JPH05214186A - 樹脂組成物、多層構造体および多層包装体 - Google Patents

樹脂組成物、多層構造体および多層包装体

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JPH05214186A
JPH05214186A JP4624092A JP4624092A JPH05214186A JP H05214186 A JPH05214186 A JP H05214186A JP 4624092 A JP4624092 A JP 4624092A JP 4624092 A JP4624092 A JP 4624092A JP H05214186 A JPH05214186 A JP H05214186A
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崇 大永
Shiro Osada
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Yoshifumi Murata
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (I)エチレン−ビニルエステル共重合体け
ん化物(A)97〜50重量%および、グルタルイミド
単位を少なくとも2モル%含む変性アクリル樹脂(B)
3〜50重量%からなる樹脂組成物。 (II)エチレン−ビニルエステル共重合体けん化物
(A)94〜50重量%、グルタルイミド単位を少なく
とも2モル%含む変性アクリル樹脂(B)3〜47重量
%およびポリアミド、ポリオレフィンおよびポリエステ
ルから選ばれる少なくとも1種の樹脂(C)3〜47重
量%からなる樹脂組成物。 【効果】 本発明の樹脂組成物(I)は、耐熱性および
耐熱水性の優れた、しかもガスバリヤー性、成形性が優
れており、それゆえ、食品包装、とりわけEVOHが最
外層に使用される包装、あるいはレトルト食品の包装に
有用である。本発明の樹脂組成物(II)は、優れた耐熱
性および耐熱水性を有し、さらに長時間の成形運転が可
能な優れた成形性を有し、しかもレトルトによるガスバ
リヤー性の悪化が少ない。それゆえ、食品包装、とりわ
けレトルト食品の包装に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性および耐熱水性
に優れ、さらにガスバリヤー性に優れた、エチレン−ビ
ニルエステル共重合体けん化物(A)とグルタルイミド
単位を含む変性アクリル樹脂(B)の組成物、および多
層構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン−ビニルエステル共重合体けん
化物(以下EVOH)は高度なガスバリヤー性を有する
樹脂であり、これを使用した多層容器、多層フィルム
が、食品包装に使用されている。しかし、EVOHは耐
熱性および耐熱水性の不足から、使用方法が限定される
用途、あるいは使用不可能な用途があった。以下にその
例を示す。
【0003】耐熱性の不足が指摘される例としてはEV
OH層/ポリエチレン(以下PE)層といった、EVO
Hを最外層に使用した多層フィルムのヒートシーラーへ
のEVOHの融着の問題がある。通常、この多層構成フ
ィルムの包装袋は、2枚の上記構成のフィルムのPE側
を合わせた後、ヒートシーラー装置の加熱部にEVOH
側(袋の外側)を接触させ、伝熱によりPEを加熱、圧
着し、融着させることにより製作される。しかし、この
時、PEの種類、厚みによっては、融着するために多量
の熱量が必要となり、PEが融着する温度に達する前に
EVOHが溶融し、その結果、EVOHが加熱部に融着
する場合があった。従って、低温でヒートシール可能な
構成にするか、EVOHの外側にナイロンなどの保護層
を設ける必要があった。
【0004】耐熱水性の不足が指摘される例としては、
レトルト殺菌用途がある。この場合、外層から二軸延伸
ナイロンフィルム/EVOH/ポリプロピレンの多層袋
が、強度などの点から良好と考えらえる。しかしこの構
成を包装材料としレトルト殺菌すると、EVOHが水で
可塑化され、デラミネーション、層の乱れ、白化を発生
し使用に耐えなかった。
【0005】特開平1−253442には、EVOHと
ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステル、あるいは
ポリカーボネートをブレンドすることによって耐熱水性
が向上し、このブレンド層を中間層とし、外層に二軸延
伸ナイロンフィルム、内層にポリプロピレン層を設けた
多層構造体がレトルトが可能となることが示されてい
る。しかしながら、この多層構造体では、耐熱水性が十
二分とは言えず、ヒートシールする際の耐熱性の充分と
は言えない。またこの組成物は熟成形時に、架橋反応に
よるゲル化が発生しやすく長時間の製膜運転に問題があ
った。一方、この組成物はレトルト後の酸素ガスバリヤ
ー性はレトルト前より若干であるが低下しており、製造
面、性能面の両者共に改善が求められていた。
【0006】特開平2−225551にはグルタルイミ
ド化アクリル樹脂にEVOHを少量(約2.5〜約40
重量%)ブレンドする記載があるが、充分なガスバリヤ
ー性を付与することはできない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、E
VOH系樹脂組成物において、耐熱性、および耐熱水性
を有し、かつガスバリヤー性を併せ有し、さらに十分な
成形性、強度を有するものは存在しなかった。しかして
本発明の第1の目的は耐熱性および耐熱水性の優れた、
しかもガスバリヤー性、成形性の優れた組成物を提供す
