JPH05212582A - 高Crフェライト系耐熱鋼用溶接材料 - Google Patents
高Crフェライト系耐熱鋼用溶接材料Info
- Publication number
- JPH05212582A JPH05212582A JP2297192A JP2297192A JPH05212582A JP H05212582 A JPH05212582 A JP H05212582A JP 2297192 A JP2297192 A JP 2297192A JP 2297192 A JP2297192 A JP 2297192A JP H05212582 A JPH05212582 A JP H05212582A
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- JP
- Japan
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- toughness
- welding
- welding material
- heat resistant
- ferrite
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、高温におけるクリープ特性、靱
性、耐割れ性に優れた溶接金属を与える高Crフェライ
ト系耐熱鋼用溶接材料に係わるものである。 【構成】 各元素の添加量を重量比で、C:0.03〜
0.12%、Si:0.3%以下、Mn:0.3〜1.
5%、V:0.03〜0.40%、Nb:0.01〜
0.15%、N:0.01〜0.08%、Cr:8〜1
3%、Ni:0.05〜1.2%、Mo:0.3〜1.
6%、W:0.5〜3.5%、Co:1.0〜5.0
%、Cu:0.5〜4.0%の範囲に規定される成分を
必須成分として含有し、さらにMo、W、Co、Cu添
加量の間に(Mo+W)/(Co+Cu)≦1.2なる
関係が成立し、残部がFe及び不可避的不純物からなる
ことを特徴とする高Crフェライト系耐熱鋼用溶接材
料。
性、耐割れ性に優れた溶接金属を与える高Crフェライ
ト系耐熱鋼用溶接材料に係わるものである。 【構成】 各元素の添加量を重量比で、C:0.03〜
0.12%、Si:0.3%以下、Mn:0.3〜1.
5%、V:0.03〜0.40%、Nb:0.01〜
0.15%、N:0.01〜0.08%、Cr:8〜1
3%、Ni:0.05〜1.2%、Mo:0.3〜1.
6%、W:0.5〜3.5%、Co:1.0〜5.0
%、Cu:0.5〜4.0%の範囲に規定される成分を
必須成分として含有し、さらにMo、W、Co、Cu添
加量の間に(Mo+W)/(Co+Cu)≦1.2なる
関係が成立し、残部がFe及び不可避的不純物からなる
ことを特徴とする高Crフェライト系耐熱鋼用溶接材
料。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高い靱性を有する高強度
耐熱鋼の溶接材料に関するものであり、さらに詳しくは
高温におけるクリープ特性、靱性、耐割れ性に優れた溶
接金属を与える高クロム耐熱鋼用溶接材料に係わるもの
である。
耐熱鋼の溶接材料に関するものであり、さらに詳しくは
高温におけるクリープ特性、靱性、耐割れ性に優れた溶
接金属を与える高クロム耐熱鋼用溶接材料に係わるもの
である。
【0002】
【従来の技術】高温高能率型のエネルギープラント用鋼
材として、クリープ強度が極めて優れかつオーステナイ
ト系ステンレス鋼に見られるような応力腐食割れの心配
が少ないフェライト系耐熱鋼が強く要望され、使用され
始めている。この種の用途を目的として開発されてい
る、例えば特開昭60−257991号公報に開示され
