JPH05193494A - アンチスキッド・トラクションコントロール油圧ユニット - Google Patents

アンチスキッド・トラクションコントロール油圧ユニット

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JPH05193494A
JPH05193494A JP663392A JP663392A JPH05193494A JP H05193494 A JPH05193494 A JP H05193494A JP 663392 A JP663392 A JP 663392A JP 663392 A JP663392 A JP 663392A JP H05193494 A JPH05193494 A JP H05193494A
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JP
Japan
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pump
pressure
valve
traction control
circuit
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Application number
JP663392A
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English (en)
Inventor
Seiji Hibata
政二 干畑
Yoshiya Takano
喜也 高野
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Hitachi Ltd
Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 異なる機能を果たす二つのポンプである高圧
ポンプとこれに対する吸入用の補助ポンプの駆動部分の
小型化および構造の簡素化を図り得るアンチスキッド・
トラクションコントロール油圧ユニットを提供するこ
と。 【構成】 高圧ポンプ29と、この高圧ポンプ29に対
する吸入用の補助ポンプ19とを用いるアンチスキッド
・トラクションコントロール油圧ユニットにおいて、単
一の電動機軸16の一方の端部16aに前記高圧ポンプ
29を駆動連結し、他方の端部16bに前記補助ポンプ
19を駆動連結するとともに、前記高圧ポンプ29と補
助ポンプ19とを、吸入弁43を有する吸入回路により
結んだこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輪内のホイールシリ
ンダ内の油圧の適正制御と、車輪の駆動スリップの解消
とを掌るアンチスキッド・トラクションコントロール油
圧ユニットに係り、特に高圧ポンプと、この高圧ポンプ
に対する吸入用の補助ポンプとの駆動部分の小型化に好
適なアンチスキッド・トラクションコントロール油圧ユ
ニットに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来技術としては、技術資料
「The“Lexus”Traction Contr
ol(TRAC)System」(Toyota Mo
torCorp. 発行)(以下、「第1の従来例」と
いう)や、特開平2−18150号公報(以下、「第2
の従来例」という)に記載の技術がある。
【0003】前掲第1の従来例では、二つのポンプ要素
をそれぞれ別々の電動機で駆動するようにしている。
【0004】また、前掲第2の従来例では、二つのポン
プ要素を直列に配置することにより、一つの自吸ポンプ
として機能するように連結し、必要な油圧を供給するよ
うに構成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前掲第1の従
来例においては、二つの電動機を必要とするもので、狭
いエンジンルーム内での搭載性の点で問題がある。
【0006】また、前掲第2の従来例においては、二つ
のポンプ要素を用いたポンプ構造によって、有利な高い
容積効率が達成されるが、二つのポンプ要素をいかにし
