JPH05200175A - エアバッグ縫製方法及び縫製装置 - Google Patents

エアバッグ縫製方法及び縫製装置

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JPH05200175A
JPH05200175A JP3289392A JP3289392A JPH05200175A JP H05200175 A JPH05200175 A JP H05200175A JP 3289392 A JP3289392 A JP 3289392A JP 3289392 A JP3289392 A JP 3289392A JP H05200175 A JPH05200175 A JP H05200175A
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sewing
cloth
sewn
cloth piece
airbag
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JP3289392A
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Kazuo Yamamoto
和夫 山本
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来以上に信頼性が高いエアバッグおよびこ
のエアバッグを廉価に製造することのできる縫製方法及
び縫製装置を提供する。 【構成】 少なくとも正面布片と左右一対のほぼ同形の
側面布片とを縫合せてなるエアバッグの縫製方法であ
る。布送り方向に直交する向きに並んだ少なくとも1対
の縫い針12、22の間に正面布片41と両側面布片42、43と
を重ね合せる。かつこの重ね合せが正面布片41の第1の
縫合縁部と一方の側面布片42の縫合縁部及び該正面布片
の第2の縫合縁部と他方の側面布片43の縫合縁部とをそ
れぞれ揃える。そして、この揃えた縁部近傍を縫い針1
2、22に対応させておき、この縫い針に先行するとろこ
にて前記両縫合縁部を揃えつつ両縫い針にによる縫合せ
速度を同期させて縫製するとともに、縫合された布片を
前記縫い針の位置の下方側もしくは上方側へ戻すように
導いて、一回の縫製工程で前記エアバッグを袋状に縫製
するエアバッグの縫製方法及び、この方法を実施した縫
製装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両の衝突
時に、膨張することにより乗員を衝撃から保護するエア
バッグに関し、特に、形状が複雑なエアバッグの縫製方
法及び縫製装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車両の乗員等を座席に安全に保持
するためのシートベルト装置をサポートする緩衝システ
ムとして、衝突時に、乗員の身体、とくに頭部と胸部を
風船状のエアバッグで受け、そのあと内部の気体を徐々
に放出してゆくことで、緩衝ストロークを稼ぎ、人体に
加わる衝撃力を低く抑えるエアバッグが実用化されてい
る。
【0003】この種のエアバッグは、例えば車両衝突時
などの緊急時において、助手席用バッグはインスツルメ
ントパネルや他の車体固定部に固定されたインフレータ
から放出される反応ガスの圧力により瞬時に膨張して、
乗員が車体に衝突することを回避する重大な役割をして
いる。ところで、前述のエアバッグはその本来の目的か
らして、上述の如く乗員を保護すると云う極めて重要な
役割をもっているために、膨らんだときに、その強度は
もとより、その形状においてもその使用される場所に適
合した形状のものが要求される。したがって、この要求
を満足するために、エアバッグはかなり丈夫な複数の布
片を縫い合わせて所望の形状とする構成が採用されてい
る。又、エアバッグはインフレータが発生したガスによ
り急激に膨張することから、その発生ガスとエアバッグ
容積との関係により、その機能が大きく左右される。す
なわち、エアバッグの容積が極めて正確に設定値となっ
ているか否かがその衝撃吸収作用に大きな影響を及ぼ
す。
【0004】このような理由から、エアバッグの縫い合
