JPH05214365A

JPH05214365A - 洗浄剤組成物

Info

Publication number: JPH05214365A
Application number: JP4193292A
Authority: JP
Inventors: Shigemi Tagaki; 成実太垣; Eiji Nishimura; 英司西村; Yuji Kodaira; 勇次小平
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1992-01-31
Filing date: 1992-01-31
Publication date: 1993-08-24

Abstract

(57)【要約】【目的】脂肪酸セッケンを主剤とした洗浄剤組成物と
同等の性能を有し、かつ、蛋白変性力が弱く皮膚に温和
な作用を有する洗浄剤組成物を提供する。【構成】次の３成分、（ａ）次の一般式（I）で示
されるポリオキシエチレンアルキル（又はアルケニル）
エーテルカルボン酸塩Ｒ₁Ｏ−（ＣＨ₂ＣＨ₂Ｏ）ｎＣＨ₂ＣＯＯＭ（I）〔式中、Ｒ₁は平均炭素数６〜２２の直鎖又は分岐鎖の
アルキル基、又はアルケニル基、Ｍはアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、アンモニウム又はアルカノールアミン
であり、ｎは１〜２０の数である〕（ｂ）炭素数６〜２２の脂肪酸トリエタノールアミン（ｃ）両性界面活性剤を主成分とし、成分（ａ）と成
分（ｂ）との重量比が２／１〜１／３であり、成分
(ａ）、（ｂ）及び（ｃ）の総含有量が１５〜４５重量
％で、かつ、成分(ｃ）の界面活性剤総含有量に対する
割合

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ポリオキシエチレンア
ルキル（又はアルケニル）エーテルカルボン酸塩、脂肪
酸トリエタノールアミン及び両性活性剤を含有する、皮
膚に対して極めて温和な作用を有し、しかも優れた起泡
力、洗浄力を有する洗浄剤組成物に関する。

【０００２】

【従来技術及びその問題点】一般に、シャンプー、ボデ
ィーシャンプー等の皮膚用の洗浄剤として、脂肪酸セッ
ケン、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレン
アルキル硫酸エステル塩、アシル化メチルタウリン塩な
どが使用されている。また、脂肪酸セッケンと両性界面
活性剤とを併用した洗浄剤も知られており、例えば、洗
浄力や、起泡力の改良を目的としたもの（特開昭５１−
３１７０６号、同３１７０７号、同３１７０８号、同５
５−１０２６９９号、同５７−９２０９６号）や、脱脂
作用の緩和を目的としたもの（特開昭６２−２０５１９
８号）などが提案されている。さらに、蛋白変性力の強
い界面活性剤や界面活性剤組成物を連続使用すると、大
きな肌荒れを生じるのに対し、蛋白変性力の小さい界面
活性剤やその組成物は、これを長期間連続使用しても肌
荒れが起こりにくく、皮膚に対する刺激性も少ないこと
が知られている。ポリオキシエチレンアルキル（又はア
ルケニル）エーテルカルボン酸塩および両性界面活性剤
は中性で皮膚のｐＨに近く、蛋白変性力が弱く、皮膚に
温和なことが知られているが、これら単独では泡性能が
劣り、しかもすすぎ時にヌメリ感が残ってさっぱりした
洗い上がり感が得られないという欠点がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は脂肪酸セッケ
ンを主剤とした洗浄剤組成物と同等の性能を有し、か
つ、蛋白変性力が弱く皮膚に温和な作用を有する洗浄剤
組成物を提供することをその課題とする。

【０００４】

〔式中、Ｒ₁は平均炭素数６〜２２の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又はアルケニル基、Ｍはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又はアルカノールアミンであり、ｎは１〜２０の数である〕

