JPH05207722A - リニアアクチュエータ - Google Patents

リニアアクチュエータ

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Publication number
JPH05207722A
JPH05207722A JP3715892A JP3715892A JPH05207722A JP H05207722 A JPH05207722 A JP H05207722A JP 3715892 A JP3715892 A JP 3715892A JP 3715892 A JP3715892 A JP 3715892A JP H05207722 A JPH05207722 A JP H05207722A
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JP
Japan
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coil
magnetic flux
coils
linear actuator
peripheral side
Prior art date
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Pending
Application number
JP3715892A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumiaki Kawabata
文昭 川畑
Kouji Kazuoka
幸治 数岡
Ebuansu Uiriamu
ウィリアム・エヴァンス
Hiroo Yoshida
浩朗 吉田
Yoshinori Kadowaki
美徳 門脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP3715892A priority Critical patent/JPH05207722A/ja
Publication of JPH05207722A publication Critical patent/JPH05207722A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大形化を回避しつつ大きな推進力の得られる
リニアアクチュエータを得る。 【構成】 コイル58,59に電流を流すと、その流さ
れる電流の大きさIに基づいた推進力F1,F2がそれ
ぞれ出力される。これら推進力の合力(F1+F2)に
よってボビン50,52および軸32が移動させられ
る。コイル配置用の溝を2個設けると、1個の場合より
磁気抵抗が大きくなるため閉磁路の磁束が少なくなり、
磁束の飽和が回避され磁束の漏れが少なくなる。したが
って、溝の数を増やしてもその分だけ磁束密度が低下す
るわけではない。一方、溝を2個にすることによって従
来よりコイルを長くすることができ、大きな推進力を得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リニアアクチュエータ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リニアアクチュエータは高応答性と優れ
たリニア性とを有しているため、電磁制御弁等に使用さ
れている。本出願人は、リニアアクチュエータを用いた
スプール式電磁圧力制御弁を特願平3─177664号
明細書において開示した。この明細書に記載されたスプ
ール式電磁圧力制御弁は、リニアアクチュエータのコイ
ル部に供給される電流に基づいてスプールの位置を制御
するものである。このリニアアクチュエータを図4に示
す。
【0003】円筒状のハウジング210の内周面には円
筒状のヨーク212が移動不能に固定されている。ヨー
ク212の中心部には貫通孔214が形成されており、
その貫通孔214には段付き軸216がその大径部21
7においてベアリング218,220を介して摺動可能
に嵌合されている。また、ヨーク212には円環状の長
さnの溝222が形成され、その溝222にはボビン2
24の円筒部226が軸方向に移動可能に嵌入させられ
ている。ボビン224は有底円筒状を成しており、その
円筒部226に長さLの線が巻かれてコイル227が形
成されている。この巻線の長さLをコイル227の長さ
と称することとする。また、ボビン224の底部228
の中央部には穴229が形成されている。
【0004】軸216の大径部側端部は貫通孔214か
ら突出させられ、ハウジング210の底面に当接してい
る。また、他端部は小径部230とされ、その中間部に
はボビン224が貫通孔229において嵌合され、底部
228が軸216の大径部217と小径部230との段
部232とナット234とに挟まれることによって固定
されている。したがって、ボビン224と軸216とは
一体的に移動する。
【0005】また、小径部230の端部はハウジング2
10の端面に形成された貫通孔236を貫通して図示し
ないスプールに係合させられている。したがって、軸2
16およびボビン224の移動によってスプールが移動
させられ、そのスプールの移動量は軸216およびボビ
ン224の移動量の制御によって制御される。
【0006】ヨーク212の溝222の外周側には円環
状の永久磁石240が設けられており、永久磁石24
0,ヨーク212,溝222,ヨーク212,永久磁石
240を循環する閉磁路Pが形成されている。溝222
には磁束密度Bの磁界が生じており、同一円周上では一
定である。
【0007】このように構成されたリニアアクチュエー
タにおいて、コイル227に電流が供給されると、その
電流の大きさIに基づいた推進力Fが生じ、一体化され
たボビン224と軸216とが矢印Qの方向に移動させ
られるとともにスプールが移動させられる。この場合の
推進力Fは、式 F=B・I・L で表される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記明細書に
記載されたリニアアクチュエータにおいては、推進力F
を十分大きくすることができなかった。前記式から明ら
かなように、推進力Fを大きくするには、磁束密度B,
電流I,コイルの長さLの少なくとも1つを増大させな
ければならないのであるが、以下の理由から従来のリニ
アアクチュエータにおいてはこれらをこれ以上大きくす
ることが困難であったのである。
【0009】第1に磁束密度Bについてであるが、上記
リニアアクチュエータにおいては、図4のヨーク212
内の破線で囲まれたA部において磁束が飽和状態に達し
ており、磁束の漏れが多くなっている。図5にヨーク2
12における磁束密度の分布を計算により求めた結果を
示す。図5に示すヨークの形状は実際のヨーク212の
形状とは異なるが、実際の形状に近いものであるため、
ヨーク212の磁束密度の分布もほぼこのようになると
推測される。実線は磁束密度が1.7〜1.9テスラ、
一点鎖線は1.0〜1.7テスラ、二点鎖線は0.3〜
1.0テスラ、破線は0.1〜0.3テスラの等磁束密
度線をそれぞれ示している。
【0010】図5から明らかなように、A部には1.7
〜1.9テスラの高い磁束密度を示す等磁束密度線が分
布しているが、ヨーク212の飽和磁束密度は1.4テ
スラであるため、ヨーク212において磁束密度が1.