ることにある。
【0008】さらに本発明の第2の目的は、優れた耐熱
性および耐熱水(耐レトルト)性を有し、さらに長時間
の成形運転が可能な成形性の良好な、しかも、レトルト
によるガスバリヤー性の悪化が少ないという、製造面、
性能面の両者に改善された樹脂組成物を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、EV
OH(A)97〜50重量%と、グルタルイミド単位を
少なくとも2モル%含む変性アクリル樹脂(以下GI−
PMMAと省略する)(B)3〜50重量%からなる樹
脂組成物を提供することによって達成される。
【0010】上記第2の目的は、EVOH(A)94〜
50重量%、グルタルイミド単位を少なくとも2モル%
含む変性アクリル樹脂(B)3〜47重量%およびポリ
アミド、ポリオレフィンおよびポリエステルから選ばれ
る少なくとも1種の樹脂(C)3〜47重量%からなる
樹脂組成物を提供することによって達成される。
【0011】以下、本発明を更に詳しく説明する。本発
明において、EVOH(A)とは、エチレンとビニルエ
ステルのエステルを加水分解したものであれば、任意の
ものを含むものであるが、本発明の目的に適合するもの
として、特にエチレン単位の含有量が20〜65モル
%、好適には20〜45モル%、けん化度が90%以
上、さらには96%以上、とりわけ98モル以上のもの
が挙げられ、メルトフローインデックス(MFI)(2
50℃、2160g)の値として、2〜600g/10
分の範囲が例示される。エチレン含有量が20モル%未
満では、高湿度時のガスバリアー性が低下し、65モル
%を越えると十分なガスバリアー性が得られない。一
方、けん化度が90モル%も満では、高湿度時のガスバ
リアー性が低下するだけでなく、EVOHの熱安定性が
悪化し、得られる膜面にゲルが発生しやすい。またビニ
ルエステルとしては酢酸ビニルが代表例としてあげられ
るが、その他のビニルエステル、たとえば脂肪酸ビニル
エステル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルな
ど)も使用できる。
【0012】また、EVOH(A)にはさらに少量のプ
ロピレン、イソブテン、4−メチルペンテン−1、ヘキ
セン、オクテン等のα−オレフィン、イタコン酸、メタ
クリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カル
ボン酸、その塩、その部分または完全エステル、そのニ
トリル、そのアミド、その無水物、ビニルトリメトキシ
シラン等のビニルシラン系化合物、不飽和スルホン酸、
その塩、アルキルチオール類等の共重合成分を含んでい
ても差支えない。
【0013】また、EVOH(A)はエチレン含有量の
異なる2種類以上のEVOHの混合物であってもよく、
また、重合度やけん化度の異なる2種類以上のEVOH
の混合物であってもよい。さらに、エチレン含有量と重
合度やけん化度が共に異なっていてもよい。
【0014】本発明において、GI−PMMAとして
は、一般式(1)で表されるN−水素型グルタルイミド
単位(ここでR1,R2はそれぞれ水素またはメチル基で
ある)、または(2)式で示されるグルタルイミド単位
(ここでR3はアルキル、アリール(aryl)、アル
カリール、アラルキル基であり、それぞれの基の炭素数
は1〜9、好適には1〜6であることが好ましい)を少
なくとも2モル%、好適には5モル%〜80モル%の共
重合成分として含有するアクリル系ポリマーである。2
%以下のものはEVOHとの相溶性が不良であり本発明
の目的物が得られない。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】GI−PMMAの製造法に特に制限はない
が、たとえば以下の方法で得られる、実質的に無水状態
において押出機中でアクリル系重合体またはメタクリル
系重合体とアンモニアまたは第一級アミンとを約200
℃〜450℃の温度において反応させジメチルフォルム
アミド(DMF)に可溶なイミド化アクリル樹脂を製造
する方法。
【0018】あるいは一般式CH2=CR4Y(式中、R
4は水素またはメチル基を示し、YはCONHR5ただ
し、R5は水素、アルキル基、アリール基、アラルキル
基を示す。)で表されるアクリル系アミドと、メタクリ
ル酸メチルとを、水を30wt%以下含有するメタノー
ル溶媒中でラジカル重合触媒の存在下に共重合するにあ
たり、アクリル系アミドに対して0.5〜10倍モルの
メタクリル酸メチルの一部を予めアクリル系アミドとと
もに該溶媒中に加えて混合溶解し、その残りのメタクリ
ル酸メチルを供給しながら共重合した後、塩基性触媒の
存在下でイミド化反応を行い、共重合体中にアクリル系
アミド単位をグルタルイミド単位に実質的に完全に変換
し製造する方法がある。
【0019】GI−PMMAの重合度について、特に制
限はないが、後術する様にEVOHと溶融ブレンドする
際、粘度が近い方が高度の分散が容易に得られ好まし
く、メルトインデクサーにより、250℃で測定した場
合、MFIが0.1〜100g/10分(2160
g)、好ましくは0.5〜50のものが挙げられる。
【0020】また、GI−PMMAは、他の単量体単
位、例えば、アクリル酸エステル類および芳香族ビニル
化合物を使用するメタクリル酸メチルを0.1倍モル以
下の量で併用して重合することで得られたものであって
もよい。
【0021】本発明の第1の目的を達成するための組成
物を構成するEVOH(A)とGI−PMMA(B)の
組成比は、97〜50重量%:3〜50重量%であり、
好適には95〜60重量%:5〜40重量%である。本
