JPH05201921A - α−フルオロアクリレートの製造方法 - Google Patents
α−フルオロアクリレートの製造方法Info
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- JPH05201921A JPH05201921A JP4175615A JP17561592A JPH05201921A JP H05201921 A JPH05201921 A JP H05201921A JP 4175615 A JP4175615 A JP 4175615A JP 17561592 A JP17561592 A JP 17561592A JP H05201921 A JPH05201921 A JP H05201921A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C67/00—Preparation of carboxylic acid esters
- C07C67/30—Preparation of carboxylic acid esters by modifying the acid moiety of the ester, such modification not being an introduction of an ester group
- C07C67/333—Preparation of carboxylic acid esters by modifying the acid moiety of the ester, such modification not being an introduction of an ester group by isomerisation; by change of size of the carbon skeleton
- C07C67/343—Preparation of carboxylic acid esters by modifying the acid moiety of the ester, such modification not being an introduction of an ester group by isomerisation; by change of size of the carbon skeleton by increase in the number of carbon atoms
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 良好な収率で品質のよいα−フルオロアクリ
ル酸エステルを得ることを目的とする。 【構成】 一般式: 【化1】 (式中、R′はアルキル、アリール又はシクロアルキル
である)のα−フルオロアクリレートの製造方法であっ
て、この方法は、パラホルムアルデヒドから成るホルマ
リン源を、弱無機酸の塩の存在下で水性媒質中でα−フ
ルオロホスホノアセテートと反応させることを特徴とす
る。
ル酸エステルを得ることを目的とする。 【構成】 一般式: 【化1】 (式中、R′はアルキル、アリール又はシクロアルキル
である)のα−フルオロアクリレートの製造方法であっ
て、この方法は、パラホルムアルデヒドから成るホルマ
リン源を、弱無機酸の塩の存在下で水性媒質中でα−フ
ルオロホスホノアセテートと反応させることを特徴とす
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、α−フルオロアクリレ
ートの製造方法に関するものであり、更に具体的には、
本発明の対象は、実施するのが容易で且つ経済的な製造
方法を用いて、高純度のフッ素化物質を高収率で生成さ
せるα−フルオロアクリレートの新規の製造方法の開発
である。
ートの製造方法に関するものであり、更に具体的には、
本発明の対象は、実施するのが容易で且つ経済的な製造
方法を用いて、高純度のフッ素化物質を高収率で生成さ
せるα−フルオロアクリレートの新規の製造方法の開発
である。
【0002】
【従来の技術】アクリル酸及びメタクリル酸モノマー
は、その反応性のために、産業界で広く研究され、開発