わせに当たっては、縫い合わせる布片の縫製時の位置合
わせ並びに縫い代は、エアバッグの膨らんだ時の形状並
びに容積に直接影響し、該バッグの作動効果に大きく影
響を及ぼすことから、大きな注意を払う必要があった。
したがって、例えばステアリング中央にセットされるエ
アバッグの如く、その形状がほぼ円や楕円あるいは長円
の如く比較的単純な布片を縫製するものにあっても、完
全な自動縫製を行うのは極めて難しかった。
【0005】ましてや助手席側のエアバッグにおいて
は、エアバッグ形状としても運転席のエアバッグに比べ
てかなり複雑になり、又、大きさも大きくなるので、縫
製は非常に難しいかった。すなわち、この助手席側のエ
アバッグは、例えば図11に示すように、エアバッグ4
0が膨らんだときに助手席の前面側車内壁面にフィット
する形状であることにが望ましいことから、上下方向に
おいて非対称形状である。更に、インスツルメントパネ
ル50及びフロントウインドシールドと助手席との間に
は大きな空間が形成されているので、この空間を埋める
ような大きさが必要となり、通常、三枚或いはそれ以上
の枚数の布片を縫い合わてエアバッグが製造され、エア
バッグの作動効果を確実に発揮するには、上述したよう
な理由から極めて正確な縫製が要求される。
【0006】このエアバッグ40は図10にその裏返し
状態を示すように、左右方向の一対の側面布片42、4
3と正面布片41とが縫合部45により合わせ縫製され
て袋状に構成されている。ここで、このエアバッグ40
を一台の縫製装置で前記両縫合部45を縫製するとき、
例えば側面布片42と正面布片41とを図のbの所から
縫製しはじめると、矢印A 1 、A 2 、A 3 の順に縫製さ
れて最後にdのところで片方の縫製が終了する。その
後、反対側の側面布片43とすでに側面布片42が縫製
された正面布片41とを縫製するときは、図のcの所か
ら縫製を始め、矢印 B1 、 B2 、B 3 の順に最初の縫製
とは逆向きに縫製され、最後にaのところで縫製が終了
してエアバッグ40の袋状の原型が造られる。
【0007】上述の縫製作業は、前記二つの縫合部45
を形成する為に二回の縫製が必要であり、しかもこの作
業は手作業に多くを依存していた。すなわち、側面布片
42、43と正面布片41とはその形状が大きく異なる
為に、縫製部分の位置合わせなどの点で自動縫製が非常
に困難であるだけでなく、特に、二回目の縫製のときに
は、片方の側面布片と正面布片とが縫い合わされている
ことから、取り扱う布形状がある程度立体的な形状にな
っているために、この縫製作業を正確に行うのは高い熟
練性を必要とるものであり、手作業に大きく頼ってい
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来にお
けるエアバッグ製造は、その縫製作業に高い精度が要求
されることから手間取り、製造に要する時間も多大なも
のとなっていた。又、手作業によることから品質的にも
バラ付きが生じないように、作業者の熟練性が必要であ
った。しかしながら、如何に熟練した作業員でも、上述
のように大きく形状が相違した布片同士を縫製した際に
は、縫製作業中における上下布地ののびやつれにより発
生する縫合位置ズレにより、縫合部45の最終端(図1
0ではd端及びa端)におけるの布地のズレが発生す
る。この布地のズレは上述のように両側面布片42、4
3が正面布片41に対して反対向きに縫製したときに
は、正面布片と側面布片とのズレ方が逆になり、エアバ
ッグに捩じれを発生させてバッグ形状の安定を欠くとい
う大きな問題があった。
【0009】また、従来の縫製方法では一台に縫製装置
に少なくとも一人の作業員が必要であり、生産コスト高
の大きな要因となっていた。更に、エアバッグの形状が
複雑化すると、縫合する布地の大きさや形状が大きく相
違することから、生産性を上げることが困難であり、ま
してや助手席用のエアバッグのように、その形状が車種
によって大きく異なるものでは、その生産総数と関連し
た生産性の悪さから、その製造コストが非常に高くなっ
ていた。このコスト高は、このエアバッグの装着できる
車種を高級車種に限定してしまっているのが現状であっ
