JPH05199955A

JPH05199955A - 電気掃除機

Info

Publication number: JPH05199955A
Application number: JP1233692A
Authority: JP
Inventors: Hidenori Hirano; 英紀平野
Original assignee: Tokyo Electric Co Ltd
Current assignee: Toshiba TEC Corp
Priority date: 1992-01-27
Filing date: 1992-01-27
Publication date: 1993-08-10

Abstract

(57)【要約】【目的】騒音を低減する電気掃除機を提供する。【構成】電動送風機17と排気口28との間に、排気方向
の断面を最長の対角線の長さが４９mm以下の複数の多角
形に分割する格子部26を設ける。【効果】最長の対角線の長さが４９mm以下の格子部に
よって、人間が聞き取り易い周波数が５００〜７０００
Hzの定在波を除去できる。定在波の除去により、体感の
騒音を低減できる。排気風の空気抵抗が増加しないの
で、吸気効率の低減を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、騒音を低減する電気掃
除機に関する。

【０００２】

【従来の技術】電気掃除機の騒音の発生源は電動送風機
であり、また、吸込風はこの電動送風機を通過した後、
電動送風機本体に開口形成されている排気口から排出さ
れるので、電動送風機本体の排気側での騒音が問題とな
っている。そして、この騒音を低減させるために、従来
の電気掃除機は、電動送風機の排気側の排気風路を長く
形成させ、この風路内で騒音を低減させる構造、あるい
は、排気風路内に吸音材などを配設して騒音を低減させ
る構造が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来構
造の電動掃除機は、排気風路を長すること、あるいは、
吸音材などを配設することにより、排気風の空気抵抗が
増加するために、電気掃除機の吸気効率が低下する問題
がある。また、排気風路を長くすることは、電気掃除機
の小型化および軽量化に制約を生じ、操作性に欠ける問
題がある。

【０００４】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、吸気効率の低減を防ぎ、騒音を低減した小型で軽量
な電気掃除機を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の電気掃除機は、
電動送風機を内設する電動送風機室と、この電動送風機
室の負圧側に位置し集塵フィルタを設けた集塵室と、前
記電動送風機室の排気側に位置し外気に連通した排気口
とを具備した電気掃除機において、前記電動送風機と排
気口の間に、最長の対角線が４９mm以下の複数の多角形
にて形成され、かつ、前記電動送風機の排気方向に交差
する方向に配設された格子部を設けたものである。

【０００６】

【作用】本発明の電気掃除機は、排気風の通過する電動
送風機と排気口の間に、排気方向の断面を最長の対角線
の長さが４９mm以下の複数の多角形に分割する格子部を
形成させたため、人間の耳に聞こえ易い５００〜７００
０Hz程度の周波数の騒音の定在波を消して、共振の発生
を防止し、体感の騒音を低減することにより、吸気効率
を低減することなく騒音を低減できる。

【０００７】

【実施例】本発明の電気掃除機の一実施例の構成を図面
に基づいて説明する。

【０００８】図１において、１は電気掃除機本体で、こ
の電気掃除機本体１は、前側上面部を開口した本体ケー
ス２と、この本体ケース２の前側上面部の開口を開閉自
在に閉塞する蓋体３とからなっている。また、本体ケー
ス２は、前側に旋回自在の旋回輪４が取り付けられると
ともに、後側には従動後輪５が取り付けられている。さ
らに、本体ケース２の上面後部には、収納部カバー６に
より開閉自在に覆われる付属品収納部７が形成されてい
る。そして、本体ケース２の上部に上ハンドル８が枢着
されているとともに、本体ケース２の最前部に前ハンド
ル９が突設されている。

【０００９】また、電気掃除機本体１内には、格子状の
連通口10を有する隔壁11により、上方へ開放された集塵
室12が前部に区画形成されているとともに、この集塵室
12の後方に電動送風機室13が区画形成されている。そし
て、集塵室12内には、この集塵室12内に枢着されたホル
ダ14により主集塵フィルタである集塵袋15が着脱自在に
装着されている。

【００１０】また、隔壁11の前面には、その連通口10を
覆うとともに集塵袋15を案内する補助集塵フィルタ16が
着脱自在に装着されている。なお、これら集塵袋15およ
び補助集塵フィルタ16は、集塵室12の上面開口を介して
着脱される。

【００１１】一方、電動送風機室13内には、電動送風機
17が配設されている。この電動送風機17は、図示しない
例えば９枚の羽を有するファンと、このファンを回転駆
動する電動機18と、ファンを覆うファンカバー19となど
からなっている。このファンカバー19の中央部には吸気
口20が開口形成され、電動機18のフレームには図示しな
い排気口が開口形成されている。そして、電動送風機17
は、前後部が電動送風機室13内に形成された支持壁21，
22にゴム製支持体23，24を介して支持されている。前側
の支持壁21およびゴム製支持体23は環状になっており、
これにより、電動送風機17の吸気口20が集塵室12に連通
口10を介して気密に連通されている。

【００１２】さらに、電気掃除機本体１内には電動送風
機室13の後方に位置して排気室25が区画形成されてお
り、この排気室25には格子部26が装着されている。この
格子部26は、図２に示すように、最長の対角線の長さが
４９mm以下の正六角形を構成するように、格子27が正六
角形状のハニカム状に形成され、この正六角形が前記電
動送風機からの排気方向に対して垂直に位置するように
設けられている。

