JPH05212406A - 調質圧延制御方法 - Google Patents

調質圧延制御方法

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JPH05212406A
JPH05212406A JP4020268A JP2026892A JPH05212406A JP H05212406 A JPH05212406 A JP H05212406A JP 4020268 A JP4020268 A JP 4020268A JP 2026892 A JP2026892 A JP 2026892A JP H05212406 A JPH05212406 A JP H05212406A
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忠明 八角
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憲治 植田
Michio Yamashita
道雄 山下
Sadayuki Mitsuyoshi
貞行 三吉
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Abstract

(57)【要約】 【目的】極低炭素鋼の低圧下率圧延を行う際に板厚、板
形状の乱れを発生することなく所望の調質度を得る。 【構成】入側テンションブライドル装置1でミル入側張
力を一定値に制御すると共に、出側テンションブライド
ル装置4でミル出側張力を一定値に制御し、調質圧延を
行う第2スタンド3の圧延速度及び圧下力を自動速度制
御器10及び油圧圧下制御器16で目標値に固定制御し、さ
らに圧延スタンドとなる第1スタンド2の圧下力を、そ
の圧下力目標値に関数発生器33からの圧延速度に応じて
二次関数的に増加する圧下力増加補正値を加算すること
により制御し、且つ第1及び第2スタンド間のスタンド
間張力を、そのスタンド間張力目標値に伸び率計45の実
測伸び率と目標伸び率との偏差を加算して制御すること
により伸び率一定制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、調質圧延制御方法に係
り、特に炭素量が40ppm以下の極低炭素鋼を調質圧
延する場合に好適な調質圧延制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】缶用材料などに使用するブリキ原板は、
JIS3303により調質度が下記表1に示すように規
定されている。
【0003】
【表1】
【0004】従来、調質度T4以上の硬質材は、炭素量
が0.01%以上の低炭素鋼を用いて冷間圧延、連続焼
鈍及び調質圧延を施して製造される。一方、調質度T3
以下の軟質材は、低炭素鋼を素材として、冷間圧延、箱
焼鈍及び調質圧延を施して製造されていた。ここで、調
質圧延は、乾式調質圧延により0.5〜2.5%の伸び
率を付与するもので、降伏伸びの改善、形状調整及びブ
ライト材とダル材の作り分けを行うために実施される。
【0005】上記調質度T3以下の軟質材を焼鈍する箱
焼鈍法は、連続焼鈍法に比べ処理に長時間を要し、又表
面性状も悪いことから、急冷過時効法などの採用により
軟質材も連続焼鈍法により製造できるようになってきて
いる。しかしながら、この急冷過時効法を採用した連続
焼鈍法にも限界があり、調質度T1の極軟質材は、連続
焼鈍法では製造できず、箱焼鈍法に頼らざるを得なかっ
た。
【0006】ところが、最近になって、溶製技術などの
進歩によって炭素量が0.0040%以下(現在、0.
0010%程度まで下げることができる)の極低炭素鋼
を製造できるようになったことから、調質度T1の極軟
質材も連続焼鈍法により製造可能となった。そこで、炭
素量が40ppm以下の極低炭素鋼を素材として加工硬
化法により軟質材を作り分ける即ち同一成分の素材を用
いて調質圧延での伸び率を制御することにより調質度T
1〜T3を作り分けることが試行されるようになってき
ている。
【0007】しかしながら、調質圧延での伸び率は、乾
式の場合、通常0.5〜2.5%の範囲しか取れず、調
質度T3までの製造はできない。したがって、圧下率を
高く取れる湿式調質圧延が必要となる。以上をまとめる
と、下記表2に示すようになる。
【0008】
【表2】
【0009】ところが、極低炭素鋼の連続焼鈍材という
非常に軟質な材料を伸び率が5〜10%の湿式調質圧
延、換言すれば圧下率が5〜10%という軽圧下を施す
ための自動制御技術が確立されていないのが現状であ
る。すなわち、ブリキ原板は前述したように、その用途
に応じてブライト仕上げ、ダル仕上げなどの表面仕上げ
も同時に調質圧延により行うため、所定の圧下率を得る
ための圧延スタンドと、表面を仕上げるための調質圧延
スタンドとの最低2つのスタンドが必要となる。
【0010】この2スタンドの場合の制御系は、図2に
