JPH05196099A - 内接噛合遊星歯車構造 - Google Patents

内接噛合遊星歯車構造

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JPH05196099A
JPH05196099A JP2625992A JP2625992A JPH05196099A JP H05196099 A JPH05196099 A JP H05196099A JP 2625992 A JP2625992 A JP 2625992A JP 2625992 A JP2625992 A JP 2625992A JP H05196099 A JPH05196099 A JP H05196099A
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hole
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Taku Haga
卓 芳賀
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸受孔等の加工を1回のセッティングで同時
にできるようにして、各孔の相対位置精度を向上させ
る。 【構成】 第1、第2の支持ブロック104、105と
外歯歯車108a 、108b とを適当に並び変えたとき
に、第1、第2の支持ブロックに形成された中心孔の径
D7、D8と前記外歯歯車に形成された中心孔の径D
9、D10とが一方向に向かって小さくなり、又同時
に、第1、第2の支持ブロックに形成された偏心体軸軸
受孔の径D1、D2と外歯歯車に形成された偏心体軸受
孔の径D3、D4とが一方向に向かって小さくなり、更
に同時に、第1、第2の支持ブロックに形成されたキャ
リアピン保持孔151、152の径D5、D6が前記と
同じ方向に向かって小さくなるように、中心孔114、
115、160a 、160b 、偏心体軸軸受孔110a
、110b 、偏心体軸受孔119a 、119b 、キャ
リアピン保持孔151、152の径を設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、減速機、あるいは増速
機、特に小型で高出力が要請される減速機、あるいは増
速機に適用するのに好適な内接噛合遊星歯車構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ケーシングと、該ケーシング内に
先端が挿入された主回転軸と、該主回転軸の軸方向に間
隔をおいて配置され、各々が軸受を介して前記ケーシン
グに回転自在に支持され、且つキャリア体を介して互い
に連結・固定された第1の支持ブロック及び第2の支持
ブロックと、前記主回転軸と同心の円周上に複数配置さ
れ、各々両端が前記第1、第2の支持ブロックに形成さ
れた偏心体軸軸受孔に偏心体軸軸受を介して回転自在に
支持され、且つ前記主回転軸と連動して回転する偏心体
軸と、該複数の各々の偏心体軸の軸方向略中央部に設け
られた偏心体と、前記第1、第2の支持ブロック間に配
置され、自身に形成された偏心体軸受孔が前記各偏心体
に偏心体軸受を介して回転自在に嵌合されることにより
主回転軸に対して偏心回転する外歯歯車と、前記ケーシ
ングに固定され前記外歯歯車が内接噛合する内歯歯車
と、を備えた内接噛合遊星歯車構造が、例えば特開昭6
0−260737号公報、あるいは米国特許31296
11号等により知られている。
【0003】図6及び図7に、この形式の内接噛合遊星
歯車構造の従来例を示す。
【0004】これらの図において、符号1で示すものは
円筒状のケーシングであり、外フランジ2を有してい
る。ケーシング1内の中心部には、図示しないモータに
よって回転駆動される入力軸(主回転軸)3の先端が挿
入されている。
【0005】ケーシング1内には、軸方向に間隔をおい
て第1の支持ブロック4及び第2の支持ブロック5が互
いに対向して配置されている。これら第1、第2の支持
ブロック4、5は、それぞれ軸受6a 、6b を介してケ
ーシング1の内周に回転自在に支持されている。
【0006】図6において右側の第2の支持ブロック5
は、左の第1の支持ブロック4側に突出した複雑な形状
のキャリア体7(図7参照)を有しており、両支持ブロ
ック4、5は、この複雑な形状のキャリア体7を介して
互いにボルト29、ピン30により連結・固定され、全
体でキャリアを構成している。
【0007】又、ケーシング1内には、3本の偏心体軸
8が入力軸3と平行に配設されている。これら偏心体軸
8は、入力軸3と同心の円周上に周方向に等間隔をもっ
て配設されており、各々両端部が偏心体軸軸受9a 、9
b を介して、第1の支持ブロック4及び第2の支持ブロ
ック5の各偏心体軸軸受孔10a 、10b に回転自在に
支持されている。
【0008】各偏心体軸8の第1の支持ブロック4側の
端部は、偏心体軸軸受9a による支持部分よりも外方に
突出しており、その突出した部分には、スプライン12
を介して伝動歯車13が取付けられている。この場合、
伝動歯車13はバックラッシ防止のために2枚重ねにし
て取付けられている。
【0009】第1、第2の支持ブロック4、5の径方向
の中心には、それぞれ中心孔14、15が形成されてお
り、それら中心孔14、15を、前記入力軸3が貫通し
ている。そして、入力軸3の先端に、前記各偏心体軸8
に固定した伝動歯車13と噛合するピニオン16が固定
され、これにより、入力軸3の回転が、ピニオン16及