されてきた化合物である。この反応性は、多数の化学反
応、特に非常に広範に変化する用途をもつ物質を結果的
に生じさせる種々の重合及び共重合反応の実施を可能に
する。したがって、例えば、種々のアクリレート又はメ
タクリレートから製造されるポリメタクリレート、特に
ポリメチルメタクリレートすなわちPMMA、並びに種
々のアクリレート又はメタクリレートから製造されるあ
る種の物質は、その光学的及び機械的特性のために、特
に興味深い。これらの物質は、例えば、風防もしくは風
防ガラス、窓、及びコックピットキャノピーの製造のた
めに自動車産業や航空機産業において用いられる。しか
しながら、その温度作用に対する弱さ、及び化学薬品に
対する耐性の弱さのために、その使用分野が、例えば超
音速飛行機部門において、ある程度まで制限される。こ
のために、特別な化学構造を有する新規のアクリル系物
質が、近年開発された。
は、その反応性のために、産業界で広く研究され、開発
されてきた化合物である。この反応性は、多数の化学反
応、特に非常に広範に変化する用途をもつ物質を結果的
に生じさせる種々の重合及び共重合反応の実施を可能に
する。したがって、例えば、種々のアクリレート又はメ
タクリレートから製造されるポリメタクリレート、特に
ポリメチルメタクリレートすなわちPMMA、並びに種
々のアクリレート又はメタクリレートから製造されるあ
る種の物質は、その光学的及び機械的特性のために、特
に興味深い。これらの物質は、例えば、風防もしくは風
防ガラス、窓、及びコックピットキャノピーの製造のた
めに自動車産業や航空機産業において用いられる。しか
しながら、その温度作用に対する弱さ、及び化学薬品に
対する耐性の弱さのために、その使用分野が、例えば超
音速飛行機部門において、ある程度まで制限される。こ
のために、特別な化学構造を有する新規のアクリル系物
質が、近年開発された。
【0003】特に、多数のフルオロアクリル酸誘導体、
特にα−フルオロアクリル酸エステルは、多くの研究の
対象を成した。これらのα−フルオロアクリル酸エステ
ルは、一般式:
特にα−フルオロアクリル酸エステルは、多くの研究の
対象を成した。これらのα−フルオロアクリル酸エステ
ルは、一般式:
【0004】
【化2】
【0005】(式中、R′はアルキル基、ほとんどの場
合、メチル又はエチル基であるか、あるいはアリール
基、特にフェニル基である)に該当する。
合、メチル又はエチル基であるか、あるいはアリール
基、特にフェニル基である)に該当する。
【0006】すなわち、従来技術は、HNO3 及びHF
の混合液による処理、及びその後の硫酸媒質中Znによ
る脱ハロゲン化(欧州特許出願第415,214号)、
又はフッ素による種々のアクリル酸エステルの処理(欧
州特許出願第383,128号)から成る二工程反応に
おけるジハロプロパンからの、あるいはα−フルオロア
クリル酸のハロゲン化物からの(T.Nguyen と
C.Wakselman,J.Org.Chem,5
4,5640(1989))、あるいは2,2−ジフル
オロ−1−メチルシクロプロパン型の誘導体からの(欧
州特許出願第398,061号)、パラホルムアルデヒ
ドによるジエチルフルオロオキサロアセテートのエノラ
ートの処理による(E.D.Bergmann と
I.Shahak,J.Chem.Soc.4033
(1961))、あるいは総収率40%でビニルエチル
エーテルから四工程(T.Nguyen,H.Moli
nes及び C.Wakselman,Synthes
e Comm.15,925(1985))での,ある
いはさらに総収率40%で2,2,3,3−テトラフル
オロ−1−プロパノールから三工程(A.Thenap
pan and D.3.Burton,Tetr.L
etters 30,5571(1989))での、α
−フルオロアクリレートの製法を記載している。
の混合液による処理、及びその後の硫酸媒質中Znによ
る脱ハロゲン化(欧州特許出願第415,214号)、
又はフッ素による種々のアクリル酸エステルの処理(欧
州特許出願第383,128号)から成る二工程反応に
おけるジハロプロパンからの、あるいはα−フルオロア
