JPH0521564A - 拡散層深さ測定装置 - Google Patents

拡散層深さ測定装置

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JPH0521564A
JPH0521564A JP3172787A JP17278791A JPH0521564A JP H0521564 A JPH0521564 A JP H0521564A JP 3172787 A JP3172787 A JP 3172787A JP 17278791 A JP17278791 A JP 17278791A JP H0521564 A JPH0521564 A JP H0521564A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 拡散ウェーハにおける拡散層の深さを簡略か
つ正確に求めることができる拡散層深さ測定装置を提供
する。 【構成】 一面側に高濃度不純物拡散層(1b)を有し
反対面側に表面研磨された低濃度不純物拡散層(1b)
を有する被測定半導体基板から切り出した試料(1)を
前記一面側を支持する試料台(11)と、赤外線発生器
(12)と、この赤外線発生器で発生された赤外線(1
3)を試料面に平行に前記試料の側面から入射させると
ともに前記試料の厚さ方向に前記赤外線照射位置を走査
させる赤外線走査手段と、前記試料を透過した赤外線の
強度を測定する透過光測定手段(16)と、この透過光
測定手段で測定された透過光強度の入射光強度に対する
比率を求め、その変化点と前記走査位置との関係から前
記高濃度不純物拡散層の拡散深さを求める拡散層深さ演
算手段(18)とを備える。散乱光測定手段(15)に
より、散乱光強度の変化点から高濃度不純物拡散層の拡
散深さを求めるようにしても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリコン基板の拡散層深
さ測定装置に関するもので、特に大出力トランジスタや
ダイオードなどの個別半導体の製造に用いられる拡散ウ
ェーハの拡散深さを測定するのに用いられるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】大出力トランジスタ、ダイオード、整流
素子などのいわゆるパワーデバイスの製造には、シリコ
ンウェーハの裏面の表面に不純物を高濃度に拡散させた
拡散ウェーハが用いられる。このような拡散ウェーハの
高濃度拡散層は、このウェーハを用いて形成されるトラ
ンジスタのコレクタ電極の形成時のシリーズ抵抗の低減
あるいは電極金属のオーミック接触抵抗を低減させるた
めのものである。
【0003】このような拡散ウェーハは従来次のように
して製造される。まず、リンが低濃度にドープされ、比
抵抗100Ωcmで厚さ1000μmのn型シリコン
基板20を準備し(図3(a))、約1200℃の加熱
雰囲気中でドーピングガスとしてPOClを用いて表
面から拡散深さxが約100μmになるようにリンを
高濃度に拡散させてn層21を形成する(図3
(b))。低濃度拡散層20はトランジスタのエミッ
タ、ベース、コレクタなどのデバイス機能を果たす領域
が形成されるとなるところであるので、この低濃度拡散
層20の厚さIsoが素子の設計上の要求、例えば耐圧や
トランジスタの電流増幅率βなどの仕様に合致させるべ
く片面を研削して20〜150μmの厚さになるように
する。この結果、高濃度拡散層21の厚さxと低濃度
拡散層20の厚さIsoの合計はウェーハのハンドリング
において、割れが生じない程度の強度のある数百μmの
厚さとなる。
【0004】そして、このようにして得られた拡散ウェ
ーハを利用して、例えば表面酸化工程、拡散のための窓
を形成するPEP工程、不純物拡散工程をベースおよび
コレクタについて繰り返し、必要な電極、配線、保護膜
等を形成することにより、バイポーラトランジスタを含
む半導体装置が形成される。
【0005】図5はウェーハの厚さ方向の不純物濃度プ
ロファイルを示すグラフであり、図4(b)の状態にお
いて、深さ方向をx方向にとって示したものである。こ
のような曲線が求まればxおよびIsoの厚さを正確に
知ることができる。
【0006】このような不純物濃度プロファイルを求め
るための方法の一つは、逆導電性のp型ウェーハを用い
て拡散を行い、シリンダラップやボールラップ法でp−