示すように、ストリップSを入側テンションブライドル
装置1で速度制御しながら第1スタンド2に供給して所
定の圧下率に制御し、次いで第2スタンド3に供給して
ブライト仕上げ、ダル仕上げ等の表面仕上げを行い、出
側テンションブライドル装置4で速度制御されながら巻
取装置(図示せず)に移送される。
【0011】ここで、第1スタンド2及び第2スタンド
3は、共にストリップSに転接する一対のワークロール
WR1 及びWR2 と、これらワークロールWR1 及びW
2に転接する一対のバックアップロールBR1 及びB
2 と、一方のバックアップロールBR1 に圧下力を付
与する圧下装置PDとで構成され、第1スタンド2では
両ワークロールWR1 及びWR2 が回転駆動されるが、
第2スタンド3では何れか一方例えば下側のワークロー
ルWR1 のみが回転駆動される。
【0012】そして、入側テンションブライドル装置1
によるストリップSの搬送速度は、第1スタンド2及び
第2スタンド3間に配設された板厚計25の板厚検出値
が入力され、第1スタンド2の出側板厚を一定値に制御
する自動板厚制御装置(AGC)の制御出力と、第1ス
タンド2の入側に配設されたストリップSの張力を検出
するテンションメータロール5の入側張力検出値が入力
される自動張力リミット制御装置(ATL)20の制御
出力とでカスケード制御される自動速度制御器8によっ
て制御される。ここで、自動張力リミット制御装置20
は、所定の上限値及び下限値で入側張力検出値の許容範
囲を設定し、入側張力検出値が上限値(又は下限値)を
越えたときに、正(又は負)の制御出力が出力される。
【0013】また、第1スタンド2のワークロールWR
1 及びWR2 の回転速度は、前記自動板厚制御装置26
の制御出力と、第1スタンド2及び第2スタンド3間の
ストリップSの張力を検出するテンションメータロール
6の張力検出値が入力され、これと目標値との偏差が出
力される自動張力制御器21の偏差出力との加算値が入
力される自動速度制御器9によって速度制御される。
【0014】さらに、第1スタンド2の圧下装置PDの
圧下量が前述した自動張力リミット制御装置20の制御
出力が入力された油圧圧下制御装置(HPC)の制御出
力によって制御される。一方、第2スタンド3は、調質
圧延スタンドとして使用されるため、ワークロールWR
1 の回転速度が、ワークロールWR1 の回転速度を検出
する図示しないパルスジェネレータの検出信号が入力さ
れる自動速度制御器10で目標値と一致するように制御
されて速度マスターとなっていると共に、圧下装置PD
の圧下力が油圧圧下制御装置24によって目標圧下力と
一致するように制御される。
【0015】さらに、出側テンションブライドル装置4
の回転速度は、第2スタンド3の出側に配設されたテン
ションメータロール7の出側張力検出値が入力された自
動張力制御器22から出力される出側張力検出値と張力
目標値との偏差が入力される自動速度制御器11によっ
て出側張力検出値が一定値となるように速度制御され
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の調質圧延制御方法においては、超極低炭素鋼の低圧
下率圧延を行う場合に、圧延スタンドとなる第1スタン
ド2の入側速度を出側板厚に基づく自動板厚制御によっ
て制御すると共に、圧下力を入側張力検出値が入力され
る自動張力リミット制御器の制御出力に基づいて制御す
るようにしているので、第1スタンドの入側速度に対し
ては、中立点直下の板厚が厚く、先進率が大きいため、
入側張力より出側張力の影響が大きくなると共に、圧下
力を変更したときには先進率変化が大きく板厚が大きく
変化することになり、自動板厚制御と自動張力リミット
制御とが干渉して板厚のハンチングが発生し、良好な調
質圧延を行うことができないという未解決の課題があっ
た。
【0017】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、極低炭素鋼を低圧
下率圧延する際に板厚、板形状の乱れを発生することな
く所望の調質度を得ることができる調質圧延制御方法を
提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る調質圧延方法は、極低炭素鋼を連続焼
鈍後に少なくとも2スタンドの調質圧延機で5〜10%
の圧下率で調質圧延する調質圧延制御方法において、ミ
ル入側及びミル出側で張力一定制御を行うと共に、何れ
か一方のスタンドを目標圧下率に固定制御し、且つ他方
のスタンドの圧下力を圧延速度に応じたパターンで制御
すると共に、スタンド間張力制御の目標値を実測伸び率
と目標伸び率との偏差で補正して伸び率一定制御を行う
ようにしたことを特徴としている。
【0019】
【作用】本発明においては、例えば出側の第2スタンド
を調質圧延スタンドとして速度マスターとしたときに、