て駆動するかという点について考慮されていない。
【0007】ところで、この種の油圧ユニットの小型化
を図るためには、二つのポンプ要素を一つの電動機で駆
動可能に構成することが望ましい。しかし、二つのポン
プ要素の機能が異なるがゆえに構造も自ずから異なる。
つまり、二つのポンプ要素のうち、一方のポンプ要素は
十分な自吸性能が必要であるが、他方のポンプ要素に圧
油を充填できる程度の低い圧力を発生できるものでよ
い。これに対して、他方のポンプ要素は、自吸性能はそ
れほど重要ではないが、高い吐出圧力を発生させる必要
がある。したがって、単純に二つのポンプ要素を電動機
軸の片側のみで駆動しようとすると、二つのポンプ要素
を電動機軸方向にタンデムに配置しなければならない。
その結果、電動機軸がその軸受から長く突き出し、電動
機軸の剛性が相対的に低下するため、軸破損の問題が起
きる。この軸破損を防止するため、電動機軸端部に軸受
を設けると、その分寸法が増大し、かつ構造も複雑にな
る。
【0008】本発明の目的は、異なる機能を果たす二つ
のポンプの駆動部分の小型化および構造の簡素化を図り
得るアンチスキッド・トラクションコントロール油圧ユ
ニットを提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、より一層作動の信頼
性を向上させ得るアンチスキッド・トラクションコント
ロール油圧ユニットを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的は、単一の電動
機軸の一方の端部に高圧ポンプを駆動連結し、他方の端
部に補助ポンプを駆動連結するとともに、前記高圧ポン
プと補助ポンプとを吸入用の通路により結んだことによ
り、達成される。
【0011】前記目的は、前記補助ポンプの吸入口を配
管を介してマスタシリンダリザーバに接続し、前記高圧
ポンプの吐出口をブレーキ回路を介してマスタシリンダ
に接続したことによって、より一層的確に達成される。
【0012】前記他の目的は、前記高圧ポンプの吐出口
に、アキュムレータを有する蓄圧回路を結ぶとともに、
この蓄圧回路を蓄圧弁を介して前記ブレーキ回路に接続
したことによって、達成される。
【0013】また、前記他の目的は前記高圧ポンプにプ
ランジャポンプを用いたことにより、さらには前記補助
ポンプにギヤポンプと、ベーンポンプと、渦流ポンプの
いずれかを用いたことにより、またさらには前記補助ポ
ンプに低圧レギュレータを内蔵させたことによって、よ
り一層確実に達成される。
【0014】
【作用】本発明では、単一の電動機軸の一方の端部に高
圧ポンプを駆動連結し、他方の端部に前記高圧ポンプに
対する吸入用の低圧ポンプを駆動連結している。このよ
うに、単一の電動機軸の両端部を出力軸として用いてい
るので、余分な軸受等を追加する必要がない。したがっ
て、電動機軸に補助ポンプを駆動するために必要な長さ
を加えるのみで、異なる機能を果たす二つのポンプであ
る高圧ポンプと補助ポンプとを駆動することができる。
これにより、駆動部分の小型化および構造の簡素化を図
ることが可能となる。
【0015】本発明では、前記補助ポンプの吸入口を配
管を介してマスタシリンダリザーバに接続し、前記高圧
ポンプの吐出口をブレーキ回路を介してマスタシリンダ
に接続しているので、油圧ユニットの作動の信頼性を向
上させることができる。
【0016】本発明では、前記高圧ポンプの吐出口に、
アキュムレータを有する蓄圧回路を結ぶとともに、この
蓄圧回路を蓄圧弁を介して前記ブレーキ回路に接続して
いるので、油圧ユニットの作動の安定化を図り、信頼性
をより一層向上させることができる。
【0017】本発明では、前記高圧ポンプにプランジャ
ポンプを用いており、また前記補助ポンプにギヤポンプ
と、ベーンポンプと、渦流ポンプのいずれかを用いてお
り、さらには前記補助ポンプに低圧レギュレータを内蔵
させているので、それぞれ油圧ユニットを的確に作動さ
せることができ、かつポンプとこれに付属の機器の簡素
化を図り、しかも信頼性を向上させることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。
