JPH05204134A - フォトマスク検査装置 - Google Patents

フォトマスク検査装置

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JPH05204134A
JPH05204134A JP3410792A JP3410792A JPH05204134A JP H05204134 A JPH05204134 A JP H05204134A JP 3410792 A JP3410792 A JP 3410792A JP 3410792 A JP3410792 A JP 3410792A JP H05204134 A JPH05204134 A JP H05204134A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フォトマスクに形成された位相部材中の位相
変化量の誤差が大きい部分を簡易且つ迅速に検出する。 【構成】 フォトマスク8からの光を偏光状態に応じて
第1の光束LAと第2の光束LBとに分離する偏向ビー
ムスプリッター面11と、それら第1の光束と第2の光
束とを合成する偏向ビームスプリッター面18と、この
合成後の光束の強度分布を観察する光電変換素子20
と、第1の光束LAを一方向に横ずれさせる第1の平行
平面板13と、第2の光束LBをその一方向と逆の方向
に横ずれさせる第2の平行平面板14とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体等の回路
パターンを転写する際に原版として使用されるフォトマ
スクの検査装置に関し、特に透過光の位相を変化させる
位相部材が特定部分に付加された位相シフトフォトマス
クにおける位相変化量及び欠陥の有無等を計測する場合
に使用して好適なフォトマスク検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体回路をウエハ上に投影露光して転
写する際に原版として用いられるフォトマスクは、一般
にはガラス基板上にクローム(Cr)等の金属からなる
遮光パターンが形成された構造をなしている。しかし、
このような構造のフォトマスクでは、回路パターンが微
細化すると、光の回折及び干渉のために高いコントラス
トの投影像を得ることができないという問題がある。そ
こで近年、フォトマスク表面の特定の箇所に位相部材を
付加して透過光の位相を部分的に変化させることにより
像のコントラストを高める位相変化フォトマスク(位相
シフトフォトマスク)が種々提案されている。例えば特
公昭62−50811号公報には、空間周波数変調型の
フォトマスクに関する技術が開示されている。
【0003】斯かる位相変化フォトマスクでは、位相を
正確に制御することが重要となるため、遮光パターンの
欠損の有無等の他に位相部材による位相変化量を検査す
ることが必要となる。従来は、薄膜表面と基板又は薄膜
界面との多重反射を利用して薄膜の膜厚や屈折率を測定
するエリプソメーター等を用いて位相変化量を求めてい
た。つまり、例えば酸化シリコン(SiO2 )膜等から
なる位相部材による位相変化量φは、位相部材の厚さt
と、フォトマスクが実際のリソグラフィ工程で用いられ
る際の露光波長λにおける位相部材の屈折率nをそれぞ
れ求めた上で、次の(1) 式より計算していた。 φ=2π・(n−1)t/λ …(1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
位相変化フォトマスクの検査に用いられていたエリプソ
メーターは、上述したように基板又は薄膜界面における
反射を利用して膜厚や屈折率の測定を行なう為、基板と
薄膜との屈折率差が小さい場合には計測が非常に困難で
あり、両者の屈折率が等しい場合には界面での反射光強
度が零となるため測定が不可能となる。
【0005】一方、半導体回路パターンの微細化に伴っ
てフォトリソグラフィにおける光源は短波長化し、今後
は遠紫外線が光源の主流になると予想されている。紫外
線に対して高い透過率をもつ材質は少なく、位相部材と
フォトマスクの基板とは共に石英ガラスで形成されるこ
とが考えられる。この場合、両者の屈折率が等しくな
り、上述したようにエリプソメーターを利用しての位相
