JPH05208182A - 水和硬化体の製造方法 - Google Patents

水和硬化体の製造方法

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JPH05208182A
JPH05208182A JP4040191A JP4019192A JPH05208182A JP H05208182 A JPH05208182 A JP H05208182A JP 4040191 A JP4040191 A JP 4040191A JP 4019192 A JP4019192 A JP 4019192A JP H05208182 A JPH05208182 A JP H05208182A
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Hideki Ishida
秀輝 石田
Ko Sasaki
香 佐々木
Yasuo Goto
泰男 後藤
Satoru Yamazaki
悟 山▲崎▼
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 SiO2を主成分として含有する産業廃棄物
を用いてセメント硬化体と同等程度の強度を有する水和
硬化体を得ることを目的とする。 【構成】 SiO2を主成分として含有するキラ,硝子
屑,タイル屑,石炭灰,鋳込砂屑,汚泥焼却灰,釉汚
泥,スラグ,珪質粘土等産業廃棄物の1種又は2種以上
を主材とし、該主材のSiO2成分と反応して水和硬化
性成分を生成するカルシウム系水硬化剤を加えてこれら
混合物を圧力窯内で高温・高圧下で水分と所定時間反応
させて水和硬化体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は水和硬化体の製造方法
に関し、詳しくは産業廃棄物を用いた水和硬化体の製造
方法に関する。
【0002】
【発明の背景】近年、各種分野で産業廃棄物が多く発生
し、その処理が問題となっている。
【0003】これら産業廃棄物の中にはSiO2を主成
分として含有するものも多く含まれている。例えばキ
ラ,硝子屑,タイル屑,火力発電所等から発生する石炭
灰,鋳込砂屑,汚泥焼却灰等である。
【0004】ここでキラとは、粘土山から採取した粘土
から硝子産業分野で利用される珪砂分を除き、更に窯業
分野で利用される粒子の細かい蛙目粘土を除いた後に残
る粒子の大きな粘土から成るものであって現在特別の利
用用途がなく、産業廃棄物として捨てられるものであ
る。このキラは通常SiO2を80%以上の量で含有し
ている。
【0005】また硝子屑は硝子工場等で硝子を加工した
とき等に発生するものであって、同じくSiO2分に富
んでいる。これもまた特別の利用用途がなく、捨てられ
ているのが実情である。
【0006】同様にタイル屑はタイル工場等で発生する
屑であって、同じくSiO2を多く含有している。
【0007】一方石炭灰は、石炭火力発電所において石
炭の微粉末を火炎中に投入して一挙に燃焼させたとき等
に生じる灰であって、SiO2を主成分とするものであ
る。
【0008】この石炭灰は道路用の骨材とか埋立用の材
料としての用途の外に特別の用途をもたない産業廃棄物
である。
【0009】他方、鋳込砂は鋳造用に用いられた鋳型の
屑で、また汚泥焼却灰は下水等で発生する汚泥を焼却し
たもので、何れもSiO2を主成分とする産業廃棄物で
ある。
【0010】その他、釉汚泥は窯業等の分野で用いられ
る釉薬廃棄物を濃縮したものであり、珪質粘土は粒度,
SiO2含有量等が不安定で鉄分,TiO2分を含むため
利用価値の低い産業廃棄物としての粘土である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、このようなS
iO2を主成分とする産業廃棄物を用いて有用な水和硬
化体を得ることを目的としてなされたものであって、そ
の要旨は、SiO2を主成分として含有するキラ,硝子
屑,タイル屑,石炭灰,鋳込砂屑,汚泥焼却灰,釉汚
泥,スラグ,珪質粘土等産業廃棄物の1種又は2種以上
を主材とし、該主材のSiO2成分と反応して水和硬化
性成分を生成するカルシウム系水硬化剤を加えてこれら
混合物を圧力窯内で高温・高圧下で水分と所定時間反応
させて水和硬化体を得ることにある。
【0012】
【作用及び発明の効果】従来、水和硬化体を得るための
材料として一般的に用いられているのはセメント材料で
ある。
【0013】このセメント材料には、一般に、SiO2
とCaOとの化合物であるC2S,C3Sが含まれており
(但しCはCaO,SはSiO2)、これを水と混ぜる
と水と反応して水和生成物を生じてゲル化し、硬化す
る。
【0014】本発明者は上記キラ,硝子屑,タイル屑,
石炭灰,汚泥焼却灰等の産業廃棄物がSiO2を主成分
として含んでいることに着眼し、そしてこれにライム
(CaO)を加えて水と反応を行わせたところ、特定条
件の下においてこれらSiO2,CaO,水が反応して
水和硬化する事実を確認し、本発明を完成させた。
【0015】即ちこれらSiO2,CaOは単にこれを
混ぜ合わせて水と反応させても反応は進行しないが、あ
る条件の下におくと反応が進行し、セメント硬化体と同
様の水和硬化体を生成するのである。
【0016】而してSiO2,CaOと水との反応生成
物、即ち本発明の水和硬化体は、セメント硬化体と同程
度の強度を有することも併せて確認し得た。
【0017】本発明によれば、従来これといった用途が
なく、処理に困っていた産業廃棄物を有効に活用してセ
メント硬化体と同様の強度を有する水和硬化体を得るこ
とができる。
【0018】しかも本発明によれば、セメントの硬化反
応に際して障害となるアルカリ分が材料中に含まれてい
