JPH0519057Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は新規に開発された生理用シヨーツに関
するものである。

（従来の技術） 従来より婦女子が生理時に用いる所謂生理用シ
ヨーツについては、数多くの技術が開発され実施
されているところであり、その主たるものはクロ
ツチ片の肌側に接する内側にネツト片を配設し
て、別途充当するナプキン等の経血吸収体の移動
によるずれ防止を図つたもの、或いは生理用シヨ
ーツの後身頃にフイツト性を付与して経血吸収体
の密着性、通気性を図つたもの、或いはクロツチ
片に止着具を形設し、これにより経血吸収体を固
定させるもの、或いは経血吸収体の下面に両面粘
着テープ片を貼着し、このテープ片を以つてクロ
ツチ片の内側へ貼着固定するもの、等々の技術に
よつて所謂経血が漏洩することに起因する、生理
用シヨーツその他の着用下着の汚損を防止し、不
慮の災害を未然に阻止しようとするものである。

然し乍ら上述これ等の技術によると、普段の日
常生活に於いては経血漏洩の虞れが甚少であると
しても、速足による歩行時或いは諸運動時に経血
吸収体が所定位置からずれて、経血が生理用シヨ
ーツに於けるクロツチ片を汚損する場合が度々経
験されるところである。

これは殊に経血量が多い婦女子には尚更であ
り、クロツチ片のみならず、その外側へと浸透し
て着用者に不安感や或いは不快感を想起させるも
のであつた。

斯かる欠陥は生理用シヨーツのクロツチ片が人
体の股部側へ積極的に押圧する作用が期待出来な
いことで、所謂クロツチ片が外方へ浮き上がつて
弛んだブリツジ現象を呈し、結果的に生理用ナプ
キン等の経血吸収体も股部に充分に接触せず、浮
き上がつて当接されるためである。

斯様な欠陥に鑑みて、前記ナプキン等を後中心
方向へ入り込ませフイツトさせ得る工夫として、
例えば生理用シヨーツの後中心にストレツチテー
プを配し、これにより該部にギヤザーを寄せる方
法や、クロツチ片を立体裁断する方法が試みられ
ている。

然しこの種の生理用シヨーツでは、立体裁断の
接ぎが多く、嵩張る原因となり、結果的に股部に
対する肌ざわりが悪化したり、スラツクスその他
外衣に響き易く、デザイン的に剛質感となり、製
品上好ましくない欠陥があつた。

更には股部分への接触性を高めるために、クロ
ツチ片と内側の防水布との間にクロツチ幅と同一
若しくは稍々狭い、広幅状の伸縮性生地を股部分
の前端と後端にのみ縫合し、その両側縁部を未縫
合とした技術が実開昭63−117523号に開示されて
いる。この技術は伸縮性生地による引張力によつ
てナプキンを股部分に保持させるものであるが、
ナプキン使用中は諸運動に伴いナプキンに不定型
な皺が発生し、立体的なその起伏が不均等となる
ので、複雑な起伏に合致せず、この状態下で広い
面状で股部分を押圧すれば、起伏の激しい複雑な
皺が多い個所では、局部的な圧迫が強化され、局
部周辺にすり傷等が発生する欠陥を有するもので
あつた。

（考案が解決しようとする問題点） 然るに本考案に於ける生理用シヨーツにあつて
は、前後左右、斜めの開脚等の諸運動時に際して
も、常にナプキン等の経血吸収体が人体の股部に
フイツトし、股部の弛みに基くブリツジ現象によ
り、経血吸収体が下方へ浮き上がつて股部の接触
が不充分である在来品の欠陥を解消し、ナプキン
の起伏の形状に応じた動きを呈する生理用シヨー
ツを提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記したる目的を達成するために本考案による
生理用シヨーツに於いては、前身頃２と後身頃３
を、外側布４と内側布５とによる複数の部片より
成るクロツチ片１で連結し、クロツチ片１の内部
にクロツチ片１全長に亘つて伸縮性部片を介在さ
せた生理用シヨーツに於いて、該伸縮性部片が扁
平な紐状の細幅テープ片６によつて形成されてい
る生理用シヨーツを特徴としており、また細幅テ
ープ片６を、クロツチ片１の後端縁部８の中心よ
りＶ字型に拡がつてクロツチ片１の前端縁部７へ
跨設した生理用シヨーツを特徴としており、また
細幅テープ片６を、クロツチ片１の前端縁部７の
中心より逆Ｖ字型に拡がつてクロツチ片１の後端
縁部８へ跨設した生理用シヨーツを特徴としてお
り、また細幅テープ片６を、クロツチ片１の中心
線に沿つて跨設した生理用シヨーツを特徴として
おり、また細幅テープ片６を、クロツチ片１の中
心点１０で交叉状に交わるＸ型に跨設した生理用
シヨーツを特徴としているものである。