ている9Cr−Mo系鋼用溶接ワイヤの如く、溶接ワイ
ヤ中のC、Si、Mn、Cr、Mo、Ni添加量を限定
し、さらにNb、Vの1種または2種を添加して(Nb
+V)で0.3%以下とする溶接ワイヤが提案されてい
る。また、特開平2−280993号公報では8〜12
Cr系溶接材料の如く、C、Si、Mn、Cr、Ni、
Mo、W、V、Nb、Al、N添加量を限定し、Cre
q:13以下とする溶接材料が提案されている。
材として、クリープ強度が極めて優れかつオーステナイ
ト系ステンレス鋼に見られるような応力腐食割れの心配
が少ないフェライト系耐熱鋼が強く要望され、使用され
始めている。この種の用途を目的として開発されてい
る、例えば特開昭60−257991号公報に開示され
ている9Cr−Mo系鋼用溶接ワイヤの如く、溶接ワイ
ヤ中のC、Si、Mn、Cr、Mo、Ni添加量を限定
し、さらにNb、Vの1種または2種を添加して(Nb
+V)で0.3%以下とする溶接ワイヤが提案されてい
る。また、特開平2−280993号公報では8〜12
Cr系溶接材料の如く、C、Si、Mn、Cr、Ni、
Mo、W、V、Nb、Al、N添加量を限定し、Cre
q:13以下とする溶接材料が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術では大幅なクリープ強度を向上しようとするものでは
なく、マルテンサイト相中にδフェライトを析出し、靱
性を著しく低下させるという欠点を有する。δフェライ
トは基地中マルテンサイトより著しく軟らかい相であ
り、このような軟らかい第二相が硬い基地中に分散する
場合、全体の衝撃特性は著しく低下する。
術では大幅なクリープ強度を向上しようとするものでは
なく、マルテンサイト相中にδフェライトを析出し、靱
性を著しく低下させるという欠点を有する。δフェライ
トは基地中マルテンサイトより著しく軟らかい相であ
り、このような軟らかい第二相が硬い基地中に分散する
場合、全体の衝撃特性は著しく低下する。
【0004】本発明は、かかる従来技術に鑑み、高温に
おけるクリープ特性、靱性に優れた溶接金属を与える高
クロム耐熱鋼用溶接材料を提供することを目的とする。
おけるクリープ特性、靱性に優れた溶接金属を与える高
クロム耐熱鋼用溶接材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、 各元素の添加量を重量比で、 C:0.03〜0.12%、 Si:0.3%以下、 Mn:0.3〜1.5%、 V:0.03〜0.40%、 Nb:0.01〜0.15%、 N:0.01〜0.08%、 Cr:8〜13%、 Ni:0.05〜1.2%、 Mo:0.3〜1.6%、 W:0.5〜3.5%、 Co:1.0〜5.0%、 Cu:0.5〜4.0%、 の範囲に規定される成分を必須成分として含有し、さら
にMo、W、Co、Cu添加量の間に(Mo+W)/
(Co+Cu)≦1.2なる関係が成立し、残部がFe
および不可避的不純物からなることを特徴とする高Cr
フェライト系耐熱鋼用溶接材料にある。
ろは、 各元素の添加量を重量比で、 C:0.03〜0.12%、 Si:0.3%以下、 Mn:0.3〜1.5%、 V:0.03〜0.40%、 Nb:0.01〜0.15%、 N:0.01〜0.08%、 Cr:8〜13%、 Ni:0.05〜1.2%、 Mo:0.3〜1.6%、 W:0.5〜3.5%、 Co:1.0〜5.0%、 Cu:0.5〜4.0%、 の範囲に規定される成分を必須成分として含有し、さら
にMo、W、Co、Cu添加量の間に(Mo+W)/
(Co+Cu)≦1.2なる関係が成立し、残部がFe
および不可避的不純物からなることを特徴とする高Cr
