JPH0519766U - 高圧蒸気加減弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 弁プラグ６が微開の状態にあるときに、弁プ
ラグ６と弁座４との間における蒸気の激しい隙間流れの
ために発生する騒音および弁プラグ６の振動を抑制する
こと。 【構成】 弁プラグ６の蒸気通路下流側に位置するよう
に弁プラグ６と一体に連設部材７を設け、この連設部材
７の外周面にほぼ蒸気流れの方向に沿って溝８を多数条
形成することで弁微開時の消音効果を持たせ、かつ連設
部材７の外周を弁体１の内壁面に摺接させることで弁微
開時の弁プラグ６を制振させるようにしたもの。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は高圧蒸気加減弁、特にその消音および防振に配慮した構造に関し、大 型蒸気加減弁、高圧ガス加減弁、大型ガス加減弁等に適用することができる。

【０００２】

【従来の技術】

図２は、従来の高圧蒸気加減弁の一部を切欠して示した斜視図である。この図 で、１は弁体であり、蒸気入口２と蒸気出口３とを有している。この蒸気入口２ と蒸気出口３との間は蒸気通路となっており、両端に図示しない蒸気管が連結さ れて、高圧蒸気は矢印で示す方向へ流れるものである。

【０００３】 そして、蒸気通路の弁体１の内壁には弁座４が形成されている。また、この蒸 気通路には、弁体１の上部支持部に支持された弁棒５が設けられているとともに 、この弁棒５に取着されて弁プラグ６が上下に移動可能に設けられている。従っ て弁棒５を下降させて、弁プラグ６を弁座４に密接させることにより、蒸気流れ を止めることができる。一方、弁プラグ６が弁座４から離れると、その隙間を通 して高圧蒸気が蒸気通路内を流れることになり、隙間の程度により蒸気の流量が 加減されるものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上述の従来の高圧蒸気加減弁は、弁プラグ６が微開の状態にあると きには、蒸気の激しい隙間流れのために、大きな騒音を発生することになる。ま た、弁プラグ６はその上部支持部から片持はりの状態で支持されているために、 構造的に振動しやすく、大きな振動を発生して各部に損傷を与える原因となると いう問題があった。本考案は、このような問題を解決するためになされたもので ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 この考案は、蒸気通路に設けた弁座と、この弁座に接して前記蒸気通路を閉じ る弁プラグとを有する高圧蒸気加減弁において、外周面にほぼ蒸気流れの方向に 沿って複数の溝が形成されかつ外周が弁体の内壁面に摺接された連設部材を、前 記弁プラグの前記蒸気通路の下流側に弁プラグと一体に備えたものである。

【０００６】

【作 用】

上記の手段によれば、弁の微開時に、連設部材の外周に形成した溝が多孔板の 役目を果たすため、消音効果を発揮するとともに、連設部材が弁体の内壁面すな わち蒸気通路の内壁面に接触しているので、弁プラグの振動を抑制することにな る。

【０００７】

【実施例】

以下本考案に係る高圧蒸気加減弁の一実施例を、図１を参照して詳細に説明す る。なお、図１において図２に示したものと同一の部分には同一の符号を附して 示してあるので、その部分の説明は省略する。

【０００８】 図１に示した本考案に係る高圧蒸気加減弁の一実施例によれば、弁プラグ６の 下流側端部には、外周が弁体１の内壁面すなわち蒸気通路の内壁面と摺接する連 設部材７が連設されており、この連設部材７の外周表面には溝８が多数条形成さ れている。この連設部材７は弁プラグ６と一体に構成されるもので、例えば一体 物を削り出したりあるいは鋳造によって作成される。そして、溝８は弁棒５の軸 方向に沿って真直ぐ形成するか、または若干角度を付けて斜め方向へ向けて形成 されている。また、溝８は半円状、矩形状等適宜の形状で削成したものとするこ とができる。

【０００９】 次に、上記のように構成された本考案の作用を説明する。弁棒５を図１の下方 （蒸気通路の下流側）へ押し込むことにより、弁プラグ６が弁座４に密接する。 従って、ここで蒸気通路内の蒸気の流れは遮断され、蒸気入口２に供給される高 圧蒸気が蒸気出口３に流れ出ることはない。そこで、弁棒５を図の上方へ少し引 上げた微開時には、弁座４と弁プラグ６との間に隙間ができ、ここから高圧蒸気 噴流が蒸気出口３側へ流れ出すことになる。そしてこの蒸気噴流は、連設部材７ の溝８を通して蒸気通路の下流側へ流れていくが、このとき、多数削成された溝 ８が多孔板による消音効果を持ち、これが微開時に発生した高圧蒸気噴流による 騒音を軽減させることになるのである。

【００１０】 また、微開時の連設部材７は、その外周面が弁体１の内壁面すなわち蒸気通路 の内壁面と摺接しているため、弁プラグ６はその自由端である連設部材７の径方 向の動きが制約され、従って微開時における弁プラグ６の振動が抑制されること になる。

【００１１】

【考案の効果】

以上詳述したように本考案によれば、弁の微開時に問題となる高圧蒸気噴流に よる騒音を大幅に低減でき、しかも高圧蒸気噴流に起因する弁プラグの振動をも 大幅に低減することができるので、各部に損傷を与える要因がなくなり、従って 信頼性の高い高圧蒸気加減弁を提供することができ、その実用上の効果は顕著で ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る高圧蒸気加減弁の一実施例を示し
たもので、弁体の一部を切欠いて示した斜視図である。

【図２】従来の高圧蒸気加減弁の一部を切欠して示した
斜視図である。

【符号の説明】

１ 弁体 ４ 弁座 ６ 弁プラグ ７ 連設部材 ８ 溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】蒸気通路に設けた弁座と、この弁座に接し
   て前記蒸気通路を閉じる弁プラグとを有する高圧蒸気加
   減弁において、外周面にほぼ蒸気流れの方向に沿って複
   数の溝が形成されかつ外周が弁体の内壁面に摺接された
   連設部材を、前記弁プラグの前記蒸気通路の下流側に弁
   プラグと一体に備えて成る高圧蒸気加減弁。