JPH05220353A - 磁界内に電気的に中性で、密度の均一なプラズマの連続流をつくる方法 - Google Patents

磁界内に電気的に中性で、密度の均一なプラズマの連続流をつくる方法

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JPH05220353A
JPH05220353A JP3296747A JP29674791A JPH05220353A JP H05220353 A JPH05220353 A JP H05220353A JP 3296747 A JP3296747 A JP 3296747A JP 29674791 A JP29674791 A JP 29674791A JP H05220353 A JPH05220353 A JP H05220353A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定の同位体収集の改善のため同位体分離プ
ロセスにおいて大面積高密度のプラズマを強い磁界内に
形成て、そしてプラズマに交流電界を効果的にかけて特
定の同位体のイオンに差動的に運動エネルギーを与え
る。 【構成】 磁界の発散区域内に高密度プラズマを連続的
に形成し、そこから磁界強度の均一な隣接区域へプラズ
マを流す。プラズマ柱に軸の垂直な成分と平行な成分と
を持ち、特定の同位体の軌道周波数に一致する周波数の
交流電界をプラズマへ加える。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】本発明は、例えば米国特許第4,05
9,761号に一般的に開示された形式の高密度プラズ
マ中で同位体を分離する方法及び装置の改良に係る。上
記特許は、1975年3月27日出願された米国特許出
願第562,993号───現在は放棄されている──
─から得られた多数の特許のうちの1つである。この点
については、1977年1月24日に出願された米国特
許出願第761,939号───現在は放棄されている
───の一部継続出願である1977年12月5日付の
特許出願第860,421号も参照されたい。上記特許
及び特許出願は、本発明の譲受入に譲渡されたものであ
る。米国政府は、本発明に対し、米国エネルギ省(U.
S.Depart−ment of Energy)に
よって裁定された契約書DE−ACO3−77ET33
006号に準じた権利を有する。又、1976年12月
6日の「Physical Review Lette
rs」第37巻、第23号、第1547〜1550頁に
掲載されたDawson氏等の「イオンサイクロトロン
共鳴を使用することによるプラズマ中の同位体分離(I
sotope Separation in Plas
mas by Use of Ion Cyclotr
on Resonance)」と題する論文、並びにこ
れに関連するAfnush氏等の米国特許第4,20
8,582号及びStenzel氏の米国特許第4,0
93,856号も参照されたい。これら特許の発行日及
び上記一部継続出願の出願日以来、均一密度プラズマ及
び高密度静止プラズマに関して相当の研究が行われた。
特に、分離さるべき元素のイオン源、及びその元素の選
択された同位体を含むイオンに差動的な運動エネルギを
いかに与えるかについて努力が払われて来た。その結
果、所望の同位体に、他の同位体よりも多くの運動エネ
ルギを与えることができるようになった。更に所望の同
位体の濃密度を増すように所望の同位体の差動的収集に
改善が果たされている。
【発明の概要】本発明は、参考として取り上げた前記D
awson氏等の出版物及び前記の多数の特許に述べら
れた同位体濃縮プロセスを更に発展させたものでこのプ
ロセスの多数の改良に関する。前記の公知出版物には、
次のような多数の別々の段階を含むプラズマ分離プロセ
スが開示されている。先ず初めに、所定軸に実質的に平
行に延びる磁界を形成する。この磁界は、例えばその横
方向寸法がこの磁界内の選択された同位体イオンの軌道
直径を実質的に上回るような断面積の大きなものであ
る。第2に、同位体を少なくとも2つ有する元素の原子
で構成されたイオンを含むプラズマ本体を磁界内に形成
する。ウランの濃縮化を目標とする場合には、これらイ
オンがウランの原子を含み、プラズマは、例えば、イオ
ン化されたウラン原子及び自由電子で本質的に構成され
る。第3番目に、選択された同位体イオン(例えば、プ
ラズマ中に含まれたU235イオン)が優先的に加速さ
れて高い速度でプラズマ内の軌道を進むようにプラズマ
に交流電界をかけることにより、選択された同位体イオ
ンに差動的に運動エネルギを与える。そして最後に、運
動エネルギの大きさ又は軌道の大きさ或いはこれらの両
方に基づいて、選択された同位体イオンを優先的に収集
する。本発明は、前記の第2及び第3の段階の改良に関
する。本発明の1つの特徴によれば、同位体分離プロセ
ス及び装置において、大面積高密度のプラズマ本体を強
い磁界内に形成する改良された方法及びサブシステムが
提供される。更に詳細には、磁界の発散部分内に高密度
プラズマを連続的に形成し、この位置から磁界強度の均
一な隣接領域へとプラズマを流すような技術及び装置が
本発明によって教示される。これにより、実質的に密度
の均一な大直径プラズマ流が、大直径磁界の所定の断面
領域を横切る全ての増分位置を長手方向に流れることに
なる。本発明のプラズマ発生方法及び装置は、上記のプ
ラズマ同位体分離プロセスに特に効果的に利用される
が、これに限定されるものではなく、大直径で均一で且
つ高密度の静止プラズマ本体又はプラズマ流を形成する
必要がある場合にも利用できる。例えば、本発明による
プラズマ発生源は、ニューヨークのMotley,Ro
bert W,Academic Pressによる
「Qマシーンズ」(1975年)に述べられた多数のシ
ステム及び目的に使用することができる。又、本発明で
は、選択された同位体イオンの軌道周波数又はその高調
波に相当する周波数の交流電界を大直径高密度プラズマ
に与える改良された方法及び装置も提供される。交流磁
界ベクトルがプラズマ柱の軸に一般的に垂直に───正
確に垂直ではない───延びるように所望の別々の励磁
周波数で交流磁界を発生するように特に構成された細長
い誘導コイル組立体が使用される。この磁界は、軸に対
して直角な成分と、軸に対して平行な別の成分とを有す
る交流電界をプラズマ柱に誘起する。軸に対して平行な