フェライト系耐熱鋼用溶接材料にある。
【0006】
【作用】本発明の最大の特徴は溶接ワイヤ中にCoを添
加し、かつMo、W、Co、Cu量との関係で限定共存
させたところにあり、溶接して得られる溶接金属のδフ
ェライトの生成を抑制し、クリープ破断強度と靱性を格
段に高めたところにある。
加し、かつMo、W、Co、Cu量との関係で限定共存
させたところにあり、溶接して得られる溶接金属のδフ
ェライトの生成を抑制し、クリープ破断強度と靱性を格
段に高めたところにある。
【0007】以下に本発明の各成分の限定理由について
述べる。 C:0.03〜0.12% Cは焼入れ性と強度確保のため0.03%以上必要であ
るが、耐割れ性の観点から上限を0.12%とした。 Si:0.3%以下 Siは脱酸材として添加するものであるが、また耐酸化
性を向上させる元素でもある。しかし0.3%を超える
と靱性の低下を招くので上限を0.3%と定めた。
述べる。 C:0.03〜0.12% Cは焼入れ性と強度確保のため0.03%以上必要であ
るが、耐割れ性の観点から上限を0.12%とした。 Si:0.3%以下 Siは脱酸材として添加するものであるが、また耐酸化
性を向上させる元素でもある。しかし0.3%を超える
と靱性の低下を招くので上限を0.3%と定めた。
【0008】Mn:0.3〜1.5% Mnは脱酸のためのみでなく、強度保持上も必要な成分
である。上限を1.5%としたのは、これを超すと靱性
の点から好ましくないからであり、下限は脱酸に必要な
量として0.3%と定めた。 V:0.03〜0.40% Vは炭窒化物として析出させて強度を確保する上で最低
0.03%が必要であるが、他方0.40%を超えると
かえって強度低下を生じるので上限を0.40%とし
た。
である。上限を1.5%としたのは、これを超すと靱性
の点から好ましくないからであり、下限は脱酸に必要な
量として0.3%と定めた。 V:0.03〜0.40% Vは炭窒化物として析出させて強度を確保する上で最低
0.03%が必要であるが、他方0.40%を超えると
かえって強度低下を生じるので上限を0.40%とし
た。
【0009】Nb:0.01〜0.15% NbはVと同様炭窒化物として析出して強度を確保する
ほか、結晶粒を微細化して靱性を与える元素としても重
要であるため最低0.01%が必要であるが、0.15
%を超えるとその効果は飽和してしまうだけでなく溶接
性の低下も招く。したがって上限を0.15%とした。
ほか、結晶粒を微細化して靱性を与える元素としても重
要であるため最低0.01%が必要であるが、0.15
%を超えるとその効果は飽和してしまうだけでなく溶接
性の低下も招く。したがって上限を0.15%とした。
【0010】N:0.01〜0.08% Nは基地中に固溶しても、また窒化物として析出しても
著しいクリープ抵抗の向上に寄与するため最低0.01
%を必要とするが、0.08%を超えると窒化物が多量
に析出して、逆に靱性が劣化することなどの問題が生じ
るので上限を0.08%と定めた。
著しいクリープ抵抗の向上に寄与するため最低0.01
%を必要とするが、0.08%を超えると窒化物が多量
に析出して、逆に靱性が劣化することなどの問題が生じ
るので上限を0.08%と定めた。
【0011】Cr:8〜13% Crは耐酸化性と焼入れ性を確保する上で最も重要な元
素であるため最低8%必要であるが、13%を超すと耐
割れ性を損なうと同時にδフェライトを析出させ、靱性
の劣化が著しくなるので上限は13%とした。 Ni:0.05〜1.2% NiはCrとの共存状態で耐酸化性の向上、靱性の向上
に有効であり、高温で長時間使用される本発明溶接材料