変化量の測定は不可能である。
【0006】また、位相シフトフォトマスクにおける位
相部材は、前記の(1) 式で表わされる位相変化量φがπ
となるように位相部材の屈折率n及び厚さdを制御する
わけであるが、フォトマスクに位相部材を成膜する条件
(例えば位相部材を形成する場所、温度、圧力、組成等
の条件)によって屈折率nが微妙に変化してしまい、位
相部材の厚さdについても実際の製造工程の中でばらつ
きが生じてしまう。例えば、露光波長λを365nm、
位相部材の屈折率nを1.5として、位相変化量の誤差
を10゜まで許すとすると、厚さdの誤差は±20nm
以内であることが求められるが、この誤差範囲内に膜厚
を制御することは非常に困難である。このため、位相変
化量φの誤差(即ち、φのπからのずれ量)が大きい部
分を効率良く検出することが切望されている。
【0007】しかし、従来のように、位相部材の膜厚と
屈折率とから位相変化量を求める場合には、位相部材の
膜厚dだけでなく、成膜条件によって変化する屈折率n
をその都度計測する必要があり、計測に長い時間が必要
である。本発明は、斯かる点に鑑み、位相部材と基板と
の屈折率差によらず位相変化量の誤差が大きい部分を正
確に検出することができ、且つ実際の露光波長において
位相変化量の誤差が大きい部分を簡易且つ迅速に検出で
きるフォトマスク検査装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による第1のフォ
トマスク検査装置は、例えば図1に示す如く、検査対象
のフォトマスク(8)を照明する照明光学系(1,2,
4,7)と、そのフォトマスク(8)からの光を偏光状
態に応じて第1の光束LAと第2の光束LBとに分離す
る光束分離手段(11)と、このように分離された第1
の光束の光路長とその分離された第2の光束の光路長と
がほぼ等しくなる位置に配置され、その第1の光束とそ
の第2の光束とを合成する光束合成手段(18)と、こ
の合成後の光束の強度分布を観察する観察手段(19,
20)と、その第1の光束の光路中に配置されその第1
の光束を一方向に横ずれさせる第1の傾角可変な光学部
材(13)と、その第2の光束の光路中に配置されその
第2の光束をその一方向と逆の方向に横ずれさせる第2
の傾角可変な光学部材(14)とを有するものである。
【0009】また、本発明による第2のフォトマスク検
査装置は、例えば図5に示すように、検査対象のフォト
マスク(8)を照明する照明光学系と、このフォトマス
ク(8)からの光を偏光状態に応じて第1の光束LAと
第2の光束LBとに分離する光束分離手段(31)と、
この分離後の第1の光束LAを偏向させて第1の閉じた
光路を経てその光束分離手段(31)に導くと共に、そ
の分離後の第2の光束LBを偏向させてその第1の閉じ
た光路と合致する第2の閉じた光路を経てその光束分離
手段(31)に導く光束偏向手段(32a,33a,3
3b)と、この光束偏向手段により偏向されたその第1
の光束LAとその第2の光束LBとをその光束分離手段
(31)を介して合成してなる光の強度分布を観察する
観察手段(19,20)と、それら第1の閉じた光路及
び第2の閉じた光路内に配置され、例えば図6に示すよ
うに、その第1の閉じた光路とその第2の閉じた光路と
の横ずれを生ぜしめる傾角可変な光学部材(34)とを
有するものである。
【0010】
【作用】斯かる本発明の第1のフォトマスク検査装置に
よれば、照明光学系の照明光として、実際の露光光と同
程度の波長域の照明光を用いる。そして、第1の光束L
Aと第2の光束LBとは互いに横ずれした状態で光束合
成手段(18)において合成される。従って、検査対象
のフォトマスク(8)のパターンが例えば基板のみ部分
と位相がπ異なる位相部材を含む場合には、その横ずれ
量を調整してその基板のみの部分の像と位相部材の像と
が重なるようにする。そして、観察手段(19,20)
により合成後の強度分布を観察すると、その通常の部分
と位相部材とが重なった部分は暗くなる。この場合、そ
の位相部材の中に位相差がπからずれた欠陥部がある
と、その暗い領域の中の欠陥部に対応する部分だけが明
るくなる。従って、基板と位相部材との屈折率が等しい
場合でも、位相部材の欠陥部を正確に検出することがで
きる。