（ｂ）炭素数６〜２２の脂肪酸トリエタノールアミン（ｃ）次の一般式（II)、(III)、(IV)、又は(V)で示
される両性界面活性剤〔式中、Ｒ₂、Ｒ₄は平均炭素数６〜２２のアルキル基又
はアルケニル基、Ｒ₃、Ｒ₅は平均炭素数５〜２１のアル
キル基又はアルケニル基であり、ｎは１または２であ
る〕を主成分とし、成分（ａ）と成分（ｂ）との重量比
が２／１〜１／３であり、成分(ａ）、（ｂ）及び
（ｃ）の総含有量が１５〜４５重量％で、かつ、成分
(ｃ）２５重量％であることを特徴とする洗浄剤組成物が提供
される。

【０００５】本発明の洗浄剤組成物の成分（ａ）を構成
する前記一般式（Ｉ）で表わされるポリオキシエチレン
アルキル（又はアルケニル）エーテルカルボン酸塩（以
下、単にエーテルカルボン酸塩とも言う）において、そ
のアルキル基又はアルケニル基Ｒ₁の平均炭素数は６〜
２２、好ましくは１０〜１８である。また、塩形成用の
陽イオンＭを示すアルカリ金属としては、Ｎａ、Ｋ、Ｌ
ｉ等が挙げられ、アルカリ土類金属としては、Ｃａ、Ｍ
ｇ等が挙げられ、アルカノールアミンとしては、エタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン等が挙げられる。また、エチレンオキサイド（ＥＯ）
の付加モル数ｎは１〜２０、好ましくは１〜１０であ
る。本発明で好ましく用いられるエーテルカルボン酸塩
の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレン（４．
５ＥＯ）ドデシルエーテルカルボン酸トリエタノールア
ミン、ポリオキシエチレン（３ＥＯ）トリデシルエーテ
ルカルボン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレ
ン（１６ＥＯ）ドデシルエーテルカルボン酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレン（６ＥＯ）テトラデシルエーテ
ルカルボン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン（２Ｅ
Ｏ）ペンタデシルエーテルカルボン酸カリウム、ポリオ
キシエチレン（８ＥＯ）オクタデシルエーテルカルボン
酸ジエタノールアミン、ポリオキシエチレン（１０Ｅ
Ｏ）エイコシルエーテルカルボン酸ナトリウム、ポリオ
キシエチレン（４ＥＯ）オクチルエーテルカルボン酸ト
リエタノールアミンなどが挙げられる。

【０００６】また成分（ｂ）を構成する脂肪酸として
は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、パルミトオレイン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸、エルカ酸など
のほか、これらの混合物であるヤシ油脂肪酸、硬化ヤシ
油脂肪酸、パーム油脂肪酸、硬化パーム油脂肪酸、牛脂
脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸などが挙げられる。これらは単
独または２種以上の混合物の形で使用される。

【０００７】本発明において、前記成分（ａ）と成分
（ｂ）との重量比（ａ／ｂ）は２／１〜１／３、好まし
くは３／２〜２／５である。この重量比が２／１をこえ
るとすすぎ性が低下し、また、１／３未満では肌荒れを
防止する効果が十分でない。３／２〜２／５の範囲とな
るように用いるのが好ましい。

【０００８】本発明においては、前記成分（ａ）及び
（ｂ）とともに、さらに、成分（ｃ）として、一般式
（II）〜（Ｖ）で表わされる各種の両性界面活性剤を用
いる。前記一般式（II)で表わされるアルキルベタイン
としては、ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイ
ン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、一般式(II
I)で表わされるアミドプロピルベタインとしては、ヤシ
油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、
ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイ
ン、一般式(IV)で表わされるスルホベタインとしては、
ラウリルジメチルアミノヒドロキシプロピルスルホベタ
イン、ミリスチルジメチルアミノヒドロキシプロピルス
ルホベタイン、一般式(V)で表わされるイミダゾリニウ
ムベタインとしては、ヤシ油アルキル−Ｎ−カルボキシ
メチル−Ｎ−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイ
ン、ヤシ油アルキル−Ｎ−カルボキシエチル−Ｎ−ヒド
ロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられ
る。