入側の圧延スタンドとなる第1スタンドの圧下力を圧延
速度の増加に応じて増加するパターンで制御することに
より、極低炭素鋼の低速圧延状態から高速圧延状態に又
はその逆に変更する場合の板形状の乱れを抑制すること
ができ、さらにスタンド間張力の目標値を実測伸び率と
目標伸び率との偏差で補正し、この補正値に基づいてス
タンド間張力を制御するので、圧延スタンドとなる第1
スタンドの先進率が大きいことにより、伸び率一定制御
が可能となる。また、入側張力と出側張力も一定に制御
するので、絞り、スリップ,反りなどといった品質への
悪影響を防止することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明の一実施例を示す構成図であっ
て、この実施例では第2スタンドを速度制御及び張力制
御のピボットスタンドとして設定してある。調質圧延設
備自体は、前述した従来例と同様の構成を有し、ストリ
ップSの入側搬送速度及び張力を制御する入側テンショ
ンブライドル装置1と、その後行側に配設された圧延ス
タンドとしての第1スタンド2と、その後行側に配設さ
れた調質圧延スタンドとしての第2スタンド3と、その
後行側に配設されたストリップSの出側搬送速度及び張
力を制御する出側テンションブライドル装置4とを備え
ている。
【0021】そして、入側テンションブライドル装置1
の速度制御系は、入側テンションブライドル装置1及び
第1スタンド2との間の入側張力を検出するテンション
メータロール5の入側張力検出値が自動張力制御器12
に入力され、この自動張力制御器12から出力され入側
張力検出値と入側張力目標値との偏差でなる張力制御出
力が自動速度制御器8に入力され、この自動速度制御器
8で速度目標値を張力制御出力で補正し、この補正値に
実際の入側テンションブライドル装置1の速度検出値が
一致するように入側テンションブライドル装置1を制御
することによりミル入側張力を一定値に制御するように
構成されている。
【0022】また、第1スタンド2は、ストリップSに
転接する一対のワークロールWR1及びWR2 と、これ
らワークロールWR1 及びWR2 に転接する一対のバッ
クアップロールBR1 及びBR2 と、バックアップロー
ルBR1 に圧下力を付与する圧下装置PDとを備えてお
り、圧下装置PDが圧下制御回路30によって圧延速度
に応じて制御されると共に、ワークロールWR1 及びW
2 が速度制御回路40によって伸び率及びスタンド間
張力を一定とするように速度制御される。
【0023】ここで、圧下制御回路30は、圧下装置P
Dの圧下力を検出する圧下力センサ31と、その圧下力
検出値と外部から入力される圧下力目標値とが一致する
ように圧下装置PDの圧下力を制御する油圧圧下制御器
32と、予め実験により設定された圧延速度と圧下力増
加分との関係が圧延速度の増加に応じて接線の傾きが次
第に低下する2次曲線で表されるパターンを記憶テーブ
ルとして又は関数化して設定され、例えば後述するパル
スジェネレータ41からのワークロールWR1の回転速
度検出値が入力され、これに応じた圧下力増加補正値を
出力する関数発生器33と、予め設定された目標圧下力
REF と関数発生器33の圧下力増加補正値とを加算し
た加算値を圧下力目標値として油圧圧下制御器32に供
給する加算器34とを備えている。ここで、目標圧下力
REF は炭素量が40ppm以下の極低炭素鋼を低速調
質圧延する場合に最適な目標圧下力に設定されており、
且つ関数発生器33に設定される関数は、炭素量が40
ppm以下の極低炭素鋼を低速調質圧延する場合の低速
時の圧下力増加補正値が零に設定され、この状態から圧
延速度が増加するに従って急峻に立ち上がり、速度が大
きくなるにつれて圧下力増加補正値の変化量が小さくな
るように設定されており、スタンド間における形状変化
が許容範囲内となるにように決定されている。
【0024】また、速度制御回路40は、ワークロール
WR1 及びWR2 の回転速度を検出するパルスジェネレ
ータ41及び42と、入側テンションブライドル装置1
及び出側テンションブライドル装置4のロールの回転速
度を検出するパルスジェネレータ43及び44と、これ
らパルスジェネレータ43及び44の速度検出値の差値
から伸び率を演算する伸び率計45と、この伸び率計4
5から出力される実測伸び率と予め設定された目標伸び
率との偏差を算出する自動伸び率制御器46と、この自
動伸び率制御器46の偏差と第1スタンド2及び第2ス
タンド3間のストリップSの張力を検出するテンョンメ
ータロール6のスタンド間張力検出値とが入力され伸び
率偏差によってスタンド間張力目標値が補正される自動
張力調整器(ATR)47と、この自動張力調整器47
の張力制御出力によって速度目標値が補正され、この補
正速度目標値とパルスジェネレータ41及び42の回転
速度検出値とに基づいてワークロールWR1 及びWR2
の速度制御を行う自動速度制御器9とを備えている。
