JPH05193480A - 液圧ブースタ付マスタシリンダ - Google Patents

液圧ブースタ付マスタシリンダ

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JPH05193480A
JPH05193480A JP4024569A JP2456992A JPH05193480A JP H05193480 A JPH05193480 A JP H05193480A JP 4024569 A JP4024569 A JP 4024569A JP 2456992 A JP2456992 A JP 2456992A JP H05193480 A JPH05193480 A JP H05193480A
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JP
Japan
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piston
auxiliary
pressure chamber
chamber
hydraulic
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JP4024569A
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English (en)
Inventor
Junichi Tagami
順一 田上
Hiroki Tanaka
浩己 田中
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 補助液圧室を有するマスタシリンダにおい
て、助勢限界後のブレーキ操作部材のストロークの増大
および操作フィーリングの悪化を防止する。 【構成】 通常は、液圧ブースタ60のパワー圧室70
からのブレーキ液により第一加圧ピストン18が前進さ
せられる。ブレーキペダル86が液圧ブースタ60の助
勢限界を越えて踏み込まれれば、補助ピストン40がわ
ずかに前進し、還流阻止弁142が補助液圧室50から
パワー圧室70へのブレーキ液の流出を阻止する状態と
なる。したがって、その後のブレーキペダル86の踏込
みに伴って第一加圧ピストン18が補助液圧室50のブ
レーキ液圧を介して前進させられ、加圧室22,24に
液圧が発生する。補助液圧室50からのブレーキ液の流
出が防止されることにより、ブレーキペダル86のスト
ロークの増大が回避されるとともに、ペダル86の操作
フィーリングの悪化が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液圧ブースタ付マスタシ
リンダに関するものであり、特に、補助ピストンおよび
補助液圧室を備えたマスタシリンダに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】液圧ブースタ付マスタシリンダの一種
に、例えば、特開平2−204159号公報に記載され
たものがある。このマスタシリンダは、(イ)ハウジン
グと、(ロ)そのハウジングによりそれぞれ液密かつ軸
方向に摺動可能に保持され、ハウジングと共同してそれ
ぞれの前方に加圧室を形成し、それら加圧室に液圧を発
生させる2個の加圧ピストンと、(ハ)ハウジング内の
前側の加圧ピストンの後方に配設され、前側の加圧ピス
トンとの間に補助液圧室を形成する補助ピストンと、
(ニ)ブレーキ操作部材と、(ホ)そのブレーキ操作部
材と後側の加圧ピストンとの間に設けられ、パワー圧室
を有し、液圧源からそのパワー圧室に供給されるパワー
圧によりブレーキ操作部材の操作力を倍力して出力部材
から後側の加圧ピストンに伝達する液圧ブースタと、
(ヘ)パワー圧室と補助液圧室とを接続する補助液通路
とを含むように構成されている。
【0003】ブレーキ操作部材がわずかに操作されれ
ば、液圧源からパワー圧室にその操作力に対応した高さ
のパワー圧が供給され、倍力された操作力が後側の加圧
ピストンに伝達され、後側の加圧ピストンが前進させら
れて後側の加圧室の液圧が高められる。このとき、パワ
ー圧室の作動液が補助液通路を経て、前側の加圧ピスト
ンと補助ピストンとの間に形成された補助液圧室に供給
され、補助液圧室の液圧が高められる。その結果、前側
の加圧ピストンと補助ピストンとが互いに離間させられ
るが、補助ピストンは原位置からの後退を阻止されてい
