JPH05194295A - ビスフェノール類の精製方法 - Google Patents
ビスフェノール類の精製方法Info
- Publication number
- JPH05194295A JPH05194295A JP2481792A JP2481792A JPH05194295A JP H05194295 A JPH05194295 A JP H05194295A JP 2481792 A JP2481792 A JP 2481792A JP 2481792 A JP2481792 A JP 2481792A JP H05194295 A JPH05194295 A JP H05194295A
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- Japan
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- bisphenols
- purification
- bisphenol
- purified
- mixed solvent
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Abstract
(57)【要約】
【目的】高純度で、且つ着色の少ないビスフェノ−ル類
を歩留りよく得ること。 【構成】 ビスフェノ−ル類を精製するにあたり、アル
コ−ル類と、ナフテン系炭化水素又はパラフィン系炭化
水素との混合溶媒を用いて晶析させることを特徴とする
ビスフェノ−ル類の精製方法。
を歩留りよく得ること。 【構成】 ビスフェノ−ル類を精製するにあたり、アル
コ−ル類と、ナフテン系炭化水素又はパラフィン系炭化
水素との混合溶媒を用いて晶析させることを特徴とする
ビスフェノ−ル類の精製方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビスフェノ−ルA等の
ビスフェノ−ル類の精製方法に関する。
ビスフェノ−ル類の精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノ−ルA等のビスフェノ−ル類
は、フェノ−ル類とケトンを酸性触媒の存在下に反応さ
せて得られるが、このようにして得られるビスフェノ−
ル類には、異性体やその他の不純物が含まれている。ビ
スフェノ−ル類はポリカ−ボネ−ト等のポリマ−原料と
して使用されることが多いため、高純度であるばかりで
なく、着色がないことが要求される。ビスフェノ−ル類
の精製方法として、アルコ−ル類と芳香族炭化水素より
なる混合溶媒を用いて再結晶する方法(特開昭62−1
78534号公報)や、水溶性アルコ−ル又はフェノ−
ル系溶剤を用いて晶析する方法(特開昭53−1013
47号)などが知られている。しかしながら、本発明者
らの研究によれば、いずれも純度を十分高くしようとす
ると歩留りが低下し、効果的な精製は困難であった。
は、フェノ−ル類とケトンを酸性触媒の存在下に反応さ
せて得られるが、このようにして得られるビスフェノ−
ル類には、異性体やその他の不純物が含まれている。ビ
スフェノ−ル類はポリカ−ボネ−ト等のポリマ−原料と
して使用されることが多いため、高純度であるばかりで
なく、着色がないことが要求される。ビスフェノ−ル類
の精製方法として、アルコ−ル類と芳香族炭化水素より
なる混合溶媒を用いて再結晶する方法(特開昭62−1
78534号公報)や、水溶性アルコ−ル又はフェノ−
ル系溶剤を用いて晶析する方法(特開昭53−1013
47号)などが知られている。しかしながら、本発明者
らの研究によれば、いずれも純度を十分高くしようとす
ると歩留りが低下し、効果的な精製は困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ビスフェノ
−ル類を高い純度とすることができ、しかも精製ビスフ
ェノ−ル類の歩留りも高い精製方法を提供することを目
的とする。
−ル類を高い純度とすることができ、しかも精製ビスフ
ェノ−ル類の歩留りも高い精製方法を提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルコ−ル類
と、ナフテン系炭化水素又はパラフィン系炭化水素との
混合溶媒を用いて晶析させることによりビスフェノ−ル
類を精製する方法である。
と、ナフテン系炭化水素又はパラフィン系炭化水素との
混合溶媒を用いて晶析させることによりビスフェノ−ル
類を精製する方法である。
【0005】本発明の方法で精製するビスフェノ−ル類
は、P−R−P(Pは置換基を有してもよいヒドロキシ
フェニル基、Rはアルキレン基、ハロゲン置換アルキレ
ン基、S、SO、CO、O又は直結合を示す)で表され
るものであるが、好ましくはフェノ−ル類とケトン又は
ホルムアルデヒドとの反応で得られたビスフェノ−ル
A、ビスフェノ−ルF等である。ビスフェノ−ル類は、
通常、蒸留精製されたのち、製品とされるが、本発明で
精製されるものは、蒸留等により精製されたものであっ
てもよいし、その後空気等に触れて着色したものであっ
てもよい。
は、P−R−P(Pは置換基を有してもよいヒドロキシ
フェニル基、Rはアルキレン基、ハロゲン置換アルキレ
ン基、S、SO、CO、O又は直結合を示す)で表され
るものであるが、好ましくはフェノ−ル類とケトン又は
ホルムアルデヒドとの反応で得られたビスフェノ−ル
A、ビスフェノ−ルF等である。ビスフェノ−ル類は、
通常、蒸留精製されたのち、製品とされるが、本発明で