のような用途に対しては必須の元素であるが、0.05
%未満ではその効果は得られない。他方、1.2%を超
すと高温クリープ特性を劣化させるので上限を1.2%
とした。
素であるため最低8%必要であるが、13%を超すと耐
割れ性を損なうと同時にδフェライトを析出させ、靱性
の劣化が著しくなるので上限は13%とした。 Ni:0.05〜1.2% NiはCrとの共存状態で耐酸化性の向上、靱性の向上
に有効であり、高温で長時間使用される本発明溶接材料
のような用途に対しては必須の元素であるが、0.05
%未満ではその効果は得られない。他方、1.2%を超
すと高温クリープ特性を劣化させるので上限を1.2%
とした。
【0012】Mo:0.3〜1.6% Moは種々な合金元素のうち、クリープ強さに少量でも
効果の著しい元素で、固溶体強化により高温強度を顕著
に高めるので使用温度、圧力を上昇させる目的で添加す
るが、多量に添加された場合溶接性を損ない、かつδフ
ェライトを析出させるため靱性の低下を招く。したがっ
て、添加範囲として上限を1.6%とした。一方、Wと
の共存において、高温強度、特に高温長時間側でのクリ
ープ破断強度の向上に効果のあるのは0.3%以上であ
るので下限を0.3%とした。
効果の著しい元素で、固溶体強化により高温強度を顕著
に高めるので使用温度、圧力を上昇させる目的で添加す
るが、多量に添加された場合溶接性を損ない、かつδフ
ェライトを析出させるため靱性の低下を招く。したがっ
て、添加範囲として上限を1.6%とした。一方、Wと
の共存において、高温強度、特に高温長時間側でのクリ
ープ破断強度の向上に効果のあるのは0.3%以上であ
るので下限を0.3%とした。
【0013】W:0.5〜3.5% Wはフェライト系溶接金属のクリープ強度に寄与する固
溶体強化元素として最も優れた元素である。特に、高温
長時間側でのクリープ破断強度向上の効果は極めて大き
い。しかしながら0.5%未満ではMoとの共存におい
て効果を発揮できないので下限を0.5%と定めた。し
かし、過剰に添加すると、δフェライトを析出させ、溶
接金属の靱性が低下し、溶接作業性も劣化するので上限
を3.5%とした。
溶体強化元素として最も優れた元素である。特に、高温
長時間側でのクリープ破断強度向上の効果は極めて大き
い。しかしながら0.5%未満ではMoとの共存におい
て効果を発揮できないので下限を0.5%と定めた。し
かし、過剰に添加すると、δフェライトを析出させ、溶
接金属の靱性が低下し、溶接作業性も劣化するので上限
を3.5%とした。
【0014】Co:1.0〜5.0% CoはMo、W添加によって生じるδフェライトの析出
という問題点を相殺する重要な元素であり、最低1.0
%を必要とする。しかし、過剰に添加するとAc1点を
下げるため、高温焼戻しが不可能となり、組織の安定化
処理ができなくなるという欠点を有するので上限を5.
0%と定めた。
という問題点を相殺する重要な元素であり、最低1.0
%を必要とする。しかし、過剰に添加するとAc1点を
下げるため、高温焼戻しが不可能となり、組織の安定化
処理ができなくなるという欠点を有するので上限を5.
0%と定めた。
【0015】Cu:0.5〜4.0% CuはCoと同様にMo、Wによって生じるδフェライ
トの析出という問題点を相殺する元素であり、最低0.
5%を必要とする。しかし過剰に添加すると高温焼戻し
が不可能となり、組織の安定化処理ができなくなるので
上限を4.0%とした。このようにCuはCoと同様に
Mo、Wとは相反する効果を与える元素であり、本発明
合金系での適切な添加バランスは(Mo+W)/(Co
+Cu)≦1.2という範囲である。
トの析出という問題点を相殺する元素であり、最低0.
