JPH05201870A - 白金化合物の抗腫瘍作用増強剤 - Google Patents
白金化合物の抗腫瘍作用増強剤Info
- Publication number
- JPH05201870A JPH05201870A JP4037055A JP3705592A JPH05201870A JP H05201870 A JPH05201870 A JP H05201870A JP 4037055 A JP4037055 A JP 4037055A JP 3705592 A JP3705592 A JP 3705592A JP H05201870 A JPH05201870 A JP H05201870A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lecithin
- lysolecithin
- platinum compound
- cisplatin
- derived
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- Pending
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-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/10—Dispersions; Emulsions
- A61K9/127—Liposomes
Abstract
(57)【要約】
【構成】 レシチンおよびリゾレシチンが9:1(重量
比)の脂質小胞体からなる白金化合物の抗腫瘍作用増強
剤。 【効果】 本発明のレシチンおよびリゾレシチンが9:
1(重量比)の脂質小胞体は、白金化合物の抗腫瘍作用
を増強するため、白金化合物の投与量を減らして副作用
を軽減することができ、白金化合物の有用性を高めるこ
とができる。
比)の脂質小胞体からなる白金化合物の抗腫瘍作用増強
剤。 【効果】 本発明のレシチンおよびリゾレシチンが9:
1(重量比)の脂質小胞体は、白金化合物の抗腫瘍作用
を増強するため、白金化合物の投与量を減らして副作用
を軽減することができ、白金化合物の有用性を高めるこ
とができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レシチンおよびリゾレ
シチンが9:1(重量比)の脂質小胞体からなる白金化
合物の抗腫瘍作用増強剤に関する。
シチンが9:1(重量比)の脂質小胞体からなる白金化
合物の抗腫瘍作用増強剤に関する。
【0002】
【従来の技術】抗腫瘍効果を発揮する白金化合物、たと
えば、シスプラチン[シス−ジアミンジクロロプラチナ
ム]は、睾丸腫瘍、前立腺癌、膀胱癌、卵巣癌および腎
孟・尿道腫瘍などに有用な抗腫瘍剤として用いられてい
るが、その一方で、腎障害、胃腸障害などが認められて
いる。特に腎障害が著しく、これがシスプラチンの投与
量規制因子となっている[ジ・アメリカン・ジャーナル
・オブ・メディシン(TheAmerican Journal of Medicin
e),第65巻,第307〜314頁(1978年)]。また、レシチン
およびリゾレシチンが9:1(重量比)からなる脂質小
胞体は、特公昭58-40929号に記載されており、抗腫瘍作
用を有することが知られている。しかし、前記脂質小胞
体それ自体が、白金化合物の抗腫瘍作用を増強すること
は知られていない。
えば、シスプラチン[シス−ジアミンジクロロプラチナ
ム]は、睾丸腫瘍、前立腺癌、膀胱癌、卵巣癌および腎
孟・尿道腫瘍などに有用な抗腫瘍剤として用いられてい
るが、その一方で、腎障害、胃腸障害などが認められて
いる。特に腎障害が著しく、これがシスプラチンの投与
量規制因子となっている[ジ・アメリカン・ジャーナル
・オブ・メディシン(TheAmerican Journal of Medicin
e),第65巻,第307〜314頁(1978年)]。また、レシチン
およびリゾレシチンが9:1(重量比)からなる脂質小
胞体は、特公昭58-40929号に記載されており、抗腫瘍作
用を有することが知られている。しかし、前記脂質小胞
体それ自体が、白金化合物の抗腫瘍作用を増強すること
