JPH047249B2 - - Google Patents

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JPH047249B2
JPH047249B2 JP58501188A JP50118883A JPH047249B2 JP H047249 B2 JPH047249 B2 JP H047249B2 JP 58501188 A JP58501188 A JP 58501188A JP 50118883 A JP50118883 A JP 50118883A JP H047249 B2 JPH047249 B2 JP H047249B2
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JP
Japan
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plasma
ions
magnetic field
plate
isotope
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JP58501188A
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JPS60500200A (ja
Inventor
Toomasu Ii Roometsusaa
Nooman Eichi Razaa
Buraian Dei Makui
Maikeru Esu Myusetsuto
Donarudo Aanatsushu
Rii Oo Hefuringaa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Northrop Grumman Space and Mission Systems Corp
Original Assignee
TRW Inc
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Publication date
Application filed by TRW Inc filed Critical TRW Inc
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Publication of JPH047249B2 publication Critical patent/JPH047249B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D59/00Separation of different isotopes of the same chemical element
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D59/00Separation of different isotopes of the same chemical element
    • B01D59/44Separation by mass spectrography
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/26Mass spectrometers or separator tubes
    • H01J49/34Dynamic spectrometers
    • H01J49/36Radio frequency spectrometers, e.g. Bennett-type spectrometers, Redhead-type spectrometers
    • H01J49/38Omegatrons ; using ion cyclotron resonance

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Plasma Technology (AREA)
  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)

Description

請求の範囲 1 少なくとも2つの同位体を有する元素の原子
のイオンを含んでいるプラズマ体が、長手方向の
軸を有する磁界内にあつて、選択された同位体イ
オンの軌道周波数もしくはそれのハーモニツクに
一致する周波数の交番電界をプラズマ体にかけて
その選択された同位体イオンを選択的に加速して
それによりこれらのイオンがプラズマ内で広がつ
たらせん軌道を進むようにした同位体濃縮装置で
あつて、 (a) 前記の交番電界をプラズマに加え、それによ
り前記のプラズマ内の選択された同位体イオン
の広がつた軌道に比して前記の長手方向の軸に
垂直な寸法が大きく、そしてプラズマを通して
相互に離れている無数の軸の周りで軌道を描く
イオンを同時に加速できる大きさのプラズマ通
路を通して前記の長手方向にプラズマを流す交
番電界印加手段、 (b) 一つは濃縮しようとする同位体である少なく
とも2つの同位体を有する元素を含むプレート
部材、 (c) 電子もしくはイオンにより衝撃せしめるよう
に前記のプレート部材を電気的にバイアスする
手段、 (d) 前記のプレート部材に隣接した領域にマイク
ロ波周波数の電磁波を注入するマイクロ波装
置、 (e) このマイクロ波装置がつくる電磁波領域の近
くに磁力線が発散し、そして前記のプレート部
材に垂直な長手方向に磁力線がのびる磁界をつ
くり、それにより電子をそれらのサイクロトロ
ン周波数で付勢する磁界発生手段、及び (f) 所定の運動エネルギーレベル以下の運動エネ
ルギーを有するイオンを排除するように電気的
にバイアスされている、選択された同位体の収
集手段、 を備えたことを特徴とする同位体濃縮装置。
2 選択された同位体の収集手段は炭素材料で形
成された生成物収集プレートを含む請求項1に記
載の同位体濃縮装置。
3 選択された同位体の収集手段はグラフアイト
で形成された生成物収集プレートを含む請求項1
に記載の同位体濃縮装置。
発明の背景 本発明は、例えば米国特許第4059761号に一般
的に開示された形式の高密度プラズマ中で同位体
を分離する方法及び装置の改良に係る。上記特許
は、1975年3月27日出願された米国特許出願第
562993号−現在は放棄されている−から得られた
多数の特許のうちの1つである。この点について
は、1977年1月24日に出願された米国特許出願第
761939号−現在は放棄されている−の一部継続出