【0019】図1は本発明の第1の実施例を示すもの
で、一部分を破断して示した回路図、図2は図1のA−
A線断面図である。
【0020】これらの図に示す第1の実施例では、アン
チスキッド制御装置と、トラクションコントロール装置
とを備えている。
【0021】前記アンチスキッド制御装置は、油圧ブレ
ーキ装置と、駆動輪側のブレーキ回路と、従動輪側のブ
レーキ回路と、リザーバ13と、電動機15と、高圧ポ
ンプ29と、補助ポンプ19とを備えている。
【0022】前記油圧ブレーキ装置は、マスタシリンダ
リザーバ1と、マスタシリンダ2と、これに取り付けら
れたブレーキペダル3とを有している。前記マスタシリ
ンダ2には、駆動輪側のブレーキ回路用の管路4と、従
動輪側のブレーキ回路用の管路5とが設けられている。
前記マスタシリンダリザーバ1には、配管6が設けられ
ている。そして、前記ブレーキペダル3を踏むと、踏力
に応じた油圧がマスタシリンダ2から管路4,5に送り
込まれるようになっている。
【0023】前記駆動輪側のブレーキ回路は、前記管路
4と左右の駆動輪(例えば左右の後輪)11a,11b
内のホイールシリンダ12a,12bとを結ぶ通路7
a,7bと、各通路7a,7bに設けられた電磁弁(ノ
ーマルオープン弁)8a,8bと、各通路7a,7bに
おける電磁弁8a,8bの下流側とリザーバ13とを結
ぶ通路9a,9bと、各通路9a,9bに設けられた電
磁弁(ノーマルクローズ弁)10a,10bとを配備
し、駆動輪に制動を掛け得るように構成されている。
【0024】前記従動輪側のブレーキ回路は、前記管路
5に駆動輪側のブレーキ回路と同様、通路および電磁弁
(いずれも図示せず)を設けて構成されており、左右の
従動輪(例えば左右の前輪)に制動を掛け得るように構
成されている。
【0025】したがって、この油圧ブレーキ装置と、駆
動輪側のブレーキ回路と、従動輪側のブレーキ回路と
で、前後輪スプリット式油圧ブレーキ装置が構成されて
いる。
【0026】前記リザーバ13は、ばね圧によって内圧
があらかじめ決められた設定値に保持されている。ま
た、リザーバ13は通路14を通じて、補助ポンプ19
と高圧ポンプ29間に設けられた吸入回路に、接続され
ている。
【0027】前記電動機15は、高圧ポンプ29と補助
ポンプ19の2台のポンプに対して1台設置されてい
る。この電動機15の回転軸である電動機軸16は、軸
受17により支持されている。
【0028】前記補助ポンプ19として、この実施例で
はギヤポンプを使用している。このギヤポンプは、図1
および図2に示すように、ブロック20と中間プレート
21とブロック22とを一体に組み立てて形成されたポ
ンプハウジングと、中間プレート21内に形成されたポ
ンプ室23と、このポンプ室23内に設けられた2個一
対のギヤ24,25と、ブロック22に設けられかつポ
ンプ室23に連通する吸入口26と、ブロック20に設
けられかつポンプ室23に連通する吐出口27とを有し
ている。前記ギヤ24,25のうちの一方のギヤ24
は、継手18を介して前記電動機軸16の他方の端部1
6bに連結されている。前記吸入口26は、配管6を通
じてマスタシリンダリザーバ1に結ばれている。前記吐
出口27は、通路41を介して吸入回路に結ばれてい
る。
【0029】前記高圧ポンプ29は、ポンプハウジング
30と、プランジャ31と、ポンプハウジング30内に
固定のシリンダ32と、仕切り弁であるボール弁34
と、ポンプ室35と、ポンプヘッド37と、逆止弁36
と、ねじ込みキャップ38とを備えている。前記ポンプ
ハウジング30には、吸入口39と、吐出口40とが設
けられている。前記プランジャ31は、電動機軸16の
一方の端部16aに設けられたカム28により進出操作
され、シリンダ32内に設けられた圧縮ばね33により
戻されるようになっている。前記ポンプ室35には、吸
入口39からシリンダのスカート側に設けられた通孔
と、プランジャ31に設けられた通孔と、ボール弁34
とを経て圧油が供給されるようになっている。前記ポン
プ室35からは、シリンダ32のヘッド側に設けられた
