JPH05213018A - タイヤ空気圧検知装置 - Google Patents

タイヤ空気圧検知装置

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JPH05213018A
JPH05213018A JP4018983A JP1898392A JPH05213018A JP H05213018 A JPH05213018 A JP H05213018A JP 4018983 A JP4018983 A JP 4018983A JP 1898392 A JP1898392 A JP 1898392A JP H05213018 A JPH05213018 A JP H05213018A
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俊治 内藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 検知精度の向上を達成することができるタイ
ヤ空気圧検知装置を提供すること。 【構成】 車輪速度vが所定速度vT を上回りかつ高上
偏差Δfが所定偏差Δf 0 上回ると、高上偏差Δfを発
熱補正前ばね下共振周波数上限値fH ’およびばね下共
振周波数下限値fL ’に加算して、改めてばね下共振周
波数上限値fH およびばね下共振周波数下限値fL とし
て算出することによってタイヤ発熱による温度補正を行
い、車輪速度vが所定速度vT を下回りかつ高上偏差Δ
fが所定偏差Δf0 下回ると補正を解除する。なお一旦
補正を開始すると、車輪速度vあるいは高上偏差Δfだ
けの低下では、補正を解除しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のタイヤの空気圧
を検知するタイヤ空気圧検知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、タイヤの空気圧を検知する装
置としては、タイヤの空気圧が低下したときにタイヤ半
径が変化する(短くなる)ことを利用して、各車輪の車
輪速度を検出する車輪速度センサの検出信号に基づい
て、車両のタイヤの空気圧を間接的に検知する装置が提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、検出対
象であるタイヤ半径は、摩耗等による個体差があった
り、旋回,制動,発進等の走行状態の影響を受けやす
い。さらに、近年普及が著しいラジアルタイヤは、タイ
ヤ空気圧の変化によるタイヤ半径の変形量が小さい(例
えば、タイヤの空気圧が1kg/cm2 低下したとき、
タイヤ半径の変形量は約1mmである。)。このような
理由から、タイヤ半径の変形量からタイヤ空気圧の変化
を間接的に検知する方式は、検知精度が充分に確保でき
ないという問題がある。
【0004】そこで本願発明者らは上記問題を鑑みて、
バネ下の上下方向あるいは前後方向の共振周波数fk を
抽出し、この共振周波数fに基づく低下偏差(f0 −f
k )と所定偏差Δfを比較することにより、タイヤの空
気圧の状態を検知する装置を発明し、これを出願した
(特願平3−294622号)。しかしながら上記装置
では、所定偏差Δfが一定値であるため、一定基準での
比較しかできない。従って、検知精度を充分に確保した
とは言いがたく、さらなる検知精度の向上が望まれてい
る。
【0005】そこで本発明は上記問題に鑑みてなされた
ものであって、さらなる検知精度の向上を達成すること
ができるタイヤ空気圧検知装置を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるタイヤ空気圧検知装置は、車両の走行
時に、タイヤの振動周波数成分を含む信号を出力する出
力手段と、前記タイヤの振動周波数成分を含む信号から
共振周波数成分の信号を抽出する抽出手段と、前記共振
周波数成分の信号を判定値と比較することによって前記
タイヤの空気圧の状態を検知する検知手段と、車両の走
行速度に応じて前記共振周波数成分の信号と判定値との
間の比較基準を補正する補正手段とを備えることを特徴