た。したがって、この製造コスト高という問題を解決す
ることが切望されていた。
【0010】本発明の課題は上述の実情に鑑み、縫製に
よる捩じれの生じない信頼性が高いエアバッグの縫製方
法を提供するとともに、この縫製方法を実施可能にした
縫製装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、少
なくとも正面布片と左右一対のほぼ同形の側面布片とを
縫合せてなるエアバッグの縫製方法において、布送り方
向に直交する向きに並んだ少なくとも1対の縫い針の間
に前記正面布片と両側面布片とを重ね合せ、かつこの重
ね合せが前記正面布片の第1の縫合縁部と一方の前記側
面布片の縫合縁部及び該正面布片の第2の縫合縁部と他
方の前記側面布片の縫合縁部とをそれぞれ揃え、この揃
えた縁部近傍を前記縫い針に対応させておき、前記縫い
針に先行するとろこにて前記両縫合縁部を揃えつつ前記
両縫い針による縫合せ速度を同期させて縫製するととも
に、縫合された布片を前記縫い針の位置の下方側もしく
は上方側へ戻すように導いて、一回の縫製工程で前記エ
アバッグを袋状に縫製することを特徴とするエアバッグ
の縫製方法により達成することができる。
【0012】又、本発明の上記課題は、少なくとも正面
布片と一対のほぼ同形状の側面布片と縫い合わせてなる
エアバッグの縫製装置において、布送り方向に対して直
交する方向に並びかつ同期作動可能な少なくても一対の
縫い針を有し、前記各布片を載せる縫製台には少なくと
も前記両側面布片を落し込み可能な溝が、前記両縫い針
の間に布送り方向に沿って形成され、該溝には前記布片
の縫い合わされた部分を溝内に進入させることのできる
進入許容部が形成されており、さらに予め前記溝に落し
込んだ前記両側面布片を縫製前に縫製台上にそれぞれた
ぐり上げる手段、たぐり上げた前記両側面布片の縫製縁
部と前記正面布片の左右両側の縫製縁部とを揃える手段
とを備えており、前記両縫い針による縫合を同時に行い
一回の縫製工程で前記エアバッグを袋状に縫製すること
を特徴とするエアバッグ縫製装置によって達成すること
ができる。
【0013】
【作 用】この発明によると、布送り方向に直交する向
きに並んだ少なくとも1対の縫い針の間に前記正面布片
と両側面布片とを重ね合せて、エアバッグを袋状にする
ための縫製部分を同時に縫製し、該縫製によってできた
袋形状部分の初期の縫製部分を縫い針が作動している領
域方向に近づけるようにすることで、一回の縫製工程で
エアバッグを袋状に構成できる。したがって、二箇所の
縫合部分の縫製時の向きが同じ方向の縫製であるので、
布地のズレが発生してもそのズレ方向が一致して、エア
バッグの捩じれの発生を防止することができる。また、
一回の縫製工程によりエアバッグを袋形状にすることが
できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例について詳細に説明
する。なお、図1は、本発明のエアバッグ縫製方法を実
施した縫製装置の概略正面図であり、図2は図1に示す
装置のX−X線にそった部分の断面矢視図であり、図3
は本実施例の装置の平面図であり、縫製開始時の両側面
布片、正面布片の重ね合わせて該装置にセットした状態
を示す。図4は図3のY−Y線に沿った部分の断面矢視
図であり、側面布片のたぐり上げ手段を示す。図5は図
3のZ−Z線に沿った部分の断面矢視図であって、縫合
部及びすでに縫合された布地の状態を示す。
【0015】図1に示す縫製装置100は、ミシン10
とミシン20とを各ミシンヘッド10aと20aとを突
き合わせるようにした構成である。すなわち、両ミシン
の基本的な構造は同じであり、ミシン10においては、
布送りレバー1を正送りの位置(上方側)にセットする
一方、ミシン20においては、布送りレバー2を逆送り
の位置(下方側)にセットしてある。
【0016】なお、ミシン20の内部の送り偏心カムを
約180°回転させることにより、ミシン20の布送り
方向をミシン10と逆方向にしてもよい。両ミシン1
0、20は布送り方向に対して直交する方向に並んでお
り、両ミシンヘッド10a,20aの縫い針12、22