成分は、重要な効果をもたらす。即ち、プラズマ柱の横
方向に離間された全ての区分において、電子をイオンサ
イクロトロン共鳴周波数で長手方向に前後に往復させ
る。このような電子の往復により、プラズマの各区分に
対して横方向に電位勾配が形成される。従って、プラズ
マの密度が高く且つその導電性が高くても、プラズマの
外側部分がその内側部分を与えられた交流磁界から遮蔽
することはない。上記の電子往復作用により、直径約m
のプラズマ柱を用いた時でも、上記の誘起された交流電
界が高密度プラズマの全ての部分に浸透される。本発明
の新規な特徴は、特に、請求の範囲で限定する。然し乍
ら、本発明自体、その構成及び操作方法、並びに更に別
の目的及び効果は、添付図面を参照とした以下の発明か
ら最も良く理解されよう。
【発明の概略】上記のように、本発明は、Dawson
氏等のプラズマ同位体分離に特に有用な方法及び装置で
あって、大きな高密度プラズマ体を磁界内に形成し、こ
のプラズマ内の選択された同位体イオンを差動的に加速
して優先的に収集する改良された方法及び装置に係る。
更に重要なことに、本発明では、大直径の細長いプラズ
マ柱の一端で磁界内に新たなプラズマを常時形成して、
プラズマ柱を所定のプラズマ流路に磁気的に閉じ込める
ことにより、大直径の細長いプラズマ柱内で連続的に同
位体分離プロセスを行うことができる。上記のプラズマ
流路は、その一端に、高密度プラズマが本発明によって
連続的に形成されるようなソース領域を含んでいる。
又、上記プラズマ流路は、(1)その両端の中間に、選
択された同位体イオンを差動的に加速するようにプラズ
マが交流電界を受ける励起領域を含んでいると共に、
(2)この励起領域の下流位置に、高エネルギイオンが
優先的に収集されて、同位体濃縮された生成物を形成す
る収集領域を含んでいる。濃縮化された物質、例えば濃
縮ウランを大量に生成するためには、断面寸法の大きい
プラズマ柱を使用するのが非常に望ましい。例えば、直
径が約1m以上のほぼ円柱状のプラズマを使用するのが
好ましく、そしてプラズマは、この大きな断面積にわた
って密度が実質的に均一であることが強く要望される。
プラズマ内のウランイオン───荷電された粒子である
──は、磁力線をめぐる別々の横方向に離間された軌道
をたどるように拘束され、即ち、磁界に対して横方向に
移動したり拡散したりすることができない。従って、磁
界の外側にイオンを形成した後にこれらイオンを磁界内
に挿入するような技術では、均一密度のプラズマを形成
できない。更に、磁界内に自由イオンを形成するほとん
どの技術では、プラズマ柱に沿って延びる密度筋のよう
な密度の非均一な部分が生じる。本発明では、磁界内の
広い領域に均一に非イオン化金属蒸気を形成し、この蒸
気を磁力線に対して横方向に自由に拡散させ、所定の広
い断面積にわたって均一な密度分布が得られた後にのみ
磁界内の然るべき位置で上記蒸気をイオン化するような
方法を提供することによってこれらの問題が解消され
る。かくて、ウランを含む蒸気が然るべき位置でイオン
化されると、磁化されたプラズマ柱全体にわたって実質
的に同じ密度を有するプラズマ流が連続的に形成され
る。上記ソース領域のすぐ近くに励起領域が設けられ、
この励起領域では、磁界強さが長手方向及び横方向に実
質的に均一であると共に、プラズマに交流電界が与えら
れて、選択された同位体イオンが比較的高いエネルギレ
ベルに差動加速され、大面積プラズマ全体に延びる回転
軌道を進むようにされる。本発明の1つの特徴は、励起
領域内で横方向に離間された全てのプラズマ部分にこの
交流電界を与える改良された方法及び装置に関する。同
位体分離装置に本発明を適用する時には、プラズマ流路
が、励起領域の下流に配置された収集領域も含み、この
流域では、エネルギの高いイオンが優先的に収集され
て、同位体濃縮生成物が形成される。従って、本発明の
別の特徴及び目的は、選択された同位体イオンをそれら
の運動エネルギの大きさ及び又は軌道の大きさに基づい
てプラズマ内で効率的に収集する収集手段を提供するこ
とである。
【実施例】さて特に図1には、本発明を実施する1つの
装置が若干概略図で全体的に示されている。この装置
は、モノリシックもしくはセグメント化されたプレート
10を備えている。このプレートは、蒸気を形成する材
料のソースであり、蒸気は、少なくとも2つの同位体種
を有する元素の原子を含むプラズマを形成するようにイ
オン化することのできる分子で構成される。例えば、プ
レート10は、ウラン金属で構成される。以下の全説明
において、作動パラメータを指定する場合には、ウラン
の濃縮を指すものと理解されたい。然し乍ら、本発明
は、ウランに限定されるものではなく、作動パラメータ
を適当に変更すれば、特定元素の原子より成るイオンを
含むプラズマを形成することのできる実質的に全ての元
素の濃縮に本発明の考え方を利用できる。プレート10
は熱交換器11に固定されて熱伝達接触され、熱交換器
11は、図2を参照して詳細に述べるようにマニホルド
12を経て送られる冷媒によって冷却される。矢印16
で示された磁界Bを発生するために複数の磁気コイル1
5が装置の周りに配置される。これらのコイル15は、
液体ヘリウムで冷却される超伝動材料で構成される。然
し乍ら、超伝動性は、本発明の要旨ではない。前記した
ように、この装置は、磁界の一端にあるソース領域に新
たなプラズマを常時発生し、高密度のプラズマ流は磁界
Bに沿って励起領域に流れる。濃縮生成物を商業的に大
量生産するためには、好ましくは、天然に豊富にあるウ
ランを毎秒約0.5kgないし1kg処理できるに充分
な程、装置の処理能力が高くなければならない。従っ
て、プラズマーソースは、約1014イオン/cm
秒のウラン−−イオンフラックスを与えるものが好まし
い。好ましい実施例では、ソース領域の上流端でプレー
ト10から非イオン化材料を連続的にスパッタリングし
て、均一密度の非イオン化ウラン蒸気の雲をプラズマ流
路に形成することによって、この要求が満足される。こ
の蒸気に含まれたウラン原子は、磁界内の然るべき位置
でイオン化され、同位体濃縮さるべき元素のイオンを含
む所望のプラズマ流が形成される。プレート10からの
材料のスパッタリングはイオンの衝突によって達成さ
れ、既ち、より詳細に述べると、プレート10は、これ
に各々の不活性ガスイオンが当たるたびに濃縮さるべき
材料(例えば、ウラン)の多数の中性原子を放出するに
