JPH05203404A - 位置決め装置 - Google Patents

位置決め装置

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JPH05203404A
JPH05203404A JP4010216A JP1021692A JPH05203404A JP H05203404 A JPH05203404 A JP H05203404A JP 4010216 A JP4010216 A JP 4010216A JP 1021692 A JP1021692 A JP 1021692A JP H05203404 A JPH05203404 A JP H05203404A
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positioning device
housing
scanning
probe head
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和夫 横山
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 二次元方向に走査駆動可能なX−Y走査機構
と、二次元方向に対して垂直方向に走査駆動可能なZ走
査機構を備え、試料台がZ走査機構の移動部に固定さ
れ、プローブを有するプローブヘッドのハウジングが、
板バネを介して位置決め装置の筐体に固定され、且つ3
個の点接触脚を介してX−Y走査機構の移動部に形設さ
れた当接用平面に当接していることにより、機構全体の
共振周波数が高く設定され、高い防振効果と安定なプロ
−ブ走査を実現する。 【構成】 プローブ9を有するプローブヘッド12のハ
ウジング10は3点接触脚を構成する3つ鋼球11が設
けられ、X−Y走査機構の移動部に設けられた当接用平
面18に当接すると共に、薄板バネ13を介して固定台
36に固定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査トンネル顕微鏡、
原子間力顕微鏡などの走査プロ−ブ顕微鏡又はその応用
装置などに使用される試料の位置決め装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、物質表面の構造を原子オーダの分
解能で観察できる装置として、走査トンネル顕微鏡(S
TM)が開発されている。
【0003】以下、走査トンネル顕微鏡の測定原理につ
いて説明する。測定対象となる試料表面に、極めて鋭く
て尖らせた金属製針からなるプローブを10オングスト
ローム程度の距離に接近させて、試料とプローブの間に
10mV〜2Vのバイアス電圧を加えると数nAのトン
ネル電流が流れる。トンネル電流は試料とプローブの間
の距離に極めて敏感であるため、帰還制御を用いること
により、この距離を一定に保つことができる。
【0004】一方、プローブは、XYZ軸の3軸方向に
微動可能なピエゾ素子で構成されたアクチュエータに取
りつけてあり、試料とプローブをXY方向に相対移動さ
せてラスタースキャンを行うと、Z方向の帰還制御によ
り試料とプローブの間の距離が一定に保たれると共に、
Z方向の位置制御に印加された電圧の変化がそのまま試
料表面の凹凸を表すことになる。
【0005】このような走査トンネル顕微鏡の技術は、
原子間力顕微鏡(AFM)、近接視野光学顕微鏡(NF
OM)などの観察装置、更に原子、分子操作を可能とす
る超微細加工機などの周辺技術を生み出しつつある。こ
れらの技術において、プローブと試料との間を原子オー
ダの距離に維持しながら試料表面を走査する手段を備え
ていることが共通しており、観察装置を含めて、これら
を近接視野顕微鏡(NFM)又は走査プローブ顕微鏡
(SPM)と総称している。
【0006】プローブと試料との間を原子オーダの距離
に維持しながら走査するためには、この距離の変動に影
響を与える機械振動をまず徹底して除去する必要があ
り、本発明の位置決め装置についてもまず第一にこの観
点からの考慮が要請される。
【0007】また、半導体素子の解析、超格子量子効果
デバイスの解析などに走査トンネル顕微鏡を活用する場
合には、試料の特定箇所を捜し当てるための位置決め機
構が必要である。更に、走査トンネル顕微鏡技術を用い
た微細加工機には、XY位置座標を高精度に制御できる