発明においてこの組成比は重要であり、GI−PMMA
の成分が少ないと、耐熱性不良によるヒートシールバー
への付着、耐熱水性不良によるレトルト後の白化、しわ
などの外観不良が発生し、さらに耐衝撃性も低下する。
逆にGI−PMMAが多すぎると、バリヤー性が低下
し、さらにゲル、ブツの発生がある。
【0022】また本発明の第2の目的を達成するための
組成物はEVOH(A)94〜50重量%とGI−PM
MA(B)3〜47重量%およびポリアミド、ポリオレ
フィンまたはポリエステルから選べれる少なくとも1種
の樹脂(C)3〜47重量%からなる樹脂組成物であ
る。このような樹脂組成物は、後術する実施例2−1〜
2−10からも明らかなように優れた耐熱性および耐熱
水性を有し、さらに長時間の成形運転が可能な優れた成
形性を有し、しかもレトルトによるガスバリヤー性の悪
化が少ない。好適な組成比は、Aが94〜50重量%、
Bが3〜40重量%、Cが3〜40重量%、さらに好適
にはAが90〜60重量%、Bが5〜30重量%、Cが
5〜30重量%である。なおここで重量%とは(A)、
(B)および(C)の合計量に対する重量%である。
B、Cの成分が少ないと、耐熱性不良による、ヒートシ
ールバーへの付着、レトルト後の白化、しわなどの外観
不良が発生する。逆にB、Cが多すぎると、バリヤー性
が低下するため好ましくない。C:Bの比率は上記範囲
であれば、特に制限はないが、好適には1:0.2〜
0.2:1である。
【0023】また樹脂(C)のポリアミド系樹脂(以下
PA)としては、ポリカプラミド(ナイロン−6)、ポ
リ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン−7)、ポリ−ω
−アミノノナン酸(ナイロン−9)、ポリウンデカンア
ミド(ナイロン−11)、ポリラウリルラクタム(ナイ
ロン−12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイ
ロン−2,6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイ
ロン−4,6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイ
ロン6,6)、ポリヘキサメチレンドデカンアミド(ナ
イロン−6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド
(ナイロン−8,6)、ポリデカメチレンアジパミド
(ナイロン−10,6)、ポリドデカメチレンゼバミド
(ナイロン−10,8)、あるいは、カプロラクタム/
ラウリルラクタム共重合体(ナイロン6/12)、カプ
ロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート
共重合体(ナイロン−6/6,6)、カプロラクタム/
ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン−6/9)、カ
プロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペー
ト共重合体(ナイロン−12/6,6)、ヘキサメチレ
ンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンンジアン
モニウムセバケート共重合体(ナイロン−6,6/6,
10)、エチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメ
チレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−
2,6/6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジ
アンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウ
ムセバケート共重合体(ナイロン−6/6,6/6,1
0)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド、ポリヘキ
サメチレンテレフタルアミド、ヘキサメチレンイソフタ
ルアミド/テレフタルアミド共重合体などが挙げられ
る。
【0024】これら、PA類の中で、本発明に最も好適
なものとしては、カプロラクタム/ラウリルラクタム共
重合体(ナイロン−6/12)、カプロラクタム/へキ
サメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロ
ン−6/6,6)が挙げられる。両者とも、ナイロン−
6成分は特に制限はないが、12成分であれば、3〜6
0重量%、6,6成分であれば、1〜50重量%である
ものがEVOHとの相溶性が良く、好ましい。また、そ
の相対粘度は2.0〜3.6、より好ましくは2.2〜
3.2の範囲である。
【0025】これら、PA類、とりわけナイロン−6/
12、ナイロン−6/6,6のジアンミンやジカルボン
酸を添加して高分子鎖中にポリーテル結合を有するPA
としてもよい。また、ヘキサメチレンジアミンやラウリ
ルアミンやラウリルアミンのような脂肪族アミンやメタ
キシレンジアミンやメチルベンジルアミンのような芳香
族アミンを添加して、PA中のカルボキシル基の量を減
少させたものも好ましい。その場合、アミノ末端基が8
×10-5等量/g以上で、カルボキシル末端基が3×1
-5等量/g以下とすると良い。
【0026】また樹脂(C)のポリオレフィンとしては
アイオノマー樹脂や、高密度、中密度、低密度および直
線状低密度のポリエチレンあるいはブテン、ヘキセン、
