JPH05213997A - 新規糖ペプチド、その製造法及び該糖ペプチドを有効成分とするプロトン輸送アデノシントリホスファターゼ活性阻害剤 - Google Patents
新規糖ペプチド、その製造法及び該糖ペプチドを有効成分とするプロトン輸送アデノシントリホスファターゼ活性阻害剤Info
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- JPH05213997A JPH05213997A JP9217192A JP1719292A JPH05213997A JP H05213997 A JPH05213997 A JP H05213997A JP 9217192 A JP9217192 A JP 9217192A JP 1719292 A JP1719292 A JP 1719292A JP H05213997 A JPH05213997 A JP H05213997A
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- glycopeptide
- inhibitor
- fraction
- proton
- mycosphaerella
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、新規なH+ ATPアーゼ活性阻害
性化合物を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、Mycosphaerella属菌由来の新規糖
ペプチド、Mycosphaerella属菌の粉胞子の培養による該
糖ペプチドの製造法、及び該糖ペプチドを有効成分とす
るH+ ATPアーゼ活性阻害剤に関する。
性化合物を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、Mycosphaerella属菌由来の新規糖
ペプチド、Mycosphaerella属菌の粉胞子の培養による該
糖ペプチドの製造法、及び該糖ペプチドを有効成分とす
るH+ ATPアーゼ活性阻害剤に関する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細胞質膜のプロトン輸
送アデノシントリホスファターゼ (以下「H + ATPア
ーゼ」と称する) 活性を特異的に阻害する新規糖ペプチ
ド、その製造法及び該糖ペプチドを有効成分とするH+
ATPアーゼ活性阻害剤に関するものであり、本発明の
H+ ATPアーゼ活性阻害剤は、酸の過分泌が原因とな
る胃潰瘍等の消化性潰瘍に対する治療薬として利用でき
る。
送アデノシントリホスファターゼ (以下「H + ATPア
ーゼ」と称する) 活性を特異的に阻害する新規糖ペプチ
ド、その製造法及び該糖ペプチドを有効成分とするH+
ATPアーゼ活性阻害剤に関するものであり、本発明の
H+ ATPアーゼ活性阻害剤は、酸の過分泌が原因とな
る胃潰瘍等の消化性潰瘍に対する治療薬として利用でき
る。
【0002】
【従来の技術】H+ ATPアーゼは、アデノシン三リン
酸を加水分解して得られるエネルギーを利用して、生体
膜の両側のプロトンの電気化学ポテンシャル差に逆らっ
てプロトンなどのカチオンの能動輸送を行う酵素であ
り、胃酸の分泌も本酵素が担っている。しかし、真菌由
来の物質で、細胞質膜のH+ ATPアーゼ活性を特異的
に阻害する物質は知られていない。現在、酸の過分泌に
よる胃潰瘍の治療方法として、胃酸の分泌を行うH+ A
TPアーゼを直接特異的に阻害する化合物を利用するこ
とが、重要な手段となりつつあるが、今までに治療薬と
して開発されているのは、イミダゾール誘導体 (N.Take
guchi and Y.Yamazaki, J. Biol. Chem., 261, 2560-25
66 (1986)) のみである。
酸を加水分解して得られるエネルギーを利用して、生体
膜の両側のプロトンの電気化学ポテンシャル差に逆らっ
てプロトンなどのカチオンの能動輸送を行う酵素であ
り、胃酸の分泌も本酵素が担っている。しかし、真菌由
来の物質で、細胞質膜のH+ ATPアーゼ活性を特異的
に阻害する物質は知られていない。現在、酸の過分泌に
よる胃潰瘍の治療方法として、胃酸の分泌を行うH+ A
TPアーゼを直接特異的に阻害する化合物を利用するこ
とが、重要な手段となりつつあるが、今までに治療薬と
して開発されているのは、イミダゾール誘導体 (N.Take
guchi and Y.Yamazaki, J. Biol. Chem., 261, 2560-25
66 (1986)) のみである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、作用機序等が