るため、前側の加圧ピストンが前進させられて前側の加
圧室の液圧が高められる。前側の加圧ピストンはパワー
圧によって作動させられ、液圧ブースタの出力部材は後
側の加圧ピストンを作動させればよいため、ブレーキ操
作部材の所要ストロークが短くて済む。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記マ
スタシリンダにおいて、ブレーキ操作部材が液圧ブース
タの助勢限界を越えて操作された場合には、補助液圧室
の液圧がパワー圧より高くなる。したがって、ブレーキ
操作部材の操作に伴って補助液圧室内の作動液がパワー
圧室へ流出し、補助ピストンが前側の加圧ピストンの後
端に当接して両ピストンが一体的に前進させられるよう
になるまでは前後両方の加圧室の液圧が上昇せず、ブレ
ーキ操作部材の操作ストロークのみが増大する事態が発
生する。そして、このような事態が発生すれば、補助ピ
ストンを設けたことによる操作ストローク低減の効果が
失われるのみならず、運転者に故障ではないかとの不安
を抱かせ、操作フィーリングが悪化するという問題が生
じる。
【0005】本発明は上記問題に鑑み、補助液圧室にパ
ワー圧を導入して加圧ピストンを作動させるタイプの液
圧ブースタ付マスタシリンダにおいて、液圧ブースタの
助勢限界を越えた後の操作部材のストロークの増大およ
びブレーキ操作フィーリングの悪化を防止することを課
題として為されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そして、本発明の要旨
は、ハウジングと、そのハウジングにより液密かつ
軸方向に摺動可能に保持され、ハウジングと共同して加
圧室を形成し、その加圧室に液圧を発生させる加圧ピス
トンと、ハウジング内の加圧ピストンの後方に配設さ
れ、加圧ピストンとの間に補助液圧室を形成する補助ピ
ストンと、ブレーキ操作部材と、そのブレーキ操作
部材と補助ピストンまたはその補助ピストンより後方に
設けられた別の加圧ピストンとの間に設けられ、パワー
圧室を有し、液圧源からそのパワー圧室に供給されるパ
ワー圧によりブレーキ操作部材の操作力を倍力して出力
部材から補助ピストンまたは別の加圧ピストンに伝達す
る液圧ブースタと、パワー圧室と補助液圧室とを接続
する補助液通路とを含む液圧ブースタ付マスタシリンダ
において、補助液通路に、補助ピストンが後退端位置に
ある状態では補助液圧室とパワー圧室との連通を許容す
るが、補助ピストンが一定量前進した状態では少なくと
も補助液圧室からパワー圧室への作動液の還流を阻止す
る還流阻止弁を設けたことにある。
【0007】例えば、マスタシリンダが2つの加圧ピス
トンを有するタンデム型のものである場合に、前側の加
圧ピストンの後方に補助ピストンが設けられる場合、す
なわち、2つの加圧ピストンの間に補助ピストンが設け
られる場合には、その補助ピストンの後方に位置する後
側の加圧ピストンとブレーキ操作部材との間に液圧ブー
スタが設けられる。また、2つの加圧ピストンのうち後
側のピストンの後方に補助ピストンが設けられる場合に
は、補助ピストンとブレーキ操作部材の間に液圧ブース
タが設けられる。マスタシリンダが加圧ピストンおよび
加圧室をそれぞれ1個のみ有するものである場合にも、
補助ピストンとブレーキ操作部材との間に液圧ブースタ
が設けられる。
【0008】
【作用】上記のように構成された液圧ブースタ付マスタ
シリンダにおいて、通常は、補助ピストンが後退端位置
に位置しており、還流阻止弁が補助液圧室とパワー圧室
との連通を許容する状態にある。したがって、ブレーキ
操作部材が操作されてパワー圧室にパワー圧が発生すれ
ば、パワー圧室の作動液が補助液通路を経て補助液圧室
に供給されて、その補助液圧室の前方にある加圧ピスト
ンが前進させられ、その前進量に対応する量だけ操作部
材の所要ストロークが短くて済む。そして、補助ピスト
ンが補助液圧室側へ一定量以上前進させられれば、還流
阻止弁が少なくとも補助液圧室からパワー圧室への作動
液の還流を阻止する状態となるため、それ以後は液圧ブ
ースタが助勢限界に達しても補助液圧室内の作動液がパ
ワー圧室へは流出せず、この作動液を介して加圧ピスト
ンが前進させられる。
【0009】例えば、タンデム型マスタシリンダの2つ
の加圧ピストンの間に補助ピストンが設けられる場合に
は、パワー圧室の作動液が補助液圧室に供給されること
により、前側の加圧ピストンが前進し、前側の加圧室に