とする。
【0007】
【作用】上記構成により、タイヤの振動成分を含む信号
から共振周波数成分の信号を抽出し、この抽出された共
振周波数成分の信号を判定値と比較するとともに、走行
速度に応じて比較基準が補正されて、タイヤの空気圧の
状態が検知される。
【0008】通常、最適なタイヤの空気圧は車速によっ
て異なるとともに、タイヤの空気圧自体も長時間の高速
走行に起因するタイヤ加熱によって変化するため、走行
速度に応じた比較基準の補正によって、これらに対処
し、より正確なタイヤ空気圧を検知することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図面に基づいて
詳しく説明する。図1は、第1実施例の全体の構成を示
す構成図である。
【0010】図1に示すように、車両の各タイヤ1a〜
1dに対応して車輪速度センサが設けられている。各車
輪速度センサは、歯車2a〜2d及びピックアップコイ
ル3a〜3dによって構成されている。歯車2a〜2d
は、各タイヤ1a〜1dの回転軸(図示せず)に同軸的
に取り付けられており、円盤状の磁性体より成る。ピッ
クアップコイル3a〜3dは、これらの歯車2a〜2d
の近傍に所定の間隔を置いて取り付けられ、歯車2a〜
2d、すなわちタイヤ1a〜1dの回転速度に応じた周
期を有する交流信号を出力する。ピックアップコイル3
a〜3dから出力される交流信号は、波形整形回路,R
OM,RAM等よりなる公知の電子制御装置(ECU)
4に入力され、波形整形を含む所定の信号処理が行われ
る。この信号処理の結果は表示部5に入力され、表示部
5は運転者に対して各タイヤ1a〜1dの空気圧の状態
を報知する。この表示部5は、各タイヤ1a〜1dの空
気圧の状態を独立に表示しても良いし、一つの警告ラン
プを設けて、いずれか一つのタイヤの空気圧が基準空気
圧よりも低下したときに点灯させて、それを警告するよ
うにしても良い。
【0011】ここで、まず本実施例におけるタイヤ空気
圧の検知原理について説明する。車両が、例えば舗装さ
れたアスファルト路面を走行した場合、その路面表面の
微小な凹凸により上下及び前後方向の力を受け、その力
によってタイヤは上下及び前後方向に振動する。このタ
イヤ振動時の車両ばね下の加速度の周波数特性は図2に
示すようなものとなる。図2に示すように、加速度の周
波数特性は2点においてピーク値を示し、a点は車両の
ばね下における上下方向の共振周波数であり、b点は車
両のばね下における前後方向の共振周波数である。
【0012】一方、タイヤの空気圧が変化すると、タイ
ヤゴム部のばね定数も変化するため、上記の上下方向及
び前後方向の共振周波数がともに変化する。例えば、図
3に示すように、タイヤの空気圧が低下した場合には、
タイヤゴム部のばね定数も低下するので、上下方向及び
前後方向の共振周波数がともに低下する。従って、タイ
ヤの振動周波数より、車両のばね下における上下方向及
び前後方向の共振周波数の少なくとも一方を抽出すれ
ば、この共振周波数に基づいてタイヤの空気圧の状態を
検知することができる。
【0013】そのため、本実施例では、車輪速度センサ
の検出信号から、車両のばね下における上下方向及び前
後方向の共振周波数を抽出する。これは、発明者らの詳
細な検討の結果、車輪速度センサの検出信号には、タイ
ヤの振動周波数成分が含まれていることが判明したため
である。すなわち、車輪速度センサの検出信号を周波数
解析した結果、図4に示すように2点でピーク値を示す
とともに、タイヤの空気圧が低下すると、その2点のピ
ーク値も低下することが明らかとなった。
【0014】これにより、本実施例によれば、近年搭載
車両の増加しているアンチスキッド制御装置(ABS)
を備える車両等は、既に各タイヤに車輪速度センサが装
備されているため、何ら新たなセンサ類を追加しなくと
もタイヤ空気圧の検知が可能となる。また、車両の実用
範囲では、上記共振周波数の変化量はほとんどタイヤ空
気圧の変化に起因するタイヤばね定数の変化に基づくも
のであるため、例えばタイヤの摩耗等の他の要因の影響
を受けることなく安定した空気圧検知が可能となる。
