JPH0521968A - 遮蔽ケーブルホルダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 遮蔽層を接地させる遮蔽ケーブルホルダに関
し、ケーブル径に無関係に、且つ、容易に保持固定接地
が行え、遮蔽ケーブルの交換も簡単に行える遮蔽ケーブ
ルホルダを提供することを目的とする。 【構成】 面の一部を開口させて四角Ｃ字形断面を有
し、その背面を接地された装置構造体に固定させる、金
具又は合成樹脂成型品からなる固定導通部材１と、固定
導通部材１の懐部を満たすように納置され、凹字形断面
の弾性導電材からなる押圧導通部材２とから構成した
り、押圧導通部材を、非導電弾性材の押圧部材を芯に、
その表面に導体層を形成させたものとしたり、更に、押
圧導通部材２の凹部21の背面に沿って押圧を加える板ば
ね３を、固定導通部材１との間に配設させるように構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は遮蔽層を接地させる遮蔽
ケーブルホルダに関する。近年、電子装置は小形化、高
性能化が著しく、架筐体には高密度実装が行われてい
る。

【０００２】従って、装置の高密度実装に伴い架筐体に
導入される外部配線の数が増加の傾向にあり、架筐体の
導入部の近くのケーブルホルダは全数の外部配線を保持
しなければならず、内部の布線先部の位置のケーブルホ
ルダでは少数を保持することになり、何れの場合でも同
様に上手く保持できることが要望される。

【０００３】高性能化に伴い架筐体には多数の遮蔽ケー
ブルが使用され、高密度実装化に伴い配線ケーブルの数
が増加の傾向にあり、これらのケーブルを簡単確実且つ
省スペースで保持固定することが要望されており、更
に、遮蔽ケーブルにあっては単に保持だけで無く、遮蔽
層を接地させることも要求される。

【０００４】

【従来の技術】図３に従来の一例の遮蔽ケーブルホルダ
を示す。従来の一例の遮蔽ケーブルホルダは図３に示す
如くで、遮蔽ケーブル９の保持固定と接地とを兼ねて、
短冊状金属片の中央部をＵ字形に突き出て成形した保持
金具25を用い、Ｕ字形成形部に遮蔽層91を露出させたケ
ーブル９を納め、両端を筐体等の接地された構造体面に
ねじ止めすることにより、ケーブル９を適度に押圧して
遮蔽層91の導通接地と保持固定とを一緒に行うホルダで
ある。

【０００５】従って、遮蔽ケーブル９の遮蔽層91の太さ
に合致したＵ字形成形部を有し、太さが異なれば別のＵ
字形寸法のホルダを使用する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、 装
置の小形化と共に、整線スペースも小さく要求され、従
って、使用する線材を規制し、その遮蔽ケーブル９に見
合った保持金具25を用いて、押さえ込み、挟み込みを行
っていた。 しかし、遮蔽ケーブル９の太さのばらつ
きや、規制外の遮蔽ケーブルを使用する場合が多々有
り、細い場合には銅テープを補足巻きし、太い場合には
保持金具25のＵ字成形部を太さに合わせてリフォームす
る、等の作業を加えて処置していた。 尚、装置の高
密度実装により、増設や変更の頻度が増え、遮蔽ケーブ
ル９の取替変更や、追加布線等を行うのに、一々固定ね
じを取り外して保持金具25を外さないと遮蔽ケーブル９
が取り出せず、又、新遮蔽ケーブル９の保持にも工数を
要する。 以上から改良の要望が出されていた。等の
問題点があった。

【０００７】本発明は、かかる問題点に鑑みて、ケーブ
ル径に無関係に、且つ、容易に保持固定接地が行え、遮
蔽ケーブルの交換も簡単に行える遮蔽ケーブルホルダを
提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的は、図１及び図
２に示す如く、 面の一部を開口させて四角Ｃ字形断
面を有し、その背面を接地された装置構造体に固定させ
る、金具又は合成樹脂成型品からなる固定導通部材１
と、固定導通部材１の懐部を満たすように納置され、凹
字形断面の弾性導電材からなる押圧導通部材２とから成
る、本発明の遮蔽ケーブルホルダにより達成される。
又、押圧導通部材22が、非導電弾性材の押圧部材23を
芯に、その表面に導体層24を形成させて成る、前記遮蔽
ケーブルホルダによっても適えられる。 更に、押圧
導通部材2,22の凹部21の背面に沿って押圧を加える板ば
ね３を、固定導通部材(1) との間に配設させる、前記遮
蔽ケーブルホルダによっても達成される。