液圧が発生する。また、ブレーキ操作部材の操作力が倍
力されて後側の加圧ピストンに伝達されることにより、
後側の加圧室に液圧が発生する。すなわち、前側の加圧
ピストンはパワー圧によって作動させられるため、液圧
ブースタの出力部材は後側の加圧ピストンを前進させれ
ばよいこととなり、操作部材の所要ストロークが短くて
済む。そして、液圧ブースタが助勢限界に達すれば補助
ピストンが補助液圧室側へ前進を開始するが、補助ピス
トンが一定量以上前進したとき還流阻止弁が作動するた
め、補助液圧室の作動液の流出が阻止され、作動液を介
して加圧ピストンが前進させられる。
【0010】また、例えば、2つの加圧ピストンのうち
後側の加圧ピストンの後方に補助ピストンが設けられる
場合には、ブレーキ操作部材の操作開始直後に、パワー
圧室の作動液が補助液圧室に供給されることにより、後
側の加圧ピストンがパワー圧によって前進させられると
ともに、後側の加圧室内の作動液を介して前側の加圧ピ
ストンも前進させられるため、わずかの操作ストローク
でファーストフィルを完了し得る。ブレーキ操作部材の
操作力が増大するにつれて補助ピストンが一定量前進す
れば還流阻止弁が作動し、それ以後は、補助液圧室内の
作動液を介して後側の加圧ピストンが前進させられる。
なお、加圧ピストンおよび加圧室が1対のみ設けられた
マスタシリンダに補助ピストンが設けられる場合も同様
である。
【0011】
【発明の効果】上記のように補助液通路に還流阻止弁を
設けることにより、液圧ブースタが助勢限界に達した後
に、従来のように、補助ピストンが加圧ピストンに当接
するまで補助液圧室内を前進することがないため、ブレ
ーキ操作部材のストロークの増大が防止され、操作フィ
ーリングの悪化が防止される。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1において、10はタンデム型ブレーキ
マスタシリンダ(以下、単にマスタシリンダという)で
ある。マスタシリンダ10はハウジング12を備えてい
る。ハウジング12にはシリンダボア14が形成され、
シリンダボア14には第一加圧ピストン18および第二
加圧ピストン20が液密かつ摺動可能に嵌合されてお
り、各ピストン18,20の前方(図において左方)に
それぞれ第一加圧室22および第二加圧室24が形成さ
れている。第一加圧室22は左右後輪の各ブレーキのリ
ヤホイールシリンダ26,28に接続され、第二加圧室
24は左右前輪のフロントホイールシリンダ30,32
に接続されている。なお、各加圧ピストン18,20は
それぞれリターンスプリング(以下、単にスプリングと
いう)34,36によって後退方向に付勢されている。
【0013】シリンダボア14の第一加圧ピストン後方
の部分には補助ピストン40が液密かつ摺動可能に嵌合
されている。補助ピストン40は、常にはスプリング3
4により第一加圧ピストン18と一体的に後退方向に付
勢されており、その後退限度は、ハウジング12に固定
されたストッパボルト44によって規定されている。図
1に示すように補助ピストン40が後退端位置にある状
態では、第一加圧ピストン18の後端面と補助ピストン
40の前端面とが当接させられている。また、補助ピス
トン40と第一加圧ピストン18との間には補助液圧室
50が形成されている。
【0014】マスタシリンダ10のハウジング12には
液圧ブースタ(以下、単にブースタという)60のハウ
ジング62が液密に嵌合されている。ハウジング62内
にはシリンダボア14に連通するシリンダボア64が形
成され、これにパワーピストン66が液密かつ摺動可能
に嵌合されている。パワーピストン66は第二加圧ピス
トン20と同心であり、パワーピストン66の作動力が
出力部材としての中継ロッド68により第二加圧ピスト
ン20に伝達されるようになっている。
【0015】シリンダボア64にパワーピストン66が
嵌合されることにより、ハウジング62内の空間がパワ
ー圧室70と低圧室72とに区切られている。パワーピ
ストン66の後端部の中央部からは小径部74が延び出
させられており、ハウジング62の端壁を液密かつ摺動
可能に貫通して大気に臨まされている。
【0016】パワーピストン66の小径部74内にはそ
れの後端面から有底穴76が形成されており、これにリ
アクションピストン80が液密かつ摺動可能に嵌合され
ている。その結果、リアクションピストン80と有底穴
76の底面との間に空間が形成されているが、この空間