通孔と、逆止弁36と、ポンプヘッド37に設けられた
通孔とを経て吐出口40に高圧の圧油を送り出すように
なっている。前記吐出口40は、通路45,48を介し
て前記ブレーキ回路に連結されている。
【0030】前記補助ポンプ19と高圧ポンプ29間に
は、吸入回路が設けられている。この吸入回路は、前記
配管6と高圧ポンプ29の吸入口39間に設けられた通
路42と、この通路42と補助ポンプ19の吐出口27
とを結ぶ通路41と、前記通路42における通路41の
結合部分と高圧ポンプ29の吸入口39間に設けられた
吸入弁43と、同通路42における通路41の結合部分
と配管6間に設けられた低圧レギュレータ44とを有し
ている。前記吸入弁43には、電磁弁(ノーマルクロー
ズ弁)が用いられている。また、前記通路42における
吸入弁43と高圧ポンプ29の吸入口39間には、通路
14を介して前記リザーバ13が接続されている。
【0031】一方、前記トラクションコントロール装置
は、駆動輪側のブレーキ回路に設けられたマスタシリン
ダカット弁46と、蓄圧回路とを有して構成されてい
る。
【0032】前記マスタシリンダカット弁46には、電
磁弁(ノーマルオープン弁)が用いられている。また、
マスタシリンダカット弁46には、逆止弁47を有する
バイパスが設けられている。
【0033】前記蓄圧回路は、高圧ポンプ29の吐出口
40に結ばれた通路45と駆動輪側のブレーキ回路間に
設けられた通路49と、この通路49に設けられた蓄圧
弁50と、前記通路45,49から分岐されかつ前記配
管6に結ばれた通路50と、この通路50に設けられた
アキュムレータカット弁51と、アキュムレータ52
と、油圧スイッチ53と、高圧リリーフ弁54とを有し
て構成されている。前記蓄圧弁49には、電磁弁(ノー
マルオープン弁)が用いられている。前記アキュムレー
タカット弁51には、電磁弁(ノーマルクローズ弁)が
用いられている。
【0034】前記電動機15と、電磁弁8a,8bと、
電磁弁10a,10bと、吸入弁43と、マスタシリン
ダカット弁46と、アキュムレータカット弁51等は、
コントロールユニット(図示せず)により制御されるよ
うに、電気的に接続されている。
【0035】次に、前記第1の実施例のアンチスキッド
・トラクションコントロール油圧ユニットの作用につい
て説明する。
【0036】<モード(1):ブレーキペダルを踏み込
んだ減速動作時>まず、ブレーキペダル3を踏み込んだ
減速動作中は、駆動スリップが発生しないので、トラク
ションコントロール動作は行われない。
【0037】そして、このモード(1)では蓄圧弁49
およびマスタシリンダカット弁46は開いており、アキ
ュムレータカット弁51および吸入弁43は閉じてお
り、電動機15は停止している。この状態でブレーキペ
ダル3を踏むと、その踏力に従って油圧が発生し、その
油圧は管路4→ブレーキ回路の通路7a,7b→電磁弁
8a,8b→車輪(ここでは駆動輪11a,11b)の
ホイールシリンダ12a,12bに送られ、車輪にブレ
ーキが掛けられる。ここからアンチスキッド動作が始ま
る。
【0038】<モード(2):アンチスキッド動作時>
車輪にブレーキが掛けられ、車輪がロックされると、そ
のロック状態をコントロールユニットが検出する。コン
トロールユニットが車輪のロック状態を検出すると、ブ
レーキ回路の電磁弁8a,8bを閉め、ホイールシリン
ダ12a,12bに油圧が送られないようにし、ホイー
ルシリンダ12a,12b内の圧力が一定値以上に上昇
しないようにする。
【0039】次に、車輪に対するブレーキ力が大きくな
り、スリップが発生すると、コントロールユニットがこ
れを検出する。コントロールユニットがスリップの発生
を検出すると、ブレーキ回路の電磁弁8a,8bを閉
じ、電磁弁10a,10bを開け、吸入弁43を閉じた
状態で電動機15を回転させる。これにより、高圧ポン
プ29が駆動され、ホイールシリンダ12a,12b内
の過大なブレーキ力分の圧油が通路9a,9b→電磁弁
10a,10b→リザーバ13→通路14→吸入回路の
通路42→高圧ポンプ29の吸入口39→高圧ポンプ2
9の内部→高圧ポンプ29の吐出口40→通路45→通
