JPH05198847A - 電子冷却素子 - Google Patents
電子冷却素子Info
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- JPH05198847A JPH05198847A JP4244533A JP24453392A JPH05198847A JP H05198847 A JPH05198847 A JP H05198847A JP 4244533 A JP4244533 A JP 4244533A JP 24453392 A JP24453392 A JP 24453392A JP H05198847 A JPH05198847 A JP H05198847A
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Abstract
性が小さく、安価なものを提供する。 【構成】 ストロンチウムとチタンからなる複合酸化物
を主成分とし、酸素欠損を有する酸化物半導体をn型素
子として用いる構成とする。この構成をとることにより
n型半導体素子部の毒性が低下し、性能の優れた熱電半
導体素子が得られる。ペルチェ冷却効果は、ベース電極
14からn型半導体11及びp型半導体12とベース電
極15との間で電流が流れるときにそれぞれの界面で発
熱がおこり、n型半導体11からブリッジ金属銅板13
及びベースブリッジ金属銅板13からp型半導体12に
電流が流れるときにそれぞれの界面で吸熱が行われる。
したがってブリッジ電極13が冷却部になる。
Description
導体磁器組成物に関し、特に半導体物質の毒性が小さ
く、且つ特性の優れたものに関する。
制や、電子機器等の局所冷却、除湿などの小型冷却装置
などに対する要求からペルチェ効果を利用した電子冷却
用電子部品に対する要求は大きい。
電子部品としては、Bi−Te系の単結晶もしくは多結
晶凝固体を熱電半導体物質として使用したものが知られ
ている。熱電半導体素子はn型素子とp型素子を電気的
に直列に接合して用いられるがBi−Te系素子では特
性調整のためn型伝導素子部にはSeを添加して用いら
れている。
ベック係数をs、電気伝導度をσ,熱伝導度をkとする
と、性能指数Z=s×s×σ/kで表わされ,室温付近
の温度範囲でのZの大きいものほど電子冷却時の消費電
力当りの吸収熱量や放熱側との温度差が大きく取れる。
ルレビュー 134巻−2A(1964)のA44頁以
降にチタン酸ストロンチウムの熱電特性の記述があり,
同じくフィジカルレビュー 157巻−2(1967)
358頁以降にチタン酸バリウムの特性の記述があ
る。
る発想はマテリアルズ サイエンスアンド エンジニア
リング B7巻(1990)の111頁以降に記述があ
る。また特開平1−231383号公報にはゼーベック
起電力の熱センサーへの応用に適した材料としてのチタ
ン酸バリウム系半導体材料が開示されている。
されてきたが電子冷却用としてはBi−Te系をのぞい
て実用にかなう材料は現在のところ報告されていない。
素子は特に添加物として加えられるSeは毒性が大き
く、また主成分のBi−Te系組成自体が高価でありこ
のため素子の使用範囲が制限されていたという問題があ
る。
ため、、n型半導体部に安全性が高く、安価で性能の優
れた半導体物質を用いた電子冷却素子とこれに用いる熱
電半導体磁器組成物を提供することを目的とする。
め、本発明の第1の電子冷却素子は、少なくとも2つの
分離した電極と、前記2つの分離電極上のそれぞれに載
置したn型半導体とp型半導体と、前記n型半導体とp
型半導体とを接合するブリッジ電極とを少なくとも備
え、前記n型半導体からp型半導体方向に電流を流した
時にブリッジ電極内で吸熱を起こす電子冷却素子におい
て、前記n型半導体がストロンチウムとチタンとを含む
複合酸化物を主成分とし、酸素中での高温酸化で重量増
加を示す酸素欠損を有する酸化物半導体であることを特
徴とする。
ストロンチウム、またはストロンチウムとバリウム、カ
ルシウム、カリウム、ナトリウム、リシウム、セシウ
ム、ルビジウム、スカンジウム、イットリウム、ランタ
ニド系元素、よりなる群Aより選ばれた少なくとも一つ
の元素と、チタン、またはチタンとジルコニウム、ハフ
ニウム、スズ、ニオブ、タンタル、タングステン、モリ
