JPH05214807A - 建枠の補強方法と補強装置 - Google Patents

建枠の補強方法と補強装置

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JPH05214807A
JPH05214807A JP2268692A JP2268692A JPH05214807A JP H05214807 A JPH05214807 A JP H05214807A JP 2268692 A JP2268692 A JP 2268692A JP 2268692 A JP2268692 A JP 2268692A JP H05214807 A JPH05214807 A JP H05214807A
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building
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Masahiro Matsuura
正大 松浦
Eiichi Aikawa
映一 合川
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Asahi Sangyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 建枠の座屈強度を向上させ、仮設枠組足場の
高層化及び建枠の支保工への使用を可能にする。 【構成】 対向する建枠1の縦柱2における上下を互に
結合するブレース13と、このブレース13に取付けら
れ、両端に縦柱2への外嵌部材16が設けられた補強桟
15との組合せからなり、補強桟15と外嵌部材16で
両側縦柱2のブレース13による結合部分間の位置を結
合することにより、縦柱2に生じる撓みを抑制し、建枠
1の座屈強度を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、仮設枠組足場の構築
に用いる建枠の座屈強度を向上させ、建枠の高層化や支
保工としての使用を可能にする建枠の補強方法と補強装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】仮設枠組足場の構築に使用する建枠は、
鋼製パイプを用いて門型や鳥居型に形成され、この建枠
で仮設枠組足場を構築するには、図9Bに示すように、
建枠1を両側に対向配置した状態で、対向する縦柱2を
ブレース3で互に結合して建枠1を自立させると共に、
横方向にはブレースを用いて建枠を順次一定の間隔に配
置し、上方にはジョイントを用いて建枠を順次継足して
行くことにより、所望する高さの足場を組立てるもので
ある。
【0003】ところで、建枠は順次上方に継足して高層
に組立てるため、上下方向の荷重に対する強度が要求さ
れる。
【0004】図9Bは、従来の構築方法を用いて足場を
組立てた状態で、建枠1の強度試験を行なった場合を示
し、建枠1に対して同図矢印Xの如く上部から荷重を加
えると、同図一点鎖線のように建枠1の縦柱2に対向面
方向の撓みが生じ、ついには座屈に至ることになり、こ
のような縦柱2の撓み発生により建枠1の実使用におけ
る許容荷重は低くなる。
【0005】建枠1の座屈曲度は縦柱に用いるパイプの
径や長さによって決定されるが、建枠における縦柱の径
や長さは規格化されているため、これらを変更すること
はできない。
【0006】また、対向する建枠を結合する従来のブレ
ース3は、二本のパイプをその中央でクロス状に枢止連
結して形成され、建枠1と1の縦柱2における上下二個
所を斜に結合するようになっているため、縦柱2に生じ
る撓み方向に対して一体に移動可能となり、撓みを阻止
する機能は全くない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
ブレースは、建枠の撓み発生を阻止する機能はなく、建
枠を結合自立させる役目を果すだけであり、従って建枠
はそれ自身がもつ許容荷重の範囲でしか使用することが
できず、この許容荷重範囲が小さいため、建枠を直接継
足した高層足場の構築や土木工事における支保工として
の利用も困難であるという問題がある。
【0008】そこでこの発明は、建枠における縦柱の撓
み発生を抑えて座屈強度を向上させ、高層足場の構築や
支保工としての利用を可能にする建枠の補強方法と補強
装置を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するため、第1の発明は、対向する建枠の縦柱における