路48→蓄圧弁49→マスタシリンダ46→管路4を経
由してマスタシリンダ2に還流する。
【0040】一方、電動機15の回転により補助ポンプ
19も駆動され、マスタシリンダリザーバ1内の圧油が
配管6を経て補助ポンプ19の吸入口26に吸い込まれ
る。この補助ポンプ19に吸い込まれた圧油は、ポンプ
室23→吐出口27→通路41を経て吸入回路の通路4
2に送り出される。しかし、吸入弁43が閉じているた
め、通路42に送り出された圧油は低圧レギュレータ4
4を通って配管6に戻される。
【0041】ところで、補助ポンプ19を駆動すること
による損失エネルギーの大きさは、補助ポンプ19の発
生油圧によって決まるが、低圧レギュレータ44の開弁
圧は高圧ポンプ29が要求する吸入圧に合わせており、
数気圧である。したがって、補助ポンプ19によるブレ
ーキ回路への干渉はなく、損失エネルギーも少なくて済
み、前述のごときアンチスキッド制御が正常に行われ
る。
【0042】<モード(3):車両の走行中にアキュム
レータの蓄圧が低下した場合>次に、車両の走行中にア
キュムレータ52の蓄圧が低下すると、これをコントロ
ールユニットが検出する。コントロールユニットがアキ
ュムレータ52の蓄圧の低下を検出すると、蓄圧弁49
を閉じ、アキュムレータカット弁51および吸入弁43
を開き、電動機15を回転させ、補助ポンプ19および
高圧ポンプ29を駆動する。
【0043】前記補助ポンプ19が駆動されると、マス
タシリンダリザーバ1の圧油が配管6を通じて吸入口2
6に吸い込まれ、ポンプ室23でギヤ24,25により
高圧ポンプ29の吸入口39に吸入可能な圧力に加圧さ
れ、ポンプ室23→吐出口27→通路41→吸入回路の
通路42→吸入弁43→高圧ポンプ29の吸入口39に
送り込まれる。
【0044】ついで、前記高圧ポンプ29の吸入口39
に送り込まれた圧油は、ボール弁34を通ってポンプ室
35に入る。このとき、電動機15により電動機軸16
が回転操作され、これに取り付けられたカム28により
プランジャ31が進出操作されるに伴い、ポンプ室35
内の圧油が加圧される。前記プランジャ31により加圧
された高圧の圧油は、ポンプ室31→逆止弁36→吐出
口40→通路45→蓄圧回路の通路50→アキュムレー
タカット弁51を通ってアキュムレータ52に送り込ま
れ、蓄圧される。
【0045】前記アキュムレータ52が目標の圧力に達
すると、油圧スイッチ53がこれを検知し、油圧スイッ
チ53の検知に基づきコントロールユニットが電動機1
5を停止させ、吸入弁43およびアキュムレータカット
弁51を閉じ、蓄圧弁49を開ける。
【0046】<モード(4):停車した状態でブレーキ
ペダルを踏んでいるとき、アキュムレータの蓄圧が低下
した場合>次に、停車した状態でブレーキペダルを踏ん
でいるときに、アキュムレータ52の蓄圧が低下した場
合には、前記モード(3)の作用に加えてブレーキペダ
ル3を踏んでいる条件が加わるが、蓄圧回路は蓄圧弁4
9を介してブレーキ回路と切り離されている。したがっ
て、ブレーキ回路による制動作用と、蓄圧回路での蓄圧
作用とは問題なく両立する。
【0047】<モード(5):トラクションコントロー
ル時>雪路などで車輪を速度ゼロから発進させたとき
に、駆動輪11a,11bに駆動スリップが発生する場
合がある。コントロールユニットが前記駆動スリップを
検出すると、マスタシリンダカット弁46を閉じ、アキ
ュムレータカット弁51を開く。このようにすると、ア
キュムレータ52に蓄圧されている圧油がアキュムレー
タカット弁51→蓄圧回路の通路50→通路48→蓄圧
弁49→ブレーキ回路の通路7a,7b→電磁弁8a,
8bを通ってホイールシリンダ12a,12bに供給さ
れ、このホイールシリンダ12a,12bに油圧を掛
け、駆動輪11a,11bを制動し、駆動スリップを解
消させるべく作動する。
【0048】駆動スリップがある程度解消した時点で、
コントロールユニットによりブレーキ回路の電磁弁8
a,8bを閉じ、ホイールシリンダ12a,12b内の
油圧を保持する。
【0049】次に、コントロールユニットは駆動スリッ