5%を必要とする。しかし過剰に添加すると高温焼戻し
が不可能となり、組織の安定化処理ができなくなるので
上限を4.0%とした。このようにCuはCoと同様に
Mo、Wとは相反する効果を与える元素であり、本発明
合金系での適切な添加バランスは(Mo+W)/(Co
+Cu)≦1.2という範囲である。
【0016】
【実施例】厚さ20mmのASTM規格A387 Gr
22、9Cr−1Mo鋼、9Cr−1Mo−Nb−V
−W鋼、9Cr−0.5Mo−Nb−V−W鋼、12C
r−0.5Mo−Nb−V−W鋼材に、図1に示すよう
な開先(厚さT=20mm、開先角度θ=20°、ルー
トギャップL=12mm)を形成し、表1に示す成分組
成のワイヤ径1.6mmφの溶接ワイヤを用いて、表3
に示す溶接条件でTIG溶接を実施した。
22、9Cr−1Mo鋼、9Cr−1Mo−Nb−V
−W鋼、9Cr−0.5Mo−Nb−V−W鋼、12C
r−0.5Mo−Nb−V−W鋼材に、図1に示すよう
な開先(厚さT=20mm、開先角度θ=20°、ルー
トギャップL=12mm)を形成し、表1に示す成分組
成のワイヤ径1.6mmφの溶接ワイヤを用いて、表3
に示す溶接条件でTIG溶接を実施した。
【0017】得られた溶接金属を740℃−4時間の後
熱処理をした後、600℃、20kgf/mm2 の応力
でのクリープ破断試験および試験温度0℃での2mmV
ノッチ衝撃試験を行った。表2に上記試験結果および溶
接性の調査結果を示す。ワイヤAT−1〜AT−9はい
ずれも本発明の要件を全て満たしており、溶接金属組織
はδフェライトの析出はなくマルテンサイト単相組織で
あり、後熱処理後の靱性およびクリープ破断特性が良好
で、かつ溶接性の優れた溶接金属を得ることができた。
熱処理をした後、600℃、20kgf/mm2 の応力
でのクリープ破断試験および試験温度0℃での2mmV
ノッチ衝撃試験を行った。表2に上記試験結果および溶
接性の調査結果を示す。ワイヤAT−1〜AT−9はい
ずれも本発明の要件を全て満たしており、溶接金属組織
はδフェライトの析出はなくマルテンサイト単相組織で
あり、後熱処理後の靱性およびクリープ破断特性が良好
で、かつ溶接性の優れた溶接金属を得ることができた。
【0018】ワイヤAT−10〜AT−16は比較例を
示す。ワイヤAT−10は通常の耐熱鋼用として使用さ
れている。2 1/4%Cr−1%Mo系ワイヤの例であ
り、ワイヤAT−11はさらに耐高温腐食性を向上させ
た熱交換器用ワイヤであるが、いずれも本発明ワイヤに
比べ、著しくクリープ破断強度が低い。AT−12は9
Cr−1Mo−Nb−V−W系のワイヤの例であるが、
C量が本発明ワイヤに比べて著しく高いので、溶接時に
割れが発生し、耐割れ性および衝撃値が低下している。
AT−13はN量が本発明の上限を超えるものであっ
て、溶接金属にブロホールが発生するとともに靱性に乏
しかった。AT−14はC、Nが低くCo、Cuの添加
がないためδフェライトが生じ、靱性が低下している。
AT−15は9Cr−0.5Mo−Nb−V−W系でM
o、W、Coを含有するが(Mo+W)/(Co+C
u)が本発明の条件を外れており、クリープ破断強度が
低く、δフェライトが生じ、靱性が低い。AT−16は1
2Cr−0.5Mo−Nb−V−W系でAT−14と同
様にMo、W、Co、Cuを含有するが、(Mo+W)
/(Co+Cu)が本発明の条件を外れており、クリー
プ破断強度が低くδフェライトが生じ、靱性が低下して
いる。
示す。ワイヤAT−10は通常の耐熱鋼用として使用さ
れている。2 1/4%Cr−1%Mo系ワイヤの例であ
り、ワイヤAT−11はさらに耐高温腐食性を向上させ
た熱交換器用ワイヤであるが、いずれも本発明ワイヤに
比べ、著しくクリープ破断強度が低い。AT−12は9
Cr−1Mo−Nb−V−W系のワイヤの例であるが、
C量が本発明ワイヤに比べて著しく高いので、溶接時に
割れが発生し、耐割れ性および衝撃値が低下している。
AT−13はN量が本発明の上限を超えるものであっ
て、溶接金属にブロホールが発生するとともに靱性に乏
しかった。AT−14はC、Nが低くCo、Cuの添加
がないためδフェライトが生じ、靱性が低下している。
AT−15は9Cr−0.5Mo−Nb−V−W系でM
o、W、Coを含有するが(Mo+W)/(Co+C
u)が本発明の条件を外れており、クリープ破断強度が
低く、δフェライトが生じ、靱性が低い。AT−16は1
2Cr−0.5Mo−Nb−V−W系でAT−14と同
様にMo、W、Co、Cuを含有するが、(Mo+W)
/(Co+Cu)が本発明の条件を外れており、クリー
プ破断強度が低くδフェライトが生じ、靱性が低下して
いる。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【発明の効果】本発明溶接材料は従来の9〜12%Cr
鋼用溶接ワイヤと比較して、高温でのクリープ強度を著
