JPH05220344A - ハロゲン化炭化水素の電気化学的分解方法及び装置 - Google Patents

ハロゲン化炭化水素の電気化学的分解方法及び装置

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JPH05220344A
JPH05220344A JP3074507A JP7450791A JPH05220344A JP H05220344 A JPH05220344 A JP H05220344A JP 3074507 A JP3074507 A JP 3074507A JP 7450791 A JP7450791 A JP 7450791A JP H05220344 A JPH05220344 A JP H05220344A
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electrolytic cell
electrolytic solution
electrode
electrolytic
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JP3074507A
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English (en)
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Yoshiyuki Makita
善之 蒔田
Michihiro Akahori
道弘 赤堀
Yoshio Kubo
良雄 久保
Yuji Kawakami
祐二 川上
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Kamioka Mining and Smelting Co Ltd
Original Assignee
Kamioka Mining and Smelting Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) (目的) 簡単な設備で高温加熱等を必要とせずにハロ
ゲン化炭化水素を分解できる方法及び分解装置を提供す
る。 (構成) ハロゲン化炭化水素の炭素−ハロゲン結合の
開裂を電気化学的エネルギを利用して行う。ハロゲン化
炭化水素を電極に接触させて電解反応を促進するため
に、電解槽内に分散体を設置したり、電解液としてハロ
ゲン化炭化水素を溶解できる有機溶媒と水の混合溶媒を
使用したり、ハロゲン化炭化水素を多孔質電極に吸収さ
せた後に通電を行うようにしたりする。 (効果) 従来の燃焼法等と異なって大型の設備を必要
とすることなく、かつ加熱や加圧等の装置や高価な触媒
を使用することなく、比較的簡単でコンパクト化するこ
とが可能な電解槽を使用するのみでハロゲン化炭化水素
分解して無害化を達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解反応を利用して安
定性の高いハロゲン化炭化水素、例えばフッ素化炭化水
素、塩素化炭化水素等を分解するための方法及び装置に
関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】ハロゲン化炭化水素(商品
名フロン、以下フロンともいう)は毒性が低くドライク
リーニングや電子部品の洗浄用や、冷媒あるいは溶剤と
して極めて有効である反面、大部分のフロンは大気に放
出され成層圏に達すると強い紫外線により分解し、オゾ
ン層を連鎖的に分解しオゾン層を破壊する。オゾン層が
破壊されると該オゾン層の紫外線吸収能力が低下して地
上の紫外線が増加して人体に悪影響を及ぼすことにな
る。フロンを大気中への放出することがなければこのよ
うな事態は発生しないが、積極的な大気中への放出を抑
制しても実際上蒸発や漏洩によって前記フロンは大気中
へ放出されて結果的に前記悪影響が生ずることになり、
全地球的な環境問題として注目されている。従って連鎖