プが収まったと判断したときは、ブレーキ回路の電磁弁
10a,10bを開き、吸入弁43を閉じた状態で電動
機15を回転させ、高圧ポンプ29および補助ポンプ1
9を駆動する。ついで、アキュムレータ52の蓄圧があ
らかじめ決められた設定値より下がったと判断した時点
で吸入弁43を開く。これにより、アキュムレータ52
の蓄圧を適正に制御したうえで、制動油圧を確保するこ
とができる。
【0050】その後、ホイールシリンダ12a,12b
の油圧の低下により駆動輪11a,11bが再びスリッ
プを起こしたときは、前述の制御を繰り返し行う。
【0051】<モード(6):車輪の速度が回復しない
場合>車両の走行中、車輪の速度が回復しないときは、
コントロールユニットによりブレーキ回路の電磁弁8
a,8bを閉じ、電磁弁10a,10bを開き、吸入回
路の吸入弁43を閉じた状態で電動機15を回転させ
る。これにより、ホイールシリンダ12a,12bの油
圧をリザーバ13に抜く。ホイールシリンダ12a,1
2b内の油圧を抜くことによってリザーバ13に貯えら
れた圧油は、通路14→吸入回路の通路42→高圧ポン
プ29→通路45→通路48→マスタシリンダカット弁
46→管路4を経由してマスタシリンダ2に戻す。
【0052】その後、車輪の速度が回復したときは、コ
ントロールユニットによりブレーキ回路の電磁弁8a,
8bを開け、電磁弁10a,10bを閉め、電動機15
を停止させる。これにより、ホイールシリンダ12a,
12bの油圧を上昇させる。
【0053】<モード(7):蓄圧回路が故障した場合
>蓄圧回路に設けられたアキュムレータ52や油圧スイ
ッチ53等が故障したときは、高圧リリーフ弁54が作
動し、高圧のブレーキ油を高圧リリーフ弁54→通路5
0→配管6を経てマスタシリンダリザーバ1へ戻す。
【0054】以上説明した第1の実施例によれば、単一
の電動機15の回転軸である電動機軸16の一方の端部
16aに高圧ポンプ29を駆動連結し、他方の端部16
bに補助ポンプ19を駆動連結しているので、二つのポ
ンプの駆動部分の小型化および構造の簡素化を図ること
ができる外、高圧ポンプ29と補助ポンプ19間の吸入
回路の構造も簡素化することが可能となる。
【0055】また、吸入回路の通路42に低圧レギュレ
ータ44を設け、吸入弁43を閉じた状態で電動機15
を回転させたときに補助ポンプ19側で吸い込んだ圧油
を、低圧レギュレータ44を通じて配管6に戻すように
しているので、安全に運転することができる。
【0056】さらに、この第1の実施例では高圧ポンプ
29の吐出口40側に蓄圧回路を接続し、高圧ポンプ2
9を通じて蓄圧回路のアキュムレータ52に蓄圧し、こ
の蓄圧されたブレーキ圧をトラクションコントロール時
にブレーキ回路を通じて駆動輪11a,11bのホイー
ルシリンダ12a,12bに供給し、駆動輪11a,1
1bに制動を掛け、駆動スリップを解消するようにして
いるので、トラクションコントロールを確実に実行する
ことが可能となる。しかも、アキュムレータ52の蓄圧
が低下したとき、ブレーキペダル3を踏んでいるという
条件付きではあるが、蓄圧弁49の作用によりブレーキ
回路と蓄圧回路とを切り離しているので、制動作用と蓄
圧作用とを問題なく両立させることができる。
【0057】次に、図3は本発明の第2の実施例を示す
もので、一部を破断して示した回路図である。この第2
の実施例では、前記第1の実施例に対して、蓄圧回路を
省略している。
【0058】その外は、前記第1の実施例と構成および
作用とも同様である。
【0059】ついで、図4は本発明の第3の実施例を示
すもので、図1のB−B線に相当する断面図である。こ
の第3の実施例では、補助ポンプ19にギヤポンプが使
用されており、かつポンプハウジングを構成しているブ
ロック20に低圧レギュレータ55が組み込まれてい
る。
【0060】このように、補助ポンプ19に低圧レギュ
レータ55を内蔵させたことにより、補助ポンプ19と
吸入回路とを外付けの配管1本で接続できるので、配管
の単純化を図ることができる。その他の構成および作用
については、前記第1の実施例と同様である。