【０００９】成分（ａ）、（ｂ）及び（ｃ）の総量は、
洗浄剤組成物中１５〜４５重量％が好ましく、更に好ま
しくは２０〜４０重量％である。この総量が１５重量％
より少ないと十分な起泡力、洗浄力が得られず、４５重
量％を越えると、粘性が大きくなって、取扱いにくくな
る。成分（ｃ）の量は、成分（ａ）、（ｂ）及び（ｃ）
の総量に対し５〜２５重量％、好ましくは１０〜２０重
量％になるように用いるのが好ましい。この範囲外では
肌荒れを防止する効果が十分でない。

【００１０】本発明の洗浄剤組成物において、成分
（ａ）は、蛋白変性力は弱いもののそれを単独で用いる
場合は起泡性、すすぎ性が十分に得られない。また、起
泡性、すすぎ性が良好な範囲で成分（ａ）と成分（ｂ）
を組合せても蛋白変性力が強すぎて、皮膚にとって温和
な組成物が得られない。これに対し、成分（ａ）、
（ｂ）及び（ｃ）を組み合わせるときには、起泡性、す
すぎ性を維持しつつ、蛋白変性力を著しく低下せしめた
洗浄剤組成物を得ることが可能になる。

【００１１】本発明の洗浄剤組成物は、上記必須成分の
ほかに、本発明の効果を特に阻害しない範囲で、補助成
分、例えば、プロピレングリコール、１，３−ブチレン
グリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等の
保湿剤、脂肪酸アルカロールアマイド、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、アルキルアミンオキシド等の非
イオン界面活性剤、水溶性高分子（アニオン性、非イオ
ン性、カチオン性のものを含む）、キレート剤、防腐
剤、殺菌剤、ｐＨ調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
色素、及び香料等を含むことができる。本発明の洗浄剤
組成物は、全身用、洗顔用、頭皮用等の身体用洗浄剤の
他、台所用洗浄剤等として好適である。

【００１２】

【実施例】次に、実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。なお、実施例における起泡性、すすぎ
性、蛋白変性率、および肌荒れ性は次の試験により評価
した。

【００１３】（起泡性試験）ＣａＣｌ₂を用い、ドイツ
硬度３ＤＨに調整した人工硬水を使用して、試料濃度３
重量％溶液２０ｍｌを作成し、１００ｍｌ栓付き試験管
を用い、温度２５℃の条件で１０秒間に２０回振とうさ
せその１分後の泡量を測定して、次の判定基準にしたが
って起泡性を評価した。 ◎：泡立ちが非常に良好（泡量７０ｍｌ以上） ○：泡立ちが良好（泡量５０ｍｌ以上、７０ｍｌ未満） △：泡立ちが普通（泡量３０ｍｌ以上、５０ｍｌ未満） ×：泡立ちが不良（泡量３０ｍｌ未満）

【００１４】（すすぎ性試験）男女各５名、合計１０名
のパネラーを用い、各試料につき１ｍｌを手のひらにと
り、約４０℃の温水で軽く泡立てた後、水道水でヌメリ
感がなくなるまですすいだときの回数を基準にして評価
した。 ○：すすぎ性良好１０名のすすぎ回数の平均が５回以下 △：すすぎ性普通１０名のすすぎ回数の平均が６〜７回 ×：すすぎ性不良１０名のすすぎ回数の平均が８回以上

【００１５】（蛋白変性率測定法）０．５重量％卵白ア
ルブミンｐＨ７緩衝溶液に、試料濃度１重量％になるよ
うに試料を加え、４０℃、２４ｈｒ放置後の卵白アルブ
ミン変性率を水系高速液体クロマトグラフィーにて、２
２０ｎｍの吸収ピークを用いて測定した。Ａ：卵白アルブミンの２２０ｎｍ吸収ピークの高さＢ：卵白アルブミン緩衝溶液に試料を加え、４０℃、２
４ｈｒ放置後の２２０ｎｍ吸収ピークの高さ評価の基準は次のように設定した。 ◎：卵白アルブミンの変性率が３０％未満 ○：卵白アルブミンの変性率が３０％以上、５０％未満 △：卵白アルブミンの変性率が５０％以上、８０％未満 ×：卵白アルブミンの変性率が８０％以上

