JPH05206776A - 弾性表面波素子とその製造方法 - Google Patents

弾性表面波素子とその製造方法

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JPH05206776A
JPH05206776A JP1474292A JP1474292A JPH05206776A JP H05206776 A JPH05206776 A JP H05206776A JP 1474292 A JP1474292 A JP 1474292A JP 1474292 A JP1474292 A JP 1474292A JP H05206776 A JPH05206776 A JP H05206776A
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JP
Japan
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electrode
temperature
acoustic wave
surface acoustic
substrate
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JP1474292A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Ota
康博 太田
Akitsuna Yuhara
章綱 湯原
Norio Hosaka
憲生 保坂
Kazushi Watanabe
一志 渡辺
Hideo Onuki
秀男 大貫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電極膜の耐電力性が高く、しかも内部損失が少
ない、特性良好で長寿命な弾性表面波素子とその製造方
法を提供することにある。 【構成】弾性表面波素子の電極膜の膜厚方向の平均組成
が、MはTi,Pd,Cu,Nb,Ni,Mg,Ge,
Si,Co,Zn,Li,Ta,Au,Ag,Pt,C
r,Hf,Zr,Cd,W,Vの中から選ばれた少なく
とも一つの金属を表し、かつ、0≦y≦20,x+y=
100なる条件を満たすxとyとは重量百分率組成を表
すものとしたとき、Alxyで表されるようにし、か
つ、上記電極膜を圧電性基板上に成膜させたのち、該基
板、電極膜に適した焼鈍処理を施して強度の高いAl合
金電極膜の比抵抗を低下させ内部損失を軽減させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属薄膜よりなる電極
の耐電力性が高く、特性良好で、長期使用に耐える弾性
表面波素子と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、弾性表面波装置は、小形高性能な
バンドパスフィルタや共振子として応用範囲が拡大し、
動作周波数も数百MHzから数GHzと高周波数化する
と同時に高出力化が要求されるようになってきている。
また、高出力化のために内部損失の低減および高耐電力
性を持つ新しい構造が要求されるようになってきてい
る。高周波数化を図るためには、使用するすだれ状くし
形電極のピッチを狭くすると同時に電極指幅も狭くする
必要があり、中心周波数1GHzの時には電極指幅は約
1μmとなる。このような微細電極を用いた弾性表面波
素子の信頼性面での問題点として、動作時に、弾性表面
波によって生ずる圧電性基板表面の歪みが、表面上に形
成されたすだれ状電極の金属薄膜に内部応力を発生さ
せ、その応力が電極膜の臨界剪断応力を越えた部分で
は、電極材料原子が結晶粒界を通路として移動し、電極
に空隙(ボイド)、突起(ヒロック)を発生させ、特性
が劣化し、電極破壊が発生する。
【0003】上記問題に対応するために、従来から、例
えば特公昭61−47010号公報に記載されているよ
うに、使用する電極材料として、AlにCuを少量添加
し、結晶粒界にCuAl2等を析出させて電極の金属薄
膜を硬化させることが行われている。電極の金属薄膜を
硬化させる手段としては、上記Cuの他にも、Ti,N
i,Mg,Pd等をAlに添加することも行われてい
る。
【0004】しかし、従来の弾性表面波素子の製造方法
は、圧電性基板上に真空蒸着法またはスパッタリング法
などで電極の金属薄膜を形成させたのち、フォトリソグ
ラフィ技術等の微細加工技術によってパターニングを行
う単純な方法であった。従って、形成された電極膜は、
気相状態から固相状態に相変化したままの状態であり、
物理化学的に不安定な状態である。その不安定状態で