異なる新たなH+ ATPアーゼの特異的な活性阻害剤の
開発が望まれており、本発明の目的は、新規なH+ AT
Pアーゼ活性阻害性化合物及びその安定的な供給を実現
するための製造法を提供することにある。
異なる新たなH+ ATPアーゼの特異的な活性阻害剤の
開発が望まれており、本発明の目的は、新規なH+ AT
Pアーゼ活性阻害性化合物及びその安定的な供給を実現
するための製造法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、次式 (1):
【0005】
【化2】
【0006】で示される糖ペプチド又はその薬学的に許
容される塩、その製造法、及び該糖ペプチド又はその薬
学的に許容される塩を有効成分として含有するH+ AT
Pアーゼ活性阻害剤に関するものである。前記糖ペプチ
ドの薬学的に許容される塩としては、例えばリン酸、塩
酸などの無機酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、グリコー
ル酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等の有機
酸またはアルカリ金属、アルカリ土類金属との塩が挙げ
られる。
容される塩、その製造法、及び該糖ペプチド又はその薬
学的に許容される塩を有効成分として含有するH+ AT
Pアーゼ活性阻害剤に関するものである。前記糖ペプチ
ドの薬学的に許容される塩としては、例えばリン酸、塩
酸などの無機酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、グリコー
ル酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等の有機
酸またはアルカリ金属、アルカリ土類金属との塩が挙げ
られる。
【0007】本発明は、また、マイコスファエレラ (My
cosphaerella) 属に属する前記糖ペプチド生産菌の粉胞
子を培養し該糖ペプチドを生成蓄積せしめ、これを採取
することを特徴とする該糖ペプチドの製造法をも提供す
るものである。Mycosphaerella属は、小房子のう菌綱
(Laculoascomycetes) トチデア科(Dothideaceae) に
所属し、その属内にはエンドウ褐紋病菌(M.pinodes) 、
キク花腐病菌(M.hgulicola) 、カンラン輪紋病菌(M.bra
ssicicola)、リンゴ黒点病菌(M.pomi)等の農作物の病原
菌がある。
cosphaerella) 属に属する前記糖ペプチド生産菌の粉胞
子を培養し該糖ペプチドを生成蓄積せしめ、これを採取
することを特徴とする該糖ペプチドの製造法をも提供す
るものである。Mycosphaerella属は、小房子のう菌綱
(Laculoascomycetes) トチデア科(Dothideaceae) に
所属し、その属内にはエンドウ褐紋病菌(M.pinodes) 、
キク花腐病菌(M.hgulicola) 、カンラン輪紋病菌(M.bra
ssicicola)、リンゴ黒点病菌(M.pomi)等の農作物の病原
菌がある。
【0008】かかる本発明の製造法に用いる微生物とし
ては、マイコスファエレラ (Mycos-phaerella)属に属
し、前記式 (1) で示される糖ペプチドを生産する能力
を有する微生物であれば特に制限はなく、例えば Mycos
haerella pinodes (ATCC 42741、IFO 30342)、Mycospha
erella ligulicala が挙げられる。本発明の製造法で
は、前記微生物の粉胞子を用いるが、該粉胞子は、好ま
しくは、前記微生物を22〜24℃の条件下で適当な栄養を
含む寒天培地上で4〜7日間培養することにより得られ
る。
ては、マイコスファエレラ (Mycos-phaerella)属に属
し、前記式 (1) で示される糖ペプチドを生産する能力
を有する微生物であれば特に制限はなく、例えば Mycos
haerella pinodes (ATCC 42741、IFO 30342)、Mycospha
erella ligulicala が挙げられる。本発明の製造法で
は、前記微生物の粉胞子を用いるが、該粉胞子は、好ま
しくは、前記微生物を22〜24℃の条件下で適当な栄養を
含む寒天培地上で4〜7日間培養することにより得られ
る。
【0009】このようにして得られた粉胞子を15〜25時
間水中で振盪・懸濁培養した後、濾過することにより、
新規糖ペプチドを含む溶液が得られる。その溶液を透析
膜、分子カット膜、高速液体クロマトグラフィー等を使
用して精製することにより、該糖ペプチドを単一化合物