位置決め装置が必要である。
【0008】大気中で使用するタイプの走査トンネル顕
微鏡用の簡易な位置決め機能の一例として、特定の位置
決め装置を設けず、単に試料と走査プロ−ブを斜め方向
から光学顕微鏡により観察しながら、走査プロ−ブを取
りつけたプローブヘッドを手動で動かすものがあった。
【0009】更に、真空中で使用するタイプの走査トン
ネル顕微鏡用の位置決め装置の一例として、試料と走査
プロ−ブを斜め方向から走査電子顕微鏡(SEM)によ
り観察しながら、尺取り虫式駆動装置により試料を位置
決めするものがあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
走査トンネル顕微鏡において、試料や走査プロ−ブのX
Y位置座標を絶対位置決めする機能がいかに高精度であ
っても、機械的振動を徹底して除去できない限り、正確
なXY位置決めをするには不十分であるという課題があ
った。
【0011】また、走査プロ−ブを試料から原子オーダ
の距離に離して走査する際に、この距離の変動に影響す
る機械振動を徹底して除去する必要があり、従来の位置
決め装置では、振動抑制と正確なXY位置決めの両方を
満足させることが困難であった。
【0012】本発明は、前記課題を解決するため、走査
プロ−ブの走査時の機械的安定性が高く、超高精度にX
Y位置座標の絶対位置決めが可能な、走査プロ−ブ顕微
鏡又はその応用装置に適用可能な位置決め装置を提供す
るものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の位置決め装置は、二次元方向に走査駆動可
能なX−Y走査機構と、二次元方向に対して垂直方向に
走査駆動可能なZ走査機構がX−Y走査機構の移動部に
設けられた位置決め装置であって、試料台がZ走査機構
の移動部に固定されると共に、プローブを有するプロー
ブヘッドのハウジングが、板バネを介して位置決め装置
の筐体に固定され、且つ3個の点接触脚を介してX−Y
走査機構の移動部に形設された当接用平面に当接してい
ることを特徴とする。
【0014】また、本発明の位置決め装置は、二次元方
向に走査駆動可能なX−Y走査機構と、二次元方向に対
して垂直方向に走査駆動可能なZ走査機構を備えた位置
決め装置であって、試料台がZ走査機構の移動部に固定
されると共に、プローブを有するプローブヘッドのハウ
ジングが、板バネを介してX−Y走査機構の移動部に固
定され、且つ3個の点接触脚を介して位置決め装置の筐
体に形設された当接用平面に当接していることを特徴と
する。
【0015】前記構成において、板バネの形状が、プロ
ーブヘッドの中心軸に対して軸対称に形成されているこ
とが好ましい。また、前記構成において、板バネに、振
動減衰用材料が貼着されていることが好ましい。
【0016】
【作用】前記した第1の構成によれば、プローブを有す
るプローブヘッドのハウジングが、板バネを介して位置
決め装置の筐体に固定され、且つ3個の点接触脚を介し
てX−Y走査機構の移動部に形設された当接用平面に当
接していることより、プロ−ブと試料の間の距離変動に
影響を与える振動抑制の対策として、機構全体の共振周
波数を極めて高く設定することができるため、十分に安
定なプロ−ブ走査を実現することができる。
【0017】更に、プローブヘッドのハウジングが、X
−Y走査機構の移動部に形設された当接用平面に対し
て、板バネにより付勢されて当接していることにより、
ハウジング全体を安定化させるための3個の点接触脚を
疎外することが無くなり、更に静止時にはX−Y方向の
動きに対して高い剛性でプローブヘッドを固定できる。
そのため、X−Y走査機構に絶対位置決め機構を採用し
た場合、駆動伝達系のバックラッシュ等の変位誤差が少
なくなり、試料とプロ−ブの相対位置を容易且つ高精度
に位置決めすることが可能となる。
【0018】また、本発明の位置決め装置を構成するX
−Y走査機構は、機械的な位置決め装置として一般に使
用されるXY駆動テーブルを基本構造としてそのまま利
用できるため、本発明の位置決め装置が適用される各種
走査トンネル顕微鏡の設計や製造が容易となり、製品の
低価格化や小形化を図ることができる。
【0019】また、前記した第2の構成によれば、プロ
ーブを有するプローブヘッドのハウジングが、板バネを