4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン類とエ
チレンとの共重合体、ポリプロピレンホモポリマー、エ
チレンをグラフトあるいはブロック共重合したポリプロ
ピレンポリマー、あるいはエチレン、ブテン、ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、さらには上記のα−オ
レフィンと酢酸ビニル、アクリル酸エステルとの共重合
体が使用でき、さらにこれらの樹脂を不飽和カルボン酸
あるいはその無水物で変性したものも使用できる。
【0027】不飽和カルボン酸あるいはその無水物とし
ては、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イ
タコン酸、無水シトラコン酸、アクリル酸エチル、メタ
クリル酸メチル、マレイン酸エチル、アクリル酸−2−
エチルヘキシル、アクリルアミド、メタクリルアミド、
ヤシ油脂肪酸アミド、マレイミド等が挙げられる。この
中で、特に好ましいのはポリプロピレンを無水マレイン
酸により0.05重量%以上変性したものである。
【0028】また樹脂(C)のポリエステル系樹脂とし
ては、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレ
ンテレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート/
イソフタレート)、ポリ(エチレングリコール/シクロ
フタレート)、ポリ(エチレングリコール/シクロヘキ
サンジメタノール/テレフタレート)などがその代表と
して挙げられ、さらにこれらの重合体に共重合成分とし
てエチレングリコール、ブチレングリコール、シクロヘ
キサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ペンタ
ンジオールなどのジオール類、あるいはイソフタル酸、
ベンゾフェノンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカ
ルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、プロピレン
ビス(フェニルカルボン酸)、ジフェニルオキサイドジ
カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、サバチン酸、ジエチルコハク酸などのジカルボン酸
を含有せしめたものが使用できる。
【0029】この樹脂(C)のうちポリアミド系樹脂
が、耐熱性および耐熱水性を向上させるのに最も効果的
である。
【0030】本発明の(A)と(B)、あるいは(A)
と(B)と(C)からなる樹脂組成物には、本発明を阻
害しない範囲で、酸化防止剤、光安定剤、色剤、紫外線
吸収剤、滑剤、スリップ剤、帯電防止剤、可塑剤、硼酸
等の架橋剤、無機充填剤、無機乾燥剤等の各種添加剤、
高吸水性樹脂等の各種樹脂を配合してもよい。例えば次
のようなものが示される。
【0031】安定剤:ステアリン酸カルシウム、ハイド
ロタルサイト類、の金属塩等。酸化防止剤:2,5−ジ
−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル
−p−クレゾール、4,4−チオビス(6−t−ブチル
フェノール)、2,2´−メチレン−ビス−(4−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−
(3´,5´−ジ−t−ブチル−4´−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート、4,4´−チオビス−(6−t
−ブチルフェノール)等。
【0032】紫外線吸収剤:エチル−2−シアノ−3,
3´−ジフェニルアクリレ−ト、2−(2´−ヒドロキ
シ−5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2´−ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5´−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2´−ジヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−オクトキシベンゾフェノン等。
【0033】可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエ
チル、フタル酸ジオクチル、ワックス、流動パラフィ
ン、燐酸エステル等。
【0034】帯電防止剤:ペンタエリスリットモノステ
アレート、ソルビンモノパルミテート、硫酸化オレイン
酸、ポリエチレンオキシド、カーボンワックス等。滑
剤:エチレンビスステアロイド、ブチルステアレート
等。
【0035】着色剤:カーボンブラック、フタロシアニ
ン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、酸化チタ
ン、ベンガラ等 。
【0036】充填剤:グラスファイバー、アスベスト、
マイカ、セリサイト、タルク、ガラスフレーク、バラス
トナイト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、モ
ンモリロナイト、ヘクトライト、バイデライト、ノント
ロナイト、サポナイト、ソーコナイト、スチブンサイト
等。
【0037】本発明の組成物を得るためのブレンド方法
としては単軸あるいは二軸スクリュー押出機(同方向あ
るいは異方向)、インテンシブミキサー、連続式インテ
ンシブミキサー等による溶融押出機、冷却下ペレット化