はかつ同期作動可能に構成されている。また、各布片4
1、42、43を載せる縫製台13と23は同じ高さで
あり、縫い針側の端面13aと23aとが適宜間隔を開
けて向き合うようになされており、溝30が形成されて
いる。この溝30は布送り方向に沿って形成されてお
り、布片を落し込み可能な構成である。
【0017】さらに、縫製台13、23には、図3に示
すように前記布片の縫い合わされた部分が再び溝内に戻
るような移動を可能とする溝30のテーパ部分13b,
23bにより進入許容部31が形成されている。又、予
め前記溝30に落し込んだ両側面布片42、43を正面
布片41との縫製前に縫製台上にそれぞれたぐり上げる
少なくとも一対のたぐり上げ手段19及び29が八の字
状に設けられており、たぐり上げた両側面布片42、4
3の各縫製縁部と正面布片41の左右両側の縫製縁部と
を揃えるマニピュレータ15、25、このマニピュレー
タ15、25の作動を制御するためのセンサ14、24
が設けられている。
【0018】また、図2に示した前述のミシン10の要
部について説明する。なお、ミシン20の構成について
は、溝30を挟んでミシン10と同じ構成部材が対称の
位置に配置されているので、冗長な説明を避けるために
図2参照の説明においては括弧付け符号にて記載して説
明を適宜省略する。この縫製装置10(20)は、前述
の縫製台13(23)から直立するようにミシンヘッド
10a(20a)が配置され、また、この縫製台13の
表面近傍には、ミシンヘッド10aに接近した位置に両
布片41、42(43)の外周縁部を検出するセンサ1
4(24)が設けられており、このセンサ14の手前
(布送り方向の上流側)には縫合時における両布片4
1、42(43)の位置を修正するマニピュレータ15
(25)が設けられ、さらに、手前には側面布片42
(43)のたぐり上げ手段19(29)が設けられてい
る。
【0019】前記センサ14(24)は、例えば上下端
片を有しその上下端片間に布片の端縁を通過させるよう
にしたコ字形状であり、その上下端片に光電素子(発光
素子と受光素子からなる)を備えており、この光電素子
間に両布片41、42(43)を通過させることによ
り、該布片の位置ずれを検出することができる。この位
置ずれ検出は、例えば両布片の表裏における光反射率が
相違する時には一対の光電素子を上下端片に設け、布片
の表裏及び布片以外のものとの反射光量の相違を検出す
ることにより、両布片41、42(43)の端縁のずれ
を検出することができる。
【0020】また、この構成により両布片全体の位置、
即ち布送り方向にほぼ直交する方向の位置検出もでき
る。なお、光電素子の検出信号は、受光素子が光量によ
り発生する電気信号の強弱を利用する。光電素子は発光
素子と受光素子のみ構成でもよいが、必要に応じて反射
板14aなどを使用した構成としてもよい。マニピュレ
ータ15(25)は、布片41、42(43)の下側並
びに上側に位置するように張り出した上下一対のアーム
17(27)が配置されており、そのアーム17の先端
部分に回転駆動されるローラ16(26)がそれぞれ設
けられている。更に、二つのアーム17(27)の間に
は、正面布片41と側面布片42(43)との間に割り
込むように位置する中間板18が設けられている。
【0021】このマニピュレータ15(25)は、下側
のローラ16(26)と中間板18との間に正面布片4
1を挟み込み、上側のローラ16(26)と中間板18
との間に側面布片42(43)を挟み込むようにし、常
に各布片を適宜押圧力により押さえている。そして、前
記センサ14(24)の検出信号に基づいて、サーボモ
ータ等の適当な駆動手段により駆動され、上下両方或は
いづれかのローラ16(26)が所望の方向に回転され
る。これにより、布片をその縫合時の布送り方向Aに対
して直交する方向に移動させることができる。
【0022】また、マニピュレータ15(25)はその
上下のものが別々に作動制御されるので、側面布片41
と正面布片42(43)との外周端縁のカーブが大きく
相違しているものの、正確な縫合を保証することができ
る。布片の送り手段は、例えば、ミシンヘッド10a
(20a)から針棒11(22)に沿って延びた支持棒
