JPH0520997Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本願の考案は、内燃機関の爆発燃焼やノツキン
グ、燃料噴射時に発生する圧力変動を検出して、
点火時期を調整したり、燃料噴射を制御したりし
て内燃機関の燃焼状態を最適に維持するために、
エンジンのシリンダブロツクとシリンダヘツドと
を結合するボルトの座金部やシリンダヘツド座面
とスパークプラグのガスケツト座面との間に挿着
して、エンジンシリンダ内の圧力変動を圧電素子
よつて検出するガスケツト型圧力センサーに関
し、更に詳しくは、圧電素子を用いたガスケツト
型圧力センサーの出力取り出し用リード線と出力
測定器に出力信号を送るケーブルとの接続構造及
び圧力センサー本体に設けたリード線導出口部に
立ち上げ溶接した金属保護パイプによる保護構造
の改良に係わるものである。

（従来の技術） 従来から用いられていたこの種の圧力センサー
としては、第２図にその要部を示すように、平た
い環状に形成された２枚の圧電素子２，２を間に
電極板３を介して重ね合わせた上下に外側電極板
４，４を配して圧電素子積層体５を構成し、この
積層体５が金属ケース６内に封入され、電極板３
に接続された絶縁被覆した出力取り出し用リード
線（以下単にリード線という）７が金属ケース６
の一側面に設けたリード線取り出し用切欠き孔８
より導出され、該導出部分が金属ケース６の切欠
き孔８部に溶接された第一の金属保護パイプ９−
１で覆われた構造のものが知られており、従来の
ものは、リード線７と出力測定器に接続されるケ
ーブル１０とは、第一の金属保護パイプ９−１の
開口端から引き出されたリード線７の芯線とケー
ブル１０の芯線とが半田付けにより接続され、両
芯線の接続部分の外側には絶縁チユーブ１１が嵌
装され、更に、該絶縁チユーブの外側は第二の金
属保護パイプ９−２で覆われて、この第二の金属
保護パイプ９−２の一端が第一の金属保護パイプ
９−１の開口側端部に溶接されると共に第二の金
属保護パイプ９−２の開口端部はケーブル１０の
端部表面に外側からかしめ加工により固定して成
る構造を有するものであつた。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記のような従来の圧力センサ
ーは、リード線７とケーブル１０との接続を半田
付けにより行つていたため、半田付け時に使用す
るペーストが残存すると接続部の絶縁性を損なう
恐れがあることから、これを除去する行程を設け
ることが必要となるほか、センサー本体１からの
リード線７導出孔部分に第一の金属保護パイプ９
−１を溶接する以外に、更に、リード線とケーブ
ルとの接続部分に第二の金属保護パイプ９−２を
被嵌して設けるために、この接続部分の構造が大
きくなると共に、第一の金属保護パイプ９−１と
第二の金属保護パイプ９−２とを接合するための
溶接工程が必要となり、量産性が阻害されると共
にコストが高くなる等の問題点があつた。

（課題を解決するための手段） 本願の考案は、上記したような問題点を解決す
るために、圧力センサーからの出力取り出し用リ
ード線の芯線７Ａと出力測定器に接続されるケー
ブルの芯線１０Ａとの接続を、半田付けによらず
圧着接続子１２を用いて圧着接続することにより
接続作業を簡略化して、前記接続部分をセンサー
本体からのリード線取り出し用切欠き孔部に溶接
された一個の金属保護パイプ９の開口部寄りに形
成した拡径部９Ａ内腔内に収容すると共に、該内
腔内面を断熱絶縁材からなる絶縁スリーブ１１に
より絶縁し、ケーブルを上記保護パイプの開口端
部が縮径になるようにかしめて固定することによ
り、センサー本体から立ち上がるリード線とケー
ブルの芯線との接続部分に於ける金属保護パイプ
を一つの管状体で構成することにより、小型で量
産性に適したものとなして、コストの低減を図る
ものである。