介してX−Y走査機構の移動部に固定され、且つ3個の
点接触脚を介して位置決め装置の筐体に形設された当接
用平面に当接していることにより、前述と同様に、プロ
−ブと試料の間の距離変動に影響を与える振動抑制の対
策として、機構全体の共振周波数を極めて高く設定する
ことができるため、十分に安定なプロ−ブ走査を実現す
ることができる。
【0020】更に、プローブヘッドのハウジングが、位
置決め装置の筐体に形設された当接用平面に対して、板
バネにより付勢されて当接していることにより、ハウジ
ング全体を安定化させるための3個の点接触脚を疎外す
ることが無くなり、更に静止時にはX−Y方向の動きに
対して高い剛性でプローブヘッドを固定できる。そのた
め、X−Y走査機構に絶対位置決め機構を採用した場
合、駆動伝達系のバックラッシュ等の変位誤差が少なく
なり、試料とプロ−ブの相対位置を容易且つ高精度に位
置決めすることが可能となる。
【0021】また、前述した第1の構成では、二次元方
向に試料の粗動又は微動を行うためのX−Y走査機構
と、垂直方向に試料の微動を行うためのZ走査機構とが
一体化しているのに対して、第2の構成によれば、該X
−Y走査機構と該Z走査機構がお互いに独立して位置決
め装置の筐体に固定されているため、全体の機構がより
簡略化され、位置決め装置の製造や組立てが容易にな
る。
【0022】また、第1又は第2の構成において、板バ
ネの形状が、プローブヘッドの中心軸に対して軸対称に
形成されていることにより、位置決め装置を構成する部
材の熱膨張等に起因する熱ドリフトが発生する場合で
も、板バネの中心付近は熱膨脹の影響が相殺して、プロ
ーブヘッドのXY方向への変位量を最小限に抑えること
ができる。
【0023】また、第1又は第2の構成において、板バ
ネに振動減衰用材料が貼着されていることにより、板バ
ネ自身の共振によるXY方向の位置変動を最小限に抑え
ることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。図1は、本発明の位置決め装置の一
実施例を示す部分破断斜視図であり、図2は、その中央
断面図である。また、図3は、プローブヘッド付近の部
分平面図である。なお、本実施例は、原子間力顕微鏡/
走査トンネル顕微鏡複合型顕微鏡(AFM/STM)及
びこれらの原理を利用した微細表面加工装置用の位置決
め装置の例であるが、他の各種走査トンネル顕微鏡にも
適用可能である。
【0025】基台14の上には、Y軸駆動ユニット(Y
軸駆動テーブル)2が取り付けられており、更にこのY
軸駆動ユニット2の上にX軸駆動ユニット(X軸駆動テ
−ブル)1を取り付けることにより、全体としてX−Y
走査機構(XYテーブル)を構成している。
【0026】更に、X−Y走査機構の移動部に相当する
上部部材20には、Z軸粗動用駆動装置並びにXY走査
及びZ軸微動のためのスキャナーを介して試料台19が
固定される。具体的には、円柱状の可動軸5及び円筒状
の固定軸6よりなる尺取り虫型駆動装置(インチワーム
駆動装置)7及び円筒型スキャナー8を介して試料台1
9が取り付けられる。試料台19の上には、例えばSi
ウェハやGaAsウェハの切片などの試料4が固定され
る。なお、尺取り虫型駆動装置7及び円筒型スキャナー
8は、ピエゾ素子であるPZT圧電体(ジルコン酸チタ
ン酸鉛圧電体)を使った市販品を使用することができ
る。
【0027】X軸駆動ユニット1は、上部部材20と下
部部材21とから構成され、上部部材20には直線状に
形成され且つ断面V字状の溝を有するレール22を有
し、下部部材21も同様の断面V字状の溝を有するレー
ル23を有し、このレール22と23の間に鋼球24が
挿入されており、上部部材20と下部部材21とがお互
いに平行にX軸方向に滑動することができる。下部部材
21は、後述するY軸駆動ユニット2の上部部材25に
固定されている。
【0028】Y軸駆動ユニット2も同様に、上部部材2
5と下部部材26とから構成され、上部部材25は断面
V字状の溝を有するレール27を備え、下部部材26も
同様の断面V字状の溝を有するレール28を備え、この
レール27と28の間に鋼球29が挿入されており、上
部部材25と下部部材26とがお互いに平行にY軸方向
に滑動することができる。ここで、各駆動ユニット1、
2を駆動するためのステッピングモータ、インチワーム