ブデン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜
鉛、インジウム、マグンネシウム、アンチモン、よりな
る群Bより選ばれた少なくとも一つの元素を含む複合酸
化物よりなり,かつ素子酸化物半導体が酸素中で完全に
高温酸化した後の重量に対する酸素欠損量を重量%で表
わした値をeとするとき 0.06≦e≦0.55 の
範囲内にある酸素欠損を有する複合酸化物であることが
好ましい。
極と接触する面に電解金属メッキが施されていることが
好ましい。次に本発明の第2の電子冷却素子は、少なく
とも2つの分離した電極と、前記2つの分離電極上のそ
れぞれに載置したn型半導体とp型半導体と、前記n型
半導体とp型半導体とを接合するブリッジ電極とを少な
くとも備え、前記n型半導体からp型半導体方向に電流
を流した時にブリッジ電極内で吸熱を起こす電子冷却素
子において、前記ストロンチウムとチタンからなる複合
酸化物を粒子が互いに焼結し,気孔率が30%以上の多
孔体構造を有する酸化物半導体をn型半導体素子部に用
いたことを特徴とする。
ストロンチウムとチタンからなる複合酸化物を主成分と
し,複合酸化物組成におけるSrに対するTiのモル比
をaとしたとき 1.005≦a≦1.120 の範囲
内にあり、かつ素子酸化物半導体が酸素中で完全に高温
酸化した後の重量に対する酸素欠損量を重量%で表わし
た値をbとするとき0.06≦b≦0.55の範囲内に
ある酸素欠損を有する複合酸化物であることが好まし
い。
部がストロンチウムとバリウムとチタンからなる複合酸
化物を主成分とし、複合酸化物組成におけるSrとBa
の合計モル数に対するSrのモル比をc、SrとBaの
合計モル数に対するチタンのモル比をdとしたとき
0.45≦c<1.00 1.005≦d≦1.120
の範囲にあり、かつ素子酸化物半導体が酸素中で完全に
高温酸化した後の重量に対する酸素欠損量を重量%で表
わした値をeとするとき 0.06≦e≦0.55 の
範囲内にある酸素欠損を有する複合酸化物であることが
好ましい。
極と接触する面に電解金属メッキが施されていることが
好ましい。
ストロンチウムとチタンとを含む複合酸化物を主成分と
し、酸素中での高温酸化で重量増加を示す酸素欠損を有
する酸化物半導体としたことにより、特に問題のおおき
かったn型半導体素子部の毒性が低下し、安価で性能の
優れた熱電半導体素子が得られる。
チウムとチタンからなる複合酸化物を主成分とし、酸素
欠損を有する酸化物半導体をn型半導体部に用いる構成
とし、またこれらの用途に適した熱電半導体磁器組成物
としては特定の組成範囲にある主にストロンチウムとチ
タンからなる複合酸化物で、酸素欠損を有する組成物と
する。これにより、n型素子部にBi−Te系材料を用
いた素子と比較してほぼ遜色の無い冷却特性を有し、か
つSeなどの有害金属を含まず、従来のセラミックプロ
セス技術内で製造できるため製造コストも低減できる。
る。図1は本実施例のペルチェ効果を測定するための装
置である。各半導体素子は表面を研磨し一辺が4mmの
立方体試料に加工し,上端面と下単面に厚さ0.7μm
程度のニッケル電解メッキを施したのち、図1に示すよ
うに素子の間隔を2mm開けて上端面に厚さ0.7mm
のブリッジ金属銅板13を半田付けしてn型素子11と
p型素子12を電気的に接合し、下端面にはそれぞれ2
0mm角の厚さ2mmのベース金属銅板14,15を半
田付けし単一熱電素子対を作った。
5はそれぞれ電気的に絶縁された150mm立方の金属
銅製ブロックにネジで固定し、これらの金属銅製ブロッ
クを介してn型素子は直流電源正極側にp型素子は直流
電源負極側に電気的に接合した。
容器内に収納し内部を1Paに脱気したのち直流を印可
しp型素子とn型素子の接合部のブリッジ金属銅板13
の温度を熱電対により測定した。なお図1において、ペ
ルチェ冷却効果は、ベース電極14からn型半導体11
に電流が流れるときにベース電極14とn型半導体11
の界面で発熱がおこり、n型半導体11からブリッジ金
属銅板13及びブリッジ金属銅板13からp型半導体1
2に電流が流れるときにブリッジ金属銅板13と各半導
体との界面で吸熱が行われる。したがってブリッジ電極
13が冷却部になる。さらにp型半導体12とベース電