【0011】この場合、第1の傾角可変な光学部材(1
3)と第2の傾角可変な光学部材(14)とは、互いに
逆方向に光束を横ずれさせているが、このように逆方向
に光束を横ずれさせる場合には、光学部材(13,1
4)は例えば図2に示すように互いに逆方向に傾斜させ
ればよい。このように互いに逆方向に傾斜させると、第
1の光束LAと第2の光束LBとの光路長の変化は同程
度である。従って、それら光束LAと光束LBとの間の
横ずれ量を大きくしても、第1の光束LAと第2の光束
LBとの光束合成手段(18)における光路長の差はわ
ずかであるため、照明光のコヒーレンシが比較的悪い場
合でも良好なコントラストで合成後の干渉像の強度分布
を観察することができる。
【0012】また、第2のフォトマスク検査装置によれ
ば、第1の光束LAが通過する第1の閉じた光路の光路
長と第2の光束LBが通過する第2の閉じた光路の光路
長とは同一である。また、第1の光束LAと第2の光束
LBとは互いに逆方向に進行しているので、傾角可変な
光学部材(34)が所定角度傾斜すると、第1の閉じた
光路と第2の閉じた光路とは逆方向に同じ量だけ横ずれ
する。従って、極めて簡単且つ小型の構成で、第1の光
束LAと第2の光束LBとを横ずれさせて重ね合わせた
状態の干渉像の強度分布を観察することができる。ま
た、第1の光束LAと第2の光束LBとの光路長の差は
無視できる程小さいので、得られる強度分布のコントラ
ストは極めて良好である。
【0013】
【実施例】以下、本発明によるフォトマスク検査装置の
一実施例につき図1〜図4を参照して説明する。図1は
本実施例の検査装置の構成を示し、この図1において、
1は水銀ランプであり、水銀ランプ1から射出された照
明光は、コンデンサレンズ2、視野絞り3及びコリメー
タレンズ4を経て波長選択フィルタ5に入射する。波長
選択フィルタ5によって波長幅が狭められ可干渉性が良
好になった照明光は、開口絞り6を通過した後、コンデ
ンサレンズ7で集光されて被検マスク8を照明する。被
検マスク8の照明範囲は視野絞り3で調整され、被検マ
スク8上での照明光の明るさは開口絞り6で調節され
る。被検マスク8はマスクステージ9A上に載置され、
マスクステージ9Aをステージ駆動手段9Bを介して2
次元平面内で移動させることにより、被検マスク8の全
面を検査することができる。
【0014】被検マスク8を透過した照明光は、対物レ
ンズ10により集束されて第1のプリズム12の一端に
入射する。この第1のプリズム12は、対物レンズ10
側から順に、図1の紙面に平行な断面形状が3角形のプ
リズムと図1の紙面に平行な断面形状が平行4辺形のプ
リズムとを貼り合わせて構成されており、その貼り合わ
せ面が対物レンズ10の光軸に対して45°傾斜した偏
光ビームスプリッター面11となっている。プリズム1
2に入射した照明光の内で、偏光ビームスプリッター面
11に対してP偏光の第1の光束LAは、その偏光ビー
ムスプリッター面11を透過した後、プリズム12の他
端で全反射して外部に射出される。また、プリズム12
に入射した照明光の内で、その偏光ビームスプリッター
面11に対してS偏光の第2の光束LBは、その偏光ビ
ームスプリッター面11で反射されて外部に射出され
る。
【0015】外部に射出された第1の光束LAは、第1
の平行平面板13及び1対の断面が台形状のガラス板よ
りなる光学楔15を透過して第2のプリズム17の一端
側の側面に入射する。第2のプリズム17は第1のプリ
ズム12を180°回転させたものと同じ構成であり、
第1のプリズム12及び第2のプズム17によりマッハ
・ツェンダー干渉計が構成されている。第2のプリズム
17は、図1の紙面に平行な断面形状が3角形のプリズ
ムと図1の紙面に平行な断面形状が平行4辺形のプリズ
ムとを貼り合わせて構成されており、その貼り合わせ面
が入射して来る第1の光束LAの光軸に対して45°傾
斜した偏光ビームスプリッター面18となっている。第
1の光束LAは偏光ビームスプリッター面18に対して
もP偏光であるため、第1の光束LAはその偏光ビーム
スプリッター面18を透過して外部に射出される。
【0016】一方、第1のプリズム12から射出された
第2の光束LBは、第2の平行平面板14及び光路長補
償板16を透過した後、第2のプリズム17の他端側の