的なオゾン層破壊を引き起こす一部フロンの西暦2000年
をめどにした使用禁止が提案され、代替物質の開発が急
務とされている。この代替物質の開発と同時に有害なフ
ロンの廃棄の検討されているが、フロンをそのまま廃棄
すると前述の通りオゾン層の破壊等に繋がるため現在使
用されているフロンの分解等により無害化するための方
法が要請されている。しかしフロンつまりハロゲン化炭
化水素は安定な炭素−ハロゲン結合を有しこの結合を開
裂させるために大きなエネルギが必要となり、フロンの
分解は現在のところ次の4種類の方法などが提案されて
いる。
【0003】 プラズマ分解法 この方法は摂氏10,000℃以上の高周波プラズマ中でフロ
ンガスと水を反応させて分解する方法であり、設備及び
設備投資金額が大きくなり、更にフロン濃度が3%程度
の希薄ガスでないと分解できないという欠点を有してい
る。 超臨界圧水分解法 この方法は水の臨界点(374 ℃、218 気圧)以上で水に
よりフロンを加水分解する方法であり、設備及び設備投
資金額が大きくなるだけでなく、液状フロンの分解には
適しているが、大多数のフロンが含まれるガス状フロン
の分解には適用できないという欠点がある。 燃焼法 この方法は燃料とともにフロンを高圧燃焼室に送り、燃
焼時の発熱反応を利用して燃焼分解する方法であるが、
設備及び設備投資金額が大きくなるだけでなく大量の燃
料を必要とするため、処理コストが高くなりすぎるとい
う欠点がある。 触媒分解法 この方法は触媒を充填した容器を500 ℃程度の温度に加
熱し、フロンガスを通して分解する方法であり、設備は
さほど大型化しない反面、加熱装置が必要で、触媒が劣
化するため耐久性の点で問題があり、更に希薄ガスの分
解には適しているが高濃度のフロンガスの分解には適さ
ないという欠点がある。更に上記各方法ではフロン自体
を分解しても廃ガス中にハロゲンガスが含まれ、更に該
ハロゲンガスの処理が必要になることがあるという欠点
がある。
【0004】
【発明の目的】本発明は、簡単な設備で高温加熱等を必
要とせずにハロゲン化炭化水素(フロン)を分解できる
方法及び分解装置を提供することを目的とする。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明は、ハロゲン化
炭化水素を電解槽に供給し該電解槽の電極に接触させて
電気化学的に分解する方法及びガス状ハロゲン化炭化水
素の分解に適用できる分解用装置である。
【0006】以下本発明を詳細に説明する。本発明方法
及び装置は、ハロゲン化炭化水素(フロン)の炭素−ハ
ロゲン結合の開裂を、従来の高温及び比較的大型の装置
を必要とするプラズマ分解法、加水分解法、燃焼法及び
触媒分解法とは異なり、電気化学的エネルギを使用して
温和な条件下で行うことを可能にしたことを特徴として
いる。本発明の対象とするフロンは特に限定されずハロ
ゲン化炭化水素全般を含む。該ハロゲン化炭化水素は、
炭化水素の水素の全部がハロゲンで置換された過ハロゲ
ン化炭化水素でも、炭化水素の水素の一部がハロゲンで
置換され炭素に結合した水素が存在するハロゲン化炭化
水素のいずれでもよい。又置換するハロゲン原子も限定
されずフッ素、塩素、臭素及びヨウ素の全てのハロゲン
原子を含む。
【0007】フロンは通常−40〜50℃程度の広い範囲の
沸点を有するハロゲン化炭化水素であり、液状フロンと
ガス状フロンでは電気化学的分解の手法に差異が生ず
る。つまり一般に電解反応は電解液に溶解した電解質が
電極に接触することにより生ずるため、電解液と混合し
やすい液状物質は容易に電気化学的処理を行うことがで
きるのに対し、電解液に溶解しにくいガス状物質や電解
液と混合しにくい液状物質は電気化学的処理は行うこと
が困難になる。混合しにくい液状物質の混合を促進する
ために電解液の種類を代えることは可能であるが、使用
する電解液は電気化学的に安定である、副反応を生じさ
せないといった条件を満足する液状物質から選択するこ
とが必要である。
【0008】従って本発明により、フロンの電気化学的
