JPH05200953A - 耐衝撃性積層体およびその製造方法 - Google Patents
耐衝撃性積層体およびその製造方法Info
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- JPH05200953A JPH05200953A JP1539492A JP1539492A JPH05200953A JP H05200953 A JPH05200953 A JP H05200953A JP 1539492 A JP1539492 A JP 1539492A JP 1539492 A JP1539492 A JP 1539492A JP H05200953 A JPH05200953 A JP H05200953A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 優れた耐衝撃性と破砕時の飛散防止効果を有
する積層体およびその製造方法を提供することを目的と
する。 【構成】 アクリル系樹脂よりなる柔軟層と剛体層が強
固に接着一体化した積層体であって、少なくとも一層が
アクリル系部分架橋ゲル状重合体よりなる成形材料の硬
化により形成される柔軟層である耐衝撃性積層体および
その製造方法を提供することができる。
する積層体およびその製造方法を提供することを目的と
する。 【構成】 アクリル系樹脂よりなる柔軟層と剛体層が強
固に接着一体化した積層体であって、少なくとも一層が
アクリル系部分架橋ゲル状重合体よりなる成形材料の硬
化により形成される柔軟層である耐衝撃性積層体および
その製造方法を提供することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層体およびその製造
方法に関し、より詳しくは耐衝撃性に優れるとともに破
砕時の破片飛散防止効果に優れた積層体およびその製造
方法に関する。
方法に関し、より詳しくは耐衝撃性に優れるとともに破
砕時の破片飛散防止効果に優れた積層体およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、2枚のガラス板の間にポリビニ
ルブチラールをはさみ込んで接着した合わせガラスは、
耐衝撃性が高く、かつ破砕した場合にも飛散防止効果が
高いので、自動車、航空機、建物等の窓ガラスに用いら
れている。しかしながら、ガラスは本質的に割れやす
く、重いため、これらの改良を目的として前記ガラス板
を合成樹脂板に代えた積層体も知られている。
ルブチラールをはさみ込んで接着した合わせガラスは、
耐衝撃性が高く、かつ破砕した場合にも飛散防止効果が
高いので、自動車、航空機、建物等の窓ガラスに用いら
れている。しかしながら、ガラスは本質的に割れやす
く、重いため、これらの改良を目的として前記ガラス板
を合成樹脂板に代えた積層体も知られている。
【0003】これらの積層体としては、(a)2枚の合
成樹脂板の間にポリビニルブチラール膜をはさんで得ら
れた組立体を真空袋等に挿入して密閉し、脱気後に予備
圧着し、さらにこの組立体をオートクレーブ中に投入し
高温高圧下で圧着した積層体、(b)外層板となる2枚
の合成樹脂板の間に熱可塑性樹脂シートをはさみ込んで
加熱加圧により圧着した積層体、および(c)外層板と
なる2枚の合成樹脂板より形成されるセルの間に、硬化
により中間層を形成するとともに合成樹脂板を接着させ
る液状混合物を注入し、重合硬化した積層体等が知られ
ている。
成樹脂板の間にポリビニルブチラール膜をはさんで得ら
れた組立体を真空袋等に挿入して密閉し、脱気後に予備
圧着し、さらにこの組立体をオートクレーブ中に投入し
高温高圧下で圧着した積層体、(b)外層板となる2枚
の合成樹脂板の間に熱可塑性樹脂シートをはさみ込んで
加熱加圧により圧着した積層体、および(c)外層板と
なる2枚の合成樹脂板より形成されるセルの間に、硬化
により中間層を形成するとともに合成樹脂板を接着させ
る液状混合物を注入し、重合硬化した積層体等が知られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(a)
の積層体の製造に当たっては、合成樹脂板とポリビニル
ブチラール膜との界面の脱気が完全になされない傾向に
あり、その結果、最終的に得られる積層体に気泡が含有
される恐れがあるというばかりでなく工程が煩雑である
という問題点があった。
の積層体の製造に当たっては、合成樹脂板とポリビニル
ブチラール膜との界面の脱気が完全になされない傾向に
あり、その結果、最終的に得られる積層体に気泡が含有
される恐れがあるというばかりでなく工程が煩雑である
という問題点があった。
【0005】(b)の積層体は、製造工程は簡便である
が前記(a)の積層体と同様の脱気不良に起因する欠点
が発生しやすく、さらに接着が不充分になりやすい傾向
があった。
が前記(a)の積層体と同様の脱気不良に起因する欠点
が発生しやすく、さらに接着が不充分になりやすい傾向
があった。
【0006】(a)および(b)のいずれの積層体も、
その形状は板状などの比較的単純なものに制限され、形
状の自由度が小さいという問題点があった。
その形状は板状などの比較的単純なものに制限され、形
状の自由度が小さいという問題点があった。
【0007】(c)の積層体は各層の接着は良好である
が、工程が煩雑であるばかりではなく、中間層の厚みが
不均一になり易く、光学歪が発生しやすい傾向があり、
さらに形状が板状などの比較的単純なものに制限される
という問題があった。
が、工程が煩雑であるばかりではなく、中間層の厚みが
不均一になり易く、光学歪が発生しやすい傾向があり、
さらに形状が板状などの比較的単純なものに制限される
という問題があった。
【0008】したがって、本発明は、上記問題点を解決
して、気泡による欠点がなく、耐衝撃性、破砕時の飛散
防止効果に優れ、複雑な形状を有することも可能な積層
体および該積層体を簡便容易に製造する方法を提供する
ことを目的とする。
して、気泡による欠点がなく、耐衝撃性、破砕時の飛散
防止効果に優れ、複雑な形状を有することも可能な積層
体および該積層体を簡便容易に製造する方法を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記解決
すべき課題について鋭意検討した結果、特開昭60−2
02,128号公報、特開昭62−1,705号公報お
よび特開平2−294,300号公報等に記載されてい
るメタクリル系樹脂成形材料である部分架橋ゲル状重合
体またはその流動性を改良した組成物より選ばれた成形
材料を重合硬化させて形成された柔軟層を含むアクリル
系樹脂積層体が優れた耐衝撃性と破砕時の飛散防止効果
を有することを見い出し、本発明を完成した。
すべき課題について鋭意検討した結果、特開昭60−2
02,128号公報、特開昭62−1,705号公報お
よび特開平2−294,300号公報等に記載されてい
るメタクリル系樹脂成形材料である部分架橋ゲル状重合
体またはその流動性を改良した組成物より選ばれた成形
材料を重合硬化させて形成された柔軟層を含むアクリル
系樹脂積層体が優れた耐衝撃性と破砕時の飛散防止効果
を有することを見い出し、本発明を完成した。
【0010】本発明によれば、アクリル系樹脂よりなる
柔軟層と剛体層が強固に接着一体化した積層体であっ
て、少なくとも一層がアクリル系部分架橋ゲル状重合体
よりなる成形材料の硬化により形成される柔軟層である
ことを特徴とする耐衝撃性積層体を提供することができ
る。
柔軟層と剛体層が強固に接着一体化した積層体であっ
て、少なくとも一層がアクリル系部分架橋ゲル状重合体
よりなる成形材料の硬化により形成される柔軟層である
ことを特徴とする耐衝撃性積層体を提供することができ
る。
【0011】また、本発明によれば、硬化により柔軟層
を形成するアクリル系部分ゲル状重合体よりなるシート
状成形材料および硬化により剛体層を形成するアクリル
系部分架橋ゲル状重合体よりなるシート状成形材料をそ
れぞれ少なくとも一層積層し、加熱加圧することによ
り、各層を重合硬化するとともに接着一体化することを
特徴とする耐衝撃性積層体の製造方法も提供することが
できる。
を形成するアクリル系部分ゲル状重合体よりなるシート
状成形材料および硬化により剛体層を形成するアクリル
系部分架橋ゲル状重合体よりなるシート状成形材料をそ
れぞれ少なくとも一層積層し、加熱加圧することによ
り、各層を重合硬化するとともに接着一体化することを
特徴とする耐衝撃性積層体の製造方法も提供することが
できる。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
積層体において、柔軟層を除く各樹脂層を剛体層と称す
る。すなわち、本発明の積層体は、少なくとも一層の柔
軟層と一層以上の剛体層が強固に接着一体化した耐衝撃
性積層体である。
積層体において、柔軟層を除く各樹脂層を剛体層と称す
る。すなわち、本発明の積層体は、少なくとも一層の柔
軟層と一層以上の剛体層が強固に接着一体化した耐衝撃
性積層体である。
【0013】本発明の積層体は、種々の構成をとること
が可能であり、「剛体層/柔軟層」、「剛体層/柔軟層
/剛体層」、「剛体層/柔軟層/剛体層/柔軟層」、
「剛体層/柔軟層/剛体層/柔軟層/剛体層」等の2〜
5層積層体であることが好ましく、剛体層または柔軟層
が複数となる場合には各層の組成が異なっても良い。
が可能であり、「剛体層/柔軟層」、「剛体層/柔軟層
/剛体層」、「剛体層/柔軟層/剛体層/柔軟層」、
「剛体層/柔軟層/剛体層/柔軟層/剛体層」等の2〜
5層積層体であることが好ましく、剛体層または柔軟層
が複数となる場合には各層の組成が異なっても良い。
【0014】また、最外層の表面にアクリル系耐擦傷性
被膜、またはシリコーン系耐擦傷性被膜を設けることも
可能であるし、ガラス板を設けることも可能である。
被膜、またはシリコーン系耐擦傷性被膜を設けることも
可能であるし、ガラス板を設けることも可能である。
【0015】該柔軟層の厚さは、耐衝撃性と破砕時の飛
散防止効果を確保するのに十分な厚さであれば、特に制
限はなく、例えば0.5〜1.5mmが好ましい。0.