n拡散面が露出するようにウェーハ表面を円筒状や球状
に研磨し、p−n接合をステイニングして可視化し、バ
ーニヤ目盛りでn層の厚さ計測を行う方法である。
【0007】図6はウェーハ表面を半径Rで球状に研磨
した様子を示しており、可視化したp−n接合の位置か
らaとbを求め、これを利用してxを x=R{(1−b2 /R2 1/2 −(1−a2 /R2 1/2 } として求めることができる。
【0008】また、拡散ウェーハの実際の仕上がり精度
を調べるには次のような方法を用いる。ロット処理され
た母体からサンプリングされた試料ウェーハから切り出
した試料片40を図7に示すような角度θの傾斜基台3
1を有する治具30にワックスで取付け、平坦なガラス
板上で研磨剤を溶かした液を用いて試料片を斜めに研磨
し、得られた斜面の表面を図8に示すようにn領域4
1からn領域42にかけて2本の探針43により走査
しながら抵抗値の分布を求め、図9に示すようにn
域を表わす直線L1とn領域を表わす外挿接線L2と
の交点を求め、この位置からn層のIso厚さを決定
する。
【0009】拡散ウェーハの所望の非拡散層厚さI
soは、素材の時の厚さから上述した方法で得られた拡散
深さxとIsoの合計厚さを差し引いた厚さを研磨代と
決定し、研磨を行うことにより正確に得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た測定方法では正確な拡散深さ決定を行うことは困難で
ある。
【0011】例えば、斜面の研磨においては、治具へ試
料ウェーハをワックスで取付ける作業、均一な研磨など
において極めて高い習熟度が必要とされる。また、2探
針による測定においても、研磨面の微小な傷や研磨材の
吸着により、n領域が50Ωcm以上の高抵抗である
とn領域における抵抗率曲線は平坦にはならず、n
領域とn領域の境界点を正確に定めることが困難とな
ってn領域厚さの決定に誤差を生じる。
【0012】また、2探針による測定においては、図1
0に示すように、測定値を不純物濃度に換算して縦軸の
値とし、特定濃度点で接線を引いてn領域の厚さを求
めることもできるが、この場合には特定濃度(2端子抵
抗率)はウェーハメーカやユーザにより基準が一定して
おらず、正確な測定は行われていない。特に、Iso厚
さが10μm程度の場合、接線の引き方で50%もの誤
差が発生している。
【0013】さらに、従来の方法は測定のために特別な
試料を作成する必要があるため、非常に煩雑な作業が必
要となり、例えば2時間程度の長い時間がかかるという
問題がある。
【0014】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、拡散ウェーハにおける拡散層の深さを
簡略かつ正確に求めることができる拡散層深さ測定装置
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる拡散層深
さ測定装置によれば、一面側に高濃度不純物拡散層を有
し反対面側を研磨した被測定半導体基板から切り出した
試料を前記一面側を支持する試料台と、赤外線発生器
と、この赤外線発生器で発生された赤外線を試料面に平
行に前記試料の側面から入射させるとともに前記試料の
厚さ方向に前記赤外線照射位置を走査させる赤外線走査
手段と、前記試料を透過した赤外線の強度を測定する透
過光測定手段と、この透過光測定手段で測定された透過
光強度の入射光強度に対する比率を求め、その変化点と
前記走査位置との関係から前記高濃度不純物拡散層の拡
散深さを求める拡散層深さ演算手段とを備えたことを特
徴とする。
【0016】透過光測定手段の代りに散乱光測定手段を
備えるようにしてもよく、透過光測定手段と散乱光測定
手段を共に備えるようにしてもよい。
【0017】
【作用】試料の側面から赤外線を照射して試料の厚さ方
向に走査させると、不純物濃度が高い領域と低い領域の
境界部で赤外線の透過率あるいは散乱率が急変する。こ
の急変を検知し、そのときの走査位置を求めることによ
り、拡散層の深さを正確かつ簡便に求めることができ
る。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0019】まず、本発明において使用される原理を説
明する。
【0020】本発明においては、シリコン結晶中におけ