分解を行うに際しても、電解液の種類、電極の材質等を
考慮する必要があり、フロンを電解槽内の電極と接触さ
せるためには、次に例示する4種類の手法を採用するこ
とができる。 液状フロン及びガス状フロンを溶解することがで
き、かつ電気化学的に安定な液状物質を電解液として使
用し、フロンを溶解又は混合した電解液を電解槽に供給
する。 液状フロン又はガス状フロンを電解液中に分散さ
せ、空間率の高い例えば繊維状炭素から成る電極に前記
分散状態のままで接触させる。 液状フロンをそのまま電解槽に供給する。 分解すべきフロンを空間率の大きい例えば繊維状炭
素や活性炭等が収容され電解液が満たされていない電解
槽に供給して前記フロンを前記電極に吸収又は吸着させ
た後、電解槽を電解で満たし、そのまま電解を行う。
【0009】第1〜第4のいずれの手法を採用するかに
より電解槽の好ましい構造特に電極の構成や使用する電
解液の種類が変化する。第1の手法を採用する場合に
は、フロンを溶解できかつ電気化学的に安定な液状物質
を電解液として使用することが必要であり、具体的にこ
の要件を満足する物質としてはN−メチル−2−ピロリ
ドン及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が
ある。このN−メチル−2−ピロリドン等は水や水酸化
アルカリ水溶液等で希釈して20〜80%程度の水溶液とし
て使用することが望ましい。このN−メチル−2−ピロ
リドン水溶液に溶解したフロンは均一に該水溶液中に溶
解しているため、電極の形状にかかわらず該電極に十分
に接触して分解される。
【0010】前記第2の手法を採用する場合には、ガス
状フロンと電極表面との接触効率が悪くなるため前記ガ
ス状フロンの電解液中への分散を促進し更に電極表面積
を増大させることにより、接触効率つまりフロンの分解
効率を高める必要がある。そのためには例えば電極と接
触させる前に電解液中にフロンを高分散させるための手
段を講じたり、あるいは繊維状あるいは粉状等の形状の
電極を使用したりすることができる。前記第3の手法の
場合には、液状フロンが水酸化ナトリウム水溶液等の電
解液と混合されずに分離した状態で存在し、電極に接触
し吸収又は吸着されたフロンのみが分解されるため、電
極は多孔質の表面積の大きい電極とすることが望まし
い。前記第4の手法の場合には電解開始前にフロンが電
極に接触しているため、空間率の高い電極材料を使用す
ること以外に特別考慮する必要はない。
【0011】炭素−ハロゲン結合の開裂は通常還元的に
起こり、その結果遊離のハロゲンイオン、炭酸ガス、炭
化水素ガス、一部のハロゲンが水素に置換されたハロゲ
ン化炭化水素(例えばCCl2F2からCHClF2が生成する)、
一酸化炭素及び未反応の水素が生ずる。従ってフロンを
含む電解液は電解槽の陰極室へ供給して前記フロンを陰
極表面に接触させて前記炭素−ハロゲン結合を還元的に
開裂させる。使用する陰極の形状は前述の第1の手法を
採用する場合には特に限定されないが、第2〜第4の手
法を採用する場合には表面積が大きくなるような形状と
する。又陰極の材質は特に限定されず、通常の電解反応
で陰極として使用され、電解により発生するハロゲンに
対する耐性を有する任意の材質から選択することができ
るが、繊維状炭素や活性炭のような炭素材を使用するこ
とが望ましい。これは炭素材は貴金属等の他の電極材料
より安価でかつ表面積が大きく、更に前述の第1〜第4
のいずれの手法においても使用することができ、分解す
べきフロンの種類により交換する必要がないからであ
る。炭素材の他に使用できる陰極の材質としては、前記
第1の手法の場合にはステンレス、ニッケル、貴金属酸
化物被覆チタン材(DSE)等があり、前記第2〜第4
の手法の場合には陰極材は導電性がありかつフロンの吸
収又は吸着能を有しなければならず炭素材が最良である
が、導電性材料にフロン吸収又は吸着能のあるゼオライ
ト等を担持させた多孔質材料を使用することも可能であ
る。
【0012】前記フロン分解は通常の条件の陽極表面で
は生じないため、陽極の形状や材質は特に限定されず、