5mm未満であると耐衝撃性が不十分となりやすく、一
方、1.5mmを越えると積層体の強度が低下する傾向
があり好ましくない。該剛体層の厚さは、特に制限はな
く、例えば0.5〜5mmが好ましく、特に1〜3mm
が好ましい。得られる積層体の全厚には、特に制限はな
く、15mm以下が好ましく、特に3〜10mmが好ま
しい。
散防止効果を確保するのに十分な厚さであれば、特に制
限はなく、例えば0.5〜1.5mmが好ましい。0.
5mm未満であると耐衝撃性が不十分となりやすく、一
方、1.5mmを越えると積層体の強度が低下する傾向
があり好ましくない。該剛体層の厚さは、特に制限はな
く、例えば0.5〜5mmが好ましく、特に1〜3mm
が好ましい。得られる積層体の全厚には、特に制限はな
く、15mm以下が好ましく、特に3〜10mmが好ま
しい。
【0016】本発明の剛体層を形成するアクリル系樹脂
は、常温での引張強度が通常400Kg/cm2 以上の
もの、好ましくは500Kg/cm2 以上のものであれ
ば特に制限はないが、耐熱性、耐溶剤性の点から架橋ア
クリル系樹脂であることが好ましい。該架橋アクリル系
樹脂は、架橋性単量体1〜60重量%およびアルキルメ
タクリレートを主体としその重合体を溶解含有しても良
い不飽和単量体99〜40重量%よりなる混合物を重合
硬化して得られる樹脂である。特開平3−54,217
号公報に記載されているポリウレタン配合アクリル系液
状レジンの硬化物も使用することができる。前記架橋性
単量体は分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイ
ル基を有する単量体であることが好ましく、例えば特開
昭60−202,128号公報、特開平3−54,21
7号公報および特開平3−54,206号公報等に記載
されている架橋性単量体を使用することができ、また複
数の架橋性単量体を組み合わせて使用することも可能で
ある。
は、常温での引張強度が通常400Kg/cm2 以上の
もの、好ましくは500Kg/cm2 以上のものであれ
ば特に制限はないが、耐熱性、耐溶剤性の点から架橋ア
クリル系樹脂であることが好ましい。該架橋アクリル系
樹脂は、架橋性単量体1〜60重量%およびアルキルメ
タクリレートを主体としその重合体を溶解含有しても良
い不飽和単量体99〜40重量%よりなる混合物を重合
硬化して得られる樹脂である。特開平3−54,217
号公報に記載されているポリウレタン配合アクリル系液
状レジンの硬化物も使用することができる。前記架橋性
単量体は分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイ
ル基を有する単量体であることが好ましく、例えば特開
昭60−202,128号公報、特開平3−54,21
7号公報および特開平3−54,206号公報等に記載
されている架橋性単量体を使用することができ、また複
数の架橋性単量体を組み合わせて使用することも可能で
ある。
【0017】前記架橋アクリル系樹脂は、前記架橋単量
体と不飽和単量体との混合物やポリウレタン配合アクリ
ル系液状レジン等の原料を注型重合したり、または前記
原料を部分重合させて得られるアクリル系部分架橋ゲル
状重合体を一旦調製した後、これらを重合硬化させる等
して得ることができる。
体と不飽和単量体との混合物やポリウレタン配合アクリ
ル系液状レジン等の原料を注型重合したり、または前記
原料を部分重合させて得られるアクリル系部分架橋ゲル
状重合体を一旦調製した後、これらを重合硬化させる等
して得ることができる。
【0018】前記アクリル系部分架橋ゲル状重合体とし
ては、架橋性単量体1〜60重量%およびアルキルメタ
クリレートを主体としその重合体を溶解含有してもよい
不飽和単量体99〜40重量%よりなる混合物の重合体
含有率を全重合体含有率が80重量%を越えない範囲で
前記混合物中の重合体含有率よりも4〜62重量%増加
させた部分架橋ゲル状重合体や、これらを破砕混練した
組成物や、前記重合体または破砕混練した組成物100
重量部に対して、架橋性単量体を含有しても良いアルキ
ルメタクリレートを主体とし、その重合体を溶解含有し
ているシラップ1〜100重量部を添加し実質的に均一
に混練し、流動性等を改良した組成物が好ましく用いら
れる。これらのゲル状重合体は、特開昭60−202,
128号公報、特開昭62−1,705号公報および特
開平2−294,311号公報等に記載されている。
ては、架橋性単量体1〜60重量%およびアルキルメタ
クリレートを主体としその重合体を溶解含有してもよい
不飽和単量体99〜40重量%よりなる混合物の重合体
含有率を全重合体含有率が80重量%を越えない範囲で
前記混合物中の重合体含有率よりも4〜62重量%増加
させた部分架橋ゲル状重合体や、これらを破砕混練した
組成物や、前記重合体または破砕混練した組成物100
重量部に対して、架橋性単量体を含有しても良いアルキ
ルメタクリレートを主体とし、その重合体を溶解含有し
ているシラップ1〜100重量部を添加し実質的に均一
に混練し、流動性等を改良した組成物が好ましく用いら
れる。これらのゲル状重合体は、特開昭60−202,
128号公報、特開昭62−1,705号公報および特
開平2−294,311号公報等に記載されている。
【0019】また、前記重合体または破砕混練した組成
物100重量部に対して、架橋性単量体を含有しても良
いアルキルメタクリレートを主体とするモノマー1〜1
00重量部を添加し、実質的に均一に混練し、流動性、
浸透性などを改良した組成物も好ましく用いられる。
物100重量部に対して、架橋性単量体を含有しても良
いアルキルメタクリレートを主体とするモノマー1〜1
00重量部を添加し、実質的に均一に混練し、流動性、
浸透性などを改良した組成物も好ましく用いられる。
【0020】さらに、特開平3−54,217号公報に
記載の、ポリマー鎖末端にアルケニル基を有しガラス転
移温度が25℃以下であるポリウレタンとメチルメタク
リレートを主たる構成要素とする単量体成分とでラジカ
ル重合性成分を構成するアクリル系液状レジンを2段階
処理で硬化させるに際し、第1段階で部分重合処理して
得られた重合体、およびこの重合体を前記と同様に破砕
混練した組成物、シラップや不飽和単量体等を添加して
均一に混練した組成物等も好ましく用いられる。 本発
明の柔軟層の原料となるアクリル系部分架橋ゲル状重合
体としては、特開昭60−202,128号公報、特開
昭62−1,705号公報および特開平2−294,3
11号公報等に記載のゲル状重合体より選ばれたものが
好ましく用いられる。このようなゲル状重合体として
は、式(1)〜(5)で示される架橋性単量体1〜60
重量%およびアルキルメタクリレートを主体としその重
合体を溶解含有してもよい不飽和単量体99〜40重量
%よりなる混合物の重合体含有率を全重合体含有率が8
0重量%を越えない範囲で前記混合物中の重合体含有率
よりも4〜62重量%増加させた部分架橋ゲル状重合体
や、これらを破砕混練した組成物や、前記重合体または
破砕混練した組成物100重量部に対して、架橋性単量
体を含有しても良いアルキルメタクリレートを主体と
し、その重合体を溶解しているシラップ1〜100重量
部を添加し実質的に均一に混練し、流動性等を改良した
組成物が好ましく用いられる。
記載の、ポリマー鎖末端にアルケニル基を有しガラス転
移温度が25℃以下であるポリウレタンとメチルメタク
リレートを主たる構成要素とする単量体成分とでラジカ
ル重合性成分を構成するアクリル系液状レジンを2段階
処理で硬化させるに際し、第1段階で部分重合処理して
得られた重合体、およびこの重合体を前記と同様に破砕
混練した組成物、シラップや不飽和単量体等を添加して
均一に混練した組成物等も好ましく用いられる。 本発
明の柔軟層の原料となるアクリル系部分架橋ゲル状重合
体としては、特開昭60−202,128号公報、特開
昭62−1,705号公報および特開平2−294,3
11号公報等に記載のゲル状重合体より選ばれたものが
好ましく用いられる。このようなゲル状重合体として
は、式(1)〜(5)で示される架橋性単量体1〜60
重量%およびアルキルメタクリレートを主体としその重
合体を溶解含有してもよい不飽和単量体99〜40重量
%よりなる混合物の重合体含有率を全重合体含有率が8
0重量%を越えない範囲で前記混合物中の重合体含有率
よりも4〜62重量%増加させた部分架橋ゲル状重合体