側面部に入射する。第1の平行平面板13及び第2の平
行平面板14は同一形状であり、光路長補償板16の光
路長(硝路長)は光学楔15の平均的な光路長とほぼ等
しい。第2の光束LBはその第2のプリズム17の他端
で全反射して偏光ビームスプリッター面18に向かう。
第2の光束LBは偏光ビームスプリッター面18に対し
てもS偏光であるため、この偏光ビームスプリッター面
18で反射されて外部に射出される。
【0017】第2のプリズム17から射出された第1の
光束LA及び第2の光束LBは重畳されてアナライザ1
9を経て2次元の電荷結合型撮像素子(CCD)等の光
電変換素子20の受光面に結像する。アナライザ19に
より第1の光束LAと第2の光束LBとは偏光方向が同
一で可干渉となり、光電変換素子20の受光面には、被
検マスク8のパターンとこのパターンを横ずれさせたパ
ターンとの干渉像が形成される。光電変換素子20から
出力される撮像信号は、アナログ/デジタル変換等を行
う信号処理回路21を介して演算手段22に送られる。
この演算手段22には、データファイル等の入力手段2
4より被検マスク8のパターンの設計データをも供給す
る。演算手段22は実測結果と設計データより被検マス
ク8のパターンの位相差の欠陥等を検出し、欠陥部分を
表示手段23に表示する。
【0018】実際の測定時には、通常は先ず図1の光学
楔15の一方のガラス板を出し入れして第1の光束LA
と第2の光束LBとの偏光ビームスプリッター面18ま
での光路長の差がほぼ0になるようにしておく。次に、
図2に示すように、第1の平行平面板13を例えば反時
計方向に角度θ(0<θ<π/2)だけ傾斜させると共
に、第2の平行平面板14を時計方向に角度θだけ傾斜
させる。この場合、図2の紙面に平行な面内でプリズム
12及び17の長手方向をZ方向として、第1の平行平
面板13により第1の光束LAがZ方向にδzだけ横ず
れすると、第2の平行平面板14により第2の光束LB
はZ方向に−δzだけ横ずれする。
【0019】従って、平行平面板13及び14の傾斜角
θを調整することにより、第1の光束LAと第2の光束
LBとの間の横ずれ量を容易に任意の値に設定すること
ができる。しかも、第1の平行平面板13内での光路長
(硝路長)と第2の平行平面板14内での光路長は同じ
であるため、その傾斜角θを大きく変えても、第1の光
束LAと第2の光束LBとの光路長の差は変化すること
がなく、図1の光電変換素子20の受光面には常にコン
トラストの良好な干渉像が結像されている。
【0020】次に、図1の検査装置で被検マスク8とし
て位相部材が形成された被検マスクを検査する場合につ
いて説明する。図3(a)に位相部材が形成された被検
マスクの一例の断面を示し、この図3(a)において、
基板としてのマスクブランクMBの上に位相をπずらす
ための位相シフタPSが格子状に一定ピッチで形成され
ており、中央の位相シフタPS上に欠陥Dが発生してい
る。そして、この被検マスクを通った後、図2の第1の
光束LAとして偏光ビームスプリッター面18を射出す
る光束の波面は図3(b)の波面WAとなり、図2の第
2の光束LBとして偏光ビームスプリッター面18を射
出する光束の波面は図3(c)の波面WBとなる。
【0021】これら2つの波面WA及びWBを重ね合わ
せると、位相シフタPSの部分を通った波面とマスクブ
ランクMBだけの部分を通った波面とが重なるが、正常
な部分では互いに位相がπずれているので、振幅は打ち
消し合い暗い干渉像が得られる。しかしながら、欠陥D
に対応して位相のずれがπでない部分では、2つの波面
を重ね合わせると振幅はむしろ強め合うため、欠陥Dに
相当する部分のみが明るい像となる。この干渉像の強度
Iを縦軸に取り、横軸に被検マスクのパターンの位置を
取って得られた波形を図3(d)に示す。これにより、
欠陥Dを容易且つ迅速に検出することができる。
【0022】また、図1の光学楔15を用いると、被検
マスク8に形成された位相シフタによる位相変化量を計
測することができるので、その計測方法の一例について
説明する。この場合、被検マスク8に形成された位相シ
フタはマスクブランクに対して位相がπ変化し(即ち、
位相変化量がπ)、欠陥部分の位相変化量はπ/2であ
