JPH0894444A - 位相差測定装置及び方法 - Google Patents

位相差測定装置及び方法

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JPH0894444A
JPH0894444A JP22658794A JP22658794A JPH0894444A JP H0894444 A JPH0894444 A JP H0894444A JP 22658794 A JP22658794 A JP 22658794A JP 22658794 A JP22658794 A JP 22658794A JP H0894444 A JPH0894444 A JP H0894444A
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light
phase
interference
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JP22658794A
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Junichi Kitagawa
純一 北川
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 種々レチクル上の位相差量を簡便にかつ広い
応用範囲で測定可能な装置、高精度な方法を提供する。 【構成】 偏光面を回転制御できる偏光子3を用いる。
該偏光回転手段で与えられる直線偏光面を有した光束a
が複屈折プリズムの結合素子5とコンデンサレンズ6を
通過後レチクル7に照射される場合、2光束b,cの分
離量はパターンに応じて透明部9と隣合う位相領域10
の基準位置間隔の距離の2倍程度から1/4程度が望ま
しい。分離量を上記距離より小さくしても観測面上の干
渉像で所望の2光束干渉コントラストが得られ、かつ2
光束は回転する偏光子3で透明部と位相領域の透過率比
に合わせて異なる光強度に可変できる。補償板13で位
相差をn段階調整し、この時干渉強度を調整量に応じn
段階取り込み、検出干渉強度と位相差調整量をデータに
位相シフト干渉法の演算処理で位相差を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体製造のリ
ソグラフィ工程において使用される被投影原版として利
用されるフォトマスク(レチクル)の検査に用いること
ができる位相差測定装置及び方法に関し、特に、パター
ン内に位相領域をもつレチクルの位相差量を測定する場
合、種々のレチクルに対応できかつその位相領域の位相
差量測定に適用可能な、改良された装置と高精度な位相
差量測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の高集積化に伴い、その半導
体自身を製作する技術も微細化が望まれている。縮小露
光法が開発されて以来、その半導体の微細加工に関する
研究が進み、近年では変形照明法、位相シフト法といっ
た像の解像を高める方法が、提案されている。ここで、
位相シフト法は、レチクル上で位相差を与える位相膜が
付加される方法であるが、現在、この種の方法として、
パターン上に位相膜を付加するレベンソン型によるもの
と、パターン自体に位相差と濃度差を持たせるハーフト
ーン型によるものとが、同等の効果を得るものとして提
案されている。いずれの場合にも、検査ではパターンは
もちろん位相膜の位相差量を測定する必要があるが、未
だ充分な測定技術の手法は確率していない。
【0003】提案されている位相差測定法としてヘテロ
ダイン法、ノマルスキ法などを挙げることができる。ヘ
テロダイン法については、例えば『光ヘテロダイン法に
よる透過計測と反射計測及びその問題点 −位相シフト
マスク測定器を中心として− 大出孝博』(レーザ顕微
鏡研究会第11回講演会論文集 1993)(文献1)
によるものが、また、その測定例として、『差動ヘテロ
ダイン干渉法を用いた位相シフトマスクにおける位相差
直接測定 藤田浩 他』(第54回応用物理学会学術講
演会講演予稿集No2 28a−SHF−22)(文献
2)がある。ここでは、AO素子を用いて、わずかに異
なる周波数をもつ2つの光束を光軸上で横ずれさせ、レ
チクルのシフタの有る所と無い所をそれぞれ通過した透
過光がフォトダイオードでヘテロダインビート信号とし
て検出される。また、AO素子の周波数変調により上記
横ずれ量は可変できる。
【0004】ノマルスキ法では、例えば特開平4−15
1662号公報(文献3)、『紫外光によるマスク位相
・マスク像質測定 藤原剛 他』(第41回応用物理学
関係連合講演会講演予稿集No2 28p−MB−1
4)(文献4)、『Interferometer f
or phase measurements inp
hase shift masks Derek B.
Dove et al.』(SPIE vol.180
9,p128−136 1992)(文献5)などがあ
る。
【0005】かかる特開平4−151662号公報に開
示の装置、方法は、顕微鏡で用いられるノマルスキ観察
法を利用したものである。このものにおいては、光源よ
り得られる露光と同一の波長で直線偏光の光束を複屈折
プリズムとコンデンサレンズを用いて偏光成分の異なる
横ずれした2光束に分離し、レチクル上に照射する。そ
して、レチクルとパターンを結像する対物レンズ系とを
通過した2光束は、これを複屈折プリズムによって再結
合するようにし、この光路中に挿入される2光束の位相
差調整手段によってパターン像の位相膜に対応する部分
の干渉強度を測定するものである。このときレチクル上
で分離される横ずれ量は、レチクルの透明部と近傍の位
相膜部の距離に対応させる。この干渉強度によりかかる
位相差を測定できるものである。
【0006】また、藤原ら(文献4)は、光学的な配置
は特開平4−151662号公報のものと同様だが、位
相差調整手段を利用した位相シフト干渉法(ノマルスキ
プリズム移動による位相変調法)と組み合わせてシフタ
位相量を測定している。D.B.Doveら(文献5)
も、基本的な光学配置は特開平4−151662号公報
のものと同様だが、レーザ光源を用い、位相変調手段と
して電気光学効果を持つ素子(electro−opt
ic crystal)を利用した電圧変調による上記
位相シフト干渉法を実現している。ここで位相シフト干
渉法による測定の基本的な構成を初めて達成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかして、これら従来
技術のよるものは、下記のような点からみると、まだ充
分には満足のいくものとはなっておらず、種々レチクル
上の位相差量を簡便にかつ広い応用範囲で測定できる装
置の実現、より精度の良い高精度な位相差測定方法の実
現に有利に適用できる提案はなされてはいない。上記で
触れたヘテロダイン法では、前掲の大出氏の論文(文献
1)にも記載されているが、レーザのモード安定性、A
O素子のアイソレーション、受信アンプの位相特性など
に問題点を抱え、実際の装置の調整が難しく、必ずしも
簡便な測定を行えるとはいえない。また、例えばi線な
どの実際の露光波長で安定したレーザ光源が得られない
ので、別な波長によるヘテロダイン法の測定値からi線
での位相差量を推定することになってしまう。
【0008】ノマルスキ法の従来例の一つとして、前記
