JPH05199963A - 電気掃除機の吸込口体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、駆動源によって回転して例えばじ
ゅうたん等のゴミを掻き上げる回転清掃体を有する電気
掃除機の吸込口体に関し、基部で被掃除面を傷付けるこ
とがなくしかも組立作業の容易な回転清掃体を有する電
気掃除機の吸込口体を提供するものである。 【構成】 本発明の電気掃除機の吸込口体は、本体１の
下面に吸込口２が形成され、この吸込口２に臨んで回転
清掃体６が回転自在に支持されている。回転清掃体６
は、弾性材料からなる筒状の基部１２とこの基部１２の
周壁よりも外方に突出して設けられるブレード１３とを
押出成型により一体成型し、その後基部１２に鉄製の軸
部１４を挿通し、さらに軸部１４に受け板１５、軸受１
７を設けることにより組立られたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は駆動源によって回転して
例えばじゅうたん等のゴミを掻き上げる回転清掃体を有
する電気掃除機の吸込口体に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の電気掃除機の吸込口体と
しては、吸込口本体内にその下面に形成された吸込口に
臨んで駆動源によって回転駆動される回転清掃体を設け
たものが知られている。この回転清掃体は、合成樹脂製
のブラシ台にその長手方向に沿って溝を設け、この溝に
ブラシ台の長手方向の端部から弾性材料からなるブレー
ドを挿入して組み立てられるものであり、被掃除面のゴ
ミを効率よく掻き上げるためにブレードはブラシ台の周
方向に複数枚設けられている。そして、駆動源によって
回転清掃体を回転させることにより、ブレードがじゅう
たん等の被掃除面に接触してゴミを掻き上げることがで
きる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の電気掃除機の吸込口体では、棚、引き出しのような
凹凸のある被掃除面を掃除した際、被掃除面の一部が吸
込口から吸込口本体内に入り込んで棚、引き出しの角部
が合成樹脂製のブラシ台と接触して傷付けられてしまう
場合があるという問題があった。また、弾性材料からな
るブレードをブラシ台の溝に沿って挿入する際にブレー
ドが撓んでしまい回転清掃体の組立作業性が悪いという
問題があった。特に上述のように複数枚のブレードを有
するものでは、ブレード毎に挿入作業を行わなければな
らず作業性が悪いものであった。

【０００４】本発明は上記問題点を解決し、被掃除面を
傷付けることがなく組立作業が容易な回転清掃体を有す
る電気掃除機の吸込口体を得ることを目的とするもので
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の電気掃除機の吸込口体では、本体下面に形成
された吸込口に臨んで配置され、前記本体内の駆動源に
よって回転駆動される回転清掃体を有してなり、この回
転清掃体は、前記本体に回転自在に支持された棒状の基
部とこの基部にその長手方向に沿って外方に突出して設
けられたブレードとを弾性材料により一体成型されたも
のである。

【０００６】

【作用】本発明の電気掃除機の吸込口体は、回転清掃体
の回転駆動によりブレードが被掃除面からゴミを掻き上
げる。また、基部が被掃除面と接触した際この基部は弾
性材料であるため緩衝部材として機能して被掃除面を保
護する。また、製造工程においてブレードの基部に形成
された溝への挿入作業を行うことなく回転清掃体を組み
立てることができる。

【０００７】

【実施例】本発明の一実施例を図に基づいて説明する。
図２において、１は吸込口本体で、下面に吸込口２が形
成されているとともに後部には上下に回動自在な接続管
３が設けられている。この本体１の後部には一対の後車
輪４、４が設けられており、本体の前部に設けられた図
示しない一対の前車輪とともに本体１の被掃除面上での
走行性を良好にしている。また、本体１の外周面には弾
性部材よりなるバンパ５が設けられている。