【0015】図11に、ECU4が実行する処理内容を
表したフローチャートを示す。なお、ECU4は各車輪
1a〜1dに対して同様の処理を行うため、図11のフ
ローチャートは1車輪に対しての処理の流れのみを示し
ている。また、これ以後の説明において、各符号の添字
は省略する。さらに、図11に示すフローチャートで
は、特にタイヤの空気圧が基準値以下に低下したことを
検知し、運転者に対して警告を行う例について示してい
る。
【0016】図11において、ステップ100では、ピ
ックアップコイル3から出力された交流信号(図5)を
波形整形してパルス信号とした後に、そのパルス間隔を
その間の時間で除算することにより車輪速度vを演算す
る。この車輪速度vは、図6に示すように、通常、タイ
ヤの振動周波数成分を含む多くの高周波成分を含んでい
る。ステップ110では、演算された車輪速度vの変動
幅Δvが基準値v0 を超えたか否かを判定する。このと
き、車輪速度vの変動幅Δvが基準値v0 を超えている
と判定されると、ステップ120に進む。ステップ12
0では、車輪速度vの変動幅Δvが基準値v0 を超えて
いる時間ΔTが、所定時間t0 を超えたか否かを判定す
る。上記ステップ110,120での処理は、車両が走
行している路面が、本実施例の検知手法によってタイヤ
空気圧の検知が可能な路面か否かを判定するために行う
ものである。つまり、本実施例では、タイヤの空気圧の
検知を、タイヤの振動周波数成分に含まれる共振周波数
の変化に基づいて行う。このため、車輪速度vがある程
度変動し、かつそれが継続されなければ、上記共振周波
数を算出するための充分なデータを得ることができな
い。なお、ステップ120における判定では、車輪速度
vの変動幅Δvが基準値v0 を超えた時点で所定時間Δ
tが設定され、この所定時間Δt内に再び車輪速度vの
変動幅Δvが基準値v0 を超えると、時間ΔTの計測が
継続される。
【0017】ステップ110及びステップ120におい
て、ともに肯定判断されるとステップ130に進み、ど
ちらか一方において否定判断されると、ステップ100
に戻る。ステップ130では、演算された車輪速度に対
して周波数解析(FFT)演算を行うとともに、その演
算回数Nをカウントする。このFFT演算を行った結果
の一例を図7に示す。
【0018】図7に示すように、実際に車両が一般道を
走行して得られる車輪速度に対してFFT演算を実施す
ると、非常にランダムな周波数特性となることが通常で
ある。これは、路面に存在する微小な凹凸の形状(大き
さや高さ)が全く不規則なためであり、従って車輪速度
データ毎にその周波数特性は変動することとなる。従っ
て、本実施例では、この周波数特性の変動をできるだけ
低減するために、複数回のFFT演算結果の平均値を求
める。このため、ステップ140では、ステップ130
におけるFFT演算回数Nが所定回数n0 に達したか否
かを判定する。そして、演算回数Nが所定回数n0 に達
っしていないときには、さらにステップ100からステ
ップ130の処理を繰り返し実行する。一方、演算回数
Nが所定回数n0 に達っしているときには、ステップ1
50に進んで平均化処理を行う。この平均化処理は、図
8に示すように、各FFT演算結果の平均値を求めるも
のであり、各周波数成分のゲインの平均値が算出され
る。このような平均化処理によって、路面によるFFT
演算結果の変動を低減することが可能となる。
【0019】しかし、上述の平均化処理だけでは、ノイ
ズ等によって車両のばね下の上下方向及び前後方向の共
振周波数のゲインが、その近辺の周波数のゲインに比較
して必ずしも最大ピーク値になるとは限らないという問
題がある。そこで、本実施例では、上述の平均化処理に
引き続き、ステップ160において以下の移動平均処理
を実施する。
【0020】この移動平均処理は、n番目の周波数のゲ
インYn を以下の演算式によって求めることにより実施
される。
【0021】
【数1】Yn =(yn+1 +Yn-1 )/2 つまり、移動平均処理では、n番目の周波数のゲインY
n が、前回の演算結果におけるn+1番目のゲインy