極15との間で発熱が行われる。
却素子に関して表1に挙げる組合せを検討した。
iのモル比が1:1、空気中で焼成された焼結体で1辺
が6mm程度の立方体形状を有し相対密度95%程度、
平均粒径が5μm程度の微構造を有しているものを出発
物質として、これを還元処理して作成した。
チタン金属を満たしこの中に焼結体試料を埋めアルゴン
雰囲気の電気炉中で1450℃で16時間処理した。試
料中の酸素欠損量は測定後の試料のセラミック部のみを
100μm程度の粒径に粉砕した物を1500℃酸素中
で加熱しその重量変化を求め、重量増加が止まった加熱
時間の重量変化よりもとめた。
理時間が28時間に達すると重量増加がとまり、完全に
再酸化が終了した。試料番号2,3のn型半導体素子
は、表記の組成物を3%水素混合窒素中で焼成した焼結
体で1辺が6mm程度の立方体形状を有し相対密度95
%程度、平均粒径が2μm程度の微構造を有しているも
のを出発物質として、これをさらに還元処理して作成し
た。
ッシュパス程度のチタン金属粉末を満たしこの中に焼結
体試料を埋めアルゴン雰囲気の電気炉中で1400℃で
8時間処理した。
測定を実施した。各試料とも合計の1500℃酸素中で
の処理時間が12時間に達すると重量増加がとまり、完
全に再酸化が終了した。
成物を空気中で焼成した焼結体で1辺が6mm程度の立
方体形状を有し相対密度95%程度、平均粒径が2μm
程度の微構造を有しているもので,青色に変色し半導体
化状態を呈していた。
測定を実施したが検出できなかった。試料番号5のn型
半導体素子は電子冷却用に従来より用いられてきたBi
2 (Te2.4 Se0.6 )の単結晶試料を用いた。
に従来より用いられてきた表記の組成のBi−Te系の
単結晶を用いた。各半導体素子は表面を研磨し一辺が4
mmの立方体試料に加工し,上端面と下単面に厚さ0.
7μm程度のニッケル電解メッキを施したのち、図1に
示すような装置を用いてペルチェ効果を測定した。
が最も低くなる電流値を求めた。表2に各試料の接合部
金属銅板の温度が最も低下した際の直流電流値と経過時
間、到達温度を示す。
ウムとチタンからなる複合酸化物を主成分とする酸化物
半導体を用いた電子冷却素子で酸素欠損を有するもの
は、n型素子部にBi−Te系材料を用いた素子と比較
してほぼ遜色の無い冷却特性を有し、かつSeなどの有
害金属を含まず、従来のセラミックプロセス技術内で製
造できるため製造コストも低減できるため工業的に有用
である。
導体素子は抵抗率が低くならずジュール発熱が大きくな
るので電子冷却素子としては好ましくない。 実施例2 n型半導体物質の出発原料にSrとTiを含む複合酸化
物を主成分とする組成を用い、p型半導体物質としてB
i2 Te3 を用いた熱電半導体素子について検討した。
0℃で48時間焼成した焼結体で1辺が6mm程度の立
方体形状を有し相対密度94−98%程度、平均粒径が
1.4−5μm程度の微構造を有しているものを出発物
質として、これをさらに還元処理して作成した。
ッシュパス程度のチタン金属粉末を満たしこの中に焼結
体試料を埋めアルゴン雰囲気の電気炉中で1400℃で
8時間処理した。
ル比と,還元処理後の酸素欠損量の,1400℃酸素中
で完全に高温酸化した後の重量に対する重量%を示す。
還元処理後の試料は表面を研磨し一辺が4mmの立方体
に加工した。
結晶凝固体で一辺が4mmの立方体試料を用いたがこの
素子はゼーベック係数が200μV/deg、電気伝導
度が740/Ω・cm、熱伝導度が0.018W/cm
・degで性能指数Zは0.00164/degであっ
た。
は実施例1同様の単一熱電素子対を作成し同一の方法で
np接合部の最低到達温度を測定した。また比較例とし
てn型半導体部に従来より用いられてきたBi2 Te3
の多結晶凝固体試料を用いたものも作成した。
V/deg、電気伝導度が1420/Ω・cm、熱伝導
度が0.021W/cm・degで性能指数0.001
48/degであった。
にそれぞれ電気的に絶縁された150mm立方の金属銅
製ブロックにネジで固定し、これらの金属銅製ブロック
を介してn型素子は直流電源正極側にp型素子は直流電
源負極側に電気的に接合した。
容器内に収納し内部を1Paに脱気したのち直流を印可
しp型素子とn型素子の接合部の金属銅板の温度を熱電
対により測定した。
