JPH05221361A - 自動二輪車のフロントフォークプロテクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、倒立型フロントフォークのインナ
チューブばかりでなく、このインナチューブの前方に配
索されたブレーキホース等の長尺可撓部材をも確実に保
護できるようにしている。 【構成】この発明は、倒立型フロントフォークのインナ
チューブ下端部に立設されて、上記インナチューブの全
長を接近して覆うインナチューブプロテクタ３３と、こ
のインナチューブプロテクタと略同一長さで、上記イン
ナチューブプロテクタの前面に着脱自在に装着されるホ
ースプロテクタ３４と、を有し、上記フロントフォーク
の前方部に配索されたホース３１等が上記インナチュー
ブプロテクタおよび上記ホースプロテクタ間に挾持され
るよう構成されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、倒立型フロントフォ
ークと、このフロントフォークの前方に配索されたホー
ス等を保護する自動二輪車のフロントフォークプロテク
タに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年の自動二輪車には、フロントフォー
クの剛性を高めるために、図５に示すような倒立型フロ
ントフォーク１を採用した車輌がある。この倒立型フロ
ントフォーク１では、インナチューブ２が車軸３側に、
アウタチューブ４がハンドル（図示せず）側に配置され
るために、インナチューブ２を泥や飛石等から保護する
インナチューブプロテクタ５が設置されている。このイ
ンナチューブプロテクタ５は、倒立型フロントフォーク
１の前方に配設されて車軸支持ブラケット６に立設して
固定され、図６にも示すように、プロテクタガイド７に
摺動自在に支持されている。

【０００３】一方、図５に示すように、前輪８にブレー
キディスク９を備え、ブレーキキャリパ１０を用いて制
動する自動二輪車では、倒立型フロントフォーク１の前
方にブレーキホース１１が配索されたものがある。この
ブレーキホース１１は倒立型フロントフォーク１の長手
方向に沿って配索され、図６にも示すようにホース固定
金具１２を用いてインナチューブプロテクタ５の前面に
固定されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の従来
例では、ブレーキホース１１がインナチューブプロテク
タ５の前面にそのままの状態で設置されているので、前
輪８からの泥や飛石、あるいは前方を走行する車輌から
の飛石によってこのブレーキホース１１が破損する恐れ
がある。

【０００５】また、立木等のあるオフロードを走行する
場合には、ブレーキホース１１が立木等に引っかかって
しまう恐れもある。

【０００６】この発明は、上述の事情を考慮してなされ
たものであり、倒立型フロントフォークのインナチュー
ブばかりでなく、このインナチューブの前方に配索され
たブレーキホース等の長尺可撓部材をも確実に保護でき
る自動二輪車のフロントフォークプロテクタを提供する
ことを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は、倒立型フロ
ントフォークのインナチューブ下端部に立設されて、上
記インナチューブの全長を接近して覆うインナチューブ
プロテクタと、このインナチューブプロテクタと略同一
長さで、上記インナチューブプロテクタの前面に着脱自
在に装着されるホースプロテクタと、を有し、上記フロ
ントフォークの前方部に配索されたホース等の長尺可撓
部材が上記インナチューブプロテクタおよび上記ホース
プロテクタ間に挾持されるように構成されたものであ
る。

【０００８】

【作用】したがって、この発明に係る自動二輪車のフロ
ントフォークプロテクタによれば、倒立型フロントフォ
ークのインナチューブの全長がインナチューブプロテク
タによって接近して覆われたので、インナチューブを飛
石等から確実に保護できる。しかも、倒立型フロントフ
ォークの前方に配索されたホース等の長尺可撓部材は、
インナチューブプロテクタと略同一長さのホースプロテ
クタによって覆われ、これらインナチューブプロテクタ
およびホースプロテクタに挾持されて固定されるので、
飛石等から保護されると共に、立木等にひっかかること
も防止できる。

【０００９】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基いて説明
する。

【００１０】図１は図２のＩ−Ｉ線に沿う断面図であ
り、図２は、この発明に係る自動二輪車のフロントフォ
ークプロテクタの一実施例と倒立型フロントフォークを
示す側面図である。

