JPH0522134Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は園芸用のプランター用箱体又はその
他の小物収納箱等、小型箱体の溝造に関する。

「従来の技術」 従来この種の小箱を造るには、各種の板材を用
いて方形底板の周囲四面に折曲線を介して四側板
を立設し、四側板の接合縁部を一体に連結して上
面開口状の箱体としたもので、それは固定的なも
ので展開や分解が不能なものであつた。

「考案が解決しようとする課題」 ところで、前記のような固定形状の箱体では、
立体物として空間を多く占有するので、商品とし
て販売する場合に多量の箱体を梱包したり運搬し
たりするのに嵩張つて不便であり、その費用も多
額を要し、之が商品原価に影響し不利である。

そこで、本考案においては、前記不利な点を解
消し、多量の箱体を嵩張らないようにして取扱い
できるよう、箱体を組立分解式に構成することに
より、取扱業者及び需要者に利益を与えると共
に、箱自体の強度を保持することを目的とする。

「課題を解決するための手段」 前記課題解決の手段として、箱体の外周板と底
板とを別体形成し、外周板の上下両縁部に夫夫縁
枠を嵌着するよう上下両縁枠を設け、該両縁枠の
対向面部に夫夫外周板の挿入溝を凹設し、該挿入
溝の外周部に外周板の上下縁に突設した切出し突
起が係合する内向き係止片を周設すると共に、溝
内周部に溝内壁を周設し、両縁枠の前記係止片と
溝内壁との間隙内に外周板の上下両縁部を夫夫挿
入して外周板を両縁枠間に係嵌し、外周板の下端
縁内側に沿つて底板を嵌入し、底板の周縁部に曲
成した下向き片を下縁枠の溝内壁に係止すること
により箱体を組立てるようにしたものである。

「作用」 外周板の上下縁部を上下両縁枠の係止片と溝内
壁との間隙内に挿入すれば、板材の弾性により外
周板縁部の切出し突起が係止片に係合するから外
周板の縁部が縁枠の溝内に係嵌し両縁枠と外周板
両縁部が結合すると共に、底板周縁部の下向き片
を下縁枠の溝内壁に係止することにより底板周縁
で外周板の下縁部を外方へ突張り縁枠外周部との
係合を強化して箱体底部における各部材の結合を
強固にする。

また、外周板と縁枠との係合部においては、外
周板の弾性に抗して切出し突起を係止片の内端か
ら離脱させて両者の係合を解除し縁枠から外周板
を分離することも容易であり、かつ、底板周縁部
と縁枠溝内壁との係合も底板を上下へ引き上げる
ことで容易に離脱することができるから、箱体の
分解がきわめて容易に行い得られる。

「実施例」 本考案の一実施例を図示した添付図面について
説明すると、第１図は実施例を園芸用プランター
用箱体としそれを手摺に吊り下げた状態の斜視図
であり、第２図はその箱体の縦断面図、第３図は
その分解斜視図で各組立部材を分離してある。

箱体Ａは、第１図に示すように前側の左右両隅
部を円弧状に曲成した矩形環状の上下両縁枠１、
２の間に背板３と他の三面板４を嵌着して外周部
を構成し、該外周部の下端縁内側に沿わせて底枠
５又は底板５′を嵌入してなる組立分解自在な箱
体であつて、上縁枠１の左右両辺１ａ，１ｂの前
後部に夫夫Ｓ環６，６を対設し、両Ｓ環に鎖７を
結び付け、鎖７により手摺８へ吊設してあり、箱
体Ａ内に植木鉢、花鉢等を入れ底枠５上に載置し
て壁部やベランダ等に吊り下げて飾り付ける。

上縁枠１は、第２図に縦断面に示されたよう
に、その断面形状が後述するような変形溝形とな
つて外周板（背板及び三面板）の挿入溝イを凹設
すると共に、該挿入溝の外周開口部で溝外壁ロの
端部から内向きに係止片ハを全周に突設し、内周
部に溝内壁ニを全周に立設した曲板製の溝形材を
前側両隅部を円弧状に弯曲させて矩形環状に曲成
した枠体であつて、その左辺１ａと右辺１ｂとの
前後部に二個一対の小孔ホを設け、小孔ホにＳ環
６を挿設してある。

背板３は、第３図に分離して示すように、横長
い平板の左右両端部を前方へ折曲げて平面形コの
字形に曲成した左右両折曲縁３ａ，３ｂを設ける
と共に、上下両縁にも前記両折曲縁より小幅の両
折曲縁３ｃ，３ｄを設け、上下両切曲縁に寄せた
四隅部に夫夫外方向きの切出し突起へを設けてあ
り、左右方向の長さを前記両縁枠１，２の後辺の
長さに一致させてある。