や、これらを破砕混練した組成物や、前記重合体または
破砕混練した組成物100重量部に対して、架橋性単量
体を含有しても良いアルキルメタクリレートを主体と
し、その重合体を溶解しているシラップ1〜100重量
部を添加し実質的に均一に混練し、流動性等を改良した
組成物が好ましく用いられる。
【0021】また、前記重合体または破砕混練した組成
物100重量部に対して、架橋性単量体を含有していて
も良いアルキルメタクリレートを主体とするモノマー1
〜100重量部を添加し、実質的に均一に混練し、流動
性、浸透性などを改良した組成物も好ましく用いられ
る。
物100重量部に対して、架橋性単量体を含有していて
も良いアルキルメタクリレートを主体とするモノマー1
〜100重量部を添加し、実質的に均一に混練し、流動
性、浸透性などを改良した組成物も好ましく用いられ
る。
【0022】 (M)A−O−(R1 −O)n −(M)A (1) [ただし、式中、(M)Aはメタクリロイル基またはア
クリロイル基を表し、R1 は2〜4の置換されても良い
アルキレン基を表し、nは9〜30の整数を表す。] (M)A−O−X−(M)A (2) [ただし、式中、(M)Aは式(1)と同じ基を表し、
Xは−(R2 −OCOR3 COO)n−R2 −O−
(ここで、R2 は炭素数2〜10のポリオール残基を表
し、R3 は炭素数2〜15のジカルボン酸残基を表す)
で示される分子量300〜4,000のポリエステルポ
リオール残基を表す。] (M)A−O−R4 −NHCOO−Y−CONH−R4 −O−(M)A (3) [ただし、式中、(M)Aは式(1)と同じ基を表し、
R4 はエチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基、
テトラメチレン基を表し、YはR5 −Z−R5 −O−
(ここで、R5 はエチレン基、プロピレン基を表し、Z
は水素添加されていてもよい分子量300〜4,000
のポリブタジエンまたはポリイソプレンを表す。)で示
される基、−R4 −O−を繰り返し単位とする分子量3
00〜4,000のポリエーテルポリオール残基、分子
量300〜4,000のポリ(ε−カプロラクトン)ジ
オール残基、−(R2 −OCOR3 COO)n−R2 −
O−(ここでR2 およびR3 は式(2)と同じ基を表
す)で示される分子量300〜4,000のポリエステ
ルポリオール残基、分子量100〜300の置換されて
も良いポリメチレングリコール残基、分子量100〜3
00の置換されても良いシクロヘキサン環を主鎖に含ん
だ置換または非置換のポリアルキレングリコール残基を
表す。] (M)A−O−R6 −O−CONH−R7 −NHCOO−Y −CONH−R7 −NHCOO−R6 −O−(M)A (4) [ただし、式中、(M)AおよびYは式(3)と同じ基
を表し、R6 は炭素数2〜10の置換または非置換のア
ルキレン基を表し、R7 はイソシアネート基の炭素数を
除いた炭素数が2〜15のジイソシアネート残基を表
す。] (M)A−O−R6 −OCONH−(R7 −NHCOO−Y−CONH)m −R7 −NHCOO−R6 −O−(M)A (5) [ただし、式中、(M)A、R6 およびR7 は式(4)
と同じ基を表し、式(5)は−(R7 −NHCOO−Y
−CONH)−を繰り返し単位とする粘度1ポイズ(2
5℃)〜4,000ポイズ(50℃)の化合物を示
す。] 本発明の前記R2 基は、ポリオールより2個の水酸基を
除いた残基を表し、ポリオールとして、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレ
ングリコールおよびトリエチレングリコール等を挙げる
ことができる。
クリロイル基を表し、R1 は2〜4の置換されても良い
アルキレン基を表し、nは9〜30の整数を表す。] (M)A−O−X−(M)A (2) [ただし、式中、(M)Aは式(1)と同じ基を表し、
Xは−(R2 −OCOR3 COO)n−R2 −O−
(ここで、R2 は炭素数2〜10のポリオール残基を表
し、R3 は炭素数2〜15のジカルボン酸残基を表す)
で示される分子量300〜4,000のポリエステルポ
リオール残基を表す。] (M)A−O−R4 −NHCOO−Y−CONH−R4 −O−(M)A (3) [ただし、式中、(M)Aは式(1)と同じ基を表し、
R4 はエチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基、
テトラメチレン基を表し、YはR5 −Z−R5 −O−
(ここで、R5 はエチレン基、プロピレン基を表し、Z
は水素添加されていてもよい分子量300〜4,000
のポリブタジエンまたはポリイソプレンを表す。)で示
される基、−R4 −O−を繰り返し単位とする分子量3
00〜4,000のポリエーテルポリオール残基、分子
量300〜4,000のポリ(ε−カプロラクトン)ジ
オール残基、−(R2 −OCOR3 COO)n−R2 −
O−(ここでR2 およびR3 は式(2)と同じ基を表
す)で示される分子量300〜4,000のポリエステ
ルポリオール残基、分子量100〜300の置換されて
も良いポリメチレングリコール残基、分子量100〜3
00の置換されても良いシクロヘキサン環を主鎖に含ん
だ置換または非置換のポリアルキレングリコール残基を
表す。] (M)A−O−R6 −O−CONH−R7 −NHCOO−Y −CONH−R7 −NHCOO−R6 −O−(M)A (4) [ただし、式中、(M)AおよびYは式(3)と同じ基
を表し、R6 は炭素数2〜10の置換または非置換のア
ルキレン基を表し、R7 はイソシアネート基の炭素数を
除いた炭素数が2〜15のジイソシアネート残基を表
す。] (M)A−O−R6 −OCONH−(R7 −NHCOO−Y−CONH)m −R7 −NHCOO−R6 −O−(M)A (5) [ただし、式中、(M)A、R6 およびR7 は式(4)
と同じ基を表し、式(5)は−(R7 −NHCOO−Y
−CONH)−を繰り返し単位とする粘度1ポイズ(2
5℃)〜4,000ポイズ(50℃)の化合物を示
す。] 本発明の前記R2 基は、ポリオールより2個の水酸基を
除いた残基を表し、ポリオールとして、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレ
ングリコールおよびトリエチレングリコール等を挙げる
ことができる。
【0023】該R3 基は、ジカルボン酸より2個のカル
ボキシル基を除いた残基を表し、ジカルボン酸として、
例えばアジピン酸、フタル酸、コハク酸、アゼライン酸
およびセバシン酸等を挙げることができる。
ボキシル基を除いた残基を表し、ジカルボン酸として、
例えばアジピン酸、フタル酸、コハク酸、アゼライン酸
およびセバシン酸等を挙げることができる。
【0024】該R6 基は、例えばエチレン基、プロピレ
ン基、メチルエチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメ
チレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、フェノキシ
メチルエチレン基、−CH2 CH2 OCH2 CH2 −、
−(CH2 CH2 O)2 −CH2 CH2 −および
ン基、メチルエチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメ
チレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、フェノキシ
メチルエチレン基、−CH2 CH2 OCH2 CH2 −、
−(CH2 CH2 O)2 −CH2 CH2 −および
【0025】
【化1】
【0026】等を例示することができる。
【0027】該R7 基は、ジイソシアネートよりイソシ
アネート基を除いた残基を表し、ジイソシアネートとし
て、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4
´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4
−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソ
シアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート
およびイソホロンジイソシアネート等を挙げることがで
きる。
アネート基を除いた残基を表し、ジイソシアネートとし
て、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4
´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4
−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソ
シアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート
およびイソホロンジイソシアネート等を挙げることがで
きる。
【0028】以上のような式(1)〜(5)で示される
種々の化合物を使用することができ、中でも式(1)、
(4)および(5)の化合物が好ましい。
種々の化合物を使用することができ、中でも式(1)、
(4)および(5)の化合物が好ましい。
【0029】これらの架橋性単量体の使用量は、架橋性
単量体と前記不飽和単量体の総量に対して、通常、1〜
60重量%、好ましくは5〜55重量%である。1重量
%未満ではゲル化時間が遅いばかりでなく、粘着性が高
すぎて取扱いが困難になる傾向があり、一方、60重量
%を越えると、硬化により得られる柔軟層の強度が低下
するとともに、該ゲル状体の流動性が悪くなる傾向にあ
り好ましくない。
単量体と前記不飽和単量体の総量に対して、通常、1〜
60重量%、好ましくは5〜55重量%である。1重量
%未満ではゲル化時間が遅いばかりでなく、粘着性が高
すぎて取扱いが困難になる傾向があり、一方、60重量
%を越えると、硬化により得られる柔軟層の強度が低下
するとともに、該ゲル状体の流動性が悪くなる傾向にあ
り好ましくない。
【0030】本発明の、前記成形材料を硬化して得られ
る柔軟層は、積層体に耐衝撃性と破砕時の飛散防止効果
を付与するため、常温での引張強度が50Kg/cm2
以上、好ましくは80〜300Kg/cm2 であり、引
張伸び率が80%以上であることが望ましい。
る柔軟層は、積層体に耐衝撃性と破砕時の飛散防止効果
を付与するため、常温での引張強度が50Kg/cm2
以上、好ましくは80〜300Kg/cm2 であり、引
張伸び率が80%以上であることが望ましい。
【0031】以上のような組成を有する各層より形成さ
れる積層体は、種々の方法で製造することが可能である
が、例えば次のような方法を例示することができる。
れる積層体は、種々の方法で製造することが可能である
が、例えば次のような方法を例示することができる。
【0032】(イ).予め通常の方法で調製した2枚の
アクリル系樹脂板の間にまたは1枚のアクリル樹脂板の
片面に、柔軟層を形成するアクリル系部分架橋ゲル状重
合体よりなる種々の形態の成形材料を配し、加熱加圧し
て接着一体化して積層体を得る方法。
アクリル系樹脂板の間にまたは1枚のアクリル樹脂板の
片面に、柔軟層を形成するアクリル系部分架橋ゲル状重
合体よりなる種々の形態の成形材料を配し、加熱加圧し
て接着一体化して積層体を得る方法。
【0033】(ロ).剛体層を形成するアクリル系部分
ゲル状重合体よりなる種々の形態の成形材料を加熱加圧
して予めアクリル系樹脂板を成形した後、(イ)と同様
の方法で成形して積層体を得る方法。
ゲル状重合体よりなる種々の形態の成形材料を加熱加圧
して予めアクリル系樹脂板を成形した後、(イ)と同様
の方法で成形して積層体を得る方法。
【0034】(ハ).(イ)または(ロ)の方法で成形
した積層体の上に、柔軟層を形成する前記成形材料を配
し、またはさらにこの上に(イ)または(ロ)に記載の
アクリル系樹脂板を配する等して加熱加圧する操作を繰
り返して積層体の層数を増やしていく方法。
した積層体の上に、柔軟層を形成する前記成形材料を配
し、またはさらにこの上に(イ)または(ロ)に記載の
アクリル系樹脂板を配する等して加熱加圧する操作を繰
り返して積層体の層数を増やしていく方法。
【0035】(ニ).柔軟層を形成する前記ゲル状重合
体よりなるシート状成形材料と剛体層を形成する前記ゲ
ル状重合体よりなるシート状成形材料とを任意の構成で
積層した後、加熱加圧することにより各層を重合硬化す
るとともに接着一体化して積層体を一工程で成形する方
法。
体よりなるシート状成形材料と剛体層を形成する前記ゲ
ル状重合体よりなるシート状成形材料とを任意の構成で
積層した後、加熱加圧することにより各層を重合硬化す
るとともに接着一体化して積層体を一工程で成形する方
法。
【0036】(ホ).(イ)または(ロ)のアクリル系
樹脂板に、(ニ)の成形材料積層体を配し、加熱加圧す
る方法。
樹脂板に、(ニ)の成形材料積層体を配し、加熱加圧す
る方法。
【0037】(ヘ).前記各方法を適宜組み合わせた方
法。
法。
【0038】前記部分架橋ゲル状重合体をシート状にす
る方法としては、例えば金属板やガラス板等で形成され
るセルの中に前記重合体の原料を注入しシート状に部分
重合する方法、前記のような方法で得られたシート状重
合体を破砕混練した組成物や前記重合体の原料を破砕混
練しながら部分重合した重合体、または前記シート状重
合体、破砕混練された形態の重合体にシラップまたは不
飽和単量体などを添加し実質的に均一に混練した組成物
を常温または60℃以下に高められた温度で加圧してシ
ート化する方法等を例示することができる。また、加熱
加圧する方法としては、通常の方法が用いられ、例えば
加熱温度は90〜160℃、好ましくは100〜150
℃であり、加圧条件は5〜250Kg/cm2 、好まし
くは10〜200Kg/cm2 である。
る方法としては、例えば金属板やガラス板等で形成され
るセルの中に前記重合体の原料を注入しシート状に部分
重合する方法、前記のような方法で得られたシート状重
合体を破砕混練した組成物や前記重合体の原料を破砕混
練しながら部分重合した重合体、または前記シート状重
合体、破砕混練された形態の重合体にシラップまたは不
飽和単量体などを添加し実質的に均一に混練した組成物
を常温または60℃以下に高められた温度で加圧してシ
ート化する方法等を例示することができる。また、加熱
加圧する方法としては、通常の方法が用いられ、例えば
加熱温度は90〜160℃、好ましくは100〜150
℃であり、加圧条件は5〜250Kg/cm2 、好まし
くは10〜200Kg/cm2 である。
【0039】前記(イ)、(ロ)および(ハ)の方法に
おいて、柔軟層を形成する成形材料は常温または高めら
れた温度で加圧すると優れた流動性を示すともに、未反
応のモノマー分やオリゴマー分等の液状体を含有するた
め、成形材料が包含する空気や剛体層となるアクリル樹
脂板と柔軟層との界面の空気は抜け易くなり、気泡によ
る欠点のない積層体を得ることができる。
おいて、柔軟層を形成する成形材料は常温または高めら
れた温度で加圧すると優れた流動性を示すともに、未反
応のモノマー分やオリゴマー分等の液状体を含有するた
め、成形材料が包含する空気や剛体層となるアクリル樹
脂板と柔軟層との界面の空気は抜け易くなり、気泡によ
る欠点のない積層体を得ることができる。
【0040】また、(ニ)および(ホ)の方法では、柔
軟層および剛体層を形成する各成形材料はいづれもシー
ト状となっているので、成形材料が包含する空気量は少
なくて有利であり、各シート間の界面の空気も前記と同
様抜け易くなり、気泡による欠点のない積層体を得るこ
とができる。しかも、(ニ)の方法では、剛体層を予め
成形しておく必要がなく、一工程で簡便容易に積層体を
成形することができ、さらに成形に使用する鋳型等の形
状を種々の形状とすることにより容易に種々の形状を有
する積層体を得ることができるので有利である。
軟層および剛体層を形成する各成形材料はいづれもシー
ト状となっているので、成形材料が包含する空気量は少
なくて有利であり、各シート間の界面の空気も前記と同
様抜け易くなり、気泡による欠点のない積層体を得るこ
とができる。しかも、(ニ)の方法では、剛体層を予め
成形しておく必要がなく、一工程で簡便容易に積層体を
成形することができ、さらに成形に使用する鋳型等の形
状を種々の形状とすることにより容易に種々の形状を有
する積層体を得ることができるので有利である。
【0041】また、本発明では前記(イ)、(ロ)、
(ハ)および(ホ)の方法において、最外層となるアク