クリル酸のハロゲン化物からの(T.Nguyen と
C.Wakselman,J.Org.Chem,5
4,5640(1989))、あるいは2,2−ジフル
オロ−1−メチルシクロプロパン型の誘導体からの(欧
州特許出願第398,061号)、パラホルムアルデヒ
ドによるジエチルフルオロオキサロアセテートのエノラ
ートの処理による(E.D.Bergmann と
I.Shahak,J.Chem.Soc.4033
(1961))、あるいは総収率40%でビニルエチル
エーテルから四工程(T.Nguyen,H.Moli
nes及び C.Wakselman,Synthes
e Comm.15,925(1985))での,ある
いはさらに総収率40%で2,2,3,3−テトラフル
オロ−1−プロパノールから三工程(A.Thenap
pan and D.3.Burton,Tetr.L
etters 30,5571(1989))での、α
−フルオロアクリレートの製法を記載している。
【0007】従来技術はさらに、低温でエーテル中ブチ
ルリチウム及び水素化ジイソブチルアルミニウムの結合
作用によるエチルα−フルオロホスホノアセテート及び
エチルホルメートからのエチルα−フルオロアクリレー
トの製法(A.Thenappan と D.3.Bu
rton,Journal of FluorineC
hemistry,48,153(1990);J.O
rg.Chem.55,4639(1990))、並び
に、α−フルオロホスホノアセテートと、低温でジエチ
ルエーテル中NaHの存在下での種々のアルデヒド又は
ケトンとの縮合による(H.Machleidt と
R.Wessendorf,Ann.der Che
m.674,1(1964);E.Elkik と C
h.Francesch,Bull.Soc.Chi
m.France,5,783(1985))、あるい
は−70℃でTHF中ブチルリチウムとの反応による
(G.E.Mogmadam と J.Seyden−
Penne,Bull.Soc.Chim.Franc
e,3,448(1985);Ph.Coutrotと
C.Grison,Journal Organom
et.Chem.1,332(1987))、一般式X
YC=CF−COOR(式中、CXYはCH2 以外であ
る)に該当する種々の置換α−フルオロアクリレートの
合成を記載している。
ルリチウム及び水素化ジイソブチルアルミニウムの結合
作用によるエチルα−フルオロホスホノアセテート及び
エチルホルメートからのエチルα−フルオロアクリレー
トの製法(A.Thenappan と D.3.Bu
rton,Journal of FluorineC
hemistry,48,153(1990);J.O
rg.Chem.55,4639(1990))、並び
に、α−フルオロホスホノアセテートと、低温でジエチ
ルエーテル中NaHの存在下での種々のアルデヒド又は
ケトンとの縮合による(H.Machleidt と
R.Wessendorf,Ann.der Che
m.674,1(1964);E.Elkik と C
h.Francesch,Bull.Soc.Chi
m.France,5,783(1985))、あるい
は−70℃でTHF中ブチルリチウムとの反応による
(G.E.Mogmadam と J.Seyden−
Penne,Bull.Soc.Chim.Franc
e,3,448(1985);Ph.Coutrotと
C.Grison,Journal Organom
et.Chem.1,332(1987))、一般式X
YC=CF−COOR(式中、CXYはCH2 以外であ
る)に該当する種々の置換α−フルオロアクリレートの
合成を記載している。
【0008】これらの方法はすべて、程度の差はある
が、費用のかかる又は取り扱いにくい反応体の使用が必
要であったり、あるいは工業規模にスケールアップする
のが難しい条件下での操作の使用が必要であったり、あ
るいは最高の場合で60%を超えない並の収率を生じる
という欠点を示す。
が、費用のかかる又は取り扱いにくい反応体の使用が必
要であったり、あるいは工業規模にスケールアップする