は、欠陥も極めて多く比抵抗は高かった。Al膜に、C
u,Ti,Ni,Mg,Pd等を添加して電極膜を硬化
させる際に、添加量を増加するのに伴って硬化強度は増
大し耐電力性も増大するが、一方、電極膜の比抵抗も同
時に増加するため、動作時の内部損失が増大するという
問題があり、添加する元素の種類および添加する量に大
幅な制限があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術は、電
極膜の硬化強度を増大させて耐電力性の向上を図ること
と、電極膜の比抵抗を減少させて動作時の内部損失を低
減させることの、両方を同時に実現させることについて
は考慮されていなかった。
【0006】本発明は、従来の課題を解決し、耐電力性
が高く、しかも動作時の内部損失が低い弾性表面波素子
とその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明においては、弾性表面波素子の圧電性基板上の
電極の金属薄膜の膜厚方向の平均組成が、MはTi,P
d,Cu,Nb,Ni,Mg,Ge,Si,Co,Z
n,Li,Ta,Au,Ag,Pt,Cr,Hf,Z
r,Cd,W,Vの中から選ばれた少なくとも一つの金
属を表し、かつ、0≦y≦20,x+y=100なる条
件を満たすxとyとは重量百分率組成を表すものとした
とき、Alxyで表されるような材質とすることによっ
て電極膜の硬化強度を高めて耐電力性を充分向上させ、
また、このような材料で金属薄膜を形成させた圧電性基
板を、600℃/分以下の昇温速度で所定温度まで上昇
させ、この温度に所定時間保持したのち、600℃/分
以下の冷却速度で室温に戻して、金属薄膜の焼鈍処理を
行うことにより、電極用金属薄膜の比抵抗を大幅に低下
させて動作時の内部損失を低減できる製造方法を採用す
ることにした。上記焼鈍処理は、真空中またはN2,A
r,H2の少なくとも一つからなる不活性雰囲気中で行
い、昇温時の保持温度は、成膜時の圧電性基板温度以上
で、かつ、圧電性基板のキューリー温度未満であり、こ
の焼鈍処理により圧電性基板上に形成させた金属薄膜内
の応力が、室温で、5×109dyn/cm2以下(量産
品個々について測定はできないが、特別な試料について
品質管理試験を行って確かめれば良い)になっていなけ
ればならない。
【0008】
【作用】圧電性基板上に電極用金属薄膜を形成させる方
法としては、一般にスパッタリング法や真空蒸着法が用
いられているが、できあがった膜の緻密性および合金膜
の組成安定性の点から主にスパッタリング法が用いられ
る。スパッタリング法により形成された電極膜は、多く
の結晶粒からなる多結晶薄膜になることが殆どであり、
多数の粒界および転位などの欠陥が存在し、自由エネル
ギー的に高い状態にある。従来の弾性表面波素子の製造
方法では、上記したように電極膜を形成した後、微細加
工技術により所望のパターニングを行い、その後、ダイ
シング,ボンディング,パッケージングを行って素子を
作成していた。この従来の製造方法では、電極膜に多数
の欠陥が存在しているために、比抵抗が高く、弾性表面
波素子として動作させたときに内部損失が大きいという
欠点があった。また、耐電力性を向上させるために、従
来からAlを主成分として、これにCu,Ti,Ni,
Mg,Pdなどを添加して粒界拡散を防止してきたが、
添加量の増加に伴い比抵抗が大幅に増加し、動作時の素
子電極での内部損失が増加するため、添加元素の種類や
その添加量に種々の制限があった。
【0009】本発明者は、硬化強度向上のためにAlに
他元素を添加するのに伴う比抵抗の大幅な増加を抑制
し、耐電力性の向上と素子の内部損失の低減を両立させ
るために、電極膜に焼鈍処理(アニール)を行うプロセ
スの導入の検討を行い、その有効性を確認した。アニー
ルプロセスは、LSI分野では既に実施されているが、
弾性表面波素子では、使用する基板はLSI分野で使用
するSi等とは異なり、LiTaO3,LiNbO3,L
247,水晶,ZnO等の圧電性および焦電性を有
する基板であるために、LSI分野で使用するアニール
方法をそのまま導入することはできない。即ち、LiT
aO3,LiNbO3,Li247,水晶,ZnO等の
圧電性および焦電性基板は、昇温速度や冷却速度が速い
場合には、サーマルショックにより亀裂が入るか又は破
損する。本発明者は、昇温速度および冷却速度とサーマ
ルショックによる基板の亀裂または破損の関係を検討し
て、毎分600℃以下の昇温速度および冷却速度が必要
であることを知った。昇温速度および冷却速度は、毎分
600℃以下が必要であるが、基板の熱的性能のばらつ