特開平4−151662号公報が挙げられるが、この場
合、パターン像の位相膜部の干渉強度が最小または最大
となるときの2光束の位相差調整量から望む位相差量を
読み取る。この干渉強度の最大あるいは最小となるとき
の強度変化の傾きはゆるやかで、位相差調整量の位置決
めに大きく寄与する。このため、調整量の位置決めを行
う閾値を設定することが難しく、位相差測定の精度が左
右されて高精度を確保しづらく、これを人間が行えば自
ずから個人差による測定誤差が生じやすい。
【0009】一方、藤原ら(文献4)や、D.B.Do
veら(文献5)によるノマルスキ法を利用した位相シ
フト干渉法の場合、ノマルスキプリズムによる2光束の
分離量はレチクル上の透明部と位相膜部のピッチに対応
する。比較的大きいピッチが測定対象のとき、その分離
量も、当然そのピッチに応じて設定されるため、使用ノ
マルスキプリズム自体の体積が必然的に大きくなり、簡
単に従来の顕微鏡に対応させることが難しくなる。ま
た、この程度に分離量を大きくすると、隣接した2重像
が発生し観測しにくい。
【0010】藤原ら(文献4)は、ノマルスキプリズム
移動によってこの分離と位相差調整とを同時に行ってい
るが、上述のように従来微分干渉に用いられているプリ
ズムよりも体積が大きくなり、狭い移動幅で調整を行う
ので調整量と移動量との位置決め誤差を生じやすいもの
ともなる。特に、D.B.Doveら(文献5)は、e
lectro−optic crystalを利用した
電圧変調による位相変調手段を用いており、応答が早く
静的な変調が行えるが、electro−optic
crystalは2光束の位相差調整幅が複屈折プリズ
ムのそれほど大きくはできず、レチクルへの応用範囲が
位相シフト量とelectro−optic crys
talの兼ね合いで限定されてしまう。
【0011】また、上述した各手法では、レベンソン型
のレチクルには簡便に適用できるものの、ハーフトーン
型のレチクルを測定する場合、ノマルスキ法は共通光軸
の2光束干渉計であるため、構成されるパターン上の透
明部と位相膜部の透過率差により干渉させる参照光、被
検光の光強度に極端な差異を生じる。この場合、得られ
る干渉強度のコントラストの低下が著しく、程度によっ
ては、一方の光の強度に干渉縞が埋もれてしまい、干渉
強度の観察ができないといった問題が生じ、この面での
対応性にも欠けるなど、充分ではない。
【0012】本発明は、上述のような点に鑑みてなされ
たもので、改良された位相差測定装置、及び方法を提供
しようというものである。詳しくは、種々被投影原版上
の位相差量を簡便にかつ広い応用範囲で測定できる位相
差測定装置と高精度な位相差測定方法を提供することで
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の位相差測定装置
は、透明領域の透過光に対し、位相差が生じるような位
相領域を有するパターンが形成され、透過照明によって
投影される被投影原版の前記位相領域に応じた前記位相
差を測定することが可能な装置であって、前記透過照明
と同一波長の光を供給する光源手段と、該光源手段から
の光を直線偏光に変換し、かつその直線偏光面を任意に
回転できる偏光回転手段と、前記直線偏光を異なる偏光
方向の2光束に分離する分離手段と、前記2光束を前記
被投影原版に照射するコンデンサレンズ系と、前記2光
束による前記被投影原版パターンの像を結像させる対物
レンズ系と、該対物レンズ系を通過した前記2光束を再
結合させる結合手段と、前記2光束の位相差を変化させ
る複屈折の位相差調整手段と、前記2光束による干渉像
の所定の直線偏光成分を選択的に検出する検出手段とを
備え、前記分離手段の分離角θと前記コンデンサレンズ
系の焦点距離fとで得られる分離量Δと、前記結合手段
の結合角θ’と前記対物レンズ系の焦点距離f’とによ
る積f’・θ’が、前記透明領域と隣り合う前記位相領
域の前記被投影原版上での基準位置間隔の距離Pに応じ
て、
【数2】 を満たすことを特徴とするものである。
【0014】また、前記検出手段によって得られる強度
変調信号を処理する演算処理手段を備え、前記パターン
像の干渉強度を前記位相差調整手段を用いて段階的に変
化させるようにし、位相差調整量に応じたその干渉強度
を段階的に取り込み、該干渉強度を基に、または前記位
相差調整量と該干渉強度とを基に所定の処理手段を用い
て演算をして前記位相領域の位相差を求めることを特徴
とするものである。また、2光束の光の強度を前記被投
影原版の透明領域と位相領域の透過率比に応じて設定す
るよう、前記偏光回転手段を制御することを特徴とする
ものである。
【0015】また、本発明の位相差測定方法は、透明領
域の透過光に対し、位相差が生じるような位相領域を有
するパターンが形成され、透過照明によって投影される
被投影原版の前記位相領域に応じた前記位相差を測定す
る方法であって、前記透過照明と同一波長の光を供給す
る光源手段と、該光を直線偏光に変換しかつその直線偏
光面を任意に回転できる偏光回転手段によって直線偏光
を供給し、直線偏光を異なる偏光方向の2光束に分離す
る分離手段と、該2光束を前記被投影原版に照射するコ
ンデンサレンズ系によって、前記直線偏光は前記透明領
域と隣合う前記位相領域の前記被投影原版上での基準間
隔の距離Pに応じた分離量Δに分離され、かつ互いに直
交する2光束として前記被投影原版に照射し、その2光
束透過光を対物レンズ系と結合部材を介して再結合し前
記パターンを結像させ、該パターン像の干渉強度を、2
光束の位相差を変化させる複屈折の位相差調整手段を用
いて段階的に変化させ、2光束による干渉像の所定の直
線偏光成分を選択的に検出する検出手段によって得られ
る強度変調信号を処理する演算処理手段を用いて、その
位相差調整量に応じた干渉強度を段階的に該演算処理手
段に取り込み、該位相差調整量と該干渉強度とを基に所
定の処理手段を用いて演算をして前記位相領域の位相差
を求めるようにすることを特徴とするものである。
【0016】
【作用】本発明においては、透明領域の透過光に対し、
位相差が生じるような位相領域を有するパターンが形成
され、透過照明によって投影される被投影原版(レチク
ル)を対象とし、前記光源手段、偏光回転手段、分離手
段、及びコンデンサレンズ系や、対物レンズ系、結合手
段、位相差調整手段、検出手段を備えて、そのレチクル
の位相領域に応じた位相差の測定をする。かかる位相差
の測定において、レチクルへの光束の照射にあたって
は、光源手段からの光を直線偏光に変換しかつ該直線偏
光面を任意に回転できる偏光回転手段が用いられ、分離
手段及びコンデンサレンズ系により2光束に分離されて
照射される。分離手段及びコンデンサレンズ系は、好適
例では複屈折プリズムとコンデンサレンズである。偏光
回転手段で与えられる直線偏光面を有した光束が複屈折
プリズムとコンデンサレンズを通過後レチクルに照射さ
れる場合、レチクル上で形成される2光束の分離量Δ
は、パターンに応じて、透明領域と隣合う位相領域の基
準位置間隔の距離Pの2倍程度から1/4程度が望まし
く、観測面で十分干渉像の明暗の変化を読み取れる量も
しくは少なくとも透明領域と位相領域に跨がるような量
であればよい。レチクルを透過後は、対物レンズ系と結
合手段、好適例は複屈折プリズムにより2光束は再結合
され、対物レンズ系による結像面に干渉像を生成し、観
測面では2光束の位相差に従って位相領域の分離量相当