び伝動歯車13を介して、3本の偏心体軸8に等しく分
配されるようになっている。
【0010】この場合、伝動歯車13の歯数はピニオン
16の歯数よりも多くなっており、各偏心体軸8は、伝
動歯車13とピニオン16の歯数比だけ減速回転され
る。
【0011】各偏心体軸8の軸方向略中央部には、軸方
向に並んで2つの偏心体17a 、17b が設けられてい
る。これら偏心体17a 、17b は、互いに180°位
相がずれている。
【0012】一方、第1、第2の支持ブロック4、5の
間には、ケーシング1の内径よりやや小さい外径の円板
状の2枚の外歯歯車18a 、18b が軸方向に並べて配
置されている。各外歯歯車18a 、18b には、前記偏
心体軸8の貫通する3つの偏心体軸受孔19a 、19b
が設けられており、各偏心体軸受孔19a 、19b に、
前記各偏心体17a 、17b が偏心体軸受20a 、20
b を介して嵌合されている。これにより外歯歯車18a
、18b は、図7に示すように、その中心Ogが入力軸
3の回転中心Of に対して距離eだけ偏心した状態に支
持され、偏心体軸8の1回転毎に、入力軸3の回転中心
Of に対して1回転だけ揺動回転するようになってい
る。
【0013】前記偏心体軸受20a 、20b としては、
ここではニードル軸受が用いられている。そして、この
偏心体軸受20a 、20b の軸方向の位置決めが、偏心
体軸8に設けた止め板21、23、フランジ22によっ
て行われている。
【0014】前記外歯歯車18a 、18b は、円弧又は
トロコイド形の外歯24を有するもので、その外周側に
は、外歯歯車18a 、18b が噛合する内歯歯車25が
配設されている。内歯歯車25は、ケーシング1の内周
に該ケーシング1と一体に形成されており、外ピン26
からなる内歯を有している。なお、外ピン26は、ピン
押さえリング27により抜け落ちないように内側から止
められている。
【0015】外歯歯車18a 、18b の中央部には、図
7に示すように、複雑な曲線状輪郭を持つ挿入口(=嵌
挿孔)28a 、28b が形成されている。そして、これ
ら挿入口28a 、28b を第2の支持ブロック5のキャ
リア体7が貫通し、該キャリア体7の端面が第1の支持
ブロック4の内端面に密着した状態で、前述したように
第1、第2の支持ブロック4、5が、ボルト29及びピ
ン30で互いに連結・固定され、一体のキャリアが構成
されている。
【0016】キャリア体7は、第1、第2の支持ブロッ
ク4、5が受けた回転力を相互に伝達するものであり、
外歯歯車18a 、18b の挿入口28a 、28b は、外
歯歯車18a 、18b が揺動しても該キャリア体7と干
渉しないだけの大きさ、及び形状の開口として形成され
ている。
【0017】次に作用を説明する。
【0018】ここでは、まず、仮にケーシング1が固定
され、第1、第2の支持ブロック4、5で構成したキャ
リアから回転出力を取り出す場合を想定して説明する。
【0019】入力軸3が回転すると、ピニオン16及び
伝動歯車13を介して3つの偏心体軸8が同一方向(入
力軸3とは逆方向)に同一速度で回転する。3つの偏心
体軸8には、それぞれ2つの偏心体17a 、17b が設
けられており、当該偏心体17a 、17b が同方向に同
一速度で偏心回転することにより、2枚の外歯歯車18
a 、18b が入力軸3に対して揺動回転を行う。
【0020】ここではケーシング1が固定、つまり内歯
歯車25が固定されている場合を想定しているから、外
歯歯車18a 、18b は、内歯歯車25によって自由な
自転が拘束された状態で、内歯歯車25に内接しながら
揺動することになる。今、例えば外歯歯車18a 、18
b の歯数をN、内歯歯車25の歯数をN+1とした場
合、その歯数差は1である。従って、偏心体軸8が1回
転する毎に、外歯歯車18a 、18b は内歯歯車25に
対して1歯分だけずれる(自転する)ことになる。
【0021】この「ずれ」、即ち外歯歯車18a 、18
b の自転は、偏心体軸8を介して第1、第2の支持ブロ
ック4、5に伝わる。各支持ブロック4、5に伝わった
回転力は、両支持ブロック4、5がキャリア体7を介し
て一体化されていることで、合力となって出力側の支持
ブロック4又は5から取り出される。なお、両支持ブロ
ック4、5は、偏心体軸8が1回転すると、−1/N回
転に減速される。
【0022】上の説明では、ケーシング1を固定し、第
1、第2の支持ブロック4、5側から出力を取り出す場
合の作用を述べたが、第1、第2の支持ブロック4、5
を固定し、ケーシング1側から出力を取り出すこともで
きる。その場合は、ケーシング1に設けた外フランジ2
に相手部材を連結することになる。これによりケーシン
グ1から、前記支持ブロック4、5とは逆回転で(入力
回転に対して)1/(N+1)回転の減速出力が取り出
される。
【0023】このように、ケーシング1側を固定して第
1、第2の支持ブロック4、5側から減速回転出力を取
り出してもよいし、第1、第2の支持ブロック4、5側
を固定して、ケーシング1側から減速回転出力を取り出
してもよい。減速機として適用する場合には、前記二様
の使用形態が可能である。出力の取り出し方によって区
別する場合、前者をキャリア回転形、後者をケース回転
形と呼ぶ。
【0024】図6に示した従来の構造の場合は、ケース
回転形として使用することを前提として構成されている
ので、伝動歯車13側のケーシング1の開口部にはカバ