は知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のように白金化合
物は、臨床上欠点を有しているので、その抗腫瘍作用を
増強させ、かつ副作用を軽減させることができれば欠点
が解決され、白金化合物による癌治療はいっそう有効な
ものとなる。本発明の目的は、上記課題を解決し、白金
化合物の抗腫瘍作用を増強させる医薬用組成物を提供す
ることにある。
物は、臨床上欠点を有しているので、その抗腫瘍作用を
増強させ、かつ副作用を軽減させることができれば欠点
が解決され、白金化合物による癌治療はいっそう有効な
ものとなる。本発明の目的は、上記課題を解決し、白金
化合物の抗腫瘍作用を増強させる医薬用組成物を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題に対し
て、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、レシチンおよ
びリゾレシチンが9:1(重量比)の脂質小胞体が、白
金化合物の抗腫瘍作用を増強させることを見出し、本発
明を完成するに至った。
て、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、レシチンおよ
びリゾレシチンが9:1(重量比)の脂質小胞体が、白
金化合物の抗腫瘍作用を増強させることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
使用されるレシチンとしては、天然由来のもの、たとえ
ば、卵黄、大豆、豚脳、牛脳、豚肝臓、牛肝臓および酵
母などから得られるもの;純合成化学的または半合成化
学的に得られるもののいずれでもよく、それらは、二種
以上の混合物であってもよい。好ましいレシチンとして
は、卵黄由来のレシチンが挙げられる。また、本発明に
使用されるリゾレシチンとしては、前記レシチンから酵
素的または化学的に誘導されるもの;純合成化学的に誘
導されるもののいずれでもよく、それらは、二種以上の
混合物であってもよい。好ましいリゾレシチンとして
は、卵黄由来のレシチンから誘導されるリゾレシチンが
挙げられる。本発明における脂質小胞体は、等張液、た
とえば5%ブドウ糖液に分散された状態で提供される
が、特に粒径が1μm以下、更には0.5μm以下での使用
が好ましい。本発明の好ましい例としては、5%ブドウ
糖液に卵黄由来のレシチンおよび卵黄由来のレシチンか
ら誘導されるリゾレシチンが9:1(重量比)の脂質小
胞体を濃度10%(w/v)で分散させたもの(T−680と
略称)が挙げられる。
使用されるレシチンとしては、天然由来のもの、たとえ
ば、卵黄、大豆、豚脳、牛脳、豚肝臓、牛肝臓および酵
母などから得られるもの;純合成化学的または半合成化
学的に得られるもののいずれでもよく、それらは、二種
以上の混合物であってもよい。好ましいレシチンとして
は、卵黄由来のレシチンが挙げられる。また、本発明に
使用されるリゾレシチンとしては、前記レシチンから酵
素的または化学的に誘導されるもの;純合成化学的に誘
導されるもののいずれでもよく、それらは、二種以上の
混合物であってもよい。好ましいリゾレシチンとして
は、卵黄由来のレシチンから誘導されるリゾレシチンが
挙げられる。本発明における脂質小胞体は、等張液、た
とえば5%ブドウ糖液に分散された状態で提供される
が、特に粒径が1μm以下、更には0.5μm以下での使用
が好ましい。本発明の好ましい例としては、5%ブドウ
糖液に卵黄由来のレシチンおよび卵黄由来のレシチンか
ら誘導されるリゾレシチンが9:1(重量比)の脂質小
胞体を濃度10%(w/v)で分散させたもの(T−680と
略称)が挙げられる。
【0006】本発明に使用される抗腫瘍作用を有する白
金化合物としては、シスプラチンが挙げられる。
金化合物としては、シスプラチンが挙げられる。
【0007】本発明のレシチンおよびリゾレシチンが
9:1(重量比)の脂質小胞体からなる白金化合物の抗
腫瘍作用増強剤は、たとえば、特公昭58-40929号に記載
の方法で製造することができる。
9:1(重量比)の脂質小胞体からなる白金化合物の抗
腫瘍作用増強剤は、たとえば、特公昭58-40929号に記載
の方法で製造することができる。