として得ることができる。該糖ペプチドは、常法によ
り、前述した塩に変換することができる。
間水中で振盪・懸濁培養した後、濾過することにより、
新規糖ペプチドを含む溶液が得られる。その溶液を透析
膜、分子カット膜、高速液体クロマトグラフィー等を使
用して精製することにより、該糖ペプチドを単一化合物
として得ることができる。該糖ペプチドは、常法によ
り、前述した塩に変換することができる。
【0010】本発明の糖ペプチド及びその薬学的に許容
される塩は、H+ ATPアーゼ活性阻害剤として、胃潰
瘍等の消化性潰瘍の治療に利用できる。本発明の糖ペプ
チド又はその薬学的に許容される塩をH+ ATPアーゼ
活性阻害剤として臨床に適用するに際しては、有効成分
として本発明の糖ペプチド又はその薬学的に許容される
塩を、固体又は液体の医薬用担体又は希釈剤、即ち、賦
形剤、安定剤等の添加剤とともに含む製剤とすることが
好ましい。該医薬製剤において、前記有効成分の担体成
分に対する割合は、1〜90重量%の間で変動させうる。
剤形及び投与形態としては、顆粒剤、細粒剤、散剤、錠
剤、カプセル剤、丸剤もしくは液剤等の剤形にして、又
は原末のまま経口投与してもよいし、注射剤として静脈
内投与、筋肉内投与又は皮下投与してもよい。また、注
射用の粉末にして、用時調製して使用してもよい。
される塩は、H+ ATPアーゼ活性阻害剤として、胃潰
瘍等の消化性潰瘍の治療に利用できる。本発明の糖ペプ
チド又はその薬学的に許容される塩をH+ ATPアーゼ
活性阻害剤として臨床に適用するに際しては、有効成分
として本発明の糖ペプチド又はその薬学的に許容される
塩を、固体又は液体の医薬用担体又は希釈剤、即ち、賦
形剤、安定剤等の添加剤とともに含む製剤とすることが
好ましい。該医薬製剤において、前記有効成分の担体成
分に対する割合は、1〜90重量%の間で変動させうる。
剤形及び投与形態としては、顆粒剤、細粒剤、散剤、錠
剤、カプセル剤、丸剤もしくは液剤等の剤形にして、又
は原末のまま経口投与してもよいし、注射剤として静脈
内投与、筋肉内投与又は皮下投与してもよい。また、注
射用の粉末にして、用時調製して使用してもよい。
【0011】経口、経腸もしくは非経口投与に適した医
薬用の有機又は無機の、固体又は液体の担体もしくは希
釈剤を、本発明のH+ ATPアーゼ活性阻害剤を調製す
るために用いることができる。水、ゼラチン、乳糖、デ
ンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、動植物油
脂、ベンジルアルコール、ガム、ポリアルキレングリコ
ール、石油樹脂、やし油、ラノリン又は医薬に用いられ
る他のキャリアー (担体) は全て、本発明のH+ ATP
アーゼ活性阻害剤の担体として用いることができる。ま
た、安定剤、湿潤剤、乳化剤や、浸透圧を変えたり、配
合剤の適切なpHを維持するための塩類を補助薬剤として
適宜用いることもできる。
薬用の有機又は無機の、固体又は液体の担体もしくは希
釈剤を、本発明のH+ ATPアーゼ活性阻害剤を調製す
るために用いることができる。水、ゼラチン、乳糖、デ
ンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、動植物油
脂、ベンジルアルコール、ガム、ポリアルキレングリコ
ール、石油樹脂、やし油、ラノリン又は医薬に用いられ
る他のキャリアー (担体) は全て、本発明のH+ ATP
アーゼ活性阻害剤の担体として用いることができる。ま
た、安定剤、湿潤剤、乳化剤や、浸透圧を変えたり、配
合剤の適切なpHを維持するための塩類を補助薬剤として
適宜用いることもできる。
【0012】更に、本発明のH+ ATPアーゼ活性阻害
剤は、胃潰瘍等の消化性潰瘍の治療において、本発明の
H+ ATPアーゼ活性阻害剤とともに適切に投与するこ
とができる他の医薬として有効な成分、例えば他の適当
なH+ ATPアーゼ活性阻害剤、抗コリン作動薬、ヒス
タミンH2 遮断薬、制酸薬を含有していてもよい。顆粒
剤、細粒剤、散剤、錠剤又はカプセル剤の場合には、本
発明のH+ ATPアーゼ活性阻害剤は前記有効成分を5
〜80重量%含有しているのが好ましく、液剤の場合に
は、対応する量 (割合) は、1〜30重量%であるのが好
ましい。また、非経口投与のうち、注射剤の場合は1〜
10重量%が好ましい。
剤は、胃潰瘍等の消化性潰瘍の治療において、本発明の
H+ ATPアーゼ活性阻害剤とともに適切に投与するこ
とができる他の医薬として有効な成分、例えば他の適当
なH+ ATPアーゼ活性阻害剤、抗コリン作動薬、ヒス
タミンH2 遮断薬、制酸薬を含有していてもよい。顆粒
剤、細粒剤、散剤、錠剤又はカプセル剤の場合には、本