ー31が設けられている。
【0025】なお、この形式の内接噛合遊星歯車構造
は、ケース回転形、キャリア回転形とも、入力、出力の
関係を逆転させることにより、増速機として利用するこ
とも可能である。
【0026】次にキャリア回転形として構成された別の
従来例について、図8を用いて簡単に説明する。
【0027】一般に、キャリア回転形の場合は、入力軸
の反対側の支持ブロックに一体的に出力軸を設け、この
出力軸から減速回転出力を取り出すことが多い。ところ
が、この従来例の構造は、第1の支持ブロック4に直接
出力側の相手部材を連結するものとしている。この内接
噛合遊星歯車構造は、両支持ブロック4、5を連結する
キャリア体7を、第2の支持ブロック5ではなく、第1
の支持ブロック4側に設けた点、及びカバー31を取り
外した点以外、図6、図7に示したものとほとんど減速
機構部の構成が同じである。
【0028】特に違う点を上げると、第1の支持ブロッ
ク4の外面にねじ穴32を形成し、これらねじ穴32に
相手部材固定用ボルトをねじ込むことで、相手部材Pを
取り付けるようにした点と、各キャリア体7を独立した
柱状に構成し、これらキャリア体7をそれぞれ外歯歯車
18a 、18b に形成した嵌挿孔28a 、28b に貫通
させて他方の支持ブロック5側に連結した点と、それに
応じて外歯歯車18a、18b の径方向中心に、両支持
ブロック4、5と同様に中心孔60a 、60bを設けた
点である。
【0029】又、上記の二例では、第1の支持ブロック
4と第2の支持ブロック5とを連結するのに、第1の支
持ブロック4あるいは第2の支持ブロック5に一体形成
したキャリア体7を用いているものを示したが、米国特
許3129611号には、その連結用のキャリア体7と
して、キャリアピン(ケージバー)を用いた例が示され
ている。この場合のキャリアピンは、両端が第1、第2
の支持ブロック(円板)に固着されることで両支持ブロ
ックを連結してキャリア(ケージ)を構成している。
【0030】又、一方で、特開昭63−22289号公
報には、特開昭60−260737号公報で開示された
遊星歯車構造をキャリア回転形としたものにおいて、同
時加工により精度向上を図る技術が開示されている。こ
の特開昭63−22289号公報の技術は、本質的には
特開昭60−260737号公報のものと同じ構成であ
るから、簡単のため図6を用いて説明すると、支持ブロ
ック4、5側の偏心体軸軸受孔10a 、10b と、外歯
歯車18a 、18b 側の偏心体軸受孔19a 、19b と
を同時加工できるように、前記軸受孔10a 、10b 、
19a 、19bを同一径にすると共に、各穴の軸心の相
対位置関係(ピッチ円径とピッチ)を一致させておくと
いうものである。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】ところで、設計上の都
合等により、前記の偏心体軸軸受孔と偏心体軸受孔とを
同一径に設定できず、第1、第2の支持ブロックの偏心
体軸軸受孔のいずれよりも、外歯歯車の偏心体軸受孔の
方の径を大きく又は小さくしなければならない場合があ
る。
【0032】例えば、軸受の材質、構造が異なるた
め、強度上同一径とできない場合、ボルト穴等が存在
するためにその付近の強度が他の部分と異なる場合、あ
るいは特定の部材(例えばキャリアピン)を挿入する
必要上、先に挿入される孔は後に挿入される孔より大き
くしなければならない場合等である。
【0033】そのような場合は、組み立て後の部材の並
び方のままで、前記の軸受孔を一方向から同時に加工す
ることはできない。
【0034】このことは、中心孔14、15、60a 、
60b についても同様に言える。
【0035】又、仮に、両支持ブロックと外歯歯車の並
び方(軸方向の位置)を入れ替えて重ね合わせたとき
に、例えば偏心体軸受孔と偏心体軸軸受孔が、一方向に
向かって孔径が変化するような並び方が取れ、更に中心
孔14、15、60a 、60bについても同様の孔径変
化が得られるようにできたとしても、従来はキャリア体
の構造などから、加工時点の位相(ピッチ円径とピッ
チ)を保ったまま組み立てを行うのが困難であるという
のが実情であった。そのため、同時加工による部品精度
の向上を、組立品にうまく反映させることができないと
いう問題があった。
【0036】ここで、中心孔14、15、60a 、60
b のうち、例えば中心孔14、15は出力軸(キャリ
ア)の回転の基準孔となったりする。又、中心孔60a
、60b は、外歯歯車18a 、18b の外歯の加工の
基準孔となったりする。このため、中心孔14、15、
60a 、60b と、偏心体軸軸受孔10a 、10b 、偏
心体軸受孔19a 、19b の相対位置度が高い正しいこ
とは、性能上非常に重要なことである。
【0037】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたものであって、精度の必要な孔を同時加工でき
るようにし、加工精度の飛躍的な向上、及びそれによる
組立品の精度、品質の向上を図ることのできる内接噛合
遊星歯車構造を提供することを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】本発明は、ケーシング
と、該ケーシング内に先端が挿入された主回転軸と、該
主回転軸の軸方向に間隔をおいて配置され、各々が軸受
を介して前記ケーシングに回転自在に支持され、且つキ
ャリア体を介して互いに連結・固定された第1の支持ブ