願である1977年12月5日付の特許出願第860421号
も参照されたい。上記特許及び特許出願は、本発
明の譲受人に譲渡されたものである。
米国政府は、本発明に対して、米国エネルギ省
(U.S.Department of Energy)によつて裁定さ
れた契約書DE−ACO3−77ET33006号に準じた
権利を有する。
又、1976年12月6日の「Physical Review
Letters」第37巻、第23号、第1547〜1550頁に掲
載されたDawson氏等の「イオンサイクロトロン
共鳴を使用することによるプラズマ中の同位体分
離(Isotope Separation in Plasmas by Use
of Ion Cyclotron Resonance)」と題する論文、
並びにこれに関連するArnush氏等の米国特許第
4208582号及びStenzel氏の米国特許第4093856号
も参照されたい。
これら特許の発行日及び上記一部継続出願の出
願日以来、均一密度プラズマ及び高密度静止プラ
ズマに関して相当の研究が行われた。特に、分離
さるべき元素のイオン源、及びその元素の選択さ
れた同位体を含むイオンに差動的な運動エネルギ
をいかに与えるかについて努力が払われて来た。
その結果、所望の同位体に、他の同位体よりも多
くの運動エネルギを与えることができるようにな
つた。更に、所望の同位体の濃密度を増すように
所望の同位体の差動的収集に改善が果たされてい
る。
発明の概要 本発明は、参考として取り上げた前記Dawson
氏等の出版物及び前記の多数の特許に述べられた
同位体濃縮プロセスを更に発展させたものでこの
プロセスの多数の改良に関する。前記の公知出版
物には、次のような多数の別々の段階を含むプラ
ズマ分離プロセスが開示されている。先ず初め
に、所定軸に実質的に平行に延びる磁界を形成す
る。この磁界は、例えばその横方向寸法がこの磁
界内の選択された同位体イオンの軌道直径を実質
的に上回るような断面積の多きなものである。第
2に、同位体を少なくとも2つ有する元素の原子
で構成されたイオンを含むプラズマ本体を磁界内
に形成する。ウランの濃縮化を目標とする場合に
は、これらイオンがウランの原子を含み、プラズ
マは、例えば、イオン化されたウラン原子及び自
由電子で本質的に構成される。第3番目に、選択
された同位体イオン(例えば、プラズマ中に含ま
れたU235イオン)が優先的に加速されて高い速度
でプラズマ内の軌道を進むようにプラズマに交流
電界をかけることにより、選択された同位体イオ
ンに差動的に運動エネルギを与える。そして最後
に、運動エネルギの大きさ又は軌道の大きさ或い
はこれらの両方に基づいて、選択された同位体イ
オンを優先的に収集する。
本発明は、前記の第2及び第3の段階の改良に
関する。本発明の1つの特徴によれば、同位体分
離プロセス及び装置において、大面積高密度のプ
ラズマ本体を強い磁界内に形成する改良された方
法及びサブスシステムが提供される。更に詳細に
は、磁界の発散部分内に高密度プラズマを連続的
に形成し、この位置から磁界強度の均一な隣接領
域へとプラズマを流すような技術及び装置が本発
明によつて教示される。これにより、実質的に密
度の均一な大直径プラズマ流が、大直径磁界の所
定の断面領域を横切る全ての増分位置を長手方向
に流れることになる。本発明のプラズマ発生方法
及び装置は、上記のプラズマ同位体分離プロセス
に特に効果的に利用されるが、これに限定される
ものではなく、大直径で均一で且つ高密度の静止
プラズマ本体又はプラズマ流を形成する必要があ
る場合にも利用できる。例えば、本発明によるプ
ラズマ発生源は、ニユーヨークのMotley,
Robert W,Academic Pressによる「Qマシー
ンズ」(1975年)に述べられた多数のシステム及
び目的に使用することができる。
又、本発明では、選択された同位体イオンの軌
道周波数又はその高調波に相当する周波数の交流
電界を大直径高密度プラズマに与える改良された
方法及び装置も提供される。交流磁界ベクトルが
プラズマ柱の軸に一般的に垂直に−正確に垂直で
はない−延びるように所望の別々の励磁周波数で
交流磁界を発生するように特に構成された細長い
誘導コイル組立体が使用される。この磁界は、軸
に対して直角な成分と、軸に対して平行な別の成
分とを有する交流電界をプラズマ柱に誘起する。
軸に対して平行な成分は、重要な効果をもたら
す。即ち、プラズマ柱の横方向に離間された全て
の区分において、電子をイオンサイクロトロン共
鳴周波数で長手方向に前後に往復させる。このよ
うな電子の往復により、プラズマの各区分に対し
て横方向に電位勾配が形成される。従つて、プラ
ズマの密度が高く且つその導電性が高くても、プ
ラズマの外側部分がその内側部分を与えられた交
流磁界から遮蔽することはない。上記の電子往復
作用により、直径約3mのプラズマ柱を用いた時
でも、上記の誘起された交流電界が高密度プラズ
マの全ての部分に浸透される。
本発明の新規な特徴は、特に、請求の範囲で限
定する。然し乍ら、本発明自体、その構成及び操
作方法、並びに更に別の目的及び効果は、添付図
面を参照とした以下の発明から最も良く理解され
よう。
【図面の簡単な説明】
第1図は、所望の同位体を濃縮化する本発明の
装置を、その外部ケーシングを除去して示した概
略断面図、 第2図は、熱交換器を含むモノリシツク又はセ
グメント化プレートの側面図であり、スパツタリ
ングによつて中性原子を与える支持構造体を概略
的に示す図、 第3図は、プラズマ内の選択された同位体イオ
ンに運動エネルギを与える4つの駆動コイルを示
す端面図、 第4図は、4つの駆動コイルと、これらを付勢
する伝送ラインに対する電気的接続とを示す概略
図、 第5図は、駆動コイルに4相交流電力を供給す
る回路の回路図、 第6図は、所望の同位体と不所望の同位体との
2つのイオンの軌道を示す1つの収集板の正面
図、 第7図は、1組の収集板及びそれらのシールド
を示す拡大図、 第8図は、第7図の組合体の全面図であつて、
電子の収集を禁止するブラフアイトフエンス即ち
シールドを示す図、 そして、第9a図ないし第9d図はプラズマ内
の電界状態を示すベクトル図である。
装置の全体的な説明 上記のように、本発明は、Dawson氏等のプラ
ズマ同位体分離に特に有用な方法及び装置であつ
て、大きな高密度プラズマ体を磁界内に形成し、
このプラズマ内の選択された同位体イオンを差動
的に加速して優先的に収集する改良された方法及
び装置に係る。更に重要なことに、本発明では、