リル系樹脂板の外表面にアクリル系またはシリコーン系
の耐擦傷性被膜を施したものを使用することが可能であ
り、耐擦傷性被膜を有する積層体を成形することができ
る。
(ハ)および(ホ)の方法において、最外層となるアク
リル系樹脂板の外表面にアクリル系またはシリコーン系
の耐擦傷性被膜を施したものを使用することが可能であ
り、耐擦傷性被膜を有する積層体を成形することができ
る。
【0042】(ニ)および(ホ)の方法では、成形に使
用する鋳型等の少なくとも片面に、積層体の成形後にト
ップコート層となる塗膜層を形成した後、当該鋳型等の
間に前記塗膜層に成形材料が接するように成形材料積層
体などを配し、加熱加圧して積層体を成形するとともに
該積層体の表面に前記塗膜層を転写させることも可能で
ある。このような塗膜層として、1分子当り少なくとも
2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する架橋重合
性化合物を主成分とするコーティング組成物よりなる耐
擦傷性形成薄膜、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ア
ルコキシシランの加水分解物、シリカゲルおよびアルコ
ール可溶性アクリル樹脂を含有するコーティング組成物
よりなる耐擦傷性形成薄膜などを例示することが可能で
ある。この場合、それぞれアクリル系耐擦傷性被膜、シ
リコーン系耐擦傷性被膜を有する積層体を得ることがで
きる。
用する鋳型等の少なくとも片面に、積層体の成形後にト
ップコート層となる塗膜層を形成した後、当該鋳型等の
間に前記塗膜層に成形材料が接するように成形材料積層
体などを配し、加熱加圧して積層体を成形するとともに
該積層体の表面に前記塗膜層を転写させることも可能で
ある。このような塗膜層として、1分子当り少なくとも
2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する架橋重合
性化合物を主成分とするコーティング組成物よりなる耐
擦傷性形成薄膜、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ア
ルコキシシランの加水分解物、シリカゲルおよびアルコ
ール可溶性アクリル樹脂を含有するコーティング組成物
よりなる耐擦傷性形成薄膜などを例示することが可能で
ある。この場合、それぞれアクリル系耐擦傷性被膜、シ
リコーン系耐擦傷性被膜を有する積層体を得ることがで
きる。
【0043】さらに、本発明に使用する柔軟層を形成す
る成形材料および剛体層を形成する成形材料は、いづれ
も前記のように流動性に優れるとともに、未反応のモノ
マー分やオリゴマー分などの液状体を含有するため、成
形材料が含有する空気はもちろん、ガラスのような剛体
と接触した場合でもその界面の空気は加圧により容易に
抜けやすい。したがって、前記成形材料にガラスに対す
る通常のカップリング剤を配合して得られる組成物を、
ガラス面に接触するように配し、さらにその上に各種成
形材料、樹脂板などを適宜配して加熱加圧することによ
り、気泡等の欠点がなく、表面にガラス板を有する樹脂
積層体を容易に成形することが可能である。
る成形材料および剛体層を形成する成形材料は、いづれ
も前記のように流動性に優れるとともに、未反応のモノ
マー分やオリゴマー分などの液状体を含有するため、成
形材料が含有する空気はもちろん、ガラスのような剛体
と接触した場合でもその界面の空気は加圧により容易に
抜けやすい。したがって、前記成形材料にガラスに対す
る通常のカップリング剤を配合して得られる組成物を、
ガラス面に接触するように配し、さらにその上に各種成
形材料、樹脂板などを適宜配して加熱加圧することによ
り、気泡等の欠点がなく、表面にガラス板を有する樹脂
積層体を容易に成形することが可能である。
【0044】本発明の積層体を構成する各層には、透明
性を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、光安定剤、染顔
料等の着色剤等の添加剤を配合することが可能である。
性を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、光安定剤、染顔
料等の着色剤等の添加剤を配合することが可能である。
【0045】さらに、本発明では、前記(イ)、(ロ)
および(ハ)の方法において、アクリル系樹脂板と成形
材料との間に、表面より裏面に至る細孔を有し該成形材
料を構成する成分の少なくとも一部が透過する各種フィ
ルムやシート、金網、ニクロム線のような金属線などを
挿入して成形することも可能である。(ニ)および
(ホ)の方法においても、成形材料各層の間に前記各材
料や成形材料と接着性の良いフィルムやシート等を挿入
して成形することが可能である。
および(ハ)の方法において、アクリル系樹脂板と成形
材料との間に、表面より裏面に至る細孔を有し該成形材
料を構成する成分の少なくとも一部が透過する各種フィ
ルムやシート、金網、ニクロム線のような金属線などを
挿入して成形することも可能である。(ニ)および
(ホ)の方法においても、成形材料各層の間に前記各材
料や成形材料と接着性の良いフィルムやシート等を挿入
して成形することが可能である。
【0046】以上のようにして得られた各種積層体は、
気泡などの欠点がなく外観は良好であるとともに、各層
は強固に接着しているので優れた耐衝撃性と破壊時の飛
散防止効果を示す。また、本発明の積層体は、各層がア
クリル系樹脂層で形成されるので、反りの発生は少な
く、そのうえ、二次加工も容易である。
気泡などの欠点がなく外観は良好であるとともに、各層
は強固に接着しているので優れた耐衝撃性と破壊時の飛
散防止効果を示す。また、本発明の積層体は、各層がア
クリル系樹脂層で形成されるので、反りの発生は少な
く、そのうえ、二次加工も容易である。
【0047】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するがこれに限定されるものではない。
に説明するがこれに限定されるものではない。
【0048】参考例および実施例における評価・試験は
次の方法で行った。 (A)部分架橋ゲル状重合体の重合体含有率測定;ソッ
クスレー抽出器にハイドロキノンモノメチルエーテル
1,000ppmを添加溶解したジクロロメタン150
mlを入れ、抽出用円筒濾紙の中にゲル状重合体15g
を細片状にいれて50℃に保たれた恒温槽中で20時間
還流抽出した後、抽出液を1,200mlのメタノール
中にいれてポリマー分を分離し、濾紙中のポリマー分と
合わせて55℃で恒量になるまで減圧乾燥し、重合体の
重量Wを求めた。次式により部分架橋ゲル状重合体の重
合体含有率を算出した。
次の方法で行った。 (A)部分架橋ゲル状重合体の重合体含有率測定;ソッ
クスレー抽出器にハイドロキノンモノメチルエーテル
1,000ppmを添加溶解したジクロロメタン150
mlを入れ、抽出用円筒濾紙の中にゲル状重合体15g
を細片状にいれて50℃に保たれた恒温槽中で20時間
還流抽出した後、抽出液を1,200mlのメタノール
中にいれてポリマー分を分離し、濾紙中のポリマー分と
合わせて55℃で恒量になるまで減圧乾燥し、重合体の
重量Wを求めた。次式により部分架橋ゲル状重合体の重
合体含有率を算出した。
【0049】重合体含有率(%)=100×W(g)÷
(ゲル状重合体の重量(15g)) (B)耐衝撃性の評価;成形により得られた各種板厚の
積層体から縦300mm,横300mmの大きさのサン
プルを切り出し、該サンプルのほぼ中心部に、上方4m
の位置より、重さ2,260gの剛球を落下させて、貫
通の有無を観察した。剛球の貫通なき場合に、合格と判
定した。
(ゲル状重合体の重量(15g)) (B)耐衝撃性の評価;成形により得られた各種板厚の
積層体から縦300mm,横300mmの大きさのサン
プルを切り出し、該サンプルのほぼ中心部に、上方4m
の位置より、重さ2,260gの剛球を落下させて、貫
通の有無を観察した。剛球の貫通なき場合に、合格と判
定した。
【0050】(C)柔軟層の引張特性の評価;柔軟層を
形成する成形材料を、予め135℃に加熱した金型の中
に投入して、10Kg/cm2 で1分間加圧した後、1
00Kg/cm2 で20分間保圧した。その後、金型を
50℃まで冷却して内容物を取り出して厚さ約1mmの
平板状成形品を得た。つづいてJIS・K6301の方