ロック及び第2の支持ブロックと、前記主回転軸と同心
の円周上に複数配置され、各々両端が前記第1、第2の
支持ブロックに形成された偏心体軸軸受孔に偏心体軸軸
受を介して回転自在に支持され、且つ前記主回転軸と連
動して回転する偏心体軸と、該複数の各々の偏心体軸の
軸方向略中央部に設けられた偏心体と、前記第1、第2
の支持ブロック間に配置され、自身に形成された偏心体
軸受孔が前記各偏心体に偏心体軸受を介して回転自在に
嵌合されることにより主回転軸に対して偏心回転する外
歯歯車と、前記ケーシングに固定され前記外歯歯車が内
接噛合する内歯歯車と、を備え、前記第1、第2の支持
ブロック並びに外歯歯車の径方向の各中心には、それぞ
れ中心孔が形成され、又前記第1、第2の支持ブロック
にそれぞれ形成された偏心体軸軸受孔のいずれよりも、
前記外歯歯車に形成された偏心体軸受孔の方が径が大き
く又は小さく形成された内接噛合遊星歯車構造におい
て、前記キャリア体を、前記第1、第2の支持ブロック
とは別体のキャリアピンで構成し、該キャリアピンを、
前記第1、第2の支持ブロックに形成された各キャリア
ピン保持孔に貫通させることにより、第1、第2の支持
ブロックを連結・固定し、前記偏心体軸軸受孔、偏心体
軸受孔、キャリアピン保持孔、中心孔を全て貫通孔と
し、これら孔のうち、第1、第2の支持ブロックの各偏
心体軸軸受孔と外歯歯車の各偏心体軸受孔は各々同一円
周上に同ピッチで配置すると共に、第1、第2の支持ブ
ロックの各キャリアピン保持孔も各々同一円周上に同ピ
ッチで配置し、前記第1、第2の支持ブロックと前記外
歯歯車とを、その軸方向位置を適当に並び変えたとき
に、前記第1、第2の支持ブロックに形成された中心孔
の径と前記外歯歯車に形成された中心孔の径とが一方向
に向かって小さくなり(同径を含む)、又この並びのま
ま同時に前記第1、第2の支持ブロックに形成された偏
心体軸軸受孔の径と前記外歯歯車に形成された偏心体軸
受孔の径とが前記と同じ方向に向かって小さくなり、更
に同時に、前記第1、第2の支持ブロックに形成された
各キャリアピン保持孔の径が前記と同じ方向に向かって
小さくなる(同径を含む)という関係が成立するよう
に、前記中心孔、偏心体軸軸受孔、偏心体軸受孔、キャ
リアピン保持孔の各径を設定したことにより、前記課題
を解決したものである。
【0039】
【作用】本発明では、第1、第2の支持ブロックと前記
外歯歯車とを、その軸方向位置を適当に並び変えたとき
に、第1、第2の支持ブロックに形成された中心孔の径
と前記外歯歯車に形成された中心孔の径とが一方向に向
かって小さくなり(同径を含む)、又その並びのまま同
時に前記第1、第2の支持ブロックに形成された偏心体
軸軸受孔の径と前記外歯歯車に形成された偏心体軸受孔
の径とが一方向に向かって小さくなり、更にその並びの
まま同時に、前記第1、第2の支持ブロックに形成され
た各キャリアピン保持孔の径が前記と同じ方向に向かっ
て小さくなる(同径を含む)という関係が成立するよう
に、中心孔、偏心体軸軸受孔、偏心体軸受孔、キャリア
ピン保持孔の各径が設定されているので、一度のセッテ
ィングで、第1、第2の支持ブロックの偏心体軸軸受孔
と外歯歯車の偏心体軸受孔とを同時加工し、第1、第2
の支持ブロックの両キャリアピン保持孔を同時加工し、
更に第1、第2の支持ブロックと外歯歯車の各中心孔を
同時加工することができる。
【0040】なお、各孔には例えば座ぐり部がつけられ
たり、面取り処理が為されたりすることがあるが、これ
らの高度な精度の要求されない部分は別途加工が十分可
能なため、こうした付属的な部分の径については、必ず
しも上記順番になることを要求するものではない。
【0041】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図4を参照
しながら説明する。
【0042】図1において、符号101で示すものは円
筒状のケーシングである。このケーシング101は、筒
壁を軸方向に貫通する複数のボルト挿通孔102を有し
ている。ケーシング101内の中心部には、図示しない
モータによって回転駆動される入力軸(主回転軸)10
3の先端が図中右側から挿入されている。
【0043】ケーシング101内には、軸方向に間隔を
おいて厚肉円板状の第1の支持ブロック(図中左側)1
04と第2の支持ブロック(図中右側)105とが互い
に対向して配置されている。第1の支持ブロック104
の外端面(左端面)は相手部材取付面104a とされ、
ケーシング101外に若干突き出ている。これら第1、
第2の支持ブロック104、105は、それぞれ軸受1
06a 、106b を介してケーシング101の内周に回
転自在に支持されている。
【0044】両支持ブロック104、105は、入力軸
103と平行に配した3本のキャリアピン150により
一体に連結・固定され、全体でキャリアを構成してい
る。キャリアピン150は、両支持ブロック104、1
05の外周寄りの位置に配置されており、入力軸101
と同心の円周上に周方向に等間隔で配設されている(図
2、図3参照)。
【0045】第1の支持ブロック104及び第2の支持
ブロック105には、各キャリアピン150を挿通させ
るためのキャリアピン保持孔151、152がそれぞれ
形成されている。第2の支持ブロック105のキャリア
ピン保持孔152は、外端面側に座ぐり部153を有し
ている。そして、第2の支持ブロック105のキャリア
ピン保持孔152側から、頭に鍔部150a を持つキャ