発明のH+ ATPアーゼ活性阻害剤は前記有効成分を5
〜80重量%含有しているのが好ましく、液剤の場合に
は、対応する量 (割合) は、1〜30重量%であるのが好
ましい。また、非経口投与のうち、注射剤の場合は1〜
10重量%が好ましい。
【0013】
【実施例】以下、実施例、試験例により本発明を更に詳
細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら制限する
ものではない。 実施例1Mycosphaerella pinodes (ATCC 42741、IFO 30342)を22
〜24℃の条件下で、V8ジュース寒天培地上で、6日間
培養し、得られた粉胞子を20時間水中で振盪・懸濁培養
した後、濾過し、ミリポアPTGC142 にて分子量10000以
上の分子をカットした。この低分子量画分を12000rpm×
5min で遠心分離機にかけた後、上澄み部分をトヨパー
ルHW40F (2.5×450mm)、移動相水の条件で分画した。H
+ ATPアーゼ活性阻害画分のうち、水移動相でsep pa
k C-18に素通りの画分について、更にHPLCでODS
カラム (4×250mm)を用いて、流速1mm/min の条件
で、水とメタノールのグラジェント法にて分画し、H+
ATPアーゼ活性画分を得た。更にHPLCにて、Bior
ad社製 HPX-42Aカラム (7.8×300mm)を使用し、移動相
を水として、流速0.7ml/min 、80℃で分離・分取し
た。分取物は、下記の理化学的性状を有していた。
細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら制限する
ものではない。 実施例1Mycosphaerella pinodes (ATCC 42741、IFO 30342)を22
〜24℃の条件下で、V8ジュース寒天培地上で、6日間
培養し、得られた粉胞子を20時間水中で振盪・懸濁培養
した後、濾過し、ミリポアPTGC142 にて分子量10000以
上の分子をカットした。この低分子量画分を12000rpm×
5min で遠心分離機にかけた後、上澄み部分をトヨパー
ルHW40F (2.5×450mm)、移動相水の条件で分画した。H
+ ATPアーゼ活性阻害画分のうち、水移動相でsep pa
k C-18に素通りの画分について、更にHPLCでODS
カラム (4×250mm)を用いて、流速1mm/min の条件
で、水とメタノールのグラジェント法にて分画し、H+
ATPアーゼ活性画分を得た。更にHPLCにて、Bior
ad社製 HPX-42Aカラム (7.8×300mm)を使用し、移動相
を水として、流速0.7ml/min 、80℃で分離・分取し
た。分取物は、下記の理化学的性状を有していた。
【0014】(1) 形 状:白色粉状 (2) 分子量:FAB型質量スペクトル (NBA+チオ
グリセロールマトリックス) にて測定 m/e=943(MH+) (3) 元素分析 (実測値) : 炭素 44.6%、水素 5.9%、
酸素 39.1%、窒素 10.4% (4) 分子式:C35H56O23N7 (5) 核磁気共鳴スペクトル:重水中のプロトン核磁気
共鳴スペクトルを図1に示す。内部基準はテトラメチル
シランである。また重水中の13C核磁気共鳴スペクトル
を図2に示す。
グリセロールマトリックス) にて測定 m/e=943(MH+) (3) 元素分析 (実測値) : 炭素 44.6%、水素 5.9%、
酸素 39.1%、窒素 10.4% (4) 分子式:C35H56O23N7 (5) 核磁気共鳴スペクトル:重水中のプロトン核磁気
共鳴スペクトルを図1に示す。内部基準はテトラメチル
シランである。また重水中の13C核磁気共鳴スペクトル
を図2に示す。
【0015】本発明の糖ペプチドは、各種スペクトルを
検討した結果、前記式 (1) の構造を有することが判明
した。この構造に一致する既知物質は報告されていない
ので、本発明の糖ペプチドは新規な化合物である。 試験例1 実施例1で得た本発明の糖ペプチドについて、各種細胞
質膜H+ ATPアーゼ活性阻害効果を調べた。結果を表
1に示す。
検討した結果、前記式 (1) の構造を有することが判明
した。この構造に一致する既知物質は報告されていない
ので、本発明の糖ペプチドは新規な化合物である。 試験例1 実施例1で得た本発明の糖ペプチドについて、各種細胞
質膜H+ ATPアーゼ活性阻害効果を調べた。結果を表
1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】注:糖ペプチドの濃度は約3mMである。阻
害率は、阻害剤のない状態で、細胞質膜H+ ATPアー
