JPH05214516A - 転写性に優れた金属薄膜の製造方法 - Google Patents

転写性に優れた金属薄膜の製造方法

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JPH05214516A
JPH05214516A JP4020794A JP2079492A JPH05214516A JP H05214516 A JPH05214516 A JP H05214516A JP 4020794 A JP4020794 A JP 4020794A JP 2079492 A JP2079492 A JP 2079492A JP H05214516 A JPH05214516 A JP H05214516A
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JP
Japan
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thin film
crucible
substrate
metal thin
metal
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Withdrawn
Application number
JP4020794A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Kubodera
紀之 久保寺
Yoshiaki Kono
芳明 河野
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 たとえば積層セラミックコンデンサにおける
内部電極を金属薄膜の転写技術により形成することを容
易にするため、転写性に優れた金属薄膜を提供する。 【構成】 底面壁3に穴4が設けられたアルミナ製坩堝
5を、水冷された金属テーブル7上に置く。坩堝5内で
溶融された銅6は、穴4内において、金属テーブル7に
接することにより、固化領域8を形成して、溶融した銅
6の漏れを阻止する。坩堝5内で溶融された銅6は、穴
4を通して接地され、その帯電が防止される。この状態
で、電子ビームを照射すれば、電子ビームが散乱するこ
とが抑制され、それによって、散乱した電子が基板に衝
突することによる、基板表面の吸着ガスが減少すること
を防止できる。そのため、蒸着薄膜と基板との接着力が
抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、転写性に優れた金属
薄膜の製造方法に関するものである。この発明によって
得られた金属薄膜は、転写することによって、たとえ
ば、回路基板上の回路とされたり、電子部品の電極とさ
れたり、表示用の金属箔とされたりすることができる。
【0002】
【従来の技術】従来から、たとえば、ホットスタンピン
グ用の金属薄膜のように、フィルム上に形成した金属薄
膜を対象物の上に転写する技術が用いられている。転写
する目的で金属薄膜をフィルム上に形成する場合、当
然、剥がれやすい金属薄膜をフィルム上に形成する必要
がある。
【0003】上述のように、フィルム上の金属薄膜が剥
がれやすいようにするため、通常、フィルム上に、たと
えば加熱する等の方法によって破壊する下地層を形成
し、この上に、蒸着またはスパッタ等の方法によって金
属薄膜を形成することが行なわれている。金属薄膜を形
成した後に、金属薄膜とともにフィルムを加熱し、フィ
ルムと金属薄膜との間の下地層を破壊し、それによっ
て、金属薄膜が転写のためフィルムから剥がされる。な
お、下地層は、上述のように、加熱によって破壊される
場合のほか、放射線によって破壊される場合もある。
【0004】また、蒸着により金属薄膜を形成する場
合、蒸着速度を高め、それによってコストダウンを図る
ことを目的として、金属薄膜を与える金属は、熱伝導率
の小さな耐火物製の坩堝、たとえば、アルミナ製坩堝な
どが使用されて、溶融される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、フィ
ルム上に破壊が予定された下地層を形成しておくことに
よって、その上に形成された金属薄膜の転写を可能した
方法によれば、金属薄膜とともに、破壊された下地層の
一部が対象物上に転写されることになる。たとえば、装
飾用などの目的に金属薄膜を使う場合には、下地層が透
明であり、かつ下地層の転写される量が微量であれば、
ほとんど問題とならない。
【0006】しかし、特開平1−42809号公報に記
載されているように、電子部品の電極、より特定的には
積層セラミックコンデンサの内部電極の形成に、上述し
たような転写技術が適用される場合には、たとえ0.1
%以下の不純物でも問題になる可能性があるため、この
方法は不適当である。
【0007】なお、フィルム上に形成したシートを容易
に剥離できるようにするため、フィルムに表面処理を施
す場合もある。しかしながら、現在、確立されている技
術としては、樹脂系のシートのみに有効な表面処理技術
しかなく、蒸着またはスパッタ等の方法で形成した金属
薄膜を剥離する際に有効な表面処理技術はない。
【0008】そこで、この発明の目的は、前述したよう
な破壊が予定された下地層に頼ることなく、転写性に優