充分な程、収集組立体30に対して負の電位にバイアス
される。これにより生じる蒸気は、磁力線を横切って均
一に拡散した後、然るべき位置でイオン化され、濃縮さ
るべき材料の原子より成るイオンを含むプラズマが連続
的に形成される。この目的のため、プレート10付近の
磁界発散部分内に一般に存在する自由電子は、電子サイ
クロトロン共鳴周波数のマイクロ波エネルギをマイクロ
波アンテナ18から与えることによって励起即ち加熱さ
れる。これらの励起された電子は互いに衝突し、線47
で示した磁界発散領域においてプラズマ柱の断面の全て
の部分でウラン原子をイオン化する。この点について、
本発明の重要な特徴は、磁界発散領域内において、電子
サイクロトロン周波数がアンテナ18に供給されるマイ
クロ波エネルギの周波数に一致するような磁界強度の場
所で、実質的に薄い断面47のみに沿って電子サイクロ
トロン共鳴加熱(ECRH)が生じることである。従っ
て、本発明のプラズマーソースサブシステムでは、密度
が少くとも10イオン/cmで流速もしくはフラッ
クスが少くとも約1014イオン/cm/秒であるよ
うな大直径(例えば、3m)のプラズマ流が連続的に形
成される。このサブシステムの重要な効果は、プラズマ
流路の直径にわたってプラズマ密度が実質的に均一(密
度の筋がない)なことである。プラズマ内の選択された
同位体イオンに優先的に運動エネルギを与えるために、
この選択された同位体イオンの軌道周波数又はその高周
波に対応する周波数の交流電界をプラズマ柱の軸に対し
て横方向にプラズマの1部分にかける。本発明によれ
ば、これは、コイル21、22、23及び24を含む多
相らせんコイル配列体20によって行なわれる。コイル
21−24は、プラズマ柱の境界25の外側で、磁界が
実質的に均一な領域に配置されるのが好ましい。このコ
イル配列体の構造、動作及び顕著な利点は、図3、図4
及び図9を参照して以下で詳細に説明する。選択された
同位体イオンを収集するサブシステムが参照番号30で
一般的に示されている。これは、複数の収集フェンス即
ちシールド31を含む。これらシールドは、プラズマ電
子を受け入れるようにバイアスされる。サブシステム3
0は、更にバイアスされた生成物収集プレート32を備
え、これらのプレートはバッフルシールド33から離間
されて絶縁されている。バッフル33の目的は、末端プ
レート34からの材料のスパッタリングに対してプレー
ト32を保護することである。これについては、図6な
いし図8を参照して以下で詳細に説明する。均一なプラ
ズマの発生同位体の分離、即ち、所望の同位体の濃縮
は、密度の均一なプラズマ、即ち、密度及び/又は電位
に実質的に空間変動のないプラズマ体において行うのが
好ましい。或る限界内に実質的に均一のプラズマを形成
しなければならない理由は、もしこのようにしないと線
の広がりが生じてしまうからである。これは、或る同位
体のサイクロトロン共鳴周波数が別のアイソトープのサ
イクロトロン共鳴周波数に重畳することを意味する。こ
のようになると、当然のことながら、選択された同位体
イオンが差動加速されないことになり、それ故、運動エ
ネルギの高いイオンを優先的に収集するという同位体分
離(即ち、収集)が達成されないことになる。これは、
局部的な電位が変動して周波数ずれが生じ即ち線の広が
りが生じることによるものである。この作用の大きさ
は、電位変動の振巾と、このような変動の空間距離とに
よって左右される。電位変動は、線の広がりが同位体の
分離に影響を与えないように充分小さくしなければなら
ない。変動が非常に短い距離にわたって生じそしてこの
距離がイオンサイクロトロン軌道に比べて短い場合に
は、更に大きな乱れは許容できるが、同じ制約が適用さ
れる。従って、線の巾をΔω/ωとすれば、これはほぼ
eφ/2mωに等しくなければならない。但し、
mは粒子の質量であり、ωは与えられた励起周波数であ
り、φは電位変動の振巾であり、kはk=2π/λであ
る。λは、電位の乱れのスケール長さであり、そしてe
はイオンの電荷である。この線巾Δω/ωは<分離さる
べきイオンの質量差に対して小さく保たねばならない。
即ち、Δω/ωはΔm/mより小さくなければならな
い。一例として、質量235及び238のウランイオン
を含むプラズマについて考える。電位変動φ=0.1ボ
ルトが特性波長0.0254mで生じた場合には、磁界
が20,000ガウスであれば、これら電位変動によっ
て生じる線巾が、ほぼ Δω/ω=keφ/2mωとなる。 但し、k=2×π/0.0254 φ=0.100ボルト e=1.6×10−19クーロン m=235×1.67×10−27kg ω=8.11×10−1 従って、Δω/ω=0.0018即ち0.18%とな
る。ウランの場合、同位体U235とU238とのパー
セント質量差Δm/mは0.013即ち1.3%であ
る。以上に述べた状態は、選択された同位体イオンに運
動エネルギを差動的に与えるのに適した均一なプラズマ
を表わしている。実際には、適度な濃縮を目標とする使
用目的では、質量の差程度の線巾であれば許容できる。
ここに取り上げるウランの場合は、プラズマが大きな非
均一性を示すことがあるが、選択的な付勢は行なえる。
上記の例は、ウランを非常に効率良く濃縮する充分に均
一なプラズマを示している。本発明の好ましい実施例で
はプラズマが上記したように均一であるだけでなく、静
止した(米国特許出願第860,421号に詳細に述べ
られたように)高密度プラズマであり、その密度は少な
くとも約10イオン/cmであり、そして好ましく
は、1010ウランイオン/cm以上である。他の元
素の同位体濃縮を行なったり及び/又はより高い磁界強
度を用いたりする場合には、もっと高いプラズマ密度を
用いてもよい。本発明によれば、均一密度の静止プラズ
マは、2つの別々の順次段階の組合せによって形成され
る。即ち先ず第1に、高速度のイオンをプレート10に
衝突させてプレート10の表面からウラン原子をスパッ
タリングさせることによって非イオン化ウラン原子の高
密度蒸気を形成する。エネルギの高いイオンがプレート
10の表面に衝突した時には、それらの運動エネルギが
ウランの原子又は分子に伝達され、プレート表面から脱
出するに充分なエネルギが得られる。これにより、プレ
ート10の付近に、ウラン蒸気の雲が形成され、これ
は、磁力線を横切って拡散し、プレート10に対応する
断面積にわたって密度を実質的に均一にすることができ