分の像コントラストに明暗を生じる。複屈折の位相差調
整手段は、好適例では補償板であり、これを用いてかか
る2光束の位相差を調整すると、この像コントラストが
変化し、レチクル上の位相領域で所望の位相差を検出す
ることができる。
【0017】ここで、Pをいわゆるレチクル上のパター
ンの1周期と考えると、このパターンの周期Pと分離量
Δの関係はすなわち所望の干渉像のサンプリングに相当
する。透明領域と位相領域のそれぞれの位相情報を持つ
2光束は、2Pより大きい分離量を持つと互いの情報を
干渉させても意味の無い所まで離れてしまい、P/4未
満では干渉像に現れる分離量相当の領域が小さく必要な
コントラストを観測しにくい。つまり、Δが2Pより大
きいと必要サンプリングとならず、P/4未満であると
十分なコントラストが得られないサンプリングとなって
しまう。よって、必要なサンプリングと十分なコントラ
ストを得るためには、PとΔの関係が前記条件(1)を
満足することが必要となる。Δが条件(1)を満たす
と、2光束分離量との間で当該関係を充足する範囲のパ
ターンのレチクルであれば、Pの小さいものから大きい
ものまで対応し得、そのレチクルを測定対象として、ま
たその分離手段及びコンデンサレンズ系や対物レンズ系
及び結合手段を適用レチクルのパターンPに対し固定し
ても、必要なサンプリングと十分なコントラストを得る
ことのできる状態で装置を使用し、位相領域の位相差の
測定を実施可能である。よって、2光束の分離量Δが、
適用レチクル上での透明領域と隣合う位相領域の基準位
置間隔の距離より小さい関係でも、観測面上の干渉像で
透明領域と位相領域を通過する所望の2光束干渉コント
ラストが得られ、種々レチクルの位相差測定に容易に応
えられるようになる。好ましくは、この場合、検出手段
によって得られる強度変調信号を処理する演算処理手段
を備えて、被投射原版のパターン像の干渉強度を位相差
調整手段を用いて段階的に変化させるようにし、位相差
調整量に応じたその干渉強度を段階的に取り込み、該位
相差調整量と該干渉強度とを基に所定の処理手段を用い
て演算をして前記位相領域の位相差を求める構成と組み
合わせて実施でき、より効果的なものとなる。
【0018】また、前記被投影原版の位相領域に応じた
位相差の測定方法として、前記光源手段と前記偏光回転
手段によって直線偏光を供給し、前記分離手段と前記コ
ンデンサレンズ系によって前記直線偏光は前記透明領域
と隣合う位相領域の被投影原版上での基準間隔の距離P
に応じた分離量Δに分離され、かつ互いに直交する2光
束として前記被投影原版に照射し、前記2光束透過光を
対物レンズ系と結合部材を介して再結合し前記パターン
を結像させるようにするとともに、該パターン像の干渉
強度を前記複屈折の位相差調整手段を用いて段階的に変
化させる一方で、その位相差調整量に応じた干渉強度を
段階的に前記演算処理手段に取り込み、該位相差調整量
と該干渉強度とを基に所定の処理手段を用いて演算し、
その位相領域の位相差を求めることができる。好適例に
おいては、再結合された2光束は互いに直交する偏光成
分をもつため補償板を用いて位相差をn段階調整し検光
子を通して干渉像を変化させ、このとき連続的あるいは
断続的に検出する干渉強度を調整量に応じてn段階取り
込み、その検出した干渉強度と位相差調整量をデータに
位相シフト干渉法の演算処理を用いて位相差を求めるこ
とができる。
【0019】また、ここで、2光束の光の強度を測定対
象の被投影原版の透明領域と位相領域の透過率比に応じ
て設定するように偏光回転手段を制御すると、被投影原
版上に配置された透明領域と近傍の位相領域との基準間
隔の距離に応じて所定の関係を持ち分離された2光束の
光の強度は、偏光回転手段で与えられる偏光面によって
相対的に可変でき、被投影原版上の透明領域と位相領域
の透過率比に応じて設定され、強度の異なる2光束の一
方が透明領域、もう一方が位相領域を通過することにな
り、従って、被投影原版通過後の2光束には同一の強度
を持ちかつ両者には位相領域による位相差を生じさせる
ことができ、再結合された干渉像では理想的な2光束干
渉によるコントラストが得られる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は、本発明の一実施例の構成を示す。本実施例
では、レチクル7を測定の対象とする。このレチクル7
は、半導体製造のリソグラフィ工程において透過照明に
よって投影される被投影原版として利用されるものであ
る。この構成は、透明領域と位相領域とを有し、具体的
には、SiO2 基板7にエッチングを施し段差により透
明部9と位相部10とを生じさせ、それぞれを透明領域
と位相領域としたものである。
【0021】そのような被投影原版であるレチクル7の
その位相領域に応じた上記の位相差を測定する場合にお
いて、装置構成として、本実施例装置は、例えばランプ
のような放射型の光源1、バンドパスフィルタ2、及び
偏光面の回転を可変にコントロールできる偏光子3を備
える。更に、該装置は、これらの要素のほか、結晶素子
5、コンデンサレンズ6、対物レンズ11、結晶素子1
2、補償板13、検光子14、及び光電変換器15(検
出器)のそれぞれを、図示の如くにこの順で整列、配置
して備えるとともに、偏光子3の偏光面の回転の用にも
供するコントロールユニット4を備え、上記のレチクル
7の一枚を上記コンデンサレンズ6と対物レンズ11と
の間にセットして使用する。
【0022】本装置の上記光源1及びフィルタ2は、上
記のようなレチクル7が、リソグラフィ工程において使
用される被投影原版として利用される場合においてその
投影に用いる透過照明と同一波長の光を供給する光源手
段を構成する。このような光源手段からの光を直線偏光
に変換しかつ該直線偏光面を任意に回転できる偏光回転
手段は、本例では、前記回転する偏光子3を含んで構成
される。
【0023】偏光子3とレチクル7間に位置する結晶素
子5並びにコンデンサレンズ6は、直線偏光を異なる偏
光方向の2光束に分離する分離手段(好ましくは、例え
ば、複屈折性のプリズム)、及び該2光束をレチクル7
に照射するコンデンサレンズ系を構成する。偏光子3を
通過して得られることとなる光束aは、結晶素子5にお
いて、光束b,cの2光束に分離し、コンデンサレンズ
6を通過する。光束b,cはレチクル7の透明部9、位
相部10をそれぞれ通過し、光束b′,c′となる。こ
こで、偏光子3を回転させることにより、光束b,cの
光強度を相対的に変化させることができる(偏光可変手
段)。また、この偏光可変手段による光束b,cの光強
度の相対的な変化は、そのまま光束b′,c′の光強度
の相対的な変化にも影響を及ぼす。ここで、レチクル7
の透明部9の透過率と位相部10の透過率とが異なる場
合、光束b′,c′の光強度は、偏光可変手段による光
束b,cの光強度の相対的変化とレチクル7の透明部9
と位相部10の透過率とからの影響を受けることとな
る。したがって、好ましくは、光束b,cをレチクル7
の透明部9と位相部10の透過率比に合わせて異なる光
強度をもつ光束とするとより良い。
【0024】この場合、透過率比入力装置(検出器)8
をこの用途に好適に用いることができる。これを有する
構成の場合、該手段8を介してその比をコントロールユ
ニット4に入力し偏光子13を回転する。
【0025】もっとも、これは、本発明に従う位相差測
定では、必ずしも必須の要素ではなく、本発明に従う他
の手法、方法でも、実質的に同様のことは実現可能であ