【0008】シスプラチンの用法としては、1日1回ず
つ5日間連続静注し、その後2週間休薬する方法、1週
間毎に1回静注する方法、あるいは3週間毎に1回静注
する方法の3つがとられている(医療薬 日本医薬品
集,1991年版,第455-456頁,薬事時報社参照)。本発
明のレシチンおよびリゾレシチンが9:1(重量比)の
脂質小胞体からなる白金化合物の抗腫瘍作用増強剤の投
与量および投与方法は、患者の病態、年齢および体重に
応じて適宜選択できるが、通常、成人1回当り、レシチ
ンおよびリゾレシチンが9:1(重量比)の脂質小胞体
0.1〜2g(リゾレシチン換算)を、白金化合物と混合
して同時に、または白金化合物の投与休止期間中もしく
は投与前に単独で、経口的または非経口的(注射、点
滴、直腸投与など)に投与すればよい。
つ5日間連続静注し、その後2週間休薬する方法、1週
間毎に1回静注する方法、あるいは3週間毎に1回静注
する方法の3つがとられている(医療薬 日本医薬品
集,1991年版,第455-456頁,薬事時報社参照)。本発
明のレシチンおよびリゾレシチンが9:1(重量比)の
脂質小胞体からなる白金化合物の抗腫瘍作用増強剤の投
与量および投与方法は、患者の病態、年齢および体重に
応じて適宜選択できるが、通常、成人1回当り、レシチ
ンおよびリゾレシチンが9:1(重量比)の脂質小胞体
0.1〜2g(リゾレシチン換算)を、白金化合物と混合
して同時に、または白金化合物の投与休止期間中もしく
は投与前に単独で、経口的または非経口的(注射、点
滴、直腸投与など)に投与すればよい。
【0009】つぎに、本発明のレシチンおよびリゾレシ
チンが9:1(重量比)の脂質小胞体の薬理作用につい
て述べる。なお、試験には、レシチンおよびリゾレシチ
ンが9:1(重量比)の脂質小胞体からなる白金化合物
の抗腫瘍作用増強剤として、5%ブドウ糖液に卵黄由来
のレシチンおよび卵黄由来のレシチンから誘導されるリ
ゾレシチンが9:1(重量比)の脂質小胞体を濃度10%
(w/v)で分散させたもの(製剤例1:T−680)を;白
金化合物として、生理食塩液に濃度0.1%(w/v)で溶解さ
せたシスプラチンを;レシチンリポソームとして、5%
ブドウ糖液に卵黄由来のレシチンから調製した脂質小胞
体を濃度10%(w/v)で分散させたもの(参考例1)を;リ
ゾレシチンとしては、5%ブドウ糖液に卵黄由来のレシ
チンから誘導されるリゾレシチンを濃度10%(w/v)で溶
解させたものを、それぞれ用いた。
チンが9:1(重量比)の脂質小胞体の薬理作用につい
て述べる。なお、試験には、レシチンおよびリゾレシチ
ンが9:1(重量比)の脂質小胞体からなる白金化合物
の抗腫瘍作用増強剤として、5%ブドウ糖液に卵黄由来
のレシチンおよび卵黄由来のレシチンから誘導されるリ
ゾレシチンが9:1(重量比)の脂質小胞体を濃度10%
(w/v)で分散させたもの(製剤例1:T−680)を;白
金化合物として、生理食塩液に濃度0.1%(w/v)で溶解さ
せたシスプラチンを;レシチンリポソームとして、5%
ブドウ糖液に卵黄由来のレシチンから調製した脂質小胞
体を濃度10%(w/v)で分散させたもの(参考例1)を;リ
ゾレシチンとしては、5%ブドウ糖液に卵黄由来のレシ
チンから誘導されるリゾレシチンを濃度10%(w/v)で溶
解させたものを、それぞれ用いた。
【0010】(a)エールリッヒ(Ehrlich)固形癌に対
する併用効果 1群8匹のddY系マウス(雄,5週齢)を用い、マウス
1匹当り5×106個のエールリッヒ癌細胞を左鼠蹊部皮
下に移植した。シスプラチン・T−680併用群には、
シスプラチン1mg/kgおよびT−680 10ml/kgを混合
したものを;シスプラチン単独投与群には、シスプラチ
ン1mg/kgおよび5%ブドウ糖液10ml/kgを混合したもの
を、それぞれ癌細胞移植後1日目から7日目まで1日1
回、静脈内投与した。また、対照群には、生理食塩液1
ml/kgおよび5%ブドウ糖液10ml/kgを混合したものを投
与した。癌細胞移植後12日目に、マウスを屠殺し、各投
与群および対照群の平均腫瘍重量を測定した。その結果
を、表1に示す。
する併用効果 1群8匹のddY系マウス(雄,5週齢)を用い、マウス
1匹当り5×106個のエールリッヒ癌細胞を左鼠蹊部皮