に設けた押さえ金39aと、縫製台13(23)に設け
られたラック状の送り歯39bとの周知の構造により、
縫合に対応して両布片41、42(43)を所定方向へ
送り出すことができる。
【0023】また、布送りの補助として、例えば縫合領
域の前後に設けたエアーブローなどを使用することもで
きるが、本実施例においては、溝30内に落とし込んだ
布片たぐり上げ手段19(29)が配置されている。こ
のたぐり上げ手段19(29)は斜め前方に張り出した
アーム19a(29a)の先端に押さえローラ19b
(29b)が回転自在に取り付けられた構成であり、図
2および図4に示すように縫製台13(23)との間に
側面布片を挟み込む。これにより、側面布片42(4
3)がマニピュレータ15(25)の所で折れ曲がった
状態で垂れ下がらないように押さえることがき、又、側
面布片42(43)の湾曲率が大きい場合でも、垂れ下
がった布片をマニピュレータ15(25)にて操作し易
い位置まで効果的に手繰り上げることができる。この押
さえローラ19b(29b)は、側面布片42(43)
の移動により回転するものであり、特に手繰り上げるよ
うに回転駆動される必要はないが、駆動手段により駆動
される構成であってもよい。なお、本実施例におけるた
ぐり上げ手段19(29)は、マニピュレータ15(2
5)のローラ16(26)を一つにした構造のものを採
用している。
【0024】上述の構成の縫製装置100による縫合に
ついて説明する。側面布片42と43及び正面布片41
の中央部分が溝30内に垂れ下がるようにして、各縫合
部分が位置合わせされて縫製台13、23に乗せられ
て、図3に示すように所定に位置にセットされる。な
お、このセットは縫い針12並びに22を正面布片41
の両側に対応させる(図10に示したa並びにbが縫い
合わせ開始部分となる)。
【0025】このようにセットされた三枚の布片41、
42、43は針棒11、21の同期した駆動と同時に布
送り手段により図中左方向(矢印A方向)へ自動的に送
られる。この縫合の途中において、例えば、側面布片と
正面布片との外周縁部(縫合部の外側の縁部)が不揃い
(位置ずれ)になっていると、マニピュレータ15(2
5)のローラ16(26)がセンサ14(24)の情報
に基づいて所定方向に回転して、外周端縁を揃える。ま
た、マニピュレータの手前において、たぐり上げ手段1
9(29)により、各側面布片を溝30から引き上げる
ので、縫合部の外周端縁を揃えることが容易になると共
に布送りを円滑にすることができる。
【0026】縫製が進むのにつれて、縫製された部分は
徐々に丸くなって行きエアバッグ40の形状に近づく。
すなわち、縫製された部分は立体的になるが、本実施例
においては、溝30の図中左端の部分がテーパ状に開い
た進入許容部31が形成されているので、縫製された部
分の先端部分(縫製開始部分)は、この進入許容部31
から縫製台13(23)の下方に入り込み、図5に示す
ように再び縫い針11及び22の方向に戻り、最終的に
は該縫い針の真下の位置まで来てこの縫製が完了する。
【0027】このように自動縫製を行う時に、布端縁を
位置合わせする前に溝30内に垂らした布片をたぐり上
げ手段19(29)によりひき上げるので、マニピュレ
ータ15(25)とによる外周端縁の位置合わせが安定
し確実にできるので、縫い代のバラ付きや縫いはずれの
ない正確な合わせ縫いが可能となり、高品質な縫製をす
ることができる。
【0028】また、作業者は各布片の縫合開始部分の外
周端縁を揃えて縫製装置100にセットするだけでよ
く、その後は外周端縁の検出により縫い代も安定した縫
製ができ、かつ一回の縫製で袋形状が形成されるととも
に、二つの縫合部45を同じ方向から縫製し始めること
ができるので、縫い合わせの位置ズレによるエアバッグ
の捩じれを防止でき、バッグ形状ならびにバッグ容積を
設定値に保つ安定した極めて正確な縫製作業をすること
ができる。
【0029】なお、上下布片の形状の相違から必要とな
る部分イセ込み、布片に対するマニピュレータの圧力、
縫製速度などのその他各種モード設定は適宜行うことが
できる。又、前述の縫合開始部と縫合終端部との本縫製