る。第2番目に、この均一密度蒸気を磁界内の然るべき
位置でイオン化する。これは、高エネルギの電子を均一
密度プラズマに含まれた多数のウラン原子に衝突させて
これをイオン化することによって行なう。このようにし
て、大直径の磁界16内に、高密度で均一密度の静止プ
ラズマを形成する。上記の段階を実施する装置が図2に
示されている。この装置は、モノリシックもしくはセグ
メント化されたウラン金属プレート10で構成される。
ウランは冷却しなければならず、このため、熱交換器4
0が設けられている。この熱交換器は、ウランプレート
10と熱伝達接触するように接続される。これは、例え
ば、ウランプレート10をニッケルメッキすることによ
って行なわれる。熱交換器40は、プレート10のニッ
ケルメッキされた後面41にろう付け又は他のやり方で
接続され、そして熱交換器には複数の内部管42が設け
られる。冷却材はコンジット43を経、これらの管42
を経て供給される。プレート10及び熱交換器40の支
持構造体は、図2に48で概略的に示されたように設け
られる。ウランプレートの厚みは、好ましくは、6cm
ないし10cmであり、この厚みは、プレート前面に衝
突する高エネルギイオンによって発生された熱エネルギ
を熱交換器40へ伝動伝達する必要性によって限定され
る。従って、プレート10が厚過ぎると、その前面が非
常に加熱して、ウランに相遷移を生じさせ、その結果、
プレートがふくらみの付いた形状になる。更に、プレー
トが厚過ぎる場合には、その前面が溶解状態になり、材
料がスパッタリングされずに失われることになる。プレ
ート10は、例えばバイアス電圧源45によって、収集
組立体30に対し少なくとも400ないし500eVの
負電圧にバイアスされるのが好ましい。このバイアス電
圧の大きさは、プレート10からスパッタリングされて
同位体濃縮されるべき材料に基づいたものとなることが
理解されよう。一般に、バイアス電圧は、各々の不活性
ガスイオンがプレート10に衝突するたびに、濃縮さる
べき材料の多数の原子を放出即ちスパッタリングするに
充分な高い電圧でなければならない。例えば、ウランの
ような材料の蒸気をプレート10からスパッタリングす
る場合には、プレート10付近の磁界内に正のイオンを
送ることが必要である。始動時には、負のバイアス電圧
をかけるや否やプレート10からのスパッタリングを開
始させるに充分な不活性ガスイオン(例えば、アルゴ
ン)が室内に存在する。装置が定常作動状態に達する
と、高密度プラズマによりプレート10付近に多量の正
イオン(例えば、ウランイオン)が供給され、充分な数
のウランイオンがプレート10に衝突して多量の蒸気が
発生される。従って、定常作動においては、自己スパッ
タリングが主体となり、プラズマ流路内に多量の不活性
ガスイオンは不要となる。ウランのスパッタリングは、
例えばプラズマ柱内に一般に存在する正のアルゴンイオ
ン又は他の不活性ガスイオンによって開始される。スパ
ッタリングのエネルギは、100ワット/cm程度で
ある。中性のウラン原子は、電子の衝突によって磁界内
の然るべき位置でイオン化される。このため、マイクロ
波エネルギがマイクロ波源46(図1)からマイクロ波
ホーン18によって磁界の発散領域へ供給される。曲線
47は、磁界強度が一定の領域を示している。ホーン1
8は電子サイクロトロン共鳴に対応する周波数を線47
に沿って与える。電子は、線47に沿って電子サイクロ
トロン共鳴加熱によって運動学的に不熱(即ち、加熱)
され、ここでは電子の軌道周波数(磁力線に沿った)が
送られたマイクロ波エネルギの周波数に一致するような
磁界強度である。電子の加熱は、確率プロセスであり、
換言すれば、各々の電子は大きな運動エネルギを得る確
率が同じであり、以下で述べるエネルギレベル(即ち、
電子の温度)とは、面47に沿った薄い断面内にある電
子の平均エネルギを意味する。本発明を用いて効率的に
ウランを濃縮する場合には、プラズマは、主として、単
一でイオン化されたウラン原子、即ち、1個の電子のみ
が引き離された原子で構成されるのが好ましい。ウラン
の場合には、単一電化イオンを形成するのに約6電子ボ
ルト(eV)のエネルギを要し、そして二重荷電イオン
を形成するのに約120eVを要する。使用すべき最適
な平均電子温度は、許容できるイオン化効率と、許容で
きる最少二重荷電イオンとの兼ね合いで決まる。ウラン
の濃縮の場合には、1eVないし2eVの平均電子温度
が使用される。ボルツマンの電子エネルギレベル分布に
より、平均電子温度がこの範囲内にある時には、6eV
の電子は単一荷電イオンを適当な割合で形成するに充分
な程存在するが、12eVの電子はわずかであり、二重
荷電イオンの数はUイオンの差動加速を損なう程多く
ない。平均電子温度は、マイクロ波電力入力と、プレー
ト10にかゝるバイアス電圧とを変えることによって制
御される。これらの関係は、直観で予想されるものとは
大きく異なる。というのは、バイアス電圧及びマイクロ
波電力の両方が増加すると、平均電力温度が下がるから
である。これは、バイアス電圧が増加すると、プレート
10からスパッタリングされる中性原子の数が増加し、
これらの追加原子が電子−イオン衝突数の増加によって
励起電子から更にエネルギを吸収し、これにより、平均
電子エネルギを下げるためである。マイクロ波電力が増
加すると、プラズマ密度が高くなり(ひいては、非弾性
衝突の頻度が高くなり)、これも又、平均電子温度を下
げることになる。要約すれば、効率よく同位体分離を行
なうためには、プラズマイオンの大部分が単一でイオン
化されそしてU++イオンの部分母集団がこの単一でイ
オン化された粒子の差動加速──励起領域のイオンサイ
クロトロン共鳴加速による──を著しく妨げる程大きく
ならないようなレベルに入力マイクロ波電力を調整しな
ければならない。現在のところ、同位体濃縮さるべき特
定材料のイオン化電位で0.1ないし0.3の間の平均
運動エネルギレベルに電子を加熱するのが望ましいと考
えられる。上記の説明は、単一荷電のU235イオンが
差動加速される(励起領域のイオンサイクロトロン共鳴
加熱により)という特定の実施例において予想されるも
のであり、従って、二重荷電イオンの部分母集団を最少
にすることが所望される。然し、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、更に大きな観点からみると、少なく
とも2つの同位体を有する元素の原子を含む実質的に全