上下の位置をブレースで互に結合すると共に、対向する
縦柱のブレースによる結合部間の位置をブレースに設け
た補強桟によって互に結合し、建枠の座屈強度を向上さ
せるようにする方法を採用したものである。
【0010】同じく第2の発明は、対向する建枠の縦柱
における上下の位置を結合するブレースの中間部に、縦
柱の途中を互に結合するための補強桟を設け、この補強
桟の両端部に縦柱との結合部材を設けた構成を採用した
ものである。
【0011】
【作用】ブレースは対向する建枠における縦柱の上下二
個所を互に結合し、建枠を自立させると共に、このブレ
ースに取付けた補強桟が対向する縦柱のブレースによる
結合部間の中間を互に結合する。
【0012】これによって両側の縦柱は上下及び中間の
各三点で互に結合され、上下方向の荷重により縦柱に撓
みが生じようとした場合、中間部の撓み移動をブレース
に設けた補強桟によって阻止でき、縦柱の撓み発生を抑
えることにより座屈強度を向上させることができる。
【0013】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面の図1乃
至図9Aに基づいて説明する。
【0014】図4のように、建枠1は両側の縦柱2、2
を上部の横桟4で結合し、横桟4と両縦柱2、2を補強
パイプ5で結合すると共に、両縦柱2、2の相対向する
内側の上下にブレースピン6が突設された周知の構造を
有する。
【0015】図1と図2及び図7は、対向する建枠1を
互に結合して自立させる補強装置11の異なった例を示
している。図1に示す補強装置11の第1の例は、二本
のパイプ12と12を中央部のクロスする部分で互に結
合したブレース13と、このブレース13の中央枢軸1
4に長さ方向の中央を枢止したパイプ製の補強桟15
と、補強桟15の両端に固定した縦柱2への結合部材と
なる外嵌部材16、16とによって構成されている。
【0016】上記ブレース13におけるパイプ12、1
2の各端部は、パイプ12を扁平加工した部分にブレー
スピン6への挿入孔17を設けた構造になっている。
【0017】また、補強桟15の両端に固定した外嵌部
材16は、縦柱2に外嵌するよう金属板を平面コ字状に
折り曲げて形成され、補強桟15に対し、挿入孔17を
ブレースピン6に挿入する方向から縦柱2に外嵌するよ
うに固定されている。
【0018】図2に示す補強装置11の第2の例は、パ
イプを用いた矩形枠18内の中央部に補強桟19を水平
に固定し、矩形枠18の内部で補強桟19の上下に、矩
形枠18のコーナと補強桟19の中央をつなぐ斜材20
を設けると共に、矩形枠18の両側外面で上下の位置
に、ブレースピン6への挿入孔21を有する取付金具2
2を突設し、更に矩形枠18の両側外面で補強桟19の
両端部の位置に縦柱2への外嵌部材23を固定した構造
になっており、矩形枠18と斜材19及び取付金具23
がブレースを構成している。上記両外嵌部材23は第1
の例と同様に、平面コ字状に形成されている。
【0019】図5と図6は、前記外嵌部材16又は23
の異なった構造を示し、平面コ字状部材31の外側壁3
2に窓孔33を形成すると共に、部材31の内部に平面
略U字状に折曲げ形成した板ばね34を組込み、この板
ばね34の窓孔33と反対側の端部を部材31に固定
し、板ばね34の窓孔33に臨む自由端部を弧状に折り
返して窓孔33内に臨ませ、外嵌部材16又は23を縦
柱2に外嵌したとき、板ばね34が縦柱2へ弾力的に外
嵌し、縦柱2を抱持して結合状態を安定させるようにし
ている。
【0020】図7と図8に示す補強装置11の第3の例
は、第1の例と同じブレース13の中央枢軸14に補強
桟15の中央を枢止し、この補強桟15の両端部に扁平
加工を施してブレースピンへの挿入孔41を設け、縦柱
2に対する結合部材42、42としたものである。
【0021】この第3の例の補強装置を使用するため、
図8のように、建枠1の縦柱2には上下ブレースピン6
と6の中間に結合部材42を外嵌結合するためのブレー
スピン43を固定しておけばよい。
【0022】次に、補強装置の使用方法を、第1の例を
用いた図3と図4に基づいて説明する。
【0023】建枠1を両側に対向配置した状態で、補強
装置11を建枠1間に臨ませ、所定の角度に開いたブレ
ース13の両パイプ12、12における端部の挿入孔1
7をブレースピン6に挿入すると共に、補強桟15の両
端に位置する外嵌部材16を縦柱2に外嵌する。
【0024】両側の建枠1は、縦柱2の上下端部でブレ
ースピン6の位置をブレース13で互に結合され、両建