は連通路82によって常時パワー圧室70と連通させら
れており、パワー圧室70のパワー圧に比例した大きさ
の反力がリアクションピストン80に与えられるように
なっている。この圧力は入力ロッド84を介してブレー
キ操作部材としてのブレーキペダル86に伝達される。
【0017】本実施例においては、補助ピストン40の
後方に位置する第二加圧ピストン20とブレーキペダル
86との間にブースタ60が設けられているのである。
【0018】パワーピストン66は小径部74とハウジ
ング62との間に配設されたリターンスプリング90に
よって後退方向に付勢されるとともに、肩面92がハウ
ジング62に当接することにより後退端位置を規定され
ている。一方、リアクションピストン80はその大径部
がパワーピストン66の有底穴76の肩面94に当接す
ることによってパワーピストン66に対する相対的な前
進限度を規定されている。
【0019】ブースタ60はさらに制御弁96を備えて
いる。制御弁96は、ハウジング62に液密かつ摺動可
能に嵌合されたバルブスプール98を備えている。ハウ
ジング62にはリザーバ100に接続された低圧ポート
102と、アキュムレータ104に接続された高圧ポー
ト106とが形成されている。アキュムレータ104に
はリザーバ100のブレーキ液がポンプ108によって
供給され、アキュムレータ104の液圧は圧力スイッチ
110の出力信号に基づいてモータ112の発停が制御
されることにより、一定範囲に保たれるようになってい
る。なお、114はアキュムレータ104に蓄えられた
ブレーキ液がポンプ108に逆流するのを防止する逆止
弁であり、116はアキュムレータ104の液圧が以上
に高くなることを防止するリリーフ弁である。
【0020】前記バルブスプール98は後退方向(図に
おいて右方)に付勢されており、図示の原位置にある状
態ではパワー圧室70を高圧ポート106から遮断する
一方、連通孔122によって低圧ポート102に連通さ
せる。バルブスプール98はこの位置から一定距離前進
(左方へ移動)することにより、パワー圧室70を低圧
ポート102および高圧ポート106の両方から遮断す
る状態となり、さらに前進することにより低圧ポート1
02から遮断して高圧ポート106に連通させる。
【0021】バルブスプール98,リアクションピスト
ン80およびパワーピストン66の3者間にはレバー装
置126が配設されている。レバー装置126は第一リ
ンク128および第二リンク130を備えており、両リ
ンク128,130がピン132により回動可能に連結
されている。リアクションピストン80がパワーピスト
ン66に対して相対的に前進すれば、第一リンク128
が図において時計方向に回動させられるのに対し、第二
リンク130がピン132の回りに反時計方向に回動さ
せられ、それによりバルブスプール98が前進させられ
て制御弁96が切り換えられる。レバー装置126が、
リアクションピストン80のパワーピストン66に対す
る相対移動をバルブスプール98の移動に変換するので
ある。なお、ブースタ60は、パワー圧室70のパワー
圧が第一加圧室18および第二加圧室20に発生するマ
スタシリンダ圧より一定値高くなるように、パワーピス
トン66の受圧面積が定められている。
【0022】パワー圧室70とマスタシリンダ10の補
助液圧室50との間には、両者を接続する補助液通路1
36が設けられており、パワー圧がポート138から補
助液通路136を経てポート140から補助液圧室50
へ供給されるようになっている。
【0023】補助液通路136には還流阻止弁142が
設けられている。図2に拡大して示すように、還流阻止
弁142のハウジング144はマスタシリンダ10のハ
ウジング12に固定されている。ハウジング144に
は、ポート140および補助ピストン40に形成された
連通孔146を経て補助液圧室50と連通する開口15
0と、補助液通路136と連通するポート152とが形
成されている。また、ハウジング144内には弁部材1
53が設けられている。弁部材153はフランジ154
と半球状の弁子155とを備えており、円錐コイルスプ
リング156により弁子155がポート152の弁座1
58に着座する向きに付勢されている。弁部材153
は、開口150から突出してハウジング12のシリンダ
ボア14内へ延びるロッド状の係合部160を備えてお
り、この係合部160において、補助ピストン40に形
成された係合面162と係合可能とされている。