【０００９】

【作用】即ち、遮蔽層91を露出させた遮蔽ケーブル９の
露出部分を、固定導通部材１の開口に押し当て、押し込
めば、押圧導通部材2,22の凹部21に留まり、固定導通部
材１の対向内面に適度に弾性的に押圧して遮蔽ケーブル
９が保持される。

【００１０】又、遮蔽層91は、押圧導通部材2,22と固定
導通部材１とに接触導通し、押圧導通部材2,22は更に固
定導通部材１に導通しており、その固定導通部材１が接
地された装置構造体に固定してあり、接地される。

【００１１】尚、遮蔽ケーブル９を保持する押圧導通部
材2,22は、遮蔽層91の太さに応じて弾性的に変形して適
度に押圧して保持することができるので、遮蔽ケーブル
９の所定範囲の太さに対しては、部材を変えることな
く、その儘太さに無関係に弾性的に良好な保持が行え
る。

【００１２】更に、保持した遮蔽ケーブル９の取替は、
その儘遮蔽ケーブル９を開口方向に保持弾性力に抗して
引出すだけで、簡単に取り出しでき、そのまま遮蔽層91
を露出させた新遮蔽ケーブル９を開口から押入れ、押圧
導通部材2,22の凹部21にて保持させるだけで完了する。

【００１３】尚、板ばね３を追加することにより、適用
遮蔽ケーブル９の太さの範囲をより広くすることが出来
たり、押圧導通部材2,22の弾性を抑えて造り易くする効
果も得られる。

【００１４】又、押圧導通部材は、例えば導電性ゴム材
により成形する押圧導通部材２と、弾性部材と導通部材
とを別材料とした押圧導通部材22とがあり、後者の方が
導電性を高め、弾性力も自由に選べる利点があるが、前
者は任意形状が得られ将来廉価になると考えられる。

【００１５】かくして、本発明により、ケーブル径に無
関係に、且つ、容易に保持固定接地が行え、遮蔽ケーブ
ルの交換も簡単に行える遮蔽ケーブルホルダを提供する
ことが可能となる。

【００１６】

【実施例】以下図面に示す実施例によって本発明を具体
的に説明する。全図を通し同一符号は同一対象物を示
す。図１に本発明の一実施例を示し、(a) は構成図、
(b) は使用状態の正面図、図２は本発明の他の実施例の
押圧導通部材である。

【００１７】本実施例は電子装置の内部配線に適用した
もので、遮蔽層91の直径が５〜12mmφの遮蔽ケーブル９
に共通に使用できるケーブルホルダである。一実施例
は、図１に示すように、固定導通部材１と、その懐部に
納置された押圧導通部材２と、間に配設した板ばね３と
から構成される。

【００１８】固定導通部材１は、四角形のＣ字形金具
（外形22×22×長30mm）で開口幅は13mmの厚1.2 mmの鉄
板を成形したもので、開口面の背面には中心に２個のタ
ップ孔12が穿設してあり、一端面には湾曲部13を設けて
ある。

【００１９】押圧導通部材２は、導電性を有するシリコ
ンゴム材で略凹字形断面の棒体を長さ30mmに切断したも
ので、前記固定導通部材１の懐部に固着せずに内面に摺
接する状態に納置させる。この時凹部21は前記固定導通
部材１に設けた湾曲部13と対向する位置に設ける。

【００２０】板ばね３は、ステンレス薄板を成形した片
持ちばねで固定導通部材１の懐部奥面に一縁を溶着さ
せ、押圧導通部材２の背面から弾性力を凹部21位置に最
も強く作用する様に設けてある。

【００２１】このケーブルホルダの使用状態は図１の
(b) に示す如くである。先ず、接地された装置構造体に
背面から固定ねじをタップ孔12に螺入させて、固定導通
部材１を固定する。