精製されるものは、蒸留等により精製されたものであっ
てもよいし、その後空気等に触れて着色したものであっ
てもよい。
【0006】精製は、アルコ−ル類と、ナフテン系炭化
水素又はパラフィン系炭化水素との混合溶媒を用いる晶
析法により行う。アルコ−ル類としてはメタノ−ル、エ
タノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル等が挙げられる
が、好ましくはイソプロパノ−ルである。ナフテン系炭
化水素としてはシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン
等が挙げられるが、好ましくはシクロヘキサンである。
パラフィン系炭化水素としてはペンタン、ヘキサン、オ
クタン等が挙げられる。この配合割合はアルコ−ル類1
重量部に対し、ナフテン系炭化水素又はパラフィン系炭
化水素0.5〜2.5重量部の範囲である。
水素又はパラフィン系炭化水素との混合溶媒を用いる晶
析法により行う。アルコ−ル類としてはメタノ−ル、エ
タノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル等が挙げられる
が、好ましくはイソプロパノ−ルである。ナフテン系炭
化水素としてはシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン
等が挙げられるが、好ましくはシクロヘキサンである。
パラフィン系炭化水素としてはペンタン、ヘキサン、オ
クタン等が挙げられる。この配合割合はアルコ−ル類1
重量部に対し、ナフテン系炭化水素又はパラフィン系炭
化水素0.5〜2.5重量部の範囲である。
【0007】晶析は通常の再結晶であることもできる
し、結晶の一部、好ましくは大部分を溶解させ、その後
冷却等により結晶を析出させる方法であることもでき
る。結晶の全部を一旦溶解させる方法では、混合溶媒の
沸点以下の温度でこれが溶解するに足りる量の溶媒を使
用し、次いで冷却して結晶を析出させる。一部のみを一
旦溶解させる方法では、攪拌しつつ沸点近くまで加温
し、ついで冷却して結晶を析出させる。後者の方法で
は、混合溶媒の使用量は少なくてすむという利点がある
が、精製効果は多少劣るので、場合によっては更に晶析
等の精製操作を繰り返す必要があるときがある。混合溶
媒は、歩留り低下を防止するため、必要以上に使用しな
いようにする。更に、晶析又は晶析及びこれに引き続く
乾燥は、空気中でも行うことができるが、チッ素雰囲気
中等非酸化性雰囲気で行えば、精製効果はより向上す
る。また、晶析は必要により2回以上繰り返すことも可
能であるし、その後、洗浄等を行うこともできる。これ
を乾燥して精製ビスフェノ−ル類とする。
し、結晶の一部、好ましくは大部分を溶解させ、その後
冷却等により結晶を析出させる方法であることもでき
る。結晶の全部を一旦溶解させる方法では、混合溶媒の
沸点以下の温度でこれが溶解するに足りる量の溶媒を使
用し、次いで冷却して結晶を析出させる。一部のみを一
旦溶解させる方法では、攪拌しつつ沸点近くまで加温
し、ついで冷却して結晶を析出させる。後者の方法で
は、混合溶媒の使用量は少なくてすむという利点がある
が、精製効果は多少劣るので、場合によっては更に晶析
等の精製操作を繰り返す必要があるときがある。混合溶
媒は、歩留り低下を防止するため、必要以上に使用しな
いようにする。更に、晶析又は晶析及びこれに引き続く
乾燥は、空気中でも行うことができるが、チッ素雰囲気
中等非酸化性雰囲気で行えば、精製効果はより向上す
る。また、晶析は必要により2回以上繰り返すことも可
能であるし、その後、洗浄等を行うこともできる。これ
を乾燥して精製ビスフェノ−ル類とする。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。なお、部は重
量部、%は重量%を表す。 実施例1 市販のビスフェノ−ルAを180℃で10時間空気と強
制接触させて着色させたビスフェノ−ルA(APHA#
55、不純物含有量2094ppm)について、表1に
示す溶媒を用いて、攪拌しながら100℃又は還流条件
で可及的に全量溶解させたのち、30℃に冷却して析出
した結晶を濾過し、結晶を50Torr,100℃,4
hr乾燥して、精製ビスフェノ−ルAとした。なお、こ
の晶析は空気に接する開放系及び窒素雰囲気中で行っ
た。結果を表1に示す。表1において、溶媒比は溶媒/
ビスフェノ−ルA(重量比)、歩留りは精製ビスフェノ
−ルA/原料ビスフェノ−ルA(重量比)、APHAは
精製ビスフェノ−ルAの50%メタノ−ル溶液のハ−ゼ
ン色数(#)、不純物含有量は精製ビスフェノ−ルAの
値であり、wt−ppmを表す。
量部、%は重量%を表す。 実施例1 市販のビスフェノ−ルAを180℃で10時間空気と強
制接触させて着色させたビスフェノ−ルA(APHA#
55、不純物含有量2094ppm)について、表1に
示す溶媒を用いて、攪拌しながら100℃又は還流条件
で可及的に全量溶解させたのち、30℃に冷却して析出
した結晶を濾過し、結晶を50Torr,100℃,4
hr乾燥して、精製ビスフェノ−ルAとした。なお、こ
の晶析は空気に接する開放系及び窒素雰囲気中で行っ
た。結果を表1に示す。表1において、溶媒比は溶媒/
ビスフェノ−ルA(重量比)、歩留りは精製ビスフェノ
−ルA/原料ビスフェノ−ルA(重量比)、APHAは
精製ビスフェノ−ルAの50%メタノ−ル溶液のハ−ゼ
