JPH05202392A

JPH05202392A - 洗剤組成物

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Publication number: JPH05202392A
Application number: JP31962591A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Saito; 浩斎藤; Satoru Ishihara; 悟石原
Original assignee: Daisan Kogyo Co Ltd
Current assignee: CxS Corp
Priority date: 1991-11-08
Filing date: 1991-11-08
Publication date: 1993-08-10
Anticipated expiration: 2015-12-11
Also published as: JP3116329B2

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】洗浄効果に優れ、各種びん類の洗浄あるいは
ビール工場のタンクや配管等を含む各種食品機器類の洗
浄、さらには圧延油の付着された鉄鋼板等、油よごれの
激しい物体の洗浄等に最適な洗剤組成物の提供。【構成】水酸化アルカリ金属塩と、一般式１、２およ
び３の化合物の群から選択された一種またはそれ以上
と、アルミニウム、コバルト、鉛、すずおよび銅の群か
ら選択された金属塩とから構成される洗剤組成物。（Ｘは水素、アンモニウム、エタノールアミンまたは金
属塩；ｍは１、２または３；ｎは４または５である。）（ｎは２または３である。）ＣＨ₂ＯＨ(ＣＨＯＨ)_nＣＨ₂ＯＨ（３）（ｎは４または５である。）

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は洗浄効果の優れた洗剤組
成物に係り、特にビールびん、牛乳びん等、各種びん類
の洗浄あるいはビール工場のタンクや配管等を含む各種
食品機器類の洗浄、さらには圧延油の付着された鉄鋼板
等、油よごれの激しい物体の洗浄等に最適な洗剤組成物
に関する。

【０００２】

【従来の技術】洗浄し難い形状の被洗浄物、例えばビー
ルびん、牛乳びん等の各種びん類の洗浄、あるいはビー
ル工場のタンクや配管等を含む各種食品機器類の洗浄、
さらには油よごれの激しい物体、例えば圧延油の付着さ
れた鉄鋼板の洗浄に際しては、これら被洗浄物を洗剤溶
液中に所要時間浸漬するか、あるいは前記被洗浄物に洗
剤溶液を噴射するだけで充分に洗浄し得るような洗浄効
果の優れた洗剤を用いることが必要である。この種の洗
剤として従来、水酸化アルカリ金属塩とグルコン酸ソー
ダとの配合物からなる洗剤組成物が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする問題点】しかし、この種の洗
剤組成物を用いてもなお、洗浄効果が不充分である。例
えば、苛性ソーダ 100重量部とグルコン酸ソーダ10重量
部とからなる配合物の１％水溶液を調製し、この70℃水
溶液に汚れた被洗浄物を５分間浸漬しても汚れはほとん
ど洗浄されない。

【０００４】本発明の目的は水酸化アルカリ金属塩と前
述の一般式１、２、３に示される化合物にさらに特定の
金属塩を包含せしめることにより洗浄効果に非常に優
れ、前述の公知技術に存する欠点を改良した洗剤組成物
を提供するものである。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】前述の目的を達成する
ため、本発明によれば、水酸化アルカリ金属塩と、下記
の一般式１、２および３の化合物の群から選択された一
種またはそれ以上と、アルミニウム、コバルト、鉛、す
ずおよび銅の群から選択された金属塩とからなることを
特徴とする。一般式１

【化４】ただし、Ｘは水素、アンモニウム、エタノールアミンま
たは金属であり、ｍは１、２または３であり、ｎは４ま
たは５である。一般式２

【化５】ただし、ｎは２または３である。一般式３

【化６】ＣＨ₂ＯＨ（ＣＨＯＨ）ｎＣＨ₂ＯＨただし、
ｎは４または５である。

【０００６】

【発明の具体的説明】以下、本発明を具体的に詳述す
る。本発明に用いられる水酸化アルカリ金属塩は苛性ソ
ーダ、苛性カリ等である。

【０００７】また、一般式１

【化７】（ただし、Ｘは水素、アンモニウム、エタノールアミン
または金属であり、ｍは１、２または３であり、ｎは４
または５である。）を有する化合物はグルコン酸、グル
コヘプトン酸、またはこれらのアンモニウム塩、エタノ
ールアミン塩、またはこれらのナトリウム塩、カリウム
塩、カルシウム塩、銅塩、鉛塩、バリウム塩、アルミニ
ウム塩、すず塩、コバルト塩等の金属塩である。

