漿ビリルビン濃度を示した
図である。
【図5】実施例4における血漿GOT濃度を示した図で
ある。
【図6】実施例4における血漿GPT濃度を示した図で
ある。
【図7】実施例4における血漿ビリルビン濃度を示した
図である。
【図8】実施例5における血漿GOT濃度を示した図で
ある。
【図9】実施例5における血漿GPT濃度を示した図で
ある。
【図10】実施例5における血漿ビリルビン濃度を示し
た図である。
【図11】実施例6における血漿GOT濃度を示した図
である。
【図12】実施例6における血漿GPT濃度を示した図
である。
【図13】実施例6における血漿ビリルビン濃度を示し
た図である。
【図14】実施例7における血漿GOT濃度を示した図
である。
【図15】実施例7における血漿GPT濃度を示した図
である。
【図16】実施例8における血漿GOTを示した図であ
る。
【表4】
【表5】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真木 俊雄 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アラニン、グルタミンおよびオルニチン
    のうち少なくとも1つを含有することを特徴とする肝炎
    治療薬
  2. 【請求項2】 肝炎が急性もしくは慢性のウイルス性肝
    炎、急性もしくは慢性の薬剤性肝炎または劇症肝炎であ
    る請求項1記載の肝炎治療薬
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