ての選択された同位体イオンを差動加熱することによっ
て同位体分離を行なおうとするものである。例えば、主
として二重電荷ウランイオンを含むような高密度プラズ
マを使用し、そして二重荷電U235イオンのイオンサ
イクロトロン共鳴周波数に信号発生器61を同調するよ
うに選択することができる。或いは又、235Uの軌
道周波数に対応する第1周波数と、二重荷電イオンの軌
道周波数に対応する第2周波数との2つの別々の周波数
でRF電力を発生する信号発生器を使用することができ
る。この場合には、U235の単一荷電イオン及び二重
荷電イオンがそれに対応するU238イオンより速く加
速され、従って、単一荷電イオン及び二重荷電イオンの
両方についてU235イオンを優先的に収集できるとい
う点で高い分離効率を実現できる。前記したように、ウ
ラン以外の元素にも同じ原理が適用される。本発明は、
ウラン又は重金属或いは元素材料に限定されるものでは
なく、少なくとも2つの同位体を有する元素の原子を含
む錯イオンを差動加速によって同位体分離する場合に本
発明の考え方を適用できる。例えば、本発明の精神及び
範囲内で、主としてフッ化ウランイオンより成るプラズ
マを用いることによってウランの濃縮を行なうことがで
きるし、本発明のプロセス及び装置に適当に変更を加え
て、モリブデン、パラジウム、ロジウム及びルテニウム
のような物質や医療診断及び/又は治療に適した種々の
放射性同位体の分離に使用し、工業的な計測や、非破壊
試験や、放射線写真撮影や、放射線調剤を行なうことが
できる。以上に述べたように、マイクロ波ソース46に
よって送られるマイクロ波電力の周波数は、プレート1
0に隣接しているが接触してはいないような磁界発散領
域の選択された断面(例えば、面47)内の電子サイク
ロトロン共鳴周波数に一致される。従って、正しいマイ
クロ波周波数は、特定の設備に使用されるB磁界の強度
によって左右される。例えば、選択された磁界強度が2
0,000ガウスである場合には、マイクロ波源46の
周波数が56GHzでなければならない。22,000
ガウスの磁界を使用するように選択した場合には、約6
00GHzの周波数が必要とされる。マイクロ波電力源
46は、所要の出力容量を有する適当なマイクロ波発生
器で構成される。1つの適当な装置は、Varian
Associates社から型式VGA8006として
入手できるギロトロン(Gyrotron)管であり、
その出力容量は200KW/管までである。或いは又、
装置及びその作動パラメータを適当に変更すれば、磁界
発散領域での電子のECR加熱にVHF電力を使用する
ことができる。 選択れた同位体イオンの差動加速 本発明の方法及び装置の最終的な目的は、選択された同
位体イオンが到達するエネルギレベルの高さに基づい
て、選択された同位体イオンを優先的に収集することに
より、同位体濃縮された物質を形成することである。そ
れ故、これに必要とされる中間的な目的は、選択された
同位体を含むイオンを他の同位体及び他の粒子───も
しあれば───に対して差動的に付勢することである。
本発明によれば、この差動的な付勢は、選択された同位
体イオンを優先的に加速するような周波数の交流電界を
大面積プラズマ柱に与えて、上記イオンを、磁力線に沿
って延びるらせん軌道をプラズマ全体にわたって移動さ
せることにより達成される。次いで、選択された同位体
イオンの速度の速さ、運動エネルギの大きさ或いは軌道
直径の大きさに基づいた多数の技術の1つによって上記
の選択れた同位体イオンを優先的に収集することによ
り、同位体の分離(即ち、濃縮生成物)の形成が行われ
る。選択された同位体イオンの差動付勢は、2対の駆動
コイル、即ち2対のインダクタによって行なわれる。こ
れら4つのコイルは、選択された同位体例えばU235
のイオンサイクロトロン共鳴周波数付近で付勢される。
特に図3及び図4に示すように、4つのコイル21、2
2、23及び24は、直角位相、即ち互いに90°離れ
て駆動される。従って、4本の導体21−24は、各相
0°、90°、180°及び270°を有する。4本の
導体の各々は導電性シートであってもよいし或はフィラ
メント束であってもよい。図4に示すように、これらは
伝送線の各組54、55、56及び57によって駆動さ
れ、これら伝送線には、図5に示す回路から規定周波数
の交流電力が供給される。4本の駆動コイル21−24
は、その遠方端に配置されたリング60によって電気的
に接続される。4本の駆動コイルは、時計方向に巻かれ
てよいし、反時計方向に巻かれてもよい。コイルの電気
的な位相は、イオンを優先的に加速する電界をプラズマ
に形成するように、磁界の方向に関連して選択しなけれ
ばならない。コイルの位相を変えることにより、電界の
回転方向を磁力線に対して右方向又は左方向にすること
ができる。上記のコイル構成により、選択された同位体
イオンの軌道周波数に対応する周波数で時間と共に回転
する大きさのほゞ一定の電界が形成される。適切に選択
しなければならないのは、この回転方向である。電界の
回転方向は、導体24に90°位相信号を与えそして導
体22に270°信号を与えるだけで反転することがで
きる。これは、伝送線57及び55への入力を取り替え
ることによって達成される。特に、図1及び図3に示す
ように、プラズマ柱19は、4つの駆動コイル21−2
4内に配置される。プラズマ19は一般に磁界によって
限定される円柱を形成し、この円柱内では、磁界ができ
るだけ均一でなければならない。4本の駆動コイルによ
り、プラズマ19内の選択された同位体イオンは、次第
に寸法の大きくなるらせん軌道を進むように優先的に加
速される。一方、不所望の同位体イオンは、駆動コイル
に与えられた信号周波数で共鳴しない。従って、これら
は、寸法が次第に増加できないように直径が周期的に変
化する小さな軌道を形成する。その結果、選択された同
位体イオンは、より大きな運動エネルギを得、それらの
軌道直径はより大きなものとなる。均一磁界内に含まれ
るプラズマ柱の断面直径は、少なくとも、選択された同
位体イオンのらせん軌道の最大直径より実質的に大きく
なければならず、そしてプラズマ全体にわたって離間さ
れた実質上無限個の軸をめぐる軌道でイオンを同時に加
速できるように、プラズマ柱の直径が軌道よりも少なく
とも1桁大きいのが好ましい。図5は、駆動コイル21
−24を駆動する回路をブロック図で示している。これ
らのコイルは、信号発生器61によって駆動される。信