が最も低くなる電流値を求めた。表4に作成した単一熱
電素子の接合部温度が最も低下したときの電流値、経過
時間と最低到達温度を示す。
ク部の温度は24℃であった。以上の実施例より、n型
半導体素子部がストロンチウム、またはストロンチウム
とバリウム、カルシウム、カリウム、ナトリウム、リシ
ウム、セシウム、ルビジウム、スカンジウム、イットリ
ウム、ランタニド系元素、よりなる群Aより選ばれた少
なくとも一つの元素と、チタン、またはチタンとジルコ
ニウム、ハフニウム、スズ、ニオブ、タンタル、タング
ステン、モリブデン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅、亜鉛、インジウム、マグンネシウム、アンチモ
ン、よりなる群Bより選ばれた少なくとも一つの元素を
含む複合酸化物よりなり、かつ素子酸化物半導体が酸素
中で完全に高温酸化した後の重量に対する酸素欠損量を
重量%で表わした値をeとするとき 0.06≦e≦
0.55 の範囲内にある酸素欠損を有する複合酸化物
である酸化物半導体を用いた電子冷却素子は、n型素子
部にBi−Te系材料を用いた素子と比較してほぼ遜色
の無い冷却特性を有し、かつSeなどの有害金属を含ま
ず、かつ従来のセラミックプロセス技術内で製造できる
ため製造コストも低減でき工業的に有用である。
ムとチタンの複合酸化物を用い熱電半導体素子を作成し
た。
SrCO3 とTiO2 を用い、通常のセラミックプロセ
スにより複合酸化物粉末を作成した。この複合酸化物粉
末は有機バインダを30−70体積%と適量の水を上混
合したのち成形し空気中1200℃で1時間焼成し,有
機バインダを焼却した。
1−65%の多孔体試料となった。この試料は、スポン
ジチタン粒子中に埋め込むように磁器製さやにいれ管状
炉に挿入し、20%水素−アルゴンガスを流しながら1
200℃で4時間還元処理した。
んど変化しなかった。また比較例である試料番号35の
n型半導体素子は試料番号31の原料を用い相対密度が
98%まで緻密に焼結したのち実施例1と同様の方法で
還元したチタン酸ストロンチウム系の酸化物半導体をも
ちいた。
子冷却用に従来より用いられてきたBi2 (Te2.4 S
e0.6 )の単結晶試料を用いた。また各試料のp型半導
体素子は電子冷却用に従来より用いられてきたBi−T
e系の単結晶を用いた。
0mm×2mm、高さが10mmの直方体試料に加工
し,n型素子は一辺が10mmの立方体に加工し,上端
面と下単面に厚さ0.7μm程度のニッケル電解メッキ
を施したのち、図1に示すように素子の間隔を2mm開
けて上端面に厚さ0.7mmの金属銅板を半田付けして
n型とp型素子を電気的に接合し、下端面にはそれぞれ
20mm角の厚さ2mmの金属銅板を半田付けし単一熱
電素子対を作った。
的に絶縁された150mm立方の金属銅製ブロックにネ
ジで固定し、これらの金属銅製ブロックを介してn型素
子は直流電源正極側にp型素子は直流電源負極側に電気
的に接合した。
容器内に収納し内部を1Paに脱気したのち直流を印可
しp型素子とn型素子の接合部の金属銅板の温度を熱電
対により測定した。
が最も低くなる電流値を求めた。表5に各試料の接合部
金属銅板の温度が最も低下した際の直流電流値と経過時
間、到達温度を示す。
チタンからなる複合酸化物よりなり多孔体構造を有する
酸化物半導体をn型半導体素子部に用いた電子冷却素子
は冷却面が,緻密な半導体素子を用いたものより速く且
つ低い温度まで短時間で到達し,その到達温度はBi−
Te系をもちいたものと遜色なく,特に気孔率が30%
以上のものは冷却速度の向上が著しい。
金属を含まず、材料費が安価でかつ従来のセラミックプ
ロセス技術内で製造できるため製造コストも低減でき工
業的に有用である。
のストロンチウムとチタンの複合酸化物を用い熱電半導
体素子を作成した。
SrCO3 とTiO2 を用い、通常のセラミックプロセ
スにより複合酸化物粉末を作成した。この複合酸化物粉
末は有機バインダを30−50体積%と適量の水を上混
合したのち成形し空気中1350℃で1時間焼成し,有
機バインダを焼却した。
0−50%の多孔体試料となった。この試料は、スポン
ジチタン粒子中に埋め込むように磁器製さやにいれ、管
状炉に挿入し、20%水素−アルゴンガスを流しながら
