JPH05201985A - テトラヒドロイソキノリン誘導体、その製造方法及びそれを有効成分として含有する殺菌剤 - Google Patents

テトラヒドロイソキノリン誘導体、その製造方法及びそれを有効成分として含有する殺菌剤

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JPH05201985A
JPH05201985A JP21827192A JP21827192A JPH05201985A JP H05201985 A JPH05201985 A JP H05201985A JP 21827192 A JP21827192 A JP 21827192A JP 21827192 A JP21827192 A JP 21827192A JP H05201985 A JPH05201985 A JP H05201985A
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branched
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methyl
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JP21827192A
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English (en)
Inventor
Takumi Tokunaga
巧 徳永
Teruhiko Ide
輝彦 井出
Hiroyuki Watanabe
博幸 渡辺
Kenji Tsuzuki
建治 続木
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 充分な効果を発揮し、環境及び毒性上問題が
なく、しかも耐性発現のない農園芸用殺菌剤として有用
な化合物の提供。 【構成】 式[I]で示されるテトラヒドロイソキノリ
ン誘導体およびその酸付加塩、その製造方法ならびに式
[I]の化合物および/またはその酸付加塩を有効成分
として含有する殺菌剤。 〔式中R1 はC1〜5 アルキル基、C2〜5 アルケ
ニルまたはアルキニル基を;R2 はH,C1〜10アル
キル基、C1〜10アルコキシ基等を;R3 ,R4 ,R
5 ,R6 はH,C1〜10アルキル基、C1〜10アル
コキシ基、ハロゲン原子等を表わす。但しR3 乃至R6
のすべてが同時に水素原子であることはない〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は殺菌効果を有する新規テ
トラヒドロイソキノリン誘導体、その製造方法及びそれ
を有効成分とする殺菌剤、特に作物栽培上有用な農業用
殺菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】テトラヒドロイソキノリン骨格はベンゾ
フェナントリジンアルカロイドに含まれ、抗癌作用、抗
ウイルス作用等さまざまな生理活性が知られている(例
えばJ.Am.Chem.Soc.,1983,10
5,2873;J.Org.Chem.,1978,4
3,286;J.Chem.Soc.(C),197
0,2578;EP−Aー0 025 598等)。し
かし、一般式[I]で示されるテトラヒドロイソキノリ
ン誘導体は文献未記載のものであり、それらの殺菌活性
については知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】農業生産上、作物の病
害を防除し、収量増加を図るためには、農園芸用殺菌剤
の使用は欠くことができない。現在、多くの農園芸用殺
菌剤が使用されているが、中には、その防除効果が不十
分なもの、また環境問題上、あるいは毒性問題上使用が
厳しく限定されているものが多々ある。一方、同一ある
いは同系統の薬剤を長期継続使用する事により、これら
の殺菌剤に耐性を示す植物病原菌が出現し、防除効果の
低下を引き起こすことが数種の植物病害で確認されてい
る。従って、充分な効果を発揮し、環境及び毒性上問題
がなく、しかも耐性発現のない農園芸用殺菌剤の開発が
望まれている。
【0004】従って、本発明の目的は、充分な効果を発
揮し、環境及び毒性上問題がなく、しかも耐性発現のな
い農園芸用殺菌剤として有用な新規化合物、その製造方
法及びそれを有効成分として含有する殺菌剤を提供する
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、新規なテ
トラヒドロイソキノリン誘導体が優れた殺菌活性を持つ
事を見い出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は下記一般式[I]
【化1】〔但し、式中、R1 はC1 〜C5 の直鎖または
分岐アルキル基、C2 〜C5 の直鎖または分岐アルケニ
ル基、C2 〜C5 の直鎖または分岐アルキニル基を表わ
す。R2 は水素原子、C1 〜C10の直鎖または分岐アル
キル基、C2 〜C10の直鎖または分岐アルケニル基、C
2 〜C10の直鎖または分岐アルキニル基、C1 〜C10
直鎖または分岐アルコキシ基、C2 〜C10の直鎖または
分岐アルケニルオキシ基、C2 〜C10の直鎖または分岐
アルキニルオキシ基及びC1 〜C10の直鎖または分岐ハ
ロゲン化アルキル基を表す。R3 、R4 、R5 及びR6
は、同一または互いに相異なって水素原子、C1 〜C10
の直鎖または分岐アルキル基、C2 〜C10の直鎖または
分岐アルケニル基、C2 〜C10の直鎖または分岐アルキ
ニル基、C1 〜C10の直鎖または分岐アルコキシ基、C
2 〜C10の直鎖または分岐アルケニルオキシ基、C2
10の直鎖または分岐アルキニルオキシ基及びハロゲン
原子を表わす。ただし、R3 、R4 、R5 及びR6 は、
すべてが同時に水素原子ではない。〕で示されるテトラ
ヒドロイソキノリン誘導体及びその酸付加塩(以下、本
発明化合物という。)を提供する。
【0007】また、本発明は、下記一般式[II]
【化2】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR
6 は前記と同じ意味を表わす。ただし、R3 、R4 、R
5 及びR6 は、すべてが同時に水素原子ではない。)で
示されるラクタム誘導体を水素化剤により還元すること
を特徴とする前記一般式[I]で示される本発明のテト
ラヒドロイソキノリン誘導体の製造方法を提供する。
【0008】さらに、本発明は、前記一般式[I]で示
されるテトラヒドロイソキノリン誘導体及び/又はその
酸付加塩を有効成分として含有する殺菌剤を提供する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明化合物を具体的に説明すると、前記
一般式[I]におけるR1 として、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−
ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、
ネオペンチル、tert−ペンチル等のC1 〜C5 の直
鎖または分岐アルキル基、ビニル、アリル、イソプロペ
ニル、1−プロペニル、1−メチル−1−プロペニル、
2−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペ
ニル、2−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、2−
メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、
1,1−ジメチル−2−プロペニル等のC2 〜C5 の直
鎖または分岐アルケニル基及び2−プロピニル、1−メ