4テスラ以上になることはないはずである。したがっ
て、A部においては磁束が飽和していることとなる。ま
た、溝222の周縁付近で磁束の漏れが多く生じている
ことがわかる。よって、上記リニアアクチュエータにお
いてはもう磁束をふやすことはできず、溝222におけ
る磁束密度Bを大きくすることはできない。
【0011】第2に電流Iについてであるが、電流Iを
増加させるとコイルの発熱量が増加するため、コイルの
発熱量を考慮するとそれほど電流Iを大きくすることが
できない。
【0012】第3にコイルの長さLについてであるが、
溝222に長さがL以上のコイルを備えたコイル部を嵌
入させるには、コイルの断面積を小さくしなければなら
ない。しかし、コイルの断面積を小さくすると、電流に
よるコイルの発熱量が大きくなるため、大きな電流Iを
流すことができなくなる。そのため、コイルの断面積を
小さくして巻かれるコイルを長くしても推進力を増大さ
せることはできない。
【0013】一方、コイルの断面積を同じにしてコイル
の長さLを長くするには、上記リニアアクチュエータを
改良して図6に示すように溝の長さnを長くするか、図
7に示すように溝の幅hを広くするかしなければならな
い。
【0014】図6に示すリニアアクチュエータは、ヨー
ク260に長さ2nの溝262を形成し、その溝262
にコイル部を嵌入させたものである。コイル部はボビン
264の円筒部266に長さ2Lのコイル268が巻か
れて形成されている。
【0015】溝262の長さが長くなると溝262の断
面積が大きくなるため、閉磁路Rの磁気抵抗が小さくな
り、閉磁路Rの磁束が増大し、出力される推進力が大き
くなるはずである。しかし、前述の図4のA部分と同様
に図6のC部分でも磁束が飽和状態に達してしまうた
め、閉磁路Rの磁束を増やすことができない。ヨーク2
12とヨーク260とは同じ材料から成っているので、
飽和磁束密度の値はほぼ同じであり、飽和状態において
は、閉磁路Pの磁束と閉磁路Rの磁束とはほぼ同じにな
る。したがって、溝262の断面積を溝222の断面積
の2倍にすれば、磁束密度は2分の1になってしまい、
コイルの長さを長くした効果が失われて推進力を増大さ
せることができないのである。
【0016】図7に示すリニアアクチュエータは、ヨー
ク270に幅2hの溝272を形成し、その溝272に
コイル部を嵌入させたものである。コイル部はボビン2
74の円筒部276に長さ2Lのコイル278が巻かれ
て形成されている。
【0017】溝の幅を広くすると、閉磁路S内の磁気抵
抗が大きくなるため、ヨーク270全体の磁束が少なく
なり、溝272の磁束密度も少なくなる。また、ハウジ
ング210の外径および永久磁石240の大きさを従来
のリニアアクチュエータと同じにすれば、溝272が溝
222より溝の幅を広くした分だけ内周側に広がること
になる。そのため、閉磁路Sの磁路がヨーク270の溝
272の内周側において狭くなり、D部において磁束が
飽和状態に達し、磁束の漏れが多くなってしまう。した
がって、溝272における磁束密度は逆に溝の幅が広く
なったこと以上に小さくなってしまい、コイルの長さを
長くした効果が失われて推進力を増大させることができ
ないのである。
【0018】以上の事情を背景として、本発明は、大形
化を回避しつつできる限り大きな推進力を得ることがで
きるリニアアクチュエータを得ることを課題としてされ
たものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明のリニアアクチュエータは、(a)中心線が
同一で、互いに直列に並べられた2個のコイルが一体的
に結合された第1部材と、(b)それらのコイルの外周
側および内周側に、それぞれコイルの中心線にほぼ平行
に設けられた磁性材料製の外周側磁路形成部および内周
側磁路形成部と、それら両磁路形成部を結合する結合手
段と、それら両磁路形成部の少なくとも一方に設けられ
て、2個のコイルを通過する閉磁路を形成する磁気発生
部とを有する第2部材と、(c)その第2部材と第1部
材とのコイルの中心線にほぼ平行な方向の相対移動を案
内する案内手段とを含むように構成される。
【0020】
【作用】第1部材の2個のコイルに電流を流すと、その
流された電流の大きさと、第2部材の磁気発生部により
発生させられて各々のコイルを通過する磁束密度と、そ
れぞれのコイルの長さとに基づいた推進力が発生し、案