号発生器61からの高周波電力は、リード63が0°
で、リード64が90°であるように移相器62によっ
て分割される。これら2つの位相の電力は各増巾器65
及び66によって増巾される。これら電力を駆動コイル
に効率的に結合するためにインピーダンス整合回路網6
7及び68が設けられている。整合回路網67は、キャ
パシタ及びインダクタを各々有する2つの並列共振回路
70及び71に給電する。2つのキャパシタ間及び2つ
のインダクタ間の接続点はアースされ、従って0°及び
180°の2つの位相が得られて、伝送線54及び56
を経て各コイル20及び22へ供給される。同様に、整
合回路網68は、2つの共振回路72及び73に給電
し、これら共振回路は上記の共振回路70及び71と同
じであるのが好ましい。従って、回路72及び73から
位相90°及び270°の電磁エネルギが得られ、伝送
線55及び57を経て2つの駆動コイル21及び23へ
供給される。信号発生器61で発生される信号の周波数
は、差動的に付勢さるべき選択された同位体イオン例え
ばU235イオンの回転軌道周波数又はその高周波に対
応しなければならない。電流電界をプラズマに与えるこ
とにより、選択された同位体イオンの差動加速を行なう
べきところのプラズマ柱の部分においては、好ましくは
磁界強度が実質的に均一で且つ時間的に不変でなければ
ならず、従って磁界は約4%という小さなミラー比を有
するのが好ましい。これにより、プラズマに与えられる
交流電界の周波数は、励起領域内のプラズマ柱の長さ及
び巾全体にわたって磁力線に沿って進む選択された同位
体イオンの軌道周波数に対応したものとなる。駆動コイ
ル組立体は、励起領域内にあるプラズマの全区分に交流
電界を貫通させる。これをいかに行なうかは、図9aな
いし図9dを検討することにより完全に理解されよう。
例えば、直径1mの細長いプラズマ柱が駆動コイル組立
体21−24内に配置されてこの組立体により周囲が取
り巻かれている場合について考える。これらのインダク
タは、回転磁界ベクトルがプラズマ柱の軸に実質的に直
角であるような交流磁界をプラズマ柱に形成し、そして
回転電界ベクトルが上記磁界ベクトル及び軸の両方に実
質的に直角に延びるような交流電界がプラズマ内に誘起
される。前記したように、インダクタ21−24は、約
40°の角度でプラズマ柱に沿ってらせん状に延びてい
る。コイル組立体のこの40°の角度ずれ、即ち、ねじ
れは図3にも示されている。これは、プラズマの長手方
向に離間された2つの断面に誘起される電界ベクトル
が、これら断面間の間隔に比例した角度でずらされるこ
とを意味する。例えば、真空中では(即ち、導電性のプ
ラズマがない場合には)、図4の右端に誘起される電界
ベクトルはその左端に誘起される電界ベクトルに対して
180°移相される。これは、駆動コイル組立体内の領
域の1/2波長セグメントを示した図9a及び図9bに
示されている。図9aでは真空状態であると仮定し、そ
して図9bでは高密度プラズマ柱が存在すると仮定す
る。この円柱セグメントは、定常磁界BCDが軸に直角
でありそして右端が左端に対して角度的に180°ずら
された状態で示されており、そして当然ながら、右端の
誘起電界ベクトルEは左端の電界ベクトルと反対であ
る。真空中では、これら2つの互いに逆極性の電界が、
実際上、長手方向の電界成分Eを形成し、これら成分
は円柱状の励起領域の上部及び下部において各々逆方向
に延びる。高密度高導電性のプラズマが存在する場合に
は状態が変わる。即ち、プラズマの長手方向の導電率が
横方向の導電率よりも遥かに大きくなる。なぜならば、
電子は長手方向には実質的に自由に移動する。(衝突作
用によって若干移動が妨げられるだけである)が、B磁
界に対して横方向には電子の流れが磁気的に拘束される
からである。従って、図9dに最も良く示されているよ
うに、プラズマは、誘起電界E及びEに応答し、プ
ラズマ柱の横方向に離間された全ての区分において、磁
界BCDの長手方向に前後に電子を往復させる。これに
より、元のEを実質的に打ち消す───Eが形成さ
れる。そして、繰り返し流れる電子によって電荷が蓄積
され、例えば図9dの左上には負の電荷が蓄積されそし
て左下には正の電荷が蓄積される。もちろん、この電荷
蓄積は、与えられる交流磁界BACの周波数で繰り返し
生じるが、いかなる時でも、図9dの左端の上部と下部
との電荷の差によってこれらの間に電位勾配が形成さ
れ、この左端のEが増大される。駆動コイル組立体の
通電素子21−24は、図1に示すように、重金属の帯
であってもよいし或いは図4に示すように各々が多数の
導体で構成されてもよい。その巻き方は同じ方向であっ
てもよいし、或いは右巻きと左巻きの組合せであっても
よい。好ましい巻き方は、選択された同位体イオンの加
速を最大にする一方、不所望なイオン種の加熱を最少に
するように選択される。この点に注意を払わないと、高
速度イオンにみられるように、与えられた電界の周波数
がドップラシフトされるために、不所望なイオン種が若
干加熱される。このドップラシフト作用は、特定構成の
駆動コイル組立体を設計する際にこれらの潜在的な作用
を考慮することによって許容レベルまで減少することが
できる。要約すれば、励起領域の長さに沿って進むにつ
れて或る角度移相されるような横方向交流電界を誘起す
るらせん状に延びる駆動コイル組立体21−24が使用
される。これにより、プラズマ全体にわたって長手方向
電界成分が与えられ、自由電子がイオンサイクロトロン
共鳴周波数でプラズマ内を長手方向に前後に往復され
る。これにより生じる電荷のずれによって、プラズマの
横方向に離間された全ての区分において横方向電界E
が増大される。従って、大面積のプラズマが高密度で且
つ高導電性であっても、高周波のポンピングエネルギが
励起領域内の全てのプラズマ部分に与えられる。商業的
規模の機械では,大直径(例えば、直径2〜3m)のプ
ラズマ柱の中心付近の交流電界強度がその周囲付近の電
界強度より相当に小さくなる。然し乍ら、この強度を大
直径プラズマ全体にわたって1桁以内に容易に維持する
ことができる。 濃縮された同位体の収集 選択された同位体イオン例えばU235イオンを優先的
に収集する収集部が図6ないし図8に示されている。こ
れら図面について以下に説明する。特に図6に示された
ように、複数個の濃縮生成物収集プレート75がある。
これらの生成物収集プレート75は濃縮された同位体を