チル−2−プロピニル、1,1−ジメチル−2−プロピ
ニル等のC2 〜C5 の直鎖または分岐アルキニル基を挙
げることができる。好ましくは、メチル、エチルを挙げ
ることができる。
【0011】前記一般式[I]におけるR2 としては、
水素原子;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert
−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペン
チル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、3−
エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチルブチル、
1,1,2−トリメチルプロピル、2−プロピルプロピ
ル、1−プロピルプロピル、1,1−ジメチルブチル、
1−エチル−1−メチルプロピル、1,1,2,2−テ
トラメチルプロピル、1,1,2−トリメチルブチル、
1,1−ジメチルペンチル、1,1,2,2−テトラメ
チルペンチル、1−エチル−1−メチルペンチル等のC
1 〜C10の直鎖または分岐アルキル基;ビニル、イソプ
ロペニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−エチ
ルビニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−
1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メ
チル−2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、
3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、1
−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、
3−メチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−2−ブ
テニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,1,2
−トリメチル−2−ブテニル、1,1,2−トリメチル
−3−ブテニル、1,1,2,2−テトラメチル−3−
ブテニル等のC2 〜C10の直鎖または分岐アルケニル
基;エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−
メチル−2−プロピニル、1,1−ジメチル−2−プロ
ピニル、2−ブチニル、1−メチル−2−ブチニル、
1,1−ジメチル−2−ブチニル、1,1−ジメチル−
3−ブチニル、1,1,2−トリメチル−3−ブチニ
ル、1,1,2,2−テトラメチル−3−ブチニル等の
2 〜C10の直鎖または分岐アルキニル基;メトキシ、
エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イ
ソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、
ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオ
キシ、tert−ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、イ
ソヘキシルオキシ、3−メチルペンチルオキシ、2−メ
チルペンチルオキシ、1−メチルペンチルオキシ、3−
エチルブチルオキシ、2−エチルブチルオキシ、1−エ
チルブチルオキシ、2−プロピルプロピルオキシ、1−
プロピルプロピルオキシ等のC1 〜C10の直鎖または分
岐アルコキシ基;ビニルオキシ、アリルオキシ、イソプ
ロペニルオキシ、1−プロペニルオキシ、1−メチル−
1−プロペニルオキシ、2−メチル−1−プロペニルオ
キシ、1−メチル−2−プロペニルオキシ、2−ブテニ
ルオキシ、1−メチル−2−ブテニルオキシ、2−メチ
ル−2−ブテニルオキシ、3−メチル−2−ブテニルオ
キシ、1,1−ジメチル−2−プロペニルオキシ等のC
2 〜C10の直鎖または分岐アルケニルオキシ基;エチニ
ルオキシ、1−プロピニルオキシ、2−プロピニルオキ
シ、1−メチル−2−プロピニルオキシ、1,1−ジメ
チル−2−プロピニルオキシ等のC2 〜C10の直鎖また
は分岐アルキニルオキシ基及びトリフルオロメチル等の
1 〜C10の直鎖または分岐ハロゲン化アルキルを挙げ
ることができる。好ましくは、イソプロピル、tert
−ブチル及びtert−ペンチル等のC3 〜C7 の分岐
アルキル基を挙げることができる。また、R2 の置換位
置はオルト位、メタ位及びパラ位のいずれの位置でもよ
い。
【0012】前記一般式[I]におけるR3 、R4 、R
5 及びR6 としては、同一または互いに相異なって水素
原子;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペ
ンチル、ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチ
ル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、3−エ
チルブチル、2−エチルブチル、1−エチルブチル、
1,1,2−トリメチルプロピル、2−プロピルプロピ
ル、1−プロピルプロピル、1,1−ジメチルブチル、
1−エチル−1−メチルプロピル、1,1,2,2−テ
トラメチルプロピル、1,1,2−トリメチルブチル、
1,1−ジメチルペンチル、1,1,2,2−テトラメ
チルペンチル、1−エチル−1−メチルペンチル等のC
1 〜C10の直鎖または分岐アルキル基;ビニル、イソプ
ロペニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−エチ
ルビニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−
1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メ
チル−2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、
3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、1
−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、
3−メチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−2−ブ
テニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,1,2
−トリメチル−2−ブテニル、1,1,2−トリメチル
−3−ブテニル、1,1,2,2−テトラメチル−3−
ブテニル等のC2 〜C10の直鎖または分岐アルケニル
基;エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−
メチル−2−プロピニル、1,1−ジメチル−2−プロ
ピニル、2−ブチニル、1−メチル−2−ブチニル、
1,1−ジメチル−2−ブチニル、1,1−ジメチル−
3−ブチニル、1,1,2−トリメチル−3−ブチニ
ル、1,1,2,2−テトラメチル−3−ブチニル等の
2〜C10の直鎖または分岐アルキニル基;メトキシ、
エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イ
ソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、
ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオ
キシ、tert−ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、イ
ソヘキシルオキシ、3−メチルペンチルオキシ、2−メ
チルペンチルオキシ、1−メチルペンチルオキシ、3−
エチルブチルオキシ、2−エチルブチルオキシ、1−エ
チルブチルオキシ、2−プロピルプロピルオキシ、1−
プロピルプロピルオキシ等のC1 〜C10の直鎖または分
岐アルコキシ基;ビニルオキシ、アリルオキシ、イソプ
ロペニルオキシ、1−プロペニルオキシ、1−メチル−
1−プロペニルオキシ、2−メチル−1−プロペニルオ
キシ、1−メチル−2−プロペニルオキシ、2−ブテニ
ルオキシ、1−メチル−2−ブテニルオキシ、2−メチ
ル−2−ブテニルオキシ、3−メチル−2−ブテニルオ
キシ、1,1−ジメチル−2−プロペニルオキシ等のC
2 〜C10の直鎖または分岐アルケニルオキシ基;エチニ
ルオキシ、1−プロピニルオキシ、2−プロピニルオキ
シ、1−メチル−2−プロピニルオキシ、1,1−ジメ
チル−2−プロピニルオキシ等のC2 〜C10の直鎖また
は分岐アルキニルオキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等を挙げることが
できる。ただし、R3 、R4 、R5 及びR6 は、すべて
が同時に水素原子ではない。
【0013】一般式[I]で示されるテトラヒドロイソ
キノリン誘導体の酸付加塩としては、たとえば塩酸塩、
臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩
等の無機酸塩;ギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、フマル酸
塩、アジピン酸塩、ステアリン酸塩、酒石酸塩等のカル
ボン酸塩;ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸
塩、パラトルエンスルホン酸塩の有機スルホン酸塩およ
びサッカリンのようなスルホンアミド類との塩等農業上
許容される塩を挙げることができる。
【0014】本発明化合物の製法を具体的に説明する。
【0015】本発明化合物は上記一般式[II]で示され
るラクタム誘導体を水素化剤存在下、溶媒存在下で−1
0℃ないし200℃、好ましくは0℃ないし130℃で
数分から数日間、反応することにより製造することがで
きる。
【0016】反応に用いられる好ましい水素化剤として
は水素化リチウムアルミニウム、ジボラン、水素化ホウ
素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、ナトリウム ビ
ス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム ハイドライ
ドなどが挙げられる。反応に供される水素化剤の量は、
通常一般式[II]で示されるラクタム誘導体1モル当量
に対して0.2モル当量から20モル当量である。
【0017】反応に用いられる溶媒の好ましい例として
はエチルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
ビス(2−メトキシエチル)エ−テル等のエ−テル類;
ピリジン、トリエチルアミン等の三級アミン類;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノ
−ル等のアルコ−ル類が挙げられる。
【0018】前記方法において用いられる中間体は、例
えば下記の反応式に準じて製造することができる。尚、
下記の反応式において、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
及びR6 は前記と同じ意味を表わす。ただし、R3 、R
4 、R5 及びR6 は、すべてが同時に水素原子ではな
い。
【化3】
【0019】以下に、上記の製法につき詳細に説明す
る。
【0020】一般式(1)で示される化合物から一般式
(2)で示される化合物を製造する反応は、通常、酸の
存在下に行なうことができる。反応に用いられる好まし
い酸としては、フッ化水素、硫酸、ポリリン酸等のプロ
トン酸が挙げられる。反応温度は0℃ないし150℃、
好ましくは0℃ないし120℃、反応時間は5分から1
00時間、好ましくは30分から30時間である。上記
反応において、反応に用いられる溶媒としては、上記プ
ロトン酸及びそれらの水溶液を挙げることができる。
【0021】一般式(2)で示される化合物と、一般式
(3)(但し、式中、R7 はエチル、プロピル、ブチ
ル、tert−ブチル、イソアミル等の低級アルキル基
を表す。)で示される化合物から、一般式(4)で示さ
れる化合物を製造する反応は、通常塩化水素存在下に行
なうことができる。反応温度は−10℃ないし100
℃、好ましくは0℃ないし50℃、反応時間は5分から
100時間、好ましくは30分から30時間であり、反
応に用いられる試薬の量は、一般式(2)で示される化
合物1モル当量に対して一般式(3)で示される化合物
は0.1モル当量から10モル当量である。
【0022】反応に用いられる溶媒の好ましい例として
は、エタノ−ル等のアルコ−ル類、水および含水アルコ
−ルを挙げることができる。
【0023】一般式(4)で示される化合物から一般式
(5)で示される化合物を製造する反応は、通常、スル
ホン酸無水物存在下に行なうことができる。反応に用い
られる好ましいスルホン酸無水物としては、トリフルオ
ロメタンスルホン酸無水物が挙げられる。反応温度は−
10℃ないし100℃、好ましくは0℃ないし50℃、
反応時間は5分から200時間、好ましくは1時間から
80時間であり、反応に用いられる試薬の量は、一般式
(4)で示される化合物1モル当量に対してスルホン酸
無水物は0.1モル当量から10モル当量である。
【0024】上記反応において、溶媒は必ずしも必要で
はないが、一般的には溶媒の存在下に行なわれる。反応
に用いられる溶媒の好ましい例としては、アセトニトリ
ル等のニトリル類を挙げることができる。
【0025】一般式(5)で示される化合物を、塩基存
在下、加水分解することにより一般式(6)で示される
化合物を製造することができる。反応に用いられる好ま
しい塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
などのアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。反応温度
は−10℃ないし200℃、好ましくは0℃ないし15
0℃、反応時間は5分から200時間、好ましくは30
分から60時間であり、反応に用いられる試薬の量は、
一般式(5)で示される化合物1モル当量に対して塩基
は0.1モル当量から30モル当量である。
【0026】反応に用いられる溶媒の好ましい例として
は、エタノ−ル等のアルコ−ル類および水を挙げること
ができる。
【0027】一般式(4)で示される化合物から一般式
(6)で示される化合物を製造する反応は、通常、塩基
及びハロゲン化スルホン酸の存在下に行なうことができ
る。反応に用いられる好ましい塩基としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物
等が挙げられる。また、反応に用いられる好ましいハロ
ゲン化スルホン酸としてはパラトルエンスルホニルクロ
ライド、ベンゼンスルホニルクロライド、メタンスルホ
ニルクロライド等を挙げることができる。反応温度は−
10℃ないし200℃、好ましくは0℃ないし150
℃、反応時間は5分から200時間、好ましくは30分
から60時間であり、反応に用いられる試薬の量は、式
(4)で示される化合物1モル当量に対して塩基は0.