きを考慮すると毎分100℃以下が好ましく、毎分50
℃以下が更に好ましい。基板をある温度まで冷却して室
温に取り出すときは、その時の基板温度は150℃以下
であることが必要で、100℃以下が好ましく、50℃
以下が更に好ましい。基板温度が150℃より高いとき
に基板を室温に取り出した場合には、基板に亀裂が入る
か又は破損する場合がある。また、基板を取り出すとき
には、イオン化したガスを基板周辺に照射すると基板の
焦電性が消えるために静電気力が消え、基板ホルダーと
の接着または塵埃の付着を防止することができる。アニ
ール手段としては、電極膜の成膜後、成膜装置内でアニ
ールする方法、成膜装置以外の装置で、成膜後または微
細加工技術によるパターニング後にアニールする方法が
ある。どちらのアニール方法でも、アニール温度は電極
膜の成膜時の基板温度以上であって、圧電性基板のキュ
ーリー温度未満にする必要がある。成膜時基板温度未満
の時は、アニールしても比抵抗低減効果は無く、キュー
リー温度以上の時は、基板の相転移が生じ結晶構造が変
化して好ましくない。アニール雰囲気としては、電極膜
の酸化防止のために、真空中またはN2,Ar,H2の少
なくとも一つからなる不活性ガス中が望ましい。
【0010】弾性表面波素子は、圧電性基板表面を伝搬
するレーリー波,SH波などの弾性波を用いる。素子の
高出力化を図るに従い、弾性波に伴う電極膜内の応力が
増大するようになる。電極膜は、あるしきい値応力以上
の応力を受けると、転位の移動やすべり等が生じ、ボイ
ド,ヒロックの発生および隣接電極指との短絡などが発
生し、電極膜の破壊に到るようになる。素子の動作時に
電極膜に印加される応力は、電極膜の静的な内部応力と
弾性波から受ける動的な応力を加算したものである。高
出力化に伴い弾性波から受ける動的な応力は増大するた
めに、電極膜の静的な内部応力を極力小さくする必要が
ある。Al合金系の場合、その室温における静的な内部
応力は5×109dyn/cm2以下であることが望まし
い。
【0011】
【実施例】以下、本発明を図面を用いて更に詳細に説明
する。
【0012】実施例1:図1は、36゜回転Y軸切断L
iTaO3基板にAl膜を100nm成膜した試料のア
ニール時の、昇温速度または冷却速度に対する試料の歩
留を示している。ここで、試料の歩留とは、10枚の試
料中に亀裂または破損が発生しなかった試料枚数の割合
を表している。歩留80%以上を得るためには、昇温速
度または冷却速度は600℃/分以下にする必要があ
る。昇温速度または冷却速度を速くすることはスループ
ットを高めるのに有効ではあるが、歩留を高めるために
は昇温速度または冷却速度を更に遅くすることが望まし
い。本実施例では昇温速度または冷却速度は50℃/分
以下とした。その結果、歩留を100%にすることがで
きた。
【0013】図2は、膜厚100nmのAl−Ti合金
膜のアニール前後における比抵抗とTi添加量の関係を
示す図である。アニールは、N2ガス雰囲気中で430
℃で1時間行った。アニール前は、Ti添加量に対して
比抵抗が大幅な増加を示し、20wt%では40μΩc
mにも達する。一方、アニール後は大幅に比抵抗が低減
し、20wt%添加では約5μΩcmになる。しかし、
Ti添加量が20wt%より多くなると、アニールを行
った後でも比抵抗が増加し始めるために好ましくなく、
添加量は20wt%以下に限定される。添加元素として
Ti以外のPd,Cu,Nb,Mg,Ge,Si,C
o,Zn,Li,Ta,Au,Ag,Pt,Cr,H
f,Zr,Cd,W,Vにおいても、比抵抗の大小関係
は多少変化するが、20wt%より多くなると比抵抗が
増加し始めるので、添加量は、それぞれ、20wt%以
下に限定される。表1に各元素を20wt%添加したと
きの、アニール前後での比抵抗を示す。アニールは、N
2ガス雰囲気中、200〜650℃における各元素添加
時の最適温度で1時間行った。この表からアニールによ
って比抵抗が大幅に低減していることが判る。
【0014】
【表1】
【0015】実施例2:図3(a)は本発明一実施例の
弾性表面波2開口共振器の平面図、図3(b)は図3
(a)中のA−A′線断面図である。1は圧電性基板で
STカット水晶基板を用い、この基板面上に1組の送受
波電極2,2′が開口1000μm、28対で互いに弾
性表面波を送受するように設けられており、ボンディン
グパッド3,3′と接続されている。ボンディングパッ
ド3,3′は、直径25μmのAl線またはAu線より
なるボンディングワイヤで、カンパッケージシステム7
の入出力ピン4,4′と電気的に接続されている。ま
た、上記1組の送受波電極2,2′の両側には750本