大直径の細長いプラズマ柱の一端で磁界内に新た
なプラズマを常時形成して、プラズマ柱を所定の
プラズマ流路に磁気的に閉じ込めることにより、
大直径の細長いプラズマ柱内で連続的に同位体分
離プロセスを行うことができる。上記のプラズマ
流路は、その一端に、高密度プラズマが本発明に
よつて連続的に形成されるようなソース領域を含
んでいる。又、上記プラズマ流路は、(1)その両端
の中間に、選択された同位体イオンを差動的に加
速するようにプラズマが交流電界を受ける励起領
域を含んいると共に、(2)この励起領域の下流位置
に、高エネルギイオンが優先的に収集されて、同
位体濃縮された生成物を形成する収集領域を含ん
でいる。
濃縮化された物質、例えば濃縮ウランを大量に
生成するためには、断面寸法の大きいプラズマ柱
を使用するのが非常に望ましい。例えば、直径が
約1m以上のほぼ円柱状のプラズマを使用するの
が好ましく、そしてプラズマは、この大きな断面
積にわたつて密度が実質的に均一であることが強
く要望される。
プラズマ内のウランイオン−荷電された粒子で
ある−は、磁力線をめぐる別々の横方向に離間さ
れた軌道をたどるように拘束され、即ち、磁界に
対して横方向に移動したり拡散したりすることが
できない。従つて、磁界の外側にイオンを形成し
た後にこれらイオンを磁界内に挿入するような技
術では、均一密度のプラズマを形成できない。更
に、磁界内に自由イオンを形成するほとんどの技
術では、プラズマ柱に沿つて延びる密度筋のよう
な密度の非均一な部分が生じる。本発明では、磁
界内の広い領域の均一に非イオン化金属蒸気を形
成し、この蒸気を磁力線に対して横方向に自由に
拡散させ、所定の広い断面積にわたつて均一な密
度分布が得られた後にのみ磁界内の然るべき位置
で上記蒸気をイオン化するような方法を提供する
ことによつてこれらの問題が解消される。かく
て、ウランを含む蒸気が然るべき位置でイオン化
されると、磁化されたプラズマ柱全体にわたつて
実質的に同じ密度を有するプラズマ流が連続的に
形成される。
上記ソース領域のすぐ近くに励起領域が設けら
れ、この励起領域では、磁界強さが長手方向及び
横方向に実質的に均一であると共に、プラズマに
交流電界が与えられて、選択された同位体イオン
が比較的高いエネルギレベルに差動加速され、大
面積プラズマ全体に延びる回転軌道を進むように
される。本発明の1つの特徴は、励起領域内で横
方向に離間された全てのプラズマ部分にこの交流
電界を与える改良された方法及び装置に関する。
同位体分離装置に本発明を適用する時には、プ
ラズマ流路が、励起領域の下流に配置された収集
領域も含み、この流域では、エネルギの高いイオ
ンが優先的に収集されて、同位体濃縮生成物が形
成される。従つて、本発明の別の特徴及び目的
は、選択された同位体イオンをそれらの運動エネ
ルギの大きさ及び又は軌道の大きさに基づいてプ
ラズマ内で効率的に収集する収集手段を提供する
ことである。
さて特に第1図には、本発明を実施する1つの
装置が若干概略図で全体的に示されている。この
装置は、モノリシツクもしくはセグメント化され
たプレート10を備えている。このプレートは、
蒸気を形成する材料のソースであり、蒸気は、少
なくとも2つの同位体種を有する元素の原子を含
むプラズマを形成するようにイオン化することの
できる分子で構成される。例えば、プレート10
は、ウラン金属で構成される。以下の全説明にお
いて、作動パラメータを指定する場合には、ウラ
ンの濃縮を指すものと理解されたい。然し乍ら、
本発明は、ウランに限定されるものではなく、作
動パラメータを適当に変更すれば、特定元素の原
子より成るイオンを含むプラズマを形成すること
のできる実質的に全ての元素の濃縮に本発明の考
え方を利用できる。
プレート10は熱交換器11に固定されて熱伝
達接触され、熱交換器11は、第2図を参照して
詳細に述べるようにマニホルド12を経て送られ
る冷媒によつて冷却される。矢印16で示された
磁界Bを発生するために複数の磁気コイル15が
装置の周りに配置される。これらのコイル15
は、液体ヘリウムで冷却される超伝動材料で構成
される。然し乍ら、超伝動性は、本発明の要旨で
はない。
前記したように、この装置は、磁界の一端にあ
るソース領域に新たなプラズマを常時発生し、高
密度のプラズマ流は磁界Bに沿つて励起領域に流
れる。濃縮生成物を商業的に大量生産するために
は、好ましくは、天然に豊富にあるウランを毎秒
約0.5Kgないし1Kg処理できるに充分な程、装置
の処理能力が高くなければならない。従つて、プ
ラズマソースは、約1014イオン/cm2/秒のウラン
−イオンフラツクスを与えるものが好ましい。好
ましい実施例では、ソース領域の上流端でプレー
ト10から非イオン化材料を連続的にスパツタリ
ングして、均一密度の非イオン化ウラン蒸気の雲
をプラズマ流路に形成することによつて、この要
求が満足される。この蒸気に含まれたウラン原子
は、磁界内の然るべき位置でイオン化され、同位
体濃縮されるべき元素のイオンを含む所望のプラ
ズマ流が形成される。
プレート10からの材料のスパツタリングはイ
オンの衝突によつて達成され、即ち、より詳細に
述べると、プレート10は、これに各々不活性ガ
スイオンが当たるたびに濃縮さるべき材料(例え
ば、ウラン)の多数の中性原子を放出するに充分
な程、収集組立体30に対して負の電位にバイア
スされる。これにより生じる蒸気は、磁力線を横
切つて均一に拡散した後、然るべき位置でイオン
化され、濃縮さるべき材料の原子より成るイオン
を含むプラズマが連続的に形成される。この目的
のため、プレート10付近の磁界発散部分内に一
般に存在する自由電子は、電子サイクロトロン共
鳴周波数のマイクロ波エネルギをマイクロ波アン
テナ18から与えることによつて励起即ち加熱さ
れる。これらの励起された電子は互いに衝突し、
線47で示した磁界発散領域においてプラズマ柱
の断面の全ての部分でウラン原子をイオン化す
る。この点について、本発明の重要な特徴は、磁
界発散領域内において、電子サイクロトロン周波
数がアンテナ18に供給されるマイクロ波エネル
ギの周波数に一致するような磁界強度の場所で、
実質的に薄い断面47のみに沿つて電子サイクロ
トロン共鳴加熱(ECRH)が生じることである。
従つて、本発明のプラズマーソースサブシステム
では、密度が少なくとも108イオン/cm3で流速も
しくはフラツクスが少なくとも約1014イオン/
cm2/秒であるような大直径(例えば、3m)のプ
ラズマ流が連続的に形成される。このサブシステ