白金めっきチタン材、貴金属酸化物被覆チタン材(DS
E)及び二酸化鉛被覆チタン材等の任意の材質を有し、
板状、多孔状等の任意の形状のものを使用することがで
きる。しかし条件設定により前記フロン分解を陽極表面
で酸化的に行うことも可能であり、表面積増加等の検討
により分解効率の向上を図ることができる。このような
陽極及び陰極はそれぞれ陽極室及び陰極室に収容されて
電解槽を構成する。電解槽の構造や形状も特に限定され
ず、通常の箱型、筒状等の任意の形状を有する、単極式
及び複極式の全ての電解槽を使用することができる。前
記陽極室及び陰極室は区画しなくてもよいが、発生する
ガスや電解液の混合を防止するため、イオン交換膜等の
酸性又はアルカリ性隔膜あるいは濾布、織布、素焼板等
の中性隔膜で区画することが好ましい。
【0013】使用する電解液は分解すべきフロンの種類
により変化するが基本的には特に制限されない。前述の
第1の手法つまりフロンを溶解できる電解液を使用する
場合には当然に該溶解能を有するN−メチル−2−ピロ
リドン等を水溶液として使用することが不可欠になる
が、第2〜第4の手法を採用する場合には電気化学的に
安定な任意の電解液を使用することができる。フロンの
分解によりハロゲンイオンが発生するが、該ハロゲンイ
オンの固定のためには一般にアルカリ性水溶液例えば水
酸化ナトリウム水溶液が使用され、塩化ナトリウム等と
して前記アルカリ性水溶液中に固定される。従って本発
明でも電解液特に通常ハロゲンイオンが発生する陰極室
の電解液つまり陰極液としてアルカリ性水溶液又はN−
メチル−2−ピロリドンのアルカリ性水溶液を使用し、
電解により発生するハロゲンイオンをハロゲン化アルカ
リとして電解液中に固定しガスとして放散されることを
防止することが望ましい。なお通常陽極室ではハロゲン
イオンは発生しないが、隔膜として濾布等の多孔質膜を
使用すると陰極室で生成するハロゲンイオンが該隔膜を
透過して陽極室に浸透しハロゲンガスが発生することが
あり、これを防止するためにはハロゲンイオンの透過を
抑制できる陽イオン交換膜を隔膜として使用することが
望ましい。
【0014】他の電解条件については次のような範囲に
設定することができる。 電解温度:室温で十分であるが、加熱下で行っても
よい。 電流濃度:1.0 A/リットル以上 ガス流量:100 ミリリットル/分以下が望ましく、
これを越えるとフロンガスが十分に陰極に接触せずに分
解効率が低下することがある。 循環液量:100 ミリリットル/分以上が望ましく、
この値を下回ると、生成ガス等が電解槽内に蓄積されて
電圧が過度に上昇することがある。
【0015】次に本発明のフロン分解用電解槽の一例を
添付図面に基づいて説明するが、本発明に使用されある
いは本発明に係わる電解槽は添付図面に示す電解槽に限
定されるものではない。図1は、本発明に係わるフロン
分解用電解槽の一例を示す縦断面図であり、この電解槽
は液状フロン又はガス状フロンを電解液中に分散させ、
空間率の高い例えば繊維状炭素から成る電極に前記分散
状態のままで接触させるための単極式電解槽である。
【0016】電解槽本体1は陰極室2と陽極室3とによ
り構成され、両極室2、3は額縁状の3枚のガスケット
4に挟まれたシート状の2枚のイオン交換膜や織布であ
る隔膜5により区画されている。陰極室2の側壁6下部
にはフロンガス供給口7が設置され、陰極室2内の前記
側壁6に接するように内部に前記供給口から供給される
ガスが縦方向に分散するための空間が形成された額縁状
のスペーサ8が設置されている。該スペーサ8の内方に
は前記供給ガスを陰極室2内の電解液中に分散させるた
めの分散体9が収容され、該分散体9は繊維状炭素材で
ある陰極10と該陰極10へ給電するための集電体11を介し
て接触している。又陰極室底板12には陰極液供給口13
が、又陰極室天板14には気液混合物の取出口15がそれぞ
れ形成されている。陽極室3内には集電体16に接続され
た寸法安定性電極等の多孔質陽極17が設置され、かつ陽