の金属スプリットからなる反射器5,5′が設けられ、
2開口弾性表面波共振器を構成している。上記送受波電
極2,2′、反射器5,5′の電極の膜厚は0.1μm
で、共振周波数は697MHz、Q≒4000となって
おり、電極材料は表2に示した各種のAl系合金を用い
ており、DCマグネトロンスパッタリング法により該基
板1に形成された後、フォトリソグラフィ技術によりパ
ターン形成したものである。なお、該送受波電極2,
2′、反射器5,5′を形成した基板1は導電性接着剤
6によりTO−5カンパッケージシステム7と接着され
ている。
【0016】各電極膜材料で電極パターンを形成した弾
性表面波共振器を、アニールの有りと無しのそれぞれに
つき加速劣化試験を行った結果を表2に示す。試験結果
は、純Al膜の寿命に対する比として表している。純A
l膜は、従来の方法で形成したもので、DCマグネトロ
ンスパッタリング法により形成し、アニールは行ってい
ない。加速劣化試験の条件は、周囲温度120℃。入力
電力50〜100mWである。なお、この場合の寿命は
共振周波数が試験開始時点から、±50kHz変化した
時間をもって示した。
【0017】
【表2】
【0018】Ti,Pd,Cu,Nb,Ni,Mg,G
e,Si,Co,Zn,Li,Ta,Au,Ag,P
t,Cr,Hf,Zr,Cd,W,Vの少なくとも1元
素をAlに添加することにより寿命は向上し、アニール
を行うことにより更に寿命は向上する。アニールは、N
2ガス雰囲気中200〜650℃における各電極材料に
対する最適温度で1時間行った。本実施例では、同一電
極材料といえども、アニールプロセスの導入により寿命
は格段に向上することが明らかになった。
【0019】実施例3:図4(a)は本実施例弾性表面
波素子の平面図、図4(b)は図4(a)中のA−A′
線断面図である。圧電性基板1はSHモードの擬似表面
波を伝搬する36゜回転Y軸切断、X軸伝搬のLiTa
3である。電極構成は、入力電極8、出力電極9が交
互に配置されており、入出力電極の個数は、入力電極8
が2個、出力電極9が3個で、多電極型構造となってい
る。入力電極8及び出力電極9は、それぞれ、くし形電
極指10から構成され、図4(b)の断面図に示すよう
に、くし形電極指10の電極幅とくし形電極指の無い部
分(スペース部)の幅は等しくなっている。また、入出
力電極8,9の間には接地用電極パターン11が形成さ
れている。更に、圧電性基板1の表面は、入出力電極
8,9及び接地用電極パターン11と電気的に絶縁され
た浮き電極パターン12で覆った構造となっている。
【0020】なお、この多電極型弾性表面波素子の中心
周波数は880MHzで、入出力電極8,9のくし形電
極指の電極幅、スペース幅は共に1.2μm、接地用電
極パターン11の幅は5μmである。電極材料は表3に
示す材料であって、電極膜厚は100nmとし、DCマ
グネトロンスパッタリング法により成膜し、フォトリソ
グラフィ技術によりパターニングを行った。
【0021】表3の各電極材料で電極パターンを形成し
た多電極型弾性表面波素子を、アニールの有りと無しの
それぞれにつき加速劣化試験を行った結果を表3に示
す。アニールは、N2ガス雰囲気中200〜650℃の
範囲内の各電極材料に最適な温度で1時間行った、加速
劣化試験の条件は実施例2と同様である。
【0022】
【表3】
【0023】寿命倍率は実施例2の場合と多少異なる
が、Ti,Pd,Cu,Nb,Ni,Mg,Ge,S
i,Co,Zn,Li,Ta,Au,Ag,Pt,C
r,Hf,Zr,Cd,W,Vの少なくとも1元素をA
lに添加することにより寿命は向上し、アニールを行う
ことにより更に寿命は向上する。同一電極材料といえど
も、アニールプロセスの導入により寿命が格段に向上す
ることが明らかになった。
【0024】実施例4:寿命は、電極膜の持つ静的な内
部応力により大きな影響を受ける。
【0025】図5は、36゜回転Y軸切断LiTaO3
基板とアニールしたAl−1.0wt%Ti電極材料か
ら成る多電極型弾性表面波素子における、寿命と電極膜
の応力の関係を示す図である。電極膜の膜厚は100n
mである。アニールは、N2ガス雰囲気中430℃で1
時間行った。応力は、電極膜形成時のスパッタリング条
件を変化することにより変化させた。多電極型弾性表面
波素子は、実施例3に示したものと同一であり、応力は
室温における値である。加速劣化試験条件は、周囲温度
120℃、素子の出力電力1Wであり、寿命は共振周波
数が試験開始時点から、±50kHz変化した時間とし
た。
【0026】電極膜の応力が小さいほど長寿命化してい