リアピン150が挿入され、該鍔部150a が座ぐり部
153の底面に突き当たることで、キャリアピン150
の第2支持ブロック105に対する軸方向の位置決めが
行われている。
【0046】又、第1の支持ブロック104と第2の支
持ブロック105との間にはパイプ状のキャリアスペー
サ154が配設され、各キャリアピン150の先端は、
それぞれキャリアスペーサ154を貫通して第1の支持
ブロック104の各キャリアピン保持孔151に挿入さ
れている。各キャリアスペーサ154は、キャリアピン
150の軸方向中間部外周に遊嵌されており、両端面が
第1の支持ブロック104と第2の支持ブロック105
とに密着することで、両支持ブロック104、105の
間隔を一定に保っている。
【0047】キャリアピン150の先端面は、第1の支
持ブロック104の相手部材取付面104a に露出して
いる。この露出した先端面の中心には、相手部材固定用
ボルト155をねじ込むためのねじ穴156が形成され
ており、相手部材Pのボルト挿通孔に通したボルト15
5を、このねじ穴156にねじ込んで相手部材Pとキャ
リアピン150とを結合することにより、同時に第1の
支持ブロック104と第2の支持ブロック105とが、
キャリアスペーサ154を介して、所定の間隔で連結・
固定されるようになっている。
【0048】又、ケーシング101内には、3本の偏心
体軸108が入力軸103と平行に配設されている。こ
れら偏心体軸108は、入力軸3と同心の円周上に周方
向に等間隔で配設されており、図2、図3に示すよう
に、前記各キャリアピン150の中間に位置している。
そして、各々の偏心体軸108の両端部が、偏心体軸軸
受109a 、109b を介して第1の支持ブロック10
4及び第2の支持ブロック105の各偏心体軸軸受孔1
10a 、110b にそれぞれ回転自在に支持されてい
る。
【0049】各偏心体軸108の第1の支持ブロック1
04側には、前記偏心体軸軸受109a で支持されてい
る部分より軸方向中間部寄りに、スプライン112を介
して伝動歯車113が取付けられている。
【0050】第1の支持ブロック104、第2の支持ブ
ロック105の径方向の中心には、それぞれ中心孔11
4、115が形成されており、それら中心孔114、1
15に前記入力軸103が第2支持ブロック105側か
ら挿入されている。
【0051】入力軸103の先端は、第1支持ブロック
104の中心孔114内にわずかに入った位置にあり、
その入力軸103の先端に、前記各偏心体軸108に固
定した伝動歯車113と噛合するピニオン116が固定
され、これにより、入力軸103の回転がピニオン11
6及び伝動歯車113を介して3本の偏心体軸108に
等しく分配されるようになっている。この場合、伝動歯
車113の歯数はピニオン116の歯数よりも多くなっ
ており、各偏心体軸108は、伝動歯車113とピニオ
ン116の歯数比だけ減速回転される。
【0052】各偏心体軸108の軸方向中央部には、軸
方向に並んで2つの偏心体117a、117b が設けら
れている。これら偏心体117a 、117b は、互いに
180°位相がずれている。
【0053】一方、第1、第2の支持ブロック104、
105の間には、ケーシング101の内径よりやや小さ
い外径の円板状の2枚の外歯歯車118a 、118b が
軸方向に並べて配置されている。各外歯歯車118a 、
118b には、前記偏心体軸108が貫通する3つの偏
心体軸受孔119a 、119b が設けられており、各偏
心体軸受孔119a 、119b に、前記各偏心体117
a 、117b が偏心体軸受120a 、120b を介して
嵌合されている。これにより、外歯歯車118a 、11
8b は、図3に示すように、その中心Og が入力軸10
3の回転中心Of に対して距離eだけ偏心した状態に支
持され、偏心体軸108の1回転毎に、入力軸103の
中心Of に対して1回転だけ揺動回転するようになって
いる。
【0054】このように、外歯歯車118a 、118b
が配置されることにより、両支持ブロック104、10
5間には、第1支持ブロック104側から第2の支持ブ
ロック105側に向かって順に、伝動歯車113、外歯
歯車118a 、外歯歯車118b が互いに隣接して並ん
でいる。
【0055】偏心体軸108を支持する図1中の左側の
偏心体軸軸受109a と伝動歯車113は、左側の偏心
体117a の端面と、第1の支持ブロック104の偏心
体軸軸受孔110a 内周に係合した止め輪160とで挟
まれており、それにより偏心体軸108上で位置決めさ
れている。
【0056】又、前記偏心体軸受120a 、120b と
しては、ここではニードル軸受が用いられている。そし
て、この偏心体軸受120a 、120b の軸方向の位置
決めが次のように行われている。
【0057】即ち、第1の支持ブロック104寄りの左
側の偏心体軸受120a は、図1において左端側が前記
伝動歯車113の側面で直接位置決めされ、右端側が両
偏心体117a 、117b 間に設けたフランジ122に
より位置決めされている。又、第2の支持ブロック10
5寄りの偏心体軸受120b は、左端側が両偏心体11
7a 、117b 間に設けた前記フランジ122により位
置決めされ、右端側が止め板123により位置決めされ
ている。
【0058】止め板123は、偏心体軸108を支持す
る右側の偏心体軸軸受109a により押さえられ、偏心