1モル当量から20モル当量、ハロゲン化スルホン酸は
0.1モル当量から10モル当量である。
【0028】反応に用いられる溶媒の好ましい例として
は、水を挙げることができる。
【0029】一般式(6)で示される化合物から一般式
(7)で示される化合物を製造する反応は、通常、酸ハ
ロゲン化物の存在下に行なうことができる。反応に用い
られる好ましい酸ハロゲン化物としては塩化アセチル等
を挙げることができる。反応温度は−10℃ないし20
0℃、好ましくは0℃ないし100℃、反応時間は5分
から200時間、好ましくは30分から60時間であ
り、反応に用いられる試薬の量は、一般式(6)で示さ
れる化合物1モル当量に対して酸ハロゲン化物は0.1
モル当量から100モル当量である。
【0030】上記反応において、溶媒は必ずしも必要で
はないが、溶媒の存在下にも行なわれる。反応に用いら
れる溶媒の好ましい例としては、ベンゼン等の芳香族炭
化水素類を挙げることができる。
【0031】一般式(7)で示される化合物と、一般式
(8)で示される化合物を反応することにより一般式
(9)で示される化合物を製造することができる。反応
温度は−10℃ないし200℃、好ましくは0℃ないし
100℃、反応時間は5分から200時間、好ましくは
30分から60時間であり、反応に用いられる試薬の量
は、式(7)で示される化合物1モル当量に対して一般
式(8)で示される化合物は0.1モル当量から10モ
ル当量である。
【0032】上記反応において、溶媒は必ずしも必要で
はないが、一般的には溶媒の存在下に行なわれる。反応
に用いられる溶媒の好ましい例としては、アセトニトリ
ル、プロピオニトリル等のニトリル類;エチルエ−テ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ビス(2−メト
キシエチル)エ−テル等のエ−テル類;ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素類を挙げることがで
きる。
【0033】一般式[II]で示される化合物は、一般式
(9)で示されるカルボン酸誘導体を反応溶媒の存在下
に、塩基存在下で60℃ないし250℃、好ましくは1
00℃ないし200℃で5分から200時間、好ましく
は30分から60時間反応させることによって製造する
ことができる。
【0034】反応に用いられる好ましい塩基としては、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩及び炭酸水素
塩等が挙げられる。反応に供される試薬の量は、通常、
一般式(9)で示されるカルボン酸誘導体1モル当量に
対して、塩基は0.1モル当量から10モル当量であ
る。
【0035】反応に用いられる溶媒の好ましい例として
はトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジオキサ
ン等のエ−テル類;N,N−ジメチルホルムアミド(D
MF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン、リン酸ヘキサメチル
トリアミド(HMPA)等の極性溶媒等が挙げられる。
【0036】本発明化合物を有効成分として含む本発明
の農園芸用殺菌剤は、植物病原菌に対して優れた殺菌力
を有し、広範囲にわたる種々の菌類による植物病害の駆
除撲滅のために適用出来る。例えば,イネいもち病(Pyr
icularia oryzae)、イネ紋枯れ病(Rhizoctonia solan
i)、イネごま葉枯れ病 (Cochliobolus miyabeanus)、リ
ンゴうどんこ病(Podosphaera leucotricha) 、リンゴ黒
星病 (Venturia inaequalis)、ナシ黒星病(Venturia na
shicola)、リンゴモニリア病(Sclerotinia mali)、カキ
炭そ病(Gloeosporium kaki) 、モモ灰星病(Sclerotinia
cinerea) 、モモ黒星病(Cladosporium carpophilum)、
ブドウ灰色かび病(Botrytis cinerea)、ブドウ黒とう病
(Elsinoe ampelina) 、ブドウ晩腐病(Glomerella cing
ulata)、テンサイ褐斑病(Cercospora beticola) 、ピ−
ナッツ褐斑病(Cercospora arachidicola) 、ピーナッツ
黒渋病(Cercosporidium personatum) 、オオムギうどん
こ病(Erysiphe graminis f.sp. hordei) 、オオムギ紅
色雪腐病(Fusarium nivale)、コムギうどんこ病(Erysip
he graminis f.sp. tritici) 、コムギ赤さび病(Puccin
ia recondita)、コムギアイ・スポット病(Pseudocercos
porella herpotrichoides) 、コムギ斑点病 (Drechsler
a sorokiniana) 、キュウリべと病(Pseudoperonospora
cubensis)、キュウリうどんこ病(Sphaerotheca fuligin
ea)、キュウリつる枯病(Mycosphaerella melonis)、キ