る。本加速劣化試験条件で10時間以上の寿命を保持す
ることが実用上必要となる。従って、応力を5×109
dyn/cm2以下にすることが必要となる。
【0027】以上、本実施例では、単層膜からなる電極
のアニールについて示したが、2層以上からなる多層膜
においてアニールを行っても有効である。また、電極膜
の膜厚は本実施例では100nmとしたが、さらに厚く
ても薄くても差し支えない。従来、薄い場合には、臨界
剪断応力がペッチの関係により増大するが、比抵抗が増
大するため好ましくなかったが、アニールを行うことに
より比抵抗を低減できるために薄くても使用可能になっ
た。また、本実施例では、アニールプロセスは電極のパ
ターン形成後に行ったが、必ずしもそのようにする必要
はなく、電極膜形成後にアニールを行い、その後パター
ン形成しても良い。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
極膜の材料の選択の範囲を大きく拡大することが出来る
と共に大幅に耐電力性の向上を図ることができ、また、
電極膜の比抵抗を低減できるので弾性表面波素子の内部
損失を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】36゜回転Y軸切断LiTaO3基板にAl膜
を100nm成膜した試料のアニール時の、昇温速度ま
たは冷却速度に対する試料の歩留を示す図である。
【図2】膜厚100nmのAl−Ti合金膜のアニール
前後における比抵抗とTi添加量の関係を示す図であ
る。
【図3】図3(a)は本発明一実施例の弾性表面波2開
口共振器の平面図、図3(b)は図3(a)中のA−
A′線断面図である。
【図4】図4(a)は実施例3の弾性表面波素子の平面
図、図4(b)は図4(a)中のA−A′線断面図であ
る。
【図5】36゜回転Y軸切断LiTaO3基板とアニー
ルしたAl−1.0wt%Ti電極材料から成る多電極
型弾性表面波素子における、寿命と電極膜の応力の関係
を示す図である。
【符号の説明】
1…圧電性基板、2,2′…送受波電極、3,3′…ボ
ンディングパッド、4,4′…入出力ピン、5,5′…
反射器、6…導電性接着剤、7…カンパッケージシステ
ム、8…入力電極、9…出力電極、10…くし形電極
指、11…接地用電極パターン、12…浮き電極パター
ン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 一志 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所映像メディア研究所内 (72)発明者 大貫 秀男 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所映像メディア研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電性基板上に金属薄膜よりなる電極を形
    成させた弾性表面波素子において、MはTi,Pd,C
    u,Nb,Ni,Mg,Ge,Si,Co,Zn,L
    i,Ta,Au,Ag,Pt,Cr,Hf,Zr,C
    d,W,Vの中から選ばれた少なくとも一つの金属を表
    し、かつ、0≦y≦20,x+y=100なる条件を満
    たすxとyとは重量百分率組成を表すものとしたとき、
    前記電極をなす金属薄膜の膜厚方向の平均組成がAlx
    yで表されることを特徴とする弾性表面波素子。
  2. 【請求項2】圧電性基板上に金属薄膜よりなる電極を形
    成させた弾性表面波素子の製造方法において、金属薄膜
    を形成させた圧電性基板を、600℃/分以下の昇温速
    度で所定温度まで上昇させ、この温度に所定時間保持し
    たのち、600℃/分以下の冷却速度で室温に戻して、
    金属薄膜の焼鈍処理を行うことを特徴とする弾性表面波
    素子の製造方法。
  3. 【請求項3】上記焼鈍処理を、真空中またはN2,A
    r,H2の少なくとも一つからなる不活性雰囲気中で行
    い、上記保持温度は、成膜時の基板温度以上で、かつ、
    圧電性基板のキューリー温度未満であることを特徴とす
    る請求項2記載の弾性表面波素子の製造方法。
  4. 【請求項4】圧電性基板上に形成させた金属薄膜内の応
    力が、焼鈍処理したのち、室温で、5×109dyn/
    cm2以下であることを特徴とする請求項2記載の弾性
    表面波素子の製造方法。
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