る赤外線の透過率が図2に示すように、不純物濃度が5
×1019/cmより高くなると急速に減衰することを
利用している。これは、不純物が1250〜1300℃
もの高温で拡散されるため、N領域では結晶中に存在
する酸素による析出欠陥があり、またN領域では固溶
限界に近い高濃度拡散を行っているため、図3に示すよ
うに、不純物の異常析出やパイプと呼ばれる結晶欠陥2
を生じ、これらの欠陥が入射した赤外線に対して散乱核
となるため起こる現象である。したがってシリコン基板
1のN領域1bではN領域1aに比べ、散乱が非常
に多くなり、その結果透過率は急激に低下する。したが
って、透過率あるいは散乱率が急変する走査位置を求め
れば拡散層深さを求めることができる。
【0021】図1は本発明にかかる拡散層深さ測定装置
の一実施例を示す概略構成図である。
【0022】この装置は低濃度不純物拡散層1aと高濃
度不純物拡散層1bが上下に設けられた試料を載置する
試料台11、この試料台11の側方から赤外線13を発
生する赤外線発生器12、この赤外線発生器12で発生
された赤外線13を絞って試料に対して導くスリット1
4、試料台11の上方にあって試料中で散乱した散乱光
13aを検出する第1の検出器15、赤外線発生器12
で発生した赤外線の光軸上にあって試料を透過した透過
光13bを検出する第2の検出器16、これらの検出器
の出力を増幅する演算増幅器17、その出力に対して所
定の演算を行い拡散層深さを求める演算器18、演算結
果を出力するプリンタ19が設けられた構成となってい
る。
【0023】この装置で使用される試料としてシリコン
基板の一部を単純に切り出して用いるが、その長さは特
に厳格な寸法精度は不要である。例えば、長さは2−6
mm程度で良い。なお、破断面における不要な散乱を防
ぐために端面をエッチング研磨しておくことが望まし
い。
【0024】赤外線発生器12の光源としてはコヒーレ
ンシーが高く、かつビーム操作の容易なものがよく、例
えばYAGレーザ光などを発するものが好ましい。第1
の検出器と第2の検出器の検出特性は揃っていることが
望ましい。
【0025】このような拡散層深さ測定装置を用いた測
定は次のように行われる。
【0026】赤外線発生器12から赤外線13を発生さ
せ、スリット14を通して試料に赤外線を照射する。こ
の赤外線はその散乱光が第1の検出器15により、透過
光が第2の検出器16により、それぞれ検出される。こ
れらの検出器の出力は演算増幅器17で増幅された後、
演算器18において予め既知の赤外線強度に対する比を
とり、散乱率および透過率が求められる。試料台11は
図示しない駆動機構により図1の上下方向に走査される
ようになっており、これにより連続的に散乱率および透
過率を観測することができる。
【0027】拡散がある基板ではnからnへ移行す
る際に赤外線の透過率が急激に低下し、あるいは散乱率
が急激に増加する。したがって、この変化を生じた走査
位置を求めることにより、不純物拡散層が達している深
さを求めることができる。
【0028】このように、透過率が急激に変化する点を
検出することにより、きわめて容易かつ正確に不純物拡
散層深さを求めることができる。同様に、散乱率が急激
に変化する点を検出するようにしてもよい。
【0029】以上の実施例では、低濃度領域から高濃度
領域へ走査を行っているが、逆方向の走査を行っても良
い。また、走査は赤外線と試料の厚さ方向が相対的に移
動すれば良く、実施例のように試料台を移動させても、
赤外線発生器側を移動させても良い。
【0030】また、実施例では既知の赤外線強度に対す
る透過光強度あるいは散乱光強度の比をとった透過率あ
るいは散乱率を用いているが、第1の検出器の出力と第
2の検出器の出力との比を用いるようにしてもよい。こ
の場合には急増する出力と急減する出力の双方を用いる
ため、より急激な変化が得られることになる。
【0031】さらに、単位長さを有する試料についての
不純物濃度と透過率あるいは散乱率の関係をあらかじめ
データベース化しておき、これを測定値とを比較するこ
とにより、濃度分布をより正確に求めることもできる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、シリコン中の不純物濃
度が一定値を超えると赤外線の透過率あるいは散乱率が
急変することを利用して、試料の厚さ方向の走査から高