り、その手段に関する他の好ましい例は、後記で更に述
べられる。
【0026】また、本実施例において、2光束に分離す
る分離手段の分離角(ここでは、該手段で用いる上記結
晶素子5のくさび角)をθ、コンデンサレンズ系での焦
点距離(ここでは上記コンデンサレンズ6の焦点距離)
をfとし、また、2光束の再結合のための後述の結合手
段の結合角をθ’、対物レンズ系の焦点距離をf’とす
る。コンデンサレンズ系、対物レンズ系は、レチクル7
上の光束bと光束cとの分離量Δがそれぞれの積に等し
く(Δ=fθ=f’θ’)なるように構成される。透明
部と隣合う位相領域の適用レチクル上での基準位置間隔
の距離Pに応じて、
【数3】 を満たす。
【0027】使用レチクル7は、前記の如く透明部9の
透過光に対し、位相差が生じるような位相領域10を有
するパターンが形成されている。レチクル7上で形成さ
れる2光束b,cの分離量Δは、条件(1)のごとく、
パターンに応じて透明部9と隣合う位相領域10の基準
位置間隔の距離Pの2倍程度から1/4程度が望まし
い。観測面で十分干渉像の明暗の変化を読み取れる量、
もしくは少なくとも透明部9と位相領域10に跨がるよ
うな量であればよい。
【0028】上記のようにしてレチクル7を通過後に得
られる2光束b′,c′は、同程度の光強度のもので、
かつ両者には位相領域10による位相差を生じさせられ
たものとなっており、図1図示の如くこれが対物レンズ
11以降の系へ与えられる構成となっている。
【0029】対物レンズ11以降の系におけるその対物
レンズ11、結晶素子12、補償板13、検光子14等
は、かかる2光束による被投影原版パターンの像を結像
させる対物レンズ系、該対物レンズ系を通過した2光束
を再結合させる結合手段(好ましくは、例えば複屈折性
のプリズム)、2光束の位相差を変化させる複屈折の位
相差調整手段、及び2光束による干渉像の所定の直線偏
光成分を選択的に検出する検出手段を構成する。
【0030】ここに、干渉像を電気信号の出力に変換
し、検出する受光手段としての光電変換器15は、例え
ばCCD素子を用いることができるが、後述のように、
そのほか、撮像管などのエリアセンサ、PSD(ポジシ
ョンセンサダイオード)、フォトマルのような光電子倍
増管、ラインセンサ等も適用の対象とできる。受光面に
結像が行われるこの光電変換器15(受光素子)は、対
物レンズ11の像面位置に配置され、コントロールユニ
ット4と接続される。
【0031】補償板13による位相差の調整は、コント
ロールユニット4によって行われるが、本実施例では、
コントロールユニット4は、かかる機能のほか、既に述
べた偏光子3に対するその回転をも行うものとして設け
てあるとともに、更には、その制御対象となるその補償
板13、検光子14、干渉像を検出する光電変換器1
5、及びコントロールユニット4のかかる系に関し、本
発明に従い前記偏光回転手段等を用いる構成と組合せて
有利に実施できる位相差測定方法を導入する。
【0032】これは、より高精度な位相差量測定を実現
しようとするものであって、光電変換器15の受光面に
2光束の位相差に応じた干渉像を得る場合においてコン
トロールユニット4を介した補償板13に対するコント
ロールでその干渉強度を段階的に変化させるようにする
ことを基本とするものである。
【0033】図2,3に本実施例で得られる干渉像の例
を示す。図2は、図1のレチクル7まわりの詳細の模試
的説明図であるが、ここでは、レチクル7は、前述のエ
ッチングを施された段差を持つSiO2 基板であり、透
明部9と位相部10の厚みによって位相差が生じること
になる。ここで、Pを1周期(いわゆる繰り返しパター
ンのレチクルの周期)と考えると、Pは、図中に示すよ
うなものとして表すことができる。図2のレチクル7
は、一定ピッチの繰り返しパターンのものとして示して
あり、隣り合う凸状の位相領域10部分の中心と凹状の
透明部9部分の中心との間の距離はPとなり、また、図
示の如くにその位相領域10部分の一端側と透明部9部
分の他端側との間の距離が2Pとなる。図2において
は、Δ=0.5Pとなる場合のレチクル7と光束b,c
の関係を例として示している。光軸上でわずかに所定量
横ずらしした2光束を得、これら横ずらしした2光束が
レチクル7の測定対象の位相領域10と透明部9の部分
に照射され、使用するレチクルの光軸に対して垂直な面
内での位相領域10が矩形状を呈する角形凸部のもので
あれば、その実際の観察像は、図3(a)のように、ず
れた像になってみえることになる。
【0034】ここで、そのような2光束への分離に際
し、光束がそれぞれ透明部9と位相領域10を通過する
と透明部9と位相領域10の位相情報を持つが、透明部
9と位相領域10のそれぞれの位相情報を持つ2光束
は、2Pより大きい分離量を持つと互いの情報を干渉さ
せても意味の無い所まで離れてしまい、測定対象となる
位相差が、隣り合う透明部9と位相領域10のものでは
なくなる。つまり、2P以下の関係の範囲なら、図2の
関係より、隣り合う位相領域10と透明部9に跨がる状
態をもたらすことができ、位相差測定にあたり、2Pの
範囲をいっぱいいっぱいに利用して測ることができるの
は明白である。一方、P/4未満では干渉像に現れる分
離量相当分の領域が小さく、必要十分なコントラストが
得られない。
【0035】図3に(a)Δ<P,(b)Δ≒P,
(c)Δ≪Pの場合をそれぞれ示す。ここで、かかる干
渉像は、図示(a),(b)のように、例えばα部分が
明るく、β部分が暗く、γ部分は両者の中間の強度の状
態のものとして得られるが、補償板13を用いて位相差
調整を行うと、調整に伴いそのα,βの領域部分のコン
トラストが相対的に変化する。一方、そのとき、像の重
なっているγ部分は、ほとんど明るさの変わらない領域
部分となる。こうして、分離量ΔがPとの関係で小さく
ても、位相差調整でコントラストの変化する部分(α,
β領域部分)を生ずる干渉像を得ることができる。しか
るに、ΔがPとの関係で余りに小さいと、例えば(c)
の如く、位相差調整によっても強度の変化を示さないγ
部分(2つの像の重なり範囲)が大きく、他方、両側の
強度変化領域であるα,β領域部分が小さい状態の干渉
像となり、結果、必要なコントラストの変化をデータと
して観測しにくいものとなる。例えば、極端にα,β領
域部分が小さく、干渉強度の変化領域を持つ干渉像であ
っても、受光する光電変換器15がその変化をデータと
して検出できなければ、それに基づき位相差測定を行う
のは実用上不能となる。適切な関係は、上記のようなず
れた2重像の干渉像となるΔ<Pの場合は、ΔはPとの
関係がほぼP/4を上回る程度の関係が望ましく、P/
4以上であるとよい。
【0036】よって、PとΔの関係が前述した条件
(1)を満足することが必要となるのである。従って、
これを満たすと、光軸上で横ずらしした2光束b,cの
分離量Δをレチクル7上での透明部9と隣合う位相領域
10の基準位置間隔の距離Pより小さくしても、即ち、
Pとの間の関係でPに対し、たとえ図2のようにΔ(=
0.5P)が小さい場合でも、所望の明暗の変化を十分
観測すること可能で、観測面上の干渉像で透明部9と位
相領域10を通過する所望の2光束干渉コントラストを
得ることができる。
【0037】こうして、光束aは分離量Δをもって偏光
方向の異なる2光束b,cに分離されることとなるが、
このとき、分離された異なる偏光方向の2光束b,c