ュウリ灰色かび病(Botrytis cinerea)、キュウリ黒星病
(Cladosporium cucumerinum)、トマト疫病(Phytophthor
a infestans)、トマト葉かび病(Cladosporium fulvum)
、トマト灰色かび病(Botrytis cinerea)、イチゴうど
んこ病(Sphaerotheca humuli) 、ホップ灰色かび病(Bot
rytis cinerea)、タバコうどんこ病(Erysiphe cichorac
earum)、バラ黒星病(Diplocarpon rosae) 、ミカンそう
か病(Elsinoe fawcetii)、ミカン青かび病(Penicillium
italicum)、ミカン緑かび病(Penicillium digitatum)
等があげられる。
【0037】その中で特に、コムギうどんこ病、コムギ
さび病、コムギ斑点病、イネいもち病及びキュウリうど
んこ病に対して顕著な効果を示す。また、本発明の農園
芸用殺菌剤は、イネ、コムギ及びキュウリ等の作物に対
してほとんど薬害を与えることがなく、安全性の高いも
のである。
【0038】本発明の農園芸用殺菌剤はテトラヒドロイ
ソキノリン誘導体それ自体を用いてもよいが、通常は担
体、界面活性剤、分散剤、または補助剤等を配合して定
法により、例えば、水和剤、乳剤、粉剤または粒剤に製
剤して用いることができる。これらの製剤は適切な濃度
に希釈して散布するか、または直接施用する。
【0039】有効成分の配合割合については必要に応じ
て選ばれるが、製剤に対して通常0.5〜80%の範囲
が適当である。
【0040】本発明の農園芸用殺菌剤の施用量は、使用
される化合物の種類、対象病害、被害の程度、環境条
件、使用する剤型などによって変動するが、粉剤及び粒
剤の様にそのまま使用する場合は有効成分として10ア
ール当り0.5〜5000g好ましくは、1〜1000
gの範囲から選ぶのがよい。又、乳剤または水和剤のよ
うに最終的に液状で使用する場合は、0. 1〜1000
0ppm、好ましくは1〜3000ppmの範囲から選
ぶのがよい。
【0041】
【発明の効果】本発明化合物である新規なテトラヒドロ
イソキノリン誘導体は、イネ、コムギ、キュウリ等の作
物に対してほとんど薬害を与えることなく、コムギうど
んこ病、コムギさび病、コムギ斑点病、イネいもち病、
キュウリうどんこ病などの植物病原菌に対して優れた殺
菌力を有する農園芸用殺菌剤として有用である。
【0042】
【実施例】次に、本発明を製造例、製剤例及び試験例に
より具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみ
に限定されるものではない。
【0043】まず、製造例を示す。 [製造例1] 3−(4−tert−ブチルフェニル)−2,7−ジメ
チル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(化
合物番号3)の製造 水素化リチウムアルミニウム1.28gを懸濁したTH
F溶液70mlに、3−(4−tert−ブチルフェニ
ル)−2,7−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒド
ロイソキノリンー1ーオン4.93gを溶解したTHF
溶液30mlを加え、14時間還流した。反応終了後、
氷冷しながら水1.28g、15%水酸化ナトリウム水
溶液1.28g、水3.84gを順次ゆっくり加え、生
じた沈澱を濾過した。濾液を無水硫酸マグネシウムで乾
燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィ−(ヘキサン/酢酸エチル=9/1)
で精製し、3−(4−tert−ブチルフェニル)−
2,7−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソ
キノリン4.22gを得た。 m.p.106−108℃1 H−NMR(CDCl3 ,δppm) 1.35(s,9H),2.19(s,3H),2.35(s,3H),2.90-3.20(m,2H) 3.36-3.45(m,1H),3.58(d,J=15Hz,1H),3.99(d,J=15Hz,1
H) 6.89-7.02(m,3H),7.31(d,J=8Hz,2H),7.39(d,J=8Hz,2H) IR(KBr,cm-1) 2950,2775,1510,1455,1355,1110,835,810,580 元素分析(%) C21H27Nとして 実測値 C;85.65,H;9.21,N;4.64 計算値 C;85.95,H;9.27,N;4.77
【0044】以上に示した製造例と同様にして得られた
本発明化合物のいくつかをその同定データと共に表1な
いし表15に示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【0045】[製造例2] 3−(4−tert−ブチルフェニル)−2,7−ジメ
チル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンーサ
ッカリン付加物(化合物番号26)の製造 3−(4−tert−ブチルフェニル)−2,7−ジメ
チル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン0.