【００１１】倒立型フロントフォーク２０は、図示しな
い車体フレームのヘッドパイプ（図示せず）に図示しな
いステアリングシャフトを介し、アッパブラケット２３
およびロアブラケット２４によってアウタチューブ２１
が締着固定されたものであり、これによりフロントフォ
ークの剛性を向上させたものである。

【００１２】倒立型フロントフォーク２０は、上方に配
置されたアウタチューブ２１内にインナチューブ２２を
テレスコピックに嵌装したものであり、これらアウタチ
ューブ２１およびインナチューブ２２内に緩衝機構が内
蔵される。上記インナチューブ２２の下端部に車軸支持
ブラケット２５を介して、前輪２６の車軸２７が回転自
在に支持される。前輪２６が地面から受ける衝撃は、車
軸２７および車軸支持ブラケット２５を経てインナチュ
ーブ２２へ伝達され、このインナチューブ２２がアウタ
チューブ２１内に後退することにより、上記緩衝機構に
よって緩衝される。

【００１３】車軸支持ブラケット２５の後部には、キャ
リパブラケット２８を介してブレーキキャリパ２９が取
り付けられ、また、前輪２６にブレーキディスク３０が
設置されて、前輪２６の制動装置が構成される。ブレー
キキャリパ２９には、油圧により作動するピストン（図
示せず）が収容され、このピストンに設けられたブレー
キパッド（図示せず）をブレーキディスク３０に圧接す
ることにより前輪２６が制動される。このブレーキキャ
リパ２９へ作動油を供給するブレーキホース３１が、前
記アッパブラケットに固定された図示しないハンドルか
らブレーキキャリパ２９まで、倒立型フロントフォーク
２０に沿い、この倒立型フロントフォーク２０の前方に
配索される。

【００１４】また、インナチューブ２２のアウタチュー
ブ２１から下方へ突出した部分には、その前方にフロン
トフォークプロテクタ３２が配索される。このフロント
フォークプロテクタ３２には、図１および図３にも示す
ように、インナチューブ２２を保護するインナチューブ
プロテクタ３３とブレーキホース３１を保護するホース
プロテクタ３４と、を有して構成される。

【００１５】インナチューブプロテクタ３３は、インナ
チューブ２２の形状に沿った湾曲断面を有する板状体で
あり、インナチューブ２２におけるアウタチューブ２１
からの突出部の全長を越える長さに構成される。このイ
ンナチューブプロテクタ３３は、インジェクション成形
樹脂等から構成される。さらに、このインナチューブプ
ロテクタ３３は、その下部が車軸支持ブラケット２５に
ボルト固定されて立設され、アウタチューブ２１の下端
部に固定されたプロテクタガイド３５に摺動可能に支持
される。このプロテクタガイド３５の支持により、イン
ナチューブプロテクタ３３はインナチューブ２２に接近
し、かつ倒立型フロントフォーク３０の伸縮を妨げるこ
となく、前方からの飛石や泥等がインナチューブ２２に
衝突しあるいは付着するのを防止している。

【００１６】さらに、インナチューブプロテクタ３３の
前面部には、ホース保持凹部３６がインナチューブプロ
テクタ３３の全長にわたって形成され、このホース保持
凹部３６の両側方にガイドレール３７が形成される。こ
のガイドレール３７も、インナチューブプロテクタ３３
の全長に渡って形成される。

【００１７】一方、ホースプロテクタ３４は、断面略コ
字形形状の略筒状体であり、樹脂または軽合金の押出材
により構成される。このホースプロテクタ３４の前面部
にホース保持凸部３８が形成される。ホースプロテクタ
３４はインナチューブプロテクタ３３と略同一長さであ
り、また、ホース保持凸部３８はホースプロテクタ３４
の全長に渡って形成される。このホースプロテクタ３４
がインナチューブプロテクタ３３のガイドレール３７
に、スライドによりあるいはスナップ式の押込みによっ
て着脱自在に装着される。このホースプロテクタ３４の
装着状態で、ホースプロテクタ３４のホース保持凸部３
８とインナチューブプロテクタ３３のホース保持凹部３
６との間にブレーキホース３１が挿通され固定される。