【0025】また、第2スタンド3は、第1スタンド2
と同様に、ストリップSに転接する一対のワークロール
WR1 及びWR2 と、これらワークロールWR1 及びW
2に転接する一対のバックアップロールBR1 及びB
2 と、バックアップロールBR1 に圧下力を付与する
圧下装置PDとを備えており、従来例と同様にワークロ
ールWR1 及びWR2 が自動速度制御器(ASR)10
で目標圧延速度に自動制御されると共に、圧下装置PD
が油圧圧下制御器16で目標圧下力に自動制御される。
【0026】さらに、出側テンションブライドル装置4
の速度制御系は、第2スタンド3及び出側テンションブ
ライドル装置4との間のストリップSの張力を検出する
テンションメータロール7の出側張力検出値が自動張力
制御器14に入力され、この自動張力制御器14から出
力される出側張力検出値と出側張力目標値との偏差でな
る張力制御出力が自動速度制御器11に入力され、この
自動速度制御器11で速度目標値を張力制御出力で補正
し、この補正値に実際の出側テンションブライドル装置
4の速度検出値が一致するように出側テンションブライ
ドル装置4を制御することによりミル出側張力を一定値
に制御するように構成されている。
【0027】次に、上記実施例の動作を説明する。この
実施例では、第2スタンド3を速度制御及び張力制御の
ピボットスタンドとし、このスタンドではワークロール
WR 1 の圧延速度が自動速度制御器10で速度フィード
バック制御されると共に、所望の板面粗度を得るように
圧下力が圧下装置PDを介して油圧圧下制御器24によ
り目標圧下力にフィードバック制御されて調質圧延を行
う。
【0028】また、入側テンションブライドル装置1
は、自動速度制御器8で速度フィードバック制御される
が、この自動速度制御器8には、テンションメータロー
ル5で検出されたミル入側張力検出値が入力され、これ
と目標値との偏差を算出する自動張力調整器12の入側
張力偏差が入力され、これに応じて搬送速度目標値が補
正されるので、ミル入側張力が一定値制御されることに
なり、ストリップSに絞りが発生したり、ブライドルロ
ールとストリップSとの間でスリップが発生することを
確実に防止することができる。
【0029】同様に、第2スタンド3の出側張力も、テ
ンションメータロール7、自動張力調整器14及び自動
速度制御器11によって張力一定制御を行うので、スト
リップに反り変化を生じさせることを確実に防止するこ
とができる。一方、第1スタンド2では、予め設定され
る圧下力目標値として、低速圧延時の目標値を設定して
おくことにより、圧延速度が低速であるときには、関数
発生器33から出力される圧下力増加補正値が零となる
ことから加算器34から低速圧延時の圧下力目標値がそ
のまま油圧圧下制御器32に出力されるので、低速圧延
に最適な圧下力制御を行うことができ、この圧延状態か
ら圧延速度を増加させると、その圧延速度の増加に伴っ
て、関数発生器33から出力される圧下力増加補正値が
二次曲線的に増加し、これが加算器34で低速圧延時の
圧下力目標値に加算されて油圧圧下制御器32に入力さ
れるので、板厚の過薄部の発生を確実に防止することが
でき、スタンド間における板形状変化が許容範囲内とな
るように制御される。
【0030】そして、製品として要求される調質度を支
配する伸び率の全体の調整は、第1スタンド2及び第2
スタンド3間のスタンド間張力を制御することによって
行う。すなわち、伸び率計45で実測された実測伸び率
と目標伸び率との偏差を自動伸び率制御器46で算出
し、その伸び率偏差に基づいて自動張力調整器47内の
スタンド間張力目標値を補正することによって、スタン
ド間張力を変化させて実測伸び率を目標伸び率に一致さ
せて伸び率一定制御を行うことができる。
【0031】このように、伸び率を一定に制御するため
の制御因子として、圧延スタンドとしての第1スタンド
2の圧下力制御及び第1スタンド2及び第2スタンド3
間のスタンド間張力制御を適用する所以は、以下に述べ
る通りである。すなわち、伸び率を一定に制御するため
の制御因子としては、圧延スタンドとなる第1スタン
ド2の圧下力、調質圧延スタンドとなる第2スタンド
3の圧下力、圧延スタンド入側張力、スタンド間張
力及び調質圧延スタンド出側張力等が考えられる。
【0032】このうち、圧延スタンドとなる第1スタン
ドの圧下力の制御は、伸び率に対する影響係数が大きい
ので制御因子としては効果的であるが、軟質材を圧延す
るため、低速圧延時と高速圧延時での圧下力には大きな
差が生じ、速度変更時に第1スタンド及び第2スタンド
間での板形状が大きく変化する問題がある。また、調質
圧延スタンドとしての第2スタンドの圧下力の制御は、
伸び率に対する影響係数が小さく、しかも圧下力を変化
させるとストリップの表面粗度が変化してしまい要求さ
れる表面粗度の確保は不可能となる問題点がある。