のが難しい条件下での操作の使用が必要であったり、あ
るいは最高の場合で60%を超えない並の収率を生じる
という欠点を示す。
【0009】したがって、良好な収率で品質のよいα−
フルオロアクリル酸エステルを得る目的で、取り扱いや
すく費用のかからない反応体の使用を可能にする有用な
方法の必要性が求められている。
フルオロアクリル酸エステルを得る目的で、取り扱いや
すく費用のかからない反応体の使用を可能にする有用な
方法の必要性が求められている。
【0010】本発明は、一般式I:
【0011】
【化3】
【0012】(式中、R′は、一つ又はそれ以上のアル
キル基によって置換されていても置換されていなくても
よく、且つ、一つ又はそれ以上のS、N、O又はPのよ
うな異種原子を任意に含有する、1〜12個の炭素原子
を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基、3〜10個の炭素
原子を有するモノ−又はポリ縮合シクロアルキル基、あ
るいは6〜10個の炭素原子を有するアリール基であ
る)のα−フルオロアクリレートの製造方法であって、
該方法が、第一段階で公知の方法でα−フルオロホスホ
ノアセテートを合成すること、及び、第二段階でα−フ
ルオロホスホノアセテートとアルデヒドとの縮合によっ
て製造されるα−フルオロアクリレートを得ることの2
段階から成り、用いられるアルデヒドがホルムアルデヒ
ドであって、ホルムアルデヒドとして又はパラホルムア
ルデヒドの形態で用いられ、縮合反応が弱無機塩基の存
在下で水性媒質中で実施されることを特徴とする方法に
関する。
キル基によって置換されていても置換されていなくても
よく、且つ、一つ又はそれ以上のS、N、O又はPのよ
うな異種原子を任意に含有する、1〜12個の炭素原子
を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基、3〜10個の炭素
原子を有するモノ−又はポリ縮合シクロアルキル基、あ
るいは6〜10個の炭素原子を有するアリール基であ
る)のα−フルオロアクリレートの製造方法であって、
該方法が、第一段階で公知の方法でα−フルオロホスホ
ノアセテートを合成すること、及び、第二段階でα−フ
ルオロホスホノアセテートとアルデヒドとの縮合によっ
て製造されるα−フルオロアクリレートを得ることの2
段階から成り、用いられるアルデヒドがホルムアルデヒ
ドであって、ホルムアルデヒドとして又はパラホルムア
ルデヒドの形態で用いられ、縮合反応が弱無機塩基の存
在下で水性媒質中で実施されることを特徴とする方法に
関する。
【0013】このような方法の使用は、比較的緩やかな
条件下で操作することを可能にし、一般式Iのアクリレ
ートの良好な収率を生じることが判明した。さらに、本
発明の方法による操作条件は、さらに回収操作が是非と
も必要となる高価な有機金属反応体の使用を必要としな
い。
条件下で操作することを可能にし、一般式Iのアクリレ
ートの良好な収率を生じることが判明した。さらに、本
発明の方法による操作条件は、さらに回収操作が是非と
も必要となる高価な有機金属反応体の使用を必要としな
い。
【0014】本発明の方法の特徴の一つは、ホルムアル
デヒドの供給源として水溶液中のパラホルムアルデヒド
を用いることにある。本発明によれば、当業者に公知の
方法により、例えばα−フルオロホスホノアセテートと
の縮合反応時にリン酸の存在下で反応混合物中で、パラ
ホルムアルデヒドを解重合させる。実際、使用時のパラ
ホルムアルデヒドの解重合は、α−フルオロホスホノア
セテートとの良好な縮合を実質的に実施可能にすること
が判明した。本発明によれば、α−フルオロホスホノア
セテート1モル当たり、0.33〜10モルのパラホル
ムアルデヒドが用いられる。
デヒドの供給源として水溶液中のパラホルムアルデヒド
を用いることにある。本発明によれば、当業者に公知の
方法により、例えばα−フルオロホスホノアセテートと
の縮合反応時にリン酸の存在下で反応混合物中で、パラ
ホルムアルデヒドを解重合させる。実際、使用時のパラ
ホルムアルデヒドの解重合は、α−フルオロホスホノア
セテートとの良好な縮合を実質的に実施可能にすること