極室側壁18には陽極液供給口19が、又陽極室天板20には
気液混合物取出口21がそれぞれ形成されている。
【0017】この電解槽を使用してガス状フロンを分解
するには、陰極室2にフロンガス供給口7から純フロン
ガス又は希釈フロンガスを、又水酸化ナトリウム水溶液
等の電解液を陰極液供給口13からそれぞれ供給し、更に
陽極室3に陽極液供給口19から陽極液を供給する。前記
陰極液供給口13から供給された陰極液は前記スペーサ8
内の空間を満たし、分散体9内及び陰極10内に浸透し、
陽極液は陽極室3内に満たされる。陰極室2に供給され
た前記フロンガスは分散体9内に浸透して該分散体9内
に存在する陽極液中に分散し、分散状態のまま集電体11
から陰極10方向に移動して高表面積の該陰極10に接触し
て水電解により発生する水素ガスにより前記フロンガス
の炭素−ハロゲン結合が還元的に開裂して炭素は炭酸ガ
ス及び炭化水素ガス等にハロゲンはハロゲンイオンに変
換される。陰極液中に水酸化アルカリが含まれていると
生ずるハロゲンイオンはハロゲン化アルカリとして炭酸
ガスは炭酸アルカリとして陰極液中に固定される。この
陰極液は電解により生ずる水素ガスや炭化水素ガス等と
ともに気液混合状態で気液混合物取出口15から取り出さ
れる。取り出された陰極液中にフロンガスが残存する場
合は、必要に応じて気液分離した後、再度陰極室に供給
してフロンガスの分解を継続することができる。
【0018】
【実施例】次に本発明によるフロンの分解を実施例によ
り更に詳細に説明するが、該実施例は本発明を限定する
ものではない。実施例1a 縦12.5cm、横8.0 cm、幅13.5cm(有効容量は、1
2.0cm×8.0 cm×13.5cm)の箱型電解槽を、中性
濾布とポリ塩化ビニル製パンチプレートで両側から支持
した隔膜で陰極室と陽極室とに二分し、陰極室内には、
ガス供給口側から、多孔質分散体、集電体、繊維状炭素
材から成る陰極の順にそれぞれが密着するように接続
し、陽極室には集電体に接続された寸法安定性電極(D
SA)を設置した。電解液は、市販の試薬特級品の水酸
化ナトリウムと水酸化カルシウムをそれぞれ80g/リッ
トル、20g/リットルの濃度となるように3.0 リットル
の純水に溶解させたものを使用した。この電解液の塩素
イオン及びフッ素イオン濃度はそれぞれ3ppm及び0
ppmであった。
【0019】この電解槽の陰極室に、4.8 リットルの純
フロン−12ガス(ジクロルジフルオロメタン、CCl2F2
を74cc/分の流量で供用し、6.0 Aの電流を65分間通
電し(通電量6.5 AH、電流濃度1.35AH/リットル)
ながら陰極室から回収したガスしたところ、回収ガス量
は8.30リットル(フロンガス量2.407 リットル)であ
り、ガス分析した結果は表1に示すように、回収ガス中
のフロン濃度は29.0%であり、フロンガスが分解されて
いることが判った(フロンガス分解量2.393 リットル、
フロンガス分解率49.9%)。通電終了時の電解液中の塩
素イオン及びフッ素イオン濃度はそれぞれ50ppm及び
9ppmであり、通電開始時より増加していた。この増
加分はフロンの分解による塩素及びフッ素であり、これ
らが電解液中に固定されていることがこのことからも証
明された。通電終了後の電解液を濾過し、回収された沈
澱物を乾燥後X線回折装置で定性分析したところ、炭酸
カルシウムのピークが確認できた。これは前記フロン中
の炭素が炭酸ガスとして分解され電解液中の前記水酸化
カルシウム(又はカルシウムイオン)と反応して固定さ
れていることを示している。
【0020】実施例1b フロンガスとして純フロン−22ガス(クロルジフルオロ
メタン、CHClF2)を62cc/分の流量で供用し、通電量
を7.8 AH(電流濃度1.63AH/リットル)、電解時間
を78分としたこと以外は実施例1aと同様の電解槽と電
解条件でフロン分解を行ったところ、回収ガス量は9.00
リットルであり、ガス分析した結果は表1に示すよう
に、回収ガス中のフロン濃度は29.3%(フロンガス量2.