三面板４は、第１図に示すように、前記背板３
の前側に配して上下両縁枠１，２の左右両辺と前
辺とに沿つて溝内に嵌着し、箱体の左右両側面と
前面との外周三面を形成する板材であつて、その
展延状態は第３図に示すように、横長帯状の薄板
の全面に縦方向の前後波形リブ４ａを多数条列設
することにより、板材に弾性と可撓性を付与し屈
曲展延自在としてあり、中央部の上下両縁部に前
記背板３の左右両切出し突起ヘ，ヘの間隔に合わ
して同形の切出し突起ト，トを外方向きに突設し
てある。

底板５は、前記上下両縁枠の左右方向内寸とほ
ぼ同長の横線材５ａ四本を上下両縁枠の前後幅よ
りやや小なる幅で並列させたものの左右両端を左
右両側線材５ｂ，５ｂで溶着結合すると共に、中
間部に三本の架線材５ｃを等間隔に配して各横線
材５ａとの交差部で溶着し、三架線材の前後突出
端部を夫夫下方へ折曲げて係止鉤５ｄを形成して
ある。

尚、前記底枠５に代えて外周板下端部に嵌着す
るものとして用意した底板５′は、下縁枠２の内
周部形状に合わして形成された平板の周縁部を小
幅に下向きに折曲げた係止縁５′ａを曲成してあ
る。

この箱体の構成部材は前述の通りであるが、本
考案の実施に当つては、前記実施例の形状に限る
ことなく、上下両縁枠の形状を任意に変更し、そ
れに外周板の形と寸法を追随させれば、各種形状
の箱体を組立分解式に構成することができる。

尚、この箱体を組立てるには、背板と三面板の
上下両縁を上下両縁枠の挿入溝に挿入して両縁の
切出し突起を縁枠の係止片に係合させて外周部を
形成し、外周部下端内側へ底枠又は底板を嵌着す
ることにより簡単容易に箱体を形成できる。

「考案の効果」 本考案における箱体は、上下両縁枠外周部の係
止片と、外周板上下両縁の切出し突起との係脱
と、底枠又は底板の嵌脱により組立分解自在に構
成したから、之を商品として取扱う場合には分解
して各部材を重ね合わし小容積にまとめて梱包
し、運搬に便利なようにして取扱いできるので、
多量のものをまとめて一度に運送し、梱包費と運
賃との経費を節減して商品を安価に提供できる。

尚、箱体の形状を使用目的に従つて任意に変更
することにより、箱体の用途を広範囲にすること
ができ、底部についても、底枠を嵌着すれば植木
鉢等の大きな物を収容し、底板を嵌着すれば他の
小物を収容する等目的に応じた使用方法がある。

尚、外周板に縦方向の波形リブを列設すること
により板材を自由自在に屈曲できる柔軟な可撓性
を付与でき、上下縁枠の形状に従つて屈曲、彎曲
を自在に形成できる。

尚また、上下両縁枠を外周板の上下両縁部に係
嵌結合させることにより箱体の外周部を補強して
強度を増すと共に、外周板の下端縁部内側に沿わ
して底板又は底板を嵌入することにより底枠又は
底板の周縁部で外周板下端部を縁枠の外周部に向
つて押圧固定して両者の係合状態を保持し、箱体
底部の結合を強固にし、上下両縁枠と外周板及び
底板又は底板との相互係合により三者相俟つて堅
固な箱体を組立構成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の箱体を手摺に吊下し
た状態を示す斜視図、第２図はその縦断面図（側
面）、第３図は同箱体の分解斜視図である。 Ａ……箱体、１……上縁枠、２……下縁枠、３
……背板、４……三面板、５……底板、５′……
底板、６……Ｓ環、イ……挿入溝、ロ……溝外
壁、ハ……係止片、ニ……溝内壁、ホ……小孔、
ヘ……切出し突起、ト……切出し突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 箱体の外周板の上下両縁部を上下対設の両縁
   枠に挿入して縁枠に係合固定するよう構成する
   箱体において、外周板の上下両縁部に外方向き
   の切出し突起を適数個並設し、両縁枠の対向面
   部に夫夫外周板の挿入溝を凹設し、該挿入溝の
   外周部に外周板上下縁の切出し突起が係合する
   内向き係止片と溝内周部に溝内壁を夫夫周設
   し、両縁枠の前記係止片と溝内壁との間隙内に
   外周板上下縁を夫夫挿入して外周板を両縁枠間
   に係嵌し、外周板の下端縁内側に沿つて底板又
   は底枠を嵌入し、底板又は底枠の周縁部に曲成
   した下向き片を下縁枠の溝内壁に係止するよう
   にした箱体。 (2) 直方体形とした箱体において、背面板を別体
   とし、両側面板と前面板を連続板とし、該連続
   板全面に縦方向の前後波形リブを多数条列設し
   て板材に可撓性を付与し、該連続板を三面に屈
   曲して背面板と合体させて上下両縁枠間に係嵌
   するようにした箱体。