【0024】補助ピストン40が原位置、すなわち後退
端位置に位置する状態では、係合面162が係合部16
0に係合し、円錐コイルスプリング156の付勢力に抗
して係合部160を傾かせ、弁子155の弁座158へ
の着座を阻止するため、ポート152から補助液通路1
36を経て補助液圧室50とパワー圧室70とが連通す
ることが許容される。一方、補助ピストン40が一定量
前進することにより係合部160と係合面162との係
合が解除され、円錐コイルスプリング156の付勢力に
より弁部材153が垂直な状態となって弁子155が弁
座158に着座する。したがって、補助液圧室50から
補助液通路136へのブレーキ液の流出、すなわちパワ
ー圧室70へのブレーキ液の還流が阻止される。なお、
ブレーキ液のパワー圧室70への還流阻止状態において
も、パワー圧室70から補助液圧室50へのブレーキ液
の流入は妨げられない。
【0025】次に作動を説明する。通常は、補助ピスト
ン40がストッパボルト44に当接して後退端位置に位
置させられ、還流阻止弁142が補助液圧室50とパワ
ー圧室70との連通を許容する状態とされている。
【0026】ブレーキペダル86が踏み込まれれば、パ
ワーピストン66が前進して第二加圧ピストン20を前
進させ、第二加圧室24内のブレーキ液がフロントホイ
ールシリンダ30,32に供給されてそれを作動させ
る。一方、パワー圧室70内の液圧が高まるにつれて、
パワー圧室70からブレーキ液が補助液通路136を経
て補助液圧室50に供給されることにより、図2に示す
ように、第一加圧ピストン18が補助ピストン40から
離間して前進させられ、第一加圧室22内のブレーキ液
がリヤホイールシリンダ26,28に供給される。この
ように、第一加圧ピストン18は補助液圧室50に供給
されるパワー圧によって前進させられるため、ブレーキ
ペダル86の操作ストロークが短くて済む。
【0027】一方、ブレーキペダル86がブースタ60
の助勢限界を越えて強く踏み込まれた場合には、補助液
圧室50の液圧がパワー圧より高くなる。したがって、
ブレーキペダル86の踏込みに伴って、入力ロッド8
4,パワーピストン66,第二加圧ピストン20および
第二加圧室24のブレーキ液を介して、補助ピストン4
0が補助液圧室50側へ前進させられる。補助ピストン
40が図3に示すようにわずかに前進させられれば、補
助ピストン40の係合面162が還流阻止弁142の係
合部160から離間し、円錐コイルスプリング156の
付勢力により弁子155が弁座158に着座して、補助
液圧室50からパワー圧室70へのブレーキ液の還流が
阻止される。したがって、還流阻止弁142の作動後
は、補助液圧室50のブレーキ液を介して第一加圧ピス
トン18が前進させられることとなり、第一加圧室22
の液圧が高められる。
【0028】本実施例においては、還流阻止弁142に
より補助液圧室50からのブレーキ液の流出が防止され
ることにより、補助ピストン40が第一加圧ピストン1
8に当接しなくても第一加圧ピストン18が前進させら
れるため、助勢限界後にブレーキペダル86の操作スト
ロークが増大することが防止される。また、補助液圧室
50からのブレーキ液の流出が防止されることにより、
ブレーキペダル86の剛性感が失われることがなく、操
作フィーリングの悪化が防止される。
【0029】ブレーキペダル86の踏込みが解除されれ
ば、リヤホイールシリンダ26,28およびフロントホ
イールシリンダ30,32から第一,第二加圧室22,
24へのブレーキ液の還流とスプリング34,36の付
勢力とにより第一加圧ピストン18および第二加圧ピス
トン20が後退させられる。このとき、第一加圧ピスト
ン18と共に補助ピストン40が後退させられ、その係
合面162が還流阻止弁142の係合部160に係合し
て再びポート152を開くため、補助液圧室50内のブ
レーキ液が補助液通路136を経てパワー圧室70へ還
流することが許容され、第一加圧ピストン18および補
助ピストン40が後退端位置に戻される。また、第二加
圧ピストン20も原位置に戻される。
【0030】本発明の別の実施例を図4に示す。なお、
前記実施例と同様の部材には同一の符号を付して詳細な
説明は省略する。図において、マスタシリンダ170の
ハウジング172のシリンダボア174には、第一加圧
ピストン176および第二加圧ピストン178が液密か
つ軸方向に摺動可能に配設されており、各ピストン17