が判明した。本発明によれば、α−フルオロホスホノア
セテート1モル当たり、0.33〜10モルのパラホル
ムアルデヒドが用いられる。
【0015】本発明の方法の別の特徴によれば、ホルム
アルデヒドとα−フルオロホスホノアセテートとの縮合
は、弱塩基の存在下で実施する。本発明によれば、この
塩基は、好ましくは弱無機酸の塩特に炭酸の塩から選択
され、その塩を構成する金属はアルカリ又はアルカリ土
類金属が好ましい。本発明によれば、炭酸カリウムを用
いるのが好ましい。使用される弱酸の塩の量は、α−フ
ルオロホスホノアセテート1モル当たり、1〜5モルで
ある。
アルデヒドとα−フルオロホスホノアセテートとの縮合
は、弱塩基の存在下で実施する。本発明によれば、この
塩基は、好ましくは弱無機酸の塩特に炭酸の塩から選択
され、その塩を構成する金属はアルカリ又はアルカリ土
類金属が好ましい。本発明によれば、炭酸カリウムを用
いるのが好ましい。使用される弱酸の塩の量は、α−フ
ルオロホスホノアセテート1モル当たり、1〜5モルで
ある。
【0016】本発明によれば、α−フルオロホスホノア
セテートは、第一工程でいわゆるArbusov反応に
より公知の方法で製造される。例えば、下記の反応にし
たがって、エチルブロモフルオロアセテートとトリエチ
ルホスフェートとの反応により、IIのようなエチルα
−フルオロジエチルホスホノアセテートを得ることがで
きる:
セテートは、第一工程でいわゆるArbusov反応に
より公知の方法で製造される。例えば、下記の反応にし
たがって、エチルブロモフルオロアセテートとトリエチ
ルホスフェートとの反応により、IIのようなエチルα
−フルオロジエチルホスホノアセテートを得ることがで
きる:
【0017】
【化4】
【0018】例えばチタンテトラアルカノエートTi
(OR)4 のような触媒の存在下で種々のアルコールを
用いて、上記のIIのようなα−フルオロホスホノアセ
テートのエステル交換反応より種々のアルキルα−フル
オロホスホノアセテートを、公知の方法で製造すること
もできる。公知の方法で、2−ジアルキルホスホノフル
オロ酢酸からアリールα−フルオロホスホノアセテート
を得ることもできる。2−ジアルキルホスホノフルオロ
酢酸を酸塩化物に変換し、次にこれを、ピリジン又は第
三アミンのような塩基の存在下で、あるいはアルカリ金
属アルコラートの存在下でフェノールと反応させる。
(OR)4 のような触媒の存在下で種々のアルコールを
用いて、上記のIIのようなα−フルオロホスホノアセ
テートのエステル交換反応より種々のアルキルα−フル
オロホスホノアセテートを、公知の方法で製造すること
もできる。公知の方法で、2−ジアルキルホスホノフル
オロ酢酸からアリールα−フルオロホスホノアセテート
を得ることもできる。2−ジアルキルホスホノフルオロ
酢酸を酸塩化物に変換し、次にこれを、ピリジン又は第
三アミンのような塩基の存在下で、あるいはアルカリ金
属アルコラートの存在下でフェノールと反応させる。
【0019】
【実施例】以下の実施例で本発明をさらに説明する。
【0020】量はすべて、重量部で示してある。
【0021】実施例1 a)エチル2−ジエチルホスホノフルオロアセテート
(II)の製造: 10部のエチルブロモフルオロアセテートを、蒸留塔と
ヒーターを装備した反応器中に入れ、次に攪拌しながら
70℃に予熱する。次いで形成される臭化エチルが反応
の進行に伴って留出するように、9.8部のリン酸トリ
エチルを少量ずつ添加する。反応混合液の温度を漸次1
40℃にし、この温度で4時間攪拌を継続する。反応混
合液を冷却後、11.13部のホスホネート(II)を
真空蒸留によって集める。沸点:112°(0.6mmH
g),収率:85%。
(II)の製造: 10部のエチルブロモフルオロアセテートを、蒸留塔と
ヒーターを装備した反応器中に入れ、次に攪拌しながら
70℃に予熱する。次いで形成される臭化エチルが反応
の進行に伴って留出するように、9.8部のリン酸トリ
エチルを少量ずつ添加する。反応混合液の温度を漸次1
40℃にし、この温度で4時間攪拌を継続する。反応混
合液を冷却後、11.13部のホスホネート(II)を