n+1 と既に演算されたn−1番目の周波数のゲインY
n-1 との平均値とされる。これにより、FFT演算結果
は、滑らかに変化する波形を示すことになる。この移動
平均処理により求められた演算結果を図9に示す。
【0022】なお、ここでの波形処理は、上記移動平均
処理に限らず、平均化処理後のFFT演算結果に対して
ローパスフィルタ処理を施しても良いし、或いは、ステ
ップ130のFFT演算を実施する前に、車輪速度vの
微分演算を行い、その微分演算結果に対してFFT演算
を実施してもよい。
【0023】次に、ステップ170では、上記移動平均
処理によりスムージングされたFFT演算結果に基づい
て、車両のばね下の前後方向の共振周波数fk を算出す
る。なお、ステップ170の処理が実行されて、最初に
演算された共振周波数fk を初期共振周波数fs として
記憶しておく。
【0024】そしてステップ180〜240では、長時
間の高速走行時に発生するタイヤの発熱を考慮してタイ
ヤ空気圧の許容上下限値(例えば上限値2.5kg/c
2、下限値1.4kg/cm2 )に対応して設定され
ているばね下共振周波数上限値fH およびばね下共振周
波数下限値fL を補正する処理を行う。すなわち、タイ
ヤが発熱するとタイヤの内で空気が膨張し、タイヤ内の
空気量が同じ量であるにかかわらずタイヤ内での空気圧
が上昇することから、実際のタイヤ内空気量に見合った
空気圧の検知ができない。このため、ステップ180〜
240では、ばね下共振周波数上限値fH およびばね下
共振周波数下限値fL を補正して、タイヤの発熱に依存
されることなく正確にタイヤの空気圧を検知できるよう
にする。
【0025】そこで、まず、ステップ180にて車輪速
度vが所定速度vT を上回りかつ高上偏差Δf(=fk
−fs )が所定偏差Δf0 を上回っているか否かを判定
する。この所定偏差Δf0 は、初期共振周波数fs を基
準として、あらかじめ、タイヤの発熱特性を考慮し、設
定されている。ここでYESと判定されると、車両は高
速走行をしており、かつ共振周波数が大きくなっている
ことから、タイヤが発熱しているとみなすことができ
る。そこでステップ190に進み、ばね下共振周波数上
限値fH およびばね下共振周波数下限値fL の補正中を
示すフラグFを1とする。次に、ステップ200に進
み、高上偏差Δfを発熱補正前ばね下共振周波数上限値
fH ’およびばね下共振周波数下限値fL ’に加算する
ことによって、タイヤ発熱による温度補正を行い、改め
てばね下共振周波数上限値fH およびばね下共振周波数
下限値fL として算出する。
【0026】また、ステップ180でNOと判定された
ときには、ステップ210に進み車輪速度vが所定速度
vT を下回りかつ高上偏差Δfが所定偏差Δf0 下回っ
ているか否かを判定する。ここでYESと判定される
と、車両は低速走行をしており、かつ共振周波数が小さ
くなっていることから、タイヤは発熱していないとみな
すことができる。そこでステップ230に進み、ばね下
共振周波数上限値fH およびばね下共振周波数下限値f
L の補正中を示すフラグFを0とする。そして、ステッ
プ240に進み、発熱補正前ばね下共振周波数上限値f
H ’およびばね下共振周波数下限値fL ’を、そのまま
ばね下共振周波数上限値fH およびばね下共振周波数下
限値fL とする。
【0027】一方、ステップ210でNOと判定された
ときは、車輪速度vが所定速度vTを下回りかつ高上偏
差Δfが所定偏差Δf0 上回っているか、あるいは車輪
速度vが所定速度vT を上回りかつ高上偏差Δfが所定
偏差Δf0 を下回っているかのどちらかである。このよ
うな場合は、一概にタイヤが発熱しているか否かを判定
することはできないので本実施例では、それ以前の状態
を継続することにする。なぜなら例えば、車輪速度vが
所定速度vT を上回りかつ高上偏差Δfが所定偏差Δf
0 を下回った場合には、それ以前が補正中であれば、路
面等の要因によって高上偏差Δfは一時的に低下したも
のとみなすことができるし、補正中でなければ、車両の
一時的な加速によって車輪速度vが上昇したとみなすこ