1200℃で4時間還元処理した。
んど変化しなかった。試料中の酸素欠損量は測定後の試
料のセラミック部のみを100μm程度の粒径に粉砕し
た物を1500℃酸素中で加熱しその重量変化を求め、
重量増加が止まった加熱時間の重量変化よりもとめた。
に従来より用いられてきたBi−Te系の単結晶を用い
た。p型半導体素子は表面を研磨し上下面が10mm×
2mm、高さが10mmの直方体試料に加工し,n型素
子は一辺が10mmの立方体に加工し,上端面と下単面
に厚さ0.7μm程度のニッケル電解メッキを施したの
ち、素子の間隔を2mm開けて上端面に厚さ0.7mm
の金属銅板を半田付けしてn型とp型素子を電気的に接
合し、下端面にはそれぞれ20mm角の厚さ2mmの金
属銅板を半田付けし単一熱電素子対を作った。
的に絶縁された150mm立方の金属銅製ブロックにネ
ジで固定し、これらの金属銅製ブロックを介してn型素
子は直流電源正極側にp型素子は直流電源負極側に電気
的に接合した。
容器内に収納し内部を1Paに脱気したのち直流を印可
しp型素子とn型素子の接合部の金属銅板の温度を熱電
対により測定した。
が最も低くなる電流値を求めた。表6に各試料のn型半
導体素子のTiのモル比に対するSrのモル比a,酸素
欠損量bwt%,気孔率v体積%,接合部金属銅板の温
度が最も低下した際の直流電流値と経過時間、到達温度
を示す。
ンからなる複合酸化物よりなり,複合酸化物組成におけ
るSrに対するTiのモル比をaとしたとき 1.00
5≦a≦1.120 の範囲内にあり、かつ素子酸化物
半導体が酸素中で完全に高温酸化した後の重量に対する
酸素欠損量を重量%で表わした値をbとするとき0.0
6≦b≦0.55の範囲内にある酸素欠損を有する複合
酸化物である電子冷却素子は,特に半導体素子が気孔率
30%以上の多孔体よりなる場合,粒子間の電気伝導の
損失が少なくジュール熱による電子冷却効果を害する要
因が小さいため,特に最低到達温度がBi−Te系熱電
体を使用した場合と遜色ない値まで得られ,かつ到達時
間が短い利点がある。
のは,最低温度への到達時間は多孔体構造の利点を生か
して小さくできるが,粒子間の電気伝導の損失および電
気伝導経路に多くの低い特性の半導体物質を有するた
め,電子冷却効果を害するジュール熱の発生が大きくな
り,最低到達温度が下がらない。
のストロンチウムとバリウムとチタンの複合酸化物を用
い熱電半導体素子を作成した。
SrCO3 とBaCO3 ,TiO2 を用い、通常のセラ
ミックプロセスにより複合酸化物粉末を作成した。この
複合酸化物粉末は有機バインダを30−50体積%と適
量の水を上混合したのち成形し空気中1400℃で1時
間焼成し,有機バインダを焼却した。
0−50%の多孔体試料となった。この試料は、スポン
ジチタン粒子中に埋め込むように磁器製さやにいれ、管
状炉に挿入し20%水素−アルゴンガスを流しながら1
250℃で4時間還元処理した。
んど変化しなかった。試料中の酸素欠損量は測定後の試
料のセラミック部のみを100μm程度の粒径に粉砕し
た物を1500℃酸素中で加熱しその重量変化を求め、
重量増加が止まった加熱時間の重量変化よりもとめた。
を試作し評価した。表7に各試料のn型半導体素子のS
rとBaの合計モル数に対するBaのモル数の比c,S
rとBaの合計モル数に対するTiモル比a,酸素欠損
量bwt%,気孔率v体積%,接合部金属銅板の温度が
最も低下した際の直流電流値と経過時間、到達温度を示
す。
トロンチウムとバリウムとチタンからなる複合酸化物を
主成分とし、複合酸化物組成におけるSrとBaの合計
モル数に対するSrのモル比をc、SrとBaの合計モ
ル数に対するチタンのモル比をdとしたとき 0.45
≦c<1.00 1.005≦d≦1.120 の範囲
にあり、かつ素子酸化物半導体が酸素中で完全に高温酸
化した後の重量に対する酸素欠損量を重量%で表わした
値をeとするとき 0.06≦e≦0.55の範囲内に
ある酸素欠損を有する複合酸化物であることを特徴とす
る電子冷却素子は,特に半導体素子が気孔率30%以上
の多孔体よりなる場合,粒子間の電気伝導の損失が少な
くジュール熱による電子冷却効果を害する要因が小さい
ため,特に最低到達温度がBi−Te系熱電体を使用し
た場合と遜色ない値まで得られ,かつ到達時間が短い利
点がある。