【００１８】上記実施例によれば、倒立型フロントフォ
ーク２０のインナチューブ２２は、アウタチューブ２１
から下方へ突出した部分の前部全長がインナチューブプ
ロテクタ３３に接近状態で覆われたので、このインナチ
ューブプロテクタ３３を、前方からの飛石の衝突や泥等
の付着から保護できる。

【００１９】さらに、倒立型フロントフォーク２０の前
方に配索されたブレーキホース３１が、インナチューブ
プロテクタ３３のホース保持凹部３６とホースプロテク
タ３４のホース保持凸部３８とに挾持され、これらのホ
ース保持凹部３６およびホース保持凸部３８がインナチ
ューブプロテクタ３３と略同一長さに構成されて、ブレ
ーキホース３１を覆っている。このため、ブレーキホー
ス３１は、前方からの飛石の衝突や泥等の付着から保護
され、更に、立木等に引っかかることも防止される。

【００２０】なお、ホースプロテクタ３４をインナチュ
ーブプロテクタ３３に直接あるいは止め金具等を用いて
完全に固定してもよい。また、インナチューブプロテク
タ３３のガイドレール３７を、図４に示すように複数の
部分ガイドレール３７Ａとして、製造コストを低減して
もよい。さらに、ホースプロテクタ３４は、ブレーキホ
ース３１のみならず、倒立型フロントフォーク２０の前
方に配索されたワイヤ等の他の長尺可撓部材を固定し、
保護するようにしてもよい。

【００２１】

【発明の効果】以上のように、この発明に係る自動二輪
車のフロントフォークプロテクタによれば、倒立型フロ
ントフォークのインナチューブ下端部に立設されて、上
記インナチューブの全長を接近して覆うインナチューブ
プロテクタと、このインナチューブプロテクタと略同一
長さで、上記インナチューブプロテクタの前面に着脱自
在に装着されたホースプロテクタと、を有し、上記フロ
ントフォークの前方部に配索されたホース等の長尺可撓
部材が上記インナチューブプロテクタおよび上記ホース
プロテクタ間に挾持されるように構成されたことから、
倒立型フロントフォークのインナチューブばかりでな
く、このインナチューブの前方に配索されたブレーキホ
ース等の長尺可撓部材をも確実に保護できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図２のＩ−Ｉ線に沿う断面図。

【図２】この発明に係る自動二輪車のフロントフォーク
プロテクタの一実施例と倒立型フロントフォークを示す
側面図。

【図３】図２のフロントフォークプロテクタの組立斜視
図。

【図４】この発明のフロントフォークプロテクタの他の
実施例を示す組立斜視図。

【図５】従来の自動二輪車のフロントフォークプロテク
タと倒立型フロントフォークを示す側面図。

【図６】図５のVI−VI線の沿う断面図。

【符号の説明】

２０ 倒立型フロントフォーク ２１ アウタチューブ ２２ インナチューブ ２５ 車軸支持ブラケット ３１ ブレーキホース ３２ フロントフォークプロテクタ ３３ インナチューブプロテクタ ３４ ホースプロテクタ ３５ プロテクタガイド ３６ ホース保持凹部 ３７ ガイドレール ３８ ホース保持凸部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 倒立型フロントフォークのインナチュー
   ブ下端部に立設されて、上記インナチューブの全長を接
   近して覆うインナチューブプロテクタと、このインナチ
   ューブプロテクタと略同一長さで、上記インナチューブ
   プロテクタの前面に着脱自在に装着されるホースプロテ
   クタと、を有し、上記フロントフォークの前方部に配索
   されたホース等の長尺可撓部材が上記インナチューブプ
   ロテクタおよび上記ホースプロテクタ間に挾持されるよ
   う構成されたことを特徴とする自動二輪車のフロントフ
   ォークプロテクタ。