モータ等の駆動源や、ボールねじ等の駆動伝達機構は公
知の方法を採用することができるため、図面上での図示
及び説明を省略する。
【0029】本実施例におけるプローブヘッドは、試料
とプローブとの間に働く原子間力、及び試料とプローブ
との間に流れるトンネル電流を検知するため次のような
検知手段を採用している。
【0030】原子間力を検知する場合は、プローブ9を
取り付けた微小なカンチレバー33が、プローブ9と試
料4との間に働く力を受けて撓むため、このカンチレバ
ー33の撓みを光学てこ方式の検出機構を用いることに
より、原子間力を検知することができる。即ち、プロー
ブヘッド12のハウジング10に固定された半導体レー
ザ光源30からの光線が、集光レンズ31により絞ら
れ、プローブ9が固定されたカンチレバー33に照射さ
れる。なお、カンチレバー33は固定用板32を介して
ハウジング10に取り付けられている。カンチレバー3
3で反射した光線は反射ミラー34で反射され、2分割
光検出器35で受光される。原子間力の作用によりカン
チレバー33が撓むと、2分割光検出器35の2つの出
力にアンバランスが生じ、例えばお互いに減算してカン
チレバー33の撓み量に換算することにより、原子間力
の大きさを検知することができる。
【0031】一方、トンネル電流を検知する場合は、導
体又は半導体等の試料4と、カンチレバー33の先にと
りつけた導体製のプローブ9との間にバイアス電圧を印
加し、且つ試料4とプローブ9との間の距離を接近させ
ることにより、トンネル電流が発生し、これを検知す
る。
【0032】次に、プローブヘッド12について説明す
る。プローブヘッド12のハウジング10は、その外形
が略円筒形状の軸対称構造であり、更にハウジング10
の脚部には3個の鋼球11を設けることにより3点の点
接触脚を形設している。
【0033】X−Y走査機構の移動部に相当する上部部
材20には、前述した試料台19の他に、プローブヘッ
ド12の3点の点接触脚が載置されるための当接用平面
を有する穴付き円板18が取り付けられる。プローブヘ
ッド12は、3点の点接触脚部を介して穴付き円板18
の当接用平面に当接して載置される。
【0034】更に、プローブヘッド12のハウジング1
0が、当接用平面に対して平行に配置した板バネ13に
より、位置決め装置の筐体である固定台36に連結され
て、板バネ13は固定用板16を介してネジ17により
固定台36に固定される。
【0035】このようにプローブヘッド12は、板バネ
13により固定台36に固定されることにより、XY方
向の運動が拘束されている。従って、X−Y走査機構を
駆動することにより、前述した当接用平面を滑動面とし
て、ハウジング10とX−Y走査機構の移動部の間の相
対的な位置決めを行うことが可能となり、この移動部に
取り付けられた試料台19との間の位置決めを行うこと
ができる。
【0036】なお、穴付き円板18の当接用平面として
は、石英製のオプチカルフラットが好ましい。また、板
バネ13としては、ステンレス製又は低熱膨張率のイン
バー(Fe−36%Ni)製の厚さ0.05〜0.3m
mの板材が好ましく、できるだけ軸対対称となるように
配置することが特に好ましい。なお、試料4の交換の際
は、ネジ17を外して板バネ13ごとプローブヘッド1
2を取り外すことにより可能となる。
【0037】以上説明したように、本発明を構成する3
点接触と板バネの組合せによる運動体(プローブヘッド
12)の拘束手段は、次のように走査プロ−ブ顕微鏡又
はその応用装置には好都合に作用する。即ち、プローブ
ヘッド13を全く拘束しない場合にはXYZの3方向の
並進運動及びXYZ軸回りの回転運動の合計6自由度が
存在するが、試料4とプローブヘッド13の相対位置を
3点接触により規制すると、試料平面のXY方向とZ軸
回りの回転運動の3つの自由度が残り、残りの運動は拘
束される。
【0038】一方、平板状の板バネは、平面に垂直な方
向には容易に撓むが、その平板面内の方向には極めて高
い剛性を持っている。そこで、このような性質を利用し
て、残りの自由度を拘束する手段として用いることによ
り、安定な3点接触を疎外することなく、プローブヘッ
ド13の全自由度を拘束することができる。
【0039】その結果、試料4の走査点に近接した3カ
所で、プローブヘッド13を機械的に結合できるため、