るとする。また、図1において光学楔15により、第1
の光束LAと第2の光束LBとの光路長の差φを図4
(a)の横軸に示すように次第に増加させていくものと
して、図4(a)の縦軸には互いに横ずれした第1の光
束LAと第2の光束LBとの干渉像の或る位置での強度
Iをプロットする。
【0023】先ず図4(a)において、第1の光束LA
が位相シフタを通過して第2の光束LBがマスクブラン
クを通過している部分(図3(b)の領域25に相当す
る部分)の強度Iの変化を曲線IPSで示し、第1の光
束LAが位相シフタの欠陥部を通過して第2の光束LB
がマスクブランクを通過している部分(図3(b)の領
域26に相当する部分)の強度Iの変化を曲線IDで示
し、第1の光束LAが位相シフタ又はマスクブランクを
通過して第2の光束LBがクローム等の遮光部にある部
分の強度Iの変化を曲線ICRで示す。このように光学
楔15を操作して光路長の差φを連続的又は段階的に変
化させて、各領域の強度Iの変化を調べることにより、
位相シフタ、位相シフタの欠陥部又は遮光部等の判別を
行うことができる。
【0024】同様に、被検マスク8に形成された位相シ
フタがマスクブランクに対して位相がπ/2変化する
(即ち、位相変化量がπ/2である)場合に、図1にお
いて光学楔15により、第1の光束LAと第2の光束L
Bとの光路長の差φを図4(b)の横軸に示すように次
第に増加させていくものとする。そして、図4(b)の
縦軸には互いに横ずれした第1の光束LAと第2の光束
LBとの干渉像の或る位置での強度Iをプロットする。
【0025】この図4(b)において、第1の光束LA
が位相シフタを通過して第2の光束LBがマスクブラン
クを通過している部分(図3(b)の領域25に相当す
る部分)の強度Iの変化を曲線IAで示し、第1の光束
LAがマスクブランクを通過して第2の光束LBが位相
シフタを通過している部分の強度Iの変化を曲線IBで
示し、第1の光束LA及び第2の光束LBが共にマスク
ブランクを通過した部分の強度Iの変化を曲線IGで示
す。このように光学楔15を操作して光路長の差φを連
続的又は段階的に変化させて、各領域の強度Iの変化を
調べることにより、位相シフタによる位相変化量を測定
することができる。
【0026】なお、上述実施例では光学楔15を用いて
2つの光束の間の光路長差を変化させているが、その代
わりに例えばバビネ−ソレイユの補償板を用いても2つ
の光束の間の光路長差を変えることができる。この場合
には、図1の光学楔15及び光路長補償板16を取り除
いた状態で偏光ビームスプリッター面18とアナライザ
19との間にバビネ−ソレイユの補償板を配置する。ま
た、偏光ビームスプリッター面11及び18をビームス
プリッター面とし、アナライザー19を取り除いても原
理的にフォトマスク検査装置として機能させることがで
きるが、光量が半減するため上述の実施例の如く構成す
ることが好ましい。
【0027】次に、図5及び図6を参照して本発明の他
の実施例につき説明する。図5において、図1に対応す
る部分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。
図5は本実施例の要部の正面図であり、この図5におい
て、被検マスク8からの光は対物レンズ10により集束
されて主プリズム32の一端に入射する。この主プリズ
ム32は、対物レンズ10側から順に、図5の紙面に平
行な断面形状が3角形のプリズムと図1の紙面に平行な
断面形状が平行4辺形のプリズムとを貼り合わせて構成
されており、その貼り合わせ面が対物レンズ10の光軸
に対して45°傾斜した偏光ビームスプリッター面31
となっている。主プリズム32に入射した光の内で、偏
光ビームスプリッター面31に対してP偏光の第1の光
束LAは、その偏光ビームスプリッター面31を透過し
た後、主プリズム32の他端の傾斜面32aで全反射し
て外部に射出される。また、主プリズム32に入射した
光の内で、その偏光ビームスプリッター面31に対して
S偏光の第2の光束LBは、その偏光ビームスプリッタ
ー面31で反射されて外部に射出される。
【0028】外部に射出された第1の光束LAは、平行
平面板34を透過した後、図1の紙面に平行な面内での
断面形状が台形型の副プリズム33の一端に入射し、第