【０００８】本体１内には回転清掃体６を収納する回転
清掃体室７が吸込口２に臨んで設けられている。回転清
掃体室７は上部に開口８が形成されていて、この開口８
は図示しない蓋体により開閉される。また、回転清掃体
室７の長手方向両端部には、回転清掃体６の両端部にそ
れぞれ設けられた後述する軸受を支持する軸受支持部
９、９が形成されている。さらに、本体１内には駆動源
としての電動機１０が内蔵され、この電動機１０の回転
力はベルト１１を介して回転清掃体６に伝達されるよう
になっている。

【０００９】さらに、本体１の下面には上端が軸支され
て下方に突出する回動自在な検知体（図示せず）が設け
られている。この検知体は本体１の走行方向を検知する
もので、本体１を被掃除面上で例えば前方に走行させる
と検知体の下端が被掃除面から力を受けて後方に回動し
て本体１が前方に走行していることを検知し、これによ
り電動機１０を所定の方向に回転させ、本体１を後方に
走行させると電動機１０を反転させるようになってい
る。

【００１０】回転清掃体６は、エラストマー等の弾性材
料からなる棒状である円筒状の基部１２と、この基部１
２と一体成型され基部１２の周面から外方に突出するブ
レード１３と、基部１２の長手方向の端部から挿入され
る金属あるいは合成樹脂等の保形性のある軸部１４と、
軸部１４の長手方向両端部にそれぞれ設けられる受け板
１５、１５と、軸部１４に設けられベルト１１が掛け渡
されるプーリ１６と、軸部１４の長手方向両端に設けら
れ軸部１４を回転自在に支持する軸受１７、１７とによ
って構成される。ブレード１３は基部１２の周面に等間
隔で４枚設けられていて、各ブレード１３の先端すなわ
ち被掃除面に接触してゴミを掻き上げる部分には長手方
向に沿って凸部１８がそれぞれ設けられている。そし
て、軸受１７、１７が本体１に形成された軸受支持部
９、９に支持されることにより、回転清掃体６は本体１
に回転自在に支持されるものである。

【００１１】上記構成の回転清掃体６を組み立てるに
は、基部１２と先端に凸部１８が形成されるブレード１
３とを押出成型により一体に成型し、この基部１２の長
手方向端部から鉄製の軸部１４をこの軸部１４の周面を
基部１２が被覆するように挿入する。次いで受け板１
５、１５を長手方向端部から挿入すると各ブレード１３
の端部が受け板１５に形成された４つの凹部１９にそれ
ぞれ入り込み、基部１２の端部を覆った状態で受け板１
５を軸部１４に接着等により固定する。このように受け
板１５を固定することにより、ブレード１３は軸部１４
に対して回り止めされるとともに長手方向への位置ずれ
防止を行うことができる。次いで、軸部１４の長手方向
の一端部にプーリ１６を固定し、軸部１４の両端に軸受
１７、１７を固定することにより回転清掃体６は組み立
てられる。

【００１２】そして、このようにして組み立てられた回
転清掃体６は、その両端に設けられた軸受１７、１７を
本体１に形成された軸受支持部９、９にそれぞれ支持さ
れ、この状態で電動機１０をオンし本体１を被掃除面上
で走行させると検知体の検知にしたがって電動機１０が
駆動する。これにより、その駆動力がベルト１１を介し
て回転清掃体６に伝達されてブレード１３の先端が被掃
除面からゴミを掻き上げて掃除を行う。

【００１３】このように、本実施例の電気掃除機の吸込
口体によれば、凹凸のある被掃除面例えば棚、引き出し
等の掃除を行なう際、被掃除面の一部例えば角部が吸込
口２から本体１内に入り込んで回転清掃体６の基部１２
と接触しても、基部１２は弾性材料からなっているの
で、基部１２が緩衝部材として作用して被掃除面の傷付
きを防止することができる。また、本実施例の回転清掃
体６は基部１２とブレード１３とを押出成型により一体
成型し、この基部１２に軸部１４を挿入して嵌合し、次
いで受け板１５、プーリ１６、軸受１７等を軸部に固定
することによって回転清掃体６を組み立てることができ
る。このため、従来のような弾性材料からなるブレード
をブラシ台に形成された溝へ挿入する作業が不要となる
ことから組立作業を容易にすることができる。なお、必
要に応じて軸部１４は基部１２に接着する。