637 リットル)であり、フロンガス分解量は2.163 リッ
トル、フロンガス分解率は45.1%であることが判った。
【0021】実施例2 実施例1aと同じ電解槽及び電解液を使用し、アルゴン
ガスで9.2 %に希釈された2.0 リットルのフロン−12ガ
スの分解を行った。該稀釈フロンガスを13cc/分の流
量で供用し、6.0 Aの電流を156 分間通電し(通電量1
5.6AH、電流濃度15.6AH/リットル)ながら陰極室
から回収し気液分離した後、更に2回(計3回)電解槽
に供給してフロンガス分解を行ったところ、回収ガス量
は9.0 リットルであり、ガス分析した結果は表1に示す
ように、回収ガス中のフロン濃度は0.0 %であり検出さ
れなかった。この結果、稀釈されたフロン−12ガスは3
回電解槽を通すことにより分解率100 %で分解されるこ
とが判った。
【0022】実施例3 繊維状炭素材の代わりに活性炭を使用したこと以外は実
施例1aと同一の電解槽を使用し、陰極液として40g/
リットルの濃度の水酸化ナトリウムとN−メチル−2−
ピロリドンを1:1の比率で混合した溶液3.0 リットル
を、又陽極液として80g/リットルの濃度の水酸化ナト
リウム水溶液と20g/リットルの濃度の水酸化カルシウ
ム水溶液の混合溶液3.0 リットルを使用した。純フロン
−12ガス0.96リットルを予め電解槽内の前記活性炭に吸
収又は吸着させた後、6.0 Aの電流を30分間通電し(通
電量3.0 AH、電流濃度3.13AH/リットル)ながら陰
極室からガス回収を行ったところ回収ガス量は1.6 リッ
トルであり、ガス分析した結果は表1に示すように、回
収ガス中のフロン濃度は17.8%であった。又30分経過後
に陰極室から回収されたガス中にはフロンガスは検出さ
れなかった。
【0023】実施例4 実施例3と同じ電解槽及び電解液を使用して、純フロン
−12ガス0.86リットルを予め陰極液0.3 リットルに吸収
又は吸着させた後、3.0 Aの電流を30分間通電し(通電
量1.5 AH、電流濃度1.74AH/リットル)ながら陰極
室からガス回収を行った(実施例4a)ところ回収ガス
量は0.6 リットルであり、ガス分析した結果は表1に示
す通りであり、回収ガス中のフロン濃度は30.7%であっ
た。引続き同一条件で30分間通電し(通電量1.5 AH、
電流濃度3.48AH/リットル)ながら陰極室からガス回
収を行ったところ(実施例4b)回収ガス量は0.5リッ
トルであり、ガス分析した結果回収ガス中のフロン濃度
は1.3 %であった。そして60分経過後は陰極室から回収
されたガス中にはフロンガスは検出されなかった。
【0024】
【発明の効果】本発明は、ハロゲン化炭化水素(フロ
ン)を電解槽に供給し該電解槽の電極特に陰極に接触さ
せて電気化学的に分解する方法である(請求項1)。本
発明方法は、前記フロンを電極特に陰極に接触させて還
元的に分解し、電気化学的エネルギにより前記フロンの
炭素−ハロゲン結合の開裂を行うようにしているため、
従来の燃焼法等と異なって大型の設備を必要とすること
なく、かつ加熱や加圧等の装置や高価な触媒を使用する
ことなく、比較的簡単でコンパクト化することが可能な
電解槽を使用するのみで前記フロンを分解して無害化を
達成することができる。更に前述の通りフロンは電極に
接触することにより分解されるため、従来のフロンの分
解方法と異なりその濃度に無関係に分解を行うことがで
き、前処理としてのフロンの濃縮や稀釈の工程が不要と
なる。
【0025】フロンの分解効率は各種電解条件に依存す
るが、電解槽から取り出された回収ガスを再度電解槽に
供給して電解操作を繰り返すことにより回収ガス中のフ
ロン濃度をほぼ零にしてフロンを実質的に全て分解する
ことが可能になる。従ってこの回収ガスをそのまま大気
中に放出しても環境問題が生ずることがない。一般的に
フロンは通常若干の導電性物質を水である電解液に溶解
しないため、前記フロンが電極に接触して分解されるこ
とは困難なことが多い。本発明では水と混合できる有機
溶媒例えばN−メチル−2−ピロリドンとアルカリ性水
溶液等の混合液を電解液とし、この電解液に液状又はガ
ス状のフロンを電解液に溶解させて電解槽に供給するよ
う構成することができる(請求項2)。このようにフロ
ンを溶解できる電解液を使用することにより、水に溶け
ないフロンの電解を通常の電解反応と同じように行うこ
とができるようになり、表面積の大きい多孔質電極を使
用しなくとも十分にフロンの分解を行うことが可能にな
る。
【0026】又本発明方法は、液状フロンを電解液に溶
解させずに電解槽に供給するように構成することもでき
る(請求項3)。該液状フロンは通常の電解液とは混合
しないため、該電解液と懸濁し電極に接触する機会はさ
ほど大きくならないがフロンの部分的な分解が生ずる。
更に本発明方法は、ガス状フロンを電解槽に供給し電解
液に分散させた状態で前記電解槽内の電極特に多孔質の
陰極に接触させて分解するようにしてもよい(請求項
4)。電解槽内にガス状フロンを電解液に分散させる手