ゼが一定の時間内に、ATPから遊離すると考えられる
無機リン酸を100とした時の百分率で表わした。
害率は、阻害剤のない状態で、細胞質膜H+ ATPアー
ゼが一定の時間内に、ATPから遊離すると考えられる
無機リン酸を100とした時の百分率で表わした。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、H+ ATPアーゼ活性
阻害剤として有用な新規糖ペプチドを提供することがで
きる。
阻害剤として有用な新規糖ペプチドを提供することがで
きる。
【図1】本発明の糖ペプチドのプロトン核磁気共鳴スペ
クトルを示す図である。
クトルを示す図である。
【図2】本発明の糖ペプチドの13C核磁気共鳴スペクト
ルを示す図である。
ルを示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】本発明は、また、マイコスファエレラ (My
cosphaerella) 属に属する前記糖ペプチド生産菌の粉胞
子を培養し該糖ペプチドを生成蓄積せしめ、これを採取
することを特徴とする該糖ペプチドの製造法をも提供す
るものである。Mycosphaerella属は、小房子のう菌綱
(Laculoascomycetes) トチデア科(Dothideaceae) に
所属し、その属内にはエンドウ褐紋病菌(M.pinodes) 、
キク花腐病菌(M.ligulicola)、カンラン輪紋病菌(M.bra
ssicicola)、リンゴ黒点病菌(M.pomi)等の農作物の病原
菌がある。
cosphaerella) 属に属する前記糖ペプチド生産菌の粉胞
子を培養し該糖ペプチドを生成蓄積せしめ、これを採取
することを特徴とする該糖ペプチドの製造法をも提供す
るものである。Mycosphaerella属は、小房子のう菌綱
(Laculoascomycetes) トチデア科(Dothideaceae) に
所属し、その属内にはエンドウ褐紋病菌(M.pinodes) 、
キク花腐病菌(M.ligulicola)、カンラン輪紋病菌(M.bra
ssicicola)、リンゴ黒点病菌(M.pomi)等の農作物の病原
菌がある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】かかる本発明の製造法に用いる微生物とし
ては、マイコスファエレラ (Mycos-phaerella)属に属
し、前記式 (1) で示される糖ペプチドを生産する能力
を有する微生物であれば特に制限はなく、例えば Mycos
haerella pinodes (ATCC 42741、IFO 30342)、Mycospha
erella ligulicola が挙げられる。本発明の製造法で
は、前記微生物の粉胞子を用いるが、該粉胞子は、好ま
しくは、前記微生物を22〜24℃の条件下で適当な栄養を
含む寒天培地上で4〜7日間培養することにより得られ
る。
ては、マイコスファエレラ (Mycos-phaerella)属に属
し、前記式 (1) で示される糖ペプチドを生産する能力
を有する微生物であれば特に制限はなく、例えば Mycos
haerella pinodes (ATCC 42741、IFO 30342)、Mycospha
erella ligulicola が挙げられる。本発明の製造法で
は、前記微生物の粉胞子を用いるが、該粉胞子は、好ま
しくは、前記微生物を22〜24℃の条件下で適当な栄養を
含む寒天培地上で4〜7日間培養することにより得られ
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【実施例】以下、実施例、試験例により本発明を更に詳
細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら制限する
ものではない。 実施例1Mycosphaerella pinodes (ATCC 42741、IFO 30342)を22
〜24℃の条件下で、V8ジュース寒天培地上で、6日間
培養し、得られた粉胞子を20時間水中で振盪・懸濁培養
した後、濾過し、ミリポアPTGC142 にて分子量10000以
上の分子をカットした。この低分子量画分を12000rpm×
5min で遠心分離機にかけた後、上澄み部分をトヨパー
ルHW40F (2.5×450mm)、移動相水の条件で分画した。H
+ ATPアーゼ活性阻害画分のうち、水移動相でsep pa
k C-18に素通りの画分について、更にHPLCでODS
カラム (4×250mm)を用いて、流速1ml/min の条件
で、水とメタノールのグラジェント法にて分画し、H+
ATPアーゼ活性画分を得た。更にHPLCにて、Bior
