JPH05211884A - N−アセチルノイラミン酸の製造法 - Google Patents
N−アセチルノイラミン酸の製造法Info
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Abstract
およびピルビン酸の存在下にN−アセチルノイラミン酸
リアーゼを作用させることを特徴とするN−アセチルノ
イラミン酸の製造法。 【効果】N−アセチルノイラミン酸を簡易かつ実用的な
方法で製造できるようになった。
Description
ン酸の製造法に関する。
類で最も普遍的な物質であり、生体の組織、体液、分泌
液等に広く分布し、赤血球凝集、細胞間認識、血清蛋白
質の代謝回転等に関与することが知られている重要な物
質である。
イラミン酸は、従来、大腸菌の夾膜多糖の加水分解によ
り製造されている他、ウミツバメの巣、鶏卵及び牛乳な
どの天然物の加水分解によっても製造されている。
は、製造原料の絶対量が限られているため、年々需要の
増加しているN−アセチルノイラミン酸を大量に供給す
ることが困難であること、天然物の加水分解後の他の夾
雑物からのN−アセチルノイラミン酸の分離精製が容易
でないこと及び製造コストが高くつくこと等の問題点を
有しており、N−アセチルノイラミン酸の安価な大量生
産技術は未開発の状況にある。
合成法が種々検討されている。
オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー(J.A
m.Chem.Soc.),110,6481〜648
6(1988)]は、N−アセチルマンノサミンとピル
ビン酸とをN−アセチルノイラミン酸リアーゼの存在下
に反応させることにより、N−アセチルノイラミン酸を
製造する方法を報告している。しかし、この方法は、高
価で大量の入手が困難なN−アセチルマンノサミンを原
料として使用している点で実用性に欠ける。
ルグルコサミンをpH12程度の強アルカリ性条件下で
異性化させて製造することもできるが[サイモン(Si
mon)ら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル
・ソサエティー(J.Am.Chem.Soc.),1
10,7159〜7163(1988)参照]、この方
法では平衡時のN−アセチルグルコサミンとN−アセチ
ルマンノサミンの比率が、N−アセチルグルコサミン:
N−アセチルマンノサミン=3:1であり、N−アセチ
ルマンノサミンの割合が小さいためその単離操作が容易
でない。
をN−アセチルノイラミン酸リアーゼ及びエピメラーゼ
の存在下に反応させてN−アセチルノイラミン酸を得る
方法も提案されている[例えば、キーグル(Kieg
l)ら,Angew.Chem.Int.Ed.Eng
l.,30,827〜828(1991)参照]。この
方法では、N−アセチルグルコサミンがエピメラーゼの
作用により順次N−アセチルマンノサミンに変換され、
次いでこのN−アセチルマンノサミンがN−アセチルノ
イラミン酸リアーゼの作用を受けてN−アセチルノイラ
ミン酸に変換される。しかしながら、N−アセチルグル
コサミンを異性化するエピメラーゼの入手が困難であ
り、しかもN−アセチルグルコサミンのN−アセチルノ
イラミン酸への変換率が25%と低く、この方法も実用
的であるとはいえない。
ルノイラミン酸の簡易かつ実用的な製造法を提供するこ
とを目的とする。
達成するために鋭意検討を重ねた結果、従来は酵素が失
活することを避けるため、およびN−アセチルノイラミ
ン酸リアーゼの至適pH(7.7)から離れるために使
用されていなかったアルカリ性、即ち、高いpH領域で
N−アセチルグルコサミンとピルビン酸とをN−アセチ
ルノイラミン酸リアーゼの存在下に反応させると、基質
であるN−アセチルグルコサミン及びピルビン酸の保護
効果により酵素の失活が抑制され、N−アセチルグルコ
サミンが効果的にN−アセチルノイラミン酸に変換され
ることを見出した。
アセチルグルコサミンおよびピルビン酸の存在下にN−
アセチルノイラミン酸リアーゼを作用させることを特徴
とするN−アセチルノイラミン酸の製造法を提供するも
のである。
下とは、反応液のpHが通常8〜12程度、好ましくは
9〜12程度、より好ましくは10〜12程度、最も好
ましくは10〜11程度である。反応液のpHが低くな
り過ぎるとN−アセチルグルコサミンからN−アセチル
マンノサミンへの変換がほとんど或いは全く起こらない
ため反応は進行せず、反応液のpHが高くなり過ぎると
N−アセチルノイラミン酸リアーゼが失活するため反応
の収率が低下する。反応温度は、10〜80℃程度、好
ましくは20〜50℃程度であり、反応時間は30分〜
240時間程度、好ましくは20時間〜120時間程度
である。反応は、静置または攪拌状態で行う。
通りである。
は特に制限されず、飽和溶解度までのいずれの濃度でも
使用できるが、好ましくは1〜20W/V%程度、より
好ましくは10〜20W/V%程度使用される。
ず、飽和溶解度までのいずれの濃度でも使用できるが、
好ましくは1〜20W/V%程度、より好ましくは10
〜20W/V%程度使用される。
の使用量は特に制限されず、基質の量に応じて広い範囲
から選択できるが、好ましくは反応液1ml当たり0.