とができるからである。そこで、ステップ210でNO
と判定されたときには、ステップ220に進み、補正中
を示すフラグFが1であるか否かを判定する。フラグF
が1であれば、補正中であるとみなすことができるの
で、ステップ200に進み補正を継続する。フラグFが
0であれば、補正中でないとみなすことができるので、
ステップ240に進み補正を行わない。
【0028】以上説明したステップ180〜240の処
理をタイムチャートに示すと、図10のようになる。図
10から明らかなように、車輪速度vが所定速度vT を
上回りかつ高上偏差Δfが所定偏差Δf0 上回ると補正
を開始し、車輪速度vが所定速度vT を下回りかつ高上
偏差Δfが所定偏差Δf0 下回ると補正を解除する。そ
して、一旦補正を開始すると、車輪速度vあるいは高上
偏差Δfだけの低下では、補正を解除しない。
【0029】さて、ステップ200およびステップ24
0にて、ばね下共振周波数上限値fH およびばね下共振
周波数下限値fL が求められるとステップ250に進
む。ステップ250では、共振周波数fk をばね下共振
周波数上限値fH およびばね下共振周波数下限値fL と
比較する。共振周波数fk がばね下共振周波数上限値f
H よりも大きいと判定されると、タイヤ空気圧が許容上
限値を上回ったとみなし、ばね下共振周波数fk がばね
下共振周波数上限値fL よりも小さいと判定されると、
タイヤの空気圧が許容下限値を下回ったとみなして、い
ずれの場合もステップ260に進み、表示部5によって
運転者に対して警告表示を行う。
【0030】なお、上述の例では、車両のばね下の前後
方向の共振周波数のみに基づいて、タイヤの空気圧の低
下を検知する例を示したが、これに代えて上下方向の共
振周波数のみに基づきタイヤ空気圧の低下を検知しても
良いし、前後方向及び上下方向の共振周波数の両者に基
づいて検知しても良い。
【0031】また、高上偏差Δfは上記算出値(fk −
fs )でなく、初期に設定した値を用いてもよい。さら
に、上記実施例では、ばね下共振周波数上限値fH およ
びばね下共振周波数下限値fL の補正を各輪独立して行
っているが、少なくとも一輪において高上偏差Δfが所
定偏差Δf0 を上回ったならば、全車輪のばね下共振周
波数上限値fH およびばね下共振周波数下限値fL の補
正を実施するようにしてもよい。このとき、例えば、高
上偏差Δfが所定偏差Δf0 を上回った車輪について
は、ステップ200と同様にばね下共振周波数上限値f
H およびばね下共振周波数下限値fL に高上偏差Δfを
加算し、高上偏差Δfが所定偏差Δf0 を上回っていな
い車輪については、上回った車輪の高上偏差Δfの平均
値ΔfAVE により、補正を行うものとする。
【0032】初期共振周波数fs は予め定められた車速
に到達する間に算定される共振周波数の平均値を用いて
も良く、また予め定められた車速に到達するまでに算定
される共振周波数の最後の値を用いても良い。
【0033】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。上述の第1実施例では、タイヤの発熱に対処すべく
ばね下共振周波数上限値fH およびばね下共振周波数下
限値fL を補正するものであったが、第2実施例では、
第1実施例に加えて車速上昇によって発生されるバース
トやスタンディングウェーブ現象を防止すべくばね下共
振周波数上限値fH およびばね下共振周波数下限値fL
を補正することを特徴とする。
【0034】通常タイヤは、そのグレードに応じて使用
可能な車速範囲が決まっていると同時に、その車速に対
し維持すべき最低空気圧と最高空気圧が基準値(許容下
限値P0 、許容上限値Pz )として設定されている。し
かしながら、車輪速度が上昇したときにタイヤの空気圧
が低いと、バーストやスタンディングウェーブ現象の発
生が予想されるため、許容下限値P0 および許容上限値
z を上昇させることによってタイヤ空気圧の許容範囲
を全体的に上昇させることが望ましい。第2実施例で
は、これに対応して実施するもので、車速領域に応じて