濃度領域の拡散深さを求めるようにしているので、特別
な試料作成や特殊な測定を行うこと無く、正確な拡散深
さ測定を簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明にかかる拡散層深さ測定装置の概
略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は不純物濃度と赤外線透過率との関係を示
すグラフである。
【図3】図3は高濃度領域で赤外線透過率が低下する理
由を示す説明図である。
【図4】図4は拡散ウェーハの製造工程を示す工程別断
面図である。
【図5】図5はウェーハに拡散を行った状態での不純物
濃度分布を示すグラフである。
【図6】図6は従来行われているボールラップによる拡
散深さ測定の原理を示す説明図である。
【図7】図7は2探針法による測定のために必要な試料
の加工を説明する説明図である。
【図8】図8は2探針法の説明図である。
【図9】図9は2探針法において、抵抗率の変化からn
領域の位置を求める様子を示す説明図である。
【図10】図10は2探針法において、抵抗率を不純物
濃度に換算してn領域の位置を求める様子を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 1a 低濃度不純物拡散層 1b 高濃度不純物拡散層 11 試料台 12 赤外線発生器 13 赤外線 14 スリット 15 第1の検出器 16 第2の検出器 17 演算増幅器 18 演算器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一面側に高濃度不純物拡散層を有するとと
    もに反対面側に表面研磨された低濃度不純物拡散層を有
    する被測定シリコン基板から切り出した試料の前記一面
    側を支持する試料台と、 赤外線発生器と、 この赤外線発生器で発生された赤外線を試料面に平行に
    前記試料の側面から入射させるとともに前記試料の厚さ
    方向に前記赤外線照射位置を走査させる赤外線走査手段
    と、 前記試料を透過した赤外線の強度を測定する透過光測定
    手段と、 この透過光測定手段で測定された透過光強度の入射光強
    度に対する比率を求め、その変化点と前記走査位置との
    関係から前記高濃度不純物拡散層の拡散深さを求める拡
    散層深さ演算手段とを備えた拡散層深さ測定装置。
  2. 【請求項2】一面側に高濃度不純物拡散層を有するとと
    もに反対面に表面研磨された低濃度不純物拡散層を有す
    る被測定シリコン基板から切り出した試料の前記一面側
    を支持する試料台と、 赤外線発生器と、 この赤外線発生器で発生された赤外線を試料面に平行に
    前記試料の側面から入射させるとともに前記試料の厚さ
    方向に前記赤外線照射位置を走査させる赤外線走査手段
    と、 前記試料の上方に設けられ、前記試料中で散乱した赤外
    線の強度を測定する散乱光測定手段と、 この散乱光測定手段で測定された散乱光強度の入射光強
    度に対する比率を求め、その変化点と前記走査位置との
    関係から前記高濃度不純物拡散層の拡散深さを求める拡
    散層深さ演算手段とを備えた拡散層深さ測定装置。
  3. 【請求項3】一面側に高濃度不純物拡散層を有するとと
    もに反対面に表面研磨された低濃度不純物拡散層を有す
    る被測定シリコン基板から切り出した試料の前記一面側
    を支持する試料台と、 赤外線発生器と、 この赤外線発生器で発生された赤外線を試料面に平行に
    前記試料の側面から入射させるとともに前記試料の厚さ
    方向に前記赤外線照射位置を走査させる赤外線走査手段
    と、 前記試料を透過した赤外線の強度を測定する透過光測定
    手段と、 前記試料の上方に設けられ、前記試料中で散乱した赤外
    線の強度を測定する散乱光測定手段と、 この透過光測定手段で測定された透過光強度と前記散乱
    光測定手段の入射光強度に対する比率を求め、その変化
    点と前記走査位置との関係から前記高濃度不純物拡散層
    の拡散深さを求める拡散層深さ演算手段とを備えた拡散
    層深さ測定装置。
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