ムの重要な効果は、プラズマ流路の直径にわたつ
てプラズマ密度が実質的に均一(密度の筋がな
い)なことである。
プラズマ内の選択された同位体イオンに優先的
に運動エネルギを与えるために、この選択された
同位体イオンの軌道周波数又はその高周波に対応
する周波数の交流電界をプラズマ柱の軸に対して
横方向にプラズマの1部分にかける。本発明によ
れば、これは、コイル21,22,23及び24
を含む多相らせんコイル配列体20によつて行な
われる。コイル21−24は、プラズマ柱の境界
25の外側で、磁界が実質的に均一な領域に配置
されるのが好ましい。このコイル配列体の構造、
動作及び顕著な利点は、第3図、4図及び9図を
参照して以下で詳細に説明する。
選択された同位体イオンを収集するサブシステ
ムが参照番号30で一般的に示されている。これ
は、複数の収集フエンス即ちシールド31を含
む。これらシールドは、プラズマ電子を受け入れ
るようにバイアスされる。サブシステム30は、
更にバイアスされた生成物収集プレート32を備
え、これらのプレートはバツフルシールド33か
ら離間されて絶縁されている。バツフル33の目
的は、未端プレート34からの材料のスパツタリ
ングに対してプレート32を保護することであ
る。これについては、第6図ないし第8図を参照
して以下で詳細に説明する。
均一なプラズマの発生 同位体の分離、即ち、所望の同位体の濃縮は、
密度の均一なプラズマ、即ち、密度及び/又は電
位に実質的に空間変動のないプラズマ体において
行うのが好ましい。或る限界内に実質的に均一の
プラズマを形成しなければならない理由は、もし
このようにしないと線の広がりが生じてしまうか
らである。これは、或る同位体のサイクロトロン
共鳴周波数が別のアイソトープのサイクロトロン
共鳴周波数に重畳することを意味する。このよう
になると、当然のことながら、選択された同位体
イオンが差動加速されないことになり、それ故、
運動エネルギの高いイオンを優先的に収集すると
いう同位体分離(即ち、収集)が達成されないこ
とになる。これは、局部的な電位が変動して周波
数ずれが生じ即ち線の広がりが生じることによる
ものである。この作用の大きさは、電位変動の振
巾と、このような変動の空間距離とによつて左右
される。電位変動は、線の広がりが同位体の分離
に影響を与えないように充分小さくしなければな
らない。変動が非常に短い距離にわたつて生じそ
してこの距離がイオンサイクロトロン軌道に比べ
て短い場合には、更に大きな乱れは許容できる
が、同じ制約が適用される。従つて、線の巾を
Δω/ωとすれば、これはほぼk2eφ/2mω2に等
しくなければならない。但し、mは粒子の質量で
あり、ωは与えられた励起周波数であり、φは電
位変動の振巾であり、kはk=2π/λである。
λは、電位の乱れのスケール長さであり、そして
eはイオンの電荷である。この線巾Δω/ωは<
分離されるべきイオンの質量差に対して小さく保
たねばならない。
即ち、Δω/ωはΔm/mより小さくなければ
ならない。
一例として、質量235及び238のウランイオンを
含むプラズマについて考える。電位変動φ=0.1
ボルトが特性波長0.0254mで生じた場合には、磁
界が20000ガウスであれば、これは電位変動によ
つて生じる線巾が、ほぼΔω/ω=k2eφ/2mω2
となる。
但し、 k=2×π/0.0254 φ=0.100ボルト e=1.6×10-19クーロン m=235×1.67×10-27Kg ω=8.11×105-1 従つて、Δω/ω=0.0018即ち0.18%となる。
ウランの場合、同位体U235とU238とのパーセント
質量差Δm/mは0.013即ち1.3%である。以上に
述べた状態は、選択された同位体イオンに運動エ
ネルギを差動的に与えるのに適した均一なプラズ
マを表わしている。実際には、適度な濃縮を目標
とする使用目的では、質量の差程度の線巾であれ
ば許容できる。ここに取り上げるウランの場合
は、プラズマが大きな非均一性を示すことがある
が、選択的な付勢は行なえる。上記の例は、ウラ
ンを非常に効率良く濃縮する充分に均一なプラズ
マを示している。
本発明の好ましい実施例ではプラズマが上記し
たように均一であるだけでなく、静止した(米国
特許出願第860421号に詳細に述べられたように)
高密度プラズマであり、その密度は少なくとも約
108イオン/cm3であり、そして好ましくは、1010
ウランイオン/cm3以上である。他の元素の同位体
濃縮を行なつたり及び/又はより高い磁界強度を
用いたりする場合には、もつと高いプラズマ密度
を用いてもよい。
本発明によれば、均一密度の静止プラズマは、
2つの別々の順次段階の組合せによつて形成され
る。即ち先ず第1に、高速度のイオンをプレート
10に衝突させてプレート10の表面からウラン
原子をスパツタリングさせることによつて非イオ
ン化ウラン原子の高密度蒸気を形成する。エネル
ギの高いイオンがプレート10の表面に衝突した
時には、それらの運動エネルギがウランの原子又
は分子に伝達され、プレート表面から脱出するに
充分なエネルギが得られる。これにより、プレー
ト10の付近に、ウラン蒸気の雲が形成され、こ
れは、磁力線を横切つて拡散し、プレート10に
対応する断面積にわたつて密度を実質的に均一に
することができる。第2番目に、この均一密度蒸
気を磁界内のその位置でイオン化する。これは、
高エネルギの電子を均一密度プラズマに含まれた
多数のウラン原子に衝突させてこれをイオン化す
ることによつて行なう。このようにして、大直径
の磁界16内に、高密度で均一密度の静止プラズ
マを形成する。
上記の段階を実施する装置が第2図に示されて
いる。この装置は、モノリシツクもしくはセグメ
ント化されたウラン金属プレート10で構成され
る。ウランは冷却しなければならず、このため、
熱交換器40が設けられている。この熱交換器
は、ウランプレート10と熱伝達接触するように
接続される。これは、例えば、ウランプレート1
0をニツケルメツキすることによつて行なわれ
る。熱交換器40は、プレート10のニツケルメ
ツキされた後面41にろう付け又は他のやり方で
接続され、そして熱交換器には複数の内部管42
が設けられる。冷却材はコンジツト43を経、こ
れらの管42を経て供給される。プレート10及
び熱交換器40の支持構造体は、第2図に48で
概略的に示されたように設けられる。ウランプレ
ートの厚みは、好ましくは、6cmないし10cmであ
り、この厚みは、プレート前面に衝突する高エネ
ルギイオンによつて発生された熱エネルギを熱交