する方法が用いられる。
【0038】この様にして得られた組成物は単独あるい
は、他の熱可塑性樹脂と組み合わせて多層構造体とし
て、シート、フィルム、ボトル、カップ、チューブに成
形される。
【0039】フィルムとして使用される場合は、無延伸
または延伸(一軸または二軸延伸)し使用される。多層
フィルムとして使用する場合は、共押出してフィルム化
してもよいし、後で通常のドライラミネーション、ウエ
ットラミネーション、押出ラミネーション、コーティン
グなどの方法が使用できる。
【0040】上記のような多層化をする前に、アルミ、
酸化珪素、酸化アルミなどの蒸着膜を、既知の方法で形
成しておくこともできる。
【0041】シート、ボトル、カップ、チューブでの多
層化は共押出成形、共射出成形などにより多層化後、目
的の形に付形して使用される。
【0042】本発明の組成物層に積層される樹脂として
は、GI−PMMA、EVOH、ポリオレフィン系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、飽和ポリ
エステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリスチレン−
ポリブタジエンブロック共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリウレタン系樹脂、
ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂が挙げられる。多層構造体を得る際、
各層の接着性を向上させるために接着性樹脂を使用する
ことが好ましい場合がある。ここで接着性樹脂として
は、不飽和カルボン酸またはその無水物(無水マレイン
酸など)で変性(付加、グラフトなど)したオレフィン
系重合体または共重合体{ポリエチレン(低密度ポリエ
チレン、直鎖状低密度ポリエチレン)、ポリプロピレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エステル}に代表される接着性樹脂を使用すること
ができる。これらの接着性樹脂は層間接着剤としてまた
は各層内に配合することによって使用される。
【0043】多層構成に特に制限はないが、本発明の組
成物をX、他の樹脂をD、E、Fとすると、X/D、X
/D/E、D/X/D、D/E/X/E/D、D/F/
E/X/E/F/D、D/E/X/E/D/E/X/E
/Dなどが挙げられる。なお、D、E、Fはそれぞれの
異種の樹脂あるは回収層であることを示す。特に本発明
の樹脂組成物のバリヤー性は湿度依存性があり、低湿度
になるよう多層構成を配置することが好ましい。例え
ば、内容物が水(100%RH)で保存雰囲気が65%
RHの場合は、外層の透湿度が低いほど65%RHに近
づき高バリヤー性が得られる。またレトルト用途ではレ
トルト中に組成物が吸湿しても保存中に水分が飛散し早
くバリヤー性が回復する。
【0044】またレトルト用途では外層と内層の透湿度
差が大きいほど、レトルト中に組成物が吸湿しても保存
中に水分が飛散し早くバリヤー性が回復する。具体的に
は、外層の透湿度が40g/m2・day(40℃90
%RHで測定)以上とし、内層はそれより透湿度の低い
構成とした場合が好ましい。ここで内層が外層より透湿
度が低いとは、内層の透湿度が40g/m2・day未
満であることのみを意味するのではなく、実際に使用さ
れている外層の透湿度より低いことも意味する。
【0045】具体的には、市販の二軸延伸ポリアミドフ
ィルム(15μ)や、二軸延伸ポリエステルフィルム
(12μ)は透湿度がそれぞれ、260g/m2・da
y、50g/m2・dayであり、外層材として好まし
い。また内層材としては、無延伸ポリエチレン(50
μ)や無延伸ポリプロピレン(50μ)の透湿度がそれ
ぞれ9g/m2・day、7g/m2・dayと好まし
く、特にポリプロピレンが耐熱性に優れることから好ま
しい。
【0046】本発明の組成物は、ガスバリアー性に優れ
ており、合わせて、従来のEVOHに見られなかった、
卓越した耐熱性、耐熱水性を備えている点から、通常の
食品包装への使用、特にヒートシールにより密封される
容器、袋、パウチ、容器の蓋や、ボイル、レトルト殺菌
食品の包装容器用素材として有用である。また食品以外
の包装例えば、医薬品、農薬、化粧品、洗剤、有機薬
品、オーディオ部品、文具等などの非食品類の包装用素
材にも望ましい。
【0047】とくに本発明の樹脂組成物は、ボイル、レ
トルト殺菌用容器として有用であり、ここでボイル、レ
トルト殺菌は、通常の方法および条件を採用できる。レ
トルト処理は回収式、蒸気式、シャワー式、スプレー式
などの方法が採用できる。
【0048】
【実施例】
実施例1 EVOH(A)としてエチレン−酢酸ビニルエステル共
重合体をけん化して得た、エチレン含有量32モル%、
酢酸ビニルエステル成分のけん化度99.5モル%、2
50℃でのMFIが7g/10分の樹脂を80重量部、
GI−PMMA(B)として(3)式に示すグルタルイ
ミド単位を24モル%含む、250℃のMFIが5g/
10分の樹脂を20重量部を、40φ一軸フルフライト
スクリューを持つ(L/D27)押出機にて250℃で
溶融押出しして、ブレンドペレットを得た。
【0049】
【化3】
【0050】なお、上記GI−PMMAはオートクレー
ブ中で、メタクリル酸メチルと、メタクリルアミドをメ
タノール溶媒中でジ−t−ブチルパーオキサイドおよび
n−オクチルメルカプタンを加え撹拌下120℃で共重
合を実施した後、ナトリウムメトキシドのメタノール溶
液を供給し反応させ、得られたものである。
【0051】続いて、40φ一軸フルフライトスクリュ