真空蒸留によって集める。沸点:112°(0.6mmH
g),収率:85%。
【0022】この物質のNMRスペクトルは、予想され
る構造と一致した。
る構造と一致した。
【0023】b)エチルα−フルオロアクリレートの製
造 下記のものを、攪拌器及びヒーターを装備した反応器中
に入れる:3.35部のパラホルムアルデヒド、0.1
26部のリン酸の1N溶液、および2.5部の水。
造 下記のものを、攪拌器及びヒーターを装備した反応器中
に入れる:3.35部のパラホルムアルデヒド、0.1
26部のリン酸の1N溶液、および2.5部の水。
【0024】混合液を90℃に1時間半加熱すると、ホ
ルムアルデヒドの透明溶液が生じる。次に、この溶液に
2.23部のエチル2−ジエチルホスホノ−2−フルオ
ロアセテートを添加する。反応混合液を室温で30分間
攪拌する。次いで、10ミリモルの炭酸カリウム、即ち
3部の水に1.4部を含有する炭酸カリウムの溶液を滴
下する。このアルカリ性溶液の添加により、反応混合液
の温度が20℃から40℃に上昇する。次にこの混合液
をこの温度で15分間攪拌し、次いで氷水浴を用いて室
温に戻す。6部のエーテル、及び塩化ナトリウムで飽和
した水溶液4部を反応混合液に添加する。エーテルで抽
出後、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥する。溶媒蒸
発後、0.9部のエチルα−フルオロアクリレートを収
集するが、これは収率82%に相当する。赤外線及び核
磁気共鳴スペクトルにより、生成された物質の構造を確
認した。
ルムアルデヒドの透明溶液が生じる。次に、この溶液に
2.23部のエチル2−ジエチルホスホノ−2−フルオ
ロアセテートを添加する。反応混合液を室温で30分間
攪拌する。次いで、10ミリモルの炭酸カリウム、即ち
3部の水に1.4部を含有する炭酸カリウムの溶液を滴
下する。このアルカリ性溶液の添加により、反応混合液
の温度が20℃から40℃に上昇する。次にこの混合液
をこの温度で15分間攪拌し、次いで氷水浴を用いて室
温に戻す。6部のエーテル、及び塩化ナトリウムで飽和
した水溶液4部を反応混合液に添加する。エーテルで抽
出後、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥する。溶媒蒸
発後、0.9部のエチルα−フルオロアクリレートを収
集するが、これは収率82%に相当する。赤外線及び核
磁気共鳴スペクトルにより、生成された物質の構造を確
認した。
【0025】−構造:
【0026】
【化5】
【0027】−赤外線スペクトル:
【0028】
【化6】
【0029】−NMRスペクトル: 化学シフト(δ) (CH3 )(d): 1.36ppm (CH2 )(c): 4.31ppm (CH)(a) : 5.29ppm カップリング定数(J) (Ha −F) : 13ヘルツ (Ha −Hb ): 1.5ヘルツ (Hb −F) : 42ヘルツ (Hb −Ha ): 1.5ヘルツ実施例2 a)n−ブチル 2−ジイソプロピルホスホノ−2−フ
ルオロアセテートの製造 実施例1に記載された手順にしたがって、メチル2−ジ
イソプロピルホスホノ−2−フルオロアセテートを製造
する。
ルオロアセテートの製造 実施例1に記載された手順にしたがって、メチル2−ジ
イソプロピルホスホノ−2−フルオロアセテートを製造
する。
【0030】次に、n−ブタノールを用いてこの物質を
エステル交換反応に掛ける。1.49部のメチル2−ジ
イソプロピルホスホノ−2−フルオロアセテート、0.
43部のn−ブタノール、0.22部のテトラブタン酸
チタン、及び30部のベンゼンを、ヒーター、攪拌器、
及び還流装置を装備した反応器に入れる。混合液を24
時間還流する。ベンゼン蒸発後、1.55部のブチル2
−ジイソプロピルホスホノ−2−フルオロアセテートを
収集するが、これは収率90%に相当する。NMR及び
赤外線スペクトルにより、生成された物質の構造を確認
した。これは下記の構造を有する:
エステル交換反応に掛ける。1.49部のメチル2−ジ
イソプロピルホスホノ−2−フルオロアセテート、0.