換器40へ伝動伝達する必要性によつて限定され
る。従つて、プレート10が厚過ぎると、その前
面が非常に加熱して、ウランに相遷移を生じさ
せ、その結果、プレートがふくらみの付いた形状
になる。更に、プレートが厚過ぎる場合には、そ
の前面が溶解状態になり、材料がスバツタリング
されずに失われることになる。プレート10は、
例えばバイアス電圧源45によつて、収集組立体
30に対し少なくとも400ないし500eVの負電圧
にバイアスされるのが好ましい。このバイアス電
圧の大きさは、プレート10からスバツタリング
されて同位体濃縮されるべき材料に基づいたもの
となることが理解されよう。一般に、バイアス電
圧は、各々の不活性ガスイオンがプレート10に
衝突するたびに、濃縮されるべき材料の多数の原
子を放出即ちスパツタリングするに充分な高い電
圧でなければならない。例えば、ウランのような
材料の蒸気をプレート10からスパツタリングす
る場合には、プレート10付近の磁界内に正のイ
オンを送ることが必要である。始動時には、負の
バイアス電圧をかけるや否やプレート10からの
スパツタリングを開始されるに充分な不活性ガス
イオン(例えば、アルゴン)が室内に存在する。
装置が定常作動状態に達すると、高密度プラズマ
によりプレート10付近に多量の正イオン(例え
ば、ウランイオン)が供給され、充分な数のウラ
ンイオンがプレート10に衝突して多量の蒸気が
発生される。従つて、定常作動においては、自己
スパツタリングが主体となり、プラズマ流路内に
多量の不活性ガスイオンは不要となる。ウランの
スパツタリングは、例えばプラズマ柱内に一般に
存在する正のアルゴンイオン又は他の不活性ガス
イオンによつて開始される。スパツタリングのエ
ネルギは、100ワツト/cm2程度である。
中性のウラン原子は、電子の衝突によつて磁界
内の然るべき位置でイオン化される。このため、
マイクロ波エネルギがマイクロ波源46(第1
図)からマイクロ波ホーン18によつて磁界の発
散領域へ供給される。曲線47は、磁界強度が一
定の領域を示している。ホーン18は電子サイク
ロトロン共鳴に対応する周波数を線47に沿つて
与える。電子は、線47に沿つた電子サイクロト
ロン共鳴加熱によつて運動学的に付熱(即ち、加
熱)され、ここでは電子の軌道周波数(磁力線に
沿つた)が送られたマイクロ波エネルギの周波数
に一致するような磁界強度である。電子の加熱
は、確率プロセスであり、換言すれば、各々の電
子は大きな運動エネルギを得る確率が同じであ
り、以下で述べるエネルギレベル(即ち、電子の
温度)とは、面47に沿つた薄い断面内にある電
子の平均エネルギを意味する。本発明を用いて効
率的にウランを濃縮する場合には、プラズマは、
主として、単一でイオン化されたウラン原子、即
ち、1個の電子のみが引き離された原子で構成さ
れるのが好ましい。ウランの場合には、単一電荷
イオンを形成するのに約6電子ボルト(eV)の
エネルギを要し、そして二重荷電イオンを形成す
るのに約12eVを要する。使用すべき最適な平均
電子温度は、許容できるイオン化効率と、許容で
きる最少二重電荷イオンとの兼ね合いで決まる。
ウランの濃縮の場合には、1eVないし2eVの平均
電子温度が使用される。ボルツマンの電子エネル
ギレベル分布により、平均電子温度がこの範囲内
にある時には、6eVの電子は単一荷電イオンを適
当な割合で形成するに充分な程存在するが、
12eVの電子はわずかであり、二重荷電イオンの
数はU+イオンの差動加速を損なう程多くない。
平均電子温度は、マイクロ波電力入力と、プレー
ト10にかゝるバイアス電圧とを変えることによ
つて制御される。これらの関係は、直観で予想さ
れるものとは大きく異なる。というのは、バイア
ス電圧及びマイクロ波電力の両方が増加すると、
平均電子温度が下がるからである。これは、バイ
アス電圧が増加すると、プレート10からスパツ
タリングされる中性原子の数が増加し、これらの
追加原子が電子−イオン衝突数の増加によつて励
起電子から更にエネルギを吸収し、これにより、
平均電子エネルギを下げるためである。マイクロ
波電力が増加すると、プラズマ密度が高くなり
(ひいては、非弾性衝突の頻度が高くなり)、これ
も又、平均電子温度を下げることになる。
要約すれば、効率よく同位体分離を行なうため
には、プラズマイオンの大部分が単一でイオン化
されそしてU++イオンの部分母集団がこの単一で
イオン化された粒子の差動加速−励起領域のイオ
ンサイクロトロン共鳴加速による−を著しく妨げ
る程大きくならないようなレベルに入力マイクロ
波電力を調整しなければならない。現在のとこ
ろ、同位体濃縮されるべき特定材料のイオン化電
位で0.1ないし0.3の間の平均運動エネルギレベル
に電子を加熱するのが望ましいと考えられる。
上記の説明は、単一荷電のU235イオンが差動
加速される(励起領域のイオンサイクロトロン共
鳴加熱により)という特定の実施例において予想
されるものであり、従つて、二重荷電イオンの部
分母集団を最少にすることが所望される。然し、
本発明はこれに限定されるものではなく、更に大
きな観点からみると、少なくともつの同位体を有
する元素の原子を含む実質的に全ての選択された
同位体イオンを差動加熱することによつて同位体
分離を行なおうとするものである。例えば、主と
して二重電荷ウランイオンを含むような高密度プ
ラズマを使用し、そして二重荷電U235イオンのイ
オンサイクロトロン共鳴周波数に信号発生器61
を同調するように選択することができる。或いは
又、 235U+の軌道周波数に対応する第1周波数
と、二重荷電イオンの軌道周波数に対応する第2
周波数との2つの別々の周波数でRF電力を発生
する信号発生器を使用することができる。この場
合には、U235の単一荷電イオン及び二重荷電イオ
ンがそれに対応するU238イオンより速く加速さ
れ、従つて、単一荷電イオン及び二重荷電イオン
の両方についてU235イオンを優先的に収集できる
という点で高い分離効率を実現できる。前記した
ように、ウラン以外の元素にも同じ原理が適用さ
れる。本発明は、ウラン又は重金属或いは元素材
料に限定されるものではなく、少なくとも2つの
同位体を有する元素の原子を含む錯イオンを差動
加速によつて同位体分離する場合に本発明の考え
方を適用できる。例えば、本発明の精神及び範囲
内で、主としてフツ化ウランイオンより成るプラ
ズマを用いることによつてウランの濃縮を行なう
ことができるし、本発明のプロセス及び装置に適
当に変更を加えて、モリブデン、パラジウム、ロ
ジウム及びルテニウムのような物質や医療診断及