初期のばね下共振周波数上限値fH'' およびばね下共振
周波数下限値fL'’に対し、共振周波数の補正値を加算
するものである。
【0035】従って、この第2実施例では、図11のフ
ローチャートのステップ170とステップ180の間に
図13に示す処理を実行する。図13において、ステッ
プ171では、車輪速度vが第1速度vQ (vT <vQ
)を上回っているか否かを判定する。車輪速度vが第
1速度vQ を上回っていなければ、それほど高速走行を
していなく、初期のばね下共振周波数上限値fH''およ
びばね下共振周波数下限値fL'' を補正する必要がない
とみなし、ステップ172に進み、初期のばね下共振周
波数上限値fH'' およびばね下共振周波数下限値fL''
を発熱補正前ばね下共振周波数上限値fH ’およびばね
下共振周波数下限値fL ’とする。車輪速度vが第1速
度vQ を上回っているときは、ステップ173に進み、
車輪速度vが第2速度vH (vQ <vH )を上回ってい
るか否かを判定する。ここで、車輪速度vが第2速度v
H を上回っていなければ、ステップ174に進み、初期
のばね下共振周波数上限値fH'' に補正値ΔQ’を、ば
ね下共振周波数下限値fL'' に補正値ΔQをそれぞれ加
算することにより発熱補正前ばね下共振周波数上限値f
H ’およびばね下共振周波数下限値fL ’を求める。
【0036】車輪速度vが第2速度vH を上回っていれ
ば、ステップ175に進み、車輪速度vが第3速度vV
(vH <vV )を上回っているか否かを判定し、上回っ
ていなければ、ステップ176にて初期のばね下共振周
波数上限値fH'' に補正値ΔH’を、ばね下共振周波数
下限値fL'' に補正値ΔHをそれぞれ加算することによ
り発熱補正前ばね下共振周波数上限値fH ’およびばね
下共振周波数下限値fL ’を求め、上回っていれば、ス
テップ177にて初期のばね下共振周波数上限値fH''
に補正値ΔV’を、ばね下共振周波数下限値fL'' に補
正値ΔVをそれぞれ加算することにより発熱補正前ばね
下共振周波数上限値fH ’およびばね下共振周波数下限
値fL ’を求める。
【0037】以上説明したステップ171〜177の処
理をタイムチャートに示すと、図12のようになる。図
12から明らかなように、車輪速度vが所定速度vQ よ
りも小さいときには、初期のばね下共振周波数上限値f
H'' およびばね下共振周波数下限値fL'' がそのまま発
熱補正前ばね下共振周波数上限値fH ’およびばね下共
振周波数下限値fL ’となるが、車輪速度vが上昇する
につれて初期のばね下共振周波数上限値fH'' およびば
ね下共振周波数下限値fL'' を補正することによって発
熱補正前ばね下共振周波数上限値fH ’およびばね下共
振周波数下限値fL ’を段階的に大きくして行く。これ
により許容下限値P0 、許容上限値Pzも大きくなって
行くことになり、タイヤ空気圧の許容範囲を全体的に上
昇させバーストやスタンディングウェーブ現象を防止す
ることができる。
【0038】次に本発明の第3実施例について説明す
る。上述の第1,第2実施例では、特にタイヤの空気圧
が許容上下限値を逸脱したことを検知するようにしてい
たが、第3実施例では、タイヤの空気圧自体を検知しよ
うとするものである。
【0039】このため、第3実施例では、図14に示す
ようなタイヤ空気圧と共振周波数との関係を各タイヤ毎
にマップとして記憶し、第1実施例と同様に共振周波数
fkを算出して、この算出された共振周波数fk からタ
イヤ空気圧自体を直接推定する。 この第3実施例で
は、ECU4における処理内容の一部のみが上記第1,
第2実施例と異なり、その構成は上記第1,第2実施例
と共通である。このため、構成の説明は省略し、かつE
CU4における処理内容の相違点のみを説明する。
【0040】すなわち、第3実施例では、図11に示す
第1実施例のフローチャートのステップ250を、図1
5に示す処理に変更する。図15において、ステップ2
52では、ステップ170において算出された車両のば
ね下の前後方向の共振周波数fとステップ200および
ステップ240にて求められたばね下共振周波数上限値