れた金属薄膜を製造する方法を提供しようとすることで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に従って、転写
性に優れた金属薄膜は、次のように製造される。まず、
金属薄膜をその上に形成するための基板、および金属薄
膜を与える金属を溶融させる坩堝がそれぞれ用意され
る。そして、坩堝内で金属を溶融させるとともに溶融金
属を接地しながら基板上に電子ビーム蒸着法により金属
薄膜を形成することが行なわれる。
【0010】なお、坩堝として、その底面壁の少なくと
も一部に穴が設けられたものが設けられ、この穴内に位
置する金属を通して溶融金属が接地されてもよい。
【0011】この発明によって得られる金属薄膜として
は、たとえば、ニッケル、銅、銀などの薄膜がある。ま
た、転写すべき金属薄膜を形成するための基板として
は、たとえば、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂
が用いられる。
【0012】この発明によって得られた金属薄膜が転写
される対象物としては、セラミックグリーンシート、セ
ラミック、樹脂、金属などがある。また、転写は、この
金属薄膜を対象物に接する状態としておき、ホットスタ
ンピングにより、たとえば、圧力10〜500kg/c
2 、温度60〜95℃の範囲内で実施される。
【0013】
【作用】電子ビーム蒸着では、電子ビームを照射した際
に反射電子や二次電子が生じる。基板に電子が入射され
た場合には、基板表面の吸着ガスが減少し、蒸着薄膜と
基板との接着力が増加する。したがって、蒸着の際に生
じる反射電子や二次電子を抑えることによって、基板か
ら剥がれやすい薄膜を得ることができる。
【0014】他方、蒸着の際に金属を溶融させるために
坩堝が用いられる。この坩堝としては、一般に、蒸着工
程のランニングコストを安くするため、保温性に優れ
た、たとえば、アルミナ、マグネシアのような耐火物製
坩堝が用いられる。これらの坩堝を電子ビーム蒸着に用
いると、坩堝の電気伝導率が低いため、電子ビームを照
射した際に坩堝内の金属が帯電されたままとなる。その
結果、電子ビームが坩堝内に入射しにくくなり、蒸着装
置内に散乱することになる。散乱した電子は、基板表面
に衝突し、基板表面の吸着ガスを減少させ、蒸着薄膜と
基板との接着力を増加させる結果を招く。
【0015】この発明では、前述したように、坩堝内の
溶融金属を接地しながら電子ビーム蒸着が実施される。
したがって、たとえ耐火物製の坩堝を用いても、内部の
金属の帯電は速やかに放電される。それゆえに、電子ビ
ームの散乱、および散乱した電子の基板表面への衝突を
抑えることができ、蒸着薄膜と基板との接着力を抑制す
ることができる。
【0016】
【発明の効果】したがって、この発明によれば、剥がれ
やすい、すなわち転写性に優れた金属薄膜を基板上に形
成することができる。
【0017】この発明によって得られた金属薄膜は、た
とえば従来のホットスタンピング用の金属薄膜とフィル
ムとの間の破壊が予定された下地層を必要としないた
め、電子部品のように、微量の不純物でも問題になる用
途にも、問題なく使用することができる。
【0018】また、基板上の金属薄膜は、たとえば、フ
ォトエッチング法により容易にパターニングすることが
できるため、この発明によって得られた金属薄膜は、電
子部品の電極、多層基板の内部電極や外部導体、回路基
板上の導体、表示用の金属箔、などとして有利に用いる
ことができる。
【0019】上述した溶融金属の接地は、その底面壁の
少なくとも一部に穴が設けられた坩堝を用いることによ
り、容易に達成することができる。すなわち、たとえば
水冷により冷却した金属等からなるテーブルに坩堝を置
いた状態とすれば、坩堝中で溶融された金属は、坩堝の
底面壁にある穴から漏れて、テーブルに接触した際に固
化する。したがって、坩堝内部の溶融金属がすべて穴か
ら漏れることはない。また、穴の形状を工夫することに
より、熱の逃げを少なくすることができる。穴内に位置
する固化した金属を通して溶融金属を接地すれば、耐火
物製の坩堝を用いても、内部の金属の帯電が速やかに放
電される。
【0020】
【実施例】この発明に従って、次のような実験を行なっ
た。
【0021】図2に示すように、まず、基板1を用意し
た。基板1としては、100℃程度の温度では変化しな
いポリエチレンテレフタレートからなる基板を用い、後
で形成する金属薄膜の転写性をより高めるため、そのよ
うな基板上にシリコーン・コートを施した。
【0022】次に、基板1上に、図2に示すように、C
u蒸着膜2を電子ビーム蒸着法により形成した。このC
u蒸着膜2の形成には、図1に示すような底面壁3に穴
4を設けたアルミナ製坩堝5を、銅6を溶融させるため
に用いた。坩堝5は、水冷された金属テーブル7上に置
かれ、したがって、穴4内に位置する銅6は、固化領域
8を形成し、銅6は、この固化領域8を通して接地され
た(実施例)。
【0023】上述した電子ビーム蒸着法において、出力
を2kWとした。また、蒸着中の雰囲気は、特にコント
ロールせず、大気から1×10-4Torrまで真空引き
したままとした。残留ガスの成分は、窒素、酸素、およ
び水であり、それぞれの圧力は、0.4×10-4、0.