の順番は、当然逆からでも可能である。
【0030】本発明におけるたぐり上げ手段は、前記実
施例に限定されるものではなく、例えば図6乃至図9に
示すように変更することができる。図6及び図7に示す
たぐり上げ手段60は、台座68の上にヒンジ部67を
介して延びたアーム61の先端に押しローラ62が取り
付けられた構成である。このアーム61は板バネ66に
より縫製台13方向へ適宜付勢されている。この押しロ
ーラ62はアームに回転自在に取り付けられ、図7に示
すように、ハブ63の外周に放射状にブラシ64を有し
た構造である。また、アーム61には、押しローラ62
の上方を覆うようにカバー65が取り付けらており、正
面布片41の移動を妨げないようになっている。
【0031】また、このたぐり上げ手段60はヒンジ部
67を支点にして上方に上げることができ、側面布片4
2をセットするときの作業性を高めた構造となってい
る。なお、上方に上げるときには、例えばアーム61の
適所に形成された孔69に板バネ66の先端部分が入り
込むようにして、想像線にて示した上げた状態を維持す
ることができる。
【0032】図8に示したたぐり上げ手段70は、押し
ローラ62にモータ71を接続した構成以外は図6に示
した構成と全く同じである。図9に示したたぐり上げ手
段80は、押しローラ81が円筒形でその外周面にメッ
シュ状の凹凸を形成したものを、図6の押しローラ62
の代わりに取り付けた構造である。
【0033】上記実施例は、溝30のテーパ部分13
b,23bにより進入許容部31が形成されているが、
このテーパの大きさは適宜変更することができる。ま
た、本発明における進入許容部の構成はこれに限らず、
縫製台13、23の左端面13c,23cを二点鎖線M
にて示すように右寄りの位置設定した構成でもよい。上
記実施例は、助手席のエアバッグについて述べたが、本
発明はこれに限定されるものでなく種々のエアバッグに
適用できるものである。
【0034】前記実施例における縫製装置100は、二
つのミシン10、20を突き合わせるように並べた構成
としたが、本発明の構成は、このような構造に何ら限定
されるものではなく、本発明の構成要素を有していれ
ば、例えば一つの駆動系にて作動する装置など種々変更
することできるものである。また、上記実施例は、縫製
台には布片の縫い合わされた部分が再び溝30内に戻る
ように導く進入許容部31が構成されて縫合された布片
を縫製台の下方側に導くようにしたが、本発明は縫製方
法はこれに限定されるものではなく、縫合された布片を
前記縫い針の位置の上方側へ戻すように導いても、前記
実施例と同様に一回の縫製工程で前記エアバッグを袋状
に縫製することができる。この場合の縫製装置は、縫製
する正面布片の上に両側面布片を重ね合わせるようにセ
ットし、縫製された部分の先端部分を移動自在に吊るし
上げるようにするとともに、両側面布片を縫い針間にお
いて吊るし上げるようにすることにより、縫合された布
片を縫い針の位置の上方側へ戻すように導くことができ
る。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、布送り方
向に直交する向きに並んだ少なくとも1対の縫い針の間
に前記正面布片と両側面布片とを重ね合せて、エアバッ
グを袋状にするための縫製部分を同時に縫製し、該縫製
によってできた袋形状部分の初期の縫製部分を縫い針が
作動している領域方向に近づけるようにすることで、一
回の縫製工程でエアバッグを袋状に構成できる。
【0036】したがって、二箇所の縫合部分の縫製時の
向きが同じ方向の縫製であるので、布地のズレが発生し
てもそのズレ方向が一致して、エアバッグの捩じれの発
生を防止することができる。また、従来において二回の
縫製工程を一回で殆ど自動で行えるので、エアバッグの
生産性を格段に高めることができ、特に、複雑な形状の
エアバッグの正確な縫製作業を極めて短時間に行うこと
が出来、エアバッグの品質向上と共に生産性を大幅に向
上させコストを低減させる事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグ縫製装置の概略正面図であ
る。