法で、得られた成形品の引張強度と引張伸び率を測定し
た。
形成する成形材料を、予め135℃に加熱した金型の中
に投入して、10Kg/cm2 で1分間加圧した後、1
00Kg/cm2 で20分間保圧した。その後、金型を
50℃まで冷却して内容物を取り出して厚さ約1mmの
平板状成形品を得た。つづいてJIS・K6301の方
法で、得られた成形品の引張強度と引張伸び率を測定し
た。
【0051】参考例 1 メチルメタクリレートモノマー95重量部、ネオペンチ
ルグリコールジメタクリレート5重量部、1、4(8)
−p−メンタジエン0.01重量部、2、2´−アゾビ
ス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)
0.01重量部および2、2ビス(t−ブチルパーオキ
シ)ブタン0.1重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド0.3重量部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒド
ロテレフタレート0.05重量部を混合溶解し、2枚の
ガラス板及びガスケットで10mm間隔になるように組
み立てられたセルに注入し、60℃で約2時間重合して
部分架橋ゲル状重合体を得た。得られた部分架橋ゲル重
合体の重合体含有率は38%であった。
ルグリコールジメタクリレート5重量部、1、4(8)
−p−メンタジエン0.01重量部、2、2´−アゾビ
ス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)
0.01重量部および2、2ビス(t−ブチルパーオキ
シ)ブタン0.1重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド0.3重量部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒド
ロテレフタレート0.05重量部を混合溶解し、2枚の
ガラス板及びガスケットで10mm間隔になるように組
み立てられたセルに注入し、60℃で約2時間重合して
部分架橋ゲル状重合体を得た。得られた部分架橋ゲル重
合体の重合体含有率は38%であった。
【0052】参考例 2 参考例1で得られた重合体をスクリュー径50mm、L
/D=8の押出機で押出したところ、最大粒径2mm以
下に破砕された組成物が得られた。
/D=8の押出機で押出したところ、最大粒径2mm以
下に破砕された組成物が得られた。
【0053】参考例 3 参考例2で得られた組成物80重量部と、この組成物が
含有するのと同濃度のネオペンチルグリコールジメタク
リレートを含み、かつ粘度平均重合度10,000のポ
リメチルメタクリレートを含む粘度8ポイズのメチルメ
タクリレートシラップ20重量部とをスーパーミキサー
((株)カワタ製)中に投入し、約2分間攪拌混合して
改質された組成物を得た。
含有するのと同濃度のネオペンチルグリコールジメタク
リレートを含み、かつ粘度平均重合度10,000のポ
リメチルメタクリレートを含む粘度8ポイズのメチルメ
タクリレートシラップ20重量部とをスーパーミキサー
((株)カワタ製)中に投入し、約2分間攪拌混合して
改質された組成物を得た。
【0054】参考例 4 架橋性単量体をネオペンチルグリコールジメタクリレー
トよりジエチレングリコールジメタクリレート5重量部
に代えることを除き、参考例1と同様にして重合体含有
率30%の部分架橋ゲル状重合体を得た後、参考例2と
同様に破砕して組成物を得た。つづいてネオペンチルグ
リコールジメタクリレートをジエチレングリコールジメ
タクリレートに代えることを除いて参考例3と同様にし
て改質された組成物を得た。
トよりジエチレングリコールジメタクリレート5重量部
に代えることを除き、参考例1と同様にして重合体含有
率30%の部分架橋ゲル状重合体を得た後、参考例2と
同様に破砕して組成物を得た。つづいてネオペンチルグ
リコールジメタクリレートをジエチレングリコールジメ
タクリレートに代えることを除いて参考例3と同様にし
て改質された組成物を得た。
【0055】参考例 5 メチルメタクリレートモノマーの使用量を50重量部、
ネオペンチルグリコールジメタクリレートを繰り返し数
23のポリエチレングリコールジメタクリレート(新中
村化学工業(株)製23G)50重量部に代え、1、4
(8)−p−メンタジエンの使用量を0.005重量部
に代えることを除き、参考例1と同様にして重合体含有
率50%の部分架橋ゲル状重合体を得た後、参考例2と
同様に破砕して組成物を得た。
ネオペンチルグリコールジメタクリレートを繰り返し数
23のポリエチレングリコールジメタクリレート(新中
村化学工業(株)製23G)50重量部に代え、1、4
(8)−p−メンタジエンの使用量を0.005重量部
に代えることを除き、参考例1と同様にして重合体含有
率50%の部分架橋ゲル状重合体を得た後、参考例2と
同様に破砕して組成物を得た。
【0056】参考例 6 ネオペンチルグリコールジメタクリレートを23Gに変
えることを除き参考例3と同様にして改質された組成物
を得た。
えることを除き参考例3と同様にして改質された組成物
を得た。
【0057】参考例 7 23Gの使用量を30重量部とし、エチルアクリレート
モノマー20重量部を追加することを除き、参考例5と
同様にして重合体含有率38%の部分架橋ゲル状重合体
を得た後、参考例2と同様に破砕して組成物を得た。
モノマー20重量部を追加することを除き、参考例5と
同様にして重合体含有率38%の部分架橋ゲル状重合体
を得た後、参考例2と同様に破砕して組成物を得た。
【0058】実施例 1 (1)柔軟層を形成するシート状成形材料の調製;参考
例6の改質された組成物147gを、縦348mm、横
348mmの金型に投入し、常温で20Kg/cm2 に
て1分間加圧して厚さ約1.2mmのシート状成形材料
を得た。該成形材料の硬化により形成される柔軟層の引
張強度は110Kg/cm2 で、引張伸び率は120%
であった。
例6の改質された組成物147gを、縦348mm、横
348mmの金型に投入し、常温で20Kg/cm2 に
て1分間加圧して厚さ約1.2mmのシート状成形材料
を得た。該成形材料の硬化により形成される柔軟層の引
張強度は110Kg/cm2 で、引張伸び率は120%
であった。
【0059】(2)剛体層を形成するシート状成形材料
の調製;参考例3の改質された組成物294gを前記
(1)と同様に加圧して厚さ約2.4mmのシート状成
形材料を得た。
の調製;参考例3の改質された組成物294gを前記
(1)と同様に加圧して厚さ約2.4mmのシート状成
形材料を得た。
【0060】(3)積層体の成形;前記(2)のシート
状成形材料二枚の間に、前記(1)のシート状成形材料
を挟み込んだ成形材料を、予め135℃に加熱された縦
350mm、横350mmの金型の中に投入して金型を
閉じ、10Kg/cm2 にて1分間加圧した後、100
Kg/cm2 で20分間保圧した。その後、金型を80
℃まで冷却してから内容物を取り出し、縦350mm、
横350mm、柔軟層の厚さ約1mm、全厚約5mmの
3層構造を有する積層体を得た。得られた積層体は、各
層の接着状況も良好で気泡もなく、外観は良好であっ
た。耐衝撃性評価も合格し、破片の飛散もなかった。
状成形材料二枚の間に、前記(1)のシート状成形材料
を挟み込んだ成形材料を、予め135℃に加熱された縦
350mm、横350mmの金型の中に投入して金型を
閉じ、10Kg/cm2 にて1分間加圧した後、100
Kg/cm2 で20分間保圧した。その後、金型を80
℃まで冷却してから内容物を取り出し、縦350mm、
横350mm、柔軟層の厚さ約1mm、全厚約5mmの
3層構造を有する積層体を得た。得られた積層体は、各
層の接着状況も良好で気泡もなく、外観は良好であっ
た。耐衝撃性評価も合格し、破片の飛散もなかった。
【0061】実施例 2 (1)剛体層を形成するシート状成形材料の調製;参考
例4の組成物を使用することを除き、実施例1−(2)
の方法と同様にして厚さ約2.4mmのシート状成形材
料を得た。
例4の組成物を使用することを除き、実施例1−(2)
の方法と同様にして厚さ約2.4mmのシート状成形材
料を得た。
【0062】(2)積層体の成形;前記(1)のシート
状成形材料2枚の間に、実施例1−(1)と同じシート