ン色数(#)、不純物含有量は精製ビスフェノ−ルAの
値であり、wt−ppmを表す。
【0009】
【表1】
【0010】注)IPAはイソプロパノ−ルを、CHは
シクロヘキサンを、HXはn−ヘキサンを、HPは、n
−ヘプタンを表し、50/50は混合割合(wt比)を
表す。雰囲気は、実験No1〜7は空気であり、No8
は窒素である。実験No1〜2は、比較のための実験で
ある。
シクロヘキサンを、HXはn−ヘキサンを、HPは、n
−ヘプタンを表し、50/50は混合割合(wt比)を
表す。雰囲気は、実験No1〜7は空気であり、No8
は窒素である。実験No1〜2は、比較のための実験で
ある。
【0011】
【発明の効果】本発明の精製方法によれば、高純度で、
且つ着色の少ないビスフェノ−ル類を歩留りよく得るこ
とができる。
且つ着色の少ないビスフェノ−ル類を歩留りよく得るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 自見 和芳 福岡県北九州市小倉北区中井4−10−3
Claims (1)
- 【請求項1】ビスフェノ−ル類を精製するにあたり、ア
ルコ−ル類と、ナフテン系炭化水素又はパラフィン系炭
化水素との混合溶媒を用いて晶析させることを特徴とす
るビスフェノ−ル類の精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2481792A JPH05194295A (ja) | 1992-01-14 | 1992-01-14 | ビスフェノール類の精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2481792A JPH05194295A (ja) | 1992-01-14 | 1992-01-14 | ビスフェノール類の精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05194295A true JPH05194295A (ja) | 1993-08-03 |
Family
ID=12148746
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2481792A Withdrawn JPH05194295A (ja) | 1992-01-14 | 1992-01-14 | ビスフェノール類の精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05194295A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003076378A1 (fr) * | 2002-03-13 | 2003-09-18 | Mitsubishi Chemical Corporation | Procede de production de bisphenol a |
EP1770197A1 (de) | 2002-04-06 | 2007-04-04 | Electrolux Home Products Corporation N.V. | Waschmaschine und Verfahren zum Waschen von Wäsche in einer Waschmaschine |
JP2017200913A (ja) * | 2016-04-28 | 2017-11-09 | 三菱ケミカル株式会社 | ビスフェノール化合物の製造方法 |
JP2018083803A (ja) * | 2016-11-11 | 2018-05-31 | 三菱ケミカル株式会社 | 1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカンの結晶体およびその製造方法 |
-
1992
- 1992-01-14 JP JP2481792A patent/JPH05194295A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003076378A1 (fr) * | 2002-03-13 | 2003-09-18 | Mitsubishi Chemical Corporation | Procede de production de bisphenol a |
JPWO2003076378A1 (ja) * | 2002-03-13 | 2005-07-07 | 三菱化学株式会社 | ビスフェノールaの製造方法 |
EP1770197A1 (de) | 2002-04-06 | 2007-04-04 | Electrolux Home Products Corporation N.V. | Waschmaschine und Verfahren zum Waschen von Wäsche in einer Waschmaschine |
JP2017200913A (ja) * | 2016-04-28 | 2017-11-09 | 三菱ケミカル株式会社 | ビスフェノール化合物の製造方法 |
JP2018083803A (ja) * | 2016-11-11 | 2018-05-31 | 三菱ケミカル株式会社 | 1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカンの結晶体およびその製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990408 |