【図2】図1に示す縫製装置のX−X線にそった部分の
断面矢視図である。
【図3】本発明の一本実施例の平面図であり、縫製開始
時の両側面布片、正面布片の重ね合わせて装置にセット
した状態を示す。
【図4】図3のY−Y線に沿った部分の断面矢視図であ
り、側面布片のたぐり上げ手段を示す。
【図5】図3のZ−Z線に沿った部分の断面矢視図であ
って、縫合部及びすでに縫合された布地の状態を示す。
【図6】本発明におけるたぐり上げ手段の他の実施例を
示す要部概略図である。
【図7】図6に示すたぐり上げ手段の押しローラの側面
図である。
【図8】本発明におけるたぐり上げ手段の他の実施例を
示す要部概略図である。
【図9】本発明におけるたぐり上げ手段の他の実施例を
示す要部概略図である。
【図10】エアバッグを裏返して膨らました状態の形状
を示す斜視図である。
【図11】エアバッグが車両内で膨らんだ時の状態を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1、2 布送りレバー 10、20 ミシン 10a、20a ミシンヘッド 11、21 針棒 12、22 縫い針 13、23 縫製台 14、24 センサ 15、25 マニピュレータ 16、26 ローラ 17、27 マニピュレータのアーム 18 中間板 19、29、60、70、80 たぐり上げ手段 19a,29a たぐり上げ手段のアーム 19b、29b、62、81 たぐり上げ手段の押しロ
ーラ 30 溝 31 進入許容部 41 正面布片 42、43 側面布片 45 縫合部 100 縫製装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも正面布片と左右一対のほぼ同
    形の側面布片とを縫合せてなるエアバッグの縫製方法に
    おいて、布送り方向に直交する向きに並んだ少なくとも
    1対の縫い針の間に前記正面布片と両側面布片とを重ね
    合せ、かつこの重ね合せが前記正面布片の第1の縫合縁
    部と一方の前記側面布片の縫合縁部及び該正面布片の第
    2の縫合縁部と他方の前記側面布片の縫合縁部とをそれ
    ぞれ揃え、この揃えた縁部近傍を前記縫い針に対応させ
    ておき、前記縫い針に先行するとろこにて前記両縫合縁
    部を揃えつつ前記両縫い針による縫合せ速度を同期させ
    て縫製するとともに、縫合された布片を前記縫い針の位
    置の下方側もしくは上方側へ戻すように導いて、一回の
    縫製工程で前記エアバッグを袋状に縫製することを特徴
    とするエアバッグの縫製方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも正面布片と一対のほぼ同形状
    の側面布片と縫い合わせてなるエアバッグの縫製装置に
    おいて、布送り方向に対して直交する方向に並びかつ同
    期作動可能な少なくても一対の縫い針を有し、前記各布
    片を載せる縫製台には少なくとも前記両側面布片を落し
    込み可能な溝が、前記両縫い針の間に布送り方向に沿っ
    て形成され、該溝には前記布片の縫い合わされた部分を
    溝内に進入させることのできる進入許容部が形成されて
    おり、さらに予め前記溝に落し込んだ前記両側面布片を
    縫製前に縫製台上にそれぞれたぐり上げる手段、たぐり
    上げた前記両側面布片の縫製縁部と前記正面布片の左右
    両側の縫製縁部とを揃える手段とを備えており、前記両
    縫い針による縫合を同時に行い一回の縫製工程で前記エ
    アバッグを袋状に縫製することを特徴とするエアバッグ
    縫製装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107435188A (zh) * 2017-04-26 2017-12-05 常州智谷机电科技有限公司 全自动气囊袋缝制设备
CN109930301A (zh) * 2019-04-17 2019-06-25 孙小燕 一种编织袋生产用缝边机

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