JPH05214139A - プロピレン系樹脂成形物の表面改質法 - Google Patents
プロピレン系樹脂成形物の表面改質法Info
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- JPH05214139A JPH05214139A JP1910792A JP1910792A JPH05214139A JP H05214139 A JPH05214139 A JP H05214139A JP 1910792 A JP1910792 A JP 1910792A JP 1910792 A JP1910792 A JP 1910792A JP H05214139 A JPH05214139 A JP H05214139A
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- Japan
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- propylene
- based resin
- molding
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 プロピレン系樹脂成形物表面の塗装性、接着
性等を向上させる。 【構成】 不飽和カルボン酸又はその無水物をグラフト
したプロピレン系樹脂成形物表面を官能性アジリジンで
処理してプロピレン系樹脂成形物の表面を改質する。
性等を向上させる。 【構成】 不飽和カルボン酸又はその無水物をグラフト
したプロピレン系樹脂成形物表面を官能性アジリジンで
処理してプロピレン系樹脂成形物の表面を改質する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はプロピレン系樹脂成形物
の表面改質法に関する。さらに詳しくは特定の処理によ
りプロピレン系樹脂成形物の表面エネルギーを高め、そ
れにより塗装性、接着性に優れた成形体表面とする表面
改質法に関する。
の表面改質法に関する。さらに詳しくは特定の処理によ
りプロピレン系樹脂成形物の表面エネルギーを高め、そ
れにより塗装性、接着性に優れた成形体表面とする表面
改質法に関する。
【０００２】
【従来の技術】プロピレン系樹脂は表面エネルギーが極
めて低いため塗装および接着性が極めて悪いという欠点
がある。プロピレン系樹脂の該欠点を改良するという観
点から成形物の表面を（１）薬品酸化法（例えば特公表
３−５０３６５５）、（２）放射線グラフト重合法（例
えば特開昭６１−２３３０２４）（３）紫外線前照射方
法、（４）プラズマ処理方法（例えば特開昭５９−９８
１４０、６１−２２８０２９）等により該表面を処理し
改質する方法が提案されている。
めて低いため塗装および接着性が極めて悪いという欠点
がある。プロピレン系樹脂の該欠点を改良するという観
点から成形物の表面を（１）薬品酸化法（例えば特公表
３−５０３６５５）、（２）放射線グラフト重合法（例
えば特開昭６１−２３３０２４）（３）紫外線前照射方
法、（４）プラズマ処理方法（例えば特開昭５９−９８
１４０、６１−２２８０２９）等により該表面を処理し
改質する方法が提案されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、薬品酸化方法
は成形物表面をクロム酸等で酸化処理し、その表面を官
能性アジリジン等で処理する方法であるが、使用する薬
品の廃液処理を必要とするという問題がある。アクリル
酸、アクリル酸エステル等の親水性モノマーを成形物表
面に塗布し、その後γ線を用いてグラフトさせる方法を
はじめとする放射線グラフト重合方法は処理速度が遅く
経済性に問題がある。紫外線前照射方法ではプロピレン
系樹脂の劣化を招くばかりでなく、改質された表面が時
間の経過と共に失効するという欠点がある。プラズマ処
理方法は安定した品質のものが得られにくいという問題
に加えて高価な装置を用いるため経済性にも問題があ
る。
は成形物表面をクロム酸等で酸化処理し、その表面を官
能性アジリジン等で処理する方法であるが、使用する薬
品の廃液処理を必要とするという問題がある。アクリル
酸、アクリル酸エステル等の親水性モノマーを成形物表
面に塗布し、その後γ線を用いてグラフトさせる方法を
はじめとする放射線グラフト重合方法は処理速度が遅く
経済性に問題がある。紫外線前照射方法ではプロピレン