43部のn−ブタノール、0.22部のテトラブタン酸
チタン、及び30部のベンゼンを、ヒーター、攪拌器、
及び還流装置を装備した反応器に入れる。混合液を24
時間還流する。ベンゼン蒸発後、1.55部のブチル2
−ジイソプロピルホスホノ−2−フルオロアセテートを
収集するが、これは収率90%に相当する。NMR及び
赤外線スペクトルにより、生成された物質の構造を確認
した。これは下記の構造を有する:
【0031】
【化7】
【0032】b)ブチルα−フルオロアクリレートの製
造 n−ブチル2−ジイソプロピルホスホノ−2−フルオロ
アセテートで開始する以外には実施例1(b)に記載さ
れたと同一の操作手順を用いて、このエステルを製造す
る。処理後、n−ブチルα−フルオロアクリレートを収
率80%で収集した。
造 n−ブチル2−ジイソプロピルホスホノ−2−フルオロ
アセテートで開始する以外には実施例1(b)に記載さ
れたと同一の操作手順を用いて、このエステルを製造す
る。処理後、n−ブチルα−フルオロアクリレートを収
率80%で収集した。
【0033】赤外線及びNMRスペクトルにより、生成
されたエステルの構造を確認した。
されたエステルの構造を確認した。
【0034】−構造:
【0035】
【化8】
【0036】−赤外線スペクトル(V)
【0037】
【化9】
【0038】−NMRスペクトル 化学シフト(δ) (CH3 ): 0.95ppm (CH2 )e : 1.30〜1.51ppm (CH2 )d : 1.71ppm (CH2 )c : 4.23ppm (H)a : 5.30ppm カップリング定数(J) (Ha −F) : 12.5ヘルツ (Ha −Hb ): 1.5ヘルツ (Hb −F) : 43ヘルツ実施例3 実施例1bの手順を繰り返すが、しかし中間開始物質と
してメチル2−ジイソプロピルホスホノ−2−フルオロ
アセテートで開始する。
してメチル2−ジイソプロピルホスホノ−2−フルオロ
アセテートで開始する。
【0039】メチルα−フルオロアクリレートを収率7
0%で収集した。赤外線及びNMRスペクトルにより本
物質の構造を確認した:−構造:
0%で収集した。赤外線及びNMRスペクトルにより本
物質の構造を確認した:−構造:
【0040】
【化10】
【0041】−赤外線スペクトル (C=O) : 1745cm-1 (C=C) : 1650cm-1 −NMRスペクトル 化学シフト(δ) (CH3 ): 3.85ppm (H)a : 5.35ppm カップリング定数(J) J Ha −F : 12.5ヘルツ J Ha −Hb : 1.5ヘルツ J Hb −F : 43ヘルツ J Hb −Ha : 1.5ヘルツ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ナタリー・ブイアン フランス国、54000・ナンスイー、リユ・ ドウ・ラ・サルペトリエール、10 (72)発明者 フイリツプ・クトロ フランス国、54420・ソルクスール・レ・ ナンスイー、アレ・モザール、1
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式I: 【化1】 (式中、R′は、1〜12個の炭素原子を有する直鎖又
は分枝鎖アルキル基、3〜10個の炭素原子を有するモ
ノ−又はポリ縮合シクロアルキル基、あるいは一つ又は
それ以上のアルキル基によって置換されていても置換さ
れていなくてもよく、且つ、一つ又はそれ以上のS、
N、O又はPのような異種原子を任意に含有する、6〜
10個の炭素原子を有するアリール基である)のα−フ
ルオロアクリレートの製造方法であって、該方法が、第
一段階で公知の方法でα−フルオロホスホノアセテート
を合成すること、及び、第二段階でα−フルオロホスホ
ノアセテートとアルデヒドとの縮合によって製造される
α−フルオロアクリレートを得ることの2段階から成
り、用いられるアルデヒドがホルムアルデヒドであっ
て、ホルムアルデヒドとして又はパラホルムアルデヒド
の形態で用いられ、縮合反応が弱無機塩基の存在下で水
性媒質中で実施されることを特徴とする方法。 - 【請求項2】 パラホルムアルデヒドがα−フルオロホ
スホノアセテートとの縮合反応時に反応混合液中で解重
合されることを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 縮合反応が弱無機酸の塩から選択される
弱塩基の存在下で実施されることを特徴とする請求項1
又は2記載の方法。 - 【請求項4】 塩が炭酸カリウムであることを特徴とす
る請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
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