fH およびばね下共振周波数下限値fL を用いて、図1
4に示す予め設定され記憶されたマップに従って、対応
するタイヤ空気圧P、タイヤ空気圧の許容上限値Pz
タイヤ空気圧の許容下限値P0 を算出する。そして、ス
テップ254において、算出されたタイヤ空気圧Pとタ
イヤ空気圧の許容上限値Pz 、タイヤ空気圧の許容下限
値P0 とを比較し、算出されたタイヤ空気圧Pが許容上
限値Pz 以上であるとき、またはタイヤ空気圧Pが許容
下限値P0 以下であるときステップ260に進む。
【0041】この第3実施例では、表示部5の表示形態
を代えて、ステップ252において算出したタイヤ空気
圧Pを各輪毎に直接表示するようにしても良い。なお、
上記第1〜第3実施例では共振周波数の上限値あるいは
下限値を補正しているが、これらを一定にしておいて、
ステップ170にて求められる共振周波数を補正するよ
うにしても良い。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、タ
イヤの振動成分を含む信号から共振周波数成分の信号を
抽出し、この抽出された共振周波数成分の信号を判定値
と比較するとともに、走行速度に応じて比較基準が補正
されて、タイヤの空気圧の状態が検知しているので、走
行速度の変化に伴なうタイヤ状態の変化に対応したタイ
ヤ空気圧を検知することでき、一層の検知精度の向上が
可能となるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の構成を示す構成図であ
る。
【図2】車両のばね下の加速度の周波数特性を示す特性
図である。
【図3】タイヤの空気圧の変化による車両のばね下の上
下方向及び前後方向の共振周波数の変化の様子を示す特
性図である。
【図4】第1実施例のタイヤ空気圧の検知原理を示す説
明図である。
【図5】車輪速度センサの出力電圧波形を示す波形図で
ある。
【図6】車輪速度センサの検出信号に基づいて演算され
た車輪速度vの変動状態を示す波形図である。
【図7】図6に示す波形の車輪速度vに対して周波数解
析演算を行った結果を示す特性図である。
【図8】第1実施例における平均処理を説明するための
説明図である。
【図9】第1実施例における移動平均処理を行った後の
周波数解析結果を示す特性図である。
【図10】第1実施例における車輪速度と共振周波数と
の関係を示すタイムチャートである。
【図11】第1実施例の電子制御装置の処理内容を示す
フローチャートである。
【図12】車輪速度とタイヤ空気圧およびばね下共振周
波数の関係を示す特性図である。
【図13】第2実施例の処理内容の要旨を示すフローチ
ャートである。
【図14】本発明の第3実施例におけるタイヤ空気圧と
ばね下共振周波数との関係を示す
【図15】第3実施例と第1実施例との処理内容の相違
点を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 タイヤ 2 歯車 3 ピックアップコイル 4 電子制御装置(ECU) 5 表示部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の走行時に、タイヤの振動周波数成
    分を含む信号を出力する出力手段と、 前記タイヤの振動周波数成分を含む信号から共振周波数
    成分の信号を抽出する抽出手段と、 前記共振周波数成分の信号を判定値と比較することによ
    って前記タイヤの空気圧の状態を検知する検知手段と、 車両の走行速度に応じて前記共振周波数成分の信号と判
    定値との間の比較基準を補正する補正手段と、 を備えることを特徴とするタイヤ空気圧異常検知装置。
  2. 【請求項2】 前記補正手段は、車両の走行速度と前記
    共振周波数に基づいてタイヤの発熱状態を検知し、該タ
    イヤの発熱状態に応じて前記共振周波数成分の信号と判
    定値との間の比較基準を補正することを特徴とする請求
    項1記載のタイヤ空気圧検知装置。
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