下に移植した。シスプラチン・T−680併用群には、
シスプラチン1mg/kgおよびT−680 10ml/kgを混合
したものを;シスプラチン単独投与群には、シスプラチ
ン1mg/kgおよび5%ブドウ糖液10ml/kgを混合したもの
を、それぞれ癌細胞移植後1日目から7日目まで1日1
回、静脈内投与した。また、対照群には、生理食塩液1
ml/kgおよび5%ブドウ糖液10ml/kgを混合したものを投
与した。癌細胞移植後12日目に、マウスを屠殺し、各投
与群および対照群の平均腫瘍重量を測定した。その結果
を、表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】(b)B−16固形癌に対する併用効果 1群8匹のBDF1系マウス(雄,5週齢)を用い、マウス
1匹当り3×105個のB−16癌細胞を右体側部皮下に
移植した。シスプラチン・T−680併用群には、シス
プラチン3mg/kgおよびT−680 10ml/kgを混合した
ものを、移植後1、4および7日目にそれぞれ静脈内投
与し、さらに移植後2、3、5、6および8日目にT−
680 10ml/kgのみを静脈内投与した。シスプラチン単
独投与群には、シスプラチン3mg/kgおよび5%ブドウ
糖液10ml/kgを混合したものを、移植後1、4および7
日目にそれぞれ静脈内投与した。また、対照群には、生
理食塩液1ml/kgおよび5%ブドウ糖液10ml/kgを混合し
たものを静脈内投与した。癌細胞移植後12、15および18
日目に、固形癌の長径および短径をキャリパーで測定
し、下式に従って腫瘍重量を算出した。 腫瘍重量(g)=0.5×(長径cm)×(短径cm)2 その結果を、表2に示す。
1匹当り3×105個のB−16癌細胞を右体側部皮下に
移植した。シスプラチン・T−680併用群には、シス
プラチン3mg/kgおよびT−680 10ml/kgを混合した
ものを、移植後1、4および7日目にそれぞれ静脈内投
与し、さらに移植後2、3、5、6および8日目にT−
680 10ml/kgのみを静脈内投与した。シスプラチン単
独投与群には、シスプラチン3mg/kgおよび5%ブドウ
糖液10ml/kgを混合したものを、移植後1、4および7
日目にそれぞれ静脈内投与した。また、対照群には、生
理食塩液1ml/kgおよび5%ブドウ糖液10ml/kgを混合し
たものを静脈内投与した。癌細胞移植後12、15および18
日目に、固形癌の長径および短径をキャリパーで測定
し、下式に従って腫瘍重量を算出した。 腫瘍重量(g)=0.5×(長径cm)×(短径cm)2 その結果を、表2に示す。
【0013】
【表2】
【0014】(c)Colon26定着固形癌に対する
併用効果 1群6匹のCDF1系マウス(雄,5週齢)を用い、マウス
1匹当り2×106個のColon26癌細胞を右体側部
皮下に移植した。シスプラチン・T−680併用群に
は、シスプラチン5mg/kgおよびT−680 10ml/kgを
混合したものを;シスプラチン・レシチンリポソーム併
用群には、シスプラチン5mg/kgおよびレシチンリポソ
ーム10ml/kgを混合したものを;シスプラチン・リゾレ
シチン併用群には、シスプラチン5mg/kgおよびリゾレ
シチン100mg/kgを混合したものを;シスプラチン単独投
与群には、シスプラチン5mg/kgおよび5%ブドウ糖液1
0ml/kgを混合したものを、それぞれ移植後5日目に静脈
内投与した。また、対照群には、生理食塩液1ml/kgお
よび5%ブドウ糖液10ml/kgを混合したものを静脈内投
与した。癌細胞移植後8日目および11日目に、固形癌の
長径および短径をキャリパーで測定し、下式に従って腫
瘍重量を算出した。 腫瘍重量(g)=0.5×(長径cm)×(短径cm)2 その結果を、表3に示す。
併用効果 1群6匹のCDF1系マウス(雄,5週齢)を用い、マウス
1匹当り2×106個のColon26癌細胞を右体側部
皮下に移植した。シスプラチン・T−680併用群に
は、シスプラチン5mg/kgおよびT−680 10ml/kgを
混合したものを;シスプラチン・レシチンリポソーム併
用群には、シスプラチン5mg/kgおよびレシチンリポソ
ーム10ml/kgを混合したものを;シスプラチン・リゾレ