（作用） 本考案になる生理用シヨーツにあつては、複数
枚を重合したクロツチ片の内部に、該クロツチ片
が前身頃と後身頃とに縫合される前後端縁部間に
亘つて、伸縮性を具備した扁平な紐状の細幅テー
プ片を跨設すると共に、その端縁部間に於いての
み縫合されているので、当該生理用シヨーツ着用
時のクロツチ片は細幅テープ片によりウエスト部
の方向へ引つ張られて持ち上げられることとな
り、人体の股部に強制的にフイツトする働きを呈
すると共に、ナプキンの複雑な起伏皺の形状に応
じて柔らかくフイツトする作用を呈する。

（実施例） 次いで本考案の生理用シヨーツに関する実施例
を図面を参照して説明する。

第１図は本案品の全体正面斜視図であつて、そ
のクロツチ片を一部切欠した要部の平面図が第２
図乃至第５図に表れている。

Ａは生理用シヨーツであつて、全体が伸縮性を
有したソフトタイプの素材、例えばメリヤス或い
は通気性や伸縮性に富むポリエステル等合成繊維
により製出され、縦方向より寧ろ横方向に伸縮特
性が大なるように形成されている。

１は生理用シヨーツＡの前身頃２と後身頃３と
を股部に於いて連結するクロツチ片であり、該ク
ロツチ片１は少なくとも外側布４と肌側に接する
内側布５による複数の部片、或いはそれ以上の部
片により成るもので、防水加工、撥水加工が施こ
された素材、または透湿防水素材等が通常用いら
れるものである。そうして当該クロツチ片１は生
理用シヨーツとして充分な幅員と局部を充分に越
える長さとを備えている。

６は前記クロツチ片１を形成している外側布４
と内側布５との間に介在される扁平な紐状の細幅
テープ片であつて、該細幅テープ片６は長さ方向
に伸縮性を有する幅員を７乃至10mm程度とした定
幅の紐状の織物テープ素材より成るが、これに限
定されることなく、同効の素材を適宜に用いるこ
とも可能である。

而して斯様な細幅テープ片６は、クロツチ片１
の前後方向全長に亘つて跨設されるのであるが、
その際、細幅テープ片６は、クロツチ片１の前端
縁部７と後端縁部８に於いてのみ夫々縫合９さ
れ、クロツチ片１と連結一体化されている。即ち
細幅テープ片６は、クロツチ片１の前後端縁部
７，８以外の部位ではクロツチ片１の動きに連動
しない自由な動きを呈するように構成されてい
る。

そして当該細幅テープ片６は、クロツチ片１に
於ける前端縁部７と後端縁部８間の長さと同等若
しくはそれより少許短尺化された長さを具備する
ものである。

クロツチ片１への細幅テープ片６の配設方法
は、第２図乃至第５図に示されており、第２図の
細幅テープ片６にあつては、クロツチ片１の後端
縁部８の中心よりＶ字型に拡がつて、クロツチ片
１の前端縁部７へ至るように跨設されており、二
本の細幅テープ片６を用いる場合と、Ｖ字型の尖
端部で反転された一本の細幅テープ片６を用いる
場合がある。

第３図の細幅テープ片６にあつては、前記と反
対の実施例であり、クロツチ片１の前端縁部７の
中心より逆Ｖ字型に拡がつて、クロツチ片１の後
端縁部８へ至るように跨設されており、同様二本
の細幅テープ片６を用いる場合と、逆Ｖ字型の尖
端部で反転された一本の細幅テープ片６を用いる
場合がある。