（実施例） 本願考案の圧力センサーに於ける出力取り出し
用リード線と出力測定器に接続されるケーブルの
芯線との接続構造とその絶縁保護構造について、
実施例に基づいて図面を参照しつつ説明する。第
１図イに要部の縦断面を示すように、本願の考案
は、圧力センサー１本体に設けられた出力取り出
し用開孔部に溶接された金属保護パイプ９の開口
部寄りが拡径され、この拡径部９Ａの内腔には内
面に沿つて四弗化エチレン樹脂、シリコーン樹脂
等のチユーブもしくはガラス繊維又はこれにシリ
コーンワニス処理を施した耐熱絶縁材からなる絶
縁スリーブ１１が嵌装されると共に、金属保護パ
イプの開口端から引き出された圧電素子電極に接
続したリード線７の芯線７Ａとケーブル１０の芯
線１０Ａとを保護パイプ９よりはみ出た部分で圧
着接続子１２により圧着接続した後、リード線７
の芯線７Ａに弛みを持たせて屈曲した接続部分を
拡径部９Ａの内腔に収容して、金属保護パイプ９
の開口端部９Ｂをとケーブル１０の端部表面にた
いして縮径するように外側からかしめ加工して固
定してなる構造のものである。

尚、本願の実施例に於ける上記した以外の構造
は、第２図に示した従来例と同様であるから図示
及び説明するのを省略する。

なお耐水性を特に必要とし、保護パイプの拡径
部９Ａの底部においてリード線７の導出部分を封
止するためシリコンゴムを充填する場合は、上記
絶縁スリーブ１１としてはシリコンチユーブもし
くはガラス繊維又はこれにシリコンワニス処理を
施してなるものが適しており、特にシリコンワニ
ス処理を施したガラス繊維からなるものを用いる
ことがシリコンゴムとの密着性にすぐれ最適であ
る。

前記圧着接続子１２は、Cu，Al，Fe又はこれ
らの合金からなる管材又は板材から成型され第１
図ロに示す如きスリーブ状１２Ａ又は割りスリー
ブ状１２Ｂの形状を有するもので、リード線の心
線７Ａを接触面積を増すため先端をＵ字状に折曲
げ、ケーブル１０の心線１０Ａと重ね合せて外側
から圧着接続するものである。

又耐熱性が要求されケーブル１０にシリコンゴ
ム絶縁のものを用い特にケーブル外径が細い（絶
縁厚の薄い）場合には、前記保護パイプの拡径部
９Ａの開口端部９Ｂによるかしめにより絶縁を損
なうことがあるので、この場合にはこのかしめ部
におけるケーブル１０のシリコンゴム絶縁体の外
側に四フツ化エチレンチユーブ（熱収縮型を含
む）もしくはシリコンワニス処理したガラス繊維
のチユーブを嵌装し補強する。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように、本考案による
圧力センサーは、センサーの電極からのリード線
と出力測定器に至るケーブルとをはんだ付けによ
らず圧着により接続している為、従来のはんだ付
け接続におけるペースト除去等の余分は工程を必
要とせず、又接続部分がセンサー本体に溶接され
た保護パイプ内に収納されてコンパクト化される
ほか、保護パイプの拡径部内におけるリード線が
たるみをもつため開口端部によるケーブルのかし
め時に無理な張力がかからずリード線切れを生ず
ることがない等多くの特長を有するもので、従来
の問題点を解決したガスケツト型圧力センサーと
して提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ガスケツト型圧力センサーの要
部を示す実施例の縦断面図、同図ロは本考案にお
ける圧着接続子及びリード線とケーブルを示す実
施例斜視図、第２図はガスケツト型圧力センサー
の従来例を示す縦断面図である。 １……圧力センサー、７……リード線、９……
保護パイプ、９Ａ……拡径部、９Ｂ……開口端
部、１０……ケーブル、１１……絶縁スリーブ、
１２……圧着接続子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 圧電素子積層体を金属ケース内にて収納して
   圧力センサー本体を構成し、前記金属ケースの
   外周面の一側面に設けたリード線導出口部に立
   ち上げ溶接した金属保護パイプ内に絶縁被覆リ
   ード線を挿通して圧電素子内部電極からの出力
   を導出し、前記金属保護パイプの開口端寄は金
   属ケース溶接側に比して拡径部を形成してお
   り、該拡径部内面には耐熱絶縁材からなる絶縁
   スリーブが嵌着され、該絶縁スリーブ内腔に於
   いてリード線の芯線と出力測定器に接続される
   ケーブルの芯線とが圧着接続子で圧着接続され
   ると共にリード線の芯線部が遊び長さを持つて
   収納され、上記保護パイプの開口端部は縮径さ
   れケーブル端部表面にかしめ加工により固定し
   てなることを特徴とするガスケツト型圧力セン
   サー。 ２ 絶縁スリーブが四弗化エチレン樹脂またはシ
   リコーン樹脂チユーブもしくはガラス繊維にシ
   リコーンワニス処理を施した耐熱絶縁材からな
   ることを特徴とする実用新案登録の範囲第１項
   記載のガスケツト型圧力センサー。