シチン併用群には、シスプラチン5mg/kgおよびリゾレ
シチン100mg/kgを混合したものを;シスプラチン単独投
与群には、シスプラチン5mg/kgおよび5%ブドウ糖液1
0ml/kgを混合したものを、それぞれ移植後5日目に静脈
内投与した。また、対照群には、生理食塩液1ml/kgお
よび5%ブドウ糖液10ml/kgを混合したものを静脈内投
与した。癌細胞移植後8日目および11日目に、固形癌の
長径および短径をキャリパーで測定し、下式に従って腫
瘍重量を算出した。 腫瘍重量(g)=0.5×(長径cm)×(短径cm)2 その結果を、表3に示す。
【0015】
【表3】
【0016】(d)急性毒性 ddN系マウス(雌,6週齢)の静脈内に、製造例1の白
金化合物の抗腫瘍作用増強剤を投与し、急性毒性値(LD
50)をリッチフィールド・ウイルコックソン(Litchfield
-Wilcoxon)法で算出した。その結果、LD50は、500mg/kg
以上であった。
金化合物の抗腫瘍作用増強剤を投与し、急性毒性値(LD
50)をリッチフィールド・ウイルコックソン(Litchfield
-Wilcoxon)法で算出した。その結果、LD50は、500mg/kg
以上であった。
【0017】
【発明の効果】上記(a)〜(d)から明らかなよう
に、本発明のレシチンおよびリゾレシチンが9:1(重
量比)の脂質小胞体は、白金化合物の抗腫瘍作用を増強
し、安全性も高いことが理解できる。したがって、白金
化合物の投与量を減らし副作用を軽減することができ、
白金化合物の有用性を高めることができる。
に、本発明のレシチンおよびリゾレシチンが9:1(重
量比)の脂質小胞体は、白金化合物の抗腫瘍作用を増強
し、安全性も高いことが理解できる。したがって、白金
化合物の投与量を減らし副作用を軽減することができ、
白金化合物の有用性を高めることができる。
【0018】
【実施例】つぎに、本発明を具体的に製造例を挙げて説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】製造例1 卵黄レシチン90gおよびL−リゾレシチン(卵黄レシチ
ンにホスホリパーゼAを作用させて得られたリゾレシチ
ンであり、C16の飽和脂肪酸:約70%、C18の飽和脂肪
酸:約29%、不飽和脂肪酸:約1%以下を構成成分とし
た。)10gを、注射用5%ブドウ糖液1000mlに添加し、
ミキサーで30分間攪拌混合した。ついで、この懸濁液に
超音波処理(19kHz,1200W)を1時間行った後、孔径0.22
μmのメンブランフィルターを用いて加圧濾過(0.5〜2.0
kg/cm2)し、得られた濾液を無菌処理し、25ml静脈注射
用バイアルに小分け封入し、注射剤を得た。
ンにホスホリパーゼAを作用させて得られたリゾレシチ
ンであり、C16の飽和脂肪酸:約70%、C18の飽和脂肪
酸:約29%、不飽和脂肪酸:約1%以下を構成成分とし
た。)10gを、注射用5%ブドウ糖液1000mlに添加し、
ミキサーで30分間攪拌混合した。ついで、この懸濁液に
超音波処理(19kHz,1200W)を1時間行った後、孔径0.22
μmのメンブランフィルターを用いて加圧濾過(0.5〜2.0
kg/cm2)し、得られた濾液を無菌処理し、25ml静脈注射
用バイアルに小分け封入し、注射剤を得た。
【0020】参考例1 卵黄レシチン90gを注射用5%ブドウ糖液900mlに添加
し、ミキサーで30分間攪拌混合した。ついで、この懸濁
液に超音波処理(19kHz,1200W)を1時間行った後、孔径
0.22μmのメンブランフィルターを用いて加圧濾過(0.5
〜2.0kg/cm2)し、得られた濾液を無菌処理し、25ml静脈
注射用バイアルに小分け封入し、注射剤を得た。
し、ミキサーで30分間攪拌混合した。ついで、この懸濁
液に超音波処理(19kHz,1200W)を1時間行った後、孔径
0.22μmのメンブランフィルターを用いて加圧濾過(0.5
〜2.0kg/cm2)し、得られた濾液を無菌処理し、25ml静脈
注射用バイアルに小分け封入し、注射剤を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 正俊 富山県富山市粟島町3−11 (72)発明者 加賀 英俊 富山県富山市豊城町1−8 (72)発明者 古田 要介 富山県富山市下奥井1−6−30
