JPH0521708Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本案はオートリバース機能を備えたテープレコ
ーダのテープテンシヨンを測定するカセツト型テ
ープテンシヨンゲージに関する。

〔従来の技術〕

カセツト式テープレコーダはその基本メカニズ
ムとしてテープを定速で走行させるためのキヤプ
スタン装置、カセツトハブを駆動するリール軸で
定速走行、早送り、巻戻しの各動作に必要な回転
速度および回転トルクを得るためのリール台装
置、キヤプスタンによつてテープを定速走行させ
るためのピンチローラと録音、再生するための録
音へツド、消去ヘツドを搭載したスライド板を有
している。

一方、コンパクトカセツト（コンパクトカセツ
トテープ）は、一対のカセツトハーフの組合せに
よるカセツト本体内にテープを巻回した一対のハ
ブと、両ハブの上下面を抑えるシートのほかテー
プパツド、テープバスを規制するためのガイドロ
ーラその他の部品を内蔵し、テープ走行メカニズ
ムの一部を構成しているものである。

テープデツキの性能は上記デツキのテープ走行
駆動メカニズムと、コンパクトカセツトのメカニ
ズムから受けるテープ走行の安定性に左右される
ため、製品デツキのテープ駆動力、テープデツキ
とカセツトを含めたテープ走行メカニズムから受
けるテープテンシヨンの変動やその値は厳密にチ
エツクされる。従来よりカセツトテープレコーダ
のテープ巻取り力、テープ引出し力の測定用に内
外輪からなるゲージをハブとして実際のカセツト
と同様にその周上にテープを巻付けてカセツト内
に収容したトルク測定用カセツトが用いられてい
た。このトルク測定用カセツトによるときには実
際の使用状態でのトルク又はテープテンシヨンを
測定できる利点がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、従来のテープテンシヨン測定用カセ
ツトはカセツト内の一方のハブに代えてゲージが
用いられ、しかもゲージの内輪がカセツト本体に
固定されるため、オートリバース機能を備えたテ
ープレコーダでは順方向送りと逆方向送りとにつ
いて、それぞれ別個のテープテンシヨン測定用カ
セツトを用いなければならないという問題があつ
た。

本案の目的は特にオートリバース機能を備えた
テープレコーダの順方向送り、逆方向送りに共用
しうるテープテンシヨン測定用カセツトを提供す
ることにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本案によるテープテ
ンシヨン測定用カセツトにおいては、一対のゲー
ジと、テープとをカセツト本体内に有するテープ
テンシヨン測定用カセツトであつて、 ゲージは、リール軸を挿入する軸孔を開口した
内輪と、テープを巻回する外輪との組合せからな
り、内、外輪は、同心上に組合せて渦巻ばねで相
対回転可能に連結され、相対回転変位を表示する
指標及び目盛りが付され、 一対のゲージは、それぞれ内輪がカセツト本体
に固定され、テープハブとしてカセツト本体内に
設置されたものであり、 テープは、カセツト本体内の四隅に設置された
ガイドローラ及びテープデツキに備えた録音再生
ヘツドに対面させる面であるカセツト本体の正面
中央のガイドローラの対に掛け渡され、テープの
両端部は、前記正面中央の各ガイドローラより折
返してそれぞれ前記ゲージの外輪に固定されたも
のであり、 テープの一部は、カセツトデツキの第１のピン
チローラ及び第２のピンチローラを臨ませる正面
の窓孔に沿つてそれぞれ配設されたものである。

〔実施例〕

以下に本案の一実施例を図によつて説明する。

第１図、第２図において、一対のカセツトハー
フを組合せたコンパクトカセツト用のカセツト本
体１内に設置する一対のハブに代えてそれぞれ第
１および第２の内外輪の組合せからなるゲージを
設置する。カセツト本体１内にはカセツトデツキ
の録音再生ヘツド１６及び第１、第２の消去ヘツ
ド１３ａ，１３ｂなどを臨ませる窓孔を開口した
正面側の両側ガイドローラ３ａ，３ｂのほか、後
部両側とテープデツキの録音再生ヘツド１６に対
面させる正面中央とに各々一対のガイドローラ４
ａ，４ｂおよび５ａ，５ｂを設置し、１本のテー
プ６をカセツト本体１内の四隅に配置された各ガ
イドローラ３ａ，３ｂ，４ａ，４ｂに掛け渡し、
正面中央の各ガイドローラ５ａ，５ｂを経て直角
に折返し、その両端を各々のゲージ２ａ，２ｂに
固定する。ゲージ２ａ，２ｂは第２図に示すよう
にカセツト本体１に固定してそのリール軸を挿入
する軸孔７を開口した内輪８と、テープ６を巻回
する外輪９との組合せからなり、内外輪８，９は
同心状に配置され、両輪８，９を渦巻ばね１０で
連結し、第１図のように内輪８に指標１１を付
し、外輪９に目盛り１２を付したものである。ゲ
ージ２ａ，２ｂの内輪８には、その軸孔７内に挿
入されるテープデツキのリール軸（図示略）に係
止させる爪は設けなくてもよい。テープ６はゲー
ジ２ａ，２ｂの周上に１〜数回巻付けたうえ、そ
の端末を両ゲージ２ａ，２ｂの外輪９にそれぞれ
固定する。したがつて、一方のゲージ２ａの周上
より発したテープ６は正面中央のローラ５ａで折
り返され、カセツトの内周をほぼ一巡して正面中
央のローラ５ｂより他方のゲージ２ｂの周上に到
る。すなわち、テープ６は、カセツト本体１内の
四隅のガイドローラ３ａ，３ｂ，４ａ，４ｂ及び
正面中央のガイドローラ５ａ，５ｂの対に掛け渡
され、その両端部は、正面中央の各ガイドローラ
５ａ，５ｂより折返されてそれぞれゲージ２ａ，
２ｂの各外輪９に固定されてものである。