段を設置することにより円滑に前記フロンを電極に接触
させて分解を行わせることができる。
【0027】又本発明方法は、電解液が満たされていな
い電解槽の多孔質電極にフロンを接触させて吸収又は吸
着させた後、電解液を満たし通電することにより前記フ
ロンの分解を行うこともできる(請求項5)。この方法
では通電前にフロンが電極に接触しているため、フロン
と電解液との親和力が小さいことが問題にならず、極め
て円滑にフロンの分解を達成することができる。本発明
方法では、フロンの分解によりハロゲンイオンと炭酸ガ
スが生ずることが多い。電解液として水酸化ナトリウム
や水酸化カルシウム等のアルカリ性溶液を使用すると
(請求項6)、ハロゲン化アルカリや炭酸アルカリとし
て固定されるため、より好ましい。
【0028】本発明方法では電極特に陰極として炭素材
料を使用することが好ましい(請求項7)。これは炭素
材料は安価でかつ表面積が大きく、かつ導電性がありか
つフロンの吸収又は吸着能を有するからである。又本発
明装置は、隔膜で区画された陰極室及び陽極室を含んで
成り、該陰極室内にガス状フロンを電解液中に分散させ
るための分散体及び該電解液中に分散された前記フロン
を分解するための多孔質陰極を有することを特徴とする
フロンの分解用装置である(請求項8)。この装置は比
較的簡単な構造を有し、広い範囲の濃度のフロンを分解
して無害化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるフロン分解用電解槽の一例を示
す縦断面図
【符号の説明】
1・・・電解槽本体 2・・・陰極室 3・・・陽極室
5・・・隔膜 7・・・フロンガス供給口 8・・・
スペーサ 9・・・分散体 10・・・陰極 11・・・集
電体 13・・・陰極液供給口 17・・・陽極 19・・・
陽極液供給口
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化炭化水素を電解槽に供給し該
    電解槽の電極に接触させて電気化学的に分解する方法。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化炭化水素を電解液に溶解させ
    て電解槽に供給する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 液状ハロゲン化炭化水素を電解液に溶解
    させずに電解槽に供給する請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 ガス状ハロゲン化炭化水素を電解槽に供
    給し電解液に分散させた状態で前記電解槽内の電極と接
    触させるようにした請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 電極が多孔質電極であり、ハロゲン化炭
    化水素を該電極に吸収又は吸着させた後に通電を行うよ
    うにした請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 電解液がアルカリ性溶液である請求項1
    から5までのいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 炭素材から成る電極を使用する請求項1
    から6までのいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 隔膜で区画された陰極室及び陽極室を含
    んで成り、該陰極室内にガス状ハロゲン化炭化水素を電
    解液中に分散させるための分散体及び該電解液中に分散
    された前記ハロゲン化炭化水素を分解するための多孔質
    陰極を有することを特徴とするハロゲン化炭化水素の分
    解用装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000047308A1 (fr) * 1999-02-10 2000-08-17 Ebara Corporation Procede et dispositif de traitement de gaz par electrolyse hydrothermique

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000047308A1 (fr) * 1999-02-10 2000-08-17 Ebara Corporation Procede et dispositif de traitement de gaz par electrolyse hydrothermique
US6585882B1 (en) 1999-02-10 2003-07-01 Ebara Corporation Method and apparatus for treatment of gas by hydrothermal electrolysis

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