6,178の前方に第一加圧室180,第二加圧室18
2が形成されている。また、各ピストン176,178
はリターンスプリング184,186により後退方向に
付勢されている。
【0031】第二加圧ピストン178の後方には補助ピ
ストン188が設けられており、両者の間に補助液圧室
190が形成されている。補助ピストン188は前記実
施例と同様の中継ロッド68を介して図示しない液圧ブ
ースタ60に保持されたパワーピストン66と連携させ
られている。本実施例においては、液圧ブースタ60が
補助ピストン188とブレーキペダル86との間に設け
られ、ブレーキペダル86の操作力がブースタ60によ
り倍力されて補助ピストン188に伝達されるようにな
っているのである。
【0032】補助ピストン188の前端面にはボルト1
94が螺合されており、常にはその頭部が第二加圧ピス
トン178の後端面に当接させられている。また、第二
加圧ピストン178の後端面からは円筒状の係合突起1
98が延び出させられており、半径方向内向きに形成さ
れたフランジ200においてボルト194の頭部と係合
可能とされている。
【0033】また、補助液圧室190は補助液通路13
6によりパワー圧室70と連通させられており、補助液
通路136には前記実施例と同様の還流阻止弁142が
設けられている。還流阻止弁142の係合部160は補
助ピストン188の係合面206に係合可能とされてお
り、補助ピストン188が原位置、すなわち後退端位置
にある状態では係合面206が係合部160と係合する
ため、還流阻止弁142がパワー圧室70と補助液圧室
190との連通を許容する状態となる。一方、補助ピス
トン188が一定量前進して係合面206と係合部16
0との係合が解除されれば、補助液圧室190からパワ
ー圧室70へのブレーキ液の流れが還流阻止弁142に
より阻止される。
【0034】ブレーキペダル86がわずかに踏み込まれ
ればパワー圧が高まり、ブレーキ液がパワー圧室70か
ら補助液通路136および還流阻止弁142を経てポー
ト202から補助液圧室190へ供給されるため、第
一,第二加圧ピストン176,178がそれぞれリター
ンスプリング184,186の付勢力に抗して前進させ
られる。補助ピストン188は中継ロッド68およびパ
ワーピストン66により後退を阻止されているため、第
二加圧ピストン178が補助ピストン188から離間し
て前進させられるのである。両加圧ピストン176,1
78の前進により第一加圧室180および第二加圧室1
82のブレーキ液がそれぞれリヤおよびフロントホイー
ルシリンダ26〜32へ供給される。本実施例において
は、ブレーキペダル86のわずかな操作ストロークでフ
ァーストフィルを完了し得るのである。なお、ファース
トフィル段階における補助ピストン188のわずかな前
進によっては補助液圧室190とパワー圧室70との連
通が遮断されないように、係合面206と係合部160
との係合解除位置が予め設定されているが、もし、還流
阻止弁142が還流阻止状態となっても、パワー圧室7
0から補助液圧室190への作動液の流れは許容され
る。
【0035】ほぼファーストフィルの完了時に、第二加
圧ピストン178の係合突起198のフランジ200が
ボルト194の頭部に係合し、第二加圧ピストン178
と補助ピストン188とのそれ以上の離間が阻止され
て、補助液圧室190の容積の増大が阻止される。した
がって、ブレーキペダル86がファーストフィル領域を
越えて踏み込まれて補助ピストン188が前進すれば、
補助液圧室190内のブレーキ液を介して第一,第二加
圧ピストン176,178が前進させられ、フロントお
よびリヤホイールシリンダにブレーキ液圧が供給され
る。そして、補助ピストン188の係合面206と還流
阻止弁142の係合部160とが離間したとき、還流阻
止弁142の弁子155が弁座158に着座し、補助液
圧室190内のブレーキ液の流出が阻止される。
【0036】本実施例においては、ファーストフィルの
段階で補助液圧室190にパワー圧室70のブレーキ液
が限界量まで流入するようになっており、それ以後は補
助液圧室190の容積の増大が阻止されるため、パワー
圧室70内のブレーキ液が補助液圧室190へ流入させ
られず、補助ピストン188の前進によって、補助液圧
室190のブレーキ液を介して第二加圧ピストン178
が前進させられるようになっているのである。
【0037】ブレーキペダル86がブースタ60の助勢