本案において、カセツト本体１の正面とは、カ
セツトデツキに備えた録音再生ヘツド１６、第１
及び第２の消去ヘツド１３ａ，１３ｂ及び第１及
び第２のピンチローラ１４ａ，１４ｂを受入れる
窓孔が開口された面をいうのであり、各々のピン
チローラ１４ａ，１４ｂを受入れる各窓孔に沿つ
てテープ６の一部が張り渡されている。ピンチロ
ーラ１４ａ，１４ｂは、カセツトがデツキに装て
んされたときに、キヤプスタン１５ａ又は１５ｂ
にテープを圧着して回転し、テープを順方向又は
逆方向に駆動送りを与えるものである。カセツト
本体１の正面中央には、録音再生ヘツド１６を受
入れる窓孔が開口されているが、本案のカセツト
では、テープ６は、録音再生ヘツド１６に対面す
る位置の手前のガイドローラ５ａ，５ｂで折返さ
れ、録音再生ヘツド１６の正面にテープは張り渡
されていない。

実施例において、本案のカセツトをオートリバ
ース機能を備えたテープレコーダのデツキに装て
んし、リール軸を順送りモードにセツトしてテー
プ走行メカニズムを作動させると、第１の消去ヘ
ツド１３ａとともに第１のピンチローラ１４ａが
変位してテープ６に接し、テープ６はキヤプスタ
ン１５ａと第１のピンチローラ１４ａ間の駆動力
を受けて第１のゲージ２ａの周上から引張られ、
該ゲージ２ａの内外輪８，９間に相対変位が生
じ、その相対変位量が目盛り１２と指標１１との
関係で指示される。内外輪８，９の相対回転変位
によつてゲージ２ａより引き出されたテープ６の
部分は両ゲージ２ａ，２ｂ間にわたるテープ６の
たるみによつて吸収される。

リール軸を逆送りモードにセツトしてテープ走
行メカニズムを作動させた場合についてもテープ
テンシヨンの測定要領は全く同じである。すなわ
ち、録音、再生ヘツド１６をはさんで第１のピン
チローラ１４ａの対称位置に配置された第２のピ
ンチローラ１４ｂが第２の消去ヘツド１３ｂとと
もに変位してこれがテープ６に接し、テープ６は
キヤプスタン１５ｂと第２のピンチローラ１４ｂ
間の駆動力を受けて第２のゲージ２ｂの周上から
引張られ、該ゲージ２ｂの内外輪８，９間に生じ
た相対変位が目盛り１２と指標１１との関係で指
示される。

〔考案の効果〕

以上のように本案によるときにはオートリバー
ス機能を備えたテープレコーダの順送り、逆送り
方向のテープテンシヨンを一台のカセツトを用い
て測定でき、しかも、カセツトをテープデツキに
装てんした状態で送り方向のモードを自由に切替
えて測定できるため、ひいては組立後の各テープ
レコーダについて、製品検査の作業能率を著しく
向上できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の一実施例を示す上側ハーフを除
いたカセツトの平面図、第２図はゲージの断面拡
大図である。 １……カセツト本体、２ａ，２ｂ……ゲージ、
３ａ，３ｂ，４ａ，４ｂ，５ａ，５ｂ……ガイド
ローラ、６……テープ、８……内輪、９……外
輪、１０……渦巻ばね、１１……指標、１２……
目盛り、１４ａ，１４ｂ……ピンチローラ、１５
ａ，１５ｂ……キヤプスタン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一対のゲージと、テープとをカセツト本体内に
   有するテープテンシヨン測定用カセツトであつ
   て、 ゲージは、リール軸を挿入する軸孔を開口した
   内輪と、テープを巻回する外輪との組合せからな
   り、内、外輪は、同心上に組合せて渦巻ばねで相
   対回転可能に連結され、相対回転変位を表示する
   指標及び目盛りが付され、 一対のゲージは、それぞれ内輪がカセツト本体
   に固定され、テープハブとしてカセツト本体内に
   設置されたものであり、 テープは、カセツト本体内の四隅に設置された
   ガイドローラ及びテープデツキに備えた録音再生
   ヘツドに対面させる面であるカセツト本体の正面
   中央のガイドローラの対に掛け渡され、テープの
   両端部は、前記正面中央の各ガイドローラより折
   返してそれぞれ前記ゲージの外輪に固定されたも
   のであり、 テープの一部は、カセツトデツキの第１のピン
   チローラ及び第２のピンチローラを臨ませる正面
   の窓孔に沿つてそれぞれ配設されたものであるこ
   とを特徴とするテープテンシヨン測定用カセツ
   ト。