【０００８】さらに、一般式２

【化８】（ただし、ｎは２または３である。）を有する化合物は
グルコン酸またはグルコヘプトン酸のラクトン化合物で
ある。

【０００９】さらに、一般式３

【化９】ＣＨ₂ＯＨ（ＣＨＯＨ）ｎＣＨ₂ＯＨ（ただ
し、ｎは４または５である。）を有する化合物はソルビ
ットまたはグルコヘプチトールである。

【００１０】さらに、本発明に用いられる金属塩は前述
のとおりアルミニウム、コバルト、鉛、すず、または銅
の水酸化物、塩化物、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩等であ
る。これらの配合量は水酸化アルカリ金属塩 100重量部
に対して0.５重量部以上であることが好ましい。

【００１１】このようにしてなる本発明洗剤組成物は金
属塩を含まない従来の前述洗剤組成物と比較して洗浄効
果が非常に優れており、汚れた各種被洗浄物、特にびん
類や油よごれのひどい鉄鋼板等の洗剤として最適なもの
である。

【００１２】

【作用】上述の本発明洗剤組成物は水酸化アルカリ金属
塩および上述の一般式１、２および３の化合物から選択
される一種または一種以上からなる配合物を主成分と
し、これに上述の特定の金属塩を配合することにより優
れた洗浄効果を奏し得るものであり、この結果、各種び
ん類等、洗浄し難い形状の被洗浄物の洗浄、あるいはビ
ール工場のタンクや配管等を含む各種食品機器類の洗
浄、さらには圧延油の付着された鉄鋼板等、油よごれの
激しい物体の洗浄に最適となるものである。

【００１３】

【発明の実施例】実施例１本発明の洗浄性能を評価する
目的でビールタンクのよごれ成分である蓚酸カルシウム
の溶解試験を行った。評価試験方法は次のようにして行
った。まず、表１に示される各供試溶液50ml中に蓚酸カ
ルシウム100mg を添加して、20℃にて10分間一定速度で
攪拌を行った後、濾紙にて濾過を行ない、残存する蓚酸
カルシウムを濾別した。残存した蓚酸カルシウムを希塩
酸50mlに加熱溶解の後、0.01Ｍ−ＥＤＴＡ標準溶液でカ
ルシウム量を測定し、蓚酸カルシウムの溶解量を算出し
た。結果を表１に示した。表１における「比率」とは、
金属塩（重量部）／水酸化ナトリウム（重量部）× 100
の数値である。表２および表３における「比率」も同様
である。

【００１４】

【表１】

【００１５】表１の結果より、水酸化ナトリウムとグル
コン酸ナトリウムとからなる溶液にアルミニウム、コバ
ルト、鉛、すず、銅からなる各塩を添加した場合、蓚酸
カルシウムの溶解性が著しく向上したことがわかる。し
かし、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、リチウムの各
塩の場合ではその添加効果はみられなかった。

【００１６】また、アルミニウム塩の場合には、酢酸ア
ルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫
酸アルミニウムの各塩の間に蓚酸カルシウムの溶解差は
認められなかった。

【００１７】実施例２本発明の洗浄性能を評価する目的
で実施例１と同様に蓚酸カルシウムの溶解試験を行っ
た。評価試験方法は表２に示される各供試溶液を用いて
実施例１と同様に行った。結果を表２に示した。

【００１８】

【表２】

【００１９】表２から明らかなように、グルコヘプトン
酸Ｎａ、グルコン酸Ｃａ（いずれも一般式１に相当す
る）、ＧＤＬ（一般式２に相当する）およびソルビット
（一般式３に相当する）のいずれを用いた例も蓚酸カル
シウム溶解量が大きい。

【００２０】実施例３添加する金属塩の量と蓚酸カルシ
ウムの溶解性について検討した。評価試験方法は表３に
示される各供試溶液を用いて実施例１と同様に行った。
結果を表３に示した。