20g及びサッカリン0.13gを室温でかき混ぜなが
らメタノール10mlに溶解し、3時間反応した。溶媒
を減圧下留去し、3−(4−tert−ブチルフェニ
ル)−2,7−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒド
ロイソキノリンーサッカリン付加物を0.33g得た。 m.p.106−110℃
【0046】[製造例3] 3−(4−tert−ブチルフェニル)−7ーイソプロ
ピルー2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソ
キノリンーサッカリン付加物(化合物番号27)の製造 3−(4−tert−ブチルフェニル)−7ーイソプロ
ピルー2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソ
キノリン0.10g及びサッカリン0.06gを室温で
かき混ぜながらメタノール5mlに溶解し、6時間反応
した。溶媒を減圧下留去し、3−(4−tert−ブチ
ルフェニル)−7ーイソプロピルー2−メチル−1,
2,3,4−テトラヒドロイソキノリンーサッカリン付
加物を0.15g得た。 m.p.99−104℃
【0047】[製造例4] 7ーtert−ブチルー3−(4−tert−ブチルフ
ェニル)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ
イソキノリンーサッカリン付加物(化合物番号28)の
製造 7ーtert−ブチルー3−(4−tert−ブチルフ
ェニル)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ
イソキノリン0.20g及びサッカリン0.10gを室
温でかき混ぜながらメタノール10mlに溶解し、6時
間反応した。溶媒を減圧下留去し、7ーtert−ブチ
ルー3−(4−tert−ブチルフェニル)−2ーメチ
ル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンーサッ
カリン付加物を0.30g得た。 m.p.114−118℃
【0048】次に、本発明化合物の中間体の製造例を示
す。
【0049】[参考例1] 2−オキシイミノ−6−メチル−1−インダノンの製造 n−ブチルナイトライト1.32mlのエタノ−ル溶液
8mlに6−メチル−1−インダノン1.26gを加え
た。反応液を0℃に冷却した後、塩化水素ガスを吹き込
んだ。反応温度は約10分間5℃以下に保った。その後
ゆっくりと20℃付近まで温度を上げ、結晶が析出した
後、塩化水素を吹き込むのを止めた。エタノ−ルをさら
に3ml加え、そのまま室温で30分攪拌した。反応終
了後、反応液を水50mlに懸濁し、生じた結晶を濾集
した。メタノ−ルから再結晶することにより、2−オキ
シイミノ−6−メチル−1−インダノン1.24gを得
た。 195℃分解1 H−NMR(CDCl3 +DMSO−d6 ,δpp
m) 2.32(s,3H),3.62(s,2H),7.28-7.55(m,3H) IR(KBr,cm-1) 3200,1725,1660,1620,1280,945 元素分析(%) C10H9NO2として 実測値 C;68.64,H;5.37,N;8.07 計算値 C;68.56,H;5.18,N;8.00
【0050】[参考例2] 2−シアノメチル−5−メトキシ安息香酸の製造 6ーメトキシー2−オキシイミノ−1−インダノン4.
15gと無水トリフルオロメタンスルホン酸11.5g
をアセトニトリル50mlに溶かし室温下、13時間か
きまぜた。溶媒を減圧下留去後、残渣をクロロホルム5
0mlに溶かし10%NaOH水溶液で抽出した(50
ml×3)。集めた水層を、濃塩酸で酸性にした後、生
成した結晶を濾集、水洗し、2−シアノメチル−5−メ
トキシ安息香酸3.42gを得た。 160℃分解1 H−NMR(DMSO−d6 ,δppm) 3.53(s,3H),3.88(s,2H),6.89-6.94(m,1H),7.16-7.22(m,
2H) IR(KBr,cm-1) 3400,3200,2360,1680,1650,1610,1570,1280,1230 元素分析(%) C10H9NO3として 実測値 C;62.79,H;4.91,N;7.10 計算値 C;62.82,H;4.74,N;7.33
【0051】[参考例3] 4−メチルホモフタル酸の製造 2−シアノメチル−5−メチル安息香酸2.36gの1
5%KOH水溶液30mlを2時間加熱還流した。反応
液を室温まで放冷し、濃塩酸で酸性にした後、酢酸エチ
ルで抽出した(50ml×3)。集めた有機層を無水硫
酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。酢酸エチルから再
結晶することにより4−メチルホモフタル酸2.17g
を得た。 m.p.197ー199℃1 H−NMR(DMSO−d6 ,δppm) 2.39(s,3H),3.94(s,2H),7.26(d,J=8.1Hz,1H),7.37(d,J=
7.8Hz,1H) 7,77(s,1H) IR(KBr,cm-1) 2950,1700,1430,1285 元素分析(%) C10H10O4として 実測値 C;61.82,H;5.36,N;0 計算値 C;61.85,H;5.19,N;0
【0052】[参考例4] 4−イソプロピルホモフタル酸の製造 6−イソプロピル−2−オキシイミノ−1−インダノン
4gとパラトルエンスルホニルクロライド7.5gを1
0%NaOH水溶液60mlに加え、6時間加熱還流し
た。室温まで放冷し、クロロホルムで洗浄した。水層を
濃塩酸で酸性にした後、生成した結晶を濾集した。粗生
成物を酢酸エチルから再結晶することにより4−イソプ
ロピルホモフタル酸を3.5g得た。 m.p.202ー203℃1 H−NMR(DMSO−d6 ,δppm) 1.25-1.32(m,6H),2.90-3.08(m,1H),3.95(s,2H),7.30(d,
J=7.8Hz,1H) 7.45(d,J=7.8Hz,1H),7,82(s,1H) IR(KBr,cm-1) 2960,1720,1680,1430,1420,1300,1240,920,680 元素分析(%) C12H14O4として 実測値 C;64.61,H;6.62,N;0 計算値 C;64.85,H;6.35,N;0
【0053】[参考例5] 無水4−メチルホモフタル酸の製造 4−メチルホモフタル酸5.4gを塩化アセチル100
mlに加え、4時間加熱還流した。溶媒を減圧留去後、
生成した結晶をエ−テルで洗浄し、無水4−メチルホモ
フタル酸4.67gを得た。 m.p.153ー157℃1 H−NMR(CDCl3 ,δppm) 2.45(s,3H),4.10(s,2H),7.23(d,J=7.8Hz,1H),7.51(d,J=
7.8Hz,1H) 8.01(s,1H) IR(KBr,cm-1) 1790,1740,1295,1130,1040,765 元素分析(%) C10H8O3として 実測値 C;68.15,H;4.74,N;0 計算値 C;68.18,H;4.58,N;0
【0054】[参考例6] 3−(4−tert−ブチルフェニル)−7ーイソプロ
ピルー2−メチル−1ーオキソー1,2,3,4−テト
ラヒドロイソキノリンー4ーカルボン酸の製造 N−(4−tert−ブチルベンジリデン)メチルアミ
ン1.85gと無水4ーイソプロピルホモフタル酸1.