限界を越えて強く踏み込まれた場合にも、還流阻止弁1
42により補助液圧室190からパワー圧室70へのブ
レーキ液の還流が阻止されているため、ブレーキペダル
86の操作ストロークが増大することなく、良好に制動
を行い得る。
【0038】ブレーキペダル86の踏込みが解除されれ
ば、各ホイールシリンダからのブレーキ液の還流および
リターンスプリング184,186の付勢力により第
一,第二加圧ピストン176,178が後退させられ、
パワーピストン66もリターンスプリング90(図1参
照)の付勢力により後退させられる。このとき、補助ピ
ストン188が補助液圧室190の作動液を介して第二
加圧ピストン178により後退させられ、係合面206
が還流阻止弁142の係合部160に係合すれば、補助
液圧室190からパワー圧室70へのブレーキ液の還流
が許容され、第一,第二加圧ピストン176,178が
それぞれ原位置へ戻る。
【0039】以上、本発明の二実施例について説明した
が、その他にも、当業者の知識に基づいて種々の変形,
改良を施した態様で、本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である液圧ブースタ付マスタ
シリンダを示す正面断面図である。
【図2】上記マスタシリンダの要部を示す正面断面図で
ある。
【図3】上記マスタシリンダの図2とは別の作動状態で
の要部を示す正面断面図である。
【図4】本発明の別の実施例である液圧ブースタ付マス
タシリンダの要部を概略的に示す正面断面図である。
【符号の説明】
10 マスタシリンダ 12 ハウジング 18 第一加圧ピストン 20 第二加圧ピストン 22 第一加圧室 24 第二加圧室 40 補助ピストン 50 補助液圧室 60 液圧ブースタ 66 パワーピストン 70 パワー圧室 86 ブレーキペダル 136 補助液通路 142 還流阻止弁 170 マスタシリンダ 172 ハウジング 176 第一加圧ピストン 178 第二加圧ピストン 180 第一加圧室 182 第二加圧室 188 補助ピストン 190 補助液圧室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、 そのハウジングにより液密かつ軸方向に摺動可能に保持
    され、ハウジングと共同して加圧室を形成し、その加圧
    室に液圧を発生させる加圧ピストンと、 前記ハウジング内の前記加圧ピストンの後方に配設さ
    れ、加圧ピストンとの間に補助液圧室を形成する補助ピ
    ストンと、 ブレーキ操作部材と、 そのブレーキ操作部材と前記補助ピストンまたはその補
    助ピストンより後方に設けられた別の加圧ピストンとの
    間に設けられ、パワー圧室を有し、液圧源からそのパワ
    ー圧室に供給されるパワー圧によりブレーキ操作部材の
    操作力を倍力して出力部材から補助ピストンまたは別の
    加圧ピストンに伝達する液圧ブースタと、 前記パワー圧室と前記補助液圧室とを接続する補助液通
    路とを含む液圧ブースタ付マスタシリンダであって、 前記補助液通路に、前記補助ピストンが後退端位置にあ
    る状態では補助液圧室とパワー圧室との連通を許容する
    が、補助ピストンが一定量前進した状態では少なくとも
    補助液圧室からパワー圧室への作動液の還流を阻止する
    還流阻止弁を設けたことを特徴とする液圧ブースタ付マ
    スタシリンダ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6296324B1 (en) * 1998-03-24 2001-10-02 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Brake fluid pressure generating device for a vehicle

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6296324B1 (en) * 1998-03-24 2001-10-02 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Brake fluid pressure generating device for a vehicle

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