第４図の細幅テープ片６にあつては、クロツチ
片１の中心線に沿つて前後端縁部７，８に亘り跨
設された一本の細幅テープ片６が示されている。

第５図の細幅テープ片６にあつては、クロツチ
片１の中心点１０で交叉状に交わるＸ型に跨設さ
れた二本の細幅テープ片６が示されている。

そうして何れも細幅テープ片６は第６図に示さ
れている如く、クロツチ片１を形成している外側
布４と内側布５との間に介在された構成を具備し
ている。

（考案の効果） 本考案によれば、複数枚の素材を重合してなる
クロツチ片１の内部に、前記クロツチ片１が縫合
９される前身頃２と後身頃３の夫々前後端縁部
７，８間に亘つて、伸縮性を有する扁平な紐状の
細幅テープ片６を、その両端縁部７，８間に於い
てのみ縫合９されるように跨設したものであるた
め、これが着用時には、細幅テープ片６はその長
さ方向である前後に引つ張られることで、クロツ
チ片１はウエスト部の方向へと引つ張り上げら
れ、結果、人体の股部に強制的に弛むことなく臀
裂に割り込ませてフイツトさせるものとなり、従
つてナプキン等の経血吸収体は常時人体の股部に
確実性を以つて接触するものとなり、移動に伴う
ずれや漏洩を未然に阻止し、常に快適爽快な装着
感を付与するものとなる。

殊に細幅テープ片はナプキン使用中のその複雑
な起伏皺に応じてフイツトするものと成り、而し
て細幅テープ片６をクロツチ片１の後端縁部８の
中心から前端縁部７へ拡がるＶ字型に配すれば、
人体の股部形状と合致するため、極めて安定化し
て経血吸収体を保持し乍ら持ち上げることが出
来、後漏れの多い場合に有効となる。

また細幅テープ片６を同様逆Ｖ字型に配すれ
ば、人体の股部形状と異なるが、経血吸収体を持
ち上げて確実にフイツトさせることが出来、前漏
れの多い場合に有効となる。

また細幅テープ片６をクロツチ片１の中心線に
沿つて沿設すれば、外陰部に沿う形状となるの
で、漏洩を生起させずフイツト効果が期待出来
る。

更にはまた、細幅テープ片６をＸ型に交叉させ
て配すれば経血の吸収作用が均等となり、フイツ
トしたなかに安定した吸収が可能となる効果を奏
する。斯かる場合、交叉する中心点１０を予め縫
合する構成と、縫合しない構成を採択することが
任意可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案生理用シヨーツの実施例を示すも
のであつて、第１図は全体正面斜視図、第２図乃
至第５図は一部切欠要部の平面図、第６図は断面
見取図を示す。 Ａ……生理用シヨーツ、１……クロツチ片、２
……前身頃、３……後身頃、４……外側布、５…
…内側布、６……細幅テープ片、７……前端縁
部、８……後端縁部、９……縫合。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 前身頃２と後身頃３を外側布４と内側布５と
   による複数の部片より成るクロツチ片１で連結
   し、クロツチ片１の内部にクロツチ片１全長に
   亘つて伸縮性部片を介在させた生理用シヨーツ
   に於いて、該伸縮性部片が扁平な紐状の細幅テ
   ープ片６によつて形成されていることを特徴と
   する生理用シヨーツ。 ２ 細幅テープ片６は、クロツチ片１の後端縁部
   ８の中心よりＶ字型に拡がつてクロツチ片１の
   前端縁部７へ跨設した請求項１記載の生理用シ
   ヨーツ。 ３ 細幅テープ片６は、クロツチ片１の前端縁部
   ７の中心より逆Ｖ字型に拡がつてクロツチ片１
   の後端縁部８へ跨設した請求項１記載の生理用
   シヨーツ。 ４ 細幅テープ片６は、クロツチ片１の中心線に
   沿つて跨設した請求項１記載の生理用シヨー
   ツ。 ５ 細幅テープ片６は、クロツチ片１の中心点１
   ０で交叉状に交わるＸ型に跨設した請求項１記
   載の生理用シヨーツ。