ad社製 HPX-42Aカラム (7.8×300mm)を使用し、移動相
を水として、流速0.7ml/min 、80℃で分離・分取し
た。分取物は、下記の理化学的性状を有していた。
細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら制限する
ものではない。 実施例1Mycosphaerella pinodes (ATCC 42741、IFO 30342)を22
〜24℃の条件下で、V8ジュース寒天培地上で、6日間
培養し、得られた粉胞子を20時間水中で振盪・懸濁培養
した後、濾過し、ミリポアPTGC142 にて分子量10000以
上の分子をカットした。この低分子量画分を12000rpm×
5min で遠心分離機にかけた後、上澄み部分をトヨパー
ルHW40F (2.5×450mm)、移動相水の条件で分画した。H
+ ATPアーゼ活性阻害画分のうち、水移動相でsep pa
k C-18に素通りの画分について、更にHPLCでODS
カラム (4×250mm)を用いて、流速1ml/min の条件
で、水とメタノールのグラジェント法にて分画し、H+
ATPアーゼ活性画分を得た。更にHPLCにて、Bior
ad社製 HPX-42Aカラム (7.8×300mm)を使用し、移動相
を水として、流速0.7ml/min 、80℃で分離・分取し
た。分取物は、下記の理化学的性状を有していた。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】注:糖ペプチドの濃度は約3mMである。阻
害率は、阻害剤のない状態で、細胞質膜H+ ATPアー
ゼが一定の時間内に、ATPを酵素反応により分解して
遊離すると考えられる無機リン酸量を100とした時の百
分率で表わした。
害率は、阻害剤のない状態で、細胞質膜H+ ATPアー
ゼが一定の時間内に、ATPを酵素反応により分解して
遊離すると考えられる無機リン酸量を100とした時の百
分率で表わした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:645)
Claims (3)
- 【請求項1】 次式 (1): 【化1】 で示される糖ペプチド又はその薬学的に許容される塩。
- 【請求項2】 マイコスファエレラ (Mycosphaerella)
属に属する請求項1記載の糖ペプチド生産菌の粉胞子を
培養し請求項1記載の糖ペプチドを生成蓄積せしめ、こ
れを採取することを特徴とする請求項1記載の糖ペプチ
ドの製造法。 - 【請求項3】 請求項1記載の糖ペプチド又はその薬学
的に許容される塩を有効成分として含有するプロトン輸
送アデノシントリホスファターゼ活性阻害剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP9217192A JPH05213997A (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 新規糖ペプチド、その製造法及び該糖ペプチドを有効成分とするプロトン輸送アデノシントリホスファターゼ活性阻害剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP9217192A JPH05213997A (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 新規糖ペプチド、その製造法及び該糖ペプチドを有効成分とするプロトン輸送アデノシントリホスファターゼ活性阻害剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05213997A true JPH05213997A (ja) | 1993-08-24 |
Family
ID=11937074
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP9217192A Withdrawn JPH05213997A (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 新規糖ペプチド、その製造法及び該糖ペプチドを有効成分とするプロトン輸送アデノシントリホスファターゼ活性阻害剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH05213997A (ja) |
-
1992
- 1992-01-31 JP JP9217192A patent/JPH05213997A/ja not_active Withdrawn
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