のは,最低温度への到達時間は多孔体構造の利点を生か
して小さくできるが,粒子間の電気伝導の損失および電
気伝導経路に多くの低い特性の半導体物質を有するた
め,電子冷却効果を害するジュール熱の発生が大きくな
り,最低到達温度が下がらない。
−Te系材料にほぼ匹敵する特性が得られ、かつ材料と
して毒性が問題なく、従来のセラミックプロセスをもち
いて簡単に製造でき総合的なコストダウンがはかれるな
どの利点を有しており工業的に有用である。
図。
Claims (7)
- 【請求項1】 少なくとも2つの分離した電極と、前記
2つの分離電極上のそれぞれに載置したn型半導体とp
型半導体と、前記n型半導体とp型半導体とを接合する
ブリッジ電極とを少なくとも備え、前記n型半導体から
p型半導体方向に電流を流した時にブリッジ電極内で吸
熱を起こす電子冷却素子において、前記n型半導体がス
トロンチウムとチタンとを含む複合酸化物を主成分と
し、酸素中での高温酸化で重量増加を示す酸素欠損を有
する酸化物半導体であることを特徴とする電子冷却素
子。 - 【請求項2】 n型半導体素子部がストロンチウム、ま
たはストロンチウムとバリウム、カルシウム、カリウ
ム、ナトリウム、リシウム、セシウム、ルビジウム、ス
カンジウム、イットリウム、ランタニド系元素、よりな
る群Aより選ばれた少なくとも一つの元素と、チタン、
またはチタンとジルコニウム、ハフニウム、スズ、ニオ
ブ、タンタル、タングステン、モリブデン、マンガン、
鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、インジウム、マグ
ンネシウム、アンチモン、よりなる群Bより選ばれた少
なくとも一つの元素を含む複合酸化物よりなり,かつ素
子酸化物半導体が酸素中で完全に高温酸化した後の重量
に対する酸素欠損量を重量%で表わした値をeとすると
き 0.06≦e≦0.55 の範囲内にある酸素欠損
を有する複合酸化物である請求項1に記載の電子冷却素
子。 - 【請求項3】 n型半導体の電極と接触する面に電解金
属メッキが施されている請求項1に記載の電子冷却素
子。 - 【請求項4】 少なくとも2つの分離した電極と、前記
2つの分離電極上のそれぞれに載置したn型半導体とp
型半導体と、前記n型半導体とp型半導体とを接合する
ブリッジ電極とを少なくとも備え、前記n型半導体から
p型半導体方向に電流を流した時にブリッジ電極内で吸
熱を起こす電子冷却素子において、前記ストロンチウム
とチタンからなる複合酸化物を粒子が互いに焼結し,気
孔率が30%以上の多孔体構造を有する酸化物半導体を
n型半導体素子部に用いたことを特徴とする電子冷却素
子。 - 【請求項5】 n型半導体素子部がストロンチウムとチ
タンからなる複合酸化物を主成分とし,複合酸化物組成
におけるSrに対するTiのモル比をaとしたとき
1.005≦a≦1.120 の範囲内にあり、かつ素
子酸化物半導体が酸素中で完全に高温酸化した後の重量
に対する酸素欠損量を重量%で表わした値をbとすると
き0.06≦b≦0.55の範囲内にある酸素欠損を有
する複合酸化物である請求項4に記載の電子冷却素子。 - 【請求項6】 n型半導体素子部がストロンチウムとバ
リウムとチタンからなる複合酸化物を主成分とし、複合
酸化物組成におけるSrとBaの合計モル数に対するS
rのモル比をc、SrとBaの合計モル数に対するチタ
ンのモル比をdとしたとき 0.45≦c<1.00
1.005≦d≦1.120 の範囲にあり、かつ素子
酸化物半導体が酸素中で完全に高温酸化した後の重量に
対する酸素欠損量を重量%で表わした値をeとするとき
0.06≦e≦0.55 の範囲内にある酸素欠損を
有する複合酸化物である請求項4に記載の電子冷却素
子。 - 【請求項7】 n型半導体の電極と接触する面に電解金
属メッキが施されている請求項4に記載の電子冷却素
子。
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- 1992-09-14 JP JP4244533A patent/JP2777508B2/ja not_active Expired - Fee Related
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