収集するという目的を果たすものであり、図7に詳細に
示すように互いに平行に離間配置される。これらプレー
トは、例えばバッテリ76により20ボルトないし20
0ボルトの間の正の電圧にバイアスされる。これらの生
成物プレートの前には、図示されたようにアース電位に
維持されたフェンス即ちシールド77がある。これらプ
レートは、プラズマ電子を受け入れるようにバイアスさ
れる。1組の奥行きの深いバッフルプレート78が生成
物収集プレート75の右側でこれと一線に配置される。
これらのバッフルプレートもアース電位に維持される。
これらバッフルプレートの目的は、端末プレート80─
─これもアース電位に維持される──からスパッタリン
グされた非濃縮物質を捕獲することである。端未プレー
ト80からの物質のスパッタリングの影響は一連の小型
バッフル81によって弱められ、これらの小型バッフル
81は、端末プレート80から生成物収集プレート75
に向ってこれと平行に延びる。奥行きの深いバッフル7
8は、更に、生成物プレート75を端末プレートのスパ
ッタリングから遮蔽する。図6ないし図8に示された収
集部は、エネルギの弁別によって作動し、即ち、生成物
収集プレート75と、シールド77、バッフル78、端
末プレート80及び小型バッフル81との間の電界によ
って作動する。更に、収集部は、イオン軌道の直径の差
によって作動する。従って、図6は、大きな軌道83を
有する優先的に加速されたU235イオンと、U238
より成るイオンの小直径らせん軌道84とを示してい
る。隣接する収集プレート75(図6及び図7)間の間
隔は、統計学的に、選択された同位体イオン例えばU2
35イオンがプレート75に当たる割合いの方が、他の
同位体イオンが収集される割合よりも相当に大きくなる
ように選択される。この優先的な収集は、選択された同
位体イオンの軌道直径が大きいこと、又は運動エネルギ
(即ち、速度)が速いことに基づいて行なわれる。以下
で述べるように、これら2つを組合わせて用いるのが効
果的である。生成物収集プレート75に正のバイアスを
かけることにより、このプレートに当たる粒子のエネル
ギに基づいて選択的に収集が行なわれる。問題とする同
位体ごとに、同位体のイオンのエネルギ分布は、その平
均エネルギによって特徴付けされる。選択された同位体
イオンの平均エネルギより低いエネルギに対応するよう
にバイアスを選択すると、そのイオン種の大部分が生成
物収集プレートに優先的に収集される。これに対し、選
択されない同位体イオンの平均運動エネルギに比してバ
イアスが大きい場合には、これらの他の同位体イオンの
大部分が反発される。その結果、形状及びバイアスの両
方を変えることにより非常に高い融通性が得られる。特
に、1組の所与の状態に対しては、生成物収集プレート
にかけるバイアスを増加することにより大きな濃縮係数
を得ることができる。然し、濃縮係数が低くても装置の
処理容量を高くしたい場合には、プレート75のバイア
スを下げるか或いは取り去ることができる。図8に明確
に示されたフェンス77は、グラファイトで構成され
る。端末プレート80は、タンタルで構成されるのが好
ましく、そして生成物収集プレート75及びバッフルプ
レート78はグラファイトで形成されるのが好ましい。
生成物収集プレート及びバッフルは、図7に3対示され
ているが、いかなる数のプレート及びバッフルを設けて
もよいことが理解されよう。そして、生成物収集プレー
トは、収集領域全体にわたり長手方向及び横方向に離間
されてもよい。電気的な勾配によるイオンの反発を最小
にするために、フェンスプレート77と生成物収集プレ
ート75との間のギャップを、選択された同位体イオン
のらせんピッチ長さより小さくしなければならない。
又、生成物収集プレートは、大部分のU235イオンを
さえ切って収集するがU238イオンは端末プレートへ
通過させるように離間され、隣接するプレート75間の
この間隔は、好ましくは、選択された同位体イオン例え
ばU235イオンの軌道直径より小さく且つU238イ
オンの軌道直径より大きくなければならない。要約すれ
ば、収集組立体は、選択された同位体イオンをその軌道
直径の大きさ及び/又は運動エネルギの大きさに基づい
て優先的に収集する。或いは又、本発明に関連して、米
国特許第4,208,582号に開示された収集サブシ
ステムを用いてもよいし、或いは、John M.Da
wson氏の前記特許及び特許出願に開示された優先収
集技術の1つを使用してもよい。以上、元素の所望の同
位体を他の同位体から分離する方法及び装置について説
明した。先ず、分離さるべき元素の中性原子を含む蒸気
を形成することによってプラズマを形成する。これは、
スパッタリングによって行なわれる。この蒸気内に含ま
れた最初の中性原子(即ち、イオン化されていない)
は、その後、比較的高エネルギの電子と衝突することに
よってイオン化される。これらの電子は、磁界の発散部
分内で即ち一定磁界強度の線47に沿って自由電子の電
子サイクロトロン共鳴周波数のマイクロ波エネルギを与
えることによって、適当な運動エネルギレベルに付勢さ
れる。マイクロ波エネルギは、電力源のインピーダンス
をプラズマのインピーダンスと一致させるようにマイク
ロ波ホーンを介して与えられる。最初は、装置内に存在
する自由電子を付勢することによってプロセスが開始さ
れる。このようにして、高密度で均一な静止プラズマが
発生される。このプラズマは、円柱状のプラズマ流路に
充満し、そしてプラズマ流路の少なくとも励起領域全体
にわたって実質的に一定の磁界強度を有する定常磁界に
よってプラズマ路に保持される。この流路に沿って流れ
る高密度プラズマは、励起領域において交流電界を受
け、この交流電界は、プラズマの横方向に離間された全
区分に貫通するうよにされる。これは、プラズマ柱の長
手軸に一般的に直角に延びる──厳密に直角ではない─
─交流磁界ベクトルを形成する誘導コイル組立体によっ
て構成される。この磁界により、軸に直角な成分と軸に
平行な成分とを有する交流電界がプラズマに誘導的に与
えられる。上記の軸に平行な成分により、電子は、与え
られた周波数で長手方向に前後に往復する。この電子の
往復により、励起領域においてプラズマの各区分を横切
る電位勾配が形成され、これにより、交流電界が高密度
プラズマの全ての部分に効果的に結合され、与えられ
る。誘導コイル組立体は、必要な高周波数電界を誘導的
にプラズマに与える2対の駆動コイルを備えているのが