【００１４】さらに、本実施例によれば基部１２とブレ
ード１４とを押出成型により一体成型するとともに基部
１２に軸部１４を挿入しているので、軸部１４に溝を形
成するなどの加工を必要としないことから、軸部１４を
合成樹脂よりも強度の大きい鉄などの金属製とすること
ができ、これにより軸部１４の径を小さくすることがで
きる。したがって、吸込口本体１の小型化も可能となる
ことから机の下などの高さに制限を受ける場所の掃除も
容易に行える吸込口体を得ることができる。

【００１５】なお、本実施例では基部１２を筒状のもの
とし、基部１２の内方に別体の軸部１４を設けたものに
ついて説明したが、例えば弾性材料として比較的硬度の
高いゴム等を用いて基部１２を直径１７〜２０ミリメー
トル程度にすることによって基部１２に軸部としての機
能をもたせることができるので、別体の軸部１４は必ず
しも必要とするものではない。また、別体の軸部１４を
設ける場合は基部１２を長手方向に貫通せずに基部１２
の長手方向両端部にそれぞれ設けられたものでもよい。
さらに、軸部１４に対して基部１２を所定角度ねじって
とりつけてもよい。

【００１６】次に第２の実施例を図４に基づいて説明す
る。なお、前記実施例と同様の構成については同一符号
を付し説明も省略する。基部１２は、軸部１４が嵌合さ
れる内筒部２１と、この内筒部２１にブリッジ部２２の
みを介して連結されるとともに外周面を凹凸面２４とし
た外筒部２３とからなる。そして、基部１２には図４に
示すように中空部２５が形成されている。この中空部２
５により基部１２により弾性をもたせることができる。

【００１７】この構成に基づいてその作用を説明する。
回転清掃体６を組み立てるには前記実施例と同様にして
行なうことができる。そして、電動機１０を駆動させる
ことにより回転清掃体６が回転してブレード１３の先端
が被掃除面からゴミを掻き上げることができる。じゅう
たんを掃除すると、本体１に設けられた前輪、後輪４が
じゅうたんの毛に入り込むことから、回転清掃体６は基
部１２の凹凸面２４がじゅうたんの毛と係合しつつ回転
する。したがって、吸込口体の走行方向と回転清掃体６
の回転方向を一致させることにより吸込口体の走行性を
向上させることができる。すなわち、回転清掃体６を吸
込口体の駆動輪としても利用することができるものであ
る。

【００１８】次に第３の実施例の回転清掃体を図５、図
６に基づいて説明する。回転清掃体３１は、エラストマ
ー等の弾性材料からなる棒状である内周断面が六角形の
基部３２と、この基部３２と一体成型され基部３２の周
面から外方に突出するブレード３３と、基部３２の長手
方向の端部から挿入される金属あるいは合成樹脂等の保
形性のある六角筒状の軸部３４と、軸部３４の長手方向
両端部に固定部材３５、３５を介してそれぞれ設けられ
る受け板３６、３６と、一方の受け板３６に形成されベ
ルト１１が掛け渡されるプーリ３７と、固定部材３５、
３５および受け板３６、３６に固定された軸体３８、３
８をそれぞれ回転自在に支持する軸受３９、３９とによ
って構成される。ブレード３３は基部３２の周面に等間
隔で２枚設けられていて、各ブレード３３の先端すなわ
ち被掃除面に接触してゴミを掻き上げる部分には長手方
向に沿って凸部４０がそれぞれ設けられている。そし
て、軸受３９、３９が本体１に形成された軸受支持部
９、９に支持されることにより、回転清掃体３１は本体
１に回転自在に支持されるものである。なお、４１は回
転清掃体３１の一端側に位置して軸体３８に固定された
隅ブラシである。