状成形材料をはさみ込んだ成形材料を、実施例1−
(3)と同様に成形して縦350mm、横350mm、
柔軟層の厚さ約1mm、全厚さ約5mmの3層構造を有
する積層体を得た。得られた積層体は実施例1と同様、
外観、性能ともに良好であった。
状成形材料2枚の間に、実施例1−(1)と同じシート
状成形材料をはさみ込んだ成形材料を、実施例1−
(3)と同様に成形して縦350mm、横350mm、
柔軟層の厚さ約1mm、全厚さ約5mmの3層構造を有
する積層体を得た。得られた積層体は実施例1と同様、
外観、性能ともに良好であった。
【0063】実施例 3 剛体層となる縦348mm、横348mm、厚さ2mm
の架橋メタクリル樹脂板((株)クラレ製TS25)2
枚の間に、柔軟層を形成する成形材料として参考例5の
組成物154gを配し、これを予め135℃に加熱され
た縦350mm、横350mmの金型の中に投入して金
型を閉じ、10Kg/cm2 にて1分間加圧した後、2
00Kg/cm2 で20分間保圧した。その後、金型を
80℃まで冷却してから内容物を取り出し、縦350m
m、横350mm、柔軟層の厚さ約1mm、全厚約5m
mの3層構造を有する積層体を得た。得られた積層体
は、実施例1と同様、外観、性能ともに良好であった。
柔軟層の引張強度は110Kg/cm2 、引張伸び率は
120%であった。
の架橋メタクリル樹脂板((株)クラレ製TS25)2
枚の間に、柔軟層を形成する成形材料として参考例5の
組成物154gを配し、これを予め135℃に加熱され
た縦350mm、横350mmの金型の中に投入して金
型を閉じ、10Kg/cm2 にて1分間加圧した後、2
00Kg/cm2 で20分間保圧した。その後、金型を
80℃まで冷却してから内容物を取り出し、縦350m
m、横350mm、柔軟層の厚さ約1mm、全厚約5m
mの3層構造を有する積層体を得た。得られた積層体
は、実施例1と同様、外観、性能ともに良好であった。
柔軟層の引張強度は110Kg/cm2 、引張伸び率は
120%であった。
【0064】実施例 4 剛体層となる縦348mm、横348mm、厚さ4mm
のメタクリル樹脂板((株)クラレ製パラグラス)の片
面に、柔軟層を形成する成形材料として参考例7の組成
物154gを配し、これを実施例3と同様に成形して縦
350mm、横350mm、柔軟層の厚さ約1mm、全
厚約5mmの2層構造を有する積層体を得た。得られた
積層体は、各層の接着状況は良好で気泡もなく、外観は
良好であった。剛体層側より剛球を落下させる耐衝撃性
評価も合格し、破片の飛散もなかった。柔軟層の引張強
度は105Kg/cm2 、引張伸び率は156%であっ
た。
のメタクリル樹脂板((株)クラレ製パラグラス)の片
面に、柔軟層を形成する成形材料として参考例7の組成
物154gを配し、これを実施例3と同様に成形して縦
350mm、横350mm、柔軟層の厚さ約1mm、全
厚約5mmの2層構造を有する積層体を得た。得られた
積層体は、各層の接着状況は良好で気泡もなく、外観は
良好であった。剛体層側より剛球を落下させる耐衝撃性
評価も合格し、破片の飛散もなかった。柔軟層の引張強
度は105Kg/cm2 、引張伸び率は156%であっ
た。
【0065】実施例 5 (1)コーティング組成物の調製;カプロラクトン変性
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬
(株)製:DPCA 20)50重量部、トリス(アク
リロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成化学工業
(株)製:M315)30重量部、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート20重量部、メチルメタクリレー
ト10重量部にt−ブチルパ−オキシイソプロピルカー
ボネート4重量%、ベンゾイルパーオキシド2重量%を
加え、混合溶解してコーティング組成物を得た。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬
(株)製:DPCA 20)50重量部、トリス(アク
リロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成化学工業
(株)製:M315)30重量部、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート20重量部、メチルメタクリレー
ト10重量部にt−ブチルパ−オキシイソプロピルカー
ボネート4重量%、ベンゾイルパーオキシド2重量%を
加え、混合溶解してコーティング組成物を得た。
【0066】(2)積層体の成形;予め135℃に加熱
した縦350mm、横350mmの金型のキャビティ内
面に、前記(1)のコーティング組成物をスプレー塗装
し、加熱硬化して厚さ30μm、重合率65%の耐擦傷
性形成薄膜を形成し、該薄膜上に、実施例1−(3)と
同様の成形材料を載置し、実施例1と同様に成形して片
面にアクリル系耐擦傷性被膜を有する3層構造(前記被
膜を含めず)の積層体を得た。得られた積層体は実施例
1と同様、外観、性能ともに良好であった。耐擦傷性被
膜と積層体との接着も良好であり、該被膜にスチールウ
ール(#000)を荷重100Kg/cm2 で押し付け
て50回往復させても目視で傷が認められなかった。
した縦350mm、横350mmの金型のキャビティ内
面に、前記(1)のコーティング組成物をスプレー塗装
し、加熱硬化して厚さ30μm、重合率65%の耐擦傷
性形成薄膜を形成し、該薄膜上に、実施例1−(3)と
同様の成形材料を載置し、実施例1と同様に成形して片
面にアクリル系耐擦傷性被膜を有する3層構造(前記被
膜を含めず)の積層体を得た。得られた積層体は実施例
1と同様、外観、性能ともに良好であった。耐擦傷性被
膜と積層体との接着も良好であり、該被膜にスチールウ
ール(#000)を荷重100Kg/cm2 で押し付け
て50回往復させても目視で傷が認められなかった。
【0067】実施例 6 (1)柔軟層を形成するシート状成形材料の調製;参考
例6の改質された組成物95重量部にカップリング剤と
してγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5
重量部を配合して混練した組成物150gを使用して、
実施例1−(1)と同様にしてシート状成形材料を得
た。
例6の改質された組成物95重量部にカップリング剤と
してγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5
重量部を配合して混練した組成物150gを使用して、
実施例1−(1)と同様にしてシート状成形材料を得
た。
【0068】(2)剛体層を形成するシート状成形材料
の調製;組成物の使用量を150gとすることを除き、
実施例1−(2)と同様にして厚さ約1.2mmのシー
ト状成形材料を得た。
の調製;組成物の使用量を150gとすることを除き、
実施例1−(2)と同様にして厚さ約1.2mmのシー
ト状成形材料を得た。
【0069】(3)積層体の成形;前記(2)のシート
状成形材料の両面を、前記(1)のシート状成形材料で
挟み込み、縦298mm、横298mmの大きさに裁断
した後、縦298mm、横298mm、厚さ3mmのガ
ラス板2枚の間にはさみ込んだ。このものを厚さ1mm
のゴムシートではさみ込み、予め135℃に加熱された
縦300mm、横300mmの金型の中に投入して金型
を閉じ、10Kg/cm2 にて1.5分間加圧した後、
50Kg/cm2 で40分間保圧した。その後、金型を
80℃まで冷却してから内容物を取り出してゴムシート
を外し、縦300mm、横300mm、2層の柔軟層の
厚さがいづれも約1mmで全厚約9mmの5層構造(ガ
ラス層を含む)を有する積層体を得た。得られた積層体
は、各層の接着状況も良好で気泡もなく、外観は良好で
あった。耐衝撃性評価も合格し、破片の飛散もなかっ
た。
状成形材料の両面を、前記(1)のシート状成形材料で
挟み込み、縦298mm、横298mmの大きさに裁断
した後、縦298mm、横298mm、厚さ3mmのガ
ラス板2枚の間にはさみ込んだ。このものを厚さ1mm
のゴムシートではさみ込み、予め135℃に加熱された
縦300mm、横300mmの金型の中に投入して金型
を閉じ、10Kg/cm2 にて1.5分間加圧した後、