体軸軸受109a は、第2の支持ブロック105の偏心
体軸軸受孔110a 内周に係合した止め輪161により
押さえられている。
【0059】前記外歯歯車118a 、118b は、円弧
又はトロコイド形の外歯124を有しており、この外歯
歯車118a 、118b の外周側には、外歯歯車118
a 、118b が噛合する内歯歯車125が配設されてい
る。内歯歯車125はケーシング101の内周に、ケー
シング101と一体に形成されており、外ピン126か
らなる内歯を有している。なお、外ピン126は、ピン
押さえリング127により抜け落ちないように内側から
止められている。
【0060】外歯歯車118a 、118b には、その中
心に、入力軸103の貫通する中心孔160a 、160
b が形成され、又、キャリアピン150に対応する位置
に、嵌挿孔128a 、128b が形成されている。そし
て、この嵌挿孔128a 、128b をキャリアピン15
0及びキャリアスペーサ154が貫通している。
【0061】キャリアピン150は、第2の支持ブロッ
ク105が受けた回転力を、第1の支持ブロック104
に伝達するものであり、外歯歯車118a 、118b の
嵌挿孔128a 、128b は、外歯歯車118a 、11
8b が揺動してもキャリアピン150及びキャリアスペ
ーサ154と干渉しないだけの大きさの円孔として形成
されている。
【0062】又、キャリアピン150の先端面のねじ穴
156の他に、第1の支持ブロック104の相手部材取
付面104a には、図2に示すように相手部材固定用ね
じ穴157が複数形成され、これら多数のねじ穴15
6、157に固定用ボルト155をねじ込むことによ
り,相手部材Pを強固に連結・固定することができるよ
うになっている。
【0063】次に、このように構成され内接噛合遊星歯
車構造の動きについて説明する。
【0064】外歯歯車118a 、118b が入力軸10
3の回転とともに揺動回転し、内歯歯車125の内歯に
相当する外ピン126と外歯歯車118a 、118b と
の噛合によって入力軸103の回転が外歯歯車118a
、118b の減速された回転(自転)となるのは、従
来の公知例と全く同様である。
【0065】この外歯歯車118a 、118b の回転は
3本の偏心体軸108を介して第1、第2の支持ブロッ
ク104、105に伝達される。第2の支持ブロック1
05に伝達された回転力は、キャリアピン150を介し
て、第1の支持ブロック104に伝達される。そして、
その回転力が第1の支持ブロック104から、同ブロッ
ク104に連結された相手部材Pに伝達される。
【0066】次に、精度の向上のために取られている構
成について説明する。
【0067】前述した構成のうち、特に第1、第2の支
持ブロック104、105に形成された偏心体軸軸受孔
110a 、110b と、外歯歯車118a 、118b に
形成された偏心体軸受孔119a 、119b は、それら
の相対位置関係を含む加工精度を極めて高く保つこと
が、組立て品の精度、性能、品質を向上させる上で重要
である。
【0068】又、キャリアピン保持孔151、152に
ついても、同様のことが言える。更に、各中心孔11
4、115、160a 、160b は、基準孔となるもの
であるため、前記同様に、他の孔との相対位置関係を精
度良く保つことが重要である。なお、キャリアピン嵌挿
孔128a 、128b については、前述したように高い
精度は不要である。座ぐり部153についても同様であ
る。従って、別途加工しても特に問題はなく、「本発明
に係る径の関係」の規制対象外である。
【0069】本実施例の構造では、前述した高い精度の
必要な孔を、次のように構成している。
【0070】即ち、まず、第1、第2の支持ブロック1
04、105に形成された偏心体軸軸受孔110a 、1
10b と、外歯歯車118a 、118b に形成された偏
心体軸受孔119a 、119b と、キャリアピン保持孔
151、152と、中心孔114、115、160a 、
160b とを全て同時加工が可能なように貫通孔として
いる。
【0071】次に、これら孔のうち、両支持ブロック1
04、105の各偏心体軸軸受孔110a 、110b
と、外歯歯車118a 、118b の偏心体軸受孔119
a 、119b とを、同一円周上に同ピッチで配置してい
る。又、第1、第2の支持ブロック104、105の各
キャリアピン保持孔151、152を同一円周上に同ピ
ッチで配置している。
【0072】そして、更に、第1、第2の支持ブロック
104、105にそれぞれ形成された偏心体軸軸受孔1
10a 、110b の径をD1、D2とし、外歯歯車11
8a、118b に形成された偏心体軸受孔119a 、1
19b の径をD3、D4とした場合、 D1=D2>D3=D4 ………(1) の関係を成立させている。つまり、支持ブロック10
4、105側の偏心体軸軸受孔110a 、110b のい
ずれよりも、外歯歯車118a 、118b 側の偏心体軸
受孔119a 、119b の方を径小に設定している。
【0073】又、キャリア体として、第1、第2の支持
ブロック104、105とは別体のキャリアピン150
を用い、該キャリアピン150を、第1、第2の支持ブ
ロック104、105に形成された各キャリアピン保持
孔151、152に第2の支持ブロック105側から貫
通させることにより、第1、第2の支持ブロック10
4、105を連結・固定している。つまり、このタイプ
では、第1の支持ブロック104のキャリアピン保持孔