70gをアセトニトリル40mlに溶かし、室温下4時
間反応した。反応終了後、溶媒を留去した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィ−(クロロホルム/酢酸
エチル=6/1)で精製し、(4−tert−ブチルフ
ェニル)−7ーイソプロピルー2−メチル−1ーオキソ
ー3−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンー4
ーカルボン酸3.10g(ジアステレオマー混合物)を
得た。
【0055】得られたジアステレオマー混合物を再びシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢
酸エチル=6/1)で精製し、シス体0.80g及びト
ランス体1.10gを得た。 (シス体) m.p.204ー207℃1 H−NMR(DMSO−d6 ,δppm) 1.28(s,9H),1.32(d,J=6.9Hz,6H),2.94-3.12(m,4H) 4.75(d,J=6.3Hz,1H),5.13(d,J=6.3Hz,1H),7.02(d,J=8.1
Hz,2H) 7.33(d,J=8.1Hz,2H),7.48(dd,J=8.1Hz,1,8Hz,1H),7.54
(d,J=8.1Hz,1H) 7.97(d,J=1.8Hz,1H) IR(KBr,cm-1) 3430,2960,1745,1630,1600,1480,1390 元素分析(%) C24H29NO3として 実測値 C;76.04,H;7.99,N;3.89 計算値 C;75.96,H;7.70,N;3.69 (トランス体) m.p.119ー122℃1 H−NMR(DMSOーd6 ,δppm) 1.25-1.31(m,15H),2.94-3.10(m,4H),4.14(s,1H),5.30
(s,1H) 7.07(d,J=8.4Hz,2H),7.25(d,J=7.8Hz,1H),7.34-7.43(m,
3H) 7.87(d,J=1.8Hz,1H) IR(KBr,cm-1) 3450,2960,1730,1630,1600,1490,1260 元素分析(%) C24H29NO3として 実測値 C;76.25,H;7.86,N;3.53 計算値 C;75.96,H;7.70,N;3.69
【0056】[参考例7] 3−(4−tert−ブチルフェニル)−7ーイソプロ
ピルー2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソ
キノリンー1ーオンの製造 3−(4−tert−ブチルフェニル)−7ーイソプロ
ピルー2−メチル−1−オキソー1,2,3,4−テト
ラヒドロイソキノリンー4ーカルボン酸2.70g(ジ
アステレオマー混合物)のジメチルスルホキシド溶液2
0mlに炭酸ナトリウム1.10gを加え、150℃で
12時間反応した。反応終了後、溶媒を減圧下留去し、
水200mlを加え、酢酸エチルで抽出した(50ml
×3)。集めた有機層を飽和食塩水洗後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥を行なった。溶媒を減圧下留去後、残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン/酢
酸エチル=5/1)で精製し、3−(4−tert−ブ
チルフェニル)−7ーイソプロピルー2−メチル−1,
2,3,4−テトラヒドロイソキノリンー1ーオン2.
10gを得た。 m.p.103ー106℃1 H−NMR(CDCl3 ,δppm) 1.24-1.31(m,15H),2.89-3.12(m,5H),3.60(dd,J=15.9Hz,
6.9Hz,1H) 4.72(dd,J=6.6Hz,3.3Hz,1H),6.96(d,J=7.5Hz,1H) 7.02(d,J=8.1Hz,2H),7.19-7.32(m,3H),8.04(s,1H) IR(KBr,cm-1) 2950,1650,1610,1460,1390,1265,835 元素分析(%) C23H29NOとして 実測値 C;82.47,H;8.68,N;4.16 計算値 C;82.34,H;8.71,N;4.17
【0057】次に製剤例を示す。下記製剤例中の部は重
量部を意味する。
【0058】[製剤例1](水和剤) 本発明化合物 NO.1 10部を担体材料としてジークライ
ト[商品名、国峰工業(株)製]87. 3部界面活性剤
としてネオペレックス[商品名、花王アトラス(株)
製]1. 35部及びソルポール800A[商品名、東邦
化学工業(株)製]1. 35部と共に混合粉砕して10
%水和剤を得た。
【0059】[製剤例2](乳剤) 本発明化合物 NO.2 5部をキシレン85部,界面活性剤
としてソルポール800A10部を混合溶解し、5%乳
剤を得た。
【0060】[製剤例3](粉剤) 本発明化合物 NO.3 2部を珪藻土5部,およびクレー9
3部を均一に混合粉砕して2%粉剤を得た。
【0061】[製剤例4](粒剤) 本発明化合物 NO.4 10部をベントナイト50部、クニ
ライト[商品名、国峰工業(株)製]35部及び界面活
性剤としてソルポール800A5部を混合粉砕した後、
水10部を加えて均一に攪拌し、直径0. 7 の篩穴か
ら押し出し乾燥後1〜2 の長さに切断して10%粒剤
を得た。
【0062】次に試験例をあげ、本発明化合物の農園芸
用殺菌剤としての有用性をさらに明らかにする。
【0063】また防除効力は、それぞれの試験で得られ
た防除価が、90%以上の時「5」、80%以上90%
未満の時「4」、70%以上80%未満の時「3」、6
0%以上70%未満の時「2」、50%以上60%未満
の時「1」、50%未満の時「0」として6段階に評価
し、それぞれ5,4,3,2,1,0で示す。
【0064】[試験例1] コムギうどんこ病予防効果試験 8cm×8cmプラスチック製ポットにコムギ種子(品
種:農林61号)を播種し温室内で育成させた。第一葉