び/又は治療に適した種々の放射性同位体の分離
に使用し、工業的な計測や、非破壊試験や放射線
写真撮影や、放射線調剤を行なうことができる。
以上に述べたように、マイクロ波ソース46に
よつて送られるマイクロ波電力の周波数は、プレ
ート10に隣接しているが接触してはいないよう
な磁界発散領域の選択された断面(例えば、面4
7)内の電子サイクロトロン共鳴周波数に一致さ
れる。従つて、正しいマイクロ波周波数は、特定
の設備に使用されるB磁界の強度によつて左右さ
れる。例えば、選択された磁界強度が20000ガウ
スである場合には、マイクロ波源46の周波数が
56GHzでなければならない。22000ガウスの磁界
を使用するように選択した場合には、約60GHzの
周波数が必要とされる。マイクロ波電力源46
は、所要の出力容量を有する適当なマイクロ波発
生器で構成される。1つの適当な装置は、
Varian Associates社から型式VGA8006として
入手できるギロトロン(Gyrotron)管であり、
その出力容量は200KW/管までである。或いは
又、装置及びその作動パラメータを適当に変更す
れば、磁界発散領域での電子のECR加熱にVHF
電力を使用することができる。
選択された同位体イオンの差動加速 本発明の方法及び装置の最終的な目的は、選択
された同位体イオンが到達するエネルギレベルの
高さに基づいて、選択された同位体イオンを優先
的に収集することにより、同位体濃縮された物質
を形成することである。それ故、これに必要とさ
れる中間的な目的は、選択された同位体を含むイ
オンを他の同位体及び他の粒子−もしあれば−に
対して差動的に付勢することである。本発明によ
れば、この差動的な付勢は、選択された同位体イ
オンを優先的に加速するような周波数の交流電界
を大面積プラズマ柱に与えて、上記イオンを、磁
力線に沿つて延びるらせん軌道をプラズマ全体に
わたつて移動させることにより達成される。次い
で、選択された同位体イオンの速度の速さ、運動
エネルギの大きさ或いは軌道直径の大きさに基づ
いた多数の技術の1つによつて上記の選択された
同位体イオンを優先的に収集することにより、同
位体の分離(即ち、濃縮生成物)の形成が行われ
る。
選択された同位体イオンの差動付勢は、2対の
駆動コイル、即ち2対のインダクタによつて行な
われる。これら4つのコイルは、選択された同位
体例えばU235のイオンサイクロトロン共鳴周波
数付近で付勢される。
特に第3図及び第4図に示すように、4つのコ
イル21,22,23及び24は、直角位相、即
ち互いに90°離れて駆動される。従つて、4本の
導体21−24は、各相0°、90°、180°及び270°を
有する。4本の導体の各々は導電性シートであつ
てもよいし或いはフイラメント束であつてもよ
い。第4図に示すように、これらは伝送線の各組
54,55,56及び57によつて駆動され、こ
れら伝送線には、第5図に示す回路から規定周波
数の交流電力が供給される。4本の駆動コイル2
1−24は、その遠方端に配置されたリング60
によつて電気的に接続される。4本の駆動コイル
は、時計方向に巻かれてもよいし、反時計方向に
巻かれてもよい。
コイルの電気的な位相は、イオンを優先的に加
速する電界をプラズマに形成するように、磁界の
方向に関連して選択しなければならない。コイル
の位相を変えることにより、電界の回転方向を磁
力線に対して右方向又は左方向にすることができ
る。上記のコイル構成により、選択された同位体
イオンの軌道周波数に対応する周波数で時間と共
に回転する大きさのほヾ一定の電界が形成され
る。適切に選択しなければならないのは、この回
転方向である。電界の回転方向は、導体24に
90°位相信号を与えそして導体22に270°信号を
与えるだけで反転することができる。これは、伝
送線57及び55への入力を取り替えることによ
つて達成される。
特に、第1図及び第3図に示すように、プラズ
マ柱19は、4つの駆動コイル21−24内に配
置される。プラズマ19は一般に磁界によつて限
定される円柱を形成し、この円柱内では、磁界が
できるだけ均一でなければならない。4本の駆動
コイルにより、プラズマ19内の選択された同位
体イオンは、次第に寸法の大きくなるらせん軌道
を進むように優先的に加速される。一方、不所望
の同位体イオンは、駆動コイルに与えられた信号
周波数で共鳴しない。従つて、これらは、寸法が
次第に増加できないように直径が周期的に変化す
る小さな軌道を形成する。その結果、選択された
同位体イオンは、より大きな運動エネルギを得、
それらの軌道直径はより大きなものとなる。
均一磁界内に含まれるプラズマ柱の断面直径
は、少なくとも、選択された同位体イオンのらせ
ん軌道の最大直径より実質的に大きくなければな
らず、そしてプラズマ全体にわたつて離間された
実質上無限個の軸の周りで軌道を描いているイオ
ンを同時に加速できるように、プラズマ柱の直径
が軌道よりも少なくとも1桁大きいのが好まし
い。
第5図は、駆動コイル21−24を駆動する回
路をブロツク図で示している。これらのコイル
は、信号発生器61によつて駆動される。信号発
生器61から高周波電力は、リード63が0°で、
リード64が90°であるように位相器62によつ
て分割される。これら2つの位相の電力は各増巾
器65及び66によつて増巾される。これら電力
を駆動コイルに効率的に結合するためにインピー
ダンス整合回路網67及び68が設けられてい
る。整合回路網67は、キヤパシタ及びインダク
タを各々有する2つの並列共振回路70及び71
に給電する。2つのキヤパシタ間及び2つのイン
ダクタ間の接続点はアースされ、従つて0°及び
180°の2つの位相が得られて、伝送線54及び5
6を経て各コイル20及び22へ供給される。同
様に、整合回路網68は、2つの共振回路72及
び73に給電し、これら共振回路は上記の共振回
路70及び71と同じであるのが好ましい。従つ
て、回路72及び73から位相90°及び270°の電
磁エネルギが得られ、伝送線55及び57を経て
2つの駆動コイル21及び23へ供給される。
信号発生器61で発生される信号の周波数は、
差動的に付勢さるべき選択された同位体イオン例
えばU235イオンの回転軌道周波数又はその高周波
に対応しなければならない。電流電界をプラズマ
に与えることにより、選択された同位体イオンの
差動加速を行なうべきところのプラズマ柱の部分
においては、好ましくは磁界強度が実質的に均一
で且つ時間的に不変でなければならず、従つて磁
界は約4%という小さなミラー比を有するのが好