ー、550mmのコートハンガーダイを持つ押出製膜機
により250℃で溶融後、98℃のキャストロールにキ
ャストし、15μの厚さの透明な無延伸フィルムを得
た。
【0052】次に上記フィルムを中間層とし、外層に市
販の二軸延伸ナイロン−6フィルム{ユニチカ(株)製
のエンブレム、厚み15μ}、内側に市販の無延伸ポリ
プロピレンフィルム{トーセロ(株)製、RXC−1
1、厚み70μ}を選び、これにドライラミネート用接
着剤(二液タイプ、ウレタン系)として武田薬品工業
(株)製のA−385/A−50を固形分として4g/
2塗布し、80℃で溶剤を蒸発させた後に、前記の組
成物フィルムを貼合わせ、40℃で5日エージングを行
い、多層フィルムを得た。
【0053】水の入ったポリプロピレン製の口径10c
mのカップ状容器に、上記多層フィルムを蓋材とし、該
フィルムのポリプロピレン側を内面として上記カップ状
容器の開口部に熱融着して密封容器を得た。
【0054】これを、レトルト装置{(株)日阪製作所
製、高温高圧調理殺菌試験機、RCS−40RTGN}
を使用して、熱水加熱方式で120℃、30分のレトル
ト処理を実施した。レトルト処理直後、蓋のフィルムは
白味を帯びていたが、20℃65%RH中で約30分で
完全に透明化し、その他外観上の異常は見られなかっ
た。同様にレトルトしたカップより蓋材を切り出して、
MOCON社製のOXTRAN10/50Aにて、20
℃酸素ガス側65%RH、窒素ガス側100%RHにて
酸素透過量を測定した。レトルト後12時間で1.0c
c/m2・atm・日(以下ccと表現)の平衡値まで
回復した。
【0055】比較例1 実施例1記載の組成物にかえて実施例1で使用したEV
OH単独で同様にフィルムを得て、以下同様なテストを
実施したところ、レトルト後、白化が回復しない部分
や、しわ状になった部分が見られた。
【0056】比較例2 実施例1記載の組成物にかえて実施例1で使用したEV
OH80重量%とPMMA(250℃のMFIが3g/
10分の樹脂)20重量%として同様にブレンドペレッ
トを得て、製膜を実施した。このフィルムを用い同様の
テストを実施した。レトルト後、白化が回復しない部分
や、しわ状になった部分が見られた。
【0057】比較例3 実施例1記載のEVOHとGI−PMMAのブレンド率
を、それぞれ15重量%と85重量%とGI−PMMA
を多量にして、以下同様のテストを実施した。レトルト
後、透明性は良好であったがOTRが4.0ccと不十
分なバリヤー性であった。
【0058】実施例2 実施例1において、EVOHとGI−PMMAのブレン
ド率を60:40重量%とし、以下同様にテストを実施
した。レトルト後の外観上の問題は無く、OTRは1.
7ccであった。
【0059】実施例3および比較例4 実施例1において、EVOHをエチレン含量38モル
%、けん化度99モル%、250℃でのMFIが35g
/10分(2160g)のものを用い、以下同様にテス
トを実施した。レトルト後の外観上の問題は無く、OT
Rは1.9ccであった(実施例3)
【0060】同一原料でブレンド率をEVOH15重量
%、GI−PMMAを85重量%として同様に評価した
が、レトルト後の透明性は良好であったが、OTRは
7.5ccと悪かった(比較例4)。
【0061】実施例4 実施例1において、GI−PMMAを(4)式のグルタ
ルイミド基で20モル%変性され、250℃でのMFI
が1g/10分(2160g)のものを用い、以下同様
にテストを実施した。レトルト後の外観上の問題は無
く、OTRは1.0ccであった。
【0062】
【化4】
【0063】実施例5 実施例1において、150μのフィルムを得て、東洋精
機製フィルムストレッチテスター×6H型を用い、80
℃にて縦3.3倍、横3.3倍に同時延伸し、150℃
で熱固定し、15μの透明なフィルムを得た。続いて、
以下実施例1と同様にレトルトを実施したが、外観上の
問題は無く、OTRは0.7ccであった。
【0064】実施例6 実施例1において、外層を二軸延伸フィルムポリエステ
ルフィルム{東レ(株)製ルミラー、厚み12μ}と
し、以下実施例1と同様にレトルトを実施したが、外観
上の問題は無く、OTRは1.5ccであった。
【0065】実施例7および比較例5 実施例1において用いた組成物を4台の押出機とTダイ
を有するフィードブロック型共押出装置を使用して4層
からなる共押出多層フィルムを得た。構成は、外側か
ら、ポリアミド{三菱化成工業(株)製ノバミッド10
20、厚み20μ}、樹脂組成物(X)(厚み20
μ)、接着性樹脂{三井石油化学(株)製アドマーQF
−500、厚み10μ}、ポリプロピレン{三菱油化
(株)製三菱ノーブレンPY−220、厚み50μ}で
あり、透明なフィルムであった。これを実施例1と同様
にレトルトしたところ、ドライラミフィルムと同様に完
全に透明性が回復し、OTRは0.6ccであった(実
施例7)。
【0066】同様に、EV4H単独で実施したが、レト
ルト後フィルムは白化が回復しなかった(比較例5)。
【0067】実施例8および比較例6 実施例5において、構成が、外側から、ポリアミド厚み
(100μ)、実施例1の樹脂組成物(厚み150
μ)、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系接着性樹脂
(厚み100μ)、ポリプロピレン(厚み400μ)の
多層シートを製作し、真空圧空成型機{(株)浅野製作
所製}を使用し、底面が半径33mmの円形、上面が3
7mmの円形、高さ37mmのカップを成型した。これ
に、水を入れ、蓋は実施例1のフィルムを用いヒートシ
ールした。レトルト後の外観は問題なく、OTRは0.