は、偏光子3を回転させることによって両者の光強度も
相対的に可変することができる。そこで、レチクル7上
の透明部9と位相領域10の透過率が異なるような場
合、本実施例のように、透明部9と位相領域10の透過
率比α:βを検出器(透過率比入力装置)8によって検
出するかもしくは予めαとβを測定しておいてその比を
コントロールユニット4に入力し、偏光子3を回転して
光束b,cの光強度がβ:αの比で生成されてレチクル
7に照射されるようにする。上述より、透明部9と位相
領域10の透過率が異なるような場合であっても、その
レチクル7通過後光束b′,c′の光強度は、同等とな
る。ここでまた、上記透過比率入力に基づき上記偏向子
3の回転を行うのに代えて、偏光子3の回転は、光電変
換器15で観測しながら回転させ、観測面上で透明部9
と位相領域10とが同等の明るさを持つようにしても、
上述と同様な作用になることはいうまでもない(本発明
は、偏光回転手段を制御する手段に関しては、このよう
な方式で実現することもできる)。
【0038】かくして、図示例では、多種多様なレチク
ルにおいても、レチクル7通過後の2光束b′,c′に
は、同一の強度を持たせ、かつ両者には位相領域10に
よる位相差が生じさせることができ、再結合されて得ら
れることとなる干渉像において理想的な2光束干渉によ
るコントラストを得るのに効果的であり、それらレチク
ルの位相差測定に対応できるようになる。
【0039】本実施例装置のノマルスキプリズム等の結
晶素子5(楔角θ)とコンデンサレンズ6(焦点距離
f)の光学系は、測定試料のレチクルの変更等によら
ず、固定のまま(Δ=一定)で使用できることにもな
る。例えば、所定ピッチの繰り返しパターンでPが或る
値の試料#1のレチクルと、Pが大きくてその#1レチ
クルの2倍のパターンの試料#2のレチクルと、Pが更
に大きく、#1レチクルに比し3倍のパターンの試料#
3のレチクルといったように、3種の測定対象レチクル
がある場合、位相差測定装置を、顕微鏡を使った測定光
学系のものを主体として構成しようというとき、その対
物レンズやコンデンサ等の大きさ(従って、焦点距離)
が所要のものに決められているとすると、上記のように
分離量Δ(=f・θ)を変えていく場合は、楔角θの方
を変えるよう使用プリズムを交換なければならない。つ
まり、比較的大きいピッチのものが測定対象の場合、例
えば上記3倍のPのパターンの#3レチクルを対象に測
定をしたいというとき、それに対応したノマルスキプリ
ズムは楔角θが3倍も大きくてその体積の大きいものと
なり、結果、顕微鏡装置構成に対応させにくいものとな
る。
【0040】一方、本装置では、そのような取り替えは
せず、上記例の#1〜#3レチクルのいずれもが測定対
象でも、ノマルスキプリズム等の結晶素子5、コンデン
サレンズ6の光学系はそのままの状態で使用し測定を実
施することができる。従って、f・θは変わらず一定で
あり、結果、分離量Δ(=f・θ)と、各#1,#2,
#3のレチクルのパターンにおけるそれぞれのPとの関
係では、上記f・θが例えば#1レチクルのそのPとの
間でf・θ=Pであるとすると、それぞれ次のようにな
る。 #1レチクルの場合;分離量Δ(=f・θ)は、その
Pとイコールの関係、即ちΔ=P #2レチクルの場合;分離量Δ(=f・θ)は、その
Pと関係では、実質的にはΔは小で、1/2P相当
(0.5P相当) #3レチクルの場合;分離量Δ(=f・θ)は、その
Pと関係では、実質的にはΔは更に小で、1/3P相当
(ほぼ0.33P相当) つまり、これらのPとΔの関係は、前記条件(1)を満
たす範囲にあり、本装置のノマルスキプリズム等の結晶
素子5、コンデンサレンズ6による分離量Δ=f・θは
固定でも、レチクルのパターンのピッチPの変化に対
し、対応することができる。なお、上記は、同一レチク
ル上でも、ピッチの異なる部分との関係では、同様のこ
とがいえる。また、当然ながら、上記試料#1のレチク
ルに比しピッチが小さくて、その半分程度のものが測定
対象のレチクル(#4)なら、分離量Δ(=f・θ)
は、そのレチクル(#4)のPと関係では、2P相当の
ものとなり、かかる範囲で条件(1)を満足する。
【0041】よって、本実施例は、楔角θのその結晶素
子5も変えずに同じにしたままで(従って、使用プリズ
ムが大きなものとなることもなく)、Pの小さいものか
ら大きいものまで対応できる。必要なサンプリングと十
分なコントラストを確保し得、ΔがPより小さくても
(上記のように、1/2P、1/3P、或いは1/4
P、2P相当になっても)、観測面上の干渉像で透明部
9と位相領域10を通過する所望の2光束干渉コントラ
ストが得られ、位相差測定にあたり、明暗の変化を十分
観測できる。この点でも、レチクルのパターン構成にか
かわらず対応でき、その位相領域10の位相差量測定の
対応性を高めるものとなり、上記は、以下に述べる、補
償板13、検光子14、光電変換器15、及び演算処理
部を組み込んだコントロールユニット4による測定方式
と組み合わせることにより、より効果的なものとなる。
【0042】さて、同一の強度をもち、かつ位相領域1
0による位相差を生じているレチクル7通過後の2光束
b′,c′は、本例では、以降の系で対物レンズ11と
複屈折プリズムからなる結晶素子12により再結合さ
れ、対物レンズ系による結像面に干渉像を生成する。こ
の場合において、基本的には、観測面では2光束の位相
差に従って位相領域10の分離量相当分の像にコントラ
ストの明暗を生じることから、補償板13を用いて2光
束の位相差を調整し、この像コントラストを変化させ、
レチクル7上の位相領域10で所望の位相差を検出する
ことができるが、先に触れた本発明方法に従う手法を適
用し、位相差をn段階、段階的に調整し検光子14を通
して干渉像を変化させるよう補償板13を制御して干渉
強度を段階的に変え、かかる過程で得られる干渉強度デ
ータ、位相差調整量データから位相領域10の位相差を
求める方法で測定を行うものとする。これによるとき
は、位相差を求めるのにあたって、干渉強度が最大また
は最小となるようにと、補償板13による2光束の位相
差調整をするといった制約は伴わない。
【0043】具体的には、次のようになる。レチクル7
通過後の光束b′,c′は、対物レンズ11を経て、ノ
マルスキプリズム、ウォラストンプリズムなどの複屈折
性の結晶素子12で再結合する。ここに、対物レンズ1
1と結晶素子12によって得られる2光束の結合量は、
前記コンデンサレンズ6と結晶素子5によって分離され
るΔと同一となる関係で設定される。即ち、対物レンズ
11、結晶素子12は、その焦点距離f’、結合角θ’
に関し、f’・θ’=f・θ(=Δ)となるように(条
件(1))、使用対物レンズ11、結晶素子12を選定
されてある。これら対物レンズ11、結晶素子12も、
前記コンデンサレンズ6と結晶素子5の場合と同様、交
換する必要はない。
【0044】かくして、再結合された光束dは、異なる
偏光方向の2光束b′,c′に位相差を与える補償板1
3と光束b′,c′の偏光方向に対して偏光方向が45
°の角度をなす検光子14を通過し、対物レンズ11の
像面に配置された光電変換器24の受光面に結像する。
ここで、透明部(透過部)9と位相領域10によって光
束b′,c′に位相差を生じているので検光子14で同
一平面内の振動方向をもつ成分を検出すると、受光面上
では光束b′,c′の位相差に応じた干渉像を得ること
