JPH05201850A - 浴剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 生薬調整用の植物である薬用ニンジン、チン
ピ及びトウキを含有することを特徴とする浴剤組成物で
ある。 【効果】 末梢の保温効果に優れ、且つ肌のかさつきを
なくしてしっとりした感触をあたえる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、末梢の保温効果及び、
肌のしっとり効果に優れた、浴剤組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】浴剤組
成物は一般に、硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等
の無機塩混合物に、香料、着色剤、保湿剤等を配合した
もので、浴湯に香りや色調を与えたり、無機塩の作用に
よる血行促進効果や保温効果によって疲労を回復しリラ
ックス感を与えるものである。

【０００３】しかし、従来の浴剤組成物では、その保温
効果が体幹部では認められるものの、末梢部である手足
の先において、十分な保温効果が得られるものはみられ
ない。

【０００４】更に、保温以外の効果として、浴後の肌の
つっぱり感を改善する目的で、油性物質や、水溶性高分
子、牛乳成分等を含有する例が見られるが、その効果は
十分なものではなかった。

【０００５】本発明は、このような事情のもとでなされ
たものであって、その目的は、薬用ニンジン、チンピ及
びトウキを含有することにより、その効果を有効にひき
だし、末梢への保温効果が向上し且つ、肌のかさつきを
なくしてしっとりした感触を与えることを見出し、本発
明を完成した。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、薬用ニンジ
ン、チンピ及びトウキを含有することを特徴とした浴剤
組成物である。

【０００７】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる薬用ニンジンは、オタネニンジン（Panax gi
nseng C.A.Meyer)又はその他近縁植物の根である。チン
ピは、ウンシュウミカン（Citrus unshiu Marcovich)又
はその他近縁植物の成熟した果皮である。トウキは、ト
ウキ（Angelica acutiloba Kitagawa)又はその他近縁植
物の根である。

【０００８】本発明に用いられる生薬は、それぞれを乾
燥させ、細断、粉砕したもの（生薬末）を用いるが、も
ちろんこれらの生薬を水もしくはアルコール等、公知の
方法により抽出した液（生薬エキス）、又はその抽出液
を乾燥した粉末（生薬エキス末）を用いることも可能で
ある。

【０００９】通常、浴剤組成物は、後述の無機塩成分を
含有するのが一般的だが、本発明の浴剤組成物は、無機
塩成分を含有しなくても良い。その場合、前記生薬の配
合量は、３種類の生薬の調整状態がともに生薬末また
は、生薬エキス末のいずれかの場合、組成物全体に対し
て薬用ニンジンが３０〜７０重量％、チンピが２０〜５
０重量％、トウキが１０〜４０重量％であることが好ま
しい。３種類の生薬の調整状態がともに生薬エキスの場
合には、その乾燥残分の重量比で、ニンジンエキス：チ
ンピエキス：トウキエキス＝３〜７：３〜７：２〜５で
あることが好ましい。

【００１０】また、本発明は、更に無機塩成分を配合す
ると、その効果を一層高めることができる。この無機塩
成分としては、硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、
塩化ナトリウム、硝酸カルシウム、硝酸カリウム、硝酸
ナトリウム、硫酸アルミニウム、ポリリン酸ナトリウ
ム、塩化アンモニウム、硫酸鉄、リン酸ナトリウム、硫
酸マクネシウム、チオ硫酸ナトリウム、セスキ炭酸ナリ
ウム、硫化ナトリウム、ホウ砂、酸化カルシウム、炭酸
マグネシウム、塩化カリウム等が挙げられる。これらの
無機塩成分を用いる場合、無機塩成分の配合量は一般的
には８０重量％以上であるが、その場合、前記生薬の配
合量は、生薬末を用いた場合、生薬の総量が１．５〜２
０重量％で、組成物全体に対して薬用ニンジン末が０．
８〜１８重量％、チンピ末が０．４〜１８重量％、トウ
キ末が０．１〜１８重量％であることが好ましい。生薬
エキスを用いた場合は、その乾燥残分として、組成物全
体に対して薬用ニンジンエキスが０．０５〜１７重量
％、チンピエキスが０．０５〜１７重量％、トウキエキ
スが０．０５〜１７重量％であるのことが好ましい。ま
た、生薬エキス末を用いた場合は、組成物全体に対して
薬用ニンジンエキス末が０．０５〜１７重量％、チンピ
エキス末が０．０５〜１７重量％、トウキエキス末が
０．０５〜１７重量％であることが好ましい。

【００１１】更に、本発明の浴剤組成物には、香料、着
色剤、保湿剤等を添加することもできる。

【００１２】

【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に示す
が、これに先立ち評価項目及び方法に関して説明する。

【００１３】（１）末梢の保温効果の評価方法 被験者１０名を選び、表１の浴剤組成物を投与したお湯
（お湯約１８０ lに対し浴剤組成物３０ｇ投入）に入浴
し、浴後の皮膚表面温度変化を測定した。更にアンケー
トによる評価をおこなった。 条件；浴湯温度：４１℃ 入浴時間：１０分 室温：
２６℃ 測定部位：手背部及び足背部 測定機器；サーモグラフィー（日本電気三栄製 THER
MOTRACER 6T66) アンケート評価方法；手足の温まり感について ５点──非常に温まる ４点──やや温まる ３点──普通 ２点──やや温まりにくい １点──非常に温まりにくい

【００１４】

【表１】

【００１５】（２）肌のしっとり効果の評価方法 被験者１０名を選び、冬の乾燥しやすい時期に、表１の
浴剤組成物を投入したお湯（お湯約１８０ lに対し浴剤
組成物３０ｇ投入）に一日３回（朝、昼、夜）それぞれ
５分間、足を部分浴させ、皮膚表面の皮溝状態を観察
し、更にアンケートによる評価を行った。価を行った。 条件；浴湯温度：４１℃ 部分浴期間：１０日間 観
察部位：前足側部 観察機器；拡大ビデオカメラ（ウィルソン製 VIDEOM
ICROSCOPE SYSTEM） 観察した皮溝の状態の点数； ５点──非常に皮溝がはっきりしている ４点──やや皮溝がはっきりしている ３点──皮溝がやや不鮮明 ２点──皮溝が不鮮明 １点──皮溝がほとんど認められない アンケート評価方法 ５点──非常に肌がしっとりする ４点──やや肌がしっとりする ３点──普通 ２点──やや肌がかさつく １点──非常に肌がかさつく

【００１６】製造例；実施例に用いる薬用ニンジンエキ
ス末、チンピエキス末及びトウキエキス末は、それぞれ
生薬５００ｇを細断し、約１０倍量の７０％エタノール
水溶液を加えて２時間煮沸煮沸抽出し、抽出液を濾過し
た後、この濾液をスプレードライして得られた乾燥エキ
ス末とした。

【００１７】実施例１〜３、比較例１〜３ 表１に示す配合組成の浴剤組成物を、粉体を混合する通
常に方法で調整し、前記諸試験を行った。その結果を表
２に示す。なお、表１の中の数字は重量％を示す。

【００１８】

【表２】

【００１９】

【発明の効果】本発明の浴剤組成物の効果は、その成分
である薬用ニンジンとチンピとトウキの相乗効果により
得られる末梢の保温効果、及び肌のかさつきをなくして
しっとりした感触をあたえるしっとり効果にある。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 薬用ニンジン、チンピ、及びトウキを含
   有することを特徴とする浴剤組成物。