JPH052174U - 模擬運転装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一台でマニュアル変速とオートマチック変速
などの複数の種類の変速装置による運転シミュレーショ
ンが可能な模擬運転装置を提供する。 【構成】 模擬運転台と、この模擬運転台の前面に設け
られたディスプレ−装置と、前記模擬運転台の操作に基
づき前記ディスプレ−装置に必要なシミュレーション画
面を表示せしめる画像制御装置とを備えた模擬運転装置
において、前記模擬運転台には複数の種類の変速装置
６，１６を設けると共に、前記画像制御装置７は前記複
数の種類の変速装置６，１６に合わせたシミュレーショ
ン画面を前記ディスプレ−装置１０に表示させる機能を
備え、かつ、前記変速装置６，１６の種類を選択する切
換スイッチ１４を前記模擬運転台に設けたことを特徴と
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、シミュレーション画面により、運転技術の訓練をするための模擬運 転装置に関するものである。

【０００２】

【従来技術】

図２に従来の模擬運転装置における構成ブロック図を示す。

【０００３】 運転座席１は、実車同様の形態を有し、また、運転装置も実車のそれと同様な ものが訓練に必要な限りにおいて備えられている。 これらのうち特に重要なものは、ハンドル２、アクセルペダル３、ブレーキペ ダル４、クラッチペダル５、およびフロアシフト型のマニュアル変速用レバー６ であり、これらの操作感覚も実車に近いように設定されている。

【０００４】 また、速度計や回転計などの計器類が、実車同様ハンドル２近くのダッシュボ ードに設けられているが、図２では特に図示していない。

【０００５】 上記ハンドル２、アクセルペダル３、ブレーキペダル４、クラッチペダル５、 マニュアル変速用レバー６の操作は、可変抵抗などにより電気的変化量に変換さ れ、画像制御装置７のＣＰＵ８にインプットされる。

【０００６】 ＣＰＵ８では、上記運転練習者のハンドル操作などによる前記電気的信号の変 化を受け取り、あらかじめ入力されたマニュアル変速に関するシミュレーション プログラムに基づいて、発進、走行速度、走行進路、停止などの状態を模擬的に 計算し、この情報を同じく画像制御装置７を構成する画像装置９に送り込む。

【０００７】 画像装置９では、内部に模擬道路の風景を撮影したビデオテープが内臓されて おり、前記ＣＰＵ８からの情報に基づき、このビデオテープの再生スピードや、 画像表示範囲を決定し、ＣＲＴなどのディスプレー装置１０にて表示せしめる。

【０００８】 運転練習者はディスプレー装置１０を見ながら運転操作することにより、あた かも実車を運連しているような錯覚におちいり、臨場感あふれる訓練が可能とな る。

【０００９】 このような模擬運転装置は別に訓練監視装置１１を備えており、当該訓練監視 装置１１は、訓練操作装置１２と、モニター装置１３からなり、訓練操作装置１ ２は、ＣＰＵ８に訓練条件などについて必要な指示を与えると共に、ＣＰＵ８か ら模擬運転台の各装置の操作状態および発進、走行速度、走行進路、停止などの 状態に関する情報を受けとり、ＣＲＴによるモニター装置１３にて表示する。

【００１０】 このモニター装置１３には、画像装置９からの画像信号もインプットされてお り、当該模擬道路の風景と訓練操作装置１２から得られる各操作状態や、速度の 情報などを併せて画面表示することができ、指導員は、これらの画面をみながら 運転練習者に適格な指示を加えたり、また、当該練習者の運転能力をチェックで きるようになっている。

【００１１】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、近年、オートマチック変速の車両が増大するにつれ、自動車運 転教習所などにおいても、実技にオートマチック変速装備車の運転練習が必須と なってきているが、従来から、マニュアル変速とオートマチック変速の双方の運 転シミュレーションによる訓練が可能な模擬運転装置がなかった。

【００１２】 このため、装置の大半の構成が同じなのにもかかわらず、マニュアル変速とオ ートマチック変速用それぞれの専用模擬運転装置を用意する必要があり、大変無 駄が多かった。

【００１３】 本考案は、上記問題点を解決するため、一台でマニュアル変速とオートマチッ ク変速などの複数の種類の変速装置による運転シミュレーションが可能な模擬運 転装置を提供することを目的とするものである。