ましい。これにより、プラズマに与えられる交流
電界の周波数は、励起領域内のプラズマ柱の長さ
及び巾全体にわたつて磁力線に沿つて進む選択さ
れた同位体イオンの軌道周波数に対応したものと
なる。
駆動コイル組立体は、励起領域内にあるプラズ
マの全区分に交流電界を貫通させる。これをいか
に行なうかは、第9a図ないし第9d図を検討す
ることにより完全に理解されよう。例えば、直径
1mの細長いプラズマ柱が駆動コイル組立体21
−24内に配置されてこの組立体により周囲が取
り巻かれている場合について考える。これらのイ
ンダクタは、回転磁界ベクトルがプラズマ柱の軸
に実質的に直角であるような交流磁界をプラズマ
柱に形成し、そして回転電界ベクトルが上記磁界
ベクトル及び軸の両方に実質的に直角に延びるよ
うな交流電界がプラズマ内に誘起される。前記し
たように、インダクタ21−24は、約40°の角
度でプラズマ柱に沿つてらせん状に延びている。
コイル組立体のこの40°の角度ずれ、即ち、ねじ
れは第3図にも示されている。これは、プラズマ
の長手方向に離間された2つの断面に誘起される
電界ベクトルが、これら断面間の間隔に比例した
角度でずらされることを意味する。例えば、真空
中では(即ち、導電性のプラズマがない場合に
は)、第4図の右端に誘起される電界ベクトルは
その左端に誘起される電界ベクトルに対して180°
移相される。これは、駆動コイル組立体内の領域
の1/2波長セグメントを示した第9a図及び第9
b図に示されている。第9a図では真空状態であ
ると仮定し、そして第9b図では高密度プラズマ
柱が存在すると仮定する。この円柱セグメント
は、定常磁界BCDが軸に直角でありそして右端が
左端に対して角度的に180°ずらされた状態で示さ
れており、そして当然ながら、右端の誘起電界ベ
クトルERは左端の電界ベクトルと反対である。
真空中では、これら2つの互いに逆極性の電界
が、実際上、長手方向の電界成分EZを形成し、
これら成分は円柱状の励起領域の上部及び下部に
おいて各々逆方向に延びる。高密度高導電性のプ
ラズマが存在する場合には状態が変わる。即ち、
プラズマの長手方向の導電率が横方向の導電率よ
り遥かに大きくなる。なぜならば、電子は長手方
向には実質的に自由に移動する(衝突作用によつ
て若干移動が妨げられるだけである)が、B磁界
に対して横方向には電子の流れが磁気的に拘束さ
れるからである。従つて、第9d図に最も良く示
されているように、プラズマは、誘起電界ER
びEZに応答し、プラズマ柱の横方向に離間され
た全ての区分において、磁界BCDの長手方向に前
後に電子を往復させる。これにより、元のEZ
実質的に打ち消す−EZが形成される。そして、
繰り返し流れる電子によつて電荷が蓄積され、例
えば第9d図の左上には負の電荷が蓄積されそし
て左下には正の電荷が蓄積される。もちろん、こ
の電荷蓄積は、与えられる交流磁界BACの周波数
で繰り返し生じるが、いかなる時でも、第9d図
の左端の上部と下部との電荷の差によつてこれら
の間に電位勾配が形成され、この左端のERが増
大される。
駆動コイル組立体の通電素子21−24は、第
1図に示すように、重金属の帯であつてもよいし
或いは第4図に示すように各々が多数の導体で構
成されてもよい。その巻き方は同じ方向であつて
もよいし、或いは右巻きと左巻きの組合せであつ
てもよい。好ましい巻き方は、選択された同位体
イオンの加速を最大にする一方、不所望なイオン
種の加熱を最少にするように選択される。この点
に注意を払わないと、高速度イオンにみられるよ
うに、与えられた電界の周波数がドツプラシフト
されるために、不所望なイオン種が若干加熱され
る。このドツプラシフト作用は、特定構成の駆動
コイル組立体を設計する際にこれらの潜在的な作
用を考慮することによつて許容レベルまで減少す
ることができる。
要約すれば、励起領域の長さに沿つて進むにつ
れて或る角度移相されるような横方向交流電界を
誘起するらせん状に延びる駆動コイル組立体21
−24が使用される。これにより、プラズマ全体
にわたつて長手方向電界成分が与えられ、自由電
子がイオンサイクロトロン共鳴周波数でプラズマ
内を長手方向に前後に往復される。これにより生
じる電荷のずれによつて、プラズマの横方向に離
間された全ての区分において横方向電界ERが増
大される。従つて、大面積のプラズマが高密度で
且つ高導電性であつても、高周波のポンピングエ
ネルギが励起領域内の全てのプラズマ部分に与え
られる。商業的規模の機械では、大直径(例え
ば、直径2〜3m)のプラズマ柱の中心付近の交
流電界強度がその周囲付近の電界強度より相当に
小さくなる。然し乍ら、この強度を大直径プラズ
マ全体にわたつて1桁以内に容易に維持すること
ができる。
濃縮された同位体の収集 選択された同位体イオン例えばU235イオンを優
先的に収集する収集部が第6図ないし第8図に示
されている。これら図面について以下に説明す
る。特に第6図に示されたように、複数個の濃縮
生成物収集プレート75がある。これらの生成物
収集プレート75は濃縮された同位体を収集する
という目的を果たすものであり、第7図に詳細に
示すように互いに平行に離間配置される。これら
プレートは、例えばバツテリ76により20ボルト
ないし200ボルトの間の正の電圧にバイアスされ
る。これらの生成物プレートの前には、図示され
たようにアース電位に維持されたフエンス即ちシ
ールド77がある。これらプレートは、プラズマ
電子を受け入れるようにバイアスされる。1組の
奥行きの深いバツフルプレート78が生成物収集
プレート75の右側でこれと一線に配置される。
これらのバツフルプレートもアース電位に維持さ
れる。これらバツフルプレートの目的は、端末プ
レート80−これもアース電位に維持される−か
らスパツタリングされた非濃縮物質を捕獲するこ
とである。端末プレート80からの物質のスパツ
タリングの影響は一連の小型バツフル81によつ
て弱められ、これらの小型バツフル81は、端末
プレート80から生成物収集プレート75に向つ
てこれと平行に延びる。奥行きの深いバツフル7
8は、更に、生成物プレート75を端末プレート
のスパツタリングから遮蔽する。
第6図ないし第8図に示された収集部は、エネ
ルギの弁別によつて作動し、即ち、生成物収集プ
レート75と、シールド77、バツフル78、端
末プレート80及び小型バツフル81との間の電
界によつて作動する。更に、収集部は、イオン軌
道の直径の差によつて作動する。従つて、第6図
は、大きな軌道83を有する優先的に加速された