2ccであった(実施例8)。しかし、EVOH単独の
ものは、白化が消失しなかった(比較例6)。
【0068】実施例9および比較例7 実施例1と同様にして、外層から、組成物(X)のフィ
ルム(最外層)/ポリエチレン{東セロ(株)製TUX
−TC、40μ}フィルムの2層構成のフィルムを得
た。20℃65%RHで調湿した後、富士インパルスシ
ーラーFR−450−5にてフィルム接触面が200℃
まで加熱される条件を設定し、上記フィルムどうしをポ
リエチレン面どうしが接触するようにしてシールを実施
したところ、ポリエチレンの融着が十分(JIS Z
0238の引張試験で3kgf/15mm)なされ、樹
脂組成物の外観も異常なかった(実施例9)。
【0069】EVOH単独/ポリエチレンの多層フィル
ムを同様にヒートシールしたところ、EVOHが溶融
し、シールバーへの融着が見られた。また、EVOHの
収縮による波打ちも見られた(比較例7)。
【0070】
【表1】
【0071】
【実施例】
実施例2−1 EVOH(A)としてエチレン−酢酸ビニルエステル共
重合体をけん化して得た、エチレン含有量32モル%、
酢酸ビニルエステル成分のけん化度99.5モル%、2
50℃でのMFIが7g/10分の樹脂を80重量%、
PA(C)としてPA−6/12共重合体(カプロラク
タムの単位とラウリルラクタムの単位の重量比が90/
10で融点が215℃、相対粘度が2.5)10重量
%、GI−PMMA(B)として以下の(3)式(化
3)に示すグルタルイミド基により24モル%変性され
た、MFIが5g/10分の樹脂を10重量%を、40
φ一軸フルフライトスクリューを持つ(L/D27)押
出機にて230℃で溶融押出しして、ブレンドペレット
を得た。
【0072】続いて、40φ一軸フルフライトスクリュ
ー、550mmのコートハンガーダイを持つ押出製膜機
により樹脂温度230℃(吐出量4kg/hr)で溶融
後、98℃のキャストロールにキャストし、15μの厚
さの透明な無延伸フィルムを得た。この条件で連続4日
間の連続運転が可能であった。この時間は月曜日に装置
を組み付けて、金曜日に停止するというスケジュールが
採用可能であり十分採算のとれるものである。更に連続
運転を行うと、フィルム膜面にゲルが多発し、約300
μ以上のゲルが50個/100cm2以上になり、品質
上問題であった。
【0073】次に上記フィルムを中間層とし、外層に市
販の二軸延伸ナイロン−6フィルム{ユニチカ(株)製
のエンブレム、厚み15μ、透湿度260g/m2・d
ay}、内側に市販の無延伸ポリプロピレンフィルム
{トーセロ(株)製、RXC−11、厚み50μ、透湿
度7g/m2・day}を選び、これにドライラミネー
ト用接着剤(二液型、ウレタン系)として武田薬品工業
(株)製のA−385/A−50を固形分として4g/
2塗布し、80℃で溶剤を蒸発させた後に、前記の組
成物フィルムを貼合わせ、40℃で5日エージングを行
い、多層フィルムを得た。これを、20℃でPA層側6
5%RH、PP層側100%RHの条件で調湿後、MO
CON社製OXTRAN10/50Aに装着し、同条件
で酸素ガス透過量(以下OTR)を測定したところ、
0.7cc/m2・day・atm(以下cc)であっ
た。
【0074】このフィルムを蓋材として、水の入ったポ
リプロピレン製のカップ状容器に、上記多層フィルムを
選び、15重量%濃度のトルエン溶液に調整した。該溶
液を該複合フィルムのポリプロピレン側を内面としてヒ
ートシーラーにて熱融着して密封容器を得た。
【0075】これを、レトルト装置{(株)日阪製作所
製、高温高圧調理殺菌試験機、RCS−40RTGN}
を使用して、120℃、30分のレトルト処理を実施し
た。レトルト処理直後、蓋のフィルムは白味を帯びてい
たが、20℃65%RH中で約30分で完全に透明化
し、その外外観上の異常は見られなかった。
【0076】別に作った同じ容器をレトルトし、直後蓋
材を切り出し、MOCON社製OXTRAN10/50
Aに装着し、20℃でPA層側65%RH、PP層側1
00%RHの条件でOTRを測定した。直後は40cc
であったが、約12時間後、0.8ccまで回復した。
【0077】比較例2−1 実施例2−1において、実施例2−1記載のEVOH単
独で同様にフィルムを得て、以下同様なテストを実施し
たところ、レトルト後の白化で一部回復しない部分や、
しわ状になった部分が見られた。
【0078】比較例2−2 実施例2−1において、組成を実施例2−1記載のEV
OH80%と、PA20%とし、以下同様に製膜を実施
した。ゲルが50個/100cm2以上になったのは2
日後であった。またこのフィルムを用い、以下同様にレ
トルトを実施した。外観は問題なかったが、OTRは
1.2ccまでしか回復しなかった(レトルト前は0.