【００１６】（肌荒れ性試験：浸漬テスト法）各試料に
つき、男女各５名、合計１０名のパネラーを用い、左右
どちからの一方の前腕部を試料濃度１重量％、４０℃の
水溶液に、他方の前腕部を同温度の水に１０分間浸漬す
る操作を１日１回、２日間連続して行い、左右前腕部の
肌荒れ状態の差を肉眼で判定した。この際の評価基準は
次の通りである。 ◎：肌荒れ性著しく弱い１０人中０〜１名試料側に肌荒れが認められた ○：肌荒れ性やや弱い１０人中２〜４名試料側に肌荒れが認められた △：肌荒れ性やや強い１０人中５〜７名試料側に肌荒れが認められた ×：肌荒れ性著しく強い１０人中８〜１０名試料側に肌荒れが認められた

【００１７】実施例１表１に示す組成物を調製し、各組成物の起泡性、すすぎ
性、蛋白変性率を調べた。その結果を表１に示す。

【００１８】

【表１】

【００１９】実施例２下記組成のボディシャンプー調製し、前記の方法にて評
価した。いずれも起泡性、すすぎ性が良好で蛋白変性率
が低く、肌荒れ性が著しく弱いものであった。Ｐ．Ｏ．Ｅ（４．５）ラウリルエーテル酢酸１２重量％トリエタノールアミンラウリン酸トリエタノールアミン１０重量％ミリスチン酸トリエタノーリアミン８重量％ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン５重量％トリエタノールアミン５重量％プロピレングリコール１０重量％エタノール５重量％アクリル樹脂１重量％香料１重量％精製水残部１００重量％

【００２０】実施例３Ｐ．Ｏ．Ｅ（７）トリデシルエーテル酢酸１０重量％トリエタノールアミンラウリン酸トリエタノールアミン８重量％ミリスチン酸トリエタノーリアミン５重量％パルミチン酸トリエタノーリアミン３重量％ラウリルジメチルアミノヒドロキシ４重量％プロピルスルホベタインヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド３重量％ソルビトール６重量％プロピレングリコール８重量％マーコート５５００．５重量％メチルセルロース０．３重量％香料１重量％精製水残部１００重量％

【００２１】

【発明の効果】本発明の洗浄剤組成物は、従来の脂肪酸
石けんを同様にすぐれた起泡性及びすすぎ性を有すると
ともに、その蛋白変性率は低く、肌に対してすぐれたマ
イルド性を有し、使用に際し肌荒れを生じるようなこと
はない。本発明の洗浄剤組成物は、シャンプーやボディ
ーシャンプー等の身体用洗浄剤及び台所用洗浄剤等とし
て有利に使用される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｃ１１Ｄ 1:46 1:90 1:92）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】次の３成分、（ａ）次の一般式（I）
で示されるポリオキシエチレンアルキル（又はアルケニ
ル）エーテルカルボン酸塩Ｒ₁Ｏ−（ＣＨ₂ＣＨ₂Ｏ）ｎＣＨ₂ＣＯＯＭ（I）〔式中、Ｒ₁は平均炭素数６〜２２のアルキル基又はア
ルケニル基、Ｍはアルカリ金属、アルカリ土類金属、ア
ンモニウム又はアルカノールアミンであり、ｎは１〜２
０の数である〕（ｂ）炭素数６〜２２の脂肪酸トリエタノールアミン（ｃ）次の一般式（II)、(III)、(IV)又は(V)で示さ
れる両性界面活性剤〔式中、Ｒ₂、Ｒ₄は平均炭素数６〜２２のアルキル基又
はアルケニル基、Ｒ₃、Ｒ₅は平均炭素数５〜２１のアル
キル基又はアルケニル基であり、ｎは１または２であ
る〕を主成分とし、成分（ａ）と成分（ｂ）との重量比
が２／１〜１／３であり、成分(ａ）、（ｂ）及び
（ｃ）の総含有量が１５〜４５重量％で、かつ、成分
(ｃ）２５重量％であることを特徴とする洗浄剤組成物。