【0033】さらに、圧延スタンド入側張力の制御は、
ストリップが軟質であり、且つ圧延スタンドでの圧延が
軽圧下であることから、後進率は先進率に比較して小さ
くなり、この後進率をみながら伸び率をミル入側張力で
制御しようとすると、低速圧延時には張力が低くなりす
ぎ、ストリップに絞りが発生し易くなると共に、高速圧
延時には過張力となってブライドルロールとストリップ
との間でスリップが発生することから伸び率の制御因子
としては不向きである。
【0034】さらにまた、スタンド間張力の制御は、圧
延スタンドの先進率が大きい分伸び率に対する影響係数
はある程度大きいが伸び率の制御因子とするには不十分
である。また、調質圧延スタンド出側張力の制御は、調
質圧延スタンドは形状調整を行うことが目的の1つとな
っているが、出側張力を伸び率の制御因子として変化さ
せると、ストリップの反り変化を生じさせるので不適当
であり、且つ出側張力は圧延スタンドではなく調質圧延
スタンドの前方張力となるため、仮に伸び率制御を行う
ための制御因子として用いてもその影響係数は小さく不
十分である。
【0035】以上の結果から、本発明者等は1つの制御
因子のみで伸び率を制御するのは困難であると判断し、
上記5つの制御因子から、品質・操業に悪影響を与えな
い2つを選択して組み合わせることにより伸び率制御を
行うようにしたもので、この条件に当てはまる制御因子
は、圧延スタンド圧下力制御とスタンド間張力制御との
組み合わせであり、この組み合わせを採用したときに
は、圧延スタンド圧下力制御を制御因子とした場合の速
度変更時におけるストリップ板形状の乱れをスタンド間
張力を制御することにより解消することができる利点が
あると共に、ミル入側張力及びミル出側張力を一定値に
制御することで、これらを変化させる場合の不具合を解
消することができる。
【0036】なお、上記実施例においては、第2スタン
ド出側でのストリップの反り変化を抑制するために第2
スタンドをピボットスタンドとした場合について説明し
たが、これに限定されるものではなく、反り変化を問題
視しない場合には、第1スタンドをピボットスタンドと
して第2スタンドに対してスタンド間張力制御及び圧下
力制御を行うようにしてもよい。
【0037】また、関数発生器33における関数は、上
記実施例に限らず、複数の一次直線で近似したものや指
数関数で表現してもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る調質
圧延方法によれば、圧延スタンドの圧下力とスタンド間
張力の双方を組み合わせて伸び率一定制御を行うように
したので、板厚、板形状の乱れを発生することなく、極
低炭素鋼を所望の調質度に調質圧延することができ、し
かも入側張力と出側張力も一定に制御するようにしてい
るので、ストリップの絞り、スリップ、反り等の品質へ
の悪影響を除去することができる等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】従来例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 入側テンションブライドル装置 2 第1スタンド 3 第2スタンド 4 出側テンションブライドル装置 5〜7 テンションメータロール 8〜11自動速度制御器 30 圧下力制御回路 31 圧下力センサ 32 油圧圧下制御器 33 関数発生器 34 加算器 40 速度制御回路 41〜44 パルスジェネレータ 45 伸び率計 46 自動伸び率制御器 47 自動張力調整器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植田 憲治 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内 (72)発明者 山下 道雄 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 三吉 貞行 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極低炭素鋼を連続焼鈍後に少なくとも2
    スタンドの調質圧延機で5〜10%の圧下率で調質圧延
    する調質圧延制御方法において、ミル入側及びミル出側
    で張力一定制御を行うと共に、何れか一方のスタンドを
    目標圧下率に固定制御し、且つ他方のスタンドの圧下力
    を圧延速度に応じたパターンで制御すると共に、スタン
    ド間張力制御の目標値を実測伸び率と目標伸び率との偏
    差で補正して伸び率一定制御を行うようにしたことを特
    徴とする調質圧延制御方法。
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Cited By (6)

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