しく高めたものであり、靱性および溶接性などの特性に
も優れている。表1、表2に示したように溶接ワイヤ組
成が本発明の要件を満たすものは、本発明の要件を満た
さないもの(比較例)と比べて高温クリープ特性だけで
なく、靱性および溶接性に優れていることが明らかであ
る。各種発電ボイラ、化学圧力容器などに使用される9
〜12%Cr系鋼を溶接する場合に、本発明に係わる溶
接材料を使用することにより、溶接継手の信頼性を大幅
に向上することができる。
鋼用溶接ワイヤと比較して、高温でのクリープ強度を著
しく高めたものであり、靱性および溶接性などの特性に
も優れている。表1、表2に示したように溶接ワイヤ組
成が本発明の要件を満たすものは、本発明の要件を満た
さないもの(比較例)と比べて高温クリープ特性だけで
なく、靱性および溶接性に優れていることが明らかであ
る。各種発電ボイラ、化学圧力容器などに使用される9
〜12%Cr系鋼を溶接する場合に、本発明に係わる溶
接材料を使用することにより、溶接継手の信頼性を大幅
に向上することができる。
【図1】実施例に用いた溶接部の開先形状を示す断面図
である。
である。
1 被溶接材 2 裏当材
Claims (1)
- 【請求項1】 各元素の添加量を重量比で、 C:0.03〜0.12%、 Si:0.3%以下、 Mn:0.3〜1.5%、 V:0.03〜0.40%、 Nb:0.01〜0.15%、 N:0.01〜0.08%、 Cr:8〜13%、 Ni:0.05〜1.2%、 Mo:0.3〜1.6%、 W:0.5〜3.5%、 Co:1.0〜5.0%、 Cu:0.5〜4.0%、 の範囲に規定される成分を必須成分として含有し、さら
にMo、W、Co、Cu添加量の間に(Mo+W)/
(Co+Cu)≦1.2なる関係が成立し、残部がFe
および不可避的不純物からなることを特徴とする高Cr
フェライト系耐熱鋼用溶接材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4022971A JP2561592B2 (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | 高Crフェライト系耐熱鋼用溶接材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4022971A JP2561592B2 (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | 高Crフェライト系耐熱鋼用溶接材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05212582A true JPH05212582A (ja) | 1993-08-24 |
JP2561592B2 JP2561592B2 (ja) | 1996-12-11 |
Family
ID=12097461
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4022971A Expired - Lifetime JP2561592B2 (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | 高Crフェライト系耐熱鋼用溶接材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2561592B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US5560788A (en) * | 1994-06-13 | 1996-10-01 | The Japan Steel Works, Ltd. | Heat resisting steels |
CN102909487A (zh) * | 2012-10-29 | 2013-02-06 | 海门市威菱焊材制造有限公司 | 铸管管模堆焊焊丝 |
CN106736033A (zh) * | 2016-12-29 | 2017-05-31 | 钢铁研究总院 | G115耐热钢用氩弧焊焊丝 |
CN112025048A (zh) * | 2020-09-09 | 2020-12-04 | 四川西冶新材料股份有限公司 | 一种9Cr-3W-3Co马氏体耐热钢的埋弧焊焊丝及焊接工艺 |
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JPH01215490A (ja) * | 1988-02-24 | 1989-08-29 | Nkk Corp | Cr−Mo系低合金鋼用溶接ワイヤ |
-
1992
- 1992-02-07 JP JP4022971A patent/JP2561592B2/ja not_active Expired - Lifetime
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