系樹脂の劣化を招くばかりでなく、改質された表面が時
間の経過と共に失効するという欠点がある。プラズマ処
理方法は安定した品質のものが得られにくいという問題
に加えて高価な装置を用いるため経済性にも問題があ
る。
【０００４】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは上記
の問題点を解決すべくプロピレン系樹脂の表面改質法に
ついて、特に前記のアジリジン処理の前処理としての酸
化処理に代る方法について鋭意検討をした結果本発明を
完成した。すなわち、本発明はα，β−不飽和カルボン
酸、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が０．１〜
１０重量％グラフトしたプロピレン系樹脂の成形物の表
面を官能性アジリジンにより処理することを特徴とする
プロピレン系樹脂成形物の表面改質法である。以下本発
明を具体的に説明する。
の問題点を解決すべくプロピレン系樹脂の表面改質法に
ついて、特に前記のアジリジン処理の前処理としての酸
化処理に代る方法について鋭意検討をした結果本発明を
完成した。すなわち、本発明はα，β−不飽和カルボン
酸、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が０．１〜
１０重量％グラフトしたプロピレン系樹脂の成形物の表
面を官能性アジリジンにより処理することを特徴とする
プロピレン系樹脂成形物の表面改質法である。以下本発
明を具体的に説明する。
【０００５】（Ａ）α，β−不飽和カルボン酸、不飽和
ジカルボン酸またはその酸無水物がグラフトしたプロピ
レン系樹脂（以下グラフトＰＰと云う）。 本発明に用いられるグラフトＰＰはα，β−不飽和カル
ボン酸、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が０．
１〜１０重量％グラフトしたものである。グラフト量が
０．１重量％未満では官能性アジリジンで処理した後の
表面改質効果が少なく、塗装性、接着性が低下する。ま
た１０重量％を超えるとグラフトＰＰ成形物の機械的特
性が著しく低下する。
ジカルボン酸またはその酸無水物がグラフトしたプロピ
レン系樹脂（以下グラフトＰＰと云う）。 本発明に用いられるグラフトＰＰはα，β−不飽和カル
ボン酸、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が０．
１〜１０重量％グラフトしたものである。グラフト量が
０．１重量％未満では官能性アジリジンで処理した後の
表面改質効果が少なく、塗装性、接着性が低下する。ま
た１０重量％を超えるとグラフトＰＰ成形物の機械的特
性が著しく低下する。
【０００６】グラフトＰＰの主鎖となるプロピレン系樹
脂としては例えば立体規則性ポリプロピレン、アタクチ
ックポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、
ポリプロピレン主体のポリエチレンとのブレンド物、プ
ロピレンとα−オレフィン共重合体等が挙げられる。
α，β−不飽和カルボン酸、不飽和ジカルボン酸または
その酸無水物としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、無水マレイン酸
等およびその酸無水物等が挙げられる。グラフトＰＰは
ＰＰとこれらの酸あるいはその無水物をバンバリーミキ
サー、ニーダー、ロールミルおよびスクリュー式押出機
のごとき混練機を用いて溶融混練により得られる。
脂としては例えば立体規則性ポリプロピレン、アタクチ
ックポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、
ポリプロピレン主体のポリエチレンとのブレンド物、プ
ロピレンとα−オレフィン共重合体等が挙げられる。
α，β−不飽和カルボン酸、不飽和ジカルボン酸または
その酸無水物としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、無水マレイン酸
等およびその酸無水物等が挙げられる。グラフトＰＰは
ＰＰとこれらの酸あるいはその無水物をバンバリーミキ
サー、ニーダー、ロールミルおよびスクリュー式押出機
のごとき混練機を用いて溶融混練により得られる。
【０００７】（Ｂ）官能性アジリジンは式（１）で示さ
れる。式中Ｒ1 は水素又は１〜１０個の炭素原子を有す