50Kg/cm2 で40分間保圧した。その後、金型を
80℃まで冷却してから内容物を取り出してゴムシート
を外し、縦300mm、横300mm、2層の柔軟層の
厚さがいづれも約1mmで全厚約9mmの5層構造(ガ
ラス層を含む)を有する積層体を得た。得られた積層体
は、各層の接着状況も良好で気泡もなく、外観は良好で
あった。耐衝撃性評価も合格し、破片の飛散もなかっ
た。
【0070】比較例 1および2 縦300mm、横300mm、厚さ5mmの架橋メタク
リル樹脂板((株)クラレ製TS25)およびメタクリ
ル樹脂板((株)クラレ製パラグラス)の耐衝撃性評価
を実施したが、いづれも剛球は貫通し、破片は周囲に飛
散した。
リル樹脂板((株)クラレ製TS25)およびメタクリ
ル樹脂板((株)クラレ製パラグラス)の耐衝撃性評価
を実施したが、いづれも剛球は貫通し、破片は周囲に飛
散した。
【0071】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、アクリル
系樹脂よりなる柔軟層と剛体層が強固に接着一体化した
積層体であって、少なくとも一層がアクリル系部分架橋
ゲル上重合体よりなる成形材料の硬化により形成される
柔軟層であることを特徴とする耐衝撃性積層体を提供す
るものであるから、耐候性に優れ、気泡の含有がなく、
耐衝撃性に優れるとともに破砕時の飛散防止効果に優れ
た積層体を得ることができる。
系樹脂よりなる柔軟層と剛体層が強固に接着一体化した
積層体であって、少なくとも一層がアクリル系部分架橋
ゲル上重合体よりなる成形材料の硬化により形成される
柔軟層であることを特徴とする耐衝撃性積層体を提供す
るものであるから、耐候性に優れ、気泡の含有がなく、
耐衝撃性に優れるとともに破砕時の飛散防止効果に優れ
た積層体を得ることができる。
【0072】本発明の剛体層となるアクリル系樹脂層を
架橋アクリル系樹脂とすることにより、特に前記架橋ア
クリル系樹脂層を最外層に配することにより積層体の耐
熱性、耐溶剤性などが向上するので有利である。
架橋アクリル系樹脂とすることにより、特に前記架橋ア
クリル系樹脂層を最外層に配することにより積層体の耐
熱性、耐溶剤性などが向上するので有利である。
【0073】本発明の柔軟層を形成する成形材料および
剛体層を形成するのに使用しても良い成形材料はいづれ
も流動性に優れ、しかも未反応モノマー分やオリゴマー
分などの液状体を含有しているため、積層体成形時にお
いて成形材料が含有する空気や各層界面の空気は抜け易
いので、種々の方法で本発明の積層体を成形することが
可能であるが、本発明の提供する、硬化により柔軟層を
形成するアクリル系部分架橋ゲル状重合体よりなるシー
ト状成形材料および硬化により剛体層を形成するアクリ
ル系部分架橋ゲル状重合体よりなるシート状成形材料を
それぞれ少なくとも一層積層し、加熱加圧することによ
り、各層を重合硬化するとともに接着一体化することを
特徴とする耐衝撃性積層体の製造方法は、シート状成形
材料を使用することにより成形材料が含有する空気が少
なくなるとともに、剛体層を予め成形しておく必要がな
く、一工程で簡便容易に積層体を成形できるばかりでな
く、該成形に使用する鋳型等の形状を種々選択すること
により各種形状の積層体を成形することも容易であり有
利である。
剛体層を形成するのに使用しても良い成形材料はいづれ
も流動性に優れ、しかも未反応モノマー分やオリゴマー
分などの液状体を含有しているため、積層体成形時にお
いて成形材料が含有する空気や各層界面の空気は抜け易
いので、種々の方法で本発明の積層体を成形することが
可能であるが、本発明の提供する、硬化により柔軟層を
形成するアクリル系部分架橋ゲル状重合体よりなるシー
ト状成形材料および硬化により剛体層を形成するアクリ
ル系部分架橋ゲル状重合体よりなるシート状成形材料を
それぞれ少なくとも一層積層し、加熱加圧することによ
り、各層を重合硬化するとともに接着一体化することを
特徴とする耐衝撃性積層体の製造方法は、シート状成形
材料を使用することにより成形材料が含有する空気が少
なくなるとともに、剛体層を予め成形しておく必要がな
く、一工程で簡便容易に積層体を成形できるばかりでな
く、該成形に使用する鋳型等の形状を種々選択すること
により各種形状の積層体を成形することも容易であり有
利である。
【0074】さらに、本発明に使用する成形材料は前記
のような優れた特性を持ち各層界面の脱泡を容易にする
ものであるから、成形材料にカップリング剤等を配合す
ることにより、ガラス面とも界面の気泡のない状態で容
易に接着一体化することができるので、積層体の外表面
にガラス層を有する積層体も容易に成形することが可能
である。
のような優れた特性を持ち各層界面の脱泡を容易にする
ものであるから、成形材料にカップリング剤等を配合す
ることにより、ガラス面とも界面の気泡のない状態で容
易に接着一体化することができるので、積層体の外表面
にガラス層を有する積層体も容易に成形することが可能
である。
【0075】以上のように、本発明の積層体は耐候性に
優れ、気泡の欠点もなく耐衝撃性、破砕時の飛散防止効
果に優れるので安全性に優れ、しかも簡便容易に成形す
ることが可能なので産業上有用である。
優れ、気泡の欠点もなく耐衝撃性、破砕時の飛散防止効
果に優れるので安全性に優れ、しかも簡便容易に成形す
ることが可能なので産業上有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】 アクリル系樹脂よりなる柔軟層と剛体層
が強固に接着一体化した積層体であって、少なくとも一
層がアクリル系部分架橋ゲル状重合体よりなる成形材料
の硬化により形成される柔軟層であることを特徴とする
耐衝撃性積層体。 - 【請求項2】 該アクリル系樹脂が架橋アクリル系樹脂
である請求項1に記載の積層体。 - 【請求項3】 硬化により柔軟層を形成するアクリル系
部分ゲル状重合体よりなるシート状成形材料および硬化
により剛体層を形成するアクリル系部分架橋ゲル状重合
体よりなるシート状成形材料をそれぞれ少なくとも一層
積層し、加熱加圧することにより、各層を重合硬化する
とともに接着一体化することを特徴とする耐衝撃性積層
体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1539492A JPH05200953A (ja) | 1992-01-30 | 1992-01-30 | 耐衝撃性積層体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1539492A JPH05200953A (ja) | 1992-01-30 | 1992-01-30 | 耐衝撃性積層体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05200953A true JPH05200953A (ja) | 1993-08-10 |
Family
ID=11887520
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1539492A Pending JPH05200953A (ja) | 1992-01-30 | 1992-01-30 | 耐衝撃性積層体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05200953A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2020067325A1 (ja) * | 2018-09-26 | 2021-08-30 | 積水化学工業株式会社 | 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス |
-
1992
- 1992-01-30 JP JP1539492A patent/JPH05200953A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2020067325A1 (ja) * | 2018-09-26 | 2021-08-30 | 積水化学工業株式会社 | 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス |
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