1×10-4、および0.5×10-4Torrであった。
得られたCu蒸着膜2の厚みは、0.3μmであった。
【0024】他方、銅を溶融させるため、穴が形成され
ない通常のアルミナ製坩堝を用いたことを除いて、上述
した実施例と同様の操作により、Cu蒸着膜2を形成し
た(比較例)。得られた蒸着膜2の厚みは、同様に、
0.3μmであった。
【0025】これら実施例および比較例を評価するた
め、次のような実験を行なった。2cm角の板を2枚準
備し、上述した実施例および比較例の各々のものを、2
枚の板の間に挟み、実施例および比較例の各々と板とを
それぞれ接触面で接着剤により固定した。この状態で、
板を外方に向かって引っ張り、基板1からCu蒸着膜2
を剥離するのに要する力を調べたところ、比較例では、
3000gの力が必要であったのに対し、実施例では、
1800gの力で剥離させることができた。
【0026】このように、銅6を溶融させるため、底面
壁3に穴4を設けたアルミナ製坩堝5を使用することに
よって、Cu蒸着膜2の剥離性すなわち転写性が向上し
た。
【0027】上述した実験例では、金属薄膜として、C
u蒸着膜を得ていたが、蒸着される金属薄膜の種類は任
意である。
【0028】また、金属薄膜を形成するための基板は、
上述した実験例では、シリコーン・コートが施され、転
写性を向上させていたが、このような表面処理は、この
発明において必須ではない。基板自身を構成する材料と
して、本来的に金属との付着力が小さいものを用いれ
ば、あえて転写性を向上させるための表面処理を施す必
要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を実施するために用いられ
るアルミナ製坩堝5を示す断面図である。
【図2】この発明によって得ようとする金属薄膜として
のCu蒸着膜2が基板1上に形成された状態を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 基板 2 Cu蒸着膜(金属薄膜) 3 底面壁 4 穴 5 アルミナ製坩堝 6 銅 7 金属テーブル 8 固化領域

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属薄膜をその上に形成するための基板
    を用意し、 前記金属薄膜を与える金属を溶融させる坩堝を用意し、 前記坩堝内で金属を溶融させるとともに溶融金属を接地
    しながら前記基板上に電子ビーム蒸着法により金属薄膜
    を形成する、各工程を備える、転写性に優れた金属薄膜
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記坩堝として、その底面壁の少なくと
    も一部に穴が設けられたものが用いられ、前記穴内に位
    置する金属を通して前記溶融金属が接地される、請求項
    1に記載の転写性に優れた金属薄膜の製造方法。
JP4020794A 1992-02-06 1992-02-06 転写性に優れた金属薄膜の製造方法 Withdrawn JPH05214516A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006278842A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 内部電極パターンの形成方法とこれを用いた積層セラミック電子部品の製造方法
US7238383B2 (en) * 2003-03-07 2007-07-03 Eastman Kodak Company Making and using compacted pellets for OLED displays

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Effective date: 19990518