プローブヘッド13を高い共振周波数に設定することが
でき、試料4の表面の原子オ−ダの凹凸を安定に走査す
る機構にとって極めて高い防振効果を得ることができ
る。
【0040】一般に、原子オ−ダのZ軸制御を実現する
には、測定対象となる直径約1オングストロームの原子
に対して、0.01オングストローム以下の機械振動に
抑制する必要があり、例えば、プローブヘッドをXY駆
動ユニットを介して基台に取り付ける構成では、梁構造
による剛性の低下及びXY駆動ユニットの剛性の影響な
ど、装置構成全体のうち剛性の低い部材の影響により、
共振周波数の低下を招くため、高い防振効果を得ること
は難しい。
【0041】これに対して本発明の構成によれば、プロ
ーブヘッドを高い共振周波数に構成することにより、装
置系の共振周波数を高く設定できる。更に、走査プロー
ブ顕微鏡などの装置は一般に空気バネ等の防振装置の上
に設置されており、防振装置により高い共振周波数が遮
断されるため、装置系の共振周波数を高めることによ
り、これらの相乗効果により、高い防振性能を得ること
ができる。
【0042】図4は、本発明の位置決め装置の他の実施
例を示す部分破断斜視図であり、図5は、その中央断面
図である。本実施例の全体構成及び機能は、図1及び図
2に示したものと同様であるが、プローブヘッド12の
ハウジング10が薄板バネ13を介してX−Y走査機構
の移動部に固定されると共に、試料台が固定されるZ走
査機構がX−Y走査機構に対して独立に設置されている
点が相違する。
【0043】基台14の上には、Y軸駆動ユニット2及
びその上にX軸駆動ユニット1が取り付けられ、全体と
してX−Y走査機構を構成している。X軸駆動ユニット
1は、断面V字状の溝が形設されたレール22を備えた
上部部材20と、同様に断面V字状の溝が形設されたレ
ール23を備えた下部部材21とから構成され、このレ
ール22と23の間に鋼球24が挿入され、上部部材2
0と下部部材21とがお互いに平行にX軸方向に滑動す
る。Y軸駆動ユニット2も同様に、上部部材25と下部
部材26とがお互いに平行にY軸方向に滑動し、X軸駆
動ユニット1の下部部材21とY軸駆動ユニット2の上
部部材25同志が固定される。
【0044】一方、基台14の略中央部に、本体の筐体
と一体化した円筒状の固定台3が固定され、固定台3の
内部に円柱状の可動軸5及び円筒状の固定軸6よりなる
尺取り虫型駆動装置7及び円筒型スキャナー8を介して
試料台19が取り付けられる。
【0045】プローブヘッド12のハウジング10は、
その外形が略円筒形状の軸対称構造であり、更にハウジ
ング10の脚部には3個の鋼球11を設けることにより
3点の点接触脚を形設しており、固定台3に設けられた
穴付き円板18の当接用平面に当接して載置される。一
方、ハウジング10は、当接用平面に対して平行に配置
した板バネ13により、X軸駆動ユニット1の上部部材
20に連結されて、板バネ13は固定用板16を介して
ネジ17により上部部材20に固定される。
【0046】このようにプローブヘッド12は、板バネ
13により上部部材20に固定され、X−Y走査機構を
駆動することにより、前述した当接用平面を滑動面とし
て、試料台19とプローブヘッド12の間の相対的な位
置決めを行うことが可能となる。
【0047】このような構成を採用することにより、図
1及び図2に示したものと比較して全体の機構がより簡
略化され、位置決め装置の製造や組立てが更に容易にな
ると共に、同様な高い防振性能を得ることができる。
【0048】以上、各実施例において、板バネ13の形
状が、プローブヘッド12の中心軸に対して軸対称に形
成されていることが好ましく、位置決め装置を構成する
各部材の熱膨張等に起因する熱ドリフトが発生する場合
でも、板バネ13の中心付近は熱膨脹の影響が相殺し
て、プローブヘッド12のXY方向への変位量を最小限
に抑えることができる。
【0049】また、各実施例において、装置を構成する
各部材、特にハウジング10、固定テーブル3、XY駆
動ユニット1、2、板バネ13及び基台14は、インバ
等の低熱膨張率材料で形成することが好ましく、前述し
た板バネ13の軸対称化による効果と併せて、極めて高
い熱安定性を実現している。。
【0050】また、各実施例における位置決め装置を大
気中で使用する場合には、大気中を伝搬する音響振動等