151の径D5と、第2の支持ブロック105のキャリ
アピン保持孔152の径D6とを、 D5<D6 ………(2) の関係に設定している。これは、キャリアピン150を
一方側から挿入する際、挿入を容易に行うことができる
ようにするためである。
【0074】更に、第1、第2の支持ブロック104、
105の各中心孔114、115の径D7、D8と、外
歯歯車118a 、118b の各中心孔160a 、160
b の径D9、D10の関係は、 D7=D8>D9=D10 ………(3) に設定している。
【0075】以上の(1)、(2)、(3)式が同時に
成立するように、各孔の径を定めたことにより、図4に
示すように、図中左側から第2の支持ブロック105、
第1の支持ブロック104、外歯歯車118a 、外歯歯
車118b の順に重ね合わせてセッティングした場合、
各孔の径が(一部同一径を含んで)図中右に行くほど小
さくなる。即ち、支持ブロック104、105側の偏心
体軸軸受孔110a 、110b の径と、外歯歯車118
a 、118b 側の偏心体軸受孔119a 、119b の径
とが、右に向かって小さくなり、且つ、この並びのまま
同時に、支持ブロック104、105側の中心孔11
4、115の径と、外歯歯車118a 、118b 側の中
心孔160a 、160b の径とが、右に向かって小さく
なるという関係が成立し、この並びのまま更に同時に、
キャリアピン保持孔151、152の径も、右に向かっ
て小さくなるという関係も成立するようになる。
【0076】従って、図中左側から工具を挿入すること
で(加工方向をXとすることにより)、第2の支持ブロ
ック105の偏心体軸軸受孔110b と、第1の支持ブ
ロック104の偏心体軸軸受孔110a と、外歯歯車1
18a の偏心体軸受孔119a と、外歯歯車118b の
偏心体軸受孔119b と、を同時加工することができ
る。又、全く同じセッティングのままで(同一のチャッ
キングのままで)、第2の支持ブロック105の中心孔
115と、第1の支持ブロック104の中心孔114
と、外歯歯車118a の中心孔160a と、外歯歯車1
18b の偏心体軸受孔160b と、を同時加工すること
ができる。更に、同じセッティングのままで、第2の支
持ブロック105のキャリアピン保持孔152と、第1
の支持ブロック104のキャリアピン保持孔151とを
も、同時加工することができるようになる。
【0077】従って、これら1回のセッティングで加工
した孔の相対位置精度が著しく高まる。
【0078】なお、前記実施例の場合は、支持ブロック
側の軸受孔110a 、110b の方が外歯歯車側の軸受
孔119a 、119b よりも大きく、又、支持ブロック
側の中心孔114、115の方が外歯歯車側の中心孔1
60a 、160b よりも大きくい場合を示したが、逆の
場合にも同時加工が可能である。その場合は、 D1=D2>D3=D4 ………(4) D7=D8>D9=D10 ………(5) D5<D6 ………(6) の関係が同時に成立しているから、図5に示すように図
中左側から外歯歯車118a 、118b 、第2の支持ブ
ロック105、第1の支持ブロック104の順に重ね合
わせてセッティングする。そうすることにより、各軸受
孔の径が右に向かうほど小さくなり、又、各中心孔の径
が右に向かうほど小さくなり、更にキャリアピン保持孔
152、151の径も右に向かうほど小さくなる。した
がって、前記と同様に図中左側から工具を挿入すること
で、各孔を同時加工することができる。
【0079】なお、上記実施例ではキャリアピン150
を第2の支持ブロック105側から挿入するために鍔付
きの構造とし、且つ第1の支持ブロック104と第2の
支持ブロック105との間隔を別体のキャリアスペーサ
154にて確定するようにしていたが、これを図9に示
すように構成することも可能である。
【0080】図9において、キャリアピン170は、張
出部171を有し、この張出部171が前記実施例のキ
ャリアスペーサ154の機能を果している。このキャリ
アピン170は、中間体172及びボルト173によっ
て前記実施例の「鍔」の機能(図中左方向の移動を阻止
する機能)が果されるような構成とされている。
【0081】その他の構成については上記実施例と全く
同様であり、全く同様な作用効果が得られるため図中で
同一符号を付すにとどめ重複説明を省略する。
【0082】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、第
1、第2の支持ブロックと外歯歯車とを1回セッティン
グするだけで、高い精度の要求される偏心体軸軸受孔と
偏心体軸受孔を同時加工し、又中心孔を同時加工し、更
にキャリアピン保持孔をも同時加工することができる。
【0083】よって、偏心体軸軸受孔と偏心体軸受孔と
キャリアピン保持孔と中心孔の相対位置精度を著しく高
くすることができ、従来と同じ加工機械を用いたとして
も加工による相対位置の誤差の影響を極めて小さく抑え
ることができ、組付後の精度を飛躍的に高めることがで
きる。
【0084】又、軸受孔の加工と同セッティングのま
ま、キャリアピン保持孔を同時加工することができるの
で、キャリアピンを保持孔に挿入して両支持ブロックを
固定することにより、両支持ブロック同士の正確な位置
決めがなされ、それにより軸受孔の位置決め精度が向上
する。よって、別途の位置決め手段を設けることなく、
キャリアを分解して再組立する際の位置決めの再現性を