内手段によって案内されつつ第1部材と第2部材とが相
対移動する。第1部材が固定されていれば第2部材が移
動し、第2部材が固定されていれば第1部材が移動する
のである。
【0021】推進力はそれぞれのコイルに発生し、これ
らの推進力の和が全体の推進力となる。第1部材におい
ては2個のコイルが一体的に結合されているため、1個
のコイルを長くしたのと同じことになる。また、これら
コイルの中心線が互いに同一であるため、コイルに生じ
る推進力の方向も同一となる。
【0022】第2部材における外周側磁路形成部と内周
側磁路形成部とを通る閉磁路は2つの間隙を通過する状
態で形成され、それら2つの間隙に第1部材の2個のコ
イルが直列に並んで配置される。閉磁路の磁気抵抗は従
来のように間隙が1つの場合より大きくなり、閉磁路内
の磁束が少なくなるため、磁性材料製磁路形成部内の磁
束の飽和が回避されるとともに磁束の漏れが少なくな
る。すなわち、本発明のリニアアクチュエータの間隙の
磁束密度は、従来のように閉磁路内に1つの間隙を有す
るリニアアクチュエータより低下するが、磁束の漏れが
少なくなった分増加する。そして、従来よりコイルを長
くできることによる推進力の増大が、間隙の磁束密度の
減少による推進力の減少より大きいため、結果的に大き
な推進力が得られることとなる。
【0023】また、2個のコイルが互いに直列に並べら
れるため、永久磁石の大きさおよびハウジングの外径を
従来のリニアアクチュエータにおけるそれらと同じにし
ても、図7のリニアアクチュエータのようにコイルの内
周側の磁路が狭くなることはない。
【0024】第2部材の磁気発生部は外周側磁路形成部
と内周側磁路形成部とのいずれか一方に設けても、両方
に設けてもよい。また、磁気発生部は永久磁石であって
も、外周側および内周側磁路形成部の少なくとも一方に
コイルを巻きつけて形成されたものであってもよい。
【0025】
【発明の効果】本発明のリニアアクチュエータによれ
ば、第2部材の間隙における磁束密度の低下と全体の大
形化とを回避しつつ第1部材のコイルの長さを長くする
ことができるため、推進力を増大させることができる。
【0026】また、本発明のリニアアクチュエータは、
従来のリニアアクチュエータより大きな推進力を出力す
ることができるため、推進力が従来と同じでよい場合に
は小型化が可能になる。第2部材の磁気発生部の起磁力
を小さくすることが可能となるため、永久磁石や磁性材
料製磁路形成部を小さくすることができ、また、第1部
材の1個のコイルの長さを短くすることが可能となるた
めその分間隙の長さを短くできるからである。さらに、
永久磁石を小さくしたり、コイルを短くしたりすること
によってコストを低減させることができる。
【0027】また、実施例において詳述するように、推
進力の向きを逆にする場合にはコイルに流す電流の向き
を逆にするのであるが、従来のリニアアクチュエータに
おいては、電流が正方向の場合と逆方向の場合との間で
推進力の直線性が得られなかった。それに対して、本発
明のリニアアクチュエータにおいては、コイルを2個備
えているため、各コイルにおいては直線性が得られない
が、これら非直線性が2個のコイルにおいて互いに相殺
され、リニアアクチュエータ全体としては直線性が得ら
れる。
【0028】
【実施例】以下、本発明をスプール式電磁制御圧力弁の
リニアアクチュエータに適用した場合の一実施例を図面
を用いて詳細に説明する。図1において、10,12は
有底円筒状のハウジングであり、円筒状の外周側ヨーク
14がハウジング10の肩面16とハウジング12とに
挟まれて固定されている。外周側ヨーク14の中間部に
は円環状の永久磁石18が設けられており、その永久磁
石18の外周側はハウジング10に嵌合され、その内周
側には断面がT字形の円環状のリテーナ20を介して内
周側ヨーク22が固定されている。リテーナ20は非磁
性材料から成っているため、内周側ヨーク22と外周側
ヨーク14とは磁気的に絶縁されている。内周側ヨーク
22の中心部には貫通孔26が形成されており、貫通孔
26にはベアリング28,30を介して段付き軸32が
その大径部34において摺動可能に嵌合されている。
【0029】これら外周側ヨーク14および内周側ヨー
ク22は複数の磁性材料製円環状部材が固定されて構成
されている。また、外周側ヨーク14と内周側ヨーク2