【００１３】そして、電気掃除機本体１の本体ケース２
の外側後面部には、電動送風機17の排気口に連通する排
気口28が開口形成されている。

【００１４】また、蓋体３は、本体ケース２に後端部が
枢着されており、集塵室12を上方から開閉自在に覆うも
のである。そして、蓋体３の前部には内側開口29と外側
開口30とが相対向させて形成されている。また、内側開
口29および外側開口30に対向する中間には、円筒形状の
吸込口31が形成されている。この吸込口31は、上端が蓋
体３の上方へ開口しているとともに、下端が前記集塵室
12へ開口している。

【００１５】また、蓋体３には、集塵室12を電気掃除機
本体１外に連通させる吸込口31を開閉自在に閉塞するシ
ャッタ32が摺動自在に支持されている。このシャッタ32
の端部にはつまみ33が上方へ突出形成されている。

【００１６】つぎに、上記実施例の作用について説明す
る。

【００１７】通常の掃除時には、蓋体３を閉じておき、
シャッタ32を後方へ摺動させて開く。このシャッタ32を
開いた状態で、図示しないホース体を接続し掃除を行な
う。電動送風機17の駆動により、吸込口31から空気とと
もに塵埃が吸込まれ、ホースを介して電気掃除機本体１
の集塵室12に導かれて、集塵袋15内に捕捉される。ま
た、この集塵袋15により濾過された空気は、補助集塵フ
ィルタ16、連通口10、電動送風機17の吸気口20、電動送
風機17内、この電動送風機17の排気口、排気室25、格子
部26を順次通って、排気口28から電気掃除機本体１外の
外気へ排気風として排出される。

【００１８】この通常の掃除時において、電気掃除機本
体１は、電動送風機17の電動機18の回転により約５００
Hzの定在波、および、電動送風機17のファンの回転によ
り約４５００Hzの定在波を、強さのレベルが約５０〜６
０dBで騒音として発生している。また、図３のフレッチ
ャ−マンソン（Fletcher−Munson）の等感曲線から、騒
音の強さのレベルが５０〜６０dBの範囲で、騒音の周波
数を７０００Hz以上にすると、騒音の大きさのレベルが
約１０ホン低減することが認められる。また、周波数が
７０００Hzの騒音は、通常室温の２０℃で毎秒３４３．
６４ｍであるから、波長λは４９．０９mmとなる。

【００１９】このため、排気方向の断面を最長の対角線
の長さが４９mm以下の正六角形のハニカム状に分割する
格子部26が、周波数が７０００Hz以下の定在波を消して
共振の発生を防ぎ、騒音を小さく押さえることができ
る。また、格子部26は複数の正六角形により形成されて
いるため、格子27の排気方向の断面の厚みを均一に一定
に形成でき、隣接する正六角形を区画している格子27の
排気方向の断面積が、開口する正六角形の面積より遥か
に小さくできるので、格子部26による排気風の空気抵抗
の増加を抑え、吸気効率の低下も防止できる。さらに、
従来の電気掃除機本体の排気口に形成される格子は、電
動送風機を通過した排気風が、この格子の前側の風路を
通って格子の開口部を介して格子の後側の大気側へ排出
されることによって排気風の速度が極端に変化するた
め、風切音を発生するが、本実施例の格子部26は電動送
風機17と電気掃除機本体１に形成する排気口28との間に
配設されていることから、風切音を発生することがなく
なり、騒音を低減できる。

【００２０】なお、上記実施例の格子27は、排気方向の
断面の厚さを正六角形の最長の対角線の長さ略同一厚み
となるように形成させることによって、波長λが４９mm
以上である周波数が７０００Hz以下の定在波を確実に消
して共振の発生を防ぎ、さらに騒音を低減できるととも
に、格子27の排気方向の長さを必要以上に長く形成させ
る必要がなく、電気掃除機本体１を小型で軽量化でき
る。

【００２１】

【発明の効果】本発明の電気掃除機によれば、排気風の
通過する電動送風機と排気口の間に、排気方向の断面を
最長の対角線の長さが４９mm以下の複数の多角形に分割
する格子部を形成したことにより、周波数が７０００Hz
以下の騒音の定在波を消して共振の発生を防ぎ、体感の
騒音を低減することができる。また、格子部は排気風の
空気抵抗の増加を抑え、吸気効率の低下を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電気掃除機の一実施例を示す前後断面
図である。

【図２】同上左右断面図である。

【図３】フレッチャ−マンソン（Fletcher−Munson）の
等感曲線のグラフである。

【符号の説明】

１電気掃除機本体 12 集塵室 13 電動送風機室 15 集塵フィルタである集塵袋 17 電動送風機 26 格子部 28 排気口

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】電動送風機を内設する電動送風機室と、
この電動送風機室の負圧側に位置し集塵フィルタを設け
た集塵室と、前記電動送風機室の排気側に位置し外気に
連通した排気口とを具備した電気掃除機において、前記電動送風機と排気口の間に、最長の対角線が４９mm
以下の複数の多角形にて形成され、かつ、前記電動送風
機の排気方向に交差する方向に配設された格子部を設け
たことを特徴とした電気掃除機。