向上させることもできる。
【0085】又、両支持ブロックと別体のキャリアピン
で両支持ブロックを固定するので、両支持ブロックの重
ね加工の際に、両支持ブロックと外歯歯車とを密着させ
た状態で重ね加工することができる。そのため、面に対
する穴の直角度が高まり、軸振れ方向の精度が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例の内接噛合遊星歯車
構造の側断面図である。
【図2】図2は、図1のII−II線矢視図である。
【図3】図3は、図1のIII −III 線に沿う断面図であ
る。
【図4】図4は、本発明の一実施例の歯車構造の部品
(第1、第2の支持ブロックと外歯歯車)の孔加工をす
る際の説明図である。
【図5】図5は、本発明の他の実施例の歯車構造の部品
(第1、第2の支持ブロックと外歯歯車)の孔加工をす
る際の説明図である。
【図6】図6は、従来の内接噛合遊星歯車構造の一例を
示す側断面図である。
【図7】図7は、図6のVII −VII 線に沿う断面図であ
る。
【図8】図8は、従来の内接噛合遊星歯車構造の他の例
を示す側断面図である。
【図9】図9は、本発明の実施例に関し、キャリアピン
付近の構成を変更した例を示す図1相当の断面図であ
る。
【符号の説明】 1、101…ケーシング、 3、103…入力軸(主回転軸)、 4、104…第1の支持ブロック、 5、105…第2の支持ブロック、 6a 、6b 、106a 、106b …軸受、 8、108…偏心体軸、 9a 、9b 、109a 、109b …偏心体軸軸受、 10a 、10b 、110a 、110b …偏心体軸軸受
孔、 13、113…伝動歯車、 14、15、60a 、60b …中心孔、 17a 、17b 、117a 、117b …偏心体、 18a 、18b 、118a 、118b …外歯歯車、 19a 、19b 、119a 、119b …偏心体軸受孔、 20a 、20b 、120a 、120b …偏心体軸受、 24、124…外歯、 25、125…内歯歯車、 114、115、160a 、160b …中心孔、 150…キャリアピン、 151、152…キャリアピン保持孔、 154…キャリアスペーサ、 155…ボルト、 156…ねじ穴、 P…相手部材。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーシングと、該ケーシング内に先端が挿
    入された主回転軸と、該主回転軸の軸方向に間隔をおい
    て配置され、各々が軸受を介して前記ケーシングに回転
    自在に支持され、且つキャリア体を介して互いに連結・
    固定された第1の支持ブロック及び第2の支持ブロック
    と、前記主回転軸と同心の円周上に複数配置され、各々
    両端が前記第1、第2の支持ブロックに形成された偏心
    体軸軸受孔に偏心体軸軸受を介して回転自在に支持さ
    れ、且つ前記主回転軸と連動して回転する偏心体軸と、
    該複数の各々の偏心体軸の軸方向略中央部に設けられた
    偏心体と、前記第1、第2の支持ブロック間に配置さ
    れ、自身に形成された偏心体軸受孔が前記各偏心体に偏
    心体軸受を介して回転自在に嵌合されることにより主回
    転軸に対して偏心回転する外歯歯車と、前記ケーシング
    に固定され前記外歯歯車が内接噛合する内歯歯車と、を
    備え、前記第1、第2の支持ブロック並びに外歯歯車の
    径方向の各中心には、それぞれ中心孔が形成され、又前
    記第1、第2の支持ブロックにそれぞれ形成された偏心
    体軸軸受孔のいずれよりも、前記外歯歯車に形成された
    偏心体軸受孔の方が径が大きく又は小さく形成された内
    接噛合遊星歯車構造において、 前記キャリア体を、前記第1、第2の支持ブロックとは
    別体のキャリアピンで構成し、該キャリアピンを、前記
    第1、第2の支持ブロックに形成された各キャリアピン
    保持孔に貫通させることにより、第1、第2の支持ブロ
    ックを連結・固定し、 前記偏心体軸軸受孔、偏心体軸受孔、キャリアピン保持
    孔、中心孔を全て貫通孔とし、 これら孔のうち、第1、第2の支持ブロックの各偏心体
    軸軸受孔と外歯歯車の各偏心体軸受孔は各々同一円周上
    に同ピッチで配置すると共に、第1、第2の支持ブロッ
    クの各キャリアピン保持孔も各々同一円周上に同ピッチ
    で配置し、 前記第1、第2の支持ブロックと前記外歯歯車とを、そ
    の軸方向位置を適当に並び変えたときに、前記第1、第
    2の支持ブロックに形成された中心孔の径と前記外歯歯
    車に形成された中心孔の径とが一方向に向かって小さく
    なり(同径を含む)、又この並びのまま同時に前記第
    1、第2の支持ブロックに形成された偏心体軸軸受孔の
    径と前記外歯歯車に形成された偏心体軸受孔の径とが前
    記と同じ方向に向かって小さくなり、更に同じくこの並
    びのまま同時に、前記第1、第2の支持ブロックに形成
    された各キャリアピン保持孔の径が前記と同じ方向に向
    かって小さくなる(同径を含む)という関係が成立する
    ように、前記中心孔、偏心体軸軸受孔、偏心体軸受孔、
    キャリアピン保持孔の各径を設定したことを特徴とする
    内接噛合遊星歯車構造。
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