2との間の円環状の隙間はリテーナ20によって仕切ら
れており、その両側に溝38,40が形成されている。
【0030】ボビン50,52は有底円筒状部材であっ
て、各筒部54,56は前述の溝38,40にそれぞれ
嵌入させられており、その筒部54,56にはそれぞれ
長さLの線が巻かれてコイル58,59が形成されてい
る。これらコイル58,59は互いに逆向きに巻かれて
いる。したがって、コイル58,59に同時に電流を流
しても、各々のコイル58,59に発生する推進力の方
向は逆方向とはならずに同一方向となる。コイル58,
59の中心線は軸32の中心線と同一であり、両コイル
58,59の諸寸法も同一である。また、ボビン50,
52の底部60,62の中心部には貫通孔64,66が
形成されている。
【0031】軸32の両端部はそれぞれ小径部68,7
0とされ、小径部68にはボビン50が貫通孔64にお
いて嵌合され、その底部60が軸32の大径部34と小
径部68との段部72とナット74とに挟まれて固定さ
れている。さらに、小径部68の端部はハウジング12
の端面に形成された貫通孔76を経て、図示しないスプ
ールに係合させられている。
【0032】同様に小径部70には、ボビン52が貫通
孔66において嵌合され、段部78とナット80とに挟
まれて固定されている。このようにして、軸32にはボ
ビン50,52が固定されており、これら軸32,ボビ
ン50,52の移動に伴ってスプールが移動させられ
る。
【0033】以上のように、軸32,ボビン50,5
2,コイル56,58等が第1部材を構成し、磁気発生
部としての永久磁石18を備えた外周側磁路形成部とし
ての外周側ヨーク14、内周側磁路形成部としての内周
側ヨーク22,結合手段としてのリテーナ20等が第2
部材を構成している。第2部材における閉磁路Tが、永
久磁石18,外周側ヨーク14,コイル58,内周側ヨ
ーク22,コイル59,外周側ヨーク14,永久磁石1
8の順に循環して形成されている。溝38,40には磁
束密度Bの磁界が生じており、一円周上では一定であ
る。また、ベアリング28,30が案内手段を構成して
いる。
【0034】以上のように構成されたリニアアクチュエ
ータにおいて、コイル58,59に電流が供給される
と、コイル58,59には、流される電流の大きさIに
基づいた推進力Fがそれぞれ出力される。コイル58,
59の中心線は同一であるため、それら2つの推進力F
1,F2を合わせた力(F1+F2)によってボビン5
0,52および軸32が移動させられ、それに伴って図
示しないスプールが移動させられる。
【0035】ここで、コイルに流す電流の方向および大
きさと推進力の方向および大きさとの関係を図8に示
す。図から明らかなように、それぞれのコイル58,5
9において、電流の増加量に対する推進力の増加量が正
方向では大きく、負方向では、電流を逆方向に流すこと
によってコイル58,59のまわりに生じる磁界の向き
が変わるため小さくなる。そのため、正方向の電流に対
する推進力の変化勾配と、逆方向の電流に対する推進力
の変化勾配とがそれぞれ異なり、電流が正方向と逆方向
との間で推進力の直線性が得られないのである。しか
し、コイル58とコイル59とが互いに逆方向に巻かれ
ているため、コイル58における正方向の電流がコイル
59の逆方向の電流となる。そのため、コイル58にお
ける推進力の変化勾配の大きい領域はコイル59におけ
る変化勾配の小さい領域となり、コイル58の推進力と
コイル59の推進力とを加えると、それぞれの領域にお
ける変化勾配がほぼ同じになり、電流の大きさと推進力
の大きさとの関係において直線性が得られるのである。
【0036】それに対して、従来のリニアアクチュエー
タはコイルを1個しか備えていないため、全体の推進力
は図8におけるいずれか一方のコイルと同じように電流
の方向および大きさと推進力の方向および大きさとの関
係において推進力の直線性が得られず、推進力の制御を
正確に行うことができなかった。しかし、本実施例にお
いては、上述のように直線性が得られるため、推進力の
大きさ,すなわち、スプールの位置を電流の大きさに基
づいて正確に制御できるのである。
【0037】本発明のリニアアクチュエータと従来のリ
ニアアクチュエータとの推進力を比較した結果を表に示
す。ここでは従来のリニアアクチュエータにおける各デ
ータを1とした。