U235イオンと、U238より成るイオンの小直径らせ
ん軌道84とを示している。隣接する収集プレー
ト75(第6図及び第7図)の間の間隔は、統計
学的に、選択された同位体イオン例えばU235イオ
ンがプレート75に当たる割合いの方が、他の同
位体イオンが収集される割合よりも相当に大きく
なるように選択される。この優先的な収集は、選
択された同位体イオンの軌道直径が大きいこと、
又は運動エネルギ(即ち、速度)が速いことに基
づいて行なわれる。以下で述べるように、これら
2つを組合わせて用いるのが効果的である。生成
物収集プレート75に正のバイアスをかけること
により、このプレートに当たる粒子のエネルギに
基づいて選択的に収集が行なわれる。問題とする
同位体ごとに、同位体のイオンのエネルギ分布
は、その平均エネルギより低いエネルギに対応す
るようにバイアスを選択すると、そのイオン種の
大部分が生成物収集プレートに優先的に収集され
る。これに対し、選択されない同位体イオンの平
均運動エネルギに比してバイアスが大きい場合に
は、これらの他の同位体イオンの大部分が反発さ
れる。その結果、形状及びバイアスの両方を変え
ることにより非常に高い融通性が得られる。特
に、1組の所与の状態に対しては、生成物収集プ
レートにかけるバイアスを増加することにより大
きな濃縮係数を得ることができる。然し、濃縮係
数が低くても装置の処理容量を高くしたい場合に
は、プレート75のバイアスを下げるか或いは取
り去ることができる。第8図に明確に示されたフ
エンス77は、グラフアイトで構成される。端末
プレート80は、タンタルで構成されるのが好ま
しく、そして生成物収集プレート75及びバツフ
ルプレート78はグラフアイトで形成されるのが
好ましい。生成物収集プレート及びバツフルは、
第7図に3対示されているが、いかなる数のプレ
ート及びバツフルを設けてもよいことが理解され
よう。そして、生成物収集プレートは、収集領域
全体にわたり長手方向及び横方向に離間されても
よい。
電気的な勾配によるイオンの反発を最小にする
ためには、フエンスプレート77と生成物収集プ
レート75との間のギヤツプを、選択された同位
体イオンのらせんピツチ長さより小さくしなけれ
ばならない。又、生成物収集プレートは、大部分
のU235イオンをさえ切つて収集するがU238イオン
は端末プレートへ通過させるように離間され、隣
接するプレート75間のこの間隔は、好ましく
は、選択された同位体イオン例えばU235イオンの
軌道直径より小さく且つU238イオンの軌道直径よ
り大きくなければならない。要約すれば、収集組
立体は、選択された同位体イオンをその軌道直径
の大きさ及び/又は運動エネルギの大きさに基づ
いて優先的に収集する。
或いは又、本発明に関連して、米国特許第
4208582号に開示された収集サブシステムを用い
てもよいし、或いは、John M.Dawson氏の前記
特許及び特許出願に開示された優先収集技術の1
つを使用してもよい。
以上、元素の所望の同位体を他の同位体から分
離する方法及び装置について説明した。先ず、分
離さるべき元素の中性原子を含む蒸気を形成する
ことによつてプラズマを形成する。これは、スパ
ツタリングによつて行なわれる。この蒸気内に含
まれた最初の中性原子(即ち、イオン化されてい
ない)は、その後、比較的高エネルギの電子と衝
突することによつてイオン化される。これらの電
子は、磁界の発散部分内で即ち一定磁界強度の線
47に沿つて自由電子の電子サイクロトロン共鳴
周波数のマイクロ波エネルギを与えることによつ
て、適当な運動エネルギレベルに付勢される。マ
イクロ波エネルギは、電力源のいインピーダンス
をプラズマのインピーダンスと一致させるように
マイクロ波ホーンを介して与えられる。最初は、
装置内に存在する自由電子を付勢することによつ
てプロセスが開始される。このようにして、高密
度で均一な静止プラズマが発生される。このプラ
ズマは、円柱状のプラズマ流路に充満し、そして
プラズマ流路の少なくとも励起領域全体にわたつ
て実質的に一定の磁界強度を有する定常磁界によ
つてプラズマ流路に保持される。
この流路に沿つて流れる高密度プラズマは、励
起領域において交流電界を受け、この交流電界
は、プラズマの横方向に離間された全区分に貫通
するようにされる。これは、プラズマ柱の長手軸
に一般的に直角に延びる−厳密に直角ではない−
交流磁界ベクトルを形成する誘導コイル組立体に
よつて達成される。この磁界により、軸に直角な
成分と軸に平行な成分とを有する交流電界がプラ
ズマに誘導的に与えられる。上記の軸に平行な成
分により、電子は、与えられた周波数で長手方向
に前後に往復する。この電子の往復により、励起
領域においてプラズマの各区分を横切る電位勾配
が形成され、これにより、交流電界が高密度プラ
ズマの全ての部分に効果的に結合され、与えられ
る。誘導コイル組立体は、必要な高周波数電界を
誘導的にプラズマに与える2対の駆動コイルを備
えているのが好ましい。
差動的に付勢されたイオンを優先的に収集する
収集組立体について説明した。この収集組立体
は、形状と、電気的バイアスとの組合せによつて
作動し、選択された同位体イオンを優先的に収集
し、プラズマから取り出す。プラズマ源に向いた
収集組立体の全部には、プラズマ電子の衝突を最
少にするようにバイアスされたフエンスシールド
が設けられている。収集組立体は、1組の生成物
収集プレートと、これに続いて1組の奥行きの深
いバツフルとを有している。高速粒子の衝突によ
つて端末プレートから放出(即ち、スパツタリン
グ)される材料は、奥行きの深いバツフルプレー
トと、端末プレートに配置された小型バツフルと
によつて収集される。端末プレート、バツフル及
び小型バツフルはアース電位に維持され、一方、
生成物収集プレートは、選択された同位体イオン
の大部分を収集するがその他の低エネルギ同位体
イオンを反発するように比較的高い正の電位に維
持される。
本発明の幾つかの特定の実施例のみについて説
明したが、本発明はこれらの特定の実施例に限定
されるものではなく、本発明の真の精神及び範囲
から逸脱せずに種々の変更がなされ得ることが理
解されよう。
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NL8320093A (nl) 1984-11-01
EP0131572B1 (en) 1990-09-26

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