【００１９】上記構成の回転清掃体３１を組み立てるに
は、基部３２と先端に凸部４０が形成されるブレード３
３とを押出成型により一体に成型し、この基部３２の長
手方向端部から軸部３４をこの軸部３４の周面を基部３
２が被覆するように挿入する。次いで受け板３６、３６
に固定された固定部材３５、３５を長手方向端部から軸
部３４に挿入する。そして、受け板３６、３６から両端
に突出する軸体３８、３８に軸受３９、３９をそれぞれ
回転自在に取り付けるとともに一端側には隅ブラシ４１
を取り付けることにより回転清掃体６は組み立てられ
る。

【００２０】本実施例によれば、前記実施例と同様に回
転清掃体の基部で被掃除面を傷付けることを防止できる
とともに弾性材料からなるブレードの基部への取り付け
作業の必要がないことから、回転清掃体の組立作業を容
易にすることができる。さらに、軸部３４の外周面およ
び基部３２の内周面はそれぞれ断面が六角形で形状が合
致しているため、基部３２内に軸部３４を圧入するだけ
で軸部３４に対する基部３２の回り止めをすることがで
きることから組立をより簡単にすることができる。

【００２１】次に第４の実施例を図７、図８に基づいて
説明する。なお、第２の実施例と同様の構成には同一符
号を付し説明も省略する。４２は可撓性材料からなりブ
ロー成型で基部３２と一体成型されたブレードで、基部
３２の長手方向に沿って螺旋状に形成されている。ま
た、基部３２の内周断面は軸部３４の外周面に合致する
六角形に形成されている。

【００２２】本実施例によれば、ブロー成型を用いてい
ることから、内周面を角筒状に形成した基部３２と基部
３２の外周にその長手方向に沿って螺旋状に形成される
ブレード４１とを一体成型することができる。このた
め、第３の実施例と同様に基部３２内に軸部３４を圧入
するだけで軸部３４に対する基部３２の回り止めをする
ことができ組立をより簡単に行うことが可能となる。ま
た、ブレード４１が基部３２の長手方向に沿って直線的
に形成されているものは、回転清掃体が被掃除面上で回
転中、ブレード４１の長手方向に沿う全長が同時に被掃
除面に接触するので、回転清掃体の駆動源例えば電動機
やエアータービン等に加わる負荷が大きくなるが、本実
施例の回転清掃体によればこのような問題がない。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように本発明の電気掃除機
の吸込口体によれば、回転清掃体の基部で被掃除面を傷
付けることを防止できる。また、弾性材料からなるブレ
ードの基部への取り付け作業の必要がないことから、回
転清掃体の組立作業を容易にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す回転清掃体の要部を示
す斜視図である。

【図２】同じく本発明の一実施例を示す電気掃除機の吸
込口体の上面図である。

【図３】同じく本発明の一実施例を示す回転清掃体の径
方向の断面図である。

【図４】本発明の第２の実施例を示す回転清掃体の径方
向の断面図である。

【図５】本発明の第３の実施例を示す回転清掃体の長手
方向の断面図である。

【図６】本発明の第３の実施例を示す回転清掃体の径方
向の断面図である。

【図７】本発明の第４の実施例を示す回転清掃体の一部
の長手方向の上面図である。

【図８】本発明の第４の実施例を示す回転清掃体の一部
の径方向の断面図である。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 吸込口 ６ 回転清掃体 １０ 駆動源（モータ） １２ 基部 １３ ブレード １４ 軸部 ３１ 回転清掃体 ３２ 基部 ３３ ブレード ４１ ブレード

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内藤 順司 神奈川県秦野市堀山下43番地 東京電気株 式会社秦野工場内 (72)発明者 大津 育弘 神奈川県秦野市堀山下43番地 東京電気株 式会社秦野工場内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体下面に形成された吸込口に臨んで配
   置され、前記本体内の駆動源によって回転駆動される回
   転清掃体を有してなり、この回転清掃体は、前記本体に
   回転自在に支持された棒状の基部とこの基部にその長手
   方向に沿って外方に突出して設けられたブレードとを弾
   性材料により一体成型したことを特徴とする電気掃除機
   の吸込口体。