【0061】次に、図5は本発明の第4の実施例を示す
もので、補助ポンプ部分の縦断側面図、図6は図5のC
−C線断面図である。この第4の実施例では、補助ポン
プ19にベーンポンプ56が使用されている。
【0062】本発明では、補助ポンプ19として第1の
実施例のギヤポンプに代えて、第4の実施例のようにベ
ーンポンプ56を使用しても、高圧ポンプ29に圧油を
送るために必要な吐出圧を確保することが可能である。
この第4の実施例における他の構成および作用は、前記
第1,第3の実施例と同様である。
【0063】さらに、図7は本発明の第5の実施例を示
すもので、補助ポンプ部分の縦断側面図、図8は図7の
D−D線断面図である。この第5の実施例では、補助ポ
ンプ19として渦流ポンプ57が使用されている外は、
前記第4の実施例と同様である。
【0064】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1記載の発
明によれば、単一の電動機軸の一方の端部に高圧ポンプ
を駆動連結し、他方の端部に補助ポンプを駆動連結する
とともに、前記高圧ポンプと補助ポンプとを吸入用の通
路により結んでいるので、高圧ポンプと補助ポンプの駆
動部分の小型化および構造の簡素化を図り得る効果があ
る。
【0065】本発明の請求項2記載の発明によれば、前
記補助ポンプの吸入口を配管を介してマスタシリンダリ
ザーバに接続し、前記高圧ポンプの吐出口をブレーキ回
路を介してマスタシリンダに接続しているので、油圧ユ
ニットの作動の信頼性を向上させ得る効果がある。
【0066】本発明の請求項3記載の発明によれば、前
記高圧ポンプの吐出口に、アキュムレータを有する蓄圧
回路を結ぶとともに、この蓄圧回路を蓄圧弁を介して前
記ブレーキ回路に接続しているので、トラクションコン
トロールを確実に実行できるし、蓄圧作用とブレーキ作
用とを両立させることができる等の点で、油圧ユニット
の作動の安定化を図ることができる結果、信頼性をより
一層向上させ得る効果がある。
【0067】本発明の請求項4記載の発明によれば、前
記高圧ポンプにプランジャポンプを用いており、また請
求項5記載の発明によれば、前記補助ポンプにギヤポン
プと、ベーンポンプと、渦流ポンプのいずれかを用いて
おり、さらに請求項6記載の発明によれば、前記補助ポ
ンプに低圧レギュレータを内蔵させているので、それぞ
れ油圧ユニットを的確に作動させることができ、かつポ
ンプとこれに付属の機器の構造の簡素化を図り、しかも
作動の信頼性を向上させ得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すもので、一部分を
破断して示した回路図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示すもので、一部分を
破断して示した回路図である。
【図4】本発明の第3の実施例を示すもので、図1のB
−B線に相当する断面図である。
【図5】本発明の第4の実施例を示すもので、補助ポン
プ部分の縦断側面図である。
【図6】図5のC−C線断面図である。
【図7】本発明の第5の実施例を示すもので、補助ポン
プ部分の縦断側面図である。
【図8】図7のD−D線断面図である。
【符号の説明】
1…マスタシリンダリザーバ、2…マスタシリンダ、3
…ブレーキペダル、4…駆動輪側のブレーキ回路の管
路、5…従動輪側のブレーキ回路の管路、6…マスタシ
リンダリザーバと補助ポンプの吸入口とを結ぶ配管、7
a,7b…ブレーキ回路の通路、8a,8b…同電磁
弁、9a,9b…同通路、10a,10b…同電磁弁、
11a,11b…駆動輪、12a,12b…駆動輪のホ
イールシリンダ、13…リザーバ、14…リザーバと吸
入回路とを結ぶ通路、15…電動機、16…電動機軸、
16a…電動機軸の一方の端部、16b…同他方の端
部、19…補助ポンプ、23…補助ポンプのポンプ室、
24,25…補助ポンプであるギャポンプのギヤ、26
…補助ポンプの吸入口、27…同吐出口、28…カム、
29…高圧ポンプ、31…高圧ポンプのプランジャ、3
2…同シリンダ、34…同ボール弁、35…同ポンプ
室、36…同逆止弁、39…同吸入口、40…同吐出