01U以上、より好ましくは0.1U〜100U程度、
最も好ましくは1U〜50U程度である。
びピルビン酸の濃度が低すぎると生産されるN−アセチ
ルノイラミン酸の絶対量が少なくなり、基質であるN−
アセチルグルコサミンおよびピルビン酸の濃度が高すぎ
ると反応終了時のN−アセチルノイラミン酸の割合が低
下するため精製が困難となる。
量が少なすぎると反応に長時間を要することになり、N
−アセチルノイラミン酸リアーゼの使用量が多すぎても
反応時間、収率は変わらず不経済である。
としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
リチウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化
物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩または炭
酸水素塩、アンモニアなどのアルカリ性の物質を目的と
するpHの調整に必要な量だけ添加するか、またはリン
酸緩衝液、トリス−塩酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、ベロナ
ール塩酸緩衝液、グッド緩衝液、ジエタノールアミン塩
酸緩衝液などのアルカリ性の緩衝液の使用により行うこ
とができる。
び塩酸、硫酸等の塩のいずれの形態でも使用することが
できる。
カリウム等の塩のいずれの形態でも使用することができ
る。
物起源及び植物起源のいずれの由来の酵素も用いること
ができ、酵素の純度にも余り影響されない。
ノイラミン酸は、公知の手段により容易に反応液から分
離精製できる。例えば、イオン交換カラムクロマトグラ
フィーにより精製後、濃縮し、有機溶媒中で結晶体を得
ることができる。
作用により従来では酵素が失活するとされているアルカ
リ性条件下で反応を行うことができるため、以下のよう
な優れた効果が達成される。
ルグルコサミンを原料とし、高い基質濃度で反応が行え
るため、N−アセチルノイラミン酸の大量合成が可能と
なった。
工程の簡略化が図れるようになった。 (3)N−アセチルグルコサミンがアルカリ性条件下で
N−アセチルマンノサミンに異性化するため、エピメラ
ーゼを使用する必要がない。
の条件を適切に選択すると、対N−アセチルグルコサミ
ン50%以上(モル比率)という高収率でN−アセチル
ノイラミン酸を製造することができる。
より詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。
18gを溶解し、この溶液を1N−水酸化ナトリウム水
溶液を用いてpH10.5に調整後、これにN−アセチ
ルノイラミン酸リアーゼ2000Uを加えて全量を10
0mlとし、30℃で48時間反応させた。HPLCに
よる定量によれば、反応液中のN−アセチルノイラミン
酸量は13gであり、使用したN−アセチルグルコサミ
ンに対する変換率は約51%であった。
株式会社製)によるイオン交換クロマトグラフィーによ
り反応生成物を単離し、濃縮後、常法に従いN−アセチ
ルノイラミン酸の針状結晶を10g得た。
にN−アセチルグルコサミン100gおよびピルビン酸
200gを溶解し、N−アセチルノイラミン酸リアーゼ
15000Uを加えて全量を1リットルとし、35℃で
120時間反応させた。反応液中のN−アセチルノイラ
ミン酸の量は56gであり、使用したN−アセチルグル
コサミンに対する変換率は約40%であった。
株式会社製)によるイオン交換クロマトグラフィーによ
り反応生成物を単離し、濃縮後、常法に従いN−アセチ
ルノイラミン酸の針状結晶を約42g得た。
ミンおよびピルビン酸の濃度、N−アセチルノイラミン
酸リアーゼの濃度、反応時間並びにリン酸緩衝液のpH
を各々変更した以外は実施例2と同様な条件下で反応を
行った。
す。
りである。
れば、N−アセチルグルコサミンから1段階でN−アセ
チルノイラミン酸に高い割合で変換できることが明かと
なった。
ルノイラミン酸リアーゼ100U、N−アセチルグルコ
サミン1.8gおよびピルビン酸ナトリウム1.8gを
加えて全量を10mlとし、35℃で16時間反応させ
た。反応後のN−アセチルノイラミン酸リアーゼの残存
率を、反応液を100倍量の50mMリン酸緩衝液(p
H7.5)に透析後、基質(N−アセチルノイラミン
酸)と反応し、生成するN−アセチルマンノサミンを比
色定量することにより求めたところ100%であった。
ピルビン酸の濃度、N−アセチルノイラミン酸リアーゼ
の濃度並びにリン酸緩衝液のpHを各々変更した以外は
実施例24と同様な条件下でN−アセチルノイラミン酸
リアーゼの安定性を調べた。
酸ナトリウムを添加しないことを除いては実施例24と
同様の条件で、N−アセチルノイラミン酸リアーゼの安
定性を調べた。
の濃度およびリン酸緩衝液のpHを各々変更した以外は
比較例2と同様な条件下でN−アセチルノイラミン酸リ
アーゼの安定性を調べた。
す。
セチルグルコサミンおよびピルビン酸の存在により、よ
り広いpH範囲で不安定なN−アセチルノイラミン酸リ
アーゼの安定化が図れることが明かとなった。
Claims (1)
- 【請求項1】アルカリ性条件下、N−アセチルグルコサ
ミンおよびピルビン酸の存在下にN−アセチルノイラミ
ン酸リアーゼを作用させることを特徴とするN−アセチ
ルノイラミン酸の製造法。
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