が完全に展開したコムギ幼苗に、製剤例1に準じて調製
した水和剤を有効成分濃度が所定の濃度になるように水
で希釈した液を散布した。風乾後、コムギうどんこ病菌
を接種し、25℃の恒温室に入れた。接種7日後下記基
準によりポット全体の被害度を調査し、防除価を算出し
た。
【数1】 N :調査全葉数 n0 : 発病なしの葉数 n1 : 病斑面積率25%未満の発病葉数 n2 : 病斑面積率25〜50%の発病葉数 n3 : 病斑面積率50〜75%の発病葉数 n4 : 病斑面積率75%以上の発病葉数
【数2】
【0065】結果を表16ないし表18に示す。
【0066】[試験例2] コムギうどんこ病治療効果試験 8cm×8cmプラスチック製ポットにコムギ種子(品
種:農林61号)を播種し温室内で育成させた。第一葉
が完全に展開したコムギ幼苗に、コムギうどんこ病菌を
接種し、25℃の恒温室に入れた。1日、2日、3日及
び4日の各日数経過後、製剤例1に準じて調製した水和
剤を有効成分濃度が100ppmになるように水で希釈
した液を散布した。風乾後、再び25℃の恒温室に入れ
た。接種7日後、試験例1と同様にポット全体の被害度
を調査し、防除価を算出した。
【0067】例えば、化合物番号3、5及び6につい
て、防除効力は接種後1日、2日、3日及び4日後の化
合物処理において、いずれの場合も5だった。
【0068】[試験例3] コムギ赤さび病予防効果試験 8cm×8cmプラスチック製ポットにコムギ種子(品
種:農林61号)を播種し温室内で育成させた。第一葉
が完全に展開したコムギ幼苗に、製剤例1に準じて調製
した水和剤を有効成分濃度が所定の濃度になるように水
で希釈した液を散布した。風乾後、コムギ赤さび病菌を
接種し、25℃の恒温室に入れた。接種7日後ポット全
体の病斑数を調査し、下記の式に従って防除価を算出し
た。
【数3】
【0069】結果を表16ないし表18に示す。
【0070】[試験例4] キュウリうどんこ病予防効果試験 8cm×8cmプラスチック製ポットにキュウリ種子
(品種:青豊)を播種し温室内で育成させた。本葉第一
葉が完全に展開したキュウリ幼苗に、製剤例1に準じて
調製した水和剤を有効成分濃度が所定の濃度になるよう
に水で希釈した液を散布した。風乾後、キュウリうどん
こ病菌を接種し、25℃の恒温室に入れた。接種10日
後、試験例1と同様にポット全体の被害度を調査し、防
除価を算出した。
【0071】結果を表16ないし18に示す。
【表16】
【表17】
【表18】
【0072】[試験例5] イネいもち病予防効果試験 8cm×8cmプラスチック製ポットにイネ種子(品
種:ヤマホウシ)を播種し温室内で育成させた。2.5
〜3葉期に、製剤例1に準じて調製した水和剤を有効成
分濃度が500ppmになるように水で希釈した液を散
布した。風乾後、イネいもち病菌を接種し、25℃の恒
温室に入れた。接種7日後、ポット全体の病斑数を調査
し、試験例3と同様に防除価を算出した。
【0073】例えば、化合物番号1及び8について、防
除効力はいずれも4だった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[I] 【化1】 〔式中、R1 はC1 〜C5 の直鎖または分岐アルキル
    基、C2 〜C5 の直鎖または分岐アルケニル基及びC2
    〜C5 の直鎖または分岐アルキニル基を表わす。R2
    水素原子、C1 〜C10の直鎖または分岐アルキル基、C
    2 〜C10の直鎖または分岐アルケニル基、C2 〜C10
    直鎖または分岐アルキニル基、C1 〜C10の直鎖または
    分岐アルコキシ基、C2 〜C10の直鎖または分岐アルケ
    ニルオキシ基、C2 〜C10の直鎖または分岐アルキニル
    オキシ基及びC1 〜C10の直鎖又は分岐ハロゲン化アル
    キル基を表わす。R3 、R4 、R5 及びR6 は、同一ま
    たは互いに相異なって水素原子、C1 〜C10の直鎖また
    は分岐アルキル基、C2 〜C10の直鎖または分岐アルケ
    ニル基、C2 〜C10の直鎖または分岐アルキニル基、C
    1 〜C10の直鎖または分岐アルコキシ基、C2 〜C10
    直鎖または分岐アルケニルオキシ基、C2 〜C10の直鎖
    または分岐アルキニルオキシ基及びハロゲン原子を表わ
    す。ただし、R3 、R4 、R5 及びR6 は、すべてが同
    時に水素原子ではない。〕で示されるテトラヒドロイソ
    キノリン誘導体及びその酸付加塩。
  2. 【請求項2】 下記一般式[II] 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 は前記
    と同じ意味を表わす。ただし、R3 、R4 、R5 及びR
    6 は、すべてが同時に水素原子ではない。)で示される
    ラクタム誘導体を水素化剤により還元することを特徴と
    する請求項1記載の一般式[I]で示されるテトラヒド
    ロイソキノリン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1項記載のテトラヒドロイソキノ
    リン誘導体および/またはその酸付加塩を有効成分とし
    て含有する殺菌剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115918662A (zh) * 2022-09-30 2023-04-07 兰州大学 一种3-芳基异喹啉类小檗碱简化衍生物在防治农业病真菌中的用途

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CN115918662A (zh) * 2022-09-30 2023-04-07 兰州大学 一种3-芳基异喹啉类小檗碱简化衍生物在防治农业病真菌中的用途

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