てもこれを水和硬化させることが可能であり、また鋳込
砂等炭素分が所定量含有されていても硬化させることが
可能である。
【0019】さらに石英等の結晶質のものでなく、硝子
等の非晶質の材料でも硬化が可能であるし、SiO2
が少ない材料であっても硬化が可能である。
【0020】但し硬化反応を円滑に行わせるためには、
SiO2分を30%以上含有していることが望ましく、
より望ましくは50%以上である。
【0021】また水硬化剤のカルシウム系成分としては
酸化カルシウム(CaO)の外、水酸化カルシウム(C
a(OH)2)を代表的なものとして例示できるが、他
のものであっても良い。
【0022】更にこのカルシウム系成分のSiO2に対
する比率は、SiO2100に対して、水硬化剤をモル
比で30〜300とすることが望ましく、より望ましく
は50〜200である。
【0023】本発明は、このような水硬化剤とSiO2
とを高温・高圧下で水と反応させるものであり、その条
件としては圧力を1kgf/cm2以上,温度を90〜300
℃,反応時間を30分以上とすることが望ましく、より
望ましくは圧力6kgf/cm2以上,温度160℃以上,反
応時間2時間以上である。
【0024】以上の条件を採用することにより、水和硬
化反応を良好に進行させることができる。
【0025】
【実施例】次に本発明の特徴を更に明確にすべく、以下
にその実施例を詳述する。
【0026】[実施例1]表1に示す各種割合で石炭灰
とCaOとを調合してこれをAl23乳鉢で混練し、そ
の混合物8gを1軸加圧成形機にて面圧300kgf/cm
2でプレス成形し、10×10×40mm,10×10
×10mmの成形体を得た。
【0027】この成形体をオートクレーブにより180
℃飽和水蒸気圧(10kgf/cm2)で5時間処理した。
そして得られた水和硬化体の曲げ強度及び圧縮強度を測
定したところ、表2の如き結果を得た。
【0028】尚曲げ試験は10×10×40mmの供試
体を用いて3点曲げを行い、また圧縮試験は10×10
×10mmの供試体を用いて行った。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】以上の結果から、本発明に従って処理する
ことにより産業廃棄物としての石炭灰を用いても有用な
水和硬化体を得ることができること、またこの水和硬化
体はセメント硬化体と同等程度の強度を有することが分
かる。
【0032】[実施例2]表3に示す各種産業廃棄物と
CaOとを調合して、実施例1と同様の手順で成形体の
製造及び水和硬化反応を行い、得られた水和硬化体の曲
げ強度,圧縮強度を測定した。結果が表3に併せて示し
てある。
【0033】
【表3】
【0034】この結果から、石炭灰以外の各種産業廃棄
物を用いることによっても強度に優れた水和硬化体の得
られることが分かる。
【0035】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において、当業者の知識に基づき様々な変更を加えた
態様で実施可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山▲崎▼ 悟 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式 会社イナックス内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO2を主成分として含有するキラ,
    硝子屑,タイル屑,石炭灰,鋳込砂屑,汚泥焼却灰,釉
    汚泥,スラグ,珪質粘土等産業廃棄物の1種又は2種以
    上を主材とし、該主材のSiO2成分と反応して水和硬
    化性成分を生成するカルシウム系水硬化剤を加えてこれ
    ら混合物を圧力窯内で高温・高圧下で水分と所定時間反
    応させて水和硬化体を得ることを特徴とする水和硬化体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記圧力窯内における反応を圧力1kgf
    /cm2以上,温度90〜300℃,時間30分以上の条
    件で行うことを特徴とする請求項1に記載の水和硬化体
    の製造方法。
JP4040191A 1992-01-30 1992-01-30 水和硬化体の製造方法 Expired - Lifetime JP2748206B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5801205A (en) * 1995-06-19 1998-09-01 Ein Engineering Co., Ltd. Reprocessed resin formed of thermoset resin formed material, method for reprocessing thermoset resin foamed material and method for molding molded article formed of the reprocessed resin
JP2016169132A (ja) * 2015-03-13 2016-09-23 住友金属鉱山シポレックス株式会社 セメント系硬化体の製造方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57201576A (en) * 1981-05-30 1982-12-10 Osamu Kurachi Chemical treatment of industrial waste

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