ができ、コントロールユニット4を介して補償板13を
制御してその干渉強度を変化させることも可能となる。
ここに、位相領域10による位相差を測定するにあた
り、下記に示す方法では、干渉強度を段階的に変化させ
るよう、その補償板13の制御を行うことで、これを実
施する。
【0045】次に示されるものは、本発明方法の一例で
あって、干渉強度を変化させて位相差を測定する方法に
ついての内容、事項であり、以下、これを説明する。干
渉強度を可変させ被検物体の位相形状を測定する方法は
位相シフト干渉法として『応用光学 光計測入門』谷田
貝豊彦著(丸善(株))P131〜135(文献6)に
詳しい。
【0046】本発明では、顕微鏡における微分干渉法の
論理が適用でき、像平面のx−y座標を考え、レチクル
に生じる位相差をφ(x,y) 、補償板13によって変調さ
れる位相差をδi とすると、2光束干渉の干渉強度I
(x,y) は、
【数4】 Ii(x,y)=I0 [1+γcos(φ(x,y) +δi )] ・・・1 と表せる。
【0047】ここで、測定点(x,y)において、例え
ば、上記δi につき位相変調範囲を0から2πまで等間
隔にn段階(δi =2πi/n,i=0,1,・・・,
n−1)変化させ、それに伴い得られる干渉強度I
i(x,y)を測定すると、所望のφ(x ,y) が、次式に基づ
き、
【数5】 と算出できる。そして、特に、例えばn=4の場合を考
えれば、このn=4の時は、即ちδiを0、π/2、
π、及び3π/2というように4段階で変化させたとす
るときは、φ(x,y) は、
【数6】 とできる。即ち、位相差φ(x,y) の算出は、これも段階
的な変化を示すこととなったその測定干渉強度値に基づ
き、上記に従い、最低でも4回の強度測定で物体面上で
の位相差を測定できることになる。
【0048】図1のコントロールユニット4には、この
ため、例えば上記式2に従う演算(特に、n=4の4段
階に設定した場合は、演算式3による演算)を実行する
処理部を組み込む。かかる手段を組み込んだ場合のコン
トロールユニット4は、補償板13による位相差調整に
際し、干渉強度を段階的に変化させるようその補償板1
3の制御をする一方で、それに合わせて、干渉像を検出
する光電変換器15の出力に基づき干渉強度の情報を段
階的に処理部に取り込む。この場合、演算に必要な干渉
強度のデータは、例えばn=4であれば、上述のδi
0,π/2,π,3π/2の時点におけるそれぞれに各
対応する4種の干渉強度I0 〜I3 である。ゆえに、そ
れぞれ該当する時点で、逐次、検出をして取り込むよう
にしてよいし、あるいは、例えば連続的に検出される干
渉強度からタイミングを合わせて該当する時点での対応
干渉強度I0 ,I1 ,I2 ,I3 を取り込むようにして
もよく、いずれも場合もその4種の干渉強度情報を演算
処理に備えてメモリに格納することができる。
【0049】かくしてコントロールユニット4は、こう
して得られる干渉強度データI0 〜I3 を使用し、その
演算処理部での例えば上記式3の演算に適用し、及び位
相差算出を実行することで、位相領域10の位相差を求
めることができる。上記式2に従う演算による場合は、
上述の位相変調範囲についてのその段階数nの設定いか
んでは、検出に係る干渉強度データ(強度変調信号(式
1)情報)Ii(x,y)のほか、式2中のsinδi 項、c
oδi 項の値も、その演算に適用されるが、この場合で
あっても、それら検出干渉強度Ii(x,y)は、補償板13
による位相差調整の過程で最大あるいは最小を示す状態
のものである必要はない。
【0050】干渉させる2光束は補償板13によってそ
の位相差を正確に変調させることが可能で、変調量に応
じた干渉強度を測定することによって所望の位相差を高
精度に求めることのできる本実施例は、図1の装置構成
でも十分に効果的な位相差測定を達成することができ、
特にn=4のときは、より一層簡便なものとなり、より
効果的である。ここで、レチクル7上に配置された透明
部9と近傍の位相領域10との基準間隔の距離に応じて
所定の関係を持ち分離された2光束の光の強度が、回転
する偏光子3で与えられる偏光面によって相対的に可変
でき、レチクル7上の透明部9と位相領域10の透過率
比に応じて設定され、既述の如く、強度の異なる2光束
の一方が透明部9、もう一方が位相領域10を通過し、
従って、レチクル7通過後の2光束には同一の強度を持
ちかつ両者には位相領域10による位相差を生じさせる
ことができて再結合された干渉像では理想的な2光束干
渉によるコントラストが得られるようにしてあるとき
は、より良いものとして実施できる。
【0051】図3は、先にも触れたが、2光束の分離量
Δと、レチクル7の透明部9と隣合う位相領域10の基
準間隔の距離Pとの関係から考察した干渉像の様子を示
すものであるところ、これを用いて、本測定方法での測
定位置などの設定等について更に補足的に述べると、次
のようである。同図(a)が前記図2での説明で触れた
ようにΔ=0.5Pの場合、即ち分離量ΔがPより小さ
い場合の、また同(b)がΔ=Pの場合の、本実施例装
置での位相領域10の干渉像を示す。(a)では、その
像面上での干渉像部分の横ズラシ方向に沿った、α部、
γ部、β部の干渉強度分布の様子も併せて示してある。
【0052】図から分かるように、(a)では位相領域
10が2重像になって観測されるが、上述の方法によっ
て、装置の補償板13を調整したとき、γ部は視野全体
のコントラスト変化δi に対応して変化し、α部及びβ
部は例えば図のように位相差φ(x,y) +δi (前記式
1)に応じて相対的な強度で変化する。この両側の部分
が、強度変化領域で、補償板13による位相差調整のと
きの測定対象領域である。なお、データ測定点は、基本
的に、そのα,βのどちらを対象としてもよく、かつま
た、当該領域全体あるいはその領域内の一部の面部分
(いずれも、その面積部分を座標指定すればよい)で
も、あるいはまた、その領域内なら例えば点部分(この
ときは、該当点を座標指定する)でもよい。つまり、α
β像部分のコントラストは単に位相の進み方の正負によ
り相対的に変化していることになる。このため、一つの
位相領域に対し、本測定方式でデータとして取り扱いた
い情報、即ち、上記Ii(x,y)データであるが、これにつ
き、2つの測定位置を確保することができる。よって、
一回の測定で得られる、2つの位相領域の位相差φ
(x1,y1) (α,βの一方を対象として前記式2または式
3に従い演算で算出して得た位相差φ(x,y) ),φ
(x2,y2) (α,βの他方を対象として前記式2または式
3に従い演算で算出して得た位相差φ(x,y) )を平均化
して所望の位相差を推定(算術平均)するようにするこ
ともできる。これは、目的とする位相領域についての測
定を複数回行うことで誤差を少なくし、信頼性のある値
を得て、より精度を上げたい場合にも有効である。勿
論、前述のように、左右どちらかの位置のみを用いて測
定してもよく、観測する干渉像においてこの測定位置の
強度変化領域(αβ部分)を充分確保できればよい(条
件式)。これら一連の演算処理は、前述の如く、補償
板13、光電変換器15と連結するコントロールユニッ
ト4を用いて行うことが可能である。なお、上記で述べ
た測定位置などの設定等については、(b)の場合でも
同様であり、そのαβの像領域のいずれか一方または両
方を対象に、面もしくは点検出でデータ取り込みを行え