るアルキル基であり、そしてＲ2 は１〜１０個の炭素原
子を有するアルキル基又は１又は２個の追加のアジリジ
ン基、メラミン基、又は−Ｐ＝Ｏ基により置換される１
〜１０個の炭素原子を有するアルキル基である。
れる。式中Ｒ1 は水素又は１〜１０個の炭素原子を有す
るアルキル基であり、そしてＲ2 は１〜１０個の炭素原
子を有するアルキル基又は１又は２個の追加のアジリジ
ン基、メラミン基、又は−Ｐ＝Ｏ基により置換される１
〜１０個の炭素原子を有するアルキル基である。
【化１】
【０００８】（Ｃ）表面改質処理方法 官能性アジリジン（Ｂ）による成形物（Ａ）の表面改質
処理は活性水素基を持たない有機溶媒、例えばケトンお
よびエーテルに（Ｂ）を溶解した混合溶液中に成形体を
浸漬して行なうかあるいは溶媒を用いないで直接（Ｂ）
に浸漬して行なう。処理時間は一般的に短く、３０秒〜
３０分、好ましくは３０秒〜５分である。処理温度は２
０℃〜９０℃、好ましくは２０℃〜５０℃の間である。
本発明により改質処理された成形物をポリウレタン系塗
料等で塗装する場合、塗装前に通常用いられる１，１，
１−トリクロロエタン処理及びプライマー処理の一方又
は双方を施さなくても十分な塗膜の接着強度が得られ
る。
処理は活性水素基を持たない有機溶媒、例えばケトンお
よびエーテルに（Ｂ）を溶解した混合溶液中に成形体を
浸漬して行なうかあるいは溶媒を用いないで直接（Ｂ）
に浸漬して行なう。処理時間は一般的に短く、３０秒〜
３０分、好ましくは３０秒〜５分である。処理温度は２
０℃〜９０℃、好ましくは２０℃〜５０℃の間である。
本発明により改質処理された成形物をポリウレタン系塗
料等で塗装する場合、塗装前に通常用いられる１，１，
１−トリクロロエタン処理及びプライマー処理の一方又
は双方を施さなくても十分な塗膜の接着強度が得られ
る。
【０００９】
【作用】（Ａ）と（Ｂ）の化合物との間の反応は複素環
の開環を通して起こる。そのような反応の例は次の通り
である。
の開環を通して起こる。そのような反応の例は次の通り
である。
【化２】 反応１において
【化３】 および／または−ＣＨ2 ＯＯＣ−が表面の親水性を高め
る官能基と考えられ、これにより塗装性、接着性等の向
上がみられるものと考える。
る官能基と考えられ、これにより塗装性、接着性等の向
上がみられるものと考える。
【００１０】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
する。尚、実施例において塗装性、接着性の評価として
２液型のポリウレタン系塗料（日本ビーケミカル社製、
商品名 Ｒ２７１ピュアホワイト）を膜厚５０μm 〜６
０μm の範囲になるようにスプレーガンを用いて塗布
し、塗膜形成後、１ｃｍ幅の筋を入れ引張り速度５０ｍ
ｍ／min の条件下で１８０°ピーリング強度を測定し
た。 （実施例１）無水マレイン酸が１．０重量％グラフトし
たプロピレン単独重合体の射出成形物（１２０×１２０
ｍｍ、２ｍｍｔ）をアセトンにより１：１の体積比に希
釈された三官能価アジリジン（日本触媒社製、商品名
ＰＺ−３３）により温度２５℃で５０秒間浸漬した。次
にアセトンにより１分間洗浄した。その後風乾により成
形物の乾燥を行なった。得られた処理成形物の接触角、
塗装性の結果を表１にまとめた。
する。尚、実施例において塗装性、接着性の評価として
２液型のポリウレタン系塗料（日本ビーケミカル社製、
商品名 Ｒ２７１ピュアホワイト）を膜厚５０μm 〜６
０μm の範囲になるようにスプレーガンを用いて塗布
し、塗膜形成後、１ｃｍ幅の筋を入れ引張り速度５０ｍ
ｍ／min の条件下で１８０°ピーリング強度を測定し
た。 （実施例１）無水マレイン酸が１．０重量％グラフトし
たプロピレン単独重合体の射出成形物（１２０×１２０
ｍｍ、２ｍｍｔ）をアセトンにより１：１の体積比に希
釈された三官能価アジリジン（日本触媒社製、商品名
ＰＺ−３３）により温度２５℃で５０秒間浸漬した。次
にアセトンにより１分間洗浄した。その後風乾により成
形物の乾燥を行なった。得られた処理成形物の接触角、
塗装性の結果を表１にまとめた。
【００１１】（実施例２）実施例１で無水マレイン酸が
３．５重量％グラフトしたプロピレン単独重合体を用い
た以外は実施例１と同じ方法とした。
３．５重量％グラフトしたプロピレン単独重合体を用い
た以外は実施例１と同じ方法とした。
【００１２】（実施例３）実施例１でプロピレン単独重