【0038】表から明らかなように、本実施例のリニア
アクチュエータでは、ヨーク内の磁束の飽和を良好に回
避できるとともに磁束の漏れを少なくすることができる
ため、磁束密度が溝数の増加分だけは小さくならない。
そのため、コイルを長くすることにより推進力を大きく
することができる。
【0039】本発明のリニアアクチュエータの第1部材
の磁束密度の分布を計算により求めた結果を図2に示
す。図中の一点鎖線は磁束密度が1.0〜1.3テス
ラ、二点鎖線は0.3〜1.0テスラ、破線は0.1〜
0.3テスラの等磁束密度線をそれぞれ示している。
【0040】一方、前記図5に示す磁束密度の分布図
は、本発明のリニアアクチュエータの溝40に円環状の
磁性材料製部材を配設して溝40を埋め、内周側ヨーク
22と外周側ヨーク14とが一体的に形成されていると
見做して計算を行ったものである。したがって、図5の
ヨークの形状と従来のリニアアクチュエータのヨーク2
12の形状とは異なるが、いずれにしても閉磁路内に溝
が1個設けられている点においては同じであるため、こ
れらは似た磁束密度の分布を示すと考えられる。
【0041】図5のA部の磁束密度は1.7〜1.9テ
スラとなっているが現実には内周側ヨーク22の飽和磁
束密度は約1.4テスラであるため、前述のように磁束
が飽和状態に達している。それに対して、図2のE部の
磁束密度は1.0〜1.3テスラであるため、E部にお
いては磁束はまだ飽和していない。しかも、図2の溝3
8,40周縁付近からの磁束の漏れは、図5の溝222
周縁付近からの漏れより少なくなっている。
【0042】本発明の別の実施例を図3に示す。上記実
施例のリニアアクチュエータにおいては、外周側ヨーク
14と内周側ヨーク22との間の隙間がリテーナ20に
よって溝38,40に仕切られ、溝38にはコイル58
を備えた円筒部54が嵌入させられ、溝40にはコイル
59を備えた円筒部56が嵌入させられていたが、本実
施例のリニアアクチュエータにおいては、外周側ヨーク
110と内周側ヨーク112との間の隙間にコイル部を
2個備えたボビン114の円筒部116が嵌入させられ
ている。
【0043】120,122は非磁性材料製のハウジン
グであり、ハウジング120の肩面124とハウジング
122とに挟まれて円筒状の外周側ヨーク110が固定
されている。外周側ヨーク110の中間部には円環状の
永久磁石126が設けられ、その外周側はハウジング1
20の内周面に嵌合され、内周側は円環状の非磁性材料
製リテーナ128に支持されている。
【0044】ハウジング120の底面の中心部には円形
の嵌合突部130が形成され、その嵌合突部130が内
周側ヨーク112の端面に形成された円形の嵌合凹部1
32に嵌合されることによって、内周側ヨーク112が
ハウジング120に対して位置決めされ、接着によって
固定されている。外周側ヨーク110と内周側ヨーク1
12とは、ハウジング120によって結合され、磁気的
に絶縁されているのである。
【0045】内周側ヨーク112の中心部には貫通孔1
40が形成されており、その貫通孔140には段付軸1
42がその大径部144においてベアリング146,1
48を介して摺動可能に嵌合されている。軸142の一
端部は小径部149とされ、その小径部149にはボビ
ン114が固定されており、小径部149の端部は図示
しないスプールに係合させられている。したがって、こ
れら軸142およびボビン114の移動量を制御するこ
とによってスプールの移動量を制御することができる。
【0046】外周側ヨーク110と内周側ヨーク112
との間の隙間150にはボビン114の円筒部116が
軸方向に移動可能に嵌入させられている。ボビン114
の円筒部116には長さLの線が巻かれて形成されるコ
イル152,154が並んで設けられている。
【0047】以上のように、コイル152,154,軸
142,ボビン114等が第1部材を構成し、永久磁石
126を備えた外周側ヨーク110,内周側ヨーク11
2,結合手段としてのハウジング120等が第2部材を
構成している。閉磁路Uは、永久磁石126,外周側ヨ
ーク110,コイル152,内周側ヨーク112,コイ
ル154,外周側ヨーク110,永久磁石126を循環
して形成され、コイル152,154には磁束密度Bの
磁束が通過し、一円周上では一定である。また、ベアリ
ング146,148が案内手段を構成している。