【００２２】次に、遮蔽ケーブル９の布線を行い、遮蔽
ケーブルホルダに保持させる部位の被覆を剥ぎ、遮蔽層
91を露出させる。露出した遮蔽層91をホルダの開口に当
て、押圧導通部材２の凹部21及び固定導通部材１の湾曲
部13まで押し込めば、押圧導通部材２自体の変形反撥力
と板ばね３の弾性反力とが作用して、遮蔽ケーブル９は
所定に弾性的に保持固定される。

【００２３】この際、遮蔽ケーブル９の遮蔽層91が細い
場合には、図１の(b) の右図のように、板ばね３は殆ど
変形せず押圧導通部材２の変形のみで保持しており、太
く成るにつれ板ばね３も変形して強い保持力で保持する
ようになり、遮蔽層91の太さは５〜12mmφの範囲であれ
ば、何ら遮蔽ケーブル９及び遮蔽ケーブルホルダには手
を加えることなく、その儘確実に保持固定できる。

【００２４】ここで、導電性ゴム材は試作装置に対して
十分な高導電性には至らなかったので、他の実施例とし
て、図２に示すように、普通の絶縁性のゴム材で成形し
た押圧部材23と、その表面に導体層24を別材にて形成さ
せて押圧導通部材22を構成させた。

【００２５】この導体層24は、長い棒状の押圧部材23を
芯としてこれに銅細線の編組を掛けて包み込んだもの
で、出来上がった棒状品を30mm長に切断して押圧導通部
材22が得られる。この際、切断端部で編組線がほつれな
いように固着状態を呈し、且つ弾性変形に支障のないよ
うにする必要がある。

【００２６】上記実施例は一例を示したもので、各部の
形状、寸法、材料は上記のものに限定するものではな
い。尚、湾曲部13はより安定に保持する効果が有るが、
細径のケーブル用に対しては無くても差支えない。

【００２７】又、遮蔽ケーブル９の太さの範囲が1.5 倍
程度以下と少ない場合には、板ばね３を無くし、押圧導
通部材2,22のみで十分に信頼性のある保持が可能であ
る。固定導通部材１は、金具以外に合成樹脂モールド成
型品を用い、その表面に導電層を被着させたものでも良
い。

【００２８】又、押圧導電部材22における導体層24の形
成は、金属細線編組に限らず、金属箔の接着や、導体粒
の塗着によっても差支えない。

【００２９】

【発明の効果】以上の如く、本発明の遮蔽ケーブルホル
ダにより、ケーブル径に無関係に、且つ、容易に保持固
定接地が行え、遮蔽ケーブルの交換も簡単に行える遮蔽
ケーブルホルダが得られ、実用的効果は大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例 (a) 構成図 (b) 使用状態の正面図

【図２】 本発明の他の実施例の押圧導通部材

【図３】 従来の一例の遮蔽ケーブルホルダ

【符号の説明】

１ 固定導通部材 2,22 押圧導通部材 ３
板ばね ９ 遮蔽ケーブル 12 タップ孔 13
湾曲部 21 凹部 23 押圧部材 24
導体層 25 保持金具 91 遮蔽層

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 面の一部を開口させて四角Ｃ字形断面を
   有し、その背面を接地された装置構造体に固定させる、
   金具又は合成樹脂成型品からなる固定導通部材(1) と、 該固定導通部材(1) の懐部を満たすように納置され、凹
   字形断面の弾性導電材からなる押圧導通部材(2) とから
   成ることを特徴とする遮蔽ケーブルホルダ。
2. 【請求項２】 押圧導通部材(22)が、非導電弾性材の押
   圧部材(23)を芯に、その表面に導体層(24)を形成させて
   成ることを特徴とする、請求項１記載の遮蔽ケーブルホ
   ルダ。
3. 【請求項３】 押圧導通部材(2,22)の凹部(21)の背面に
   沿って押圧を加える板ばね(3) を、固定導通部材(1) と
   の間に配設させることを特徴とする、請求項１及び請求
   項２記載の遮蔽ケーブルホルダ。