が板バネ13に影響を与えて、若干のXY方向の振動を
引き起こすことが考えられるが、板バネ13の表面に、
例えば「バイトン」(デュポン社の登録商標)等の振動
減衰用材料を用いた約0.5mm厚さのゴムシートを貼
り合わせることにより、実用上支障のある振動を防止す
ることができる。
【0051】また、各実施例において、主に走査トンネ
ル顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)及びこ
れらを応用した加工装置に適用する位置決め装置につい
て述べたが、STMあるいはAFMから派生しつつある
各種の観察装置、加工装置の位置決め装置としても有用
である。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の位置決め
装置は、プローブヘッドのハウジングと試料の間を相対
的に走査する際に、ハウジングが板バネにより付勢され
ながら3個の点接触脚を介して当接用平面に当接してい
るため、機構全体の共振周波数を極めて高く設定するこ
とができ、高い防振効果と共に十分に安定なプロ−ブ走
査を実現することができる。
【0053】また、板バネの形状がプローブヘッドの中
心軸に対して軸対称に形成されていることにより、位置
決め装置を構成する部材の熱膨張等に起因する熱ドリフ
トを効果的に防止することができる。
【0054】また、板バネに振動減衰用材料が貼着され
ていることにより、板バネ自身の共振によるXY方向の
位置変動を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位置決め装置の一実施例を示す部分破
断斜視図である。
【図2】本発明の位置決め装置の一実施例を示す中央断
面図である。
【図3】本発明の位置決め装置の一実施例のプローブヘ
ッド付近の部分平面図である。
【図4】本発明の位置決め装置の他の実施例を示す部分
破断斜視図である。
【図5】本発明の位置決め装置の他の実施例を示す中央
断面図である。
【符号の説明】
1 X軸駆動ユニット 2 Y軸駆動ユニット 3 固定台 4 試料 5 可動軸 6 固定軸 7 尺取り虫型駆動装置 8 円筒型スキャナー 9 プローブ 10 ハウジング 11 鋼球 12 プローブヘッド 13 板バネ 14 基台 15 駆動リング 16 固定用板 17 ネジ 18 穴付き円板 19 試料台 20 上部部材 21 下部部材 22、23 レール 24、29 鋼球 25 上部部材 26 下部部材 27、28 レール 30 半導体レーザ光源 31 集光レンズ 32 固定用板 33 カンチレバー 34 反射ミラー 35 2分割光検出器 36 固定台

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次元方向に走査駆動可能なX−Y走査
    機構と、前記二次元方向に対して垂直方向に走査駆動可
    能なZ走査機構が前記X−Y走査機構の移動部に設けら
    れた位置決め装置であって、試料台が前記Z走査機構の
    移動部に固定されると共に、プローブを有するプローブ
    ヘッドのハウジングが、板バネを介して位置決め装置の
    筐体に固定され、且つ3個の点接触脚を介して前記X−
    Y走査機構の移動部に形設された当接用平面に当接して
    いることを特徴とする位置決め装置。
  2. 【請求項2】 二次元方向に走査駆動可能なX−Y走査
    機構と、前記二次元方向に対して垂直方向に走査駆動可
    能なZ走査機構を備えた位置決め装置であって、試料台
    が前記Z走査機構の移動部に固定されると共に、プロー
    ブを有するプローブヘッドのハウジングが、板バネを介
    して前記X−Y走査機構の移動部に固定され、且つ3個
    の点接触脚を介して位置決め装置の筐体に形設された当
    接用平面に当接していることを特徴とする位置決め装
    置。
  3. 【請求項3】 板バネの形状が、プローブヘッドの中心
    軸に対して軸対称に形成されている請求項1又は2に記
    載の位置決め装置。
  4. 【請求項4】 板バネに、振動減衰用材料が貼着されて
    いる請求項1又は請求項2に記載の位置決め装置。
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