枠1は自立すると共に、両縦柱2の上下ブレースピン6
間の位置が外嵌部材16を介して補強桟15で結合され
る。
【0025】図9Aに示すように、補強装置11で両建
枠1を互に結合した状態において、建枠1に上下方向の
荷重が作用すると、縦柱2に撓みが生じようとする。
【0026】ところで、縦柱2に生じようとする撓みは
円弧状となり、ブレースピン6を突設した上下端部とそ
の中間部との位置では水平方向の移動に差があり、上下
端部より中間部の移動量が大きくなる。
【0027】このため、縦柱2の上下ブレースピン6の
位置を結合するブレース13は、撓み発生時の水平移動
量が少ないのに対し、縦柱2の中間を結合する補強桟1
5の水平移動量は大きくなろうとする。
【0028】しかし、補強装置11は、ブレース13に
対して補強桟15を水平方向に移動不能に結合した構造
になっているため、縦柱2に撓みが生じようとした場
合、補強桟15はブレース12の移動量に制限され、こ
れによって縦柱2の撓み発生量を抑えることになり、縦
柱2の撓み発生量が少ない分だけ、座屈強度が向上す
る。
【0029】なお、使用状態の図示は省略したが、第2
及び第3の実施例で示した補強装置11を使用しても同
様の効果が得られる。
【0030】次に、従来のブレースを用いて組立てた仮
設枠組足場と、この発明の第1の例に示した補強装置を
用いて組立てた仮設枠組足場とを使用し、建枠の座屈強
度をテストした結果を示す。
【0031】何れの仮設枠組足場も等しい条件の建枠を
用い、この建枠を対向させてブレースもしくは補強装置
で互に結合したものを5段積みすることにより組立て、
この仮設枠組足場に上部から垂直荷重を付加し、建枠に
座屈が生じる荷重値を測定した。
【0032】従来のブレースを用いて組立てた仮設枠組
足場においては、21Tの荷重で建枠に座屈が発生し
た。この場合建枠は縦柱が建枠対面方向に湾曲すること
によって座屈に至った。
【0033】これに対し、この発明の補強装置を用いた
仮設枠組足場は、33.3Tの荷重で建枠に座屈が生じ
たが、建枠の縦柱における湾曲は建枠自身の面方向に沿
う方向であったことから、補強装置は建枠の対面方向の
撓み発生を有効に防いでいることがわかった。
【0034】上記のような座屈テストの結果から明らか
なように、この発明の補強装置は、従来のブレースに比
べ、建枠の座屈強度を略1.58倍アップさせることが
できる。
【0035】
【効果】以上のように、この発明によると、対向する建
枠の縦柱における上下をブレースで結合すると共に、こ
のブレースに取付けた補強桟によって縦柱のブレースに
よる結合部分間の位置を結合したので、縦柱に生じる撓
みの発生を補強桟によって抑えることができ、撓み量の
減少によって建枠の座屈強度を向上させることが可能に
なり、建枠を用いた仮設枠組足場の高層化が実現でき
る。
【0036】また、建枠の座屈強度が向上するので、建
枠を土木工事の支保工としても使用できるようになり、
既存の建築用建枠を土木工事用に転用できるので、経済
的に極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】補強装置の第1の例を示す斜視図
【図2】補強装置の第2の例を示す斜視図
【図3】第1の例の補強装置を用い建枠を組立てた状態
を示す正面図
【図4】同上の側面図
【図5】外嵌部材の他の例を示す斜視図
【図6】同上の平面図
【図7】補強装置の第3の例を示す斜視図
【図8】同上の使用状態を示す正面図
【図9】(A)はこの発明の補強装置を用いた建枠の荷
重試験を示す説明図、(B)は従来の建枠の荷重試験を
示す説明図
【符号の説明】
1 建枠 2 縦柱 6 ブレースピン 11 補強装置 12 パイプ 13 ブレース 15 補強桟 16 外嵌部材 17 ブレースピン挿入孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する建枠の縦柱における上下の位置
    をブレースで互に結合すると共に、対向する縦柱のブレ
    ースによる結合部間の位置をブレースに設けた補強桟に
    よって互に結合し、建枠の座屈強度を向上させるように
    する建枠の補強方法。
  2. 【請求項2】 対向する建枠の縦柱における上下の位置
    を結合するブレースの中間部に、縦柱の途中を互に結合
    するための補強桟を設け、この補強桟の両端部に縦柱と
    の結合部材を設けた建枠の補強装置。
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