【0048】以上のように構成されたリニアアクチュエ
ータにおいて第1部材のコイル152,154に電流を
供給すると、その電流の大きさIに応じて、それぞれの
コイル152,154に推進力F1,F2がそれぞれ発
生し、それら推進力の合力(F1+F2)によって軸1
42およびボビン114が移動させられ、それに伴って
スプールが移動させられる。
【0049】本実施例のようにボビンを1個にすること
によって可動部材の軽量化を図ることができるため、そ
れだけ、起磁力を小さくできるとともにリニアアクチュ
エータを小形化することができる。また、ボビンを1個
にすることによって部品点数を減らすことができるた
め、組立て作業を容易にし、コストを低減させることが
できる。
【0050】なお、上記2実施例における2個のコイル
の巻径は同じであったが、異なる巻径にしてもよい。し
かし、巻径を同じにすることによって、各構成部材の形
状が単純になるという利点がある。また、ボビンを固定
しヨークを移動可能としてもよい。
【0051】さらに、上記2実施例においては2個のコ
イルが直列に巻かれ、同時に同じ大きさの電流が供給さ
れるようにされていたが、必ずしもそのようにする必要
はなく、2個のコイルの電流を個々に制御し得るように
することも可能である。例えば、一方のコイルのみに電
流を流したり、それぞれのコイルに異なる大きさの電流
を流し得るようにすることも可能なのである。そして、
後者の場合には、本リニアアクチュエータを車両用ブレ
ーキ装置のスプール式電磁制御弁に使用し、1つのコイ
ルには踏力センサの信号に基づいた電流が供給されるよ
うにし、他のコイルには加速度センサの信号に基づいた
電流が供給されるようにすれば、スプールの位置を両セ
ンサの出力に基づいて制御することが可能となる。
【0052】その他、いちいち例示することはしない
が、特許請求の範囲を逸脱することなく当業者の知識に
基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるリニアアクチュエータ
の正面断面図である。
【図2】上記実施例のリニアアクチュエータにおける磁
束密度の分布図である。
【図3】本発明の別の実施例であるリニアアクチュエー
タの正面断面図である。
【図4】従来のリニアアクチュエータの正面断面図であ
る。
【図5】従来のリニアアクチュエータにおける磁束密度
の分布図である。
【図6】コイルを長くするために変形したリニアアクチ
ュエータの正面断面図である。
【図7】コイルを長くするために変形した別のリニアア
クチュエータの正面断面図である。
【図8】図1の実施例のリニアアクチュエータにおける
電流と推進力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
14,110 外周側ヨーク 20 リテーナ 22,112 内周側ヨーク 28,30,144,146 ベアリング 32,142 軸 50,52,114 ボビン 38,40 溝 56,58,152,154 コイル 150 隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 浩朗 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 門脇 美徳 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心線が同一で、互いに直列に並べられ
    た2個のコイルが一体的に結合された第1部材と、 それらのコイルの外周側および内周側に、それぞれコイ
    ルの中心線にほぼ平行に設けられた磁性材料製の外周側
    磁路形成部および内周側磁路形成部と、それら両磁路形
    成部を結合する結合手段と、それら両磁路形成部の少な
    くとも一方に設けられて、前記2個のコイルを通過する
    閉磁路を形成する磁気発生部とを有する第2部材と、 その第2部材と前記第1部材との前記コイルの中心線に
    ほぼ平行な方向の相対移動を案内する案内手段とを含む
    ことを特徴とするリニアアクチュエータ。
JP3715892A 1992-01-27 1992-01-27 リニアアクチュエータ Pending JPH05207722A (ja)

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