Claims (4)
- 【請求項1】 レシチンおよびリゾレシチンが9:1
(重量比)の脂質小胞体からなる白金化合物の抗腫瘍作
用増強剤。 - 【請求項2】 レシチンが卵黄由来のレシチンである請
求項1記載の白金化合物の抗腫瘍作用増強剤。 - 【請求項3】 リゾレシチンが卵黄由来のレシチンから
誘導されるリゾレシチンである請求項1または2記載の
白金化合物の抗腫瘍作用増強剤。 - 【請求項4】 白金化合物がシスプラチンである請求項
1記載の白金化合物の抗腫瘍作用増強剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4037055A JPH05201870A (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | 白金化合物の抗腫瘍作用増強剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4037055A JPH05201870A (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | 白金化合物の抗腫瘍作用増強剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05201870A true JPH05201870A (ja) | 1993-08-10 |
Family
ID=12486890
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4037055A Pending JPH05201870A (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | 白金化合物の抗腫瘍作用増強剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05201870A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7749983B2 (en) | 2006-05-03 | 2010-07-06 | Chimerix, Inc. | Metabolically stable alkoxyalkyl esters of antiviral or antiproliferative phosphonates, nucleoside phosphonates and nucleoside phosphates |
WO2017217517A1 (ja) * | 2016-06-17 | 2017-12-21 | 国立大学法人大阪大学 | 腫瘍内静脈形成促進剤 |
-
1992
- 1992-01-28 JP JP4037055A patent/JPH05201870A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7749983B2 (en) | 2006-05-03 | 2010-07-06 | Chimerix, Inc. | Metabolically stable alkoxyalkyl esters of antiviral or antiproliferative phosphonates, nucleoside phosphonates and nucleoside phosphates |
US7994143B2 (en) | 2006-05-03 | 2011-08-09 | Chimerix, Inc. | Metabolically stable alkoxyalkyl esters of antiviral or antiproliferative phosphonates, nucleoside phosphonates and nucleoside phosphates |
WO2017217517A1 (ja) * | 2016-06-17 | 2017-12-21 | 国立大学法人大阪大学 | 腫瘍内静脈形成促進剤 |
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