合体をエチレン含有量５重量％のエチレン−プロピレン
ランダム共重合体を用いた以外は実施例１と同じ方法と
した。
合体をエチレン含有量５重量％のエチレン−プロピレン
ランダム共重合体を用いた以外は実施例１と同じ方法と
した。
【００１３】（実施例４）実施例１において無水マレイ
ン酸をアクリル酸にした以外は実施例１と同じ方法とし
た。
ン酸をアクリル酸にした以外は実施例１と同じ方法とし
た。
【００１４】（比較例１）実施例１において無水マレイ
ン酸グラフトプロピレン単独共重合体をプロピレン単独
共重合体にした以外は実施例１と同じ方法とした。
ン酸グラフトプロピレン単独共重合体をプロピレン単独
共重合体にした以外は実施例１と同じ方法とした。
【００１５】（比較例２）実施例１において三官能価ア
ジリジン処理を施さなかった以外は実施例１と同じ方法
とした。
ジリジン処理を施さなかった以外は実施例１と同じ方法
とした。
【００１６】（比較例３）実施例１において無水マレイ
ン酸１．０重量％グラフトしたプロピレン単独重合体を
無水マレイン酸０．０２重量％グラフトしたプロピレン
単独共重合体にした以外は実施例１と同じ方法とした。
ン酸１．０重量％グラフトしたプロピレン単独重合体を
無水マレイン酸０．０２重量％グラフトしたプロピレン
単独共重合体にした以外は実施例１と同じ方法とした。
【００１７】
【表１】
【００１８】
【発明の効果】本発明の方法はプロピレン系樹脂の表面
を従来の技術に比較して簡便にかつ安価に改質し、塗装
性、接着性等を向上させるという効果を有する。
を従来の技術に比較して簡便にかつ安価に改質し、塗装
性、接着性等を向上させるという効果を有する。
フロントページの続き (72)発明者 青木 隆明 神奈川県川崎市川崎区千鳥町３番２号 昭 和電工株式会社川崎樹脂研究所内
Claims (1)
- 【請求項１】 α，β−不飽和カルボン酸、不飽和ジカ
ルボン酸またはその酸無水物が０．１〜１０重量％グラ
フトしたプロピレン系樹脂の成形物の表面を官能性アジ
リジンにより処理することを特徴とするプロピレン系樹
脂成形物の表面改質法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1910792A JPH05214139A (ja) | 1992-02-04 | 1992-02-04 | プロピレン系樹脂成形物の表面改質法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1910792A JPH05214139A (ja) | 1992-02-04 | 1992-02-04 | プロピレン系樹脂成形物の表面改質法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05214139A true JPH05214139A (ja) | 1993-08-24 |
Family
ID=11990262
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1910792A Pending JPH05214139A (ja) | 1992-02-04 | 1992-02-04 | プロピレン系樹脂成形物の表面改質法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05214139A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2002006384A1 (en) * | 2000-07-14 | 2002-01-24 | Mimotopes Pty Ltd | Activated modular grafted polymeric surfaces |
-
1992
- 1992-02-04 JP JP1910792A patent/JPH05214139A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2002006384A1 (en) * | 2000-07-14 | 2002-01-24 | Mimotopes Pty Ltd | Activated modular grafted polymeric surfaces |
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