2の光束LBはその副プリズム33の他端に入射する。
第1の光束LAは副プリズム33の一端側の傾斜面33
aで全反射された後に、副プリズム33の他端側の傾斜
面33bでも全反射されて外部に射出されて主プリズム
32の一端側に入射する。一方、第2の光束LBは第1
の光束LAと逆向きに同じ光路を経て副プリズム33の
一端側から射出された後、平行平面板34を透過して主
プリズム32の他端側に入射する。
【0029】主プリズム32の一端側に入射した第1の
光束LAは偏光ビームスプリッター面31に対してP偏
光であるため、そのまま偏光ビームスプリッター面31
を透過して外部に射出される。一方、主プリズム32の
他端側に入射した第2の光束LBはその他端側の傾斜面
32aで全反射されて偏光ビームスプリッター面31に
向かうが、第2の光束LBはS偏光であるためその偏光
ビームスプリッター面31で反射され、第2の光束LB
は第1の光束と合成されて外部に射出される。外部に射
出された2つの光束LA及びLBはアナライザ19で偏
光方向を揃えられてから光電変換素子20の受光面に入
射する。他の構成は図1と同様である。
【0030】図6は、図5の検査装置の平面図であり、
この図6に示すように、平行平面板34を図6の紙面に
垂直な状態で時計方向に角度θ(0<θ<π/2)だけ
傾ける。この場合、図6の紙面に平行で且つ平行平面板
34の外部における光束LA及びLBの光軸に垂直な方
向をY方向とすると、第1の光束LAは平行平面板34
を通過することにより、Y方向に角度θで定まる間隔δ
yだけ横ずれするのに対して、第2の光束LBは逆方向
に平行平面板34を通過することにより、Y方向に−δ
yだけ横ずれする。即ち、第1の光束LAと第2の光束
LBとはY方向で互いに逆方向に横ずれする。また、光
束LA及びLBは図6の紙面に垂直な方向には相対的に
横ずれしない。従って、図5の偏光ビームスプリッター
面31においては、第1の光束LAと第2の光束LBと
は図5の紙面に垂直な方向に相対的に横ずれした状態で
合成されて外部に射出される。
【0031】従って、光電変換素子20の受光面には、
被検マスク8のパターンを横ずれさせて重ね合わせた状
態の干渉像が形成され、この干渉像より図1の場合と同
様にして被検マスク8のパターンの欠陥等を検出するこ
とができる。
【0032】また、図5の例では、第1の光束LAと第
2の光束LBとの光路長差を変化させる機構は省略され
ているが、例えば図5において、アナライザ19及び光
電変換素子20の代わりに通常のビームスプリッターを
複数配置する。そして、このビームスプリッターで分岐
された複数の光束を所定の偏光の位相のみをそれぞれ異
った量変化させるような光学素子を通過させた後に、ア
ナライザで偏光方向を揃えることにより、両光束の光路
長差を変化させながら干渉像を観察することができる。
例えば、偏光ビームスプリッター面31を射出する各検
出光(LA,LB)を3つのビームスプリッターでそれ
ぞれ4つの光束に分割し、4分割された各光束にそれぞ
れ0,λ/4,λ/2,3λ/4の光路長差を与える光
学素子を配置すれば、4つの干渉像の各点の強度から各
点におけるマスクの位相差を求めることができる。
【0033】なお、本発明は上述実施例に限定されず本
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得るこ
とは勿論である。
【0034】
【発明の効果】本発明の第1のフォトマスク検査装置に
よれば、第1及び第2の傾角可変な光学部材を傾斜させ
ることにより、フォトマスクのパターンとこのパターン
を所望の量だけ横ずれさせたパターンとの干渉像を観察
することができる。従って、そのパターン中に位相部材
の欠陥部が含まれている場合には、その位相部材と基板
との屈折率が同じでも、横ずれ量を調整するだけでその
欠陥部を容易に且つ迅速に検出することができる。ま
た、第1及び第2の傾角可変な光学部材は逆方向に傾斜
するので、第1の光束と第2の光束との光路長の差はほ
とんど変化しない。従って、常にコントラストの高い干
渉像を観察することができる。
【0035】また、第2のフォトマスク検査装置におい
ても、傾角可変な光学部材を所定量だけ傾斜させること
により、フォトマスクのパターン中に含まれている位相