ばよく、また、Δ>Pの関係では、αβ像位置は(b)
の場合から離れた状態のものとなるが、この場合でも、
そのαβの像領域のいずれか一方または両方を対象に、
面もしくは点検出でデータ取り込みを行えばよいことは
同じであり、以後の演算処理は前述した通りでよい。本
発明は、このような方式で実施してもよい。
【0053】また、上記測定方法に従うと、干渉像を検
出する光電変換器15について、CCD、撮像管などの
エリアセンサだけでなく、強度変化を検出できればよい
ものともなる。例えば、1点をとるなら点検出できるよ
うPSD(ポジションセンサダイオード)、フォトマル
のような光電子倍増管でも、測定位置を合わせれば検出
可能である。また、ラインセンサの場合でも、図3
(a)の横ズラシ方向に検出器のラインを合わせれば
(ラインセンサでの検出ライン設定例)、上述の1点検
出、2点検出の両者の態様で実施が可能である。
【0054】次に、本発明の他の実施例(第2実施例)
について説明する。図4は、本実施例の構成を示し、図
示のように、図1における光源1に代えてレーザ光源1
Aを用いるようにする等する以外は、前記第1実施例と
ほぼ同構成である。
【0055】以下、要部を説明する。本実施例において
は、レーザ光源1Aから射出される光束(a)は、十分
細い単波長の直線偏光とし、これが、λ/4板16(図
示例では、前記第1実施例でのバンドパスフィルタに代
えて該λ/4板が光路中に配置してある)によって円偏
光に変換される。なお、ここで、使用レーザ光源につ
き、その光源1Aの波長が単色でないレーザであれば、
第1実施例と同様に、バンドパスフィルタを用いて露光
波長と同一となる波長のものを取り出すものとすること
ができる。円偏光のレーザビームとなる光束(a)は、
偏光子3に入射するが、それ以降の構成、及び作用は、
第1実施例と同様である。
【0056】図5は、図4のレチクル7まわりの詳細図
であるが、ここでは、やはり、第1実施例と同様、Si
2 にエッチングを施し段差によって透明部9と位相領
域10を設定している。また、本実施例でも、図5のよ
うに、前記第1実施例の図2におけると同義である間隔
の距離Pに対し、その2光束b,cの分離量Δが小さい
場合でも、2光束b,cが両者を跨がるようになされて
いればよい。ここで、レーザ光源を使用する本実施例に
おいて、特に考慮すべきは、2光束b,cの各々がレチ
クル7上で形成するビームスポット径であり、分離量は
最小でも2光束のスポットが重ならない程度の間隔の距
離が望ましい。というのは、図6によれば、結晶素子5
によって分離された光束b,cのレーザ光は、試料(レ
チクル7の測定対象の透明部9,及びそれに隣接の位相
領域10の部分)面上でそれぞれビームスポットを結
び、そのスポットが図6のように配置されれば、レーザ
ビームによる2光束の干渉像を十分得ることができるか
らである。よってこのとき、Δは必ずしもPと同一でな
くてもよいことはいうまでもない。
【0057】本実施例によっても、前記第1実施例と同
様の作用効果を得ることができる。第1実施例と同様
に、本実施例でも、回転がコントロールユニット4によ
り制御される偏光子3を用いて2光束b,cの相対的な
光の強度を可変でき、更には、前記図1〜図3による第
1実施例で述べたのと同様な測定方法を用いれば、次の
ような点でも、より効果的なものとすることができる。
2光束がレーザビームである本例の態様では、測定する
ビームスポットの輝度が高いため、その干渉コントラス
トも高く、コントロールユニット4内の処理部で実行さ
れる既述の演算式2,3に従う位相差φ(x,y) 値の算出
に適用されることとなる干渉強度値Ii(x,y)につき、精
度のよいデータを得ることができる。この場合、その測
定対象となる干渉強度について、それが最大を示す値あ
るいは最小を示す値の状態のものとして検出しなければ
ならないといったような制約も、勿論ない。更にまた、
レーザビームによる2光束b,cは、レチクル7を通過
後、結晶素子12で再結合されるので、光電変換器(検
出器)15の検出エリアは、受光面上で生成する干渉ビ
ーム径に応じていればよい。よって、検出光路以外で観
察光路を設けることもでき、これにより、光束b,cの
ビームスポットとレチクルの位置合わせも容易にするこ
とができる。
【0058】また、本実施例でも、従来の既述の如き諸
問題を解消し得ることはいうまでもない。前述のヘテロ
ダイン法の場合、既述のように、レーザのモード安定
法、AO素子のアイソレーション、受信アンプの位相特
性などに問題を抱え、装置の調整が難しく、簡便な測定
は実現しにくく、かつまた、例えばi線などの実際の露
光波長で安定したレーザ光源が得られないこと等から、
別の波長によるヘテロダイン法の測定値からi線での位
相差量を推定することとなるのに対し、本発明に従え
ば、かような不利、不便も回避できる。また、前記文献
3のように干渉強度が最小または最大となるときの2光
束の位相差調整量から位相差を読み取って求めるような
場合は、その干渉強度の最大あるいは最小となるときの
強度変化の傾きはゆるやかで、それゆえ位相差調整量の
位置決めが大きく左右されるが、前述のように、干渉強
度につきそれを最大あるいは最小の状態にするといった
ような制約もない。よって、その従来方法によったとし
たなら位相差調整量の位置決めを行う閾値の設定などに
困難を伴い、測定誤差も生じやすいというような、そう
した問題も有利に解決できる。
【0059】また、前記文献4,5のものの場合は、既
に述べた通り、比較的大きいピッチが測定対象のときノ
マルスキプリズム自体の体積が必然的に大きくなって簡
単に顕微鏡に対応させることが難しくなるとともに、観
測もしにくくなり、更には、ノマルスキプリズム移動に
よってその2光束分離と位相差調整とを同時に行うとき
は、微分干渉に用いられるプリズムより体積が大きくな
り、狭い移動幅で調整を行うのでその調整量とその移動
量との位置決め誤差を生じやすく、更にまた、elec
tro−optic crystalを利用する電圧変
調による位相変調手段を用いるときは、2光束の位相差
調整幅が複屈折プリズムのそれほど大きくはできず、レ
チクルへの応用範囲が位相シフト量と電気光学効果をも
つ素子(electro−optic crysta
l)の兼ね合いで限定されてしまうなどするの対し、本
発明に従えば、それらの不利、不便もない。
【0060】また、本発明装置、及び方法は、ハーフト
ーン型のレチクルの測定においても、同様の作用効果を
もって、実施できる。既述した如く、従来手法のもので
は、ハーフトーン型のレチクルを測定する場合、構成さ
れるパターン上の透明部と位相膜部の透過率差により干
渉させる参照光、被検光の光強度に極端な差異を生じ
て、得られる干渉強度のコントラストの低下が著しく、
程度によっては一方の光の強度に干渉縞が埋もれてしま
い干渉強度の観察ができないといった問題があるが、こ
のような問題も解消し得て、本発明に従うものは、パタ
ーン上で位相差を生じさせる位相シフト法において、種
々レチクル上の位相差量を簡便にかつ広い応用範囲で測
定できる装置、方法となる。
【0061】なお、本発明は、以上説明してきた例に限
定されるものでない。また、装置の具体的な構成も、図
示のものに限られるものでもない。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、透明領域の透過光に対
し、位相差が生じるような位相領域を有するパターンが