【００１４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案にかかる模擬運転装置は、 模擬運転台と、前記模擬運転台の操作に基づき前記模擬運転台の前面に設けら れたディスプレ−装置と、このディスプレ−装置に必要なシミュレーション画面 を表示せしめる画像制御装置とを備えた模擬運転装置において、 前記模擬運転台には複数の種類の変速装置を設けると共に、前記画像制御装置 は前記複数の種類の変速装置に合わせたシミュレーション画面を前記ディスプレ −装置に表示させる機能を備え、かつ、前記変速装置の種類を選択する切換スイ ッチを前記模擬運転台に設けたことを特徴とし、さらには、指導員が離れた場所 で当該訓練内容を操作し監視するための訓練監視装置を備え、前記変速装置の種 類を選択するための切換スイッチをこの訓練監視装置にも設けたことを特徴とす る。

【００１５】

【作用】

１台の模擬運転台に複数の種類の変速装置を設けると共に、前記画像制御装置 は前記複数の種類の変速装置に合わせたシミュレーション画面を前記ディスプレ −装置に表示させる機能を備えており、これらの変速装置の種類を選択する切換 スイッチを前記模擬運転台に設けたので、ワンタッチの操作で異なる変速装置の 使用が可能になる。また、さらに訓練監視装置にも上記切換スイッチを設けたの で、指導員が必要に応じてリアルタイムに変速装置の種類を選択することができ る。

【００１６】

【実施例】

以下、図面を参照して本考案にかかる模擬運転装置の一実施例を詳細に説明す るが、本考案の技術的範囲がこれによって限定されるものではないことはもちろ んである。

【００１７】 図１に、本実施例における模擬運転装置の全体のブロック構成図を示す。

【００１８】 なお、同図において図２と同じ符号を付したものは、同じ内容を示すので説明 は省略される。

【００１９】 クラッチペダル５の出力は、切換スイッチ１４ａに接続されており、これによ り画像制御装置７のＣＰＵ１５に接続され、または遮断される。また、模擬運転 台の運転座席１の横には、従来のフロアシフト型のマニュアル変速用レバー６の 他にオートマチック変速用レバー１６が設けられており、切換スイッチ１４ｂに より両者の切換が可能になっている。

【００２０】 また、画像制御装置７のＣＰＵ１５は、切換スイッチ１４ｃを介して、マニュ アル変速用のシュミレーションプログラムがメモリされた第１メモリ部１７と、 オートマチック変速用のシュミレーションプログラムがメモリされた第２メモリ 部１８に接続されている。

【００２１】 この第１メモリ部１７、第２メモリ部１８は、磁気ディスクを用いたものでも よいし、また、ＲＯＭ装置を用いたものでよい。

【００２２】 上記、切換スイッチ１４ａ，１４ｂ，１４ｃは、模擬運転台のダッシュボード に設けられたメイン切換スイッチ１４により連動して作動し、運転練習者が練習 科目に応じて随時変速装置を選択できるようになっている。

【００２３】 図１には、メイン切換スイッチ１４をオートマチック変速装置側に切換えた状 態が示してあり、切換スイッチ１４ａによりクラッチペダル５が遮断され、切換 スイッチ１４ｂによりＣＰＵ１５に入力される変速レバーがオートマチック変速 用レバー１６に切換えられ、さらに切換スイッチ１４ｃによりオートマチック変 速用シュミレーションプログラムがメモリされた第２メモリ部１８がＣＰＵ１５ に接続される。

【００２４】 このような状態において、上記ハンドル２、アクセルペダル３、ブレーキペダ ル４、オートマチック変速用レバー１６の操作が、可変抵抗などにより電気的変 化量にコンバートされ、画像制御装置７のＣＰＵ１５にインプットされる。

【００２５】 ＣＰＵ１５では、運転練習者の上記操作による前記電気的信号の変化により、 第２メモリ部１８にメモリされたオートマチック変速用のシュミレーションプロ グラムに基づいて、発進、走行速度、走行進路、停止などの状態を模擬的に計算 し、この情報を、ＣＰＵ１５と共に画像制御装置７を構成する画像装置９に送り 込む。

【００２６】 画像装置９には、従来と同じように内部に模擬道路の風景を撮影したビデオテ ープが内臓されており、前記ＣＰＵ１５からの情報に基づき、このビデオテープ の再生スピードや、画像表示範囲を決定し、ディスプレー装置１０にて表示せし める。

【００２７】 運転練習者はディスプレー装置１０を見ながら運転操作することにより、あた かもオートマチック変速装置を装備した実車を運転しているような錯覚におちい り、臨場感あふれる訓練が可能となる。