部材の欠陥部を容易且つ迅速に検出することができる。
更に、分割された2個の光束が同一の光路長の光路を通
るので、光束の伝播部材の屈折率が温度変化により変化
しても、更には機械的な誤差又は振動が存在しても、2
個の光束の間に光路長差が生じないので、常にコントラ
ストの高い干渉像を観察できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるフォトマスク検査装置の一実施例
を示す構成図である。
【図2】図1の検査装置の干渉計の部分を示す構成図で
ある。
【図3】(a)は位相部材が形成された被検マスクを示
す断面図、(b)はその被検マスクを通過した第1の光
束の波面を示す線図、(c)はその被検マスクを通過し
た第2の光束の波面を示す線図、(d)は第1の光束と
第2の光束との干渉像の強度分布を示す波形図である。
【図4】(a)は光路長差φを変化させた場合の干渉像
の強度Iの変化の一例を示す線図、(b)は光路長差φ
を変化させた場合の干渉像の強度Iの変化の他の例を示
す線図である。
【図5】本発明の他の実施例の要部の構成を示す正面図
である。
【図6】図5の平行平面板34の作用の説明に供する平
面図である。
【符号の説明】
7 コンデンサレンズ 8 被検マスク 10 対物レンズ 11 偏向ビームスプリッター面 12 第1のプリズム 13 第1の平行平面板 14 第2の平行平面板 15 光学楔 16 光路長補償板 17 第2のプリズム 18 偏向ビームスプリッター面 19 アナライザ 20 光電変換素子 31 偏向ビームスプリッター面 32 主プリズム 33 副プリズム 34 平行平面板
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/027

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象のフォトマスクを照明する照明
    光学系と、 前記フォトマスクからの光を偏光状態に応じて第1の光
    束と第2の光束とに分離する光束分離手段と、 該分離された第1の光束の光路長と前記分離された第2
    の光束の光路長とがほぼ等しくなる位置に配置され、前
    記第1の光束と前記第2の光束とを合成する光束合成手
    段と、 該合成後の光束の強度分布を観察する観察手段と、 前記第1の光束の光路中に配置され前記第1の光束を一
    方向に横ずれさせる第1の傾角可変な光学部材と、 前記第2の光束の光路中に配置され前記第2の光束を前
    記一方向と逆の方向に横ずれさせる第2の傾角可変な光
    学部材とを有する事を特徴とするフォトマスク検査装
    置。
  2. 【請求項2】 検査対象のフォトマスクを照明する照明
    光学系と、 該フォトマスクからの光を偏光状態に応じて第1の光束
    と第2の光束とに分離する光束分離手段と、 該分離後の第1の光束を偏向させて第1の閉じた光路を
    経て前記光束分離手段に導くと共に、前記分離後の第2
    の光束を偏向させて前記第1の閉じた光路と合致する第
    2の閉じた光路を経て前記光束分離手段に導く光束偏向
    手段と、 該光束偏向手段により偏向された前記第1の光束と前記
    第2の光束とを前記光束分離手段を介して合成してなる
    光の強度分布を観察する観察手段と、 前記第1及び第2の閉じた光路内に配置され、前記第1
    の閉じた光路と前記第2の閉じた光路との横ずれを生ぜ
    しめる傾角可変な光学部材とを有する事を特徴とするフ
    ォトマスク検査装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH08110266A (ja) * 1994-10-07 1996-04-30 Nec Corp 位相差測定方法および装置
WO2020022252A1 (en) * 2018-07-25 2020-01-30 Nikon Corporation Shearing interferometry measurement device for microscopy

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