口、41…補助ポンプの吐出口の通路、42…吸入回路
の通路、43…吸入弁、44…低圧レギュレータ、45
…高圧ポンプの吐出口の通路、46…マスタシリンダカ
ット弁、48…ブレーキ回路と蓄圧回路とを結ぶ通路、
49…蓄圧弁、50…蓄圧回路の通路、51…アキュム
レータカット弁、52…アキュムレータ、53…油圧ス
イッチ、54…高圧リリーフ弁、55…補助ポンプに内
臓の低圧レギュレータ、56…補助ポンプであるベーン
ポンプ、57…同渦流ポンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高野 喜也 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所自動車機器事業部内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧ポンプと、この高圧ポンプに対する
    吸入用の補助ポンプとを用いるアンチスキッド・トラク
    ションコントロール油圧ユニットにおいて、単一の電動
    機軸の一方の端部に前記高圧ポンプを駆動連結し、他方
    の端部に前記補助ポンプを駆動連結するとともに、前記
    高圧ポンプと補助ポンプとを吸入用の通路により結んだ
    ことを特徴とするアンチスキッド・トラクションコント
    ロール油圧ユニット。
  2. 【請求項2】 前記補助ポンプの吸入口を配管を介して
    マスタシリンダリザーバに接続し、前記高圧ポンプの吐
    出口をブレーキ回路を介してマスタシリンダに接続した
    ことを特徴とする請求項1記載のアンチスキッド・トラ
    クションコントロール油圧ユニット。
  3. 【請求項3】 前記高圧ポンプの吐出口に、アキュムレ
    ータを有する蓄圧回路を結ぶとともに、この蓄圧回路を
    蓄圧弁を介して前記ブレーキ回路に接続したことを特徴
    とする請求項2記載のアンチスキッド・トラクションコ
    ントロール油圧ユニット。
  4. 【請求項4】 前記高圧ポンプに、プランジャポンプを
    用いたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    のアンチスキッド・トラクションコントロール油圧ユニ
    ット。
  5. 【請求項5】 前記補助ポンプに、ギヤポンプと、ベー
    ンポンプと、渦流ポンプのいずれかを用いたことを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載のアンチスキッド
    ・トラクションコントロール油圧ユニット。
  6. 【請求項6】 前記補助ポンプに、低圧レギュレータを
    内蔵させたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載のアンチスキッド・トラクションコントロール油圧
    ユニット。
JP663392A 1992-01-17 1992-01-17 アンチスキッド・トラクションコントロール油圧ユニット Pending JPH05193494A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997021571A1 (de) * 1995-12-14 1997-06-19 Robert Bosch Gmbh Hydraulische bremsanlage für kraftfahrzeuge
JP2008049742A (ja) * 2006-08-22 2008-03-06 Advics:Kk ブレーキ液圧制御用アクチュエータ

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WO1997021571A1 (de) * 1995-12-14 1997-06-19 Robert Bosch Gmbh Hydraulische bremsanlage für kraftfahrzeuge
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