【００２８】 マニュアル変速装置による模擬運転をする場合には、前記メイン切換スイッチ １４をマニュアル変速側に切換えることにより、従来の模擬運転装置と同じマニ ュアル変速装置による操作が可能となる。

【００２９】 一方、訓練監視装置１１にもメイン切換スイッチ１４と同様のメイン切換スイ ッチ１４´が設けられており、指導員が必要に応じてマニュアル変速側とオート マチック変速側にリアルタイムで切換えることができるようになっている。

【００３０】 なお、本実施例では、フロアシフト型のマニュアル変速装置とオートマチック 変速装置の２種類のみについて操作できるようにしたが、もちろんこれ以外の変 速装置、例えばコラムシフト型の変速装置などを装備することも可能である。

【００３１】 また、メモリ部１７、１８の種類をさらに増やすことにより、同じマニュアル 変速やオートマチック変速でも、３速切換型と４速切換型のシミュレーションプ ログラムを用意し、細かな運転感覚の変化をつかめるようにすることも可能であ るし、想定した車両の積載量とエンジン排気量の違いによる異なるシミュレーシ ョンを体験させるようにすることも可能である。また、さらに、ガソリン車とデ ィーゼル車で異なるシミュレーションプログラムを装備することもできる。

【００３２】 上述のようにすれば、複数の変速装置、および異なる車種による模擬運転が、 すべて一台の模擬運転装置で可能になるので大変便利である。

【００３３】 また、ＣＰＵ１５により算出された速度や負荷値の大きさにより、異なるエン ジン音を発生させる音響設備や運転座席に振動を加える振動装置を設けるように すれば、模擬運転における臨場感をさらに増すことができ、運転練習者が実車に 乗って練習する段階になっても慌てなくて済む。

【００３４】 さらに、本実施例の画像制御装置７はＣＰＵ１５をメインとして構成したが、 実際に実機関（例えば小型のエンジンやクラッチ機構など）を搭載し、負荷を制 御しながらシミュレーションするようにすれば、ほぼ実車と同じ感覚で操作が可 能となる。

【００３５】 また、本実施例では、自動車の模擬運転装置について説明したが、本考案の技 術思想はこれに限定されるものではなく、複数種類の変速装置を有するその他の 乗物における模擬運転装置にも適用できるものである。

【００３６】

【考案の効果】 本考案にかかる模擬運転装置は、上述のように構成したので、複数種類の変速 装置を切換スイッチを切換えるだけで操作できて大変便利になり、しかも、指導 員が、手元の訓練監視装置に設けられた切換スイッチによって必要に応じて随時 使用する変速装置を切換えることができるので、一台の模擬運転装置で、よりき め細かな運転練習が可能になった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例にかかる模擬運転装置の構成
を示すブロック図である。

【図２】従来の模擬運転装置の構成を示すブロック図で
ある。

【符号の説明】

１ 運転座席 ２ ハンドル ３ アクセルペダル ４ ブレーキペダル ５ クラッチペダル ６ マニュアル変速用レバー ７ 画像制御装置 ８ ＣＰＵ ９ 画像装置 １０ ディスプレー装置 １１ 訓練監視装置 １２ 訓練操作装置 １３ モニター装置 １４，１４´ メイン切換スイッチ １５ ＣＰＵ １６ オートマチック変速用レバー １７ 第１メモリ部 １８ 第２メモリ部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 模擬運転台と、この模擬運転台の前面に
   設けられたディスプレ−装置と、前記模擬運転台の操作
   に基づき前記ディスプレ−装置に必要なシミュレーショ
   ン画面を表示せしめる画像制御装置とを備えた模擬運転
   装置において、前記模擬運転台には複数の種類の変速装
   置を設けると共に、前記画像制御装置は前記複数の種類
   の変速装置に合わせたシミュレーション画面を前記ディ
   スプレ−装置に表示させる機能を備え、かつ、前記変速
   装置の種類を選択する切換スイッチを前記模擬運転台に
   設けたことを特徴とする模擬運転装置。
2. 【請求項２】 前記模擬運転装置は、さらに、指導員が
   離れた場所で当該訓練内容を操作し監視するための訓練
   監視装置を備え、前記変速装置の種類を選択するための
   切換スイッチをこの訓練監視装置にも設けたことを特徴
   とする請求項１記載の模擬運転装置。