形成され、透過照明によって投影される被投影原版の位
相領域に応じた位相差を測定する場合に、種々被投影原
版上の位相差量を簡便にかつ広い応用範囲で測定でき、
精度を確保し得て、高精度な位相差測定ができる。透明
領域と位相領域を有するレチクルなどの位相差量測定に
おいて、光軸上で横ずらしした2光束の分離量を被投影
原版上での透明領域と隣合う位相領域の基準位置間隔の
距離より小さくしても観測面上の干渉像で透明領域と位
相領域を通過する所望の2光束干渉コントラストが得ら
れ、また、分離し被投影原版へ照射されることとのなる
異なる偏光成分を持つ2光束は偏光回転手段を用いるこ
とにより被投影原版の透明領域と位相領域の透過率比に
合わせて異なる光強度に可変できる。また、適用被投影
原版がたとえ繰り返しパターンのピッチの小さいもので
も大きいものでも、2光束分離量等との間で条件(1)
を満たす範囲のものであれば、それを測定対象として、
また、2光束の分離や再結合の光学系を変えないで使用
し測定を実施できる。従って、多種多様な位相シフト法
のレチクルの位相差測定に対応できるようになる。ま
た、干渉させる2光束は位相差調整手段によってその位
相差を正確に変調させることが可能であり、変調量に応
じた干渉強度を測定することによって所望の位相差を高
精度に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す図である。
【図2】同例での説明に供する、そのレチクルまわりの
詳細図である。
【図3】同じく、位相領域の干渉像の説明に供する図で
ある。
【図4】本発明の他の実施例の構成を示す図である。
【図5】同例におけるレチクルまわりの詳細図である。
【図6】同例での分離された光束によるビームスポット
の配置の一例の説明に供する図である。
【符号の説明】
1 光源 1A レーザ光源 2 バンドパスフィルタ(干渉フィルタ) 3 偏光子 4 コントロールユニット 5 結晶素子 6 コンデンサレンズ 7 レチクル(フォトマスク) 8 透過率比入力装置(検出器) 9 透明部(透明領域) 10 位相領域 11 対物レンズ 12 結晶素子 13 補償板 14 検光子 15 光電変換器(検出器) 16 λ/4板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明領域の透過光に対し、位相差が生じ
    るような位相領域を有するパターンが形成され、透過照
    明によって投影される被投影原版の前記位相領域に応じ
    た前記位相差を測定することが可能な装置であって、 前記透過照明と同一波長の光を供給する光源手段と、 該光源手段からの光を直線偏光に変換し、かつその直線
    偏光面を任意に回転できる偏光回転手段と、 前記直線偏光を異なる偏光方向の2光束に分離する分離
    手段と、 前記2光束を前記被投影原版に照射するコンデンサレン
    ズ系と、 前記2光束による前記被投影原版パターンの像を結像さ
    せる対物レンズ系と、 該対物レンズ系を通過した前記2光束を再結合させる結
    合手段と、 前記2光束の位相差を変化させる複屈折の位相差調整手
    段と、 前記2光束による干渉像の所定の直線偏光成分を選択的
    に検出する検出手段とを備え、 前記分離手段の分離角θと前記コンデンサレンズ系の焦
    点距離fとで得られる分離量Δと、前記結合手段の結合
    角θ’と前記対物レンズ系の焦点距離f’とによる積
    f’・θ’が、 前記透明領域と隣り合う前記位相領域の前記被投影原版
    上での基準位置間隔の距離Pに応じて、 【数1】 を満たす位相差測定装置。
  2. 【請求項2】 前記検出手段によって得られる強度変調
    信号を処理する演算処理手段を備え、 前記パターン像の干渉強度を前記位相差調整手段を用い
    て段階的に変化させるようにし、位相差調整量に応じた
    その干渉強度を段階的に取り込み、該位相差調整量と該
    干渉強度とを基に所定の処理手段を用いて演算をして前
    記位相領域の位相差を求めることを特徴とする請求項1
    記載の位相差測定装置。
  3. 【請求項3】 2光束の光の強度を前記被投影原版の透
    明領域と位相領域の透過率比に応じて設定するよう、前
    記偏光回転手段を制御することを特徴とする請求項1、
    または請求項2記載の位相差測定装置。
  4. 【請求項4】 透明領域の透過光に対し、位相差が生じ
    るような位相領域を有するパターンが形成され、透過照
    明によって投影される被投影原版の前記位相領域に応じ
    た前記位相差を測定する方法であって、 前記透過照明と同一波長の光を供給する光源手段と、該
    光を直線偏光に変換しかつその直線偏光面を任意に回転
    できる偏光回転手段によって直線偏光を供給し、 直線偏光を異なる偏光方向の2光束に分離する分離手段
    と、該2光束を前記被投影原版に照射するコンデンサレ
    ンズ系によって、前記直線偏光は前記透明領域と隣合う
    前記位相領域の前記被投影原版上での基準間隔の距離P
    に応じた分離量Δに分離され、 かつ互いに直交する2光束として前記被投影原版に照射
    し、 その2光束透過光を対物レンズ系と結合部材を介して再
    結合し前記パターンを結像させ、 該パターン像の干渉強度を、2光束の位相差を変化させ
    る複屈折の位相差調整手段を用いて段階的に変化させ、 2光束による干渉像の所定の直線偏光成分を選択的に検
    出する検出手段によって得られる強度変調信号を処理す
    る演算処理手段を用いて、その位相差調整量に応じた干
    渉強度を段階的に該演算処理手段に取り込み、 該位相差調整量と該干渉強度とを基に所定の処理手段を
    用いて演算をして前記位相領域の位相差を求めるように
    することを特徴とする位相差測定方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6081335A (en) * 1997-06-25 2000-06-27 Nec Corporation Phase difference measuring device with visible light source for providing easy alignment of optical axes and method therefor
US6348966B1 (en) 1997-12-02 2002-02-19 Nec Corporation Measuring method of liquid crystal pretilt angle and measuring equipment of liquid crystal pretilt angle
US6665059B2 (en) 2000-02-14 2003-12-16 Fuji Electric Co., Ltd. Method of measuring an inner stress state of disk substrate
US7486403B2 (en) 2006-07-20 2009-02-03 Canon Kabushiki Kaisha Droplet shape measuring method and apparatus

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