好ましい。差動的に付勢されたイオンを優先的に収集す
る収集組立体について説明した。この収集組立体は、形
状と、電気的バイアスとの組合せによって作動し、選択
された同位体イオンを優先的に収集し、プラズマから取
り出す。プラズマ源に向いた収集組立体の全部には、プ
ラズマ電子の衝突を最少にするようにバイアスされたフ
ェンスシールドが設けられている。収集組立体は、1組
の生成物収集プレートと、これに続いて1組の奥行きの
深いバッフルとを有している。高速粒子の衝突によって
端末プレートから放出(即ち、スパッタリング)される
材料は、奥行きの深いバッフルプレートと、端末プレー
トに配置された小型バッフルとによって収集される。端
末プレート、バッフル及び小型バッフルはアース電位に
維持され、一方、生成物収集プレートは、選択された同
位体イオンの大部分を収集するがその他の低エネルギ同
位体イオンを反発するように比較的高い正の電位に維持
される。本発明の幾つかの特定の実施例のみについて説
明したが、本発明はこれらの特定の実施例に限定される
ものではなく、本発明の真の精神及び範囲から逸脱せず
に種々の変更がなされ得ることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】所望の同位体を濃縮化する本発明の装置を、そ
の外部ケーシングを除去して示した概略断面図、
【図2】熱交換器を含むモノリシック又はセグメント化
プレートの側面図であり、スパッタリングによって中性
原子を与える支持構造体を概略的に示す図、
【図3】プラズマ内の選択された同位体イオンに運動エ
ネルギを与える4つの駆動コイルを示す端面図、
【図4】4つの駆動コイルと、これらを付勢する伝送ラ
インに対する電気的接続とを示す概略図、
【図5】駆動コイルに4相交流電力を供給する回路の回
路図、
【図6】所望の同位体と不所望の同位体との2つのイオ
ンの軌道を示す1つの収集板の正面図、
【図7】1組の収集板及びそれらのシールドを示す拡大
図、
【図8】図7の組立体の全面図であって、電子の収集を
禁止するブラファイトフェンス即ちシールドを示す図、
【図9】図9aないし図9dはプラズマ内の電界状態を
示すベクトル図である。
【符号の説明】
10 プレート 11 熱交換器 12 マニホルド 15 磁気コイル 16 磁界 18 マイクロ波アンテナ 19 プラズマ柱 21、22、23、24 コイル 30 収集組立体 31 シールド 32 プレート 33 バンフルシールド 34 末端プレート 40 熱交換器 43 コンジット 61 信号発生器 65、66 増巾器 67、68 インピーダンス整合回路網 70、71 並列共振回路 75 収集プレート
フロントページの続き (72)発明者 ラザー ノーマン エイチ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 90274パロス ヴェルデス ペニンスラ アカデミー ドライブ 26582 (72)発明者 マクヴィ ブライアン ディ アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02174アーリントン クリーヴランド ス トリート 75 (72)発明者 ミュセット マイケル エス アメリカ合衆国 カリフォルニア州 90710ハーバー シティ ナンバー 304 サウス バーモント アベニュー 26201 (72)発明者 アーナッシュ ドナルド アメリカ合衆国 カリフォルニア州 90274ランチョパロス ヴェルデス ヴィ ア ソノマ 6018 (72)発明者 ヘフリンガー リー オー アメリカ合衆国 カリフォルニア州 90505トーランス パセオ ド パブロ 5001

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)一端で発散している、一様で断面積の
    大きい磁界をつくり、 b)発散している磁界区域に第1元素の原子を含む物体
    を配置し、 c)この物体の少くとも一部分をイオン衝撃して第1元
    素の原子を含む非イオン化分子を叩き出して、上記の発
    散している磁界区域に第1元素の原子を含む非イオン化
    蒸気を形成し、この蒸気を磁界を横切って拡散させて所
    定の横断面積にわたって密度を均一とさせ、 d)上記の発散している磁界区域の一部分の磁力線の回
    りに軌道を描いて自由電子が動く周波数と一致する周波
    数の電磁エネルギーを蒸気に加えて上記の発散している
    磁界区域内の自由電子を高いエネルギーレベルへ加速
    し、 e)上記の分子と高エネルギーの電子との間でのエネル
    ギー交換作用によって磁界内のその場で上記の分子をイ
    オン化し、それにより上記の発散している磁界区域内
    で、第1元素の原子を含むイオンと自由電子とから成
    り、所定の横断面積にわたり密度の均一なプラズマをつ
    くり、そして f)このプラズマを強度の一様な磁界に沿って連続的に
    流すことを特徴とした磁界内の電気的に中性で、密度の
    均一なプラズマの連続流をつくる方法。
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JP3296747A Expired - Lifetime JPH0789520B2 (ja) 1991-08-26 1991-08-26 磁界内に電気的に中性で、密度の均一なプラズマの連続流をつくる方法

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010040329A (ja) * 2008-08-05 2010-02-18 Kansai Univ 半導体リソグラフィ用光源
JP2010531719A (ja) * 2007-03-31 2010-09-30 アドバンスト アプライド フィジックス ソリューションズ,インコーポレイテッド 186レニウムを単離する方法及び装置

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JPS5254898A (en) * 1975-10-29 1977-05-04 Hitachi Ltd Spattering ion source of microwave

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