【００２１】

【表３】

【００２２】表３の結果から明らかなように、水酸化ア
ルミニウム金属塩の添加量が増すにつれて、蓚酸カルシ
ウムの溶解性の向上がみられた。さらに、この結果から
添加する金属塩量は水酸化ナトリウム量 100重量部に対
して0.５重量部以上が好ましいものと考えられる。

【００２３】実施例４本発明の組成物について、回収さ
れた容器の洗浄性を評価した。回収されて洗浄を要する
ガラスびんの汚れを想定して、ガラス表面にどろ汚れと
して珪藻土を付着させたものを試験片とした。評価試験
は次のようにして行った。まず、表４に示す各供試溶液
中に、上記試験片を70℃で、10分間浸漬後、軽く清水中
ですすいだ。次いで、試験片の洗浄前と洗浄後について
光沢度計を用いて光沢度を測定し、珪藻土除去性を算出
した。

【００２４】また、油よごれについては、ガラス板を市
販天ぷら油の0.１％アセトン溶液中に浸漬して取りだ
し、その後24時間室温乾燥して油よごれを作成し、これ
ら各油よごれ片について前述と同様にして光沢度を測定
し、油よごれの除去性を算出した。これらの結果を表４
に示す。

【００２５】

【表４】

【００２６】表４の結果から明らかなように、グルコン
酸ナトリウム、グルコン酸のラクトン化合物あるいはヘ
プトン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムを主成分とする
アルカリ水溶液中にアルミニウムの塩を添加した場合、
10分の浸漬時間で油および珪藻土の除去性が著しく向上
することが認められた。

【００２７】実施例５本発明の組成物について、圧延油
が塗布された鉄鋼板の洗浄性を評価した。圧延処理され
た一定の大きさの未洗浄鉄鋼板を試験片とし、これらを
表５に示す本発明の各供試溶液に70℃で５分間浸漬した
後、軽く清水中ですすいだ。乾燥後、洗浄後の試験片に
残存する圧延油量をクロロホルムで抽出し、測定した。
結果を表５に示した。

【００２８】

【表５】

【００２９】表５の結果より、水酸化ナトリウムとグル
コン酸ナトリウムとよりなるアルカリ水溶液にアルミニ
ウム塩を添加することにより、圧延油の洗浄効率が著し
く向上することがわかる。

【００３０】

【発明の効果】以上のとおり、本発明は水酸化アルカリ
金属塩と上述の一般式１、２および３に示される化合物
に、さらに特定の金属塩を包含せしめることにより洗浄
効果に優れ、各種びん類の洗浄あるいはビール工場のタ
ンクや配管等を含む各種食品機器類の洗浄、さらには圧
延油の付着された鉄鋼板等、油よごれの激しい物体の洗
浄等に最適である。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】水酸化アルカリ金属塩と、下記の一般式
１、２および３の化合物の群から選択された一種または
それ以上と、アルミニウム、コバルト、鉛、すずおよび
銅の群から選択された金属塩とからなる洗剤組成物。一
般式１【化１】ただし、Ｘは水素、アンモニウム、エタノールアミンま
たは金属であり、ｍは１、２または３であり、ｎは４ま
たは５である。一般式２【化２】ただし、ｎは２または３である。一般式３【化３】ＣＨ₂ＯＨ（ＣＨＯＨ）ｎＣＨ₂ＯＨただし、
ｎは４または５である。
【請求項２】前記金属塩が水酸化アルカリ金属塩 100
重量部に対して、0.５重量部以上である請求項１に記載
の洗剤組成物。
【請求項３】前記一般式１の化合物がグルコン酸、グ
ルコヘプトン酸またはこれらのアンモニウム塩、エタノ
ールアミン塩または金属塩である請求項１に記載の洗剤
組成物。
【請求項４】前記一般式２の化合物がグルコン酸また
はグルコヘプトン酸のラクトン化合物である請求項１に
記載の洗剤組成物。
【請求項５】前記一般式３の化合物がソルビットまた
はグルコヘプチトールである請求項１に記載の洗剤組成
物。