9cc)。
【0079】実施例2−2〜2−6、比較例2−3、2
−4 実施例1において、ブレンド率、および、種類を変更し
て実施したが、外観上問題のあるものはなく、酸素ガス
透過量もレトルト前の数値に近いところまで回復した
(実施例2〜6)。但し、BあるいはCのブレンド率が
低いものはバリヤー性の回復が不十分であった(比較例
2−3、2−4)。
【0080】実施例2−7 実施例2−1のGI−PMMAに代えて、(4)式(化
4)で示されるグルタルイミドで20モル%変性された
GI−PMMAを使用し以下同様に評価を実施した。レ
トルト後の外観は問題なく、OTRは0.9ccまで回
復した。
【0081】比較例2−5 実施例2−1において、組成を実施例2−1記載のEV
OH15%と、実施例2−7のGI−PMMA85%と
し、以下同様に評価を実施した。外観は問題なかった
が、、OTRは4.0ccまでしか回復しなかった。
【0082】実施例2−8 実施例2−1において、150μのフィルムを得て、東
洋精機製フィルムストレッチテスター×6H型を用い、
80℃にて縦3.3倍、横3.3倍に同時延伸し、15
0℃で熱固定し、15μの透明なフィルムを得た。続い
て、以下実施例2−1と同様にレトルトを実施したが、
外観上の問題は無かった。レトルト前後のOTRの平衡
値はそれぞれ、0.4と0.5ccであった。
【0083】実施例2−8 実施例2−1において、外層を二軸延伸フィルムポリエ
ステルフィルム1{東レ(株)製ルミラー、厚み12
μ}とし、以下実施例1と同様にレトルトを実施した
が、外観上の問題は無かった。
【0084】実施例2−9および比較例2−6、2−7 実施例2−1において用いた組成物と、4台の押出機と
Tダイを有するフィードブロック型共押出装置を使用し
て4層からなる共押出多層フィルムを得た。構成は、外
側から、ポリアミド{三菱化成工業(株)製ノバミッド
1020、厚み20μ}、樹脂組成物(厚み20μ)、
接着性樹脂{三井石油化学(株)製アドマーQF−50
0、厚み10μ}、ポリプロピレン{三菱油化(株)製
三菱ノーブレンPY−220、厚み50μ}であり、透
明なフィルムであった。これを実施例1と同様にレトル
トしたところ、ドライラミフィルムと同様に完全に透明
性が回復し、レトルト後の平衡OTRは0.6ccであ
った(実施例2−9)。
【0085】同様に、比較例2−2、2−3の樹脂で実
施したが、レトルト後フィルムは白化が回復しなかった
(それぞれ比較例2−6、2−7)。
【0086】実施例2−10および比較例2−9 実施例2−9において、構成が、外側から、ポリアミド
(厚み100μ)、樹脂組成物(D)(厚み50μ)、
接着性樹脂(厚み100μ)、ポリプロピレン(厚み4
00μ)の多層シートを製作し、真空圧空成型機
{(株)浅野製作所製}を使用し、底面が半径33mm
の円形、上面が37mmの円形、高さ37mmのカップ
を成型した。これに、水を入れ、蓋は実施例1のフィル
ムを用いヒートシールした。レトルト後の外観は問題な
く、レトルト後のOTRは0.2ccであった(実施例
2−10)。
【0087】しかしEVOHとPAの2成分からなる樹
脂組成物ではレトルト後のOTRは、0.4であった
(比較例2−9)。
【0088】
【表2】
【0089】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、耐熱性および耐
熱水性が優れた、しかもガスバリヤー性、成形性が優れ
ており、それゆえ、食品包装、とりわけEVOHが最外
層に使用される包装、あるいはレトルト食品の包装に有
用である。本発明の樹脂組成物は、優れた耐熱性および
耐熱水性を有し、さらに長時間の成形運転が可能な優れ
た成形性を有し、しかもレトルトによるガスバリヤー性
の悪化が少ない。それゆえ、食品包装、とりわけレトル
ト食品の包装に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 23/26 33:06 7921−4J 77:00) (C08L 23/26 33:06 7921−4J 23:00) (C08L 23/26 33:06 7921−4J 67:02) 8933−4J (72)発明者 大永 崇 岡山県倉敷市酒津2045番地の1 株式会社 クラレ内 (72)発明者 長田 司郎 大阪市北区梅田1丁目12番39号 株式会社 クラレ内 (72)発明者 村田 好史 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株 式会社クラレ内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−ビニルエステル共重合体けん
    化物(A)97〜50重量%およびグルタルイミド単位
    を少なくとも2モル%含む変性アクリル樹脂(B)3〜
    50重量%からなる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 エチレン−ビニルエステル共重合体けん
    化物(A)94〜50重量%、グルタルイミド単位を少
    なくとも2モル%含む変性アクリル樹脂(B)3〜47
    重量%およびポリアミド、ポリオレフィンおよびポリエ
    ステルから選ばれる少なくとも1種の樹脂(C)3〜4
    7重量%からなる樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の樹脂組成物を
    少なくとも1層含む多層構造体。
  4. 【請求項4】 中間層に請求項1または2記載の樹脂組
    成物層(2)を有し、かつ外層に透湿度(40℃90%
    RH下で測定)40g/m2・day以上の層、